「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(164):昨今の放射線被曝をめぐる議論(その25):矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授「避難者通信154号=科学と人権に立脚した被ばく評価体系の確立に向けて」
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(2.4)子ども脱被ばく裁判総括集会のご案内-子ども脱被ばく裁判ホームページ
https://kodomodatsuhibaku.blogspot.com/2025/01/blog-post.html
(関連)最高裁 棄却決定調書(PDF)
https://drive.google.com/file/d/1bPOhi-aHpbZt1p1XWGcUqQgdFpYJPn0l/view?usp=sharing
(ちなみに、第1審福島地裁は「行政裁量の範囲内につき、山下俊一長崎大学教授の「にこにこ笑っている人には放射能は来ません」も含めて全てOK(原告敗訴:遠藤東路裁判長)、第2審仙台高裁は、言語明瞭・意味不明、の判決文でした(原告敗訴:石栗正子裁判長。そのデタラメ判決を不服として上告した結果、最高裁(サイテーサイと読む)の判決文は上記です。審理せずに「棄却」しています。こんなものを放置しておくわけにはいかないのです。:田中一郎)
https://www.youtube.com/watch?v=PuwFrNEgDTg
(関連)「子ども脱被ばく裁判」上告棄却に怒りを持って抗議:このままでは同じことがまた起きる=福島原発事故により子どもたちが被ばくするのを防ぐ何らの措置も取らないどころか、放射能の危険性をごまかし、被害を隠蔽し続ける政府・福島県・自治体- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-1f29a8.html
2.(別添PDFファイル)国無断提供の名簿で靖国合祀、韓国人遺族の敗訴確定、最高裁判決(東京 2025.1.18)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/379953
(関連)(別添PDFファイル)靖国神社・韓国人合祀に冷淡な最高裁判決…日本国は他者の心に対する思いやりに欠ける(小林節 日刊ゲンダイ 2025.1.21)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/366494?utm_source=newsletter&utm_medium=email
(関連)日本最高裁「韓国人の靖国合祀撤回要求」また棄却…遺族敗訴(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/46a23e16d0c9479af25ea4dbe0c633347f5afa4f
<田中一郎コメント>
原告は靖国神社に対して「合祀」取りやめを請求しなかったのだろうか? 日本政府に対してだけ慰謝料請求をしている裁判なのだろうか。記事からはよくわからない。しかし今現在も「合祀」されたままなのだから、少なくとも靖国神社に対して「合祀」取りやめの請求を行い、日本政府とグルになって無断で合祀したことに対して慰謝料を請求することはできるはずである。
またこの事件は、大日本帝国の侵略戦争犯罪に関連することだから、時効を単純に使うことも許されない。日本政府は時効に関係なく、韓国の方々に対する戦争責任の一環でこの問題に対処すべきである。かようなことは日本の国際的な恥さらしであり、この「合祀」されている人が欧米人であった場合(特にアメリカ人の白人であった場合)、日本政府や日本の司法・裁判所は同じような態度をとるのだろうか?
これほど重大な人権侵害が日本の腐った司法・裁判所で却下されたり、時効による「門前払い」(最高裁)にされたりしていることが信じがたい。そして大切な隣国・韓国の方々に対して許しがたい侮辱であり、日本人として申し訳ないと思う。やはり日本の司法・裁判所は解体されなければならない。今日の裁判官どもに得手勝手な司法権力の濫用を許してはならない。
(ついでに申し上げれば、およそ法律というものは、かような理不尽極まることを許すような「道具」になっており、そもそもが法律は支配権力や巨大資本を守りこそすれ、我々吹けば飛ぶような一般庶民を守るようなものではないことも付記しておく。それはちょうど軍隊が国民を守るものではなく、支配権力者たちを守るための階級支配の暴力装置であることと同義である。)
3.小倉志郎 さんから:「フェイクとファクトチェック」
https://tinyurl.com/2th52hne
(関連)インターネット検閲や規制、サイトや言論の排除を、政府や巨大IT企業やファクトチェック機関に委ねてしまってはいけない(その1):月刊誌『地平』連載「ネット空間の検閲を望んでいるのは誰か」(楊井人文弁護士)より- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-fe793a.html
4.(別添PDFファイル)三里塚教会が今、そこに建つ意味 故戸村一作さんと成田空港をめぐる激動の歴史と、信徒を驚かせた「設計者」(東京 2025.1.19)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/380151?rct=tokuhou
(関連)三里塚アンソロジー-宇沢弘文/編(岩波書店)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000018740448&Action_id=121&Sza_id=F3
5.(必見記事)これが国際政治の現実だ:「権威主義国家=ロシアや中共中国を封じ込め弱体化させろ!」の掛け声の裏側で取引される低濃縮ウラン(原発用核燃料)のご都合主義、何が経済制裁か!?
