« 絶望の日本政治:自民党総裁選という「選挙の顔」を選ぶガラクタ市、立憲民主党代表選という「自民補完」への廃品回収陳列会=これが1990年代の「(似非)政治改革」のなれの果て、こんな政治家どもを野放しにしているのはあなた方有権者・国民です | トップページ | 脱原発脱被曝バック・ナンバー(71)(抜粋)(2024年7月~8月) »

2024年8月30日 (金)

巨大地震と噴火、浜岡原発の事故リスク!!:江戸時代の富士山宝永大噴火は、元禄関東地震、宝永南海トラフ地震と連動! 政府・自治体の地震と噴火時の対策は、原発事故を想定せず!(IWJ報道)

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
================================
1.(9.25)再開「新ちょぼゼミ」第1回:オルタナティブな日本をめざして 「日本の裁判所はこうしたら変えられる」(田中一郎:たんぽぽ舎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-ef8a7e.html

(関連)(別添PDFファイル)最高裁判事2人をやめさせたい理由とは…原発訴訟で国の責任を否定した不可解な経緯 弁護士らが弾劾請求:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/344577

(裁判しました、負けました、終わりました、ではダメです。この次は、このロクデモナイ役所である裁判所・裁判官を変えましょう。そうしないと同じことが繰り返されてしまいます。主権者は私たち有権者・国民です。この原点をしっかりと認識して立ち上がりましょう。:田中一郎)


2.(チラシ)(11.20)講演会:ジャーナリストとして50年言い続けてきたこと、言い続けるべきこと(天笠啓祐さん 飯田橋)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVliVG4T6CUgS83QaH?e=JxlJMD


3.(新刊書)命を守る食卓-鈴木宣弘/監修 印鑰智哉/監修・執筆 安田節子/監修(宝島社)https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000007529524&Action_id=121&Sza_id=F2

(関連)(別添PDFファイル)アスパルテームに発がん性、ダイエットにならず健康に悪影響(『いのちの講座 NO.147』2024.6.29)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVliYRBLLCqLFAWE0_?e=hQTLTQ

(関連)食政策センターVsion21(安田節子)公式サイトと『いのちの講座』
 https://www.yasudasetsuko.com/vision21/

(アスパルテームという人工甘味料は様々な加工食品に入っていますので要注意です。また、スクラロースという人工甘味料についても私は警戒していて避けるようにしています(下記参照)。一般的に人工甘味料は体によろしくないと聞いています。:田中一郎)

(関連)本当に危ない人工甘味料(その2) |くにちか内科クリニック
 https://kunichika-naika.com/information/hitori202007


4.自民党総裁選報道の狂騒 与党の広報に成り下がったテレビ局の情けなさ|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/359744

(おっしゃる通りです。新聞・TV・雑誌、こんな報道しかしないのなら消えてなくなれ!!:田中一郎)


5.「新鮮味ない」立憲代表選、自民-お祭り騒ぎ-に埋没 政権交代にらみ「昔の名前」ばかりが前面に - 国内政治 - 東洋経済オンライン
 https://x.gd/gRwqp

(関連)「1期生」吉田晴美氏 立憲代表選に意欲(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/8552530231121b98947fb2256e680c1b4affe701

(数年前の杉並区長選挙(前々回)の時のこの女性の振る舞いを知っているので、私のこの女性に対する印象はよろしくない。少し前の衆議院選挙の時も山本太郎氏とトラブルを起こしている。そして今回がコレである。この女性に「常識」というものはないのだろうか? 野党第1党の代表とは、次期総理大臣就任の可能性を含んでいる。「1期生」の政治家が担える仕事なのか? あなたがすべきことは、あなたの先輩の女性議員を代表候補に担ぎ出すために尽力し、説得し、走り回ることだ。あんたが大将、ではない!:田中一郎)


6.このままでは廃墟のような建物が乱立… 都市部のマンションが直面する「2つの老い」という大問題(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/471837eeb39056da863d4f27f94fb91eb2c72218

(関連)(必読)土地は誰のものか 人口減少時代の所有と利用-五十嵐敬喜/著(岩波新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034295042&Action_id=121&Sza_id=C0

(タワマンや高層オフィスビルは首都東京の環境破壊の元凶であり、ヒートアイランド現象を引き起こす大きな原因の1つでもある。これにきちっと反対できない政党・政治勢力や政治家、市民運動・社会運動は、みなニセモノである。近未来の廃墟となること必定だ。:田中一郎)


7.その他いろいろ

(1)「軍隊は住民を守らない」教訓として心に刻まれた言葉 重なる沖縄戦の記憶と自衛隊の今(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/7d513326d2709a30ca56c841c748f1a271093cdf

(2)「朝鮮人虐殺を認めろ」 追悼文不送付で学生デモ(共同通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/6ffa94fe52b6ff64bbb691b5fa4fb83cf04c70fe

(3)2024年から年額1000円「森林環境税」の目的とは?「森がない都市部の住民」から徴収に不満の声も…“環境保全”の意義(弁護士JPニュース) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/08e274cfb869e9c51cf15aaba843196b1849904a

(4)JA新潟厚生連の経営悪化 “来春 資本枯渇か” 地域医療存続へ 6市が県に緊急措置を要望(TeNYテレビ新潟) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/d525a8f0eb4f60f42a82ff528cbff7b9f6b14fea

(5)房総半島沖に微小プラの「ホットスポット」 深海に年2.8万トン - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20240828/k00/00m/040/290000c

◆日刊IWJガイド・非会員版「NATOとウクライナによるロシア領クルスクへの侵攻に、ロシアが反撃、ウクライナ全土に大規模攻撃!」2024.8.29号~No.4314 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53850

<IWJ取材報告 1>「これまでの数々の薬害の中で、被害者数、死亡者数が最も多い薬害は?」とのフリー記者・藤江氏の質問に対し「個々の事案の被害者数等については把握の仕方が非常に異なり複雑であり、一概に比較することは簡単なことではない」と武見厚労大臣~8.27武見敬三厚生労働大臣定例会見 (mRNAコロナワクチンではないのか、ごまかすな!:田中一郎)

