内部被爆

2014年7月23日 (水)

必読 「放射能汚染とリスクコミュニケーション (PHNブックレット:天笠啓祐/著)」

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 放射線被曝を理解するために必読の、かつ、誰にでもわかる平易な解説書が発刊されました。著者は科学ジャーナリストの天笠啓祐氏です。別添PDFファイルには、その新著書のエッセンス部分を切り抜いて添付しておきました。表題よりも、その内容にご注目ください。切り抜いた部分を簡単に一言で申し上げれば、「放射線被曝評価の矮小化と、その今日までの歴史」とでも言えると思います。

 

 以下、天笠啓祐氏の今回の著作や、その他の著作を含む関連図書等を簡単にご紹介しておきます。それぞれ、ぜひご一読ください。今回の著作には、下記でご紹介する内容以外にも、たとえば「食べものの放射能汚染」の問題や、「リスク・コミュニケーションの本来の在り方」などなど、知っておくべき事柄がコンパクトにまとめられています。

 

 現代は「核被ばく強制・押し付けの時代」です。我々が生きていくための「護身術」として、きちんとした放射能と被ばくに関する知識がどうしても必要です。安易に日本の政治・行政や文部科学省の副読本、あるいは御用学者などを信じてしまうと、結果的に、子子孫孫まで放射能で傷つけられ、場合によっては殺されてしまいます。放射線被曝は、一旦被ばくすると、その傷は消えることはなく、累積的に健康被害をもたらし、かつ、自分自身のみならず、自分の子どもや孫、ひ孫、さらにはその子孫にまで、延々と健康被害や遺伝的障害が続いていく可能性のある超危険物です。

 

 かようなもの(核兵器を含む核エネルギーの利用)は、人間を含む生物とは共存できない、まさにグロテスクな人類滅亡への引き金となる「無用の絶滅道具・自滅機械」です。電気など、いくらでも手に入れる方法があるのに、何故に「絶滅道具・自滅機械」を使って湯を沸かし、電気を作らねばならぬのか。バカもここまで来ると、死ななきゃ治らないのか、ということです。しかし、死んでたまるか、バカに殺されてたまるか、なのです。

 

● 放射能汚染とリスクコミュニケーション(PHNブックレット:天笠啓祐/著)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033116596&Action_id=121&Sza_id=GG

 

 今回の新著作は必読・平易の解説パンフレットです。以下に、少しだけ内容をご紹介しておきます。ちょっと前にご紹介した、下記のような「放射線ムラの陰謀」にまんまとはまりこまぬよう、天笠啓祐氏の著書で被ばくリテラシーを身につけましょう。

 

(東京新聞記事)原発事故後の健康支援で逆走 環境省の専門家会議(こちら特報部) 赤かぶ(別添PDFファイル)

 http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/432.html

 

(VTR)参考人「健康調査や線量評価の抜本見直しを」環境省会議 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F1806

 

(上記VTRで、この似非委員会の座長=長瀧重信の発言をよくご覧になってみてください(VTRの最初と最後の方に現れます):福島県民の被ばく線量=特に内部被曝など、は正確なところはわからないし、個人によっても大きく違います。そもそも、事後的にわからなくなるように、初期被ばくの段階から、その測定が妨害され、回避され続けてきた経緯があるのです(もちろん、被ばく検査・測定を妨害し回避したのは、この似非委員会に連なる放射線ムラと、その代理店政府及び自治体です)。また、シーベルトという被ばく単位もインチキです。原子力ムラ・放射線ムラがでっちあげた、内部被曝の実態を表さない、放射線被曝矮小化の小道具です。)

 

(そんな状態で、被ばく線量に基づいて、「福島県民以外は検査は不要だ」などと断定することが、どういうことを意味しているか、少し考えれば自明のことではないかと思います。津田敏秀岡山大学大学院教授(疫学・公衆衛生学)が言うように、つべこべいわずに福島県以外の汚染地域の健康調査を直ちに始めればいいのです。これを妨害する放射線ムラの御用学者たちは社会的に葬り去りましょう)

 

 <天笠啓祐氏の他の必読著作>

● 子どもに食べさせたくない食品添加物-天笠啓祐/編著 食べもの文化編集部/編著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033114617&Action_id=121&Sza_id=C0

 

● TPPの何が問題か-天笠啓祐/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033096604&Action_id=121&Sza_id=C0

 

● 遺伝子組み換え食品入門 必要か不要か?安全か危険か?-天笠啓祐/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032978992&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 <関連する著作で必読のもの>

●放射線被曝の歴史 アメリカ原爆開発から福島原発事故まで-中川保雄/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032660915&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 少し難しいですが、この本はできれば全ての方の読んでいただきたいです。国際放射線防護委員会(ICRP)や放射線影響研究所(RERF)(長瀧重信の古巣=悪の巣窟)の何たるかがよくわかります。

 

 <これも見ておいた方がいいと思われます>

 http://www.youtube.com/watch?v=AU6YrT0q1SQ

 http://www.youtube.com/watch?v=fkNr6DoBcII

 http://www.youtube.com/watch?v=a_WRsHyOTjY

 

