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2025年2月16日 (日)

「能動的サイバー防御」法案(その2):2.13海渡雄一弁護士講演(3度目)=公開された法案を国際法や独憲法裁判所判決などと比較検証、多くの点で詰め甘く危険な法案・通信の秘密も侵害(憲法違反)➾ 撤回・廃案へ

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.【山本太郎】れいわに噛み付く奴こんなヤツばっかり - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=ysHHsxNA_hU

(このVTRの表題はあまり感心しません。「有権者とのホンモノの対話とはコレ! みごとです」くらいかな。:田中一郎)


2.イベント情報

(1)(チラシ)(2.19)トランプ政権とわたしたち=日本の進むべき道(孫崎享さん:参B109)
 https://drive.google.com/file/d/1Y64-cJqmrioxWeLys5o_UOp6wmhG6fmK/view?usp=sharing

(2)(チラシ)(2.20)福島原発事故 避難住宅追い出し訴訟 控訴審公判(東京高裁#101)
 https://drive.google.com/file/d/10z7VbTCwd96vX0tE9h4OeLvpfT9X9NGM/view?usp=sharing

(3)(予約必要)(2.20)再開新ちょぼゼミ第5回:オルタナティブな日本を目指して 「シリーズ戦後改革(第3回):GHQの経済民主化政策」(山田朗明治大学教授:たんぽぽ舎)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-35f84c.html

(4)(2.21)第14回シンポ 税金で育つ『死の商人』武器で平和は創れない(共同テーブル:文京区民センター)
 https://www.kyodotable.com/

(5)(2.22)伊方原発運転差止広島裁判-最終準備書面勉強会(広島市:ZOOM併用)
 https://saiban.hiroshima-net.org/report/2025/20250222.html

(6)(チラシ)(2.24)ウクライナ戦争は直ちに停戦! ガザの虐殺を止めよう!(大宅・羽場・神谷:連合会館)
 https://drive.google.com/file/d/1J6ZyvD_h_UvN6SPUoU2PKMrUWYlpyqx6/view?usp=sharing

(7)(チラシ)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合(ベクレルフリー北海道 衆2-3)
 https://drive.google.com/file/d/1Dh0xU9reTLSHrSbrXsetrl-6sUxZbeJr/view?usp=sharing

(8)(チラシ)(2.26)函館市大間原発建設差し止め裁判第33回公判(東京地裁#103)
 https://drive.google.com/file/d/1gAGin-MpNoLhi3n0wygI_QcUj5etkHr6/view?usp=sharing

(9)(チラシ)(2.27)福島原発かながわ訴訟 第2陣第13回公判(結審)(横浜地裁 14:00)
 https://drive.google.com/file/d/1QAV4O4U3lLypCtGx2zCpdHNWXLyuwWKv/view?usp=sharing

(注)(7)(チラシ)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合(ベクレルフリー北海道 衆2-3)は、会場が変更になっていますので、ご注意下さい。また、(8)(チラシ)(2.26)函館市大間原発建設差し止め裁判第33回公判(東京地裁#103)は、報告会の会場が変更になっていますので、こちらもご注意ください。


3.「やめましょう、歩きスマホ」キャンペーンを11月1日(金)から実施します。 - 東日本旅客鉄道株式会社のプレスリリース
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000977.000017557.html

(上記は、近くのJR駅に貼ってあったポスターですが、なかなかよくできているなと思いましたからご紹介しておきます。人間は、頭がサビてくると、スマホに向かってだんだんと前かがみに傾いていくらしいです。まあ言ってみれば、「人間斜陽現象」とでもいいましょうか。そもそも「歩きスマホ」だけでなく、スマホ(常時使用)自体をやめなはれ! それと情報源は複数持っていないとダメです。:田中一郎)


4.法廷内での服装制限は違法か〜大学教授ら国賠訴訟 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 https://www.ourplanet-tv.org/50273/

(提訴、全く「異議な~し」、今後のこの裁判の行方が要注目です。全国の裁判所で同じような人権侵害が行われています。今や「裁判官」という反社会的勢力が拠点としている裁判所のデタラメが目に余る状態です。私達の税金で食わせてもらっている連中が何を勘違いしているのでしょうか?! 日本の司法・裁判所は、一旦、叩き潰しましょう。:田中一郎)

(関連)(報告)(9.25)再開第1回:オルタナティブな日本をめざして 「日本の裁判所はこうしたら変えられる」(2024年9月25日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/09/post-e190d1.html


5.市民運動・社会運動の主催者は、くだらない「(自主)規制」をやめて!

