(メール転送です) 低線量内部被曝の危険を人々から覆い隠すICRP学説の起源 他+アルファ
前略,田中一郎です。
1.(メール転送です)低線量内部被曝の危険を人々から覆い隠すICRP学説の起源
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150501.pdf
5月1日に広島市の繁華街で行われた「第128回 広島2人デモ」のチラシを紹介させていただきます。私は当日参加できなかったのですが、このチラシの内容は、現在私たちが置かれている、被曝をめぐる危機的状況の淵源をえぐる、重要なものだと思います。特に、福島原発災害被災地のみなさまには、ぜひともご注目いただきたいと思います。しかしこれは、福島原発事故による避難基準よりもさらに苛酷な避難基準のもと、原発の再稼働を押し付けられようとしている全国の住民の問題です。
▼第128回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150501.pdf
▼タイトル
「低線量内部被曝の危険を人々から覆い隠すICRP学説の起源」
▼トピック
1.ICRP学説に完全に支配される日本社会の「放射線防護体制」
2.ICRP学説は私たちの生活の隅々まで支配している
3.ICRP学説の特徴-「放射線防護の3原則」
4.”ALARA”(アラーラ)の原則
5.ICRPの生い立ち-NCRPの国際版として成立
6.アメリカ放射線防護委員会(NCRP)の成立
7.1946年NCRPの役割
8.その後反核の闘士に変貌を遂げるカール・モーガン
9.内部被曝問題に封印
10.NCRPをそっくり引き継いでスタートするICRP
11.核の軍事利用・産業利用とともに登場するICRP
12.ICRPが全面的に依拠する広島・長崎の被爆者寿命調査(LSS)
13.実際に高線量外部被曝のみではなかった広島原爆の放射線被害
14.川内原発再稼働を容認する鹿児島地裁判決がよって立つのは放射能安全神話
(中略)
現在の日本の「放射能汚染食品基準」も、苛酷な避難基準を設定している「原子力災害対策指針」も、福島原発事故避難地域住民の帰還を促す政策も、すべて依拠しているのは、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告です。
では、ICRPとはどのような組織で、ICRPの勧告は何を根拠としているのか?
ICRPとは、アメリカ放射線防護委員会(NCRP)の国際版として成立した組織です。アメリカ放射線防護委員会(NCRP)は、広島・長崎に投下された原爆の開発を行った「マンハッタン計画」を引き継いで成立したアメリカ原子力委員会(AEC)同様、「マンハッタン計画」で働いていた放射線防護の専門家たちを主要メンバーとし、
その役割は、核の軍事利用・産業利用を推し進めるアメリカ原子力委員会(AEC)の活動を、放射線防護政策の立場から支援することでした。ICRPは、NCRPと同様、核の利用と、核の利用に伴う放射線被曝による健康損傷を、科学的外観を装いつつ、合理化・正当化することを任務としています。
そのICRPの主張の根拠となっているのは、広島・長崎の被爆者寿命調査(LSS=Life
Span Study)です。被爆者寿命調査(LSS=Life Span Study)とは、アメリカ原子力委員会(AEC)の下にあった原爆傷害調査委員会(ABCC)が、1950年1月の時点で生存していた広島・長崎の原爆被爆者を対象に、原爆炸裂時に発生した一次放射線(ガンマ線と中性子線)の影響(がんと白血病に限定)を調べた調査です。
LSSは、原爆炸裂時に発生した一次放射線の影響についての調査ですから、「高線量外部被曝」の影響調査であって、「低線量内部被曝」の影響調査ではありません。「高線量外部被曝」の人体への影響のしかたと、「低線量内部被曝」の人体への影響のしかたは、別のものです。したがって、被爆者寿命調査(LSS=Life
Span Study)の結果を根拠として、「低線量内部被曝」について基準を設定したり、勧告を行ったりすることは、きわめて不適切なことです。
核利用は、軍事的利用にせよ、産業的利用にせよ、必ず「低線量内部被曝」を伴います。したがって、
「低線量内部被曝」による健康損傷を人々がはっきりと認識するようになれば、核利用を正当化することはむずかしくなります。ICRPとは、それを防ぐために設けられた組織であり、それに根拠を与えるために行われたのが被爆者寿命調査(LSS)だと言えます。しかし今、私たちが「低線量内部被曝」の影響をはっきりと認識しなければ、私たちは私たち自身を守ることはできないでしょう。
2.ナイ教授「辺野古移転を強行すべきではない」 アメリカから見た世界 東洋経済オンライン 新世代リーダーのためのビジネスサイト
http://toyokeizai.net/articles/-/68769?page=4
3.「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の先生方