<IWJ取材報告 2>ワクチン接種者から輸血を受ければ、必ず抗体が導入される! 厚労省は研究班を作ってリスクを調べるべきなのに、厚労大臣が門前払いして国民の命を無視している!~8.23 mRNAワクチン中止を求める国民連合主催 レプリコン差し止め訴訟緊急記者会見

(恐ろしい話である。輸血もできなくなるのか? スパイクたんぱくやmRNAも一緒に入ってくるということ???:田中一郎)

(科学が支配権力や巨大資本に包摂される時代=21世紀は、一歩間違えれば、人類滅亡・全生物死滅に至らないとも限らない。これは決して大げさなことではなく、人類が手にしているサイエンスやテクノロジーは、使い方によってはすさまじい破壊力となるからだ。最も警戒しなければいけないのは、2つの核(原子核と細胞核)をめぐる動向、つまり核・放射能とバイオテクノロジーである。:田中一郎)
================================


「巨大地震と噴火、浜岡原発の事故リスク!!:江戸時代の富士山宝永大噴火は、元禄関東地震、宝永南海トラフ地震と連動! 政府・自治体の地震と噴火時の対策は、原発事故を想定せず!(IWJ報道)」をお送りいたします。併せて昨今の若干の原発情報を添付いたします。

日本国中が、超危険、超汚い、超高コスト、の原発・核燃料サイクル施設で、一寸先は闇、の状態を強いられています。断固として脱原発・反原発を貫いていくことが、私たち日本人が生き残る唯一の道です。政治家どもの甘言や戯言に惑わされたり、誘導されたりして、騙された瞬間から、私たちの滅亡へ向かっての行進が始まるとお考えください。原発とその放射能はすさまじいものですから。


◆IWJは今現在、経営難の状態にあります。みなさまの浄財にて経営を支えていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。会員となってIWJのネット報道を守ってください。
 http://iwj.co.jp/

(新規会員登録)(長い説明の後・サイトの一番下に申込アイコンがあります)
 https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

(寄付・カンパ)
 https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html


 <別添PDFファイル>

(1)敦賀原発再稼働を拒む浦底断層、敷地内他断層への影響予測不能(毎日 2024.8.29)
 https://mainichi.jp/articles/20240829/ddm/016/040/009000c

(2)浜岡原発 止まった12年、描けぬ再稼働 新規制適合ゼロ(東京 2023.5.14)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/236022

(3)浜岡原発停止13年 中部電 遠い再稼働、南海トラフ震源域 終わらぬ審査(東京 2024.5.15)
 https://digital.asahi.com/articles/ASS5G45SKS5GUTPB001M.html

(4)「南海トラフ地震」権限と利権、科学的知見に基づく再検証を(中島岳志 東京 2024.8.27夕刊)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/346189

(もともと大地震発生の確率などというものがアテにならないのではないか? (同じく原発の確率論的安全評価なるものもそうだ)。そんなものをああでもない、こうでもないと議論してみても、意味があるとは思えない。南海トラフ地震について言えば、川内、伊方、浜岡の3つの原発を含めて、南海トラフ地震の被害を受けるであろう地域の大地震対策や住民対応がほとんど手つかずであり、今のままでは危ない、という状態なので、この南海トラフ地震の「確率」とは、日本社会に対する大地震の危険度の度合いを示していると見ておけばいいのではないか? とりわけ上記3原発の手抜き管理の現状は近未来の悲惨な原発震災を予想させる(浜岡については下記参照)。たとえば能登半島地震に見られた土地の不均等隆起や地割れが3原発を襲えばどうなるのか? 想像しただけでもぞっとする。原発再稼働を容認して「脱炭素」を叫ぶアホウどもに、あるいは「市民連合」ならぬ「日和見連合(ひよれん)」に聞いてみたいものです。:田中一郎)

 <地震予知も火山噴火予知も科学的にはできません>

(1)最新技術で本当に地震予知は可能なのか? - アイエムエー
 https://www.imanet.jp/earthquake-effect/earthquake-prediction/

(2)噴火警戒レベル1でも…噴火予測や予知は困難 火山情報のジレンマ - NHK
 https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20191028_01.html

(近未来に到来する大地震の規模などわかるはずもなく、また、将来的に予知不可能な大噴火が起きるかもしれないにもかかわらず、大事故を起こせば国が亡ぶかもしれない原発・核燃料サイクル施設を稼働させるバカ者たち、見ざる聞かざる言わざるに徹してタカリ行為を働きながら原発稼働を容認するバカ者たち、そして、原発のことなど何にも知らない・知ろうともしないで科学的根拠を厳しく確認することなく情緒的に「脱炭素」を叫ぶバカ者たち、原発・核燃料サイクル施設とは、この3馬鹿トリオによって推進されている。やめさせなければ、我々が彼らと一緒に原発心中をさせられることとなる。:田中一郎)

(関連)立憲民主の原発ゼロは「国民に選ばれない」 国民民主・玉木氏が批判 泉氏は「4年前、玉木氏もいいと…」:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/341104

(こういう連中が最もタチガ悪い。彼らの言う脱原発とは「言葉遊び」「言葉いじり」のことである。:田中一郎)


 <原子力「寄生」委員会の火山リスク審査で私が最もおかしいと思う点>

(1)火山噴火を事前に予知できるとしている点。

(2)更に、その予知に基づいて、使用済み核燃料や使用中の核燃料を運び出し、別の安全な場所へ移動できるとしている点(そのための何の準備もしていないという「超いい加減」な態度)

(3)火山噴火で降下してくる火山灰や火山弾に対する備えや対策が極めて楽観的で手抜き(危険性を甘く見すぎている)

(4)基準地震動の評価では過去12万年まで遡り、場合によっては40万年前まで見る、というルールなのに、火山リスクについてはそれがはっきりしない。私は地震も火山も、少なくとも100万年前くらいまで遡って見ておくべきだと思っている。