(以下、「放射能汚染とリスクコミュニケーション(PHNブックレット:天笠啓祐/著)」より

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<原爆開発から始まった許容量の考え方>

 

「ICRPが最初に出した1950年の勧告は、まだ職業人だけのもので、被曝線量限度は年間15レム(150ミリシーベルト)1週間0.3レム(3ミリシーベルト)という数字でした。まだ一般市民の被曝に関しては、被曝線量限度はだされませんでした。ただし、この時に集団被曝線量(人・レム)という概念が初めて登場したのです。集団被曝線量とは、すでに述べましたように、放射線によって受ける健康被害を個人で見るのではなく、集団で見るという考え方です。晩発性障害は、個人で評価できないからです。例えば、同じ被曝線量でもがんになる人ならない人がいます。集団で見ると被曝に応じてがんの発生率が増えていきます。こうして、放射線の被曝と人口とを掛け合わせて、発癌などのリスクを導き出すようになりました。」

 

「ICRPが次に出した1958年勧告」では、初めて市民の放射線防護基準が設定され、職業人の10分のlとされ、職業人年間5レム(50ミリシーベルト)、一般人年間0.5レム(5ミリシーベルト)という基準が出されました。この勧告の際に採用された考え方が、「リスク・ベネフィット」の考え方でした。直訳すると「危険と利益」となります。では、このリスク・ベネフィットの考え方とは、どんなものだったのでしょうか。」

 

「繰り返しますが、晩発性放射線障害においては、これ以下なら安全だというしきい値は存在しません。そのためリスクとベネフィットのバランスの上に設定される考え方が、許容量です。1970年代までは、この考え方が一般的でした。この我慢量という考え方は、リスクを負うものと、利益を得るものが同じでなければ成り立ちません。しかし、原発が増えることで、この考え方について見直しの雰囲気が醸成されていくのです。」

 

<原発推進のためにゆがめられた被曝基準>

 

「そこで次に登場したのが、現在も使われている「アララの理論」と呼ばれる考え方です。この原則は、ICRPによる1977年の勧告の際に採用されました。アララとは「As Low as Reasonably Achievable」のそれぞれの単語の頭文字を組み合わせたものです。「合理的に達成可能な限り、低く押さえるべきである」という考え方です。「合理的に達成可能な限り」というところに比重が置かれた考え方でした。」(「ALARA原則」は「あらら変ね原則」と覚えましょう:田中一郎)

 

「この理論を導入するに当たって、「リスク論」と呼ばれるものが大手を振ってまかり通るようになりました。「リスク論」でよく取り上げられるのは、交通事故との比較です。」(「リスク論」にこそ、猛烈な、およそ引き受けることのできないリスクがあります。要するに、インチキ屁理屈学です:田中一郎)

 

「(許容線量の考え方では)不均一被曝の考え方が、ある程度まで生かされていたのです。しかし実効線量当量では、そのような特定の臓器や組織を対象にするのではなく、各臓器や組織への影響の総和という形で、モテル化して計算上の被曝限度を設定する方式に変更されたのです。この計算方式では、恣意的に数値が設定される可能性が強く、結果的に被曝限度の大幅緩和をもたらしました。たとえば、ストロンチウム90では、1000ベクレル/kgの放射能を取り込んだとき、従来の方式では44.4ミリレムと評価していましたが、実効線量当量では、3.85ミリレムとなり、実に10分のl以下の評価になってしまいました。」

 

<もっとも影響を受けるのは子どもたち>

 

「このようなエピジェネティックスでの異常を引き起こすことも考えられますが、この仕組み自体がまだよく分かつていませんし、放射線がどのように影響するかもわかりません。」

 

「さらには、細胞にはほとんど修復機能がありません。そのため細胞の機能が変更を受けたり、まともに機能しなかったり、時には細胞死が起きる危険性もあります。しかし、これにしてもどの程度の線量を被爆したら、どのような影響が起きるか、正確には分かっていません。」

 

「さらには、放射線の影響と、他の有害物質の影響が重なることによる影響の拡大も起こり得ます。すでに述べましたが、いまの科学は、他の要因を排除して、その一つの物質がもたらす影響に関して評価する方法を用いています。これでは農薬や食品添加物、大気汚染などさまざまな要因にさらされている私たちの日常生活とは大きなかい離があります。」(放射線被曝と有害化学物質、有害金属、有害ナノ物質などとの「相乗効果」が懸念されます:田中一郎)

早々

 

 

2014年2月20日 (木)

胎児と乳児の放射性ヨウ素による被ばく(長山淳哉元九州大学准教授著書より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは、長山淳哉元九州大学大学院医学研究院准教授の最近の著書『胎児と乳児の内部被ばく』(緑風出版)の一部です。放射性ヨウ素による妊婦、胎児、乳児の内部被曝について、国際放射線防護委員会(ICRP)などが提唱している実効線量係数のおかしさに着目して説明がなされています。以下、簡単にご紹介申し上げます。

 