(1)矢ケ崎克馬さん:人格権とICRPの論説は次のようにブログに載せました。
●原発事故後の日本を生きる
(2)松崎道幸さん
●「放射線被ばくの影響を一ケタ過小評価していませんか? -放影研原爆データ(LSSデータ)を検証する-」
( 3)山田耕作、渡辺悦司
●『放射線被曝の理科・社会』(野口邦和,清水修二他)の問題点
4.世界文化遺産 韓国は登録反対「基本精神に合わない」 - 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20150505k0000m040095000c.html
(参考)【世界文化遺産】軍艦島などを推薦。しかし「近代化」の影で強制徴用や人権侵害もあった悲しい歴史が。 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2137982503998687401
(一部抜粋)
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しかし、その影で植民地だった韓国の人々を強制徴用した歴史も
日本は暗い過去の歴史は完全に隠したまま登載を推進
この小さい島は日帝強制占領期間の時、強制動員された朝鮮人鉱夫122人がつらい労働と劣悪な環境に耐えることができず亡くなった暗い歴史を抱いている。(1944~45年端島に約800人の朝鮮人が強制動員され、うち最低でも122人が亡くなったことが明らかになっているという。)
「端島での生活は、狭く、熱く、眠くて、大変疲れた。具合が悪くて作業から抜ければひどく鞭で打たれた。
一本道の堤防上に登り、故郷の方を眺めて何度も死のうと思った。 生きて帰るのは難しそうだった。」温度が40度まで上がる海底1000mの坑道で、一日12時間ずつ労働させられた。 狭苦しい坑道で横になって石炭を掘った。
割当量を達成できなければ炭坑から出られない生き地獄のような毎日だった。 海に飛び込んで逃げようとすれば溺れ死んだり、捕まれば滅茶苦茶に殴られた。
給料や食事、休日などの虚偽の好条件で騙されてやってきた労働者が多く、劣悪な環境に耐えられず「島抜け」(泳いで島を脱出すること)や自殺をする者もおり、日本人の場合は自殺(縊死)が多かったのに対して、朝鮮人の場合は島抜けを試みる者が多かった。ただし、実際に「島抜け」が成功した例は少なく、大半は溺死するか、警察や監視する職員に捕まって連れ戻され、見せしめに拷問された。
「監獄島」とも呼ばれた時代がある「軍艦島」。実は日本人労働者も犠牲になっているという。私たち日本人の立場から見ても、「近代化の象徴」の側面より「労働者の悲劇」の側面について考えるべきではないだろうか。
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(田中一郎コメント)
この問題について,インターネットで検索してみたが,まともな解説サイトを見つけるのを苦労するくらい,ネット上の言論は「ジコチュー」(日本うぬぼれ歴史観)に陥り,どうしようもないガラクタ言論であふれかえっていた。上記でご紹介した毎日新聞でさえもが,下記のようなバカバカしい似非歴史学者のコメントを掲載しているからあきれるばかりである。
こんなものは「世界遺産」ではなくて「世界悲惨」のモニュメントではないか。今の日本政府のみならず,多くの政治家達や官僚,一部の財界人,学者やマスごみなどの態度を見ていたら,韓国や中国など,アジアの国々・アジアの人々が,この軍艦島を世界遺産に登録することに反対するのは当然のことだ。ドイツがナチス政権による暴虐への心底からの反省(その1つの証拠が徹底した戦争賠償であり,またナチス犯罪への時効なしの責任追及であり,更に歴代政府による言を尽くしての過去の自国の振る舞いへの反省の弁だ)を示しつつ,アウシュビッツを歴史的遺産として残していることとは訳が違う。
数日前に,この軍艦島の世界遺産への登録のニュースを伝えたTVニュースでは,こうした軍艦島での強制連行されたアジアの人々の強制奴隷労働については,一言も触れていない。また,日本政府・とりわけ安倍晋三政権が,そのような過去のアジアへの犯罪行為を反省するわけもない。こんな状態で,何が「世界遺産」登録か。
にもかかわらず,毎日新聞は下記のような,底の浅い,政府からのフォローの風を意識した似非学者どもの発言をわざわざ報道している。
「国内の歴史学者は負の側面も含めて歴史的な施設を評価すべきだとする見解を示している。小風秀雅・お茶の水女子大教授(日本近代史)は「世界遺産は光と影の部分を全体として評価することが求められる。両者を見つめることこそ大切ではないか」と指摘している。」
私はこういう根曲がりを覆い隠したような偽善的・欺瞞的な言動を,「学者」と称する権威を笠に着た,ただのおバカなおっさん,おばはんどもが発言することを最も唾棄すべきことと考えている。だったら,今日的な日本の状況下で,お前達が,その「負の側面」を徹底して世に伝えてみよ,ということだ。
私は,韓国,中国,アジアの人々とともに,軍艦島の世界遺産登録に反対したいと思っている(登録するのなら,韓国,中国,アジアの方々がOKという形でなければダメだ)。