(5)過去数万年の間に起きた最大規模の火山噴火を除外して、2番目に大きい、ほどほどの大きさの火山噴火をリスク分析の対象にするという、訳の分からないことをやっている(例:大山火山噴火と若狭湾原発)

◆(報告)(2.27)オルタナティブな日本をめざして(第99回):「原発と火山リスク」(中野宏典弁護士:新ちょぼゼミ)(2024年2月27日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/03/post-4c3118.html


1.日刊IWJガイド「巨大地震と噴火、浜岡原発の事故リスク!! 南海トラフ地震の全犠牲者の約3分の1が静岡県に集中! 津波だけで死者約9万6000人!」2024.8.22号~No.4308
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53813

■静岡を襲う巨大地震と噴火リスク、そして浜岡原発の事故リスク!! 南海トラフ地震の犠牲者の約3分の1が静岡県に集中! 津波だけで、約9万6000人が亡くなる! 南海トラフに加えて駿河トラフ、相模トラフの3重トラフが重なる大災害エリア! 想定される地震は南海トラフ巨大地震(M9)、東海地震、東海・東南海地震 、東海・東南海・南海地震の3連動(M8.0~8.7)、神奈川西部を震源とする大正型関東地震(関東大震災、M8.0)、元禄型関東地震(M8.2)、加えて浜岡原発を抱え、活火山である富士山の噴火リスクもある!(前編)

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 太平洋に臨む静岡県の海岸線は、駿河湾、遠州灘、伊豆半島を含みつつ、約500キロメートルにも及びます。静岡県は、南海トラフの震源域の中では、高知県の約710キロメートル、和歌山県の約600キロメートルに次いで長い海岸線を持っています。

この静岡県の海岸線約500キロに、南海トラフ地震では、大津波が押し寄せることになります。静岡では、津波だけで、約9万6000人が亡くなると想定されています。この死者数は飛び抜けています。海岸線のほとんどが、外洋に面しているため、津波到達時間が非常に速いことも特徴です。

たとえば、浜岡原発のある御前崎の津波到達時間は、地震発生後約5分です。地震、津波、そして仮に原発事故が起きたら、迅速に安全地帯まで逃げられるでしょうか!? 8月8日の日向灘地震以降、南海トラフ地震への関心の高まりと、メディア・ネットでの情報は急増しましたが、浜岡原発や伊方原発の事故の可能性について論じるものはほとんどなく、地震域内にこれらの原発が存在することについて、言及することも、またしても、いつのまにか、なくなっています。

南海トラフ地震では、静岡県では、浸水深 2メートル以上が、なんと68.9キロ平方メートルにも及びます。南海トラフ地震に伴う国の試算では、最悪のケースでは全国で約32万3000人が犠牲となり、国民の約46%が被災者になるとされています。そのうち静岡県では、約10万5千人が犠牲となると予測されています。南海トラフ地震の全犠牲者のおよそ3分の1が、静岡県に集中すると見られているのです。

生き残った人の中でも、身動きのなかなかとれない高齢者や病人、子供、妊娠中の女性、障害者の方々もいると思われますが、津波の届かない距離まで、なんとか避難することができても、東日本大震災の際の福島第一原発事故のような原発事故が浜岡原発で起きれば、北から南へ風が吹き続ければともかく、風向き次第で、右往左往しなくてはなりません。そんな避難準備のための対策は、まったく準備ができていません。

※想定される地震の被害(静岡県、2024年8月21日閲覧)
https://www.pref.shizuoka.jp/bosaikinkyu/sonae/earthquake/bosaicenter/1003638/1043919/1003654/1003657/1030140.html

静岡県は、震源域(駿河トラフ・南海トラフと相模トラフ)と、地震・津波の程度(レベル1とレベル2)の違いから、合計、4つの類型を考えて、地震被害を想定しています。

※第4次地震被害想定(第1次報告)のポイント (PDF 2.4MB)(第一次報告(平成25年6月)、静岡県、2024年8月21日閲覧)
https://www.pref.shizuoka.jp/bosaikinkyu/sonae/earthquake/1040810/1029868.html

駿河トラフは、日本の静岡県沖に位置する海底地形の一部で、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む場所です。駿河湾の沖合に位置しており、南海トラフの一部とされていますが、特に東側に位置する部分を指し、伊豆半島の西側から駿河湾にかけて広がっており、静岡県沿岸部のすぐ沖合に位置します。駿河トラフは、巨大地震の震源域として知られており、過去にはここを震源域として、大規模な地震が発生しています。1854年の安政東海地震や1944年の昭和東南海地震などが代表的です。南海トラフとの関係では、駿河トラフは南海トラフの東端に位置しており、南海トラフ地震が発生する際には、駿河トラフも大きな影響を受けると考えられています。このため、静岡県では、駿河トラフと南海トラフは一つのカテゴリーにまとめられています。

相模トラフは、神奈川県の相模湾から南東方向に伸び、伊豆半島沖、房総半島沖を通る形で存在し、1923年に発生した関東大震災(大正関東地震)の震源となったトラフです。関東大震災は、地震後に発生した大火によって、東京中を焼け野原にし、死者・行方不明者は約10万5000人にものぼります。正確な統計の残る明治以降の地震災害では、最大の被害者を出しています。それだけに、相模トラフの動向は気になります。

相模トラフは、関東地方の南東部、相模湾から房総半島沖にかけて位置する海底地形の一部で、フィリピン海プレートが北アメリカプレートの下に沈み込む場所です。相模トラフ沿いで発生した地震のうち、史上最大規模のものは、実は1923年の関東大震災ではありません。M8.2程度の元禄型関東地震です。

