原発

2015年1月 5日 (月)

函館市民は全会一致で電源開発(Jパワー)の大間原発建設に反対しています:北海道と青森を放射能汚染のリスクにさらすのはおやめ下さい

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初にいくつかご紹介いたします)

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1. オリバー・ストーン監督のスピーチ_訂正版 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=WfpKRUEzcA4

 

2.「ふくしま集団疎開裁判」の会 ★飛び入り大歓迎。 

 新年より 渋谷ハチ公前広場で

 日曜(第一金曜の後の日曜は無し) 17時~18時半になりました。

  初日は18日です。

  この時間帯になった理由は今後は映像を写す事に挑戦致します。

  又、他の団体との活動時間が被らない事が多く 終わった人達にも流れ参加願いし易いとの判断からです。

 

 今後は 渋谷で映像及びパネル展示、チラシ配布、カンパ集め  そしてなによりもいろいろな方の訴えを中心にしていこうと思っていますので、どうぞ 足をお運びの上 スピーチ参加、チラシ配布協力もよろしくお願い致します。

 

以下、本文

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昨年末、函館市による大間原発建設差止訴訟の(東京地裁)公判報告会がありました。下記<別添PDFファイル>は、その際の参加者向け配布資料です。また、下記URLは、その関連サイトのご紹介です。(大間原発差し止め訴訟には、市民団体「大間原発訴訟の会」による先行している訴訟(函館地裁)の他、函館市による全国でも初の自治体が原告となる大間原発建設差止訴訟(東京地裁)が提訴されています。今回の公判報告会は後者です。

 

この函館市が提訴した裁判では、不当にも、国や電源開発は、函館市という自治体には原告適格がない、などと主張し、裁判所・裁判長に「門前払いにしろ」と申し立てていましたが、裁判所・裁判長は(最終判断はしなかったものの)、基本的には国や電源開発の主張を退けて、本訴の公判審議に入りたい意向を示し、事実上、原告側函館市の「第一ゲート(関門)通過」の様相となりました。ひとまず、やれやれです。

 

他方、「大間原発訴訟の会」が提訴している裁判の方は、裁判長がひどくて裁判の指揮権濫用の様相を示しており、現在もめにもめている様子です。詳しくは下記サイトをご覧下さい。

 

● 下記(3)週刊金曜日ニュース» ブログアーカイブ » 「大間原発」訴訟で鈴木裁判長――意見陳述認めず閉廷

 http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=4638

 

(一部抜粋)

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電源開発大間原発(青森・大間町)の建設差し止めなどを求め、函館の「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が国と電源開発を相手に起こした訴訟で、提訴以来12回の口頭弁論すべてで行なわれた原告による意見陳述を、鈴木裁判長が認めず、傍聴席が騒然とするなか弁論途中で閉廷した。

 

森越弁護士らによると、鈴木裁判長が冒頭「意見陳述の機会は設けない」と通告、原告住民側が理由を再三尋ねたが、鈴木裁判長は「回答の必要を認めない」などと拒否した。原告側は「裁判長による裁判の進め方は違法かつ不当だ」とする異議などを10回近く申し立てたが、鈴木裁判長らは却下。約1時間の予定だった口頭弁論を約20分で打ち切ったという。

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 <関連サイト>

1.函館市による建設差止訴訟

(1)大間原発の建設凍結のための提訴について 函館市

 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031000166/

(2)函館市大間原発訟訴 訴状の概要

https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031100330/files/260328sojogaiyo.pdf

(3)大間原発に係わる主な経過 函館市

 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031100330/

(4)大間原発訴訟の寄附金について 函館市

 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031200320/

(5)大間原発訴訟の寄附金について 函館市

 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141010_23011.html

 

2.大間原発訴訟の会

(1)HP

 http://www.oomagenpatsu-soshounokai.org/index.html

(2)大間原発建設の即刻中止を訴えます

 http://www.oomagenpatsu-soshounokai.org/pdf/ikenkoukoku.pdf

(3)週刊金曜日ニュース» ブログアーカイブ » 「大間原発」訴訟で鈴木裁判長――意見陳述認めず閉廷

 http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=4638

 

 <別添PDFファイル>

(1)陳述 準備書面(20141218日)
「ooma_sojou.pdf」をダウンロード
(2)電源開発株式会社の大間原発に対する新規制基準への適合審査申請に抗議する(竹田とし子 2014.12.16
「sinsasinseiyamero_ooma.pdf」をダウンロード
(3)大間原発 新聞報道

(4)大間原発訴訟の会 会報 第35号 (2014.12.28

「oomagenpatu_sosyounokai.pdf」をダウンロード
(5)大間原発はいらない:勝手に支援団ニュース 14号(菅野真知子 2014.11.5

「ooma_katterenn.pdf」をダウンロード
(6)村上正敏裁判長の暴挙を弾劾する(経産省前テントひろば:2014.12.13

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(6)は、大間原発ではなく、経産省前テントの裁判に係る抗議声明です。

草々

 

 

2014年11月14日 (金)

電力が自由化しても原発・核燃料サイクルだけは「安泰」だ=消費者・国民全面負担で「丸抱え」・経営努力も責任もあったものではない

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、原子力ムラ代理店政府がこのほど恐る恐る打ち出した、原発・核燃料サイクルの永久継続を担保するための「恥も外聞もない、なりふり構わぬ」対策案を伝える記事です。他の全国紙がまともに伝えていない中で、東京新聞が批判的に詳しく報道しています。記事をお読みになればわかりますが、こんなバカバカしい話を、よくもぬけぬけと出してきたものだと思います。まったく消費者・国民を甘く見て馬鹿にしていると言う他ありません。そして、この原発・核燃料サイクル永久温存政策の「返す刀」は自然再生可能エネルギー買入拒否の合理化です。日本のこれから進むべき道=方向とは180度真逆の愚かなる破滅・没落への道です。

 

素案とはいえ、提案をしているのは経済産業省と、SMクラブ(通いで政治資金を使う事務所員を抱える)代議士・宮沢洋一経済産業大臣です。かつての大蔵省と同様に、この反国民的原子力ムラ事務局の経済産業省は解体すべきです。そして、宮沢大臣のようなロクでもない自民党政治家たちを政治の世界から「ぶっ飛ばし」ましょう。有権者・国民・市民の強い意志があれば簡単にできます。

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発損失 料金上乗せ、「高コスト」実質認める、経産省提示、自由化後の中間案 (東京 2014.11.13 夕)

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014111390135510.html

 

(2)原発、国民負担続く、電力会社を優遇、収益確保、経産省素案(東京 2014.11.14

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014111402000126.html

 

(一部抜粋)

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<中間整理案の骨子>

●廃炉を判断した原発事業者に一気に巨額費用が発生しないよう優遇

●電力自由化後も原発事業者の損益を平準化する措置を講じる

●核燃料サイクル事業を推進

●高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取り組みを推進

●廃炉に伴う立地自治体への財政支援など影響緩和策を検討

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(田中一郎コメント)

 原発は絶対に大事故を起こさない・安全ですは嘘八百、原発は明るい未来のエネルギーというのも嘘八百、原発は地域の活性化や振興に役立つも嘘八百、原発は温暖化ガス対策として有効かつ重要ですというのも嘘八百、電力の安定供給のためには原発は必要不可欠ですというのも嘘八百、原発は先端科学技術の粋を集めたすぐれた発電施設であるというのも嘘八百、そして、原発はもっとも低コストの安いエネルギーだというのも、また、嘘八百であることが、今回、当の原発推進当事者たちからの「トンデモ提案」によって明らかとなりました。

 

 電力自由化で電気料金が下がったら、原発はやっていけなくなるので、その費用を消費者・国民の負担で補てんしてあげましょう(「平準化」とはよく言ったものです。インチキ言葉・詐欺用語の発明にかけては原子力ムラは天下一品です)、廃炉費用や核ごみ処理などの費用負担について正直に計上したら経営が成り立たないから粉飾決算も認めてあげましょう、原発のいろいろな後始末については政府が国民の税金で肩代わりしてあげましょう、核燃料サイクルは放射能のゴミを増やすだけの危険極まりない行為ですが、このまま続けますので、とやかく言わないでください、核のゴミはどんどん増えますが手の施しようがないので、どこか財政難と過疎に苦しむ自治体を見つけて、そこに押し付けて「最終処分場」にいたします(危険極まりなし)、これを経済産業省や政府が全面的にバックアップして、これからもやって行きます、というのが「素案」の内容です。

 