◆(別添PDFファイル)中露、核燃料で揺さぶり、対米禁輸 切り札に、代替に時間 原発維持にリスク(日経 2025.1.14)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO86027810U5A110C2NN1000/
(関連)ゼレンスキー大統領の国会生演説「スタンディング・オベーション約1分」にネット民は違和感 - 東スポWEB
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/165047
(関連)【ノーカット】ゼレンスキー大統領 国会で演説 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=bDwN-znczfs
https://www.youtube.com/watch?v=C6Ndu6xGyJA
(国会議員たちのスタンディング・オベーションの様子は上記VTRの最後のところに若干出てきます)
<田中一郎コメント>
よく見ておいてください。これが生々しい国際政治・経済の実態の一角です。中共中国やロシアは「サタンの国」「悪の帝国」「権威主義国家」(要するに全体主義)だから封じ込めて弱体化させろ、ウクライナへのロシア侵略や中共中国による台湾への軍事侵攻を阻止せよ、そのためには経済制裁が必要不可欠、ウクライナは対ロシア、日本は対中共中国、ともに戦う覚悟を決めよ! 「私たち欧米人は、応援し指示する人、あなた方ウクライナ人や日本人は戦って死ぬ人」ということらしい。他国で戦争してくれたら儲かるし。(日本の国会は一部の議員(沖縄選出の髙良鉄美参議院議員と「れいわ新選組」の一部)を除き、日本共産党まで含めて、ゼレンスキー大統領賛美のスタンディング・オーベイションまでしている始末)
◆加川良 「Ryō Kagawa」 --- 教訓1「Lessons learned 1」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=uLcfDWyRfyI
なんちゃって、それでもって、この戦争屋たちがやっていることは、アメリカも欧州も、原発稼働継続のためのウラン燃料(低濃縮ウラン)をロシア及び中共中国から自分たちの裏口を通して大量に輸入するという、お粗末丸出しのご都合主義を展開中だ。ロシア産や中共中国産のウラン燃料は禁輸しなくてもいいが、ロシア産のカニや天然ガスは禁輸、中共中国産の落花生もダメ、ということらしい。なんでやの???
(ウクライナ戦争に関する誤った認識は日本の左翼・左派・リベラルの誤り3つのうちの1つ:あとの2つは、「新型コロナ」&mRNAコロナワクチン、「人工排出CO2による地球温暖化」説カルト信仰、そしてまもなくこれに「インターネット上のフェイク・悪質情報対策」が加わりそうだ)
「軍産情報複合体」に踊らされる、全くバカバカしい経済制裁と戦争支援(バックアップ)、それをアメリカの「一の子分」として、有権者・国民の負担と命の危険を犠牲にしてまい進しているのが、政府政権を牛耳る売国奴政党=自民党と、それに協力する公明党・「日本維新の会」・国民民主党である(一部は野田佳彦「脱憲反民主党」)。この連中を政界から追い払う投票行動をいたしましょう。
6.類は友を呼ぶ:維新と石丸伸二
時代遅れのデマゴーグと「すっからかん」の連合です。頭がイカレタ滅亡したい方々が投票するようです。
(1)維新吉村代表が石丸新党と連携前向きのトンチンカン、「政治屋の一掃」に危機感ゼロのお気楽ぶり|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/366356
(2)吉村維新の“石丸ラブ”が止まらない…新党に「連携参加の可能性を前向きに」と秋波送った皮算用|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/366390
(3)創設者・橋下徹氏が石丸伸二氏に露骨な“抱きつき”…政界プチ再編で「維新瓦解」待ったなし?|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/365612
(4)早くも見えた石丸伸二氏「再生の道」の“ポンコツ化”…政策への言及なし、新党参加にこれだけのリスク|日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/366323
(5)石丸新党“旋風”が吹かないワケ…主義も施策もサッパリわからず「政党とは言えない」識者らバッサリ|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/366409
(6)裏金3500万円で職員略式起訴、「都議会自民党」解散で自民は都議選“死屍累々”…ほくそ笑む小池・石丸・玉木|日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/366442
(自民党がダメやから、それを石丸伸二新党や都民Fや維新に替えても、やっぱりダメや、ということが、まだわからんのかねえ?)
