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2025年3月 4日 (火)

最重要な裁判「いのちのとりで裁判」=生活保護制度を機能不全に陥れ、経済弱者から「健康で文化的な最低限度の生活」を奪う自公政治と厚生労働省、そしてそれを追認する司法・裁判所の人権侵害トライアングル=制度の抜本改正と運営転換が必要だ

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.子ねこと7羽のヒナあひるたちの冒険 
 https://www.youtube.com/watch?v=n2JwA4Ngbf4

<速報>トランプ氏、ウクライナへの軍事支援一時停止を命令 米報道 - 毎日新聞
 https://x.gd/04DC1


2.武藤類子さんがドイツ団体の「環境賞」を受賞:3-9に記念イベントを開催 FoE Japan
https://foejapan.org/issue/20250214/22907/?utm_source=email&utm_campaign=mailmagazine_0567


3.(図書紹介)これでわかった!〈超訳〉特定秘密保護法-明日の自由を守る若手弁護士の会/著(岩波書店)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033103045&Action_id=121&Sza_id=C0

(関連)(別添PDFファイル)(はじめに)「だまし絵」にだまされない私になる(谷口真由美『これでわかった!〈超訳〉特定秘密保護法』岩波書店)
 https://drive.google.com/file/d/1t9fFhjWPw1-tWGVQkpfsm5uxXUdNEa9b/view?usp=sharing

(この本が出たのが2014年、福島原発事故から間もない頃で、特定秘密保護法案に反対する市民運動・社会運動は大きく盛り上がり、日比谷野音に1万数千人が集まって大集会・巨大デモ行進が行われていたことを思い出します。あれから11年、今ではこの特定秘密保護法の上に更に「経済秘密保護法(SC法)」まで制定されてしまい、「政府はヒミツ・国民は丸ハダカ」という「サカサマ帝国」が日本にできあがっています。公務員の守秘義務法が既にあるのに、何故にかような法律が必要なのでしょうか? 戦争体制国家・国民監視国家・国民忠誠度評価国家・隣組密告社会という「新しい戦前」のうっとうしい社会づくりが、アベ政権以降、着々と進んでいます。ここにきて、出発点となっていた特定秘密保護法が、どこに大きな欠陥があるのか、こうした本で確かめておく必要がありそうです。別添PDFファイルは谷口真由美「おばちゃん」のなかなかいい巻頭言です。:田中一郎)


3.今夏参院選決戦へ=山本太郎「れいわ新選組」驀進中

 日本破壊勢力本部の自公政権、おこぼれ預かりクソ「ゆ党」=「ゆ着党」の維新・国民民主党、腰抜け無能の野田佳彦立憲民主党、国会に寄生するこんなガラクタ連中を叩き出し、政治を私たちの手に取り戻す=もう辛くて苦しい生活は終わりにするぞ!

(1)【狂ってますよ、政治が仕事をしていない】れいわ新選組 山本太郎代表 2024.10.20 YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=XSJSBTe6yI8

(2)【30年も不況を続けるような国づくりした奴らなんてクビです】れいわ新選組代表 山本太郎-YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=yeLzVuBj83Y

(3)【最新国会】国会内が大騒然…国民の声を無視して全然救おうとしない自民公明維新の会にブチギレ!【れいわ 山本太郎 財務省 消費税 国会 】 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=_nnR3Ldl5L0

(4)【最新国会】財務省を手玉に取る質疑がヤバすぎた!1歩ずつ追い詰めて完全に論破するのが気持ち良すぎる!【れいわ 山本太郎 国会 くしぶち万里】 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=iZLBxeUCoL8

(5)【大石あきこブチギレ!】ついに、れいわ新選組が30代支持率で自民を逆転!大石あきこが罪務相と自民党を解体へ追い込む!国民は生活限界!金返せ!ノーカット!【国会中継】 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=z9g_cGBGHL4

(6)【国会衆院予算委員会分科会 やはた愛】れいわ新撰組新人議員が容赦なしに大臣を詰める!三原大臣思わずイラっ! - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=JdwYLE7qu1w