 消費者・国民に無理やり原発・核燃料サイクルだけを「おんぶにだっこ」させて、電力が自由化されても原発・核燃料サイクルだけは特別扱いで、いかなることがあろうとも赤字にならぬよう、あの手この手で永久温存させる、これが今回の経済産業省の「素案」です。何が「案」ですか! こんなものが「案」などという代物ですか。ただ、原子力というロクでもない事業を自分達だけで勝手に続けるから、その費用コスト負担や不始末対策、あるいは廃炉や核のゴミの始末など、全てのことについては消費者・国民の全面負担で「尻拭い」してね、と言っているにすぎない「単なるツケ回し」です。「平準化」「影響緩和」などと称して、恰好を付けているだけでしょう。これでは何のための電力自由化なのか、まったくわからないです。こんな厚顔無恥のジコチュー・お粗末「案」を、電力業界を管理監督する立場にある役所(経済産業省)がぬけぬけと出してくるような業界が、他にあるでしょうか。こんなことは原発・原子力・核の世界だけです。

 

それから、原子力損害賠償法の見直しについてですが、既に国会は同法を早急に見直して、政府と電力会社の責任をはっきりさせる旨の決議を行っています。原子力ムラとその事務局の経済産業省などは、アメリカと同様に電力会社や原子力事業者の損害賠償責任の金額について法定で上限を定め、それを超える分については免責にしたい意向にありますが、これだと事実上、青天井の金額で原発・核燃料施設事故の後始末を国が押し付けられることになります。これに対して、現状では財務省が強く反対しているため、経済産業省や電力業界などは身動きが取れなくなっているのです。東京新聞記事には、経済産業省は「他の省庁が所管する事項」にとどめた、と書かれています。無責任なものです。

 

しかし、仮に原発過酷事故などの原発・核燃料施設事故・不始末に関する損害賠償を含む「尻拭い」について、一定の法定上限金額を超えるものがすべて政府に押し付けられ、電力会社等の加害者企業が免責されるとなると、一方では、その負担額が巨額になって国家財政がゆゆしき事態に陥ることに加え、他方では、加害の事業者側でのモラル・ハザードを誘発し、今以上に原発・核燃料施設が危険となる可能性があります。このような原発賠償の上限金額法定化=それを越えるものは免責の制度化は絶対に許してはならないダメダメ政策なのです。

 

原子力損害賠償法の改正の本来の在り方は、賠償責任の主体を電力会社だけでなく、原子炉メーカーやゼネコンなど、原発・核燃料施設を建設した関係当事者全ての連帯責任とするとともに、民間保険をして、保険金額無制限の原発・核燃料施設過酷事故保険を商品化させ、それに加入することを電力会社や原発メーカーなどに義務付けることが肝要かと思われます。そうすれば、その民間保険の掛け金たるや、べらぼうな金額となり、原発・核燃料施設がいかに危険で高コストの施設であるかが、具体的な(保険掛け金)金額によって示されることになるでしょう。こうしたことを含め、今や原発コストの計算のやり直しを求める声が高まっています。

 

 原発・核燃料サイクルも、いよいよ命運がつき始めたということです。彼ら原子力ムラ・ファシストたちは追い詰められています。もはや原発・核燃料サイクルを続ける意味は皆無であることが、全ての消費者・国民に明らかとなりました。そろそろ彼らにとどめを刺しましょう。この経済産業省のロクでもない素案を全国の有権者・国民・市民・消費者に広め、原発・原子力が、もうどうしようもない状態に陥っていることを伝えていきましょう。

草々

 

2014年9月24日 (水)

シロウトでもこれくらいはわかる高温ガス炉の「危なさ」と「おかしさ」:高速増殖炉「もんじゅ」に代わる原子力ムラの食いぶち=高温ガス炉で税金を取れるだけしゃぶり取れ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイル及び下記URLは、1週間ほど前に東京新聞に掲載されました「高温ガス炉」(高温工学試験研究炉(HTTR)」に関する批判的記事です。高速増殖炉「もんじゅ」をもて遊んで深刻なナトリウム事故を引き起こし(1995年)、その後も、いつまでたっても(燃料を使えば使うほど、燃料がどんどん増える)「夢の原子炉」など実現することもなく今日に至っている、そんなウソ寒い原子力ムラの明日を切り開くため、またぞろ、ロクでもない「大人のおもちゃ」ならぬ「ムラのおもちゃ」を持ち出そうとしています。

 

こんなもの、ただ危ないだけでクソの役にも立たず、動かせば使用済み核燃料などの核のゴミが増えて、将来世代の負担を増やすだけです。以下、記事に沿って、この高温ガス炉の「危なさ」と「おかしさ」を指摘しておきましょう。私のような原子力工学についてのまったくのドシロウトでも、これだけのことは言えます。それだけ、レベルの”ひく~い”、お粗末きわまる発電装置だと思っていただけたらいいと思います。

 

 <別添PDFファイル>

(1)大洗の高温ガス炉 再開へ、「原発依存低減」に逆行(東京 2014.9.18 夕)

(2)新型原子炉 見えぬ実用化、政府、再開申請へ(東京 2014.9.19

 

1.大洗の高温ガス炉 再開へ、「原発依存低減」に逆行(東京 2014.9.18 夕)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091802000256.html

 

(一部抜粋)

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政府は十八日、東京電力福島第一原発事故の影響で運転を中止している新型原子炉の一つの高温ガス炉「高温工学試験研究炉」(HTTR、茨城県大洗町)について、運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)が十一月に、新規制基準に基づく研究再開のための審査を原子力規制委員会に申請する見通しだと明らかにした。世耕弘成官房副長官が十八日午前の記者会見で述べた。安倍政権は原発依存度をできるだけ下げる方針を掲げるが、逆行する動きとなった。

 

世耕氏は、高温ガス炉について「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。政府が四月に閣議決定したエネルギー基本計画は「原発への依存度を可能な限り引き下げる」とする一方、高温ガス炉の研究開発を推進するとも明記している。

 

世耕氏は、HTTRの運転再開や安全性の実証試験のため、文部科学省が来年度政府予算で十六億円を概算要求していると説明した。HTTRは一九九一年に着工し、九八年に核分裂反応が持続して起こる「臨界」を達成した。しかし、二〇一一年三月の震災を受け、運転を停止したままになっている。

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2.新型原子炉 見えぬ実用化、政府、再開申請へ(東京 2014.9.19

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091902000154.html

 

(一部抜粋)

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政府が十八日、東京電力福島第一原発事故を受けて運転を中止していた新型原子炉の一つである高温ガス炉「高温工学試験研究炉」(HTTR、茨城県大洗町)の再開に向けて動きだした。原子力への国民の不安が払拭(ふっしょく)されないまま実用化のめどが立たない研究に多額の税金を費やすのは一兆円以上をつぎ込んで頓挫している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の二の舞いになりかねない。

 

世耕弘成官房副長官は十八日の記者会見で、HTTRの運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)が十一月、原子力規制委員会に新規制基準に基づく運転再開のための審査を申請する見通しを表明。「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。文部科学省はHTTRの運転再開のため、二〇一五年度政府予算で十六億円を概算要求している。

 

従来の原発(軽水炉)が核燃料の冷却に水を使うのに対し、高温ガス炉は気体のヘリウムなどを用いる。

 

 <高温ガス炉> 原子炉内に水を循環させて沸騰させる「軽水炉」に対し、ヘリウムなどの気体を加熱してタービンを回す。事故を起こしても核分裂反応が自動的に止まり、核燃料を空気で自然に冷却できるなど、軽水炉より安全性が高いとされる。一方、扱う温度が高く原子炉内の材料の耐久性など技術的に難しい点も多い。高温工学試験研究炉は1991年に着工し98年に核分裂が持続する「臨界」を達成。2011年の福島原発事故後は運転を停止した。

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(田中一郎コメント)

 以下、記事に沿ってコメントします。

 

1.まずは高温ガス炉についての簡単な説明のところから

「原子炉内に水を循環させて沸騰させる「軽水炉」に対し、ヘリウムなどの気体を加熱してタービンを回す。事故を起こしても核分裂反応が自動的に止まり、核燃料を空気で自然に冷却できるなど、軽水炉より安全性が高いとされる・」

 

(田中一郎)⇒ ヘリウム(ガス)というのは、いわゆる不活性ガスで化学反応性に乏しく(たとえば燃えない=酸素と化合しない)、空気中で安定している。だから、このガスが何らかの事故で漏れたりしても、爆発したりすることはないし、人間などの生物に対しても有害性はほとんどない。が、しかし、である。そのヘリウムを原子炉核燃料の冷却材に使っているからといって、「核分裂反応が自動的に止まり」というのは「なんじゃらほい」である。そんな虫のいい話があるのかよ、ということだ。