◆(別添PDFファイル)政治屋への転職斡旋業(前川喜平 東京 2025.1.19)
https://www.facebook.com/groups/331535984952571/posts/1121423622630466/
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「「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(164):昨今の放射線被曝をめぐる議論(その25):矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授「避難者通信154号=科学と人権に立脚した被ばく評価体系の確立に向けて」」をお送りいたします。関連情報も添付いたします。
<別添PDFファイル>
(1)恐るべし日本の行政と医療:ICRPに従った結果(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授 2025.1)
(2)内部被曝を無視した被爆者援護法の基準は巨大な差別を生んだ(矢ケ崎克馬『放射線防護の科学と人権』緑風出版)
(3)IAEAの1996年会議「チェルノブイリ事故後10年」(矢ケ崎克馬『放射線防護の科学と人権』緑風出版)
(4)私がお薦めしたい本『放射線防護の科学と人権』(山田耕作京都大学名誉教授 2024.12.27)
1.矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授からのメール
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『科学と人権に立脚した被曝評価体系の確立』に向けた取り組みは、事務局が確立次第動き始める予定です。避難者通信大154号を発行いたしましたので、ご紹介いたします。(矢ヶ﨑克馬 2015/1/20)
内容は、第65回つなごう命の会定例学習会の内容です。
(1)第154-① まさに断腸の記録ー厚労省人口動態調査、なぜ公表されないのか?(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授 2025.1)
https://tinyurl.com/2s3nw4dv
(2)第154-② ICRPを科学の目で批判する(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授 2025.1)
https://tinyurl.com/26y5ut79
(3)第154-③ (別添PDFファイル)恐るべし日本の行政と医療:ICRPに従った結果(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授 2025.1)
https://tinyurl.com/2n28x2uz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.「隠蔽され続ける内部被曝」(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授 2024.8.9)
https://drive.google.com/file/d/1bKrW4yRMUuDeWkpb25C4FG6nx_PRpEd7/view
3.(別添PDFファイル)私がお薦めしたい本『放射線防護の科学と人権』(山田耕作京都大学名誉教授 2024.12.27)
https://drive.google.com/file/d/1XCD3OhNdnU98rT1bVUYbl8XAOVMCr98W/view?usp=sharing
4.(再掲)(必読新刊書)放射線防護の科学と人権-矢ヶ崎克馬/著(緑風出版)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034685618&Action_id=121&Sza_id=GG
(1)(別添PDFファイル)(上記から一部抜粋:必読)内部被曝を無視した被爆者援護法の基準は巨大な差別を生んだ(矢ケ崎克馬『放射線防護の科学と人権』緑風出版)
https://drive.google.com/file/d/1LBV7485wpoRscXviO-IMbeylRJzM7t4E/view?usp=sharing