◆自民「れいわ新選組ショック」30代支持率で逆転、公明と対応協議へ「30代の意見大事」- 産経ニュース
 https://www.sankei.com/article/20250225-RZFOCJ6S6ZENVI3GI5OWXLQTXY/


4.(別添PDFファイル)自公、参院選協力で合意、相互推薦、「不記載」議員には条件(日経 2025.3.1)
 https://news.nifty.com/article/domestic/society/12145-3873812/

(関連)波乗れぬ野党第1党 予算修正、見せ場なく―1人区調整も停滞・立民:時事ドットコム
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2025022400393&g=pol

(「政治とカネ」の問題は自公協力で「幕引き」=来たる参議院選挙では、一致協力して「政治とカネ」問題は争点にしないで、政治家個々人の倫理・節操問題に矮小化して、有権者・国民がいつものように忘れてくれること・飽きてくれることに期待いたしましょう、ということらしい。そしてこれまでの国政選挙では、少なくない有権者・国民が自民党や自民党議員どもと一緒になってこのようなことを繰り返して来て今日に至っている。だから現在のような政治となり、今の国会のような状況が生まれている。また、上記の通り、野党第1党の野田佳彦「脱憲反民主党」も情けないほどの腰抜け・無能状態だ。この「フン詰まり」状態をぶち壊して新天地を切り開いてくれる政党は、上記でご紹介した通り、山本太郎「れいわ新選組」である。みなさま、彼らに力を貸してやってください。:田中一郎)


5.(必見VTR)立花・岸口・謎のA - 悲惨万博【横田一 × 西谷文和 とざいトーザイ】 20250302 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=3Q9RfEwf4bA

(1カ月前)絶体絶命!維新・永野・斎藤・立花【横田一 × 西谷文和 とざいトーザイ】 20250204 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=vsUN9wTHsp0

(維新万博=底抜けにアホラシイ、兵庫県政は今やメチャメチャ、大阪と兵庫、もういい加減にあらゆる選挙で維新に投票するのはやめましょう。:田中一郎)

(注目:横田一氏発言「兵庫県庁の「公益通報者保護制度」踏みにじり問題については、最初のうちは批判していた泉房穂氏が、斎藤元彦氏が県知事に再選したとたんに手のひらを返したようになってしまったことに比べると、橋下徹氏の方はこの制度運営問題について、斎藤元彦知事をずっと一貫して批判していて「筋が通っている」=私もそう思う。橋下徹を褒めたたえようなどとは思わないが、泉房穂などは以前から私は評価していない。明石市長時代にはロクデモナイ発言問題を起こしていたこともある。こういう人間に対して最近の左翼・左派・リベラル(の一部)はどうして態度が甘いのか?:田中一郎)

(関連)「万博、非常にコスパ悪い」 開幕直前に落合陽一氏が指摘:朝日新聞
 https://x.gd/QgHB0

(上記VTRに落合陽一という人物の話が出てきますのでご参考までに)

(関連)片山安孝 - Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E5%B1%B1%E5%AE%89%E5%AD%9D

(現在、「疑惑」の中心にいる人物だと、上記VTRでは語られている。確かに言動が変である)


6.200億円で可能な高額療養費「見直し凍結」は拒否、高校無償化は5000億円かかるのに…非情政権は「女性を敵に回した」と専門家|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/368279?utm_source=newsletter&utm_medium=email

(関連)石破政権どこまで冷血 高額療養費引き上げ「予定通り」強行…患者団体や野党が求める「凍結」突っぱねる|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/368395

(維新と前原誠司が提案した高校無償化法案は、その内容が実質的に「私立高校へ通う裕福な家庭への破格の支援法案」で、何で今、こんな法案が必要なのかという内容だ(教育の機会均等を実現していくには、他にしなければいけないことは山ほどある)。また、詰めが甘いので、それ以外にも問題がいろいろ指摘されている。この法案については別メールでもう少し説明します。維新や前原誠司などロクなことはしない、のは既に自明なこと。こんな連中に投票している有権者は「ドアホ」である。また、石破茂自公政権は、予算案を可決成立させるため、7~8兆円の財源が必要な国民民主党のインチキ「103万円の壁」撤廃法案よりは、数千億円で済む維新「高校無償化」法案を、内容如何にかかわらず「丸呑み」したということであり、どうしようもない政治運営が行われている。こんな国会、全く要らんわ、の世界である。先般の有権者・国民の投票行動が中途半端だからこういう結果となる。いったいどの党派が、どの国会議員が、日本の政治をまともにしてくれるのか、よく考えて投票せよ、ということである。:田中一郎)