 一言で申し上げますと、「生物学的半減期」にせよ「実効線量係数」(ベクレルをシーベルトに換算する係数)にせよ、内部被曝の個体差があまりに大きいにもかかわらず、信頼のおける実証的な経験データや実験データがないままに、いい加減な数字をもとにして、乱暴な「平均値」方式や「モンテカルロ法」によるシミュレーション(計算)結果で差配されて数値が導かれており、およそ個々の生身の人間の内部被爆実態を評価するには無理があること、また、それ以上に、平均値以上の被爆をする人・させられる人、また、感受性が高い人などは、国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護の対象・体系からは「のけもの」にされて切り捨てられており、そうした人たちに対して被ばくを防ぐ対策をとることが「必要性を上回る効果の薄い余分なコスト」とされている、ということです。

 

 チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国で広がった悲劇を歴史的な記録とするために、多くの勇気ある科学者や医師・医学者が、実際の被爆した人たちの診断や治療に立ち向かいながら、疫学的なデータをまとめ上げ、いくつかの報告書としているのは周知の事実です。しかし、国際放射線防護委員会(ICRP)に代表される国際原子力マフィアや日本の原子力ムラ・放射線ムラ御用学者どもは、「統計学的に有意でない」を繰り返し発言し、いまだに、子どもの甲状腺がん多発以外に、チェルノブイリ原発事故による放出放射能の健康影響を認めようとはしておりません。

 

 しかし、彼らこそ、たび重なる放射線防護や被ばくに関する彼らの科学的評価や勧告に際して「統計的に有意性のあるデータ」をその根拠として示したことは皆無である、と言っていいでしょう。出てくるのは、冷戦時代の米軍・米国の核兵器戦略支配下にあって、その手下であった日本政府と放射線影響研究所(RERF)によって管理され、操作され、歪曲矮小化され、抹殺され、隠ぺいされた、広島・長崎の原爆被害者のデータくらいのものなのです。彼らの屁理屈に、信頼できる科学的実証的なデータや根拠などはありません。インチキ学者・御用学者・似非科学とは、常に「二枚舌」であり、ご都合主義であり、歪みに歪んで本末転倒しており、かつそれがバレないように非公開で非民主的であると言っていいと思います。

 

 世にはびこる放射線防護論や被ばく評価については、その評価単位の概念内容まで含め、すべてを疑ってかかる必要があります。そして、常に忘れてはならないことは、放射線被曝とは、特に恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)とは、危険極まりないものであるということです。だまされてはなりません。

 

●胎児と乳児の内部被ばく 国際放射線防護委員会のカラクリ- 長山淳哉/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032937538&Action_id=121&Sza_id=C0

 

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 <前回お送りしたメール:「生物学的半減期」は信用できない、のエッセンス>

 少し前にお送りした私のメールで「生物学的半減期」について、若干のことを申し上げました。そのココロは、

 

(1)人間の「生物学的半減期」は(たぶん他の生物も)個体差が大きくてバラついており、おそらく正規分布さえしていないのではないか。

 

(2)「生物学的半減期」を経験科学的に実証した、統計学的に有意な実験・実証結果などは存在しない。つまり科学的根拠などない。

 

(3)人間の命や健康を扱う以上、誰に対しても共通に「安全の方向」で一定のことがクリアされていなければならない。従って、「生物学的半減期」であれば、これまで観測された数値の中で最も長いものを使い、それに「安全バッファ」を掛けて(×2~5倍)使うべきである。何故なら、「生物学的半減期」は内部被曝の計算根拠となっているからだ。

 

(4)しかし、国際放射線防護委員会(ICRP)に代表される国際原子力マフィアや原子力ムラ・放射線ムラの御用人間・似非科学者たちは、何の科学的根拠もないままに、数の限られた観測値をベースにした「平均値」近傍の値を「生物学的半減期」に使用している様子がうかがわれる。これはインチキであると同時に、「生物学的半減期」が長い、内部被曝を他の人たちよりも多く受ける体質にある人たちの被爆の危険性を無視するものである。(注)

 

(5)更に、国際原子力マフィア・原子力ムラ・放射線ムラの御用人間・似非科学者たちは、一方では、自分たちの上記のような非科学性・非実証性を棚に上げ、他方では、チェルノブイリ原発事故で見られた放射線被曝被害者の疫学的・統計的報告を、ことごとく調査サンプル数の不足などを理由に「統計的に有意でない」と否定し続けている。要するに、被ばくの危険性を認めない方向にバイアスを掛けて、科学性の有無を「二枚舌」で「屁理屈付け」しているわけである。「統計的に有意でない」のは、国際原子力マフィアが打ち出す勧告類や被ばく評価、あるいはそのための概念類(たとえば「シーベルト」など)=がらくたジャーゴンなどである。インチキ科学にだまされてはならない。

 

 ということで、私は少し前のメールの最後に次のように書いております。これと同じことが、今回の長山淳哉元九州大学准教授の著書の記述からも言うことができます。

 

