放射性廃棄物を地下深くに隠したがる原子力ムラのダチョウ族の危険極まりない習性;規制委、低レベル廃棄物処分で基準、10万年 50メートル地下に
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
(最初に3つばかりご案内です)
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1.FoE Japan:IAEA福島レポートについて公開レター:「被ばく、健康影響の過小評価は、将来に禍根を残す」
http://www.foejapan.org/energy/news/150914.html
●(ネット署名)IAEA報告書に異議…被ばくの過小評価は将来に禍根を残す
また、今回はIAEA総会にあわせて、ということで急いで提出してしまいました
が、9月17日(木)朝9時まで、引き続き広く賛同を集め、日本の市民社会の声としてIAEAに再度提出したいと考えています。ぜひご署名いただければ幸いです。署名はこちらからお願いします。
https://pro.form-mailer.jp/fms/4915bd5284648
2.キャンペーン ・ 鴻池祥肇委員長に安保関連法案を強行採決しないよう求める
・ Change.org
3.「脱被ばく実現ネット」ちらし:福島の子どもたちを被ばくから救え!!
(その1:表)https://drive.google.com/file/d/0B07Aw0TeW8fHWWQ5dGo4X2xpNDA/view
(その2:裏)https://drive.google.com/file/d/0B07Aw0TeW8fHV3FsMWVjekE1OUU/view
(ここから本文)
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別添PDFファイルは、昨日(9/15)の日経産業新聞に掲載された「低レベル放射性廃棄物」の最終処分に関する記事です。「よせばいいのに」の原発や核燃料サイクル事業の結果出てくる放射性廃棄物、特にこれからは本格的な老朽化原発・核燃料施設の廃炉の時代を迎えるに当たり、これまでとは排出量の水準がけた違いに多い放射性廃棄物が出てくることになるが、それに関して、このほど原子力規制委員会・規制庁が、その管理基準・排出基準を定めようとしている、という内容だ。
記事を読んで驚いた。そもそも記事の表題「規制委、低レベル廃棄物処分で基準、10万年 50メートル地下に」が目についたとき、何考えているんだろうか、この愚かな人たちは、と一瞬にして思ったが、記事を読んでみて、その出鱈目な対応「基準」案に驚いてしまった。以下、簡単に記事をご紹介するとともに、その出鱈目ぶりを全般的に批判しておきたい。
世界でも指折りの地震・津波列島、火山列島、大量地下水列島、集中豪雨列島、地殻変動列島である日本で、「トイレなきマンション」と言われ続けた原発・核燃料サイクル事業を巨大な規模でやり続けてきた愚かさのツケをいよいよ支払う時が来ているのだが、この原子力ムラのダチョウ族(*)たちは、その大問題の放射性廃棄物を地下深くに埋めて人の目に触れないようにして隠すことで事足れりとしようとしているようである。自分たちが居住する土地の直下に放射性廃棄物という超危険な「核・時限爆弾」のようなものをセットして、これから10万年間、地下に埋めておきます、などと言っている。それで放射性廃棄物対策ができました、などと言うのだから、アホウにもほどがあるというものだ。何が放射性廃棄物の最終処分「基準」だ。こんなものを打ち出す原子力規制委員会こそ、低レベル反社会性廃棄物そのものではないか。
(*)ダチョウの習性
愛嬌のある姿をした鳥であるダチョウは、自分自身に危機が迫ったり厄介なことが起きると、自分の身をとりあえず隠すために、頭だけを砂の中に突っ込んで隠れた気分になるのだそうである。この放射性廃棄物を地中に埋めたがる原子力ムラのアホウどもも、こうしたダチョウの習性とよく似た習性をもつ頭のイカレたアホウドリである。
<別添PDFファイル>
●規制委、低レベル廃棄物処分で基準、10万年 50メートル地下に(日経産業
2015.9.15)
<関連サイト>
(1)低レベル廃棄物「10万年隔離を」 規制委が基準案:朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11800161.html
(2)時事ドットコム:【図解・社会】低レベル放射性廃棄物区分と処分方法(2015年3月)
