« (報告)(2.20)再開第5回:オルタナティブな日本をめざして 「シリーズ「戦後改革」(第3回目)「GHQの経済民主化政策」(山田朗明治大学教授:たんぽぽ舎) | トップページ | 脱原発脱被曝バック・ナンバー(74)(抜粋)(2025年1月~2月) »

2025年2月28日 (金)

(報告)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合 & 若干の原発関連情報

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
================================
1.「新ちょぼゼミ」予定

(1)(予約必要)(3.17)再開新ちょぼゼミ第6回:オルタナティブな日本を目指して 「シリーズ戦後改革(第4回):戦後労働運動と2.1ゼネスト」(山田朗明治大学教授:たんぽぽ舎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-e19e19.html

(2)(予約必要)(チラシ)(4.17)再開第7回:「シリーズ「戦後改革」 (第5回目)「ドッジラインとシャウプ勧告」(山田朗明治大学教授:たんぽぽ舎)
https://drive.google.com/file/d/1KbmjYjeuvVgzDiAlly766DyFLtoAS9ik/view?usp=sharing

(3)(予約必要)(チラシ)(4.21)再開第8回:「原発の耐震性に関する根本問題」(後藤政志さん:たんぽぽ舎)
https://drive.google.com/file/d/1oNz1c4MUJi_S0PyXC-ikroTwfCLwxv3K/view?usp=sharing


2.大事な裁判+イベント

(1)(3.19)ゆうちょ裁判:東京地裁603号法廷(市民団体の口座開設申し込みを理由も基準も示さずに拒否=「SC&スコアリング」時代へ)
 https://disasterright.blogspot.com/2025/02/25212.html

(超監視社会と同時並行で進むのが、①国民「敵味方選別」制度(国家=政府=支配権力への忠誠度「SC=セキュリティ・クリアランス」)、国民の国家・政府・支配権力への忠誠度のランク付け「スコアリング」(低ランク者への「合法的嫌がらせ」=中共中国ではすでに実施されていると聞く)、「隣組社会」=「密告社会」(秘密警察シュタージ支配下の旧東ドイツが一例)、第二次翼賛国家の形成(おそらくそのシンボルが天皇となるでしょう)、です。上記の郵貯の態度は、からへの「移行期間」と見ておくといいと思われます。他人ごとではありません。ここで歯止めをかけておかないと、ロクでもない社会がどんどんできていきます。来る3/19は東京地裁#603号法廷にお集まりください。もっと大きな法廷に移る必要もあります。大問題の裁判です。:田中一郎)

(2)(チラシ)(6.6)東電株主代表訴訟 控訴審判決(東京高裁#101)
 https://drive.google.com/file/d/1Ad_zBQ0HQ1u91CPgPZ6OlNeRhDHTDfxG/view?usp=sharing

(第1審の朝倉佳秀判決が「茶番」であったかどうかは、この高裁判決ではっきりします。今後の脱原発の行方を決する重要な判決となります。要注目です・:田中一郎)
 https://digital.asahi.com/articles/ASQ7F6SJXQ7FUTIL00Z.html

(3)(3.30)公開シンポジウム:トランプ政権とウクライナ戦争の行方 ~戦争終結に何が必要か~ - ISF独立言論フォーラム
 https://isfweb.org/post-50835/


3.(社説)鬼怒川判決 国の瑕疵を再び認めた:朝日新聞
 https://x.gd/O45sq

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去の水害訴訟では「未改修や改修不十分な河川では過渡的安全性で足りる」と行政の瑕疵の範囲を狭く限定した大東水害訴訟の最高裁判決(1984年)が司法判断の根幹となってきた。

被災者らが人災の疑いを深めたのは災害翌年の国との対話後だ。なぜ被害が拡大したのかという疑問に正面から答えない国に不信を抱いた住民らが、改修計画の問題点を自ら掘り起こした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(関連)(チラシ)(2.25)鬼怒川水害裁判控訴審 判決:会報NO.6(東京高裁)
 https://drive.google.com/file/d/1ZiZWTmTuUf1ni64YPMQ3VeTF9760_8P_/view?usp=sharing