「私は、「生物学的半減期」なるものには、実証的・科学的根拠がほとんどないのではないか、と思っております(ひょっとすると、正規分布さえしていないかもしれません)。原子力ムラ・放射線ムラの連中が、チェルノブイリ原発事故後の多くの疫学的調査に対して、「調査数が少ない」などのナングセをつけて、放射線被曝による健康被害の深刻さを頭から否定しておりますが、私はそれをそもまま、この連中の「生物学的半減期」や、それを根拠に算定された「実効線量計数」に対して、投げつけてやりたいと思っております。」

 

「御用学者たちの言っている「生物学的半減期」や「実効線量計数」には、科学的・実証的根拠などありはしない、ちがう、あるのだ、というのなら、その科学的・実証的証拠を見せて見ろ、これが私が申し上げたいことです。」

 

注:1950年前後の欧米では、信じられないことだが、被験者を「安全だ」とだまして放射性物質を使った人体実験を行っていた様子がうかがわれ、長山淳哉元九州大学准教授の著書の中にも、いくつかその人体実験の結果が引用されて使われている。信じがたいことながら、常に原子力・放射能は、それを使う側による「支配」「抑圧」「権威・権力」の下での「加害」の道具であったことを忘れてはならない。

 

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 <今回の内容のご紹介:胎児と乳児の放射性ヨウ素による被ばく>

 以下、長山淳哉九州大学准教授の著書の中の重要部分を抜き書きして、簡単なご紹介をいたします。

 

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(1)放射性ヨウ素による被ばく(1):胎児の甲状腺での取り込み

「放射性ヨウ素は、胎児の甲状腺ができあがる前から、胎児の体内に蓄積します。このときには主に、肝臓と腸に存在します。」

「人間では妊娠11週という、かなり早い時期から機能しはじめます。」

 

「妊娠しているお母さんにヨウ素131を1回だけ投与し、その後一六時間から四八時間での、お母さんと胎児の甲状腺における放射能を比較した研究がいくつかあります。それによると、妊娠初期の三カ月では胎児の甲状腺のほうが1.5倍ほど高いだけでした。ところが、妊娠が進むにしたがって、胎児のほうが指数関数的に高くなります。たとえば、妊娠中期の3カ月ではお母さんの1.8倍になり、最後の三カ月では、7.5倍も高くなります。」

 

「慢性的な被ばくでは、最後の3カ月になるまで、胎児のほうが、お母さんよりも高くなることはないようです。」

「妊娠期間中、胎児の甲状腺ではヨウ素の濃度が上昇し、そして妊娠末期には、お母さんの甲状腺よりも三倍から十倍も高くなると考えられています」

 

「わずかに30名程度のデータにもとづいてえられたモデル曲線からの結果では、八週齢頃から、胎児の甲状腺はヨウ素を取り込みはじめます。取り込み率はグラフのように、次第に増加します。そして、妊娠末期、生まれてくる頃には、お母さんが摂取したヨウ素131の九パーセントが胎児の甲状腺に取り込まれるということです。」

 

「胎児には、お母さんよりも多量の甲状腺ホルモンが必要です。ですから、その分、胎児の甲状腺は、甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素も必要なのです。そのために、胎児の甲状腺には放射性ヨウ素も濃縮されます。そして、それだけ、放射線による障害も受けることになります。」

 

「大人の場合、甲状腺の働きが高まるとバセドー病になり、逆に低下すると粘液水腫になります。つまり、これらの甲状腺ホルモンは体の基礎代謝を高めたり、低下させたりします。」

 

「ところが、胎児と乳幼児では、その作用はまったくちがっています。この時期に、甲状腺ホルモンが少ないと、とんでもないことになります。すなわち、身長が伸ぴず、知的障害におちいるのです。先天性甲状腺機能低下症、いわゆるクレチン症はそういう病気です。」

 

(田中一郎コメント:上記からわかることは、妊娠中は母体よりも胎児の方がヨウ素が重要な元素になっていて、放射性ヨウ素であっても大量に取り込み、胎児の甲状腺に集中濃縮してしまうため、被ばくの影響が大きく出るということです。)

 

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(2)放射性ヨウ素による被ばく(2):放射性ヨウ素に係る実効線量係数

「生物的半減期と物理的半減期(放射性核穫の原子の半数が崩壊するのに要する時間で、ヨウ素131の場合には8.04日)、そして甲状腺の重さのデータをモデル化した数式に入れ、コンピュータで乱数を用いてシミュレーションする(これをモンテカルロ法といいます)ことにより、実効線量係数がえられます。すなわち、1ベクレルの放射能にさらされた場合の被ばく量(シーベルト)を何回もシミュレーションします。通常は100万回とか、200万回シミュレーションして、ぞの平均値が実効線量係数になります。」

 

「これまで、幾度も、お話ししているように、甲状腺の重さにしても、生物的半減期にしても、一人ひとり、まったくちがっています。ということは、また、それらの数値にもとづいた実効線量係数があるということです。つまり、一人の人間には、その人固有の実効線量係数があり、それから、実効線量、つまり被ばく量を求めねばなりません。」

 