 だいぶ前から若い世代が主催するイベントに時々見られますが、意味のない、マイナス効果しかない、「(自主)規制」のようなものにこだわって、参加者を統制したりしている事例が気になります。まるで「校則」に縛られる「よい子ブリッコ」のように見えます。多くの団体が同じようにこんなことをしていると、運動自体が広がりません。最近の事例を若干列記しておきます。こんな愚かなことはやめましょう。この国は他人のやることに指図したがる人間が本当に多く感じます。いわゆる「横への強い同調圧力」の一種なのでしょうか。日本人の欠陥国民性(注)ですね(一方、年配者が主催するイベントに多いのは、オレサマ活動家=いわゆる「スターリンのミニブタ」たちによる言論妨害・活動排除・一般参加市民への統制です。勉強不足と偏狭な感性の象徴のようなもので、いい加減にしとけよな!! ということです)。

(事例1)衆参両議院会館の会議室は「会議」の場であって「講演会場」ではないから講演はやめよう

(事例2)同上会館でのイベントでは、市民運動・社会運動が出しているいろいろな冊子の販売は許可がいるからできない

(事例3)一般参加市民であった私が、会場でイベントを耳で聞きながら、急がなくてはいけない手作業(チラシの開催日の年度の間違いを訂正)を静かにしていたら、作業するなら外でやれ、などというスタッフが現れた=一種の活動妨害につき、即帰宅いたしました。今後この団体のイベントには参加することはないと思います(参加市民の言論や活動を、進行に差しさわりがあるわけでもないのに妨害したり排除したり統制したりしているようなイベントには、私は参加しないことにしていて、みなさまにも、そういうことが「当たり前」にならないよう、同じようにそのような団体が主催するイベントには参加なさらないでほしいと思っています。私は左翼・左派・リベラル系のイベント以外は基本的に参加しませんが、それでもこういう「妨害団体」は結構多いのです。)。

 <日本人の欠陥国民性>
(1)上に向かっての頂点盲従
(2)横に向かっての強い同調圧力
(3)下に向かっての無限の無責任(責任回避・責任転嫁)


6.20250214 UPLAN 放射能の拡散につながる「除去土壌の再生利用」問題に関する緊急市民 “公聴会” - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=OHMxtKB0fN8

(関連)放射能の拡散につながる「除去土壌の再生利用」問題に関する緊急市民“公聴会” 開催のお知らせ - 原子力市民委員会
 https://www.ccnejapan.com/?p=15995

(関連)環境省への質問事項
 https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/02/20250214_shitsumon.pdf

(規制官庁だった環境省が、まるで経済産業省の下請けのようになって事業官庁も兼ねる、ということが、国際原子力機関(IAEA)の指針に反している、などという話題がでています。それにしても、環境を守る立場にある環境省(環境保護省)が、環境を破壊する役所(環境破壊省)に化けてしまっていては、お話になりません。なお、上記VTRでは、1時間11分あたりのところで私からも発言をしていますので、ご参考にしていただければ幸いです。:田中一郎)

(関連)(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html

(たんぽぽ舎さんの軒先をお借りして毎月開催しています「新ちょぼゼミ」では、新年度から(2025/4から)「脱被ばく」をテーマにした勉強会をシリーズで開催したいと考えています。上記の「シーベルト」論はその第1回目にして、その後、みなさまとさまざまな情報交換や質疑応答を兼ねながら進めていきたいと考えています。ご参加をお待ちしています。:田中一郎)


7.映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』公式|2025年2月21日(金)公開
 https://www.transformer.co.jp/m/nootherland/

(関連)ノー・アザー・ランド 故郷は他にない - 劇場情報 - THEATERS
 https://theaters.jp/23422

(関連)(別添PDFファイル)「ノー・アザー・ランド」の問い、不条理な現実 看過するな(安田菜津紀 東京 2025.2.10夕刊)
 https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1226651_1501.html
(このURLは代替サイトです)


8.直言2025年2月14日)トランプへの「朝貢」――「日米首脳会談」という茶番
 https://www.asaho.com/jpn/bkno/2025/0214.html