これは、1923年に同じ震源で起きたM7.9だった関東大震災のマグニチュード(地震のエネルギー)を上回るものです。この規模の地震が現代において起きると、静岡県では、死者は約6000人、津波だけで5700人の犠牲者が出ると想定されています。これに対し、駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生する南海トラフ地震のうち、最悪の地震はM9が予想されています。最悪の場合、静岡県内の建物の約2割が全壊・焼失します。死者数は、静岡県だけで約10万5000人です。関東大震災と並んでしまうわけです。

静岡県の人口は、2024年時点で、約351万人ですから、南海トラフ地震が起きると、県内人口の約3%がお亡くなりになってしまうことになります。建物の全壊・焼失棟数は、約2万7000棟と想定されています。静岡県の場合、遠州灘と駿河湾を分ける位置にある、太平洋に突き出した御前崎岬に立地する浜岡原発の事故というリスクも抱えます。

IWJが、静岡県の原子力対策安全課に問い合わせたところ、浜岡原発が南海トラフ地震で事故を起こした場合の被害想定は、県の方では特にしていない、ということでした。被害想定もしていないのですから、行政としてやるべき避難計画や訓練など、原子力事故時の対応を、まったく行っていないことになります。これは驚くべきことです!

静岡県が、このように、原子力事故防災意識が一切欠落した状態にある、という事実を伝えている新聞・テレビなどのマスメディアは、皆無であると思います! 当然、静岡県民も、その周辺の都県民も、避難の計画や準備もできていません。

(中略)
内閣府が、2024年6月6日に策定した「第17回浜岡地域原子力防災協議会作業部会資料」の「浜岡地域の避難計画の充実化に向けた対応(イメージ)1原子力災害対策重点区域・広域避難先」によると、浜岡原発が原子力災害を起こした場合、避難対象になる人口は、浜岡原発の立地する御前崎市や牧之原市、掛川市など、なんと、81万7378人にものぼります。この81万人強の人口が、原子力災害単独の場合、静岡県内や山梨県、三重県など5県に避難するとしています。

(中略)
どうやって、東京や、石川県などへたどりつくのでしょうか? その途上に位置する関東や中部の各県も被災しており、避難のために右往左往しているのです。81万人強の人口の安全な移動手段がありません。しかも、原発のメルトダウンが起きていれば、遠方への避難は一刻を争います。地方に立ち止まっているわけにはいきません! これほどの巨大震災となると、一つの県だけで準備や訓練ができるものではなく、国とともに、避難のための準備や広域の連携、訓練を重ねていなければいけません。そんな準備はまったくできていないということです。国も県レベルの行政も、何をしているのでしょうか!?

※第17回浜岡地域原子力防災協議会作業部会資料分割1/3(浜岡地域、原子力防災協議会作業部会、2024年8月21日閲覧)
 https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/02_hamaoka.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(おそらく、川内原発のある鹿児島県、伊方原発のある愛媛県も、上記の静岡県と同じような状態ではないかと推測します。:田中一郎)


2.日刊IWJガイド「静岡を襲う複合災害リスク!! IWJは静岡県に直撃取材! 静岡県は、富士山が噴火しても、浜岡原発のことは考えていない!!(後編)」2024_8_23号~No_4309
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53816

■はじめに~南海トラフ地震によって最大の被害を出すと予想される静岡県! 静岡で懸念されているリスクは、巨大地震・津波だけではない! 富士山・箱根山噴火リスク、そして浜岡原発の事故リスク!! IWJは静岡県に昨日に続いて直撃取材! 静岡県は、富士山が噴火した場合、浜岡原発のことは何も考えていない!!(後編)

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日の前編でも伝えしたように、静岡県が南海トラフ地震に見舞われる場合には、最大の犠牲者を出し、なんと全犠牲者の約3分の1が静岡県民になると言われています。しかも、地震・津波の想定災害は、南海トラフ由来だけとは限りません。

1923年の関東大震災を引き起こした相模トラフも抱え、想定される地震だけで、南海トラフ巨大地震(M9)、東海地震、東海・東南海地震 、東海・東南海・南海地震の3連動(M8.0~8.7)、神奈川西部を震源とする大正型関東地震(関東大震災、M8.0)、元禄型関東地震(M8.2)、そして震源域内に浜岡原発を抱え、れっきとした活火山である富士山や箱根山の噴火リスクもあるというのです。

後編では、上記のさまざまな地震や火山噴火などで、浜岡原発事故が起きて、被害がさらに広大な領域に及ぶ巨大な原発災害となる「複合災害」になった場合、静岡県や周辺地域はどうなるのか、ほとんどのメディアが報じない富士山の噴火リスクと浜岡原発事故リスクなどについてお伝えします。

(参考)日刊IWJガイド・非会員版「南海トラフ地震が想定されているエリア、日向灘でM7.1の大地震! 気象庁は『巨大地震注意』を発表!浜岡原発と伊方原発が危ない!」2024.8.10号~No.4300
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53777

『日刊IWJガイド』8月10日号でもお伝えしたように、浜岡原発(御前崎市)は、『朝日新聞』の「南海トラフ地震の被害想定」によると、最大震度7、最大津波高19m、津波到達最短時間は、わずか5分です。

※南海トラフ地震の被害想定(朝日新聞、2015年9月28日)
 https://www.asahi.com/sp/special/nankai_trough/

静岡県の浜岡原子力発電所(御前崎市)の現状は、中部電力によると、1、2号機は廃止措置の第2段階にあり、すべての燃料の搬出が終了していますが、3号機、4号機、5号機の3機は、定期点検中で、燃料は、使用済燃料貯蔵プールに保管されています。使用済核燃料といえども、冷やし続けないと、熱を帯びてメルトダウンしてしまうので、冷却水の循環システムは、延々と途切れることなく続けなければなりません。廃炉を決めてからも、約10年間は冷却水のプールで冷やし続け、それからやっと、乾式キャスクに移すことができるのです。

※日向灘を震源とする地震への対応状況について[PDF:49KB](中部電力、2024年8月8日)
 https://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/hamaoka/

津波対策として、浜岡原発は、海抜22mの防波壁を設置しています。

※海抜22mの防波壁の設置(中部電力、2024年8月9日閲覧)
https://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/hamaoka/anzen/genba/bohaheki/