(自然環境破壊・地域社会破壊の巨大ダムばかりをつくり、きちんとした治水対策事業をしないで手抜き河川管理を続けてきた国土交通省、ここでも地域住民の生活や仕事や身の安全を二の次にして、自らの天下り先確保に執着して土建屋たちの利益を優先し、自然災害を残酷なものにしてしまっている。そんな国の行政を、この国の腐った司法・裁判所は「過渡的安全性で足りる」などと屁理屈を付けて追認し、かつ、災害による住民被害の金額を押さえに押さえつけて、今回の控訴審でも一審賠償金額(国が負担)を減額するようなことまで判決しているのである。高裁でも原告を半分だけ勝訴させた中途半端な地裁判決がそのまま持ち越されているようで、つまり裁判所は国のロクデモナイ治水事業の加担者ということだ。

(関連)(報告)(9.25)再開第1回:オルタナティブな日本をめざして 「日本の裁判所はこうしたら変えられる」(2024年9月25日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/09/post-e190d1.html

それとともに注目すべきは、ここでも太陽光発電施設が深刻な水害を発生させ地域社会を破壊しているという点です。お気楽「再エネ推進」論者の口車に乗っていると、こういうことになりかねません。「再生エネ」電源は自然環境や地域社会や住民の健康を破壊しない文字通り「クリーン」なものでなければいけません。そうであればまた、規模は小さなものの積み重ねとなるでしょうし、狭い国土や遠浅の沿岸が少ないことに鑑みれば、日本全土のエネルギーを「再生エネ」だけで支えることなど当分の間は不可能であってリアリティがありません。「脱炭素」のインチキキャンペーンに騙されないようご留意下さい。「脱炭素」の旗を振れば振るほど原発を推進しやすい社会情勢が生まれてきます。原発とファシズムは善意に担がれてやってくるのです。:田中一郎)


4.【誰が救うんだよ これを】山本太郎(れいわ新選組 代表) #比例はれいわ #衆院選2024 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=uC36Bw55m0o
 https://www.youtube.com/watch?v=uC36Bw55m0o

 (TARO! よくわかった、力貸すよ、ガンバレ!)

(関連)30代の支持率、自民が3番手に転落 国民民主、れいわの後塵拝す 産経・FNN合同世論調査 - 産経ニュース
 https://www.sankei.com/article/20250224-EX2SAFB77FJVXONVV4GWKUYMZE/

(国民民主党は余計だが、これを「不可逆的」なものにすることが大事。一過性ではダメ。:田中一郎)


5.「年収の壁」強気崩さなかった国民民主 自民「仲良くけんか別れだ」 [年収の壁]:朝日新聞
 https://x.gd/9md81

(どうしてこの国の有権者や若い世代はかくも愚かなのでしょうか? マスゴミに踊らされず下記をご覧ください。:田中一郎)

(関連)(報告)(2.20)「新ちょぼゼミ」:国民民主党「103万円の壁」インチキ問題=「低賃金労働力動員」の障害である「壁」撤去ではなく、「課税最低限の引上げ」=「所得の再分配」政策として、税額控除方式を使え!- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-39319b.html


6.使えぬマイナ保険証の「愚行」 視覚障害者、顔認証に「がくぜん」 - 毎日新聞
 https://x.gd/PzZvW

(自公政権によるマイナ保険証の「押し付け」で日本国中が困っているのに、野田佳彦「脱憲反民主党」他の野党たちはいったい何をしているのでしょうか? ここでも野党第1党のプレゼンスが非常に弱く、圧倒的多数の有権者が「NO!」と言っているものを実現できないでいるし、国政選挙の最大争点の1つにさえできていない。そして既成事実だけがどんどん積みあがる。いったい何をしとるのか?! 誰のために政治をしているのでしょうか?! 「Mrマイナ保険証」の河野太郎の選挙区(衆院神奈川15区)で立憲民主党・社会民主党共催で「マイナ保険証」押しつけ反対(従来の保険証残せ)の大集会でも開催したらどうですか? マイナ保険証一本化を中止する法案を立憲民主党は国会に提出しているのでしょうか?:田中一郎)