「ここで紹介したNRCやICRPが提案している実効線量係数は彼らが勝手に作つた図Ⅱー4のような標準人モデルにのみ適用できるものなのです。ですから、それは単なる基準値、目安でしかありません。」

 

「しかし、これはあくまでも、放射線への被ばく量の多少を知るだけのことです。放射線の影響をうけやすいかどうかという、感受性の問題とはまったく別の話で

す。被ばく量が多くても、影響をうけない人もいれば、少量の被ばくで、大変な障害をこうむる人もいるのです。人間とはとても複雑な生き物なのです。」

 

「実効線量係数のからくりとはこういうことです。これが科学という錦の御旗のもとに、権威づけられ、あたかも万人に通用する数値であるかのように、まかりとおっているのです。十分に注意してください。」

 

(参考)アメリカ合衆国原子力規制委員会(NRC) - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E8%A6%8F%E5%88%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

 

(田中一郎コメント:平均値や目安のようなものを万人に通用するかのごとく装う放射線被曝詐欺=これが頭狂(東京)大学を筆頭とする放射線ムラ似非学者群の正体です。しかも何度も申しあげているように、そこに経験科学的な実証・実験などありません。そして、上記で大事なことは、長山氏が「感受性の問題とはまったく別の話」と言及していることです。事態は個々人の感受性いかんにかかわらず、大きな格差があるということであり、実際には、それに加えて「放射線感受性」の個体差が加わって、もっと複雑なことになる、ということを意味しています。放射線被曝の危険性は、これまで科学的・実証的に、きちんと評価されたためしがありません)

 

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(3)放射性ヨウ素による被ばく(3):ICRPが評価する母乳からの放射性ヨウ素被爆

 幼い子どもが放射性ヨウ素で被ばくするのは、①胎児の時代に母体から入り込む放射性ヨウ素による被ばく(胎児の甲状腺被ばく)、②乳幼児自身の外部被曝、及び呼吸内部被曝、③母乳による内部被曝、の3つに大きく区分できます。この章は③についての話です。

 

「ICRPでは、いくつかのデータから、お母さんが食べたヨウ素131は摂取後九時間で、母乳への移行率が最高になり、その後、徐々に低下して、摂取後二日で移行がおわるとしています。また、ヨウ素131の物理的半減期は8日ですが、生物的半減期も考慮した、実効半減期は12時間としています。」

 

「急性摂取の場合、妊娠前二六週、つまり妊娠半年前から妊娠一五週までに、1ベクレルのヨウ素131を一度に食べても、母乳からの被ばくには、ほとんど影響がありません。それは、実効半減期が短いので、出産するまでに、ほとんどが体外に排推されるからです。」

 

「しかし、妊娠三五週にとると、一部が出産後まで体内に残留し、母乳からの被ぱくが無視できなくなり、e(母乳)は0.14×10の-6乗ミリシーベルトになります。

 

「やはり、出産後に1ベクレルのヨウ素131を一度にとった場合の被ばく量がもっとも多くなります。それは、産後のいずれの時期でも同じで、5.6×10のー5乗ミリシーベルトになるということです。慢性摂取では、妊娠中の三八週間にわたって、総量で1ベクレルのヨウ素131を毎日、均等に継続して食べると、母乳からの被ばく量は無視できません。しかし、妊娠三五週で、一度にとったときの被ばく量の五分の一ほどで、0.031×10のー6乗ミリシーベルトです。」

 

「ここで問題を二つ指摘しておきます。まず一つ目です。ICRPのモデルでは赤ちゃんの放射性核種の腸や甲状線での吸収率は、生後三カ月児のものが用いられています。しかし、出生直後には、腸での吸収は、それよりも1.6倍ほど高く、その後、徐々に低不します。」

 

「二つ目は、出生後まもない赤ちゃんの甲状腺でのヨウ素131の取り込みも、生後三カ月児よりも二倍ほど高いということです。

 

「ヨウ素131の場合には、出産間近から授乳中にお母さんが摂取したとき、赤ちゃんの被ぱくが大きくなる、ということです。」

 

(田中一郎コメント:妊婦さんには、原発過酷事故の際には真っ先に逃げていただき、また、放射能汚染地域からは、ただちに避難していただきたいのは、上記のようなことがあるからです。子どもにとっては母体や母乳は命の源ですが、そこから放射性物質が子どもに贈られるというのは、耐え難い悲劇です。特に、出生直前・直後が放射線被曝に対して非常に危ないことがわかります)

 

 最後に「気をつけよう、暗い夜道と、放射能」

早々

 

 

2013年11月20日 (水)

内部被曝とエピジェネティクスについて (講談社ブルーバックス 『エピゲノムと生命』 を読んで感じたこと)

前略,田中一郎です。

なお,別添PDFファイルは著作権上の問題がありますので,第三者転送・転載はご容赦ください。くれぐれも第三者転送・転載をなさいませんようお願い申し上げます。

 

 <参考書>

*『エピゲノムと生命 DNAだけでない「遺伝」のしくみ』(ブルーバックス:太田邦史/著)