前述したように、最大津波高は19mとされていますから、防波壁を高くしたことで、津波の被害は、クリアできて、ひと安心のように思えます。 しかし、東日本大震災でも、本当に津波だけがメルトダウンの原因なのか、議論され続けてきたように、津波が直撃しなくても、地震動によって配管がメチャメチャに破壊されたり、送電線や鉄塔などの送電設備が地震で倒れて(実際、福島第一原発では、送電線の鉄塔が地震動でぐにゃぐにゃにゆがんで倒れた)、電源が切れてしまうと、冷却水による冷却ができなくなって、メルトダウンに至ることもありえます。

政府や自治体、マスメディアも、地震と津波に対する、常日頃からの備えを説くならば、地震・津波とともにシビアアクシデントを起こしうる危険な原発は、少しでも早く、廃炉にして、撤去しておく必要があります。

※はじめに~南海トラフ地震が想定されているエリアの南西の端、日向灘でM7.1の大地震! 宮崎県で震度6弱!気象庁は「巨大地震注意」を発表! この1週間以内に、M8から9の本震が来る可能性もあると警告! M8はM7と比べるとエネルギーが約30倍!M9はM7の約千倍! さらに神奈川西部を震源とする震度5弱の地震も! 東海・東南海・南海トラフ地震のエリアの原発はどうなるのか!? 危ないのは、静岡の浜岡原発と、四国の伊方原発! しかし政府やNHKなどマスメディアは、原発事故の可能性についてはまったく言及せず、注意喚起もしていない!(日刊IWJガイド、2024年8月10日)

会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240810#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53777#idx-1

前編でお伝えしたように、内閣府が、2024年6月6日に策定した「第17回浜岡地域原子力防災協議会作業部会資料」の「浜岡地域の避難計画の充実化に向けた対応(イメージ)1原子力災害対策重点区域・広域避難先」によると、浜岡原発が原子力災害を起こした場合、避難対象になる人口は、浜岡原発の立地する御前崎市や牧之原市、掛川市など、なんと、81万7378人にものぼります!

国の計画では、この約82万人もの県民は、南海トラフ地震が起きて、家屋の倒壊など、地震動の被害にもあい、さらに、津波もかぶり、原発事故も起きてしまったという、この「複合災害」のただ中で、おのおのの自助努力によって、東京都や長野県、埼玉県、群馬県、福井県、石川県など、7都県に避難するという計画なのです。

地震後は、東日本大震災の時の経験で明らかなように、新幹線をはじめ、列車はすべて止まり、高速道路はすべて閉鎖、一般道も地割れやガレキ、倒木、停止したままの自動車で埋まり、車で動くこともままなりません。どうやって、被災した静岡県民が、自助努力で、群馬県や、石川県などへたどりつくのでしょうか? ひとりひとり徒歩で歩いてゆけ、というのでしょうか? その途上に位置する関東や中部の各県も被災しており、避難や安全確保のために右往左往しているのです。81万人強の静岡県民の安全な移動手段がありません! 県が全員を安全な地帯へ運ぶバスを仕立ててくれているわけではないのです!

しかも、原発のメルトダウンが起きていれば、遠方への避難は一刻を争います。福島第一原発の3号機などで起きたように、水素爆発の危険性が迫ってくるからです。原発事故被災地に立ち止まっているわけにはいきません! さらに、まだ余震が続いている可能性があり、中には大きな余震もありえます。モーメントマグニチュード9.0の東日本大震災のときには、3月11日の一ヶ月後の4月7日に、モーメントマグニチュード7.3の余震が起きています。

これほどの巨大震災となると、一つの県だけで準備や訓練ができるものではなく、国とともに、原発震災からの避難のための計画立案や準備、広域の連携、県民をまじえての訓練を重ねていなければならないはずです。しかし、原発事故の想定はしていない、ということは、当然、避難の準備などまったくしていないというのです。国も県レベルの行政も、何をしているのでしょうか!?

※第17回浜岡地域原子力防災協議会作業部会資料分割1/3(浜岡地域、原子力防災協議会作業部会、2024年8月21日閲覧)
 https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/02_hamaoka.html

内閣府の策定した避難計画は、現実に機能するのかどうか、大きな疑問が残ります。IWJは、内閣府に、浜岡原発が複合災害を起こしたときの避難計画の現実性について、直撃取材しました。担当者不在のことで、折り返し電話があることになっています。電話があり次第、お伝えします。

さらに、静岡県の場合、活火山の富士山の噴火リスクもあります。心配されるのは、富士山周辺の市町村の避難計画と、噴火の浜岡原発への影響です。富士山と浜岡原発は、約80~100キロメートル程度の距離があります。静岡県では、富士山ハザードマップ(令和3年3月改定)を策定しています。

※富士山ハザードマップ(令和3年3月改定)(静岡県、2024年8月22日)
 https://www.pref.shizuoka.jp/bosaikinkyu/sonae/kazanfunka/fujisankazan/1030190.html

懸念されるのは、まず、噴火に伴う火山灰が風に乗って原発付近に降り積もる可能性です。火山灰が原発に降り積もると、空気フィルターや冷却装置に影響を与え、原発の運転や冷却システムに支障をきたすリスクが出てきます。

※降灰の可能性マップ(平成 16 年版報告書から再掲)(報告書_図 5.7-3)(静岡県、2024年8月22日閲覧)
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/190/21_kouhai.pdf

また、噴火に伴い、噴石が飛んでくる可能性もあります。小さな噴石でも、原発に直撃すれば、電源や配管に危機的な影響が及ぶ可能性もあります。

※大きな噴石の可能性マップ(静岡県、2024年8月22日閲覧)
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/190/20_funseki.pdf

火山灰や噴石の飛ぶ想定範囲には、浜岡原発は入っていませんが、それは絶対的に正しいと、安心できるのでしょうか。IWJは、静岡県に対し、避難計画と、浜岡原発への影響、さらに、すぐ隣にある活火山である箱根山への影響について直撃取材しました。