 

 このヘリウムだって、説明にあるように高温(かつ、おそらくは高圧)なのだろうから、原子炉及びその配管から大量に漏れ出して「冷却材喪失事故」ということはありうるだろう。あるいは核燃料が何らかの理由で「暴走事故」(勝手に核反応が爆発的に増大すること)を引き起こすかもしれないが、そんなときでも「核分裂反応が自動的に止まり」などということなのか。そんなバナナである。

 

 また、「核燃料を空気で自然に冷却できる」についても、ヘリウムガスを1000度まで温度上昇させる膨大な核燃料の熱量をどうやってかわしながら、空気でもって原子炉炉心を自然に冷却できる」などと言えるのだろうか。かようなお気楽なことを書いていないで、実際に高温ガス炉の過酷事故がどのようにして発生し、それがどのような展開をすると考えられるのか、もう少し詳しい説明を具体的にしてもらわなければ話にならない。

 

 それから、高温ガス炉の原子炉炉心で発生する中性子によって、このヘリウムガスが放射化ないしは原子核反応を起こして、危険な物質に物理的に変化することはないのか。もしありうるとするのなら、とてもじゃないが、安全などとは言えそうにない。

 

 従って、高温ガス炉が軽水炉(沸騰水型、加圧水型)よりも安全性が高いなどとは、現段階ではとても納得のできることではない。どうもこの記事の、この高温ガス炉の簡単な説明は、原子力ムラの人間が言ったことをそのまま無批判に紙面に移し書きしただけではないか。もしそうだとしたら、この記事の書き方は、まことに情けないね。

 

2.続いて、高温ガス炉の説明から

「一方、扱う温度が高く原子炉内の材料の耐久性など技術的に難しい点も多い。」

 

(田中一郎)⇒ この点は高温ガス炉のポイントの一つである。加えて、ヘリウムガスの圧力はどれくらいなのだろうか。いずれにせよ、この高温高圧ヘリウムガスもまた、原子炉や配管から漏れ出すことはありうる話で、その場合、高温高圧であればある程、危険度は高いと言っていいだろう(美浜原発では、経年劣化と無点検により配管破断が起き、高温高圧の水蒸気を全身に浴びて、複数の作業員の方がなくなった)。

 

[2004年8月美浜原発3号死傷事故]140度の蒸気 一気 肌ただれ「痛い、痛い」床一面に高温の湯 - 脱原発・放射能

 http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/511bde0540f12b734a8372689455161b

 

3.更に続いて、高温ガス炉の説明から

「高温工学試験研究炉は1991年に着工し98年に核分裂が持続する「臨界」を達成。2011年の福島原発事故後は運転を停止した。」

 

(田中一郎)⇒ おかしな話である。今から20年近く前に研究がスタートしているのに、未だに成果らしい成果もなさそうであることに加え、1998年という、ずいぶんと昔に「臨界」にまで達していた、この高温ガス炉が、その後、どうして実用化へ向けての取組につながらなかったのだろうか。私はおそらく、そうできなかった、何らかの重大な欠陥が、この高温ガス炉にあるような気がする。たとえば、経済性の問題だ。冷却材として使われるヘリウムガスは、現在品薄で、価格が高騰しているというニュースを見たことがある。原子炉冷却に使うほどのヘリウムガスを、その予備分を含めて大量に確保して貯留しておくには、相当の費用負担となるのではないか。

 

 それ以外でも、冷却材としては、水という液体の方が、ヘリウムガスという気体よりも扱いが平易で、その分、原子炉施設建設のための費用が少なくて済むのではないか。つまり、ヘリウムガスという気体を冷却材に使うことによる、何らかのデメリットや危険性、及び経済的負担の増大があるのではないか。一般的に、液体の水(H2O)と気体のヘリウムガスとを比べた場合、閉じ込めておくには高温高圧のヘリウムガスよりも、液体の水の方が容易ではないかという気もする(但し、水蒸気という気体になっているうちは変わらない)。

 

 それから、読売新聞や日本経済新聞などの御用言論の高温ガス炉の説明図では、この高温ヘリウムの副次的利用として、水素ガス生産設備の併設などが描かれていることがある。しかし、これもおかしな話である。高温ガス炉でなくても、原発の余熱利用はいろいろありうるわけで、何も水素ガス調達だけとは限らないし また、余熱利用は高温ガス炉の専売特許でもない。直接関係のないものを混ぜくって、高温ガス炉を高品質・高度設備に見せようと厚化粧しても、化け物は化け物でしかないし、高温ガス炉のエネルギー効率の悪さは原発と大差ないだろう。

 

4.原発依存度が下がらない

「安倍政権は原発依存度をできるだけ下げる方針を掲げるが、逆行する動きとなった」

 

(田中一郎)⇒ 原発依存度を下げるという大方針があるのに、なんでまた、新型の原子炉を開発する必要があるのか。東京新聞の言うとおりだ。

 

5.原子力利権に絡みとられた政治家の無責任「安全」発言・「経済性」発言

「世耕氏(世耕弘成官房副長官)は、高温ガス炉について「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。」

 

(田中一郎)⇒ 安全性や経済性をしっかり確認もしないで、原子力ムラの言うことを鵜呑みにしたまま、かような戯言をしゃべくっている。この和歌山の若手自民党政治家もロクでもない人間の1人なのか。原子力利権擁護の発言丸出しである。

 

6.文部科学省は引き続き原子力推進の総本山

「文部科学省はHTTRの運転再開のため、二〇一五年度政府予算で十六億円を概算要求している」(中略)「「二〇一一年三月の震災を受け、運転を停止したままになっている。」

 

(田中一郎)⇒ 高速増殖炉「もんじゅ」に代わる、次世代の原子力ムラ「食いぶちプロジェクト」なのだろう。文部科学省が予算獲得にショショリ出てきた。福島第1原発事故によって凍結状態にしていたものを、再び今に至って、そろそろそれを解凍しようというのである。つまり、有権者・国民は、福島第1原発事故の経験を忘れ始めているだろうから、もうそろそろ、少しばかり税金をかすめ取ってもさしたる問題にはならないだろう、などと推測し、有権者・国民を馬鹿にしているのだろう。かような予算請求は、無駄と危険の限りを尽くした高速増殖炉「もんじゅ」の責任者たちを処分してからのことにしたらどうだ。

 

7.自民党・河野太郎議員の批判

「安倍政権は四月に閣議決定したエネルギー基本計画に、高温ガス炉の研究開発推進をもぐり込ませた。原子力機構はもんじゅの運営主体であり、自民党の河野太郎衆院議員は「もんじゅがだめだから高温ガス炉を突然入れてきた。予算確保が見え見えだ」と批判していた。」

 

8.九州大学副学長の吉岡斉(ひとし)教授(原子力政策)の批判

「九州大の吉岡斉(ひとし)教授(原子力政策)は「今やる理由が分からない。原子力機構は他に動かせそうなものがないから、研究機関としての稼働度を上げるために高温ガス炉に目を付けたのでは」と指摘した。」

 

9.全くその通り

「政府は三〇年に高温ガス炉の実用化を目指しているが、成功しても「核のごみ」は発生する。最終処分場が見つかる見通しはなく、行き場のない核のごみは増え続ける。安倍政権は一二年の衆院選公約に脱原発依存を掲げ、原発依存度を下げると繰り返し表明しているが、逆行する動きとなる。」

草々

 

 

2014年8月13日 (水)

原発輸出の「事業(ビジネス)」としての出鱈目三昧=利益は我らに、損害・賠償・後始末などのリスクや不利益は国へツケ回し

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 まず最初に、下記の3つをよろしくご覧下さい。署名がまだの方は、どうぞご協力をお願い申し上げます。

 

(1)Avaaz - 川内原発再稼働を阻止するためには残りわずか数日

 https://secure.avaaz.org/jp/no_sendai_restart_rb_np/?bBbgZcb&v=43754

 

(2) リニア中央新幹線がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=u-cLZ2m6324&feature=youtu.be

 

(必ず失敗するドアホ新幹線=リニア―が的確・簡潔・わかりやすく説明されています。必見です。10分くらいでリニアを理解できます)

 

(3)朝日新聞「プロメテウスの罠:函館の訴え」 http://digital.asahi.com/article_search/s_list3.html?keyword=%A1%D2%A5%D7%A5%ED%A5%E1%A5%C6%A5%A6%A5%B9%A4%CE%E6%AB%A1%D3%20OR%20%A1%CA%A5%D7%A5%ED%A5%E1%A5%C6%A5%A6%A5%B9%A4%CE%E6%AB%A1%CB&s_title=%A5%D7%A5%ED%A5%E1%A5%C6%A5%A6%A5%B9%A4%CE%E6%AB%B0%EC%CD%F7&rel=1