(参考)負の世界遺産
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%BA%E7%94%A3
(参考)軍艦島 Yahoo!画像検索
5.(メール転送です)
━ No.665 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業ニュースクリップ 2015.05.06
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≪ 今日の目次 ≫
■ネオニコ農薬の総合的評価書の翻訳が完成 無料で公開
■EU委員会 GM食品・飼料禁止を加盟国に委ねる改正案を提案
■GM作物承認を再開したEU委員会 19品種を承認
≪ 農薬 ≫
■ネオニコ農薬の総合的評価書の翻訳が完成 無料で公開
世界の科学者30人によって構成される浸透性殺虫剤タスクフォース(The Task Force on Systemic Pesticides、TFSP)は、浸透性のネオニコ系農薬とフィプロニルに関する、査読を受けた1121編の論文を精査した結果を、昨年6月から10月にかけて8編の論文として発表した。評価された論文には化学メーカーの資金援助を受けた論文を含むという。これらの論文は今年1月、TFSPより『Worldwide Integrated Assessment』として公表されていた。日本の専門家からなるネオニコチノイド研究会はこのほど、この評価書の日本語訳『浸透性殺虫剤の生物多様性と生態系への影響に関する世界的な統合評価書』を公開した。無料でダウンロードできる。
【目次】
1.浸透性殺虫剤に関する世界的な統合評価書:昆虫相の世界的崩壊:浸透性殺虫剤が果たした役割の探求
2.浸透性殺虫剤(ネオニコチノイド系殺虫剤およびフィプロニル):動向、使用状況、作用機序、および代謝産物
3.環境運命と曝露:ネオニコチノイド系殺虫剤とフィプロニル
4.ネオニコチノイド系殺虫剤およびフィプロニルの非標的無脊椎動物への影響
5.野生脊椎動物へのネオニコチノイド系殺虫剤およびフィプロニルの直接的間接的影響の検討
6.浸透性殺虫剤の大量使用による生態系機能および生態系サービスに対する危険
7.害虫駆除のためのネオニコチノイド系殺虫剤の代替案:農業および林業における事例研究
8.ネオニコチノイド系殺虫剤およびフィプロニルが生物多様性および生態系機能に与える危険に関する世界的な統合評価書の結論
・ネオニコチノイド研究会, 2015-4
浸透性殺虫剤の生物多様性と生態系への影響に関する世界的な統合評価書
http://www.actbeyondtrust.org/wp-content/uploads/2015/05/wia_20150502.pdf
・The Task Force on Systemic Pesticides, 2015-1-9
Worldwide Integrated Assessment
http://www.tfsp.info/assets/WIA_2015.pdf
欧州科学アカデミー諮問委員会(EASAC)が先月、広範なネオニコチノイド農薬の使用が、ミツバチ以外の昆虫や生物に悪影響を及ぼしているとする報告書を公表し、米国環境保護庁も、イミダクロプリドなど4種類のオニコチノイド系農薬について、条件付ながら新規の用途登録や変更を行わないと発表した。遅れている米国のネオニコ規制に関する特別委員会の報告も近いとみられている中、世界的にはネオニコ系農薬への「包囲網」が狭まってきている。問われるのは、規制緩和に動いている日本政府だ。
【関連記事】
No.658 EU科学諮問委員会報告書 ネオニコ系農薬が広範に悪影響証拠が増える
http://organic-newsclip.info/log/2015/15040658-1.html
No.656 米国EPA ネオニコ系4農薬の新規登録を凍結
http://organic-newsclip.info/log/2015/15040656-1.html
≪ 遺伝子組み換え ≫
■EU委員会 GM食品・飼料禁止を加盟国に委ねる改正案を提案
EU委員会は4月22日、EUの承認した遺伝子組み換え食品と飼料について、加盟国が自由に禁止や制限を決められるとする提案を行った。3月のGM作物栽培の自由を加盟国に与えるGM規制指令の改正を受けたもの。この提案により、停滞しているGM食品や飼料の承認作業を促進する狙いがあるようにもみえる。
ロイターによれば、米国とEUの貿易・投資パートナーシップ(TTIP)交渉で遺伝子組み換え作物の拡大を目論んでいる米国のフロマン通商代表は、EUという単一市場を28に分割するものとして失望を表明したとしている。グリーンピースはこの提案に、遺伝子組み換え作物の流通拡大に門戸を開くもの、とするコメントを明らかにした。