 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032966264&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 別添PDFファイルは,今般発刊された講談社ブルーバックスの『エピゲノムと生命』(太田邦史著)の一節です。「ノンコーディングRNA」と,その「エピジェネティクス」的機能について解説された部分の一部を抜き出してあります。

 

 ついこの間まで「ジャンクDNA領域」(「何の役にも立っていないゴミのようなDNAの一部分」くらいの意味)と言われていたDNA領域が「ノンコードDNA領域」と呼ばれるようになりましたが,「ノンコーディングRNA」とは,そこから転写によって産生するRNAのことで,たんぱく質に翻訳されることはなく,一般に遺伝子機能を持たないDNAの塩基対部分から生み出されてくるRNAのことを意味してしています。

 

 実は,この「ノンコーディングRNA」は,「ジャンク」どころか,複雑な遺伝子制御に関わっていて,生物の複雑な生命プログラム実行を可能にしている,というのが,この本の説明です。つまり,「ジャンク」と思われていたDNAの領域から大量の機能未知のRNAが合成され,それが遺伝子の発現を制御し,認識されることもなく消去されている可能性が高いと,この本の著者は言います。多くの研究者はこのような状況にかなり興奮し,2005年には理化学研究所のある研究者が,この状況を「RNA新大陸の発見」と称したそうです。(下記のこの図書からの引用を参照)

 

 更に,「ノンコーディングRNA」は,遺伝子機能発現や抑制をにらんでの創薬研究に使われたり,更に研究が進んで,遺伝子制御以外の様々な生命機能にも関わることも分かってきて,今や分子生物学・細胞生理学の最先端を切り開く重要なキーワードとなっています。

 

 <若干の引用をしておきます:私が赤線を引っ張った部分です>

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P74「エピジエネテイクスは「同じDNAを持つ細胞をいろいろな種類の細胞に分化させるのに用いられる」ということを述べました。エピジエネティクスのしくみを使うと、DNAの情報に加えて、それをどう使うかという情報が書き込め、しかもそれを記憶することが可能になります」

 

P74「非コードDNA領域から生み出されるRNAの積極的な関与を想定します。このようなタンパク質に翻訳されないRNAのことを、「非コードRNA」とか「ノンコーディングRNA(ncRNA)」と呼んでいます。」

 

P74「非コードRNAは、現在非常に活発に研究が行われている領域です」

 

P76「つまり、「ジャンク」のように思われていた領域から大量の機能未知のRNAが合成され、遺伝子の発現を制御し、認識されることもなく消去されている可能性が高いのです。このような状況に研究者が興奮しないわけがありません。lncRNAの発見に関わった理化学研究所の林崎良英博士は、2005年にこの状況を「RNA新大陸の発見」と称することで、研究ステージの新たな展開を印象付けました。」

 

P77「非コードRNAの詳細は他書に譲ることにして、非コードRNAの遺伝子発現制御における役割だけ説明します。miRNAは二十数塩基対の短いRNAで、ある種の標的遺伝子の発現を特異的に抑制します。miRNAは我々の体でも多数発現しており、器官形成や発生、疾患発症などと密接な関係があることがわかってきています。

 

P78「なお、RNAiの登場により、狙った遺伝子を好きなように変えることが困難な高等生物でも、任意の遺伝子の機能を抑制することができるようになりました。これによって、従来は解析が難しかった、高等生物の遺伝子機能が解析できるようになり、さらにRNAiを利用して、がん遺伝子を不活性化するなど、さまざまな創築研究が行われています。」

 

P78「二本鎖のRNAが細胞に入ると、その配列を持つRNAの分解や翻訳抑制が起こるというのは、よく考えると不思議な話です。」

 

P78「RNAiは、遺伝子発現制御以外のさまざまな生命機能に関わることも知られています。」

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(以上,引用終わり)

 

 ところで,申し上げたいことはここからです。

 いわゆる放射線の内部被曝,放射能の体内取り込みによる健康被害が論じられる時は,どういうわけか,放射線防護学にせよ,放射線生物学にせよ,DNA=遺伝子の損傷と破壊のみに着目した,非常に狭い範囲内での時代遅れの議論が展開されるにとどまっております。(原子力ムラ・放射線ムラの似非学者どもには,せめて講談社のブルーバックスや岩波新書くらいは読んどけよ,と申し上げたいですね)

 

 これは,ワトソン・クリックによる遺伝子=DNAの構造仮説と,いわゆるセントラルドグマ(DNA=RNA=たんぱく質への翻訳)がノーベル賞を受賞した,1950年代から60年代にかけての頃の古い議論です。体内にある放射性物質から発せられる放射線が,大きなエネルギーでDNAや遺伝子にぶち当たり,それを破壊するために,遺伝子の病気が発生する,破壊されても修復機能があるために,病気の発生はある程度抑えられる,こういう議論です。遺伝子の破壊や損傷が問題ですから,それによる健康障害や病気と言えば「ガン・白血病」ということになるわけです。

 