 

(函館市の大間原発建設差止訴訟をめぐる動きが詳細に報道されています。必読です。なお、ネット上では全文が見れないかもしれませんので、朝日新聞そのものをご覧下さい)

 

(ここから本文)

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 別添PDFファイルは、原子力資料情報室が毎月発行している「原子力資料情報室通信」に掲載された、プラント技術者の会の川井康郎氏執筆の小論文である。トルコ向けの原発輸出を「事業」として「ビジネス」として見た場合にどんな問題があるか、通常の輸出ビジネスとは違って、どのように歪んでいるのかがコンパクトに的を得て記述されている。以下、簡単なコメントを付してご紹介したい。

 

 <別添PDFファイル>

● プラントビジネスの視点からみるトルコへの原発輸出計画(川井康郎:プラン卜技術者の会 『原子力資料情報室通信 NO.482 2041.8.1)』)

 

 <プラント技術者の会 HP>

 https://sites.google.com/site/pltengnrs/

 

 これまで、MHI(三菱重工業)や日立、東芝などの国内原子炉メーカーの原発輸出は個別機器類の輸出に留まり、メーカーとしての責任範囲は有限だった。原発の過酷事故等による損害賠償や第三者への補償責任なども原則として免除されていた。つまり、原発プラントについては、設備全体の一括引き渡し契約(ターンキイ契約)の経験もなく、もちろん、廃棄物処理や原発そのものの運営・管理の請負などの事業経験もない。

 

 その、いわば事業体として未熟なままの日本の原発企業群が、国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)を通じて日本政府から全面的なバックアップを受け、海外に向けては経済産業省が取りまとめ役となって、総理大臣自らがセールスマンにまでなったうえで、原発の海外輸出が展開されるのである。そして、その内実が、実は民間の企業群が行う「事業」「ビジネス」としては、驚くほどのモラル・ハザードと「親方日の丸」型の展開となっている。簡単にいえば、原発に伴う巨大なリスク=特に過酷事故リスクに伴う損失は、その多くを日本政府に帰属させたうえで、事業としての、ビジネスとしての利益やうま味は、すべてこれらの原発輸出企業群が独占してしまう、そんな「仕掛け」が創られてしまっているのだ。

 

 それだけではない。少し前に新聞で問題となったように、かつては輸出される原発の機器類に関しては原子力安全保安院が検査・チェックをした上で、初めて政府の貿易金融や貿易保険の利用が可能であった。しかし、原子力安全保安院が解体され、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が発足して以降は、この輸出原発の安全性にかかる審査・検査を原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が拒否しているため、まったくノーチェックのまま、原発が輸出されかねない事態となっているのである。このことは、上記の川井氏の小論文にも言及があり、さらに川井氏は、これが国際的に見てどうなのかも、OECD規則やドイツの例を引き合いに出して、その異常さを明治されている。

 

 また、驚くべきか、使用済み核燃料の管理協力の約束や、将来的にはウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理も可能にする条項が日本・トルコの原子力協定に存在していることも大問題である。核不拡散の大原則に違反してまで、日本の政府は何を馬鹿なことをしているのだろうか。(ちなみに、アラブ首長国連邦との原子力協定では、ウラン濃縮や再処理の技術や設備の移転はしない、と明記されているという)

 

 日本の大企業の歴史的伝統は、明治政府以来、常に政府に特権的にへばりついて、その政府と様々な形で癒着しながら、事実上、政府の資産・財産をかすめ取るような形で財を形成し、資本を蓄積してきた点にある。それがまた、様々な形で政治家や高級官僚たちの汚職・収賄などを生み出し、見るも無残な利権政治による私利私欲の産業振興が行われてきた歴史的経緯がある。それは戦後の高度成長を経ても、あまり変わるところはないようだ。そして、その最もグロテスクな現れ方をしているのが、この原子力産業=特に原発輸出ビジネスであると言って過言ではない。

 

 自国において大事故を引き起こし、多くの人々を悲しみと苦しみのどん底に叩き込む事態を引き起こしておきながら、しかも、その事故責任の追及も、事故の後始末も、被害者の救済さえも、ほとんどまともになされていないにもかかわらず、その原発を海外へ売って行く=特に原発について、知識もノウハウも管理能力もない途上国へ輸出・販売していくなど、許される事業=ビジネスではないだろう。リスクは政府に担いでもらい、自分達は利益やうま味だけを貪って、それで平気で知らん顔をしている、こうした原発輸出は、ただちに中止させなければならないはずである(何よりも、トルコでの原発立地予定地であるシノップ市の住民が建設に猛反対をしている)。日本の良識が問われている。

 

● 日本の原発輸出に反対するトルコの市民たち 「日本の原発が私たちの未来を盗む」―トルコ市民へのインタヴュー(川崎陽子:ジャーナリスト) Finance GreenWatch

 http://financegreenwatch.org/jp/?p=43573

 

● トルコへの原発輸出を問う  ヒューライツ大阪(財団法人アジア・太平洋人権情報センター)

http://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2014/01/post-231.html

 

(以下、論文の部分抜粋)

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「最大の問題は、フクシマで発生したような過酷事故の場合の損害賠償と事故処理額の負担スキームが定まっていないことである。一義的には当然、事業会社が負担することになるが、その可能支払額は東電の例をみるまでもなく限界がある。NEXI保険はあくまでも投融資リスクに係るものであり、損害賠償は対象とならない。その場合、日本政府は梯子を外して、全てをトルコ政府に押し付けることになるのか? あるいは、「相応の」金銭的責任を負うことになるのであろうか? その場合は、国税が使われることになるが、日本政府はそのリスクをどのように見積もっているのだろうか? 日本とトルコの国民には何も知らされていない。」

 

「例え過酷事故が起こらなくとも、何らかの理由により事業が破綻した場合は、JBICによる融資の焦げ付き、あるいはNEXI保険の支払いといった状況になる。いずれも国税と国債をリソースとした日本国民の財産流出である。」

 

「現状では、JBICの融資ガイドラインには原子力国有の規定(核拡散、事故時対応、放射性廃棄物問題、等々について)がなく、何ら足初日のないまま公的融資が実行される可能性がある」

 

「一方、原発という事業の特殊性により、OECD規則ではODA(円借款)適用の禁止、世銀やアジア銀行では融資対象外となっている。また、ドイツ政府は2014612日に、原子力輸出に係る公的信用の廃止を決定している。」

 

「厳格なガイドラインの設定とともに、案件のリスク評価、損害賠償や住民避難を含めた事故対策評価、環境評価、相手国内における合意形成評価等々といった公的金融機関としての責任と評価結果の透明性が求められる。」

 

「こうして、トルコへの輸出案件は設備の一括引渡し契約ではなく事業契約となったわけだが、当事者にはそれぞれ異なる思惑がある。(中略)多くのリスクとトルコならびに日本の国民による合意を置き去りにしたままでの同床異夢がいつまで続くのであろうか。」

 

「もうひとつ、再処理と使用済み燃料の行方に関する問題を採り上げたい。原子力協定書によると、第23項に「ウランの濃縮、使用済み核燃料の再処理、プルトニウムの転換のための技術および設備は、これらを移転することを可能にするような(本協定書の)改正が行われた場合に限り(日本からトルコに)移転することが出来る」、また、第8条には、「両国政府が書面により合意する場合に限り、トルコ共和国の管轄内において、濃縮し、又は再処理することが出来る」と記載されている。」

 

「トルコとの原子力協定には、使用済み核燃料の管理が協力の対象分野のひとつとなっているが(22)、具体的な記載はない。日本国内でさえ、核燃サイクルの破綻とともに最終処分計画が暗礁に乗り上げ、使用済み核燃料が溜まる一方の現状で、それらの処理計画については事業会社として、また融資・保険付保を行う日本政府として、トルコならびに日本国民に対して明確にする責任がある。」

 

「原発輸出により、事故リスクはトルコ国民に、財務リスクのかなりの部分が臼本国民に押し付けられる。さらに、官民一体の推進体制は、原子力ムラに代表される悪しき利権ならびに癒着構造を国際規模で増長させ、企業が本来持つ健全な競争環境を阻害し、企業倫理の類廃を招く。」

 

「フクシマ事故はビジネス視点を含めて、さまざまの角度から原子力政策を見直す契機とするべきであり、そのことを世界に発信することこそが私たちの国際的責任であると考える。」

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早々

 

2014年4月13日 (日)

まだまだ原発・原子力の出鱈目は続きます & (福島原発告訴団からのお知らせです)