(関連)神奈川県 衆議院第15区
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E7%AC%AC15%E5%8C%BA


7.「維新」と「N国」の違いはメクソ・ハナクソのたぐい

 類は友を呼ぶ=映画「グレムリン」のごとき連中です。「維新」を巨大化させたのは、①マスゴミと、②「昔は水の都、今はアホの都」大阪の愚民たちです。それに兵庫県民が加わったのが今回の「兵庫県庁お家騒動」です。①「公益通報者保護制度」踏みにじり、②阪神・オリックスの優勝パレード寄付資金問題、③斎藤元彦知事の公職選挙法違反問題、が肝心要の問題です。ネット上の情報は、この本筋からズレたような記事が少なくない様子です。

(正気でいる人間がこういう動きに対して選挙での投票で終止符を打たないと、「新しいファシズム」が台頭してきます。シニカルな構えや無関心は「自殺行為」です。「便所の落書きSNS」に振り回されているのでは「お話になりません」:田中一郎)。
 https://www.youtube.com/watch?v=pRsZI9RE8PQ

(1)兵庫維新 除名は岸口県議、増山県議は離党勧告 立花氏への情報提供 - 毎日新聞
 https://x.gd/jLiUQ

(2)維新「情報提供」の代償 元百条委の2県議 除名と離党勧告 兵庫の組織 処分発表:朝日新聞
 https://x.gd/bSuQT

(3)(社説)維新と立花氏 党の責任が問われる:朝日新聞
 https://digital.asahi.com/articles/DA3S16155062.html?iref=pc_rensai_long_16_article

(4)NHK党請求は棄却「人格攻撃」東京地裁 みんつく党首の「誹謗中傷」に〝逆〟名誉毀損(産経新聞) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/0015c60da05ca8181fbe4d3f1f33f6f7cb94e4af

(5)(別添PDFファイル)週末オススメ本ミシュラン:佐高信「N国党とは何だったのか?」(日刊ゲンダイ 2025.2.24)
 https://drive.google.com/file/d/1ceM_TuTrzOQyy5Wp6levynqYtWtN0JdC/view?usp=sharing

◆(必見)絶体絶命!維新・永野・斎藤・立花【横田一 × 西谷文和 とざいトーザイ】 20250204 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=vsUN9wTHsp0

◆(必見)立花孝志はなぜ選挙モンスターになったのか|日刊ゲンダイDIGITAL(全文読めます)
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/5239
================================


「(報告)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合 & 若干の原発関連情報」をお送りいたします。

 <別添PDFファイル>
(1)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合(プログラム&質問事項)
(2)泊の活断層、「想定以上」推定も(北海道新聞 2025.2.16)
(3)寿都町・神恵内村における核ゴミの地層処分:地質条件から見た地層処分の問題点(岡村聡『環境と公害 2023夏』
(4)核ごみ処分 揺れる周辺地、北海道 概要調査可否判断範囲巡り(毎日 2025.2.14)
(5)知ってましたか? いま地層処分してはいけない8つの理由(前半)(2020.11.11)
(6)知ってましたか? いま地層処分してはいけない8つの理由(後半)(2020.11.11)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(7)双葉町 除染土再利用検討、全国機運醸成狙う、国・県に通知(毎日 2025.2.21)
(8)川内原発差止棄却、地震・火山「具体的危険性ない」、鹿児島地裁判決(毎日 2025.2.22)
(9)使用済み核燃料搬出、関電 福井県に新工程、フランスへ400トン倍増(朝日 2025.2.14)


1.(報告)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合

 去る2月25日、北海道や青森在住の市民が上京し、衆議院第2議員会館において、標記会合が開催されました。以下、簡単にご報告申し上げます。原発の高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を、北方四島に建設してはどうかとの一般人の提案に、経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)幹部らが「魅力的」「一石三鳥四鳥」と発言していたことが明るみに出たことから、強い怒りを持っての会合となりました。しかし、政府側の会合当事者=経済産業省・原子力「寄生」庁・NUMOの発言は、あいもかわらず「ひねもす のたら くたらかな」でした。