(中略)
そして、意外に知られていないのが、やはり活火山の箱根山の噴火リスクです。箱根山は富士山より東京(箱根山から東京まで80キロから90キロ)に近く、富士山が噴火した場合に、何らかの影響を受ける可能性もあります。実際に、箱根山が噴火すれば、首都圏への影響が懸念されます。この富士山と箱根山の連動性についても、現段階では不明ということで、事実上、静岡県では、対策は取られていません。

全体的に、科学的認識が深まるのを待つ、という受け身の体制が見られ、行政の観点からの「予防」という観点は後退しています。それが最もよく出ているのは、富士山の噴火の浜岡原発への影響評価です。あきれたことに、静岡県は、富士山が噴火した場合、浜岡原発のことは、事実上、何も考えていません。

県が作成し、公開したハザードマップを、中電が見ているかもしれない、という希望的観測にもとづいた無責任な体制があるばかりなのです。中電との間で、調整も連絡も情報共有もないことは、明らかです。まして積極的な県民避難計画の共同立案などあるはずがありません。国も、何もここは関わっていません。誰もが、無責任体制なのです。

富士山と浜岡原発の距離、約80~100キロメートルから考えて、火山灰も噴石も、そう大きな影響にはならないとたかをくくっているとしたら、あるいは、原発事故のことは、県の管轄外と考えているとしたら、原発事故を含む「複合災害」の備えとして、大きな欠陥があります。

こういう行政の「他人ごと意識」は、中電や国や関連自治体とのコミュニケーションが圧倒的に足りない現実を生みだし、前述した南海トラフ地震や元禄型関東地震が起きた場合、取り返しのつかない「複合災害」をもたらす可能性があります。

WJは、中電にも、南海トラフ地震が起きた場合の複合災害の被害想定や、富士山噴火リスクの浜岡原発事故への影響などを、直撃取材しています。こちらも、後日、連絡があることになっており、連絡があり次第お伝えします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3.日刊IWJガイド「江戸時代の富士山宝永大噴火は、元禄関東地震、宝永南海トラフ地震と連動! 政府・自治体の地震と噴火時の対策は、原発事故を想定せず!」2024.8.26号~No.4311
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53823

■はじめに~1707年の富士山の宝永大噴火は、その4年前の元禄関東大地震、噴火の49日前の東海・東南海・南海トラフ3連動の宝永大地震と連動していた! 噴火による噴出物は、推定1.7立法キロ! 登山口の須走村は火山岩塊で焼失! 小田原の酒匂川では、火山灰が流入し、長年にわたって何度も氾濫! 噴出物は、火口から50km離れた神奈川県伊勢原市で30cm、120km離れた千葉県市原市でも8cm! 現代でも同様の大震災が起こる可能性があるが、政府・自治体は、原発事故との「複合災害」を想定せず!!

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 本日8月26日は、「火山防災の日」です。明治44年8月26日に、浅間山(群馬県、長野県)に日本で最初の火山観測所が設置されたことから、昨年改正された活動火山対策特別措置法により、火山災害に備えるきっかけとする日として制定されました。

※8月26日は「火山防災の日」(内閣府)
 https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240814.html

今年8月8日に起きた、最大震度6弱、マグニチュード7.1の日向灘地震により、南海トラフ地震への警戒がにわかに高まりました。

江戸時代の宝永4年10月4日(西暦1707年10月28日)に起きた、推定マグニチュード8.6~9クラスの日本最大級の東海・東南海・南海トラフ3連動の大地震である宝永大地震から49日目の宝永4年11月23日(西暦1707年12月16日)には、富士山の南東斜面で大噴火が起き、16日間断続的に噴火が続きました。これが、宝永大噴火と呼ばれる、歴史上記録されている最新で最大の富士山の噴火です。

宝永大地震と宝永大噴火との間には、関連性があったことが推測されています。

※はじめに~南海トラフ地震が想定されているエリアの南西の端、日向灘でM7.1の大地震! 宮崎県で震度6弱!気象庁は「巨大地震注意」を発表! この1週間以内に、M8から9の本震が来る可能性もあると警告! M8はM7と比べるとエネルギーが約30倍!M9はM7の約千倍! さらに神奈川西部を震源とする震度5弱の地震も! 東海・東南海・南海トラフ地震のエリアの原発はどうなるのか!? 危ないのは、静岡の浜岡原発と、四国の伊方原発! しかし政府やNHKなどマスメディアは、原発事故の可能性についてはまったく言及せず、注意喚起もしていない!(前編)(日刊IWJガイド、2024年8月10日)

会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240810#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53777#idx-1

※はじめに~南海トラフ地震によって最大の被害を出すと予想される静岡県! 静岡で懸念されているリスクは、巨大地震・津波だけではない! 富士山・箱根山噴火リスク、そして浜岡原発の事故リスク!! IWJは静岡県に昨日に続いて直撃取材! 静岡県は、富士山が噴火した場合、浜岡原発のことは何も考えていない!!(後編)(日刊IWJガイド、2024年8月11日)

会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240823#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53816#idx-1

内閣府が2006年に発表した専門調査会の報告書は、この1707年の宝永大噴火について、「新たに開いた宝永火口から噴出した火山礫や火山灰などの噴出物は、偏西風に乗って静岡県北東部から神奈川県北西部、東京都、さらに100km以上離れた房総半島にまで降り注いだ」と記されています。

報告書によると、平安時代に起きた富士山の貞観(じょうがん)噴火が、「溶岩流を噴出する穏やかな噴火」だったのに対し、宝永大噴火は「粉砕された噴出物を噴煙とともに上空高く舞い上げる爆発的な噴火」だったとのこと。一方、宝永火口の周辺には集落がなかったことなど、「いくつかの要因」が幸いし、「噴火による死者の記録は残っていない」ことが指摘されています。

