東京都知事選・都議補選を振り返って(その6):都知事選・都議補選の市民的総括を巡る議論と、今後の市民運動・社会運動・政治運動
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(盆踊り その3)サンバの夏
*マツケンサンバ 新宿 花園神社 盆踊り 20230802 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=MNzsv4Qcbog
*マツケンサンバⅡショート盆女ver. - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Snzk3xTbWqw
2.「広瀬隆編/ヒートアイランド現象」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Hunp-a-etak
(ヒートアイランド現象と地球温暖化(気候変動)とをお間違いなく:ところで世界の「平均気温」はどこでどのようにして測定され公表されていますか? 本当に実測された気温ですか? 何の疑問も持っていなかった方は、このVTRをご覧ください)
3.(8.26)控訴審第1回公判(東京高裁#101)「あぶくま会を応援する」会報11号(2024.8.1)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVlWLjf8HBzNDCsqzV?e=91CSbs
4.新刊書
(1)隠された遺体 日航123便墜落事件-青山透子/著(河出書房新社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034636274&Action_id=121&Sza_id=C0
(2)マンガ誰も書かない「真実」日航123便はなぜ墜落したのか-森永卓郎著 青山透子監修 前山三都里マンガ
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034632441&Action_id=121&Sza_id=G4
5.田中美津さん逝去(ご冥福を祈ります)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/345998
(関連)(別添PDFファイル)ウーマンリブって?美津さんのことよ 田中美津さんを悼む 社会学者/上野千鶴子(朝日 2024.8.12)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16008546.html
(田中美津さんとの個人的なお付き合いはなく、それどころかお会いしたこともありませんが、田中美津さんのことで私の脳裏に焼き付いて離れないのは、今は慶応大の教授をしている小熊英二氏の大著『1968』に掲載された田中美津さんとウーマンリブ運動についての記述に対して、田中さんが激怒していたことです。何故、当事者が生きているのに、聞きに来ないのか、デタラメを書くな、と言っていました(『週刊金曜日』掲載)。:田中一郎)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032286592&Action_id=121&Sza_id=C0
(関連)田中美津、『1968』を嗤う(『週刊金曜日 2009.12.25』)
https://www.kinyobi.co.jp/tokushu/000094.php
小熊英二氏による『1968』の下巻「結論」前の最終章にあたる17章はリブと田中美津論を展開している。だが、本人取材をまったくせずに資料の切り貼りで書かれたその内容は、田中美津本人が「誤読と捏造による無惨な労作」と称するもの。その「誤解と捏造」部分について、田中美津自身が詳細に指摘する、単なる間違い探しではなく、なぜ違うのかという点について、鋭い観察力から自らを含め客観的かつ重層的に人間を描くことにより、知られざる「田中美津とリブ」の一面が明らかになった。
6.導入間近「マイナ保険証」で「地方都市の医療」が崩壊してしまう…現役医師が実名で怒りの告発(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース (次回の選挙では投票に行って、河野太郎・武見敬三・自民党候補者を落選させて、これにストップをかけましょう)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d5d3937758535e9c18db99ac05b4daa7497dfb0