私だけではありません。参加された市民のみなさん全員が、数時間にわたり「回答にもならない回答」なるものを聞かされて、怒りを抑え怒鳴りたくなるのを我慢するのに苦労しながら「会合」を終えています。この会議に出てきた役人たちには権限がないのでしょうが、しかし、こんなことで「今後も丁寧に説明します」などとヌケヌケと言っているのですから、やはり、この国の政府は一刻も早く入れ替えないと大変なことになりそうだ、ということはよくわかった会合でした。

(関連)北方領土で核のごみ処分に「一石三鳥、四鳥」と…それが国のホンネなのか あまりに空っぽの認識に怒る人々:東京新聞デジタル
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/383846

◆(当日録画)20250225 UPLAN【前半】北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=PMox1IF1HGc

◆(当日録画)20250225 UPLAN【後半】北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=OmX-YA19xcs

(【後半】VTRの最初の2分30秒くらいのところで、退出する上村英明衆議院議員(「れいわ新選組」)が「ズバリ核心を突く」発言をしています。また、同じく【後半】VTRの39分少しのところで、私(田中一郎)から下記の発言を行いました。ご覧いただけると幸いです。それから、これまでは毎回のようにこの会合に顔を出していた日本共産党の議員が今回は不参加でした。まさか、「れいわ新選組」が今回の会合のセッティングをしたことが気に入らない、などという狭い了見で不参加なのではないでしょうね。日本共産党と山本太郎「れいわ新選組」という、消費税減税~廃止や再稼働ナシの脱原発、反貧困(経済的社会的弱者こそ政治が救済しなければならぬという強い使命感)など、共通する政策公約が多く、国会でも同じ動きをしていることが多いこの2つの政党には、意識して協力的に仲良くやってほしいと願っています(参加政党は「れいわ」を筆頭に社会民主党と立憲民主党でした)。:田中一郎)

◆(別添PDFファイル)(2.25)北海道における核ごみ問題に関する関係省庁・機関との会合(プログラム&質問事項)
 https://drive.google.com/file/d/1VC6uXr7mlxPFcGSp3INI8NG4zopM93K-/view?usp=sharing


 <田中一郎コメント>

 2011年の福島原発事故以降、何十回・何百回と、霞が関の役人たちとこのような「政府交渉」「意見交換」「会合」を繰り返して来て申し上げられることは、市民側が投げかける質問事項に対する政府・霞が関側の「回答」なるものには、ほとんど何の意味もないバカバカしいものばかりだということです。百に1つでも、まともな回答があれば「拾いものです」し、また、それが今後守られて実践されるという保障もありません。昨今では、経済産業省を中心に、顔を写すな・名前は言わない・ユーチューブで流すな、などとフザケタことまで言う官庁が出る始末。私はバカバカしいので、数年前からこうした「会合」には基本的には参加しないことにしています。全くの時間の無駄ですから。

しかし、脱原発に取り組む市民が遠方から東京に来られて開催される場合には「応援」のつもりで参加することはあります。今回もそうです。こうした場合、唯一点、対政府会合で意義があるとすれば、それは市民側が(事前)提出している「質問事項」の内容がどういうものかという点です。それぞれのテーマに関して、推進側=役人側よりも市民の方がよく調べ、よく勉強をしていて、判断もちゃんとしています。ですので、市民が提出する質問事項を熟読することで、それぞれのテーマに関する基礎知識なり情勢認識なり問題点なりを知り、あるいは深めることはできるのです。今回も同様です。