前略,田中一郎です。

 

まだまだ原発・原子力の出鱈目は続きます。

 

1.東京新聞原発適合審査 「合格=安全」広がる誇張政治(TOKYO Web)

(責任取りたくない人達がいい加減なことを言うてます:田中一郎)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014040802000111.html

 

*原子力「寄生」委員会・「寄生」庁

 規制委は新基準の名称を「安全基準」にしかけたが、基準を満たせば安全というわけではないため、「規制基準」に改めた。

、(田中俊一原子力「寄生」委員長)「絶対安全かと言われるなら否定している」。単に新基準を満たしているということを認定するにすぎない。

 

*原子力ムラ代理店政府及び自民党のゴロツキたち

 三月十四日には記者会見で、茂木敏充経済産業相が「規制委により安全性が確認された段階で、(再稼働に向けて地元に)国も説明する」と発言。二十日には自民党の細田博之幹事長代行が、原発推進派でつくる議員連盟の会合で「できるだけ早く審査を済ませ、安全という認定を出してほしい」とあいさつした。

 

2.地方議員原発質問状 政府は文書回答せず ⇒ 山本議員、質問主意書提出

 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11817410495.html

 

 原発再稼働に反対する立地地域の地方議員でつくる「原発立地自治体住民連合」が政府に提出した公開質問状に対し、政府が文書での回答はしない方針を決めていたことが分かった。これを受けて、山本太郎参院議員(無所属)が質問状と同じ内容の質問主意書を政府に提出した。回答期限は11日。

 住民連合には、13道県の県議や市町村議ら約150人が参加。「原発事故は100%起こらないと保証するのか。保証できないまま再稼働するのか」などを尋ねる質問状を、3月24日に政府に提出した。

 

 3月末になっても回答がないため、住民連合の活動に協力してきた山本氏に報告。山本氏が資源エネルギー庁に問い合わせたところ、文書による回答はしないとの説明があったため、閣議決定による回答が義務付けられる質問主意書を4月3日付で提出した。

 質問主意書の質問は全7項目。使用済み核燃料や再処理で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まっていないのに、再稼働を認める理由などを尋ねている。(4月8日東京新聞より)

 

●東京新聞原発事故絶対ない 保証あるのか 立地議員連合 政府に質問状政治(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014032502000162.html

 

3.信濃毎日新聞[信毎web] 原発避難計画 後付けは許されない

 http://www.shinmai.co.jp/news/20140408/KT140407ETI090006000.php

(要するに、原発周辺の住民のことなど、どうでもええ、ということですわ)

 

(一部抜粋)

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 原発再稼働などおぼつかない実態が、また一つ浮かび上がった。

 原発の半径30キロ圏に入る21道府県のうち11県で、住民の避難にかかる時間を試算した「避難時間予測」がまとまっていないか、公表できていないことが明らかになった。

 原発の周辺自治体の大半が、この避難時間予測を含む「住民避難計画」を策定できていない状況にある。早ければ今夏にも再稼働する原発が出てくる見通しとなっているが、事故発生時の対応をあいまいにしたまま、見切り発車することは許されない。

 

 <たんぽぽ舎MGから関連記事を抜粋>

┏┓

┗■1.原発再稼働に関する再度の質問主意書(案)

 |  日本政府・安倍内閣へ再び7つの質問(案)412

 |       主催: 原発立地自治体住民連合

 └──── 広瀬隆発信

 

● 四月十一日付けの日本政府の回答(以下、「今回の回答」という。)を受け取ったが、日本政府は質問主意書の意味をまったく理解していない。それとも原子力発電について、日本政府には理解する能力がないと疑わざるを得ない回答であった。前回四月三日に提出した質問主意書は、ただちに資源エネルギー庁に回され、資源エネルギー庁職員が質問者の議員に説明するとの回答があったことは、驚くべきことである。われわれがそれを拒否したのは、質問している当事者が、日本政府だからである。閣僚の全員が、四月三日提出および本日提出の質問主意書を精読することを、まず初めに求める。

 

 われわれ原発立地自治体の住民は、原発の再稼働に「賛同する」、あるいは「反対する」、あるいは「判断を保留する」、といういずれの意見を持った住民であっても、「百パーセント原発無事故の保証」を求めている。誰一人、原発の大事故を望んでいない。すなわち、質問主意書は、原発立地自治体の「全」住民から発せられた質問である。

 

 地元の住民で現在は再稼働に「賛同している」人たちが、再稼働に反対する理由として挙げ得るのが何かを考えると、「原発が大事故を起こして、現在・明日の生活が不能になる」ということである。したがって、この質問主意書の目的は、原発の再稼働に「賛同している」人たちに対して、日本政府の言葉による「百パーセント原発無事故の保証」を求めているのである。

 

● 今回の回答は、「安全性の向上につとめる」、「……に取り組む」と述べているが、「頑張ります!」というのは、高校野球の宣誓式で使う言葉である。われわれが質問主意書で求めているのは、そのような頑張りではない。日本政府が、原発立地自治体の全住民から発せられ、これほど明確に書かれた基本的・具体的な質問に答えられないことは、深刻である。今回の回答のように稚拙な文言で、質問主意書の各質問から逃れたつもりであるなら、「日本政府は原発の危険性について何も知らない。国政を預かる政治家として失格である」と、世界に公言したことになる。

 

 現在の技術で、百パーセント原発無事故の保証ができるか否かを、再三尋ねているのである。保証できないなら、「保証できない」と答えればよい。保証するなら、「保証する」と答えなければならない。その回答が、今回の回答文にまったく書かれていない。また、保証するなら、その最高責任者が大事故時の責任をどのように具体的にとるかを答えなければならない。それが、政治家たるもの第一のつとめである。

 

 安倍晋三首相は、「原子力発電所の事故の責任者は事業者(電力会社)である」と国会で述べているが、ならば、今回の回答で「国が前面に立って再稼働を進める」としている以上、大事故を起こした場合、その責任が日本政府にないと言うことは、まったく無責任な政治家であると非難されても致し方あるまい。日本政府は無責任の集団なのか。大事故時の住民の避難の可否についても、「日本政府は関知しない。それは自治体が決めることだ」としている。地震の活動期の真っ只中にある日本において、原発の再稼働によって大事故の起こる可能性がきわめて高いことを知りながら、国民の生命と生活を守るべき「政治家」として、原発再稼働を進めることは、あまりにも恥ずかしい職務放棄であると思わないか。○以下、再度、同じ質問をおこなうので、質問文が求めている通り、正しく答えよ。

 

 東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」という。)の被災地である福島県大熊町では、現在も住宅街の中心で、毎時三百マイクロシーベルトを超える空間線量が測定されている。この数値は、三年同地に居住すれば、致死量の七シーベルトを超えることになるほどの値である。右の点を踏まえ、以下質問する。

 

一 今回の回答で、原子力規制委員会で適合性が確認された原子力発電所は再稼働を進めるとしているが、三月二十六日の会見で、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、「適合審査に合格しても、安全を否定する」と明言しているのである。改めて尋ねる。日本政府は、原発事故は百パーセント発生しないということを原発立地自治体の住民に保証するのか、それとも、原子力規制庁および原子力規制委員会委員長のように保証できないまま原子力発電所を再稼働するつもりなのか。保証の可否を「YES」か「NO」かで答えよ。

 

二 今回の回答では、直下型地震発生時に耐えることのできるマグニチュードの値を“現時点では”答えられないとしているが、いつ、この数字を答えるのか。とりわけ再稼働トップと報道されている鹿児島県の川内原発について、いつ、この数字を答えるのか。その日程を答えよ。

 

三 二○一三年に施行された新規制基準に対する適合性の審査を行っているのは、原子力規制委員会の傘下に入ったJNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)のメンバーであり、JNESもまた福島第一原発事故を起こした当事者(責任者)である。JNESは福島第一原発事故が発生する前に、この原子炉のメルトダウン事故の解析を公開し、その解析で水素爆発を予測していなかった。したがって原子力規制委員会は、今回の回答に書かれているような、「専門的な知見に基づき中立公正な立場で厳格に」適合性を審査する能力を持たない。このような審査結果について、原発立地自治体住民は、第三者によるクロスチェックがないままの再稼働を絶対に認めることができないので、改めて尋ねる。今回の回答には、われわれが求めた必要不可欠なクロスチェックをする組織を設立することが、まったく書かれていないが、クロスチェックする組織をいつまでに設立するのか。

 