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_energy-genpatsu20150317j-04-w480
(日経産業新聞記事の一部抜粋)
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原子力規制委員会は原子力発電所の廃炉の際に出る「低レベル放射性廃棄物」を処分するための基準の骨子を、2015年中にもまとめる。地下に埋設して隔離する期間を10万年と想定し、安全確保のための場所の選定や埋設方法などについての要件を固める。現在、東海原発(茨城県)などの廃炉に向けて作業が進んでおり、廃棄物の処分が今後大きな課題となる。
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(田中一郎コメント)
1.地下深く埋められる放射性廃棄物は「低レベル」などではない
日経産業新聞の当該記事か、上記「関連サイト」の(2)時事ドットコムの「低レベル放射性廃棄物区分と処分方法」の図表か、いずれかをご覧いただきたいのだが、ポイントは、埋設される放射性廃棄物は、決して「低レベル」などというシロモノではないということが重要である。
(1)まず、日経産業新聞記事には「原発から出る放射性廃棄物は、使用済み核燃料を再処理する際に出る廃液である高レベル放射性廃棄物(*)と、それ以外の低レベル放射性廃棄物に大きく分けられる」とある。つまり、超危険物である再処理後の高レベル放射性廃液以外は、すべて「低レベル放射性廃棄物」とするというのだから、要するに原発ゴミはすべて「低レベル放射性廃棄物」だとウソ偽りのレッテルを貼っているようなものだ(加えて、この記事によると、日本全国の原発の使用済み核燃料はすべて「再処理」するのだそうだが、そんなことができるのか? この記事を書いた日経産業記者の良識というか現状認識の錯誤もうかがわせる記事である)。
(2)だから、そのウソ偽りの「低レベル放射性廃棄物」を、更に放射能汚染のレベルで「L1」「L2」「L3」の3ランクに分けている。そして、記事の見出しにある「10万年間、50メートル地下に」とされるのは、この中の「L1」に分類された最も放射能汚染がひどい廃棄物のことである。原発・核燃料施設ゴミである放射性廃棄物の最終処分の仕方の考え方は簡単で、放射能汚染レベルが高いものほど、長期間、かつ、より堅固な構築物で覆って、より深く地中に埋めるというものだ。
(3)一般に、巨大な規模の原発・核燃料施設ゴミである放射性廃棄物は、その量があまりにも膨大なため、それがどれくらい放射能で汚染されているかは正確には計測することはできない。何故なら、膨大な量の放射性廃棄物は、全体にわたって均一に放射能で汚染されているわけではなく、当然ながら汚染度合いのひどいところと軽いところの、いわゆる「ムラ」があり、放射性廃棄物の山の一部分を採取して放射能汚染状況を実測してみても、それが放射性廃棄物全体を代表しているとは言えないからである。
(このことは、福島第1原発事故直後にその処分が大問題となった放射能汚染瓦礫についてもいえることで、あの瓦礫の山を見て、平然と「測ってみましたが、たいした放射能ではありません」などと言う人間は、みな「いい加減人間」か、「ために言う」ハラ黒人間か、あるいは「無邪気な間抜け」かのいずれかである。実際には、放射能汚染瓦礫の山の中には、放射能汚染の度合いがずば抜けて高いホット・スポット的な部分があると思っておいた方がいい。しかし、放射能汚染瓦礫の量があまりに膨大であるため、それを実証することは実際問題として不可能に近い=測りきれない)
(4)従って、やむなく、この放射性廃棄物の汚染ランク別の区分けをする基準として、実測値ではなくて、その放射性廃棄物が「どこから出てきたか」で区分することで、ランク分けの基準としている(下記参照)。こんなものが必ず「低レベル」の放射能汚染であるとは限らないことは自明である。特に「L1」などは原子炉の中にあったものだから、ほぼ確実に「高レベル」だとみておいていいものである。日経産業記事には「中性子を浴びて放射線を出すようになった原子炉の部品などがこれにあたる」と説明されている。まさにこれは「高レベル放射性廃棄物」そのものだ。原子力規制委員会や原子力ムラが言う「低レベル放射性廃棄物」という用語は、その実態を表さない虚偽表示=放射能汚染偽装表示、そのものである。
「L1」=原子炉内の部品など
「L2」=フィルター、消耗品など
「L3」=コンクリート、金属など
2.日本列島のどこに10万年間もじっと動かずに静かにしていることが確実な土地があるのか?