7.(別添PDFファイル)自民党総裁選は「保守票」の奪い合い…「改憲」をダシに醜悪なアピール合戦が勃発中(日刊ゲンダイ 2024.8.9)(デクノボウ岸田文雄は自分の総理身分の延命のため、いよいよ「壊憲」をダシに使い始めました)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/358844
8.日刊IWJガイド・非会員版「南海トラフ地震が想定されているエリア、日向灘でM7.1の大地震! 気象庁は『巨大地震注意』を発表!浜岡原発と伊方原発が危ない!」2024.8.10号~No.4300 - What's New お知らせ
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53777
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「東京都知事選・都議補選を振り返って(その6):都知事選・都議補選の市民的総括を巡る議論と、今後の市民運動・社会運動・政治運動」をお送りいたします。
<別添PDFファイル>
(1)都知事選の振り返り(田辺久人 @武蔵野 2024.8)
(2)泉健太立憲民主党代表インタビュー(山田厚俊『サンデー毎日 2024.8.18-25』)
(3)立憲と国民の「橋渡し議連」発足、泉健太ミッション内閣の仕掛け人(宮崎信行『週刊金曜日 2024.8.9』)
(4)立憲民主党2024代表選、9月23日投開票(毎日 2024.8.8他)、
(5)嘘つきと「メタ・メッセージ」(内田樹『週刊金曜日 2024.8.9』)
(6)小池都政の“土地狂った”築地跡地再開発 三井不動産などへの借地料が不当に安すぎる根拠(日刊ゲンダイ 2024.8.10)
<関連サイト>
(1)「自民ぶっ壊して」進次郎氏に期待 〝小泉旋風〟再来なるか? - 毎日新聞
https://x.gd/InpRO
(2)小池都知事の剥離骨折はなぜ起きた? 神宮始球式で左膝グニャリ…元中日チームドクターが解説|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/358850?utm_source=newsletter&utm_medium=email
(3)蓮舫氏の都知事選敗北を立民が役員会で検証「ネット」「党の人間が前面に出過ぎ」「争点」長妻氏が明かす(よろず~ニュース) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/b11b8a7e4e910a67f0fe6c983b72a37a7f123802
1.(メール転送です)都知事選の振り返り:Change都政市民プロジェクト@武蔵野 20240810(@武蔵野 田辺久人)
◆(別添PDFファイル)都知事選の振り返り(田辺久人 @武蔵野 2024.8)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVlXxF_GLd7aJqOOH8?e=NdTl3z
(以下、全文転記)
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都知事選の振り返り
Change都政市民プロジェクト@武蔵野 20240810
地域名: @武蔵野 記入者: 田辺
1.貴地域での取り組みについて、取り組み内容・回数や主体となった人たち等について、および地域選対について
地域選対は松下礼子事務所?チラシに関する情報等はここから、「都政を変える@武蔵野」宛発信され、そのオプチャで、皆(@武蔵野メンバー以外も)情報を得ていた。選対として、戦略・戦術などの発信は一切無く、存在意義・役割ともに、無いに等しかった。
メンバーは3名。街宣は田辺を中心に毎日、ポスティング、電話かけ、は適宜要請に応じて。メンバーの一人は、数千枚のポスティングを行った。田辺の電話かけは、共産党市議の事務所から、「まっとうな都政をつくる会」選対を自称して行った。
2.蓮舫さんの政策についてのご意見
わかりにくかった。
蓮舫氏の公約は十分「わかりやすく」若者に伝わったか? そもそも私たちにすら「わかりやすくなかった。」と私は思います。「公契約条例で若者の賃金を上げる?東京都の仕事に携わる若者ってそんなにいるの?波及効果って本当にあるの?」、「高齢者のケアに携わる若者の賃金が上がるから、若者対策は高齢者対策でもある?」、「本当にそうかなのかなー?」、「少子化対策で、結婚ばかり推奨するのはおかしい、シングルマザー、パートナーシップ等多様な選択枝を認めるべき?」。疑問満載、説明不足だらけの公約アピールであったと私は思います。一般都民の「乏しい、情報量と理解力」を理解せず、「判っているひとにはわかるでしょ」というアピールになっている事に気づいていない、気づこうとしない事、が、蓮舫政策チームの大きな欠陥であったのは明らか。逆に、石丸陣営は、一般都民の等身大の「乏しい情報量と理解力」を完全に知悉し、それを前提にアピールの仕方・内容を組み立てていた事が、知事選後に明らかになった。