(関連)(報告)(2.20)「新ちょぼゼミ」:国民民主党「103万円の壁」インチキ問題=「低賃金労働力動員」の障害である「壁」撤去ではなく、「課税最低限の引上げ」=「所得の再分配」政策として、税額控除方式を使え!- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-39319b.html

(関連)(社説)維新県議の処分 問題の根本を直視せよ:朝日新聞
 https://x.gd/aPGPh

(こんな連中が集まっている政党=維新(日本維新&大阪維新)が、まともな政党であるわけがないし、他にも目を覆いたくなるような不祥事・不始末を全国各地で乱発しているではないか! 「昔は水の都、今はアホの都」大阪の「府市合わせ愚民」たちよ、お前ら頭がおかしいのと違うか? 先般の大阪府の全ての小選挙区では、「日本維新の会」候補が全員当選するという「究極のドアホ」状態となっていた。私の生まれ育った故郷である大阪を破壊するな! もう少し、自分の投票する政党・政治家をよく見て考えて動け! 時代錯誤でいい加減な大阪万博に続いて、時代遅れの博打場=カジノもこれからやってくる=これみな、お前ら「愚民」が選んだ維新(日本維新&大阪維新)がもたらしたものだ。だいたい「都構想」条例に「大阪市がなくなる」ことを知らないで賛成票を投じた「ドアホ」が過半数だったなどと伝えられていて、もう救いようがないのか、という状間。いい加減にしろ!!:田中一郎)


7.日刊IWJガイド・非会員版「トランプ大統領との公開会談でゼレンスキー氏がプーチン大統領への敵意をむき出しにし、激しい口論に! 停戦交渉も白紙に!」2025.3.3号~No.4469 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54465

■<IWJ取材報告>121億ドル(約1兆7000億円)にのぼる日本政府のウクライナ支援金!「国の予算は国民生活のためにこそ使われるべき」とのIWJ記者の質問に「ウクライナ支援などの外交政策については、記者会見などの機会をとらえ、その意義を伝える努力を尽くしていく」と岩屋大臣!! 財務省解体デモの次に国民の不満は外務省のバラまき外交に向かうのでは!?~2.28 岩屋毅 外務大臣 定例会見
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「最重要な裁判「いのちのとりで裁判」=生活保護制度を機能不全に陥れ、経済弱者から「健康で文化的な最低限度の生活」を奪う自公政治と厚生労働省、そしてそれを追認する司法・裁判所の人権侵害トライアングル=制度の抜本改正と運営転換が必要だ」をお送りいたします。

 <別添PDFファイル>
(1)生活保護の実態訴え続け、「いのちのとりで裁判」の異議(稲葉剛 毎日 2025.2.25夕刊)
(2)続 砂上の安全網(セ-フティ-ネット)(上中下)(東京 2024.5.7-9夕刊)

◆【生活保護 変えましょう】れいわ新選組 山本太郎代表 2024.10.20 YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=XSJSBTe6yI8


1.(必読)(別添PDFファイル)生活保護の実態訴え続け、「いのちのとりで裁判」の意義(稲葉剛 毎日 2025.2.25夕刊)
 https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20250221/pol/00m/010/009000c