ただ、今回の会合は、いわゆる「手続き論」が大半を占めている様子で、これは私にはちょっといただけませんでした。少し前に開催された原子力市民委員会主催の「除染ゴミ全国バラマキ計画」に関する環境省との意見交換会でも「手続き論」が多かったように感じます。一般市民が問題に取り掛かる時に「手続き論」(形式論)は「とっつきやすい」ということはあるのでしょうし、テーマの当事者である場合は、この「手続き」の公正さ・民主性が大事ですから「気持はわかる」のですが、それぞれの会合に注目する当事者ではない一般市民は「手続き論議」ばかりが花咲くと、なんだかウンザリ感が強くなります。やはり各テーマ・諸問題の核心部分を集中的に深く掘り下げる議論をするよう主催者は工夫をするのがいいと思われます(相手が霞が関の役人の下っ端ばかりなので限界はありますが)。たとえば、除染ごみバラマキ問題なら、その環境拡散の危険性(放射線被曝)評価であるし、核ゴミ地層処分問題なら、その様々な危険性や時間経過に伴う諸問題、地元住民への対策などです。

そのためには(これまでも何度も申し上げてきましたが)質問事項を絞り込んで、多くても10個以内にする、ということも大事かなと思います。わずか3時間(180分)くらいの会合で、何十個もの質問を投げかけると、1つの質問事項にかけられる時間がわずかとなり、おのずとやりとりの中身は薄くなてしまいます(質問が50個あれば1個当たりの所要時間は3分程度です)。遠方から来られるので、あれもこれも、となる傾向は理解できますが、会合の内容を少しでも濃くするためには「質問項目の禁欲」も大事です。


◆私(田中一郎)からの発言内容

 会合の最初の方で「質問12:泊原発の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査が甘すぎるのではありませんか?」に対して原子力「寄生」庁の役人が答えた中で「能登半島地震で起きたことは、これまで得てきた科学的知見を越えるものは特になかったと認識している=従って、新規制基準や今後の原発稼働審査に新たに加えていくようなことは特にない」旨の発言をしていたので、それはおかしいと強く感じたため、下記の北海道新聞(よくまとまっている)に沿って4点ばかり「異議申し立て」の発言をいたしました。

◆(重要)(別添PDFファイル)泊の活断層、「想定以上」推定も(北海道新聞 2025.2.16)
 https://drive.google.com/file/d/1BgbOcHZjLwDfMOfAr-9nVhCyanIwPqC9/view?usp=sharing

 <申し上げた4点>

(1)(上記記事の第1段目・左部分)能登半島地震の際は、それまで沿岸を半島に沿って東西に走る活断層として最大約95kmのものを想定していたが、実際に動いた活断層は東方向にある他の断層類も一緒に連動していて、あたかも1本の断層帯が連続してあるように連動して動いていた。その長さはなんと約150kmだった。また、東西方向だけでなく南北方向でも活断層が連動していて、20km以上離れたものが同時に動いていた。「寄生」委はこれまで活断層の連動は「せいぜいのところ5km程度までの範囲内」としていたが、それが今回実証的に否定されている。つまり、活断層の連動範囲の想定が甘いということが実証された。

(2)(上記記事の第2段目)熊本地震では、第1回目の震度6強の揺れに続いて、数日後に震度7の強い揺れが連続して襲ってきた。しかし、現在の原発・核燃料サイクル施設にかかる新規制基準では、1回の強い揺れに対してしか耐震設計されておらず、2度・3度と震度6強以上の強い揺れが襲うと、原発はどうなるか全くわからない状態だ。つまり今の日本の原発は、連続する強い揺れの大地震に対しては全くの無防備であるということである。

(3)(上記記事の第3段目・第4段目)政府の「地震調査研究推進本部」(地震本部)が未だ北海道の日本海側の海底活断層の調査を終えていないにもかかわらず、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は泊原発の規制基準適合性審査を早々に終えて、基準地震動や基準津波を決めてしまおうとしている、と記事は伝えている。これが真実なら、とんでもないことである。当然のことながら「地震本部」の調査結果や見解を待つべきである。

(4)(記事にはないが)能登半島地震の際、志賀原発北方約10kmのところに旧富貴町で、応答スペクトルの短周期(0.2秒以下)のゾーンで、何と1万数千ガルのすさまじい揺れが観測されていたことが分かっている(下記参照)。このことから、全国の原発・核燃料サイクル施設にかかる基準地震動は総見直しが必要である。