四 ほんの六年前の二○○八年六月十四日に岩手・宮城内陸地震(マグニチュード七・二)が発生し、震源断層の真上において、揺れの最大加速度四千二十二ガルという驚異的な数値が観測された。この数値は地表最大加速度の世界記録としてギネスに認定された。ところが、この震源断層は当該地震発生前には全く知られていなかった。つまり、活断層がない場所で、世界一の揺れを記録した。

 

今回の回答では、事業者が耐震安全性の向上に「努める」べきであるとしているが、加速度四千二十二ガルに耐えられる原子力発電所を実現することは、高校野球のように「頑張って」可能になることではない。わが国の原子力発電所で、最も高い基準地震動(耐震性)は柏崎刈羽原発の二千三百ガルである。この数字も、第一次安倍晋三内閣時代の二〇〇七年に柏崎刈羽原発が中越沖地震に襲われた結果、わずか四百ガルから、科学・技術的な根拠もなく二千三百ガルに引き上げた数字でしかない。加速度四千二十二ガルに耐えられる原子力発電所を実現することが、人類にとってまったく不可能であるは、子供でも分る。改めて尋ねる。加速度四千二十二ガルと二千三百ガルの、いずれが大きな数字であるかを答えよ。

 

 さらに現在、九州電力株式会社の川内原子力発電所(以下「川内原発」という。)が再稼働候補のトップに挙げられている。火山学者が一様に、川内原発は最も危ないと警告しているにもかかわらず、原子力規制委員会は、たった一回の会合で「周辺の火山が噴火しても、原子力発電所に影響はない」とする九州電力のいい加減な報告を了承してしまった。いかなる科学的根拠をもって、川内原発について火山灰と火砕流の危険性がないと判断しているのかを質問したのに対して、今回の回答では、川内原発の火山対策については、“現時点では”答えられないとしているが、改めて尋ねる。では、いつまでに回答するのか。その日程を答えよ。

 

五 原子力発電所を再稼働することは、高レベル放射性廃棄物を含有する使用済み核燃料を新たに原子炉内に生産することを意味する。しかし、この最終処分場が四十七都道府県のどこに設置されるのか決定していない。二○一四年現在、既に原子力発電所を有する全国十三の道県の原子力発電所及び六ヶ所再処理工場の敷地内には、大量の使用済み核燃料が貯蔵されており、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所四号機と同じように、今もって大地震や大津波の脅威にさらされている。今回の回答では、最終処分場の確保に向けて“取り組む”としているが、過去に長期間取り組んで実現しなかったことであるから、地元住民は、再稼働前に確保することを求めているのである。改めて尋ねる。いつまでに最終処分場を確保するのか、その年限を明確に答えよ。

 

六 日本政府は、「原子力発電所は重要なベースロード電源である」と位置付けることを閣議決定したが、昨年からの日本全国原発ゼロ状態で、何らエネルギー問題を起こしていない。日本政府は、火力発電の燃料費増加によって国富が海外に流出しているとしているが、電力を一ワットも生んでいない原子力発電所の維持・管理費と新規制基準の安全対策費の方がはるかに高額の出費となっている。さらに福島第一原発事故の汚染水処理・除染・廃炉・賠償に必要な金額は、政府シナリオでさえ十一兆円を超えるとされ、民間の試算では、日本の税収をはるかに超える五十四兆円に達し、それらが全て税金又は電気料金という国民負担によって賄われるとされている。今回の回答では、質問もしていない原子力発電所の必要性について縷々述べて、見当違いの文面となっている。答えをはぐらかしてはならない。質問主意書で尋ねたことは、原子力発電所を稼働することによる国民の莫大な金銭的な負担額である。改めて尋ねる。火力発電と原子力発電を比較して、国民にとっていずれが高額な負担となっているのか。

 

七 福島第一原発事故は、地震の揺れによる配管などの破損による可能性が東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(以下「国会事故調」という。)の報告書で鋭く指摘されているにもかかわらず、津波による全電源喪失だけであると決めてかかり、多くの技術者から、再稼働の結論を導く前に、福島第一原発における事故原因の究明がなされなければならないと強い批判を受けている。今回の回答では、原子力規制委員会が事故原因の調査を実施しているとしているが、三月六日に衆議院第一議員会館でおこなわれた原子力規制庁ヒヤリングで、国会事故調委員であった田中三彦氏が原子力規制庁に対して質問し、原子力規制庁が見当違いの調査しかしていないのはなぜかとの厳しい質問に、原子力規制庁はうろたえて何も答えられなかった。まともな調査・解析を何もしていないことが明白となった。改めて尋ねる。福島第一原発事故の真因が明らかにされなくとも、日本政府は原発の再稼働を進めるつもりなのか。

右質問する。

 

4.たんぽぽ舎MGより

(1)地下水バイパス計画に反対する(その2) (その14/5発信)

    放射能を海に捨てるな 再稼働よりも汚染水問題の解決を

 └────  山崎久隆(たんぽぽ舎)

  

● 可能な地下水バイパスの条件とは

  敷地内の地下水を海にそのまま投棄することが認められるためには、地下水に放射性物質が含まれていないことを保証しなければならない。

 事故以前に行われていた「サブドレンからの放流」は、原発建屋周辺から汲み上げた地下水をそのまま海洋放流していたが、この時は原発からの放射能漏れはなかった。日量850トンの地下水は汚染されていなかったから放流できた。

 今回の計画では放射性物質が建屋から流出していることを前提として、その上流側の井戸から取水する限りは、放射性物質はほとんど含まれないとしていた。この前提が覆ってしまった。

 

 下流側で汲み上げていた放射性物質で汚染された水を、ALPSなどの放射能除去システムを通すことで「浄化」できるとしてきたが、これらのシステムがまともに稼働していない。稼働できない理由はいろいろあるだろうが、ほとんど公表されていない。サリーやキュリオンといった輸入システムの故障は、仕様書も完備しておらず原因究明も復旧も困難だ。

 ALPSは国も資金を供給して拡張されているはずだが、試運転のまま現在もトラブル続きで、その原因もはっきりしていない。もちろん再発防止もおぼつかない。結局、高濃度汚染水のままタンクで貯水しなければならなくなった。

 

 もともと、そんな汚染水を溜める予定ではなかったタンクに、リットルあたり2.4億ベクレルを超える汚染水が入ることで、少しでも漏えいが起きたら、直ちに高濃度汚染水の環境流出につながる状況になった。

 2月に発生した100トンあまりの汚染水漏えいは、その半分以上がストロンチウム90で、総量では24兆ベクレルに達する。半分以上は回収できず、地面にしみこんでいったとみられる。そのフランジタンクが建つ場所は、汲み上げ井戸の上流側である。漏えいが発生すれば汚染水は地下に入り、バイパス井戸から汲み出され、海に捨てられることになる。それだけでも地下水バイパス計画は破たん状態にある。

 

● 地下水バイパスの効果

 東電の解析では、1号機から4号機の下に流れている地下水は日量800トン、そのうち建屋に侵入しているのが400トンで、残りが海に流れているという。上流側で、ここから日量1000トンの規模を汲み上げれば、地下水量が減るので建屋に流れる量が100トン減って300トンになるという。そんなに単純な話なのかと、普通に考えても疑問になる。

 

 まず、汲み上げる場所は建屋の遙か上、30m盤上の井戸である。この場所からは原子炉建屋の地盤まで20mの落差がある。井戸は30mの地盤の地下から水を汲み上げるが、地下水の多くは汲み上げ位置よりももっと高い位置から原子炉建屋のある地盤に流入するから、効果は期待できない。東電の言うような四分の三に減らせる見込みもない。

 

 さらに、大きな問題が別途生じる。東電の見込みに反して地下水位が下がらなければ、現状と変わらないが、もし東電の言うような大きな変動があると、その影響は未知のものとなる。2011年に市民団体「東電と共に脱原発を進める会」が東電と議論をしていて見解がすれ違ったのは、地下遮水壁を作った場合の問題点についてだった。

 

 東電は当時は「地下遮水壁を作り地下水位が建屋周辺で下がることになれば建屋内部の汚染水が地中に流出する可能性がある」としていた。もちろん、通り一遍の危険性議論ではなく、十分な安全対策を取りながら進めれば良いと、図示しながら反論をしていた。その問題はどのように解決されたのだろうか。公表されている文書を見ても見当たらない。建屋周囲の地下水位が下がれば、貫通部位から汚染水が流出する危険性は無くなっていないはずだ。

 

 汚染水対策としては大した効果もない割に、周囲の地下水がどのように動くかを十分に調べもしないで強行される地下水バイパスには、未知の危険性が潜んでいると考えるべきである。

 

 

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(福島原発告訴団からのお知らせです)

告訴・告発人・支援者のみなさまへ

 