(著者の水島朝穂(早稲田大学教授:憲法)を私はあまり好きではありませんが、好き嫌いは横に置いて、ここでコメントされている水島朝穂の日本のマスゴミ報道に関する批判は的を射ています(みっともない限りの石破茂首相のトランプ米大統領への表敬訪問に関するマスゴミ報道)。それにしても、この中に出てくる元独首相のメルケルですが、ウクライナ戦争をめぐり下記のような発言をしていて、また、かつては原発を復活させようとしたことなどから、私はこの人物をあまり評価しておりません。ただ、対米隷属の日本の歴代首相(大半が自民党)に比べれば少しはマシだくらいは言えるでしょう。それほど日本の首相はお粗末です。:田中一郎)

(関連)ミンスク合意は「ウクライナに時間を与える」ための試みだった=メルケル前ドイツ首相 -2022.12.7, Sputnik 日本
 https://sputniknews.jp/20221207/14138285.html

(関連)ウクライナ侵攻 メルケル氏「ミンスク合意は時間稼ぎ狙い」 プーチン氏反発「西側への信頼ゼロ」 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20221211/ddm/007/030/076000c
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「「能動的サイバー防御」法案(その2):2.13海渡雄一弁護士講演(3度目)=公開された法案を国際法や独憲法裁判所判決などと比較検証、多くの点で詰め甘く危険な法案・通信の秘密も侵害(憲法違反) 撤回・廃案へ」をお送りいたします。

さる2/13のお昼休み、参議院議員会館102号室で、海渡雄一弁護士による「能動的サイバー防御」法案に関する説明講演・勉強会が開催されました。チートばかり狭い部屋でしたが、たくさんの熱心な市民が駆け付け、活気のある講演会となりました。分かりにくくて、わけが分からない、そして危なそうなこの法案を、私達一般市民にも理解できるよう、かみ砕いてわかりやすく、しかも3度にわたって解説・説明して下さった海渡雄一弁護士には感謝です。また、こうした機会をつくってくださった福島瑞穂(通称寅子)参議院議員にも感謝申し上げます。講演会では、今後もこうした解説講演会・勉強会をさまざまなテーマで行っていきたいとのことでしたので、大いに期待をしています。

(それにしても、海渡雄一弁護士は、原発関連の多くの裁判からはじまって、さまざまな焦眉の社会的政治的諸問題・時事問題・新規法案などに短時間で精通して精力的に取り組むその動きは、誰にもまねのできない「巨大」「ウルトラ超人的」なもので、本当に脱帽いたします。今後もお元気でご活躍いただきたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。)

以下、今回を含む3回の海渡雄一弁護士の講演とその関連資料を中心に、若干のものをご紹介いたします。この法案は間もなく国会に上程されてくるでしょう。良識のあるみなさまと力を合わせて廃案にしたいですが、何と、この法案の最初の言い出しっぺ(国会提出)は、あの自民党補完の「ゆ党」=国民民主党だというのですから驚きです。口先だけでなく手も出す「不倫」政治家をこともあろうに党首にする「不倫容認党」=国民民主党が、またぞろロクデモナイ法案の推進の片棒を担いでいるのです。来る参議院選挙で、玉木雄一郎以下の国民民主党に対して、怒りの「全員落選」を突きつけましょう。こんな連中は「いないほうがいい」のです。「103万円のインチキの壁」に騙されていては「お話になりません」(原発大推進に踏み切れと首相官邸に申入れをしたり、企業団体献金廃止には賛成しない、など、この政党はロクなことをいたしません=こんな政党に投票をしてはいけないのです)。

(関連)国民・玉木氏、能動的サイバー防御「年内に法整備を。首相に伝える」 [国民民主党]:朝日新聞
 https://digital.asahi.com/articles/ASSC723DMSC7ULFA003M.html


◆(チラシ)(2.13)能動的サイバー防御法案を考える市民と超党派議員の勉強会(海渡雄一弁護士 参B102)
 https://drive.google.com/file/d/1jCUBrP5liRr3VevO76vivYYxN1y8MPnI/view?usp=sharing

◆「能動的サイバー防御」法案(その1):ポイントは次の3つです(1)すさまじいまでの国民監視国家への出発点(2)対米隷属の下での「ファイブアイズ」への参加(3)仮想敵国へのネット上での敵基地先制攻撃と抑止力の形成- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-577bd0.html