◆1万ガルのグラフは京都大学境有紀教授の研究室のホームページにあります。
 https://qr.paps.jp/lxWx

◆2024年元旦 能登半島地震での石川県志賀町富貴地区での地震動グラフ:京都大学境有紀教授 研究室HPより
 https://drive.google.com/file/d/1side0aTW0D618URMIr5ztmBQmTZLty3s/view?usp=sharing

(サイトの中ほどのカラーの5本の線グラフの1つ目(弾性加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和))をご覧ください。この中の「(志賀町)(6)K-NET富来」(濃い茶色)はグラフの天井を上方へ突き破っています。グラフの縦軸は「加速度(g)」で最大値が5g=5×980ガル=約5000ガルです。どこまで上方に伸びているかというと、1万ガルを越えているそうです。つまり、志賀原発がある志賀町のわずか10kmほど北方の観測点「旧富来町」で1万ガルを越える強い地震動があったということを意味します。この揺れの場所が少し南で、かつ志賀原発が稼働していたら、日本は志賀原発の大破壊により「終末」を迎えていたでしょう。珠洲原発が動いていなくてよかったと喜んでいる場合ではありません。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が進めている基準地震動の「新規制基準」を抜本的に見直さなければなりません。:田中一郎)

(詳しくは下記をご覧ください)

(関連)(再掲)基準地震動に関する「新規制基準」は作り直せ!:能登半島地震で(1)志賀町北部で1万ガルを越える地震動を記録(2)5km程度までしか連動しないと規制委が言っていたが、20km遠方の断層が連動した能登半島地震- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-89b9e0.html


 <関連サイト・資料>

(1)パンフレット紹介【知ってましたか?いま地層処分してはいけない8つの理由】 - 再稼働阻止全国ネットワーク
 https://saikadososhinet.sakura.ne.jp/rn/archives/15102

(関連)(別添PDFファイル)知ってましたか? いま地層処分してはいけない8つの理由(前半)(2020.11.11)
 https://drive.google.com/file/d/1ZwJjY_3Sds04CT_CF_vD93l9i41ATTVL/view?usp=sharing

(関連)(別添PDFファイル)知ってましたか? いま地層処分してはいけない8つの理由(後半)(2020.11.11)
 https://drive.google.com/file/d/1FaQx-iexzHfuippJxp4W3ONMgw6z6Gq2/view?usp=sharing

(関連)知ってましたか? いま地層処分してはいけない8つの理由(A):小野有五北海道大学名誉教授 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=8rxqNf56sjs

(関連)知ってましたか? いま地層処分してはいけない8つの理由(B):小野有五北海道大学名誉教授 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=tG7uq_O-GWQ

(2)(別添PDFファイル)科学を無視した泊原発の敷地内活断層の審査(小野有五『原子力資料情報室通信 NO.588 2023.6.1』)
 https://drive.google.com/file/d/1HwUTQTUAnLkopCNhM8--k9ETZfGMi6dH/view?usp=sharing

(3)(別添PDFファイル)核ごみ処分 揺れる周辺地、北海道 概要調査可否判断範囲巡り(毎日 2025.2.14)
 https://mainichi.jp/articles/20250205/k00/00m/040/107000c

(4)(別添PDFファイル)寿都町・神恵内村における核ゴミの地層処分:地質条件から見た地層処分の問題点(岡村聡『環境と公害 2023夏』)
 https://drive.google.com/file/d/1kHqCc01lwPvRNlH9qOUwA_ynv23pUka1/view?usp=sharing

(5)脱原発弁護団全国連絡会 - 泊原発運転差止認める!
 https://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/22-5-31/

(6)(重要)北海道・寿都に第四紀火山か 核ごみ最終処分場、大半が不適地の可能性 北海道教育大名誉教授ら調査:北海道新聞デジタル
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1080113/