日本列島は、過去数万年から数十万年ばかり遡ると、今現在の4つの主要な島からなる弓形の列島とは似ても似つかぬ形状をした、アジア大陸から延びる「半島」であったようである。それがおそらくは、地底を走る4つのプレート(太平洋、シベリア、北米、フィリピン)の動きによって時間をかけて地殻変動をたびたび引き起こし、現在の姿になったものと思われる(下記のウィキペディア参照)。ということは、これから10万年という、途方もない長期間の間に、再び日本列島が大きく地殻変動を起こして、地形や地層が大規模に変化・変動していくことは大いにあることである。(九州規模の広域が壊滅状態となる巨大カルデラ噴火だけでも、この10万年の間に数回以上起きていると言われている。それに大地震や大津波、土地の大隆起や大陥没、海岸線の大移動などを入れると、10万年と言う年月は驚くほどの自然大変動をもたらす)
更に、日経産業記事は「火山の噴火や地震、地盤の隆起などが起きにくい場所を処分場とする。固い岩盤を持ち、近くに活火山や活断層などがないことを条件とする見通しだ」などと書いているが、そんな場所がこの日本列島のどこにあるのか? こんなことは、嫌われものの超危険物である放射性廃棄物=核のゴミを、貧しい地方や過疎地に押し付けるための「お題目」にすぎず、地域住民を愚弄する「絵に描いた餅」の大義名分としてしか機能していないものである(記事の中に、こうした言及がないこと自体が、日経産業新聞が原子力ムラの「御用」新聞になってしまっていることの証左である)。ありもしない土地の特性を、いくつもいくつも書き並べてみても何の慰めにもならない。
(参考)ウィキペディア 日本列島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%97%E5%B3%B6
3.標高数百メートル以下の土地は水没の可能性もある
続けて日経産業記事は「選定した処分地がもし海中に没すると地表が浸食される恐れがあるが、規制委は、今後10万年ほどは海水面の大きな上昇はないとみている」と書いている。「規制委は、今後10万年ほどは海水面の大きな上昇はないとみている」=いかに規制委の誰かが言ったとしても、こんなことを平然と記事に書くという、その精神構造を私は疑いたくなる。この記事を書いた人間は、ただちに新聞記者をやめていい。どこのだれが、10万年後の日本を予測できるというのか。言う方も、記事に書く方も、バカを通り越して、まさに低レベル反社会性廃棄物そのものだ。
(参考)2万年前の日本列島 10万年後の日本列島
私設原子力情報室
http://nucleus.asablo.jp/blog/2012/11/07/6626573
4.人間がつくる頑丈な構造物や容器など、大自然と超長期の年月の経過の前には「こどものおもちゃ」のようなものだ
更に続けて日経産業記事は書く。「廃棄物は頑丈な容器に入れた上で、コンクリートで作るトンネル状の建造物で閉じ込め、外部からの衝撃に耐えられるようにする。廃棄物の容器などは、地下水の影響などを受けて劣化することが予測されるが、容器の厚さが数千年間は維持されること、定期的に安全性を評価することなどを盛り込む方針だ」
あほらしい、とはこのことである。どこの世界に数千年間ももつ(持久性)コンクリートや鋼鉄があるのか(しかも地下水だらけの大深度地下での話である)、10万年間も定期的に安全性を評価し続けていくのか、こんなことをはたして本気で言っているのだろうか。頭が完璧にイカレてしまっている。
5.放射能汚染がひどくて危険なものほど、地中深く、かつ長い期間、埋めておく、というのは、やることが「さかさま」だ
放射能汚染がひどくて危険なものほど、一旦、環境に出てしまえば、福島第1原発事故が示したように、取り返しのつかない環境汚染と人体への危険=害毒をもたらしてしまう。だから、放射能汚染がひどくて危険なものほど、人間がすぐに対処できるようなところで厳重管理しなければならない。地中深く埋めて、もし地殻変動が起きたら、もう手も足も出なくなってしまう。その危険な放射性廃棄物=核のゴミ=死の灰を、おそらくは地下水大国の日本では、地下水が洗いに洗い、その広範囲な周辺に不可逆的な放射能汚染をもたらしていくに違いない。そうなっても、その時には、もう人間は手も足も出せない。
危ないものは、人間の手が届きにくくなるようなところに埋めるな、隠すな、地上の可能な限り自然災害にあいにくいところにおいて厳重保管する以外にない。そして、何よりも重要なことは、かような、どうしようもない「低レベル」放射性廃棄物や高レベル放射性廃棄物を生み出してしまうような原発や核燃料サイクル事業を、もういい加減にやめろ、ということである。トイレなきマンション事業のトイレは、ついに最後まで、トイレがないままであり、従ってまた、原発・核燃料サイクル事業は、いまや放射性廃棄物という「原子力の糞尿」にまみれる「クソまみれ」産業なのだ。
6.最後に、ドアホの大将、の戯言を紹介して終わりにしたい
日経産業記事曰く「規制委の田中俊一委員長は「制度による管理はある意味では永遠」と述べ、長期的な対策を講じるには国の法制度の整備が欠かせないとの認識を示した」。常識があれば、国に対して「法整備をせよ」ではなく、「そんな永遠の管理が必要となる原発や核燃料サイクル事業はおやめなさい」というはずである。「悪魔が来りてホラを吹く」田中俊一が、いつものようにホラを吹いている。日本人よ、オレと一緒に、地獄についてこい、と。
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草々