(上記でご紹介した図書抜粋の最後の方、長崎県の「第二種健康診断受診者」(「長崎被爆体験者」と称される)が医療手当を受給するには、精神神経科ないしは心療内科の受診証明が必要、などとされている点に注目されたい。長崎県の被爆者の健康被害を「精神疾患」と決めつけて差別を煽る悪質極まりないことが、政府自らの手で「制度として」実施されていることに驚愕を受けた。こんなものが未だに生きているのか・強行されているのか? この国の政治家や官僚どもは一体何なのか!? ともかく、この数ページの矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授執筆の文章を読めば、戦後長く続く(今も続く)原爆被爆者を差別・切り捨ての、原爆医療法・被爆者援護法の悪質極まる「しくみ」が一目で明らかとなります。必ずご覧ください。(逆に、広島では、先般の「黒い雨」裁判の広島高裁判決により、裁判原告はほぼ完ぺきな形で勝訴し、救済が図られた。しかし、その後のことが、厚生労働省および御用学者および政治家どもの妨害にあい、原爆被爆者の完全救済には至らない。その最先端にいるのが長崎の原爆被爆者である。:田中一郎)
(関連)広島原爆「黒い雨」訴訟の原告全面勝訴(国の上告断念)と長崎原爆「黒い雨」被ばく被害者=何故、国は広島と長崎で被ばく被害者を区別・差別・分断するのか!?- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/12/post-a5a9b3.html
(関連)(名著)「黒い雨」訴訟-小山美砂/著(集英社新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034358919&Action_id=121&Sza_id=C0
(関連)通信No.2943 (2024-8-31 黒い雨と長崎被爆体験者)
https://drive.google.com/file/d/1lIGJswqgSdto-GzpiBu2YpPTxIHwdxjy/view?usp=sharing
(関連)長崎・被爆体験者への支援拡大へ 首相が表明 地裁判決には控訴方針 - 毎日新聞
https://qr.paps.jp/1I3Qm
(2)[NHKスペシャル] スクープドキュメント - 封じられた“第四の被曝(ひばく)” -なぜ夫は死んだのか- - NHK - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=erNEbdW0i78
(3)(別添PDFファイル)IAEAの1996年会議「チェルノブイリ事故後10年」(矢ケ崎克馬『放射線防護の科学と人権』)
https://drive.google.com/file/d/1vTcv3QhUMO7rbJWMo2nmPmV70kV8RthI/view?usp=sharing
(「古典的被曝軽減措置をもはや行わないと断じて、「高汚染地帯に住み続けさせる」に大転換した(矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授)=その具体化が国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告(計画被ばく、緊急時被ばく、現存被ばく)である。そしてその「実験的実践場」がフクシマだ=県民が放射線ムラの被ばくモルモットにされようとしている:下記参照)
◆大熊で働く|おおくまStyle
https://qr.paps.jp/vryqa
<関連サイト>
(1)国際放射線防護委員会の 2007 年勧告
https://www.icrp.org/docs/p103_japanese.pdf
(2)原子力「寄生」委員会
https://www.nra.go.jp/data/000423739.pdf
https://www.nra.go.jp/data/000442948.pdf
5.たんぽぽ舎MGより
(1)日本の被曝行政・医療対応恐るべし (上)(2回の連載)
| 住民の健康を守るべき医療現場には「放射線障害」を見抜く診療指針も診断処方も無い
| 政府や福島県は、多発している小児甲状腺がんを「放射能とは関係ない」として処理
└──── 矢ヶ崎克馬(沖縄県西原町在住)
皆々様 寒い季節を迎えています。お元気にお過ごしでしょうか? 沖縄、西原町も現在15.7度C。朝から暖房つけています。今年は沖縄戦・大空襲・被爆80年。東電事故(福島第一原発)14年。『安全保障関連法案』施行10年。世界では殺戮と破壊の戦争継続。非常に不気味な政治・世情が展開しています。
日本の戦後は国家主権放棄、米国傀儡(かいらい)政権として出発し、主権在民とされる民主憲法を守る力と破壊しようとする力がぶつかり合ってきました。新憲法を目の上のたんこぶのように迷惑物として除去しよう(戦後政治の総決算)と保守勢力は75年間にわたり政治を展開してきました。75年間の、「主権者」では無く「隷従者」を育てる“道徳教育”が効果を発揮し、今や日本の民は「自発的隷従者」(政府筋に反するような動きを政府に成り代わって市民が制裁する)としての様相を深めているとの指摘もあります。
しかし、憲法はさすがに憲法。主権者を育てています。平和憲法を守らなければならないという主権者の動きも国民的に深く定着しています。東電事故(福島第一原発)後14年、この間の苦渋を悲鳴のように述べます。