※災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年3月 1707 富士山宝永噴火(内閣府)
 https://qr.paps.jp/D5rHU

https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1707_houei_fujisan_funka/index.html#:~:text=%EF%BC%9C%E6%A6%82%E8%A6%81%EF%BC%9E,%E3%81%AA%E3%82%8B%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E3%82%92%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%81%9F%E3%80%82

内閣府が発表した、この専門調査会の報告書によると、宝永大噴火による噴出物は、「推定1.7立法キロ」に及び、「家屋の倒壊や農耕地の耕作不能化をはじめ、流出した火山灰による河川氾濫などの二次災害を引き起こし、長期間、広範囲にわたり」影響を及ぼしたとのことです。

富士山の登山口でもある、富士山東麓の須走村(現・静岡県小山町)では、「降ってきた鞠ほどの火山岩塊は内に火気をふくみ、浅間(せんげん)社の神主小野家をはじめ、通りに面した町並みのうち37軒が焼失した。焼失を免れた残り39軒も、27日までに降った3mを越す火山灰の重みと度重なる震動により、すべて倒壊した。住民は着の身着のままで避難し、須走村は、まったくのゴーストタウンと化してしまった」とあります。

噴火の翌年の宝永5年(1708年)には、神奈川県西部の山北町から小田原市を流れる酒匂川(さかわがわ)で、大きな二次災害が発生しました。報告書には、以下のように書かれています。(以下省略)

(中略)
2017年8月8日付『ヤフーニュース』でジオリブ研究所所長の巽好幸(読み仮名を入れる)氏は、「都心からたった80キロメートルしか離れていないこの活火山は、過去に何度も大噴火を繰り返してきた。数十万年~100万年と言われる火山の『寿命』を考えると、箱根火山が将来大噴火する可能性は極めて高い」と指摘しています。

※箱根山大噴火への覚悟を かつて首都圏も襲った火砕流と火山灰(ヤフーニュース、2017年8月8日)
 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f77be10de085026e5eaf0abf2e7d5b17e7bc8115

巽氏は、東京から神奈川の地層の中の「東京軽石層」と呼ばれる軽石の供給源は、「箱根火山だと考えられている」と指摘。その噴火は「約6万年前に起きたと推定される」と述べています。さらに、軽石や火山灰、火山ガスを噴き上げた噴煙柱が崩壊した直後に発生した、数百度にも達する大規模な火砕流の痕跡が、「東は現在の横浜市保土ヶ谷区や三浦半島、西は静岡県沼津市を超えて富士宮市でも確認される」と指摘しています。

巽氏によると、「火砕流は箱根からわずか1~2時間で横浜に到達した」とのことです。巽氏は、6万年前と同じ箱根山の噴火が今起きれば、「火砕流到達域には500万人近い人口がある」「すべてのライフラインが停止する10センチ以上の降灰域には2800万人が暮らし、首都機能が集中している」と指摘しています。

巽氏は、箱根山が過去30万年に4回大噴火を起こしていることから、「箱根火山は約7万年に1度大噴火を繰り返す」と「今後100年間に大噴火が起きる確率は約0.2%」だと論じています。内閣府は2020年に、中央防災会議で「大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ」の会合を開催し、富士山噴火を想定した広域降灰対策の報告書を発表しまた。

※大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ(内閣府) 
 https://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/index.html

報告書は、富士山の噴火が起きた場合の主な影響を、以下のように示しています。
(以下、IWJの会員サイトをご覧ください=火山灰リスクを中心に詳細に論じられています)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


4.日刊IWJガイド「クルスク侵攻におけるウクライナ軍の損失は『5800人』とロシア国防省が報告! 西側メディアもウクライナ軍の苦戦ぶりを次々報道!」2024_8_28号~No_4313
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53847

■中部電力から、南海トラフ地震と富士山噴火時の浜岡原発の対応に関する、IWJの質問に対する回答が届きました! 日本最大級の東海・東南海・南海トラフ3連動の大地震である宝永大地震(西暦1707年10月28日)のときのように、富士山の噴火の49日前に、南海トラフ地震や相模トラフ地震が起きていたとしたら、どうなる!? 被災地は、いまだ地震の混乱も余震も収まっておらず、交通機関や道路は分断し、瓦礫の山で、避難できていない人々も大勢いる中へ、火砕流や火山灰、噴石の飛来が襲い掛かる! さらに、浜岡原発の使用済燃料貯蔵プールが損傷すれば、被災地一帯が放射能汚染されている可能性もある!

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 連日お伝えしている、南海トラフ地震と富士山の噴火ですが、8月26日(月)に、中部電力から、南海トラフ地震と富士山噴火時の浜岡原発の対応に関する回答が届きました。以下、IWJの質問と中部電力の回答を合わせてお伝えします。

IWJの質問 1.「南海トラフ地震など、地震・津波などの自然災害と合わせて原子力災害が発生する、いわゆる複合災害が発生した際における発電所周辺地域における被害想定は、中部電力で行っているのでしょうか?」

中部電力の回答「当社では、地震・津波などの自然災害と合わせて原子力災害が発生する、いわゆる複合災害が発生した際における発電所周辺地域における被害想定の検討は行っておりません。

浜岡原子力発電所においては、南海トラフの巨大地震を考慮するとともに、原子力規制委員会が策定した新規制基準を踏まえて、さらなる安全性向上対策を着実に実施しております。

また、当社は原子力事業者として国および自治体等との連携を深め、原子力災害に対する緊急時対策・対応の充実・強化に向けた継続的な取り組みを実施してまいります」

(中略)
中部電力では、地震・津波と、原発事故などの複合災害が発生した際における発電所周辺地域における被害想定を行っていないことが明らかになりました。内閣府が想定した、82万人の避難者が発生するという、被害想定が唯一のものとなります。この82万が、複合災害が起きた時には、東京都や長野県、埼玉県、群馬県、福井県、石川県など、7都県に避難するという避難計画を、内閣府は立案しています。しかし、人々がどう動いたら、7都県に避難できるのか、具体的な点は、一切考えられていません。