 <田中一郎コメント>

 この「いのちのとりで裁判」が全国で一斉に提訴されたそもそもの始まりは、根拠のない経済弱者・貧困家庭への理不尽・不当なバッシング(および「政府や自治体から我々には何の恩恵もないのに、何であいつらにだけ特別な支給がなされるのか」という有権者・国民の中に根強く残る予断と偏見と劣情(ねたみ・そしり)を利用して、選挙での得票と財政支出節減の「一石二鳥」をねらった、愚劣自公政権「第二次アベ政権」成立(2013年)前の自民党の選挙公約「生活保護費の1割カット」(お題目は親族扶養の強化などの保守反動プロパガンダ)という選挙公約だった。そして、その安倍晋三愚劣政権の成立後に、今度は、ずる賢く政権党の自民党に忖度・服従する厚生労働省の官僚どもが、代表的な物価指数であるラスパイレス指数とパーシェ指数を恣意的に組み合わせたり、指数計測の基本項目である消費バスケット(どの商品・サービスを指数の対象にするか)に生活保護家庭の実際の消費支出とはかけ離れたものを使ったりして、生活保護費額算出の基礎となる「物価指数」を意図的に歪めて「大きく物価下落しているので、生活保護費もそれに合わせて引き下げる」ことの理由に使ったことである。こんなことをされたら、生活保護を頼りに暮らす人々はたまったものではない。2014年頃から全国各地で、生活保護費引き下げ撤回を求めるこの「いのちのとりで裁判」が提訴され、もうかれこれ10年近くになる。ようやく昨今になって裁判所で原告勝訴の判決が出るようになってきたことを伝え、今後のことを考えれば、この裁判での原告勝訴の意義が大きいことを伝えているのがこの記事である。

以下、私が記憶に残すべきと考えたいくつかのことを下記に個条書きにする。

(1)日本の司法・裁判所が、その判決に於いて、日本国憲法第25条「生存権保障」を「単なる法的目標の表明にすぎない」「国の政策責務の抽象的規定」(最高裁の認識では「必ずしも果たさなくてもいい「国の責務」らしい)、「健康で文化的な最低限度の生活の水準や内容は幅広い行政の裁量権の範囲内」などとして矮小化し、「直接に国民に具体的権利を賦与したものではない」などと、憲法規定「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を形骸化・骨抜きにしてきたことが、戦後一貫して生活保護家庭を苦しめてきた元凶の1つである。そしてその最高裁判例は、今もなお、明確に全面的に否定されてはいない状態にある。日本という国は、すぐれた社会保障の憲法や法律があっても、それを守らせる仕組みが伴っていない、後進国というよりは没落途上国さながらの「法治国家」ならぬ「放置国家」状態なのだ(下記、朝日訴訟サイト参照)。

(関連)時代を読む56-社会保障裁判の先駆としての朝日訴訟
 https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n395/n395001.html

(関連)朝日訴訟と堀木訴訟の意義について - 山口・防府市で弁護士をお探しなら[弁護士法人いたむら法律事務所]
 https://www.itamura-law.com/page-361/page-687/

(もちろん、かような不当判決を判例化させ、憲法上の基本的人権の一つである生存権を「事実上の生活保護家庭への経済的弾圧法」に転換させてしまっている日本の反国民的司法・裁判所は叩き潰さなければいけない(潰した後、下記の私のブログにあるようなやり方で「一から立て直す」のだ)。「潰す」だけなく「叩く」ことが大事であり、そのココロは、法治国家の要である司法・裁判所の使命は重要であり、法令を無視・軽視してこの使命を棚上げにし、政権盲従・霞が関追従・対米隷属の判決や人権侵害の法廷運営を続けることは断固として許されない、という主旨である。もちろん新たに法律を制定し、不当判決を書いた恥晒しの裁判官どもに対しては弾劾裁判に付した上で、法曹界永久追放を最高刑とする処罰を実施すべきであることは申し上げるまでもない。それが日本の司法・裁判所での人権踏みにじり判決やデタラメ法廷運営の再発などを防ぎ、同組織の不可逆的な抜本的転換(好転)を確実なものとするのである。

◆(報告)(9.25)再開第1回:オルタナティブな日本をめざして 「日本の裁判所はこうしたら変えられる」(2024年9月25日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/09/post-e190d1.html


2.「いのちのとりで裁判」の裁判所での判決の結果

 全国29の都道府県で原告総数1000人超が提訴したこの裁判の原告弁護団・弁護士や、この毎日新聞の記事を書いた稲葉剛氏他の「反貧困・救済市民運動・社会運動」を展開する支援者の方々の10年以上にも及ぶ努力で、ようやく「生活保護利用者本人たちの生活実態をよく見てください、おかしいと思いませんか」の訴えが裁判所・裁判官に届き始めている。