GM食品の安全審査や承認を、これまで通りEUが行うとはいうもの、GM作物・食品に関しては、加盟各国の政策の違いにより共通政策を維持できなくなったということだ。GM反対のフランスなどは、GM規制の障壁がなくなることになる。その一方で、EUの承認作業が進展すれば、GM推進の英国などはGM食品の流通を増やすことが可能になる。
・European Commission, 2015-4-22
More freedom for Member States to decide on the GMOs
use for food & feed
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-15-4777_en.htm
Fact Sheet: Questions and Answers on EU's policies
on GMOs
http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-15-4778_en.htm
Review of the decision-making process on GMOs in the EU:
Questions and Answers
http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-15-4779_en.htm
・Greenpeace, April 24, 2015
EU approves 19 GMOs for import - Greenpeace comment
http://www.greenpeace.org/eu-unit/en/Publications/2015/comment---EU-approves-19-GMOs-for-import/
・Reuters, 2015-4-22
EU proposes GM opt-out for members, angering
pro- and anti-GM camps
http://www.reuters.com/article/idUSKBN0ND10C20150422
EU理事会は3月2日、1月のEU議会の議決を受けて、GM作物栽培の可否を加盟各国の裁量に任せるという新たなEU指令を決めている。モンサントは昨年、GM作物栽培の申請を取り下げたが、シンジェンタやパイオニアなどの申請は残っている。
このEU指令の改正により、各国政府に対し栽培許可を求めるGM企業の圧力が強まると見られている。EU域内でのGM作物栽培の拡大を危惧した欧州緑の党は、EU議会の議決で反対し、FoE(台地の友)は全てのEU加盟国でGM栽培禁止を要求していた。
・Council of the European Union, 2015-3-2
New GMO rules get final Council approval
http://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2015/03/150302-new-gmo-rules-get-approved/
・Friend of Earth, 2015-3-2
Governments can now shut door on biotech crops
http://www.foeeurope.org/new-gm-law-approved-governments-shut-door-biotech-crops-020315
EUはモンサントの遺伝子組み換えトウモロコシ1品種のみの栽培を承認し、スペインなどEU加盟5カ国の約15万ヘクタールで栽培されている。EUはまた、GM食品・飼料として58品種を承認している。2013年には、飼料用として3200万トンの大豆と大豆ミールを輸入し、その90%がGM品種だとしている。
【関連記事】
No.645 EU議会 GM規制の“自由化”へ合意1月に正式議決へ
http://organic-newsclip.info/log/2014/14120645-3.html
■GM作物承認を再開したEU委員会 19品種を承認
EU委員会は4月24日、新たにGMダイズなど10品種を承認し、7品種の承認を更新。これらに加えサントリーのGMカーネーション2品種を承認したと発表した。2013年から停滞していた食品・飼料用の遺伝子組み換え作物の承認を再開した形だ。EUの承認作業の「遅れ」は、GM推進の側から批判されていた。今回、新たなGM作物栽培の承認はなかった。
・European Commission, 2015-4-24 Commission
authorises 17 GMOs for food/feed uses and 2 GM carnations
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-15-4843_en.htm
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遺伝子組み換え関連情報:
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