 <別添PDFファイル>
(1)能動的サイバー防御へ法案、閣議決定 ネット情報 国が監視(朝日 2025.2.8)
(2)能動的サイバー防御、27年始動へ官民連携、法案閣議決定(日経 2025.2.8)
(3)サイバー防御法案 閣議決定、「通信の秘密」整合性懸念、政府権限を強化 平時から監視(東京 2025.2.8)
(4)サイバー防御に生成AI、政府 攻撃解析、指令元を検知(日経 2025.2.13)
(5)「能動的サイバー防御」の必要性と必須の条件…不可欠だが、憲法と国際法は遵守すべき(小林節 日刊ゲンダイ 2025.2.14)


1.海渡雄一弁護士「能動的サイバー防御」法案講演
 以下の3回です。今回は法案が公表されたことを受けての、より詳細で具体的な内容で、かつ、これまでわからなかった重要なこともいくつか明らかになっています。3番目の(第3回目)が今回の講演です。

◆(第1回目)「能動的サイバー防御ってなに?~令状なきネット監視とサイバー先制攻撃の恐怖~」オンライン学習会 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=vzmAKDYMInM

(関連)(1.11)「能動的サイバー防御ってなに?~令状なきネット監視とサイバー先制攻撃の恐怖~」オンライン学習会 - 岡本ゆうこ(オカモトユウコ) | 選挙ドットコム
 https://go2senkyo.com/seijika/168209/posts/1036209

◆(第2回目)20250206 UPLAN 海渡雄一「能動的サイバー防御法案のどこが問題なのか」 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=pYyQvBJNT2U
 https://youtube.com/live/iD8ArLT6KdE?feature=share

※講演資料は、共謀罪NO!実行委員会のHPからダウンロードできます。
 https://www.kyobozaino.com/2025%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%B4%BB%E5%8B%95/

◆(第3回目:今回)20250213 UPLAN 能動的サイバー防御法案を考える市民と超党派議員の勉強会 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=1c1gaj7Wp7M

(関連)能動的サイバー防御法案の勉強会資料 - 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
https://mizuhoto.org/4456
https://mizuhoto.org/wp/wp-content/uploads/2025/02/8a37619d471bd18d071a35f22dd01049.pdf
https://drive.google.com/file/d/1Emx03xBOlTlyBZC89sJgw3YkqkovoEAB/view?usp=sharing


 2/13当日、講演後の会場との質疑応答の時に(上記VTRで1時間1分くらいのところからです)、私からも3つのことについて、質問がてら発言しています(①この法律に対する日本国憲法が定める「通信の秘密」の考え方は如何? いわゆる「5eyes」(いわゆるアングロサクソン系5か国による国際監視協力体制のこと)に加わろうとしているのではないか(特に米国から情報が欲しいので、自分たちからも情報を提供する(法案条文に書かれているという=2/8付朝日新聞記事=下記))、「無害化」攻撃は米国が命令をするのではないか(極東地域でのサイバー上での先制敵基地攻撃であり、その最大の狙いは中共中国や北朝鮮やロシアなどを仮想敵国とした準戦時体制を整え、抑止力を効かし、他方で在日米軍基地とその機能を守り抜くのが目的)の3点)。ご参考になれば幸いです。それで、発言時間が限られる中で、緊張のあまり、1つばかり申し上げてお聞きすることを失念しておりました。下記に書き出しておきますので、また別の機会にお聞きいたします。

(関連)(別添PDFファイル)能動的サイバー防御へ法案、閣議決定 ネット情報 国が監視(朝日 2025.2.8)
 https://digital.asahi.com/articles/AST267GL1T26ULFA001M.html

(関連)(別添PDFファイル)サイバー防御に生成AI、政府 攻撃解析、指令元を検知(日経 2025.2.13)
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO86684710S5A210C2EP0000/

(講演当日、会場から「今日の日経に記事が出ている」との発言がありますが、その記事がこれです。:田中一郎)


前回のメール&ブログでご紹介した下記図書によれば、スノーデン氏は当時の米国NSAのすさまじいまでの監視体制・情報収集活動に対して、いわゆるGAFAMを含む巨大IT企業(ビッグテック)たちは「全面協力」をしていたと告発しています(とりわけ熱心だったのはマイクロソフト(MS)で、他の企業も似たようなもの、協力しなかったのは旧ツウィッターくらいだという)。当然ながら、こうした巨大IT企業群は日本でも活動してネットサービスなどを提供しており、また、今回の「能動的サイバー防御」法案が取り組もうとしていることは、そもそもが宗主国=米国発の隷属国=ニッポンに対する半ば命令によるようなものでもあるが故に、これらのビッグテックたちはおそらく米国で行った時と同じように、(米国管理下の)日本政府の情報収集や監視体制確立に協力するであろうことは十分に考えられます。

