「脱炭素・入水素」の正体は「ピンク水素」だった:水素エネルギー社会・燃料電池車のクリーンな街、を支える水素の大量生産は、化石燃料または原発が担う=「脱炭素」盲従主義がもたらす(水素)ポンポコリン事態の愚かさ
前略、田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
============================
◆(別添PDFファイル)高温ガス炉 世界で開発競争、脱炭素へ水素製造に期待 核燃料の処分課題(朝日 2024.8.23)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16016543.html
(関連)(別添PDFファイル高温ガス炉が抱える諸問題(小川雅生東京工業大学名誉教授『原子力資料情報室通信 第582号(2022121)』)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVliF27i0hrc9ouzeU?e=SjqqaA
<田中一郎コメント>
「脱炭素」盲従主義がもたらす幻想の「水素社会」
*「脱亜入欧」:アジア蔑視の差別主義者である福沢諭吉が残した言葉、日清日露戦争から朝鮮中国侵略・アジア太平洋戦を経て大日本帝国を滅亡へと導く
*「脱炭素・入水素」:「脱炭素」盲従主義者たちのアホダラ教の教義、「(超)高温ガス炉」という自滅型発電機で水素を大量生産しようとして、巨大な負の遺産(核ごみ他)を残し、過酷事故時の対処処理の方法もわからぬまま放射能汚染地獄に陥って滅亡に至る
◆原発で造る水素のことを「ピンク水素」といいます。風俗営業の水素なのでしょうか?
https://spectra.mhi.com/jp/the-colors-of-hydrogen-expanding-ways-of-decarbonization
朝日カバカバ新聞の科学部の書いた記事だ。朝日カバカバ新聞の科学部と言えば、福島原発事故直後から、科学的実証的な根拠もないままに、放射能汚染や被ばくの過小評価を原子力ムラやその代理店政府(当時は民主党政権であり「直ちに健康に影響はない」などとうそぶいていた枝野幸男がいたことをお忘れなく=今度、立憲民主党の代表選挙に出てくるそうだ=のちほど徹底批判)と歩調を合わせて、犯罪的とでも言うべきクソ報道を繰り返していた部署である。そこがまたまた原発大推進の岸田文雄自公政権の応援団ヨロシク、かような記事を載せている。「塀の外の懲りない面々」さながらである。
ところで、私は原子力工学の専門家ではないから、このインチキ臭い「高温ガス試験炉」(HTTR)やその次の世代炉の「(超)高温ガス炉」(HTGR)について、その詳細は知らない(原子力工学に詳しい方に批判的なレポートを書いていただきたい)。しかし、朝日新聞記事に書かれていることからだけでも、この新型原子炉が決して順風満帆の軽快なもので、今後のエネルギー革命を切り開いていくものでないことは、うっすらと透けて見えている。以下、私がこの記事に素朴に抱いた疑問点を列記しておく。今後はこの原子炉についてアンテナを高め、いろいろと情報を収集しながら、かような研究開発をやめさせる方向で動いていきたい。
(1)セラミックで包まれた直径1ミリの核燃料ボールの後始末はどうするのか? プルサーマル炉の使用済み核MOX燃料以上に発熱度合いが大きく、数百年にわたって冷却・管理が必要となるのではないか? 典型的な「アリとキリギリス」(イソップ童話)型の原子炉になるのではないか? (MOX燃料=混合酸化物燃料(Mixed−Oxide)の略)
(2)この原子炉は冷却不能(冷却材のヘリウムガス喪失:LOCA)になっても、制御棒が入らなくても、高温になると核分裂は続かなくなるため出力は自然に下がるという。記事では、わずか数分で出力が10%に下がったという。だとすると、この原子炉は、出力を上げて高温を維持して水素を大量生産する場合に、その出力維持ないしは調整に苦労するのではないか? 高温になったからといって勝手に出力が落ちてしまっては困るではないか。(朝日カバカバ新聞が誤認識で書いている可能性あり)
(3)「黒鉛構造物の高い熱伝導に加え、原子炉圧力容器内の冷却材ヘリウムガス、原子炉圧力容器外側の空気による自然対流による除熱と、原子炉圧力容器外表面からの熱放射による除熱により、炉心の崩壊熱を除去することが可能。」(「日本原子力研究開発機構」(JAEA))➾ 放射能の閉じ込め能力はどうなのか? 1000℃を超える高温環境下で炉心の状態に変化はないのか? 制約条件なしの巨大地震・巨大津波に襲われた際を想定した(過酷条件の)実証試験で証明していただくしかない。そしてこれでも日本列島を覆う火山リスクには耐えられない。
(4)減速材の黒鉛は燃えやすい。冷却材喪失や制御棒不能により核燃料が非常な高温になった場合に、この減速材の黒鉛が空気に触れて自然発火することはないのか? チェルノブイリ原発事故の際にも似たようなことが問題になっていたような気がする。
(5)小川雅生東京工業大学名誉教授が『原子力資料情報室通信 第582号(2022.12.1)』で書いている小論文は非常に参考になるので、是非ご一読いただきたい。熱交換器が地震の揺れその他で破損した際に軽水が炉心に侵入することがあると書かれている。数百度に熱せられた減速材の黒鉛に触れれば、たちまち水蒸気爆発を引き起こすだろう。福島原発事故の爆発(水素爆発&CO爆発&核爆発)とは少し原理が違うけれど、原子炉が爆発することに違いはない。福島原発事故の場合は原子炉建屋の爆発だったが、こちらは原子炉そのものの爆発である。チェルノブイリ原発事故と同じような事態となるに違いない。(この危険性は致命的)