◆地裁判決 原告18勝11敗 勝ち越し

◆高裁判決 原告 2勝 3敗   負け越し

しかし、である。まもなく高裁でも判決が多く出始めるので、上記の状況は変わってくることが期待されているが、しかし、それでもなお、私はこの高裁判決の結果に対して強い憤りを覚える。何故なら、今回のこの「いのちのとりで裁判」において、国・厚生労働省の憲法第25条違反は明らかであり、また、厚生労働省の行政の在り方についても不当極まりないからである。また、そんなことが弁護士試験をパスした優秀な高裁判事達に分からぬはずはなく、分かった上で最高裁の判例に従って判決することで最高裁事務総局の覚えを目出度くすること、その結果、人事面や処遇面での有利な取り計らいに期待すること、更には、政権や霞が関官僚組織に逆らうようなことはしないことが一番のモットーという態度を貫くこと、などの「裁判官の風上にも置けぬ、これまた憲法違反の判決」態度を示し、司法権力を私物化し濫用しているからである。地裁での原告勝ち越しと、高裁での負け越し、のコントラストはショッキングである。こんなものを許しておくわけにはいかない。だまっちゃおれん(福島原発事故裁判名古屋原告団)、のだ。

(関連)日本国憲法第七十六条
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm

つまり、地裁段階では、まともな判決が出やすいが、高裁に行くほど判決は歪みやすく、最高裁代理店のような裁判官が有権者・国民から提訴される国の政治や行政に対する異議申し立てを極力はねのける「使命感」を持って立ちはだかっている。このデタラメな日本の司法・裁判所のあり方を、中学校の教科書では「三権分立」だの「三審制」だのと書いて生徒たちに教え、虚偽の社会科教育をして有権者・国民をだまくらかしてきた、戦後85年だった。だから「叩き潰す」のだ。怒りを持って。


3.過去の判例を覆す最高裁判決が強く望まれる

 日本国憲法第25条に定める生存権の行政による保障措置として「生活保護」をしっかりと位置づけ、最高裁が「減額を取り消す」という判決を下せば、その判決はこの国のセイフティネット政策に対していい方向に大きな影響を及ぼすだろう。裁判で闘った原告らは、過去にさかのぼって減額分を政府から交付を受けるのみならず、原告になっていない生活保護受給者に対しても等しく、生活保護支給削減分の還付が行われる=行われなければならない状態が生まれてくる。最高裁判事には、いよいよきちんとした生活保護制度とその運営を行政に遂行させていく、そうした「まとも判決」で長い間苦しめられてきた生活保護受給者を救済してほしい。


4.「貧困」概念の変遷

 時代の変化・人間社会の変遷と人権意識の高まりなどにより、「貧困」の概念の内容が変遷してきたとの指摘がなされている。具体的には、「肉体的な生存が維持できない絶対的貧困=衣食住が足りているかどうか」「社会的に当たり前とされる生活が維持できるか=相対的貧困」「自己決定に基づく社会参加を重視する社会的排除(social omit)論」である。しかし、日本の現在の裁判官の中には、この「貧困概念の変遷と現在のあり方」について全く理解せず(しようともせず)、前近代的な「絶対的貧困」だけで原告・被害者を切り捨てている事例が後を絶たないという(名古屋地裁・角谷晶毅裁判長 2020.6)。詳しくは下記書籍を参照。

(関連)貧困とは何か 「健康で文化的な最低限度の生活」という難問-志賀信夫/著(ちくま新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034701513&Action_id=121&Sza_id=C0

(著者の志賀信夫氏は大分大学准教授、他にも現代の貧困に関する著書があります)


5.自治体窓口での「瀬戸際政策」の根本原因

 もう一つ申し上げておかなければならない大事なことは、この生活保護行政を「法定受託事務」として預かる全国の基礎自治体での「行政費用」=生活保護費の負担が、費用全体の1/4程度になっていて、生活保護需給希望者が増えるにつれて自治体の大きな財政負担となっていることである。