日頃のご支援・ご協力に感謝申し上げます。

福島原発告訴団が第一次「汚染水告発」を行って、早7ヶ月が経ちます。

タンクからの高濃度汚染水の漏えいを始まりとして、放射能濃度の過小評価、

度重なるALPSの不具合、安全が明確とは言えない地下水バイパスの決定と、

汚染水問題はますます深刻化しています。

作業員の被曝や海の汚染が本当に心配です。

オリンピック関連事業によって、セメントや鉄筋などの資材不足や、

人件費の高騰により作業員の確保がますます難しくなることで、

汚染水対策が困難になって行くのではないかと懸念されます。

汚染水対策の初動がもっと的確に行われていたら…と思わずにはいられません。

汚染水の現状を学び、県警へ「強制捜査」を再度要請する行動を行います。

 

4.28ふくしま集会 深刻化する汚染水問題!■

~集会・デモ・県警要請行動~

 4月28日(月)

13:30~15:30 福島市市民会館 第2ホール

講演:「汚染水漏洩の実態」阪上 武 さん (福島老朽原発を考える会(フクロウの会))

報告:河合弘之弁護士・保田行雄弁護士・海渡雄一弁護士

15:45~ 新浜公園から福島県庁へデモ行進

新浜公園地図

https://www.google.co.jp/maps/place/新浜公園/@37.7581505,140.4686316,17z/

16:30~ 福島県警本部(福島県庁内)に上申書提出

 

詳細は告訴団ブログをご覧ください。

http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html

 

*会場周辺屋外の空間放射線量(目安)0.13μSv/h0.4μSv/h

 (局所的に線量の高い場所が存在します。ご注意ください)

*放射線の防護については各自ご判断ください。

*子どもさんや若い方のデモへの参加はご遠慮ください。

 

 

■告訴団 今後の予定■

・6月4日(水)東京集会・行動

 日比谷コンベンション大ホール 13:30~(予定)

 講演、東京検察審査会へ上申書提出など

 

・6月下旬 第3回総会 郡山市 (予定)

 

*詳細が決まり次第あらためてご案内致します。

 

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福島原発告訴団 本部事務局

963-4316

福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1武藤方

電話  080-5739-7279

メール 1fkokuso@gmail.com

ブログ http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

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(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

●食べものの放射能汚染:子どもたちまで「出し」にして放射能汚染物を商売に使う日本の食品産業の「罰あたり」 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-ebc4.html

 

●原発で大事故が起きても避難などできません いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-a15c.html

 

●昨日(3/12)の報道ステーションを見て : (1)「7q11染色体」を何故調べないのか(児玉龍彦氏インタビューより)、(2)私の感想 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-f9c8.html

 

 

2013年4月 4日 (木)

原子力規制委員会・規制庁による(原発)「新安全基準骨子(案)」に抗議する(こんなものでは原発の安全は確保できない)

原子力規制委員会・規制庁による

(原発)「新安全基準骨子(案)」に抗議する

(こんなものでは原発の安全は確保できない)

「原子力資料情報室」会員

 ちょぼちょぼ市民による政策提言の会(運営委員)

 田中一郎(ichirouchan@withe.ne.jp


 去る2013130日に原子力規制委員会は,(発電用軽水型原子炉施設に係る)設計基準、シビアアクシデント(過酷事故)対策、地震や津波対策を3本柱とする「新安全基準骨子(案)」(以下,「新安全基準(案)」)を決定し,パブリック・コメントに付した。「新安全基準(案)」は一見すると,「ベント・フィルター装着」「防潮堤のかさ上げ」「第2中央制御室の設置」「活断層上での原子炉建設禁止の明確化」「機能喪失対策や緊急冷却用屋外装置の用意」など,従来よりも厳しい基準が用意されたかに見える。しかし,その内実は,基準自体が必ずしも原発の安全性確保を徹底するものではなく,従来発想にとらわれて,原子炉事故を甘く見ている様子がうかがえる他,あちこちで抜け穴だらけの不十分なものとなっており,およそ,かようなものでは原発の安全性は担保されるべくもないものと判断される。

以下,この「新安全基準(案)」の問題点のうち代表的なものをいくつか列記し,まずはその白紙撤回を求める。そして,二度と原発のシビアアクシデントを引き起こさないための原子炉設計の抜本見直しを含む徹底した安全基準策定に向け,根本的なところからの再検討を要求する。

 

1.「新安全基準(案)」策定のプロセスの不適正に抗議する

 「新安全基準(案)」の策定プロセスには下記のような問題があり看過できない。今般策定された「新安全基準(案)」はいったん撤回し,公正でバランスのとれた委員人選に基づく検討委員会を再度設置し,原発の安全性確保のための検討を,もっと根本的なところからやり直しすることが必要である。

 

(1)「新安全基準(案)」の検討があまりに短期間に拙速・性急に行われており,にわか作りの場当たり的・小手先対処の印象を受けるものが多い。もっと時間をかけて,広く国民の意見を聞くべきである。こうした原子力規制委員会・規制庁の動きは,原発・核燃料施設再稼働を最優先し,あらかじめ定めたスケジュールに従って,形ばかりの「新安全基準」を強引に策定せんとする本末転倒の行為であると言える。

 

(2)電力業界や原子力業界などから金品・便宜等の提供を受けたり,同業界に籍を置いたりしていた「利益相反」の立場にある者が検討委員会の委員となり,規制される側の電力業界等に有利な結論へと誘導してきた経緯がある。こうしたことは許されないことである。当該委員を更迭せよ。

 

(3)原子力関係者だけで構成された検討会で「新安全基準(案)」を検討するのではなく,原子力推進・原発に厳しい見方をしてきた人達を含む独立した有識者を検討委員に加え,その考え方や見方を広く取り入れ,より実効性の高い厳しい内容の安全基準を策定すべきである。

 

(4)福島第1原発事故の原因究明が先である。そのためには,国会事故調で事故原因の調査・報告を行ったキーマンから,究明された事項や未解明の点などをしっかりと引き継ぎ,十分なヒヤリングや現場実態調査などを行うべきである。しかし,「新安全基準(案)」の検討委員会は,規制される側の事業者からのヒヤリングを行うのみで,福島第1原発事故の原因究明や国会事故調からのヒヤリングには消極的である。(例えば,明確な実証的根拠なく福島第1原発事故で地震の揺れは事故とは無関係と決めつけることは許されない)

 

(5)更に,今般明らかになった東京電力による国会事故調による福島第1原発調査への妨害行為には,福島第1原発の地震の揺れによる原発施設の破損(いわゆるLOCA)を隠蔽しようとした疑いがある。特に,1号機の非常用復水器(IC)の破損については,その証拠と思われるいくつかの事実が指摘されており,まずはその究明が急がれなくてはならない(この1号機のICは耐震性に4倍以上の余裕があるとされてきたにもかかわらず破損した疑いがある)。また,2号機や3号機についても,非常用炉心冷却装置(ECCS)や冷却用施設・配管類について,地震の揺れの影響の有無が確認されるべきである。更には,福島第1原発だけでなく,東通原発や核燃料サイクル施設,女川,福島第2,東海など,今回の東日本大震災によって被災した全ての原発・核燃料施設の徹底した実態調査が「新安全基準」策定の前に強く望まれるところである。

 

(6)パブリック・コメントの期間をもっと長くとることに加え,パブリック・コメントに先立ち,全国各地において説明会・意見交換会・公聴会などが実施されるべきである。ただ,文章だけをHPに掲載して事足れりとする姿勢は,原子力規制委員会・規制庁として,説明責任を欠如させている。

 

2.「新安全基準(案)」は抜け穴だらけの不十分なものであり全面的に見直しが必要である。

 原子力規制委員会によって公表されたものを新「安全基準」とするには多くの瑕疵や欠陥があり,また欠落事項も多い。下記に列記したものはその代表的な事項にすぎず,「新安全基準(案)」は書ききれないほどの安全確保上の問題点を含んでいる。撤回の上,抜本的な見直しが必要である。

 

(1)福島第1原発事故からの教訓とも言うべきことも含め,①非常用炉心冷却装置(ECCS)や復水器,その他配管類を含む原子炉冷却用装置の耐震性やシビアアクシデント時の機能について,再度,その安全確保のための堅確性を見直す必要があること,②福島第1原発事故を引き起こしたマークⅠ型沸騰水型原子炉は欠陥原子炉として指定し,その使用を取りやめるべき(原子炉の大きさがあまりに小さい等),また,その他の型の沸騰水型原子炉については,制御棒を原子炉の下から重力に逆らい水圧を用いて入れることの危険性の再評価・対策も必要,③水素爆発防止と放射能封じ込めの二律背反の解決方法,④外部電源の複数化と耐震性・対津波対策の抜本的強化,⑤各種制御装置・モニター機器類の堅確性や耐久性と,緊急時対策支援システム(ERSS)の故障防止や原発敷地内外の放射能モニタリング装置の見直しによる事故時の故障防止等の事項について,もっと徹底した分析と安全上の改善を行うべきである。