◆(必読参考書)暴露 スノーデンが私に託したファイル-グレン・グリーンウォルド/〔著〕 田口俊樹/訳 濱野大道/訳 武藤陽生/訳(新潮社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033092127&Action_id=121&Sza_id=C0

それに加えて、今回の講演で、海渡雄一弁護士と福島瑞穂議員との会話の中で、「ネット業者などが法令で定める情報以外にも任意で政府に提供するものはなんでも入手する、つまり、業者による自由な情報提供は歓迎であり、どんどんやってもらっていい」ということになっている、という話が出ました。驚きです。そういうことだと、GAFAMを含む巨大IT企業(ビッグテック)たちを含むほとんどの業者は、自ら進んで自分たちの持つ情報を、なんでもかんでも政府に提供してしまいそうな感じがするのです。これでは、通信の秘密も、個人情報保護も、あったものではありません。

この業者による任意の政府(直接的には担当する警察及び自衛隊)への情報提供にストップを掛けたり、制限を加えたり、抑制したり、規制したり、管理したり、適正化したり、監視したりする法律は存在するのでしょうか? というのが私の疑問点です(例えば、サイバーセキュリティ基本法や個人情報保護法などではどうでしょうか?)。

(関連)サイバーセキュリティ基本法 - e-Gov 法令検索
 https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000104


2.【保存版資料】サイバー攻撃に本当に必要な対策 ゼロトラストからサイバーレジリエンスへ - 東洋経済Tech×サイバーセキュリティ - 東洋経済オンライン
 https://qr.paps.jp/mnz5m

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)攻撃者の多様化では、これまではハッカーと呼ばれる人たちが夜中に1人で作ったツールで面白半分に攻撃するイメージがあったが、最近は金銭目的が全体の86%ほどで、スパイ活動が13%と目的が大きく変わっている。攻撃者の種類も犯罪組織が55%と最も多く、次が国家関連で大きく様変わりしている(Verizon「2019年度データ漏洩/侵害調査報告書」)。

(中略)サイバー犯罪は、麻薬売買などと並び割りのよい犯罪ともいわれる。設備投資がいらず、捕まりにくくてメリットがあるので、犯罪者がどんどん入ってくる。

(中略)また、国家関連のサイバー攻撃は10%ほどあるといわれている。政府自身、軍事組織、その国に忠誠心を持つハッカーグループが行うものなどがある。目的は情報収集とスパイ活動、政治的な操作、他国の選挙への介入、サイバーテロや経済的な利益を狙うものもある。

いずれも高度な技術と組織力を持ち、長期にわたる計画で大規模な影響がでるのが特徴だ。国により攻撃パターンは異なり、ロシアは敵対国に対する政治的、社会的混乱を目的とし、対象はアメリカや欧州の国々になる。中国は経済的利益の追求と国家の安全保障、北朝鮮は経済的利益が目的で、とくに外貨獲得が中心だといわれている。

(中略)対策としては、境界防御からゼロトラストへといわれている。リモートワークやクラウドの導入に伴い、社内と外部のネットワークの境界を監視・制御することによって防御するのは難しくなっているからだ。

そこで境界を越える攻撃があることを前提に、通信相手のPCやサーバーが信頼できないものとして対処するゼロトラストアプローチが注目されている。NIST(米国国立標準技術研究所)が、ゼロトラストセキュリティの7つの基本原則をあげているが、これは3つの対応にまとめられる。

1つ目は、すべてのリソースへあらゆるアクセスがあると想定し、対策をすること。組織が貸与するPCやサーバーだけでなく、スマホや個人PCなどすべてが対象だ。2つ目が、セキュリティに関する状態を常に監視し特定すること。3つ目は、ネットワーク境界における静的なアクセスコントロールだけでなく、アクセスごとに動的なコントロールをすること。

この考え方自体はよいが、採用すればゼロリスクになるわけではない。またゼロトラストへの移行期は、ファイアウォールなどを残したままとなりコストが上がったりする。また動的認証が増えるので使い勝手が悪くなったりすることもある。