また、費用実額は下記の厚生労働省の文書の中に出てくるが、私がよくわからないのは、生活保護費にはどこまでのものが含まれているか、という点である。特にケースワーカーの人件費やトラブル対応費用などはどうなっているのだろうか、という点だ。もし、こうしたものの費用のいっさいの1/4程度が自治体の負担として押付けられているのであれば、既に新聞沙汰になった桐生市や小田原市や北九州市などの生活保護窓口での「瀬戸際政策」=「生活保護受給希望者・申し込み者」追い払い政策が出てくるのも、理由があることになる。

窓口に来た希望者に、「あちらの自治体の方が親切ですよ」などと、他へ行け、と誘導する窓口もあると聞くし、ケースワーカーが担当する受給者の人数が100人近くてとても手が回らないとか、ケースワーカー自身が受給者のより良き相談相手になるのではなく、受給者のちょっとしたミスや違法を見つけては生活保護を減額したり打ち切ろうとしたりする「逆行政サービス」という犯罪行為を働く者もいるという。

こうした生活保護をめぐる自治体現場での行政側の違法行為を含む不幸や悲劇の最大の原因は、国・厚生労働省が自治体に対して生活保護行政の費用負担をきちんとせず、まるで「金持ち権力者はケンカせず・下々でうまくやれ」式の無責任な制度運営をしているところに最大の原因があるように思われる。それにより国・厚生労働省は、生活保護行政の予算削減を最優先にし、日本国憲法第25条は江戸時代から続く「お上の施し」の意識を有権者・国民に植え付け(基本的人権としての生活保護制度の位置づけもしなければ、教育や啓もう活動もしない、自治体職員への人権や制度の研修もいい加減)、制度を形骸化して、そもそも生活保護受給を「悪いこと」のような文化を創り出して、愚かな実態を知らない一部の有権者・国民の貧困家庭・生活保護受給者へのバッシングを自民党の政治家どもと一緒に促進するようなことをしているわけである。この国の後進性=没落途上国性はいつになったら矯正されるのか。私はこうした問題の解決の最重要ポイントとして、生活保護行政における(事務員やケースワーカーの人件費も含めて)あらゆる費用の自治体負担をゼロにする=国が全面的に負担する、ことが重要だと考えている(行政制度は性悪説に立って設計しなければいけないので、そのための「仕組みづくり」は必要だが)。

◆貧困と生活保護(43)生活保護費は自治体財政を圧迫しているか? ヨミドクター(読売新聞)
 https://x.gd/5fgz3

(関連)生活保護制度の現状について(厚生労働省 2022年)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/000977977.pdf

(関連)生活保護制度の現状等について(厚生労働省 2008年)
 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1104-3b.pdf


6.「生活保護」改め「生活保障制度」として制度の抜本改正と自治体現場体制の拡充を行え

 これまでも私は、標記に関してメール&ブログで何度も訴え、また、日本弁護士連合会の「生活保障制度」構想チームのご紹介もしてきました。さしあたり下記をご参照ください。

◆(パンフ)権利性が明確な「生活保障法」の制定を!(日本弁護士連合会)
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/publication/pamphlet/190520_seikatsu_hosyo.pdf

(ここには、上記で申し上げた「自治体の生活保護費負担(1/4)」問題について検討された形跡がなく、片手落ちのようになっています。弁護士団体がこれでは困ります。:田中一郎)

◆【生活保護 変えましょう】れいわ新選組 山本太郎代表 2024.10.20 YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=XSJSBTe6yI8

◆今ごろベーシックインカム(BI)の特集を組む岩波月刊誌『世界』編集部の知的錯誤と時流迎合:特集すべきはBIではなく、新型コロナ大失業時代における「(権利としての)生活保障」や「雇用・労働政策」のあるべき論だ- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-12905f.html