(6)原子力資料情報室によれば、①「水素社会」なるものが仮に化石資源を代替するとした場合に必要となる水素の量に比べて、この「(超)高温ガス炉」(HTGR)が生み出す水素の量はごくわずかで、絶対的に量が足りない。言われているコジェネ利用をした場合には、更に量的にわずかの水素しか生産できない。②また同室は、この原子炉による水素生産のコストが非常に割高で、およそ実用化には向かない可能性も指摘している。(コスト的に見込みのない核分裂原子炉の研究などはやる必要なし=原子力ムラのおもちゃに等しい)
(7)何度も申し上げてきているが、原発ではなくて、化石燃料から水素を生産するくらいなら、化石燃料をそのまま使えばいい。何故にわざわざ水素生産に迂回してエネルギー利用する必要があるのか。エネルギー効率を下げるだけである。また、「再生エネ」による水素生産は小規模でローカルであればいいが、大規模にやるためには「再生エネ」電源が全然たりない。結局、化石燃料資源からの水素利用でOKなのは、家庭用燃料電池くらいである(エネルギー効率が80%近いから)。
何でもかんでも水素にしたがる人たち=私が生まれ育った口の悪い大阪では、こういう連中を「(流行水素に便乗した)うれしがり」といってバカにしている。「なんでもかんでもみんな、水素で踊っているよ」から始まるかつての流行歌にも「(原子炉の中からほわっと)インチキおじさん登場」という歌詞が出てくる。
◆おどる(水素)ポンポコリン - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QnZWvSWUhtU
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(関連)高温工学試験研究炉(HTTR)の概要
https://www.jaea.go.jp/04/o-arai/nhc/jp/faq/httr.html
(関連)CO2を発生させない水素製造 - 脱炭素実現の切り札となる機構の高温ガス炉 -|原子力機構の研究開発成果をわかりやすく紹介|研究成果|国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
https://www.jaea.go.jp/study_results/representative/c2-03.html
(関連)原子力小委員会革新炉ワーキンググループの中間とりまとめを批判する - 原子力資料情報室(CNIC)
https://cnic.jp/45890
(関連)高温ガス炉に関する技術情報集 - JOPSS(「日本原子力研究開発機構」(JAEA)
https://jopss.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Technology-2023-019.pdf
(関連)高温ガス炉技術開発に係る今後の研究開発の 進め方について https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/10/20/1352385_02_1.pdf
(関連)超高温原子炉(HTGR) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E9%AB%98%E6%B8%A9%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89
(関連)超高温ガス炉 - 第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)
https://gif.jaea.go.jp/reactor/vhtr/index.html
============================
草々
« 「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(157):きちんとした判断ができず、仕事もまともにできないような人達が原発を稼働する恐ろしさ(原子力ムラ総無責任体制)& 井戸謙一弁護士から能登半島地震について重要なアドバイス | トップページ | 絶望の日本政治:自民党総裁選という「選挙の顔」を選ぶガラクタ市、立憲民主党代表選という「自民補完」への廃品回収陳列会=これが1990年代の「(似非)政治改革」のなれの果て、こんな政治家どもを野放しにしているのはあなた方有権者・国民です »
« 「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(157):きちんとした判断ができず、仕事もまともにできないような人達が原発を稼働する恐ろしさ(原子力ムラ総無責任体制)& 井戸謙一弁護士から能登半島地震について重要なアドバイス | トップページ | 絶望の日本政治:自民党総裁選という「選挙の顔」を選ぶガラクタ市、立憲民主党代表選という「自民補完」への廃品回収陳列会=これが1990年代の「(似非)政治改革」のなれの果て、こんな政治家どもを野放しにしているのはあなた方有権者・国民です »
コメント