 

(2)福島第1原発事故を引き起こした沸騰水型とは異なる加圧水型の原子炉施設については,更に加えて,①蒸気発生器の耐震性,②格納容器内での水素爆発防止対策とその有効性の検証(窒素注入の検討等),③放射能除去フィルター付ドライベント装置の即時設置義務化,④地震時における制御棒挿入の堅確性,⑤スリーマイル島原発事故教訓の再確認,などが必要かと思われる。格納容器が大きいからという理由だけで,上記②や③を省略・あるいは先送りした状態での原発稼働は危険極まりない。

 

(3)原発の老朽化対応を強化すべきである。原発寿命の40年の例外を認めないことの他に,圧力容器の脆性遷移温度を安全サイドに立って厳しく規制するとともに,配管類や蒸気発生器・復水器等の老朽化によるひび割れその他の劣化についても,その点検方法も含め厳格な基準が求められている。

 

(4)ベント・フィルター装置は,新聞情報が伝えるところによれば,単に原子炉や格納容器内の放射能汚染気体を水に通すだけのものであり,放射能除去が十分ではないようだ。まず,ベント・フィルターの容量や性能について厳しい規制を設ける他,何重もの厳重な追加のフィルター等を併設し,環境へ放出される放射能を極限値まで引き下げることが必要である。

 また,そもそも論として,ベント実施を前提とした原子炉設計は,安全確保の観点より許されないものと考える。放射能が万が一にも格納容器より大量に環境に出るなどということは許されないことであり,ベント・フィルターがあるから,これからはベントをすることが当然であるかのごとき考え方は本末転倒であることを付記する。

 

(5)火災対策について,可燃性ケーブルの使用状況を確認し,使用の疑いがあればただちに原発を止めて不燃性ケーブルに交換させること。可燃性ケーブルの表面に不燃塗料を塗っただけのものを「不燃性ケーブル」とみなす等の,いわゆる「みなし規定」は廃止すること。

 

(6)使用済み核燃料の安全対策に万全を期する必要がある。原子炉に隣接して地上10mを超えるような場所に使用済み核燃料プールを設置した施設の使用は禁止し,かつ,使用済み核燃料は,早期にいわゆる「乾式貯蔵」に移行して,津波の被害が予想される地域から内陸へ移動させる必要がある。

 

(7)シビアアクシデント対策については,原発施設の外側から可搬施設等により追加対策として外付けするのではなく,原子炉等の基本設計における前提条件として,本来の設計基準の一つとして設けられ,恒久的な施設・対策として用意されるべきである。可搬の外付け施設については,信頼性に疑義が伴ったり,シビアアクシデント時における接続に時間と困難が伴い,原発の安全性向上には必ずしもつながらない(いざという時に役に立たない可能性あり)。そして,そもそも,原子炉施設がシビアアクシデント状態に陥らないための多重防護の仕組みを抜本的に見直す必要がある。

 

(8)シビアアクシデント対策については,福島第1原発事故を上回る規模と深刻さのものを前提に考えられるべきである。また,事故発生を確率論的に認識するのではなく,事故がもたらす深刻度から絶対的に判断して「新安全基準」は策定されるべきである。つまり,いかなることがあっても,福島第1原発事故と同程度,またはそれを超える事故は起こらない状態を「新安全基準(案)」が創造する必要がある。

 

(9)シビアアクシデント対策については,たとえば,①津波対策としての原発施設内の「水密扉」(水を施設内に入れないための扉)が人的操作に依存して設計され,いわゆる自動化が義務化されていない(地震後に津波が来るまでの間に人間が複数の扉を閉めて回る),②マークⅡ型沸騰水型原子炉については,炉心溶融時に原子炉直下にある圧力抑制用の水プールに核燃料デブリが落下して水蒸気爆発を起こす危険性があるが,その対策がない,などの甘さが専門家から指摘されている。その他の格納容器破壊事象も含め,もっと掘り下げたより慎重な検討が必要不可欠である。

 

10)新聞情報によれば,シビアアクシデント対策を中心に,安全確保のための必要不可欠の対策(新設備の設置や装置改造など)を,経過期間を設けたり,新設備等の設置を猶予して先送りすることなどを認める動きが原子力規制委員会にあると伝えられている。原発の安全性を考えた場合,許されないことである。

 

11)原発敷地内外での活断層であるか否かの判断基準については,すべて40万年以上前まで遡って,その動きから厳格に判断すべきである。限られた場合にのみ40万年まで遡るという基準は,当初原子力規制委員会が説明していたことから後退している。既に2010年に政府の地震調査研究推進本部がまとめた報告でも,活断層は「40万年程度を目安にする」とされており,一般の活断層よりも厳しく評価されなければならない原発敷地において,原則12万年前・例外40万年前とすることは許されない。

 また,活断層の危険性については,①Sクラスと呼ばれる「重要な安全機能を有する施設」の直下だけでなく,そもそも原発施設内での活断層の存在を認めない,②複数の活断層の連続性や敷地内の短い断層の集合などについても,より安全側に立った評価を行うこと等の点を加味し,より厳しい「安全基準」とすべきである。

更に,これまで多くの「利益相反」委員らによって不適切な活断層評価・地震リスク評価が行われてきた結果,全国各地の原発・核燃料施設敷地で,今頃になって活断層が「発見される」などという事態となっている。改めて全国全ての原発・核燃料施設について,その敷地調査・地震リスク評価をやり直すとともに,地震大国日本にふさわしい厳格な敷地評価が,厳正な委員メンバーで構成される委員会より,適切に実施されるべきである。

 

12)原発ごとに想定される最大地震のマグニチュードや揺れの大きさの設定が甘いものが多い。また,原発施設の耐震性については,単に揺れに対する強度のみならず,原発直下の敷地の地割れやズレ,隆起・陥没なども考慮の上,抜本的に見直されるべきである。

 

13)原発ごとに想定されるという最大津波の判断基準を示すこと,その際には,津波がいわゆる「共振」を起こして巨大化する可能性も十分に勘案されることが必要である。また,津波対策については,単に想定される津波高さにまで防潮堤を建設すればそれですむというわけではない。津波は,単に水の波が押し寄せるだけでなく,巨大な岩石や土砂やその他の固形物をも伴って,強大な破壊力をもって原発施設を襲う。従って,津波の脅威から逃れる基本は,原発を津波が押し寄せてこない標高地にまで移転させるとともに,大津波時における復水器冷却機能の万全の代替策が必要である。

 また,津波の影響を受けることのない「緊急対策施設」の設置も必要である。

 

14)これまで多くの事業者により,定期点検時を含め原発の安全性に関する点検や検査,報告等において,ルール違反の虚偽報告やゴマカシ・隠蔽・歪曲・手抜き等が行われてきた。こうした不正行為を根絶しなければ,原発・核燃料施設の安全性の確保などはおぼつかないことは言うまでもない。ついては「安全基準」に,そうしたコンプライアンス事項を盛り込み,違反した事業者に対しては,免許取り消しを含め厳格な対処策を策定しておく必要がある。

 

15)福島第1原発事故により,原発推進を巡る情勢が厳しくなったことを受け,原子力産業は原発・核燃料施設の輸出に乗り出している。自国において大事故を引き起こした当事者が,厚顔にも海外に対して原発の安全強化を標榜しながら原発・核燃料施設の輸出を行うことなど,断じて許されないことである。また仮に,輸出した原発が海外で事故を起こした場合には,日本政府がその政治的・経済的・社会的責任を問われ,大きな賠償や補償の負担を余儀なくされる可能性も高い。日本国民にとっては無用の将来リスクである。ついては原発輸出の事実上の禁止=厳重な1件ごとの輸出許可制度を盛り込むべきである。

 

最後に,福島第1原発事故を引き起こした我が国の原発・核燃料施設については,その安全性基準を抜本的に見直すとともに,その基準に合致しない原発はただちに停止・廃炉とされるべきであり,また,そうした「新安全対策」をしてまで原発に固執する必要性や合理性があるのかどうかも,併せて検討されるべきである。また,大量の使用済み核燃料や放射能汚染という将来世代への大きなツケを残さないという意味での倫理性なども十分に勘案・再考された上で,今後の原発・核燃料施設のあり方が打ち出されるべきである。

以 上(2013220日)

 

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