※第17回浜岡地域原子力防災協議会作業部会資料分割1/3(浜岡地域、原子力防災協議会作業部会、2024年8月21日閲覧)
 https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/02_hamaoka.html

地震後は、東日本大震災の時の経験で明らかなように、新幹線をはじめ、列車はすべて止まり、高速道路はすべて閉鎖、一般道も地割れやガレキ、倒木、停止したままの自動車で埋まり、車で動くこともままならない状況を考えれば、具体的に、避難者には移動する手段がなく、この避難計画は、絵に描いた餅にすぎません。

IWJは、8月23日(金)に、この避難計画の非現実性を内閣府に伝えて、担当官に、この避難計画が現実に機能するのかどうか、直撃取材しましたが、席を外しているので、折り返し連絡があると告げられたまま、26日(月)になっても電話はありません。内閣府は、避難計画の欠陥を突かれて、回答できないのだと思われます。あるいは、考えてみたところで、避難計画やシナリオなど、立てられないことがわかっていて、質問から逃げ回っているのかもしれません。

IWJは、富士山噴火の浜岡原発への影響についても、中部電力に問い合わせました。中部電力の回答は、かなり楽観的なものでした。

IWJの質問 2.「富士山噴火の浜岡原発への影響は、どのようにお考えでしょうか?」

中部電力の回答「富士山の噴火などの火山現象については、浜岡原子力発電所から半径160kmの範囲を中心に第四紀火山(約260万年前から現在までに活動した火山)を調査し、活動履歴や過去最大の噴火規模などから将来想定される最大の噴火規模を考慮して、火砕流などの施設や設備で対応が不可能な火山事象が発電所に到達しないことを確認しております。また、敷地周辺の火山からの火山灰が発電所に到達した場合の影響などについて評価し、発電所の安全性に問題がないことを確認しております」

富士山の大噴火が起きる場合、宝永大地震・大噴火のように、地震・津波に先立って、すでに、南海トラフ地震や相模トラフ地震が起きている可能性もあるのです。

中部電力の影響評価は、この巨大地震との連動の可能性を考慮せず、富士山だけが、単独で噴火することを前提にしたものです。これでは意味がありません。

(以下、大地震・大津波・富士山及び箱根の大噴火、の3つが重なるトリプル大天災が重なって起き、それが浜岡原発を襲った時の対応・対策について詳しくIWJが中部電力に聞いていますが、その回答は「ヌカに釘」「のれんに腕押し」のようなものでした。詳しくはIWJ会員版をご覧ください。下記に結論だけ抜き出しておきます。:田中一郎)

マグニチュード9以上が想定される南海トラフ地震で、浜岡原発の想定最大加速が1200ガルと2094ガルと言われて安心できるでしょうか。国も、中部電力も、日本が、何も考えず、何の対策もせずとも、何か、特別な幸運に常に恵まれて救われるという「信仰」でもあるのでしょうか。それとも、単なる無能と無知と無責任の集団なのでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <田中一郎コメント>

(寅子風に)ハテ?!、この浜岡原発を襲う可能性が高い「大地震・大津波・富士山及び箱根の大噴火」の危険性と、それに対して何の準備もしなければ浜岡原発をやめようともしない中部電力、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁、政府・自公政権、「日本維新の会」や国民民主党や御用組合「連合」、地元及び周辺自治体、を前にして、「原発に依存しない脱炭素」(原発再稼働を一部認める=脱原発は遠い未来のこと=立憲民主党との馴れ合い)などというお気楽な「共通政策」を立憲野党に約束させたり、東京都に「脱炭素」政策を取れと強要したり(その前に福島原発事故の被害者対応改善や富士山噴火や第二次関東大震災の防災対策、あるいはヒートアイランド現象防止と都市計画の正常化など、やるべきことはたくさんある)している、「市民連合」ならぬ「日和見連合(ひよれん)」の人たちは、原発をめぐる危機的な状況をどこまで認識しているのでしょうか。「人工排出CO2による地球温暖化」説という科学的実証的根拠が極めて怪しい「新興宗教的」なカルトに洗脳され、市民運動・社会運動の基本的な姿勢を忘れてしまっているお粗末さは看過できません。

富士山噴火や南海トラフ地震と連動して起きるかもしれない第二次関東大震災の場合には、あのボロボロの老朽原発である東海第二原発や、その隣にある東海再処理工場の高レベル放射性廃液貯留タンクもまた、被災することを忘れてはいけません。我々が真っ先に成すべきは、自分たちの国が地域独占(原発)電力会社(「毒電」)や原子力ムラとその代理店のような政府・政治家・官僚どもにより、原発・核燃料サイクル施設が再びの過酷事故を起こしてしまうことを全力で阻止していくことです。それが我々や、我々の子どもたち・孫たちを原発震災の放射能から守ることになるのです。「脱炭素」(NO FOSSIL)などと「お気楽」なことを言っている余裕などないのです。

 <私の処方箋>

◆エネルギー政策へのプリミティブな提案(田中一郎 2024年9月4日)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVlUNU-GZxYJfhrHRK?e=aFfO7f
草々

 

« 絶望の日本政治:自民党総裁選という「選挙の顔」を選ぶガラクタ市、立憲民主党代表選という「自民補完」への廃品回収陳列会=これが1990年代の「(似非)政治改革」のなれの果て、こんな政治家どもを野放しにしているのはあなた方有権者・国民です | トップページ | 脱原発脱被曝バック・ナンバー(71)(抜粋)(2024年7月~8月) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 絶望の日本政治:自民党総裁選という「選挙の顔」を選ぶガラクタ市、立憲民主党代表選という「自民補完」への廃品回収陳列会=これが1990年代の「(似非)政治改革」のなれの果て、こんな政治家どもを野放しにしているのはあなた方有権者・国民です | トップページ | 脱原発脱被曝バック・ナンバー(71)(抜粋)(2024年7月~8月) »

最近の記事

無料ブログはココログ