(a)東電事故以来、政府は「法律では公衆は1mSv/年となっているのに、20mSv/年で規制」し、国民との約束事である法律を適用しない「法治主義放棄」をして来ました。「放射能はたいしたことない」、大事なことは高汚染地域にいる人々の生活を守るために「食べて応援」だとしてきました。
食べて応援だけではありません、除染で出た大量の汚染土砂を全国に建築・土木資源としてばらまき、アルプス汚染水を海洋に投棄し、メルトダウンした原子炉は外界に応射能を拡散し続けるという暴政を行っています。被曝から国民を守ることをしないできました。この棄民策は本当に大きな犠牲を民に与え続けてきました。「苛政は虎よりも猛なり」です。
(b)お母さんが子どもの命を守ることを中心に、自主避難者が大量に出ました。行政からの支援などあるか無いかなど分らない状態で、生活の展望も立たない中で「主権者」として悲壮感溢れる、しかし、素晴らしい「命を守る」決断でした。これらの人々は短期間お恵み的な援助を受けましたが、人権的視点に基づく社会的/経済的保障はありませんでした。「国内避難民に対する指導原則」が国際的に存在し、チェルノブイリでは1mSv/年以上では自主避難者は強制避難者と全く同等に権利を与えられ保護されたのとは、およそ真逆です。安孫子亘監督の「決断」-運命を変えた3・11母子避難-、等々の映画は避難者の実態を伝えています。
(c)「保養」も政府の責任として実施されませんでした。コロナ以前は民間でかなり活発になされてきましたが、現在はほとんどその火が消えてしまいました。チェルノブイリ事故周辺国が国の責任に於いて1ヵ月規模での子どもと市民の「保養」事業を30年にわたって継続してきたこととは大違いです。ここでも大きな棄民が行われています。
『かくれキニシタン』(へっついの家シリーズ第2弾)という記録映画があります。タイトルは、「放射能被曝を非常に気にしているけれども、気にしているとは世間に言うことができず、こっそりと保養をしています」というものだと説明がありました。なんということでしょう。政府も日本の民間も「放射能は語ってはならない」という状態を保ち、それに反する人々-避難者や保養者-を排撃しているのです(政府は棄民、市民は自発的隷従か)。「避難は絆を破壊する」とさえ言われました。
(d)では、保養や避難をする必要が無いのか? 政府や福島県は、多発している小児甲状腺がんを「放射能とは関係ない」として処理いたします。放射線被曝被害は無いとしています。実態はそれに反し、厚労省「人口動態調査」のデータは凄まじい被害を示しています。が、一切隠されています。しかし公的データなのに、公的機関は発表しない、何も言わない。可視化もされない。強力に「隠蔽」されているのです。各種疾病の患者急増や死亡者の異常増加が2011年以降継続していることが『極秘』扱いなのです。(下)に続く。 (避難者通信 第153号 2025/1/12より)
注:矢ヶ崎克馬氏の「崎」は、本来「たつさき」ですが、「環境依存文字」と 指摘されるので、やむなく、「崎」を使いました。
(2)日本の被曝行政・医療対応恐るべし 即刻の改善を (下)(了)
| 住民の健康を守るべき医療現場には「放射線障害」を見抜く診療指針も診断処方も無い
└──── 矢ヶ崎克馬(沖縄県西原町在住)
(e)厚労省「人口動態調査」は矢ヶ崎克馬と小柴信子が分析を進めています。『放射線被曝の隠蔽と科学』では「粗死亡率(毎年の死亡者を人口で除する)」から、2011年以降2017年までで、死亡者の異常増加が27万人に及ぶことを示しました。
(f)その後「人口調整死亡率」(1985年を標準として、年齢構成が不変とした場合の死亡率)では明瞭に2011年以降死亡率が一貫して増加していることを確認いたしました。
(g)「男女別年齢別死亡率」では体力のある青年・壮年層の死亡率は2011年以降減少し、19歳以下と60才以上の小児/お年寄りは死亡者の異常増加がありました。9年間で死亡者の異常減少した人数が57万人、異常増加した人数が63万人で、見かけ上、7万人の死亡増加があることが確認出来ました。
沖縄では「チュラシマ・ウツクシマ交流協定」(チュラシマは沖縄、ウツクシマは福島)があり、大量に福島米が移入されました2012年、県民一人あたり3.2kg)。各種の健康異変が起きていますが、「老衰死」は2010年以前の約20倍に急増して継続しています。これらのデータは他の健康不良と合せて拙著『放射線防護の科学と人権』に掲載されています。
(h)子どもに現れている健康不良は小児甲状腺がんだけではありません。学校の特別指導学級の生徒数も2011年以降うなぎ登りです(文科省データ)。学生の健康不良も同様です(日本学徒援護会)。原子力ムラは放射能のデータを示さないと放射能被害とは絶対認めない姿勢を取っています。しかし諸健康指標が一斉に2011年で急変することは原発事故と時間的相関があり、「被曝の影響」が第一の原因と思料されます。