 <最後に>
 今回の会合もまた、神経を逆なでするような進行で、精神衛生上はよろしくありませんでしたが、しかし、上京して下さった主催者側の北海道及び青森県の市民の皆さま、そして政府側の3組織(経済産業省・「寄生」庁・NUMO)に働きかけてこの場を設営して下さった佐原若子衆議院議員他の「れいわ新選組」のみなさまには感謝申し上げたいと思います。これからもみなさまのご活躍を陰ながら応援しています。頑張ってください。


2.直近の原発関連情報から

(1)(別添PDFファイル)川内原発差止棄却、地震・火山「具体的危険性ない」、鹿児島地裁判決(毎日 2025.2.22)
 https://mainichi.jp/articles/20250221/k00/00m/040/348000c

(裁判官のくせして、よくもかようなことをヌケヌケと言っているものだ。川内市は日本最大の活断層である「中央構造線」の西端にあり(更にそれは甑島周辺の活断層を経て沖縄断層帯につながっているという=ユーラシアプレートとフィリピンプレートの境目にあり、地震多発地帯と考えておいていいハズ)、かつ、川内原発の敷地のすぐそばまで過去の火山噴火の溶岩流が流れてきた形跡が存在している。この亡国クソ判決を下した窪田俊秀裁判長他3名の腐れヒラメ裁判官どもは、近未来に於いて「裁判官弾劾裁判」にかけて有罪とし、法曹界から永久追放だ。こいつらの名前を憶えておきましょう。:田中一郎)

(関連)中央構造線断層帯(金剛山地東縁-由布院) - 地震本部
 https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_katsudanso/rs_chuokozosen/

(2)(別添PDFファイル)双葉町 除染土再利用検討、全国機運醸成狙う、国・県に通知(毎日 2025.2.21)
 https://mainichi.jp/articles/20250220/k00/00m/040/294000c

(だったら除染土や放射能汚染ゴミは、みな双葉町に置いておけばいい。それにしても、伊沢史郎とかいう双葉町町長の「福島第一原発・第二原発のエネルギーを使っていた首都圏の皆さん」などという言い草、看過できんな。首都圏の住民は使いたくて使っていたのではない=地域独占の電力会社(東京電力)によって「使わされていた」のだ。原発電気などいらないと多くの人々が言っていたにもかかわらず無視されてきただけである。そんなことを言うのなら、お前たちこそ原発を「カネのなる木」に見立てて、その原発にタカリ行為を働いていたのではないのか?! そして原発で事故が起きたら、今度はその後始末にもタカルつもりなのか?! 町長たるもの、まずは町民の命と健康を最優先で真っ先に考慮しなければいけない立場にあるものが、何をやっとるのか、という話である。かようなことを言っている(放射能汚染ゴミを公共事業に使ってバラマク)ような町長の町に、およそまともな人間は寄り付かないだろう。町長が原子力ムラやその代理店政府の御用聞き・手下のようなことをしていてどうするのか? 双葉町が放射能汚染土・汚染ゴミを全国にばら撒くというのなら、今度は福島原発事故の被害者から、放射能汚染の加害者になるということを、よく心得た上で発言しろ!:田中一郎)

(追:朝日新聞はこの記事で「東京ドーム11杯分の除染土が保管され、復興を遅らせる一因となっている」などと書いている。アホか、という話だ。できもしない除染を巨額の税金を使って大掛かりにやって、「ヤメロ」というのも聞かずに強行し、今度は山のように発生した放射能汚染土・汚染ゴミに手を焼いて、できもしない「2045年までに県外で最終処分する」などとウソをついて行き詰り、集めた危険な放射能ゴミを全国あちこちにばら撒いて量を減らすのだという。やっとることがアホ丸出しだ・支離滅裂だ。そもそも過酷事故を起こした原発の立地自治体で「復興」などできるわけがない(危険極まりない)。一連の原子力ムラと原子力ムラ代理店政府・政権のやっていることを批判する観点がゼロのまま、ただ、だらだらと記事らしきものを書き、結果として政府広報の肩代わりよようなことを意図せずしてやっている、そんな「カバカバ新聞社」=それが朝日カバカバ新聞ということになる。読者が激減するはずだ。:田中一郎)