 しかし,人間の体を含む生物の細胞は,かような「機械論的な構造」をしているのではありません。確かにDNAも遺伝子も,細胞内の「器官」の一つではありますが,それは細胞を一義的に支配する「殿様」でも何でもなくて,言い換えれば,遺伝子 ⇒ 細胞内生理,の一方方向の命令制御ではなく,遺伝子そのものが細胞内の生理的秩序によって逆に制御されている,同じ遺伝子があったとしても,それが発現されたりされなかったり,発現が妨げられたり促進されたりと,細胞内では様々な環境変化に対して,双方向・複数方向に自在に変化・適応・反応して,生き物としての生命発現が制御されているのです。(また,ミトコンドリアという「器官」には,細胞核とは異なるもう一つのDNAもあり,生物の体のエネルギー制御を司っております)

 

 上記でご紹介した図書に書かれている「ノンコーディングRNA」のエピジェネティクス的な機能は,そうした複雑な遺伝子制御や生命秩序維持のミクロ世界における生化学的な説明の一つに他なりません。ついこの間まで,その重要な機能を知らなかった「無知の塊」である人類が名付けた「クズDNA」「ゴミDNA」=「ジャンクDNA」が,実は「ジャンク」どころか,遺伝子発現制御の根幹に携わる「ノンコーディングRNA」産生のキーとなるDNA領域だったわけで,研究が進めば進むほど,生命というものの複雑さと,生命体内の各部位や器官や細胞間の複雑多岐にわたる連関性や機能相互補完性が見えてきます。ミクロの世界の果てしない未知の世界が,まだまだ我々人類の眼前に広大な大陸として広がっている,そういう印象を強く受けるのです。

 

 ところが,放射能や放射線被曝の健康障害への影響を論じる際の,あの原子力ムラや放射線ムラの似非学者達の議論の「単純さ」たるや,あまりにも馬鹿げています。それはまるで「時間が止まった世界」のごとく「思考停止」状態が続いていて,シロウト騙しの「遺伝子破壊・修復」論を繰り返し,セントラルドグマ以降の約50年間の生物学の進歩・発展には,とんと頭が回らないようなお粗末さです。放射線被曝=遺伝子破壊・損傷=ガン・白血病の発症,それでことが終わるのなら,これほど楽なことはないのですが,絶対にそういうことではありません。

 

 ここからは皆さまと,想像する世界になります,上記で申し上げました「ノンコーディングRNA」がもつ遺伝子制御や生命活動機能制御の部分に,猛烈な放射線が内部被曝によって,何度も何度も,局所的に集中的に繰り返しあてられたとしたら,どうなるでしょうか。生物の体を構成するあらゆる分子にとって,放射線の持つ巨大なエネルギーの破壊力は天文学的な度合いです。少しでも当たれば,生物の細胞のミクロの世界はたちまち破壊されることは避けられません。あたかも人間の顔面に,猛烈な勢いで飛んでくる硬式野球のボールか砲弾投げの砲弾がぶち当たった時のような,大変な事態になるのは自明です(放射線のエネルギーは,細胞をつなぐエネルギーの数万~数百万倍の大きさです)。ちょっとばかり痛い,どころの話ではないのです。

 

 申し上げるまでもなく,細胞内の放射線被曝した場所は,生命制御も遺伝子制御もメチャクチャになることは容易に想像ができるでしょう。仮に,遺伝子そのもの=DNAそのものは破壊されていなくても,その遺伝子を制御するDNA周辺の,様々な生命の道具類が放射線の巨大エネルギーに蹴散らされてしまうことも,何なく理解できると思います。放射線被曝とは,そういうことなのです。放射線被曝とは,遺伝子の破壊のみならず,生物の生命秩序全体の破壊=細胞内の全生理メカニズムの崩壊をもたらす,巨大な破壊作用です。

 

 それでも生命は強い。自助修復作用というものがある,回復力もある。確かに,それはその通りですが,内部被曝は,それをも葬り去るかのごとく,何度も何度も,局所的に集中的に放射線照射を繰り返し,被曝による破壊活動を続けて行くのです。少し前に「一度だけなら許してあげる」という歌がありましたが,内部被曝は外部被曝や医療被曝のような(ガンマ線やX線による)「一過性」(一度だけ)のものではありえず,至近距離からの,アルファ線,ベータ線,ガンマ線の,繰り返しの「総攻撃」「猛攻撃」を受けてしまうということに,十分すぎるくらいの注意を払う必要があるのです。生物や人間は,内部被曝と共存しながらは,健康に生きることはできません。放射線被曝,とりわけ,恒常的な低線量内部被曝は,絶対に避けなければならない生命にとっての最大の「脅威」であると言っていでしょう。

 

(バカバカしい,自然放射能のカリウム40と放射性セシウムなどの人工放射能との比較の話は,もういたしません。カリウム40は,昔からある放射性物質で,たいして危険ではありませんが,人工放射能は人体を含む生物体内での挙動が詳細にはよく分かっておらず,カリウム40のように分子レベルにまで小さくなって全身に散らばるというようなこともなく,さまざまな放射性物質と団子状態になりながら,生物の体内を蝕んでいく危険性もある「未知の危険」物質です。原理的に危険極まりない(人工の)放射性物質が,生物や人間の体内でどう挙動するのかがよくわからないのですから,その量がたとえ微量とはいえ安全なわけがありません)