(i)なぜこの様に多くの犠牲者が出たのか? それはこの国が、市民を守らなかったからです。「永久的に汚染された地域に住民を住み続けさせる(IAEA1996年会議)」ことをした上で、人権的に棄民した汚染地域居住者に、生産させ、生産物を内部被曝(汚染された食材・水と共に放射性物質を体内に入れ、体内で放射線が発射されて被曝する)を半ば強制する「食べて応援」で全国民に被曝させたのです。被曝被害が全国化しました。
(j)小生と連れ合いの沖本八重美(広島胎内被爆者)は東電事故で拡散された放射能の「内部被曝を少しでも阻止しなければ」との思いを強く持ち、小生は2011年3月24日に福島入りをしたのをきっかけに、2011~2022年の2年間で合計245回に及ぶ内部被曝警告の講演活動を行いました。沖本は沖縄で避難者支援を行い、福島には私と共に多数回入り懇談活動をしました。悲劇が起き、沖本は2013年初頭に心臓発作で斃れ、小生は心臓下半分が麻痺し、大脳が萎縮する異変を起こしました。残念ながら、「食べて応援」の大合唱に対して流れを変えることはできませんでした。
(k)非常に重大なのは、住民の健康を守るべき医療現場には「放射線障害」を見抜く診療指針も診断処方も無いのです。肥満症とか糖尿病患者さんは、カロリーを減らせとか、糖分は制限しなさいとか、原因を絶つ指導がなされますが、医療現場、保健現場には「内部被曝を軽減しなさい」等という指導は全くありませんでした。むしろ食べて応援に協力して病院食を福島米に指定した病院が実に多いのです。
被曝被害は、がんに対する対処は明確ですが、がん以外の被曝症状に対しては全く無力であり、住民を守ることができていません。それも加わって、日本の健康被害が拡大したものと思われます。チェルノブイリ周辺では行政だけでなく(チェルノブイリ法などに現れている)、医療者や専門家が放射線被曝から市民を守ることに全力を挙げ、20年間に5000報を超える医療報告が出されたの対し、日本では両手で数えられるほどしかありません。日本の被曝診療・医療怖るべし。即刻の改善が求められます。
なお、『放射線防護の科学と人権』を矢ヶ崎克馬から、直接購入される場合は、著者割引の価格で、送料込みで2500円でお分けすることができます。yagasaki888@gmail.com 迄ご連絡ください。
私たちは「科学と人権に立脚する被曝評価体系」を作らねばなりません。人間と環境・地球の未来を守る被曝評価体系です。頑張りたいと思います。力を合わせましょう。(避難者通信 第153号 2025/1/12より)
6.矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授著書
(1)隠された被曝-矢ケ崎克馬/著(新日本出版社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032454729&Action_id=121&Sza_id=C0
(この矢ケ崎克馬先生の著書は、私が下記のレポート『放射線被曝の評価単位 シーベルトへの疑問』を書くヒントをいただいた貴重な図書です:なお『放射線被曝の評価単位 シーベルトへの疑問』は印刷費 ¥100 で販売中です:田中一郎)
(関連)(増補版) 放射線被ばく評価の単位「シーベルト」への疑問- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html
(関連)(セシウムの百倍の危険性) 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-cc7b.html
(2)裁かれた内部被曝 熊本原爆症認定訴訟の記録-熊本県原爆被害者団体協議会/編 原爆症認定訴訟熊本弁護団/編 矢ケ崎克馬/監修 牟田喜雄/監修(花伝社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032794315&Action_id=121&Sza_id=C0
(3)内部被曝-矢ケ崎克馬/著 守田敏也/著(岩波ブックレット)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032719879&Action_id=121&Sza_id=C0
(4)福島への帰還を進める日本政府の4つの誤り 隠される放射線障害と健康に生きる権利-沢田昭二/著 松崎道幸/著 矢ケ崎克馬/著 島薗進/著 山田耕作/著 生井兵治/著 満田夏花/著(旬報社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033152302&Action_id=121&Sza_id=C0
(5)放射線被曝の隠蔽と科学-矢ケ崎克馬/著(緑風出版)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034201415&Action_id=121&Sza_id=A0
草々
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