(3)(別添PDFファイル)使用済み核燃料搬出、関電 福井県に新工程、フランスへ400トン倍増(朝日 2025.2.14)
 https://digital.asahi.com/articles/AST2C3F8YT2CPGJB002M.html

(こんなもの、何の意味もない、むしろ中期的に見て核ゴミをさらに増やすだけの、「トイレなきマンション」の場当たり的その場しのぎにすぎない。こんなもので福井県知事も県議会も福井県民も本当にいいのか? 約束通り、原発稼働をやめさせないと、核ゴミは今後もどんどん増えていき、福井県は核ゴミの貯蔵所のようになってしまうぞ! いいのか!? 早く目を覚ませ!:田中一郎)

(4)柏崎7号機 停止長期化の可能性 - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6530704

(5)島根原発2号機でモニタートラブル 制限逸脱も運転に影響なし|NHK 島根県のニュース
 https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20250221/4030021148.html

(6)小倉志郎 さんから:「パブコメ」
 https://tinyurl.com/28dm57tr
草々

(追)(メール転送です)期日報告と意見陳述
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆20250220鴨下祐也意見陳述短縮
 https://drive.google.com/file/d/1A9pLk_nCkzzTyuIdNjZ0SqVHR2YMZqyQ/view?usp=sharing

サポーターズの皆さま いつも温かい応援をありがとうございます。ちょこっと疲れてしまって、ご報告が遅れてしまいました。避難住宅追出し裁判期日の報告と、意見陳述をお送りいたします。

2月20日東京高裁101号法廷で開かれた、東京都による避難者追出し訴訟の第一回口頭弁論期日で、被告:鴨下祐也は、以下のリンクの意見陳述を行いました。(ファイル添付もしています)

https://drive.google.com/file/d/1TJ_oVA8qH4Z7Jo0q2b3VgMc_Oy82PlQ5/view?usp=sharing

当方10分の原稿を用意していましたが、裁判長の指示で5分に制限され、やむなく凝縮した原稿です

しかし、この意見陳述の直後、裁判長はこちら側からの人証申請を全て却下し、突然結審を言い渡しました。乱暴にも、控訴審最初の期日を、いきなり結審としてしまったのです。この三角比呂裁判長は、2023年12月には東京訴訟1陣の控訴審で不当判決を下しています。

その際にも避難者側の人証申請を全て却下し、当事者の声を全く聞かぬまま、判決は最高裁のコピペという酷い内容でした。何故、20も部がある東京高裁で、わざわざ同じ部(裁判長)に当たるのか。確率的にも首を傾げたくなるような東京高裁ですが、5月8日11:20には判決が下されることになってしまいました。皆様に応援いただいていたのに、戦う時間も手段も奪われてしまったこと、とても悔しく思います。

せめて鴨下祐也が法廷で訴えた意見陳述を皆さまに広めていただき、法廷外から原発事故避難者を守る運動を盛り上げていきたいと思います。また5月8日(木)は11:20から判決言い渡しとなります。是非ご参集くださいますようお願い申し上げます。

なお、東京訴訟2陣の本人尋問期日は 4/9、5/21、7/2、9/3、10/15、10/16(予備日)となっております。各日10:00~16:30 東京地裁103号法廷となりますので、応援をよろしくお願いいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

« (報告)(2.20)再開第5回:オルタナティブな日本をめざして 「シリーズ「戦後改革」(第3回目)「GHQの経済民主化政策」(山田朗明治大学教授:たんぽぽ舎) | トップページ | 脱原発脱被曝バック・ナンバー(74)(抜粋)(2025年1月~2月) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« (報告)(2.20)再開第5回:オルタナティブな日本をめざして 「シリーズ「戦後改革」(第3回目)「GHQの経済民主化政策」(山田朗明治大学教授:たんぽぽ舎) | トップページ | 脱原発脱被曝バック・ナンバー(74)(抜粋)(2025年1月~2月) »

最近の記事

無料ブログはココログ