(必要財源が大きすぎて、できもしない、単純で「市場原理主義アホダラ教」政策の極致、とも言える「ベーシックインカム」(BIをする場合は、ケイサツや軍隊以外のあらゆる政府機関は閉鎖廃止し、役人の人件費もBI原資に回す、行政サービスとして提供されていたものは、各人のポケットマネーで個別にサービスを買えばいい(消防、教育、医療、介護、住民行政など)という究極の「小さな政府」政策)だとか、生活保護制度を廃止し、そのメニューを個別個別に受給者の必要に応じて提供すればいいという「生活保護制度解体=細切れ提供論」(岩田正美日本女子大学名誉教授)だとか、消費税を増税して「ベーシックサービス」を拡充しろ(井出英策慶應義塾大学教授)だとか、ただ巨額の現金をバラマキ続ければいい(松尾匡立命館大学教授他の左派リフレ派や「薔薇マークキャンペーン」など)とか、世論を惑わす謬論を振り回す人間たちが、生活保護制度の抜本的改正を遅らせている。①「生活保護」改め「生活保障制度」として制度の抜本改正をおこなうことは、②労働法制や失業保険制度の「働く者」の立場に立った抜本改正とその拡充や、③地方経済社会の再生とロスジェネ世代を中心にした労働力再生(処遇の改善やキャリア形成の正常化)、と並んで、今日の日本の経済改革政策の3つの柱のうちの1つである。

(関連)ロスジェネ世代の救済(正規職員として安定雇用)は日本経済の救済・再建と同義である=ニュー・ニューディール政策(NND)による「地方振興公社」(新設)を軸に経済政策の抜本転換をはかれ- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-5333dd.html

(関連)(拡散希望)(報告)オルタナティブな日本をめざして(第100回 最終回):「現代日本の政治改革」(「新ちょぼゼミ」 BY 田中一郎:2024年3月26日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/03/post-baa90c.html

 

.関連サイト等

(1)(別添PDFファイル)続 砂上の安全網(セ-フティ-ネット)(上中下)(東京 2024.5.7-9夕刊)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/324062

(2)これが生活保護の水際作戦…電気も水道も止められているのに「家族で支え合って」と突っぱねた市職員:東京新聞デジタル
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/309625

(3)小松田健一記者「勇気を奮って証言してくれた当事者に感謝」生活保護制度めぐる報道で貧困ジャーナリズム賞:東京新聞
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/386090

(4)「3度の食事」にさえ困っているのに「生活保護」の申請が“却下”…なぜ? 制度にひそむ“落とし穴”とは【行政書士解説】(弁護士JPニュース) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/5367daf71bb6ee369e5feb57856ed4d268090d48

(5)「生活保護の身でえらそうに…」桐生市職員の言動に追い詰められ、出した結論は「ここに将来はない」:東京新聞デジタル
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/324062

(6)「増額」か「減額」か…生活保護費の見直し 大詰め議論は対立のまま:朝日新聞デジタル
 https://x.gd/TEd4D

(7)どうなる氷河期世代の「低年金」対策 年金改革法案の先送り浮上 - 毎日新聞
 https://x.gd/nCNTr

(8)運転記録の未提出めぐり生活保護支給停止、名古屋高裁も「違法」判決(朝日新聞デジタル)
 https://digital.asahi.com/articles/ASSBZ042RSBZOIPE006M.html

(9)桐生市の第三者委員会が「情報提供」を求める理由-稲葉剛-毎日新聞「政治プレミア」
 https://x.gd/0QeKs

(10)生活保護から「生活保障」へ「権利」としての法制化を日弁連が提起-週刊金曜日
 http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2019/06/04/antena-487/

(11)生活保護費、月500円程度引き上げへ調整 物価高で増額求める声も:朝日新聞デジタル
 https://x.gd/cFxDS

(12)生活保護利用者、10年で半減 「厳しい指導」「仕送り強要」の疑い [群馬県]:朝日新聞デジタル
 https://x.gd/GMBe4y

(13)生活保護利用者の「生活苦」と生活保護基準 - - 稲葉剛 - 毎日新聞「政治プレミア」
 https://x.gd/NI64Z

(14)東京23区「生活保護」調査…保護率トップは「足立区」だが、「増加率」トップは都心3区の一角。東京のド真ん中で「生活保護受給者」が激増しているワケ(THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/2ea966f062b6edc014ad7518261cdf55faa23234

◆健康で文化的な最低限度の生活 13-柏木ハルコ/著(小学館)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000007536691&Action_id=121&Sza_id=B0
草々

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