そこで、ゼロトラストセキュリティという考え方をベースにリスクアセスメントを行い、リスクや対策案を洗い出して、コストや使い勝手なども考慮し関係者とリスクコミュニケーションを行いながら最適なシステム構成を決めることが重要になる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <田中一郎コメント>

 私はこの世界のことはほとんど何も知らないが、しかし、もし上記のようなことで、サイバー攻撃の85%強が「カネ儲け」(恐喝の一種?)だというのなら、今回の「能動的サイバー防御」法案はかなり的外れ・ピントボケではないか。今回の法案は、むしろ残りの10%強程度の「国家関連のサイバー攻撃」を意識し過ぎた中身になっているのではないのか(上記でも申し上げたように、この法案は米国の指示命令で創られるもので、その最大の目的は、中共中国や北朝鮮やロシアと事を構えた時に、在日米軍基地とその機能を守り維持すること、にあるのではないかと私は思っている)。

上記の抜粋文書の後半(サイトでは「3」のところ)に対処処方箋のようなことが書かれているが、話が抽象的過ぎて具体的にどうすればいいのかがよくわからない。しかし、どうも「サイバー強盗」みたいなものに対処するというのであれば、今回海渡雄一弁護士に説明してもらったような「能動的サイバー防御」法案では、どうもピントがずれているように思われてならない。たとえば、犯人をとっ捕まえたら、目から火が出るような罰金を払わせるような条項があれば、少しは抑止力になるようにも思うのだが、そんなものは説明にはなかった。

もっと攻撃の実態に対応した、もっぱら文字通りの「防御」を徹底して実施する対応案や法案はできないモノなのか? また、以前にも申し上げたことがあるが、何でもかんでもインターネットにつなぐのではなく(例:IOT=インターネット・オブ・シングズ)、スタンドアローンで使えるものは使い、インターネットではなく専用回線を使ったり、いわゆる「バックドア」を防ぐためのハードの検査制度を設けたり、無線LANへの規制を強化したり、サーバやコンピュータの乗っ取りや、マルウェア拡散なども犯罪として厳罰を持って取り締まったりなど、私のようなドシロウトが考えてみても、もう少し他にやりようがあるような気がする。

立憲民主党他の野党各党も、代替法案が創れるくらい、インターネットについて、時間がかかってもいいから精通しておいた方がいいのではないか。国民民主党のように、愚かなことをやりださないためにも、基本的な知識は必要だ。


3.その他関連サイト

(1)(別添PDFファイル)能動的サイバー防御へ法案、閣議決定 ネット情報 国が監視(朝日 2025.2.8)
 https://digital.asahi.com/articles/AST267GL1T26ULFA001M.html

(2)(別添PDFファイル)能動的サイバー防御、27年始動へ官民連携、法案閣議決定(日経 2025.2.8)
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0373Z0T00C25A2000000/

(3)(別添PDFファイル)サイバー防御法案 閣議決定、「通信の秘密」整合性懸念、政府権限を強化 平時から監視(東京 2025.2.8)
 https://qr.paps.jp/QVKQO

(4)サイバー防御に生成AI、政府 攻撃解析、指令元を検知(日経 2025.2.13)
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO86684710S5A210C2EP0000/

(5)「能動的サイバー防御」の必要性と必須の条件…不可欠だが、憲法と国際法は遵守すべき(小林節 日刊ゲンダイ 2025.2.14)
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/367660

(6)政府がネット上の通信を「監視」…能動的サイバー防衛法案が閣議決定 攻撃を察知したら警察・自衛隊が行動:東京新聞
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/384522

(7)戦争にもなりかねず「火遊びのよう」 石破政権が成立目指す「能動的サイバー防御法案」を識者が警戒:東京新聞
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/382370

(8)能動的サイバー防御法案 「国民のプライバシーを含む情報が政府に集められる」 野党議員と市民が勉強会:東京新聞
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/385622

(9)サイバー攻撃にさらされる日本 政府は「能動的サイバー防御」を打ち出すが…国民の権利を脅かしかねないその中身:東京新聞(「こちら特報部」)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/339300

(10)能動的サイバー防御法案国会審議の焦点は - みみより!解説 - NHK
 https://www.nhk.jp/p/ts/X67KZLM3P6/episode/te/E96YV3N3Y3/
草々

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