 

 こう考えれば,放射線被曝=恒常的な低線量内部被曝が,人間にガンや白血病だけでなく,ぶらぶら病をはじめとする(原因が必ずしもはっきりしない)様々な病気や健康障害をもたらし,かつ,それらが遺伝的にも伝播して,子々孫々にまで病弱で不健康な子どもが引き継がれ,また,苦しみや悲しみも引き継がれていくということは,容易に理解できるのではないでしょうか。必ずしも,見た目が「奇形」でなくても,被曝した人の子孫は,何らかの意味で(生理学的な)奇形である可能性があると言えましょう。遺伝子が遺伝されるのは当然としても,上記で申し上げたエピジェネティクス的な機能もまた,その一部は遺伝されていくのです。放射線被曝被害は,一世代では絶対に収束しないと考えておいていいでしょう。

 

(「ゲノム不安定性」(隔世遺伝的突然変異多発)や「バイスタンダー効果」と呼ばれているものが既に発見され,問題とされていますが,原子力ムラの人間達は「見て見ぬふり」をしております)

 

*ミニサテライト突然変異、バイスタンダー効果 西式甲田療法による介護 - 楽天ブログ

http://plaza.rakuten.co.jp/hukohitomi/diary/201203220006/

 

 そして,内部被曝に関しては,もう2つのことを「しか」とお伝えしておかなければなりません。一つは,内部被曝は政治的に原子力ムラ・放射線ムラの御用学者達によって矮小化され,過小評価され,無視され,政治的に抹殺されてきたこと,もう一つは,内部被曝の危険性の経験科学的・実証的な研究が,原子力ムラ・放射線ムラの御用人間達によって徹底してつぶされ,妨害され,排除され(予算や人員配置や研究設備や組織等),その結果として,内部被曝に関する政治的な情報管理と,一元的な危険度解釈の押し付けが行われてきた,ということです。「シーベルト」などいう,インチキ丸出しの被曝評価単位の概念がそうですし,今日に至っても,福島第1原発事故被害者の放射線被曝をさしたる懸念がないかの如くに報告する国際原子力マフィアの各種報告書などがその一例と言えるでしょう。

 

 みなさま,もう放射線被曝について,原子力ムラ・放射線ムラの住人達による根拠レスの嘘八百説明に惑わされるのは終わりにしましょう。彼らはもはや科学者でも何でもなくて,(似非)科学という「政治」を振り回すインチキおじさん達に他ならないのです。内部被曝を上記で申し上げましたように,エピジェネティクスをも含む細胞レベルで原理的に考え,その破壊力の大きさを心得ておけば,彼らのインチキを受入れる余地はなくなってしまうでしょう。放射線被曝被害の度合いについては,上記で申し上げたように,研究が邪魔をされて進んでおりませんから,科学的実証はこれからの話になります。しかし,そんなものをのんびりと待っている必要もありませんし,原子力ムラ・放射線ムラ支配の続く現代科学の世界で,そうした放射線被曝や内部被曝の危険性の定量的な研究や把握が,適切な形で,客観的な手続きを経て,そう簡単に出てくるとも思えません。

 

 従って,今ある多くの経験的な放射線被曝被害の報告と,上記の被曝の原理的理解を結び付け,それと相矛盾する原子力ムラ・放射線ムラ報告や勧告には「ノー」を突き付けて,彼らに対して[徹底した説明責任]を求めて行けばよいのです。その説明責任が果たされない限り,少なくとも恒常的な低線量内部被曝環境からは,一刻も早く脱出をする,という「経験則」を身につけておくべきでしょう。間違っても,愚かなマスごみの宣伝しているような,お粗末極まりない「放射線被曝安全論・安心論」に心を許したり,もたれかかったりしてはいけないのです。ましてや,原子力ムラ・放射線ムラの御用学者に,すがりついてはいけません。

 

 繰り返しになるかもしれませんが,自分の身は自分の身で守らなければなりません。原子力ムラ・放射線ムラは,皆さま一人一人の命と健康のことなど,歯牙にもかけてはおりませんし,愚かなマスごみは,この2つのムラの宣伝を「拡声器」で拡大して伝えているだけの話です。彼らに情緒的に騙されるということは,それはそのまま「緩慢な死」を,子々孫々の時代にまでわたって受入れるということを意味します。つまり,放射能によって殺されるということです。原子力ムラ・放射線ムラは,それによって原子力が推進でき,原発・核燃料施設や核兵器が引続き温存できれば,それで目的が達せられたことになり,何の憂いも残ることはありません。皆さまのことなど,彼らは「どうでもいい」と考えているのです。

 

 原子力と放射能・被曝の世界では,信じることは殺される,なのです。

 

*(参考)「いちろうちゃんのブログ」から

放射線被ばくの単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-55ba.html

早々

 

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