3.蓮舫さんの選挙戦略(選対)を実質担った立憲民主党の今回の選挙の仕方についてのご意見
選対がそもそも何処かすら判らなかった。手塚事務所?蓮舫事務所?「まっとうな都政をつくる会」? 誰が主体かも不明、如何なる選挙戦略・戦術かもアナウンスされない中で、現場は野党(共産党)も市民も、ただひたすら「頑張っていた」。即ち、論評のしようがない。
4.選挙の結果から得た教訓について
A.小池陣営になぜ負けたか、B。石丸陣営になぜ負けたか、
2つの敗因分析無くして、今後の取り組みの展望は得られません。
A.小池陣営になぜ負けたか:
当初より、018サポート等現実的支援で巧みに一定の支持を得つつ、一方で、電通の力を通じて、民間メディアが自身に不利な報道を一切出来ないよう「報道規制」をし、「失点が無く、得点のある都政」を演出している小池陣営の圧倒的優位を覆すには、自候補を宣伝する以前に先ず、当プロジェクトが共通チラシでアピールしたように、「小池都政の問題」を一般都民に公知し「小池都政は転換の必要があるかも」と思ってもらう事が「不可欠な大前提」。その「不可欠の大前提」「小池都政は転換の必要があるかも」を満たして初めて、次候補の話を聞いて戴ける。その事を、蓮舫陣営が真剣に認識していたとは思えない。結果を見れば、全く公知出来なかった事は明らか。「小池都政の問題」が報道される事は全く無く、「報道規制」の壁を突破できなかったし、突破しようという意思も立憲には見られなかった。これでは、勝てる訳がない無い、
B.石丸陣営になぜ負けたか:
資金力、政治力で圧倒的に優る自民党が背後で全面的に支えた事に尽きる。
恐らく巨額の費用が必要な、プロの選挙参謀、「選挙の神様」藤川氏を雇い、彼が立案する選挙戦術に必要なヒト・モノ・カネを、無尽蔵に必要なだけ投入させた。彼は、当初から、どうすれば「潜在的な大きな新しい票田、デジタルネーティブ・キッズの票田」を掘り起こせるか、どうすれば彼等の心を捉えられるか、その為には、如何なる戦術を展開すれば良いかを、を正確に知悉・予測(蓮舫陣営には全くないプロの英知)していた。「非・既存の政治家」を訴求、ワンフレーズ・ポリティクス「一緒に選挙を楽しみましょう。既存の都政を変えましょう。」他、細かい政策は語らない、SNSでの拡散を前提にした長さの街宣「短時間・高頻度・広範囲」(270回超で、30数回、10数回の蓮舫、小池陣営を圧倒)で可能な限り多くの都民に会い親近感を持ってもらう、等。上記は、蓮舫陣営の選挙戦術とは、真逆であり、仮に、票を奪われつつある事を途中で認識出来たとしても、方向転換は無理であり、為す術は無かった。
5.今後の取り組みで必要だと思われることについて
1)「CHANGE都政市民プロジェクト」の知名度・広がりの抜本的拡大を:
唯一の無党派、全都的活動体だが、「なにそれ?」という反応が大半。全都的、知名度、広がりは皆無に近い、事を活動全期間で痛感させられた。市民活動の一翼を担う為には、全都的。知名度、広がりを抜本的に強化すべき。即ち、この市民組織の「ひと(票)、かね(選挙活動費)」を抜本的に拡大すべき。
この点に関しては、この知事選において、地域組織・活動掘り起こしへの「本体」からの支援はほぼ皆無であった。
2)今から組織と活動の立ち上げを:
鈴木国男さんの提案で示唆されているように、次(都議選、都知事選、国政選挙)に向けて、今から、候補者選定・政策・広報の3組織をつくり、活動を開始すべき。告示後に何かをしようとしても、遅すぎる事は、今回の知事選で、明々白々になった。
3)立憲野党との共闘態勢の早期確立を:
市民組織単体では、「ひと・かね。ノウハウ・情報」いずれも弱く、立憲野党との連携無くして、選挙の勝利はありえない。どの党の誰と、どのように、連携して行くのか、早期に、方向性を明確にし、連携、キックオフをすべき。
4)その上で尚残る与党の総合力との大きな差をどう埋めるのか、を見通せないと、勝算は無い:
選挙の神様を巨額の費用で雇い、電通を使い、「ひと・かね・ノウハウ・情報」の総合力で圧倒してくる与党に、どう対抗しうるのか。その、戦略・戦術無くして、勝利はありえない。
5)市民と立憲野党の共闘の「相互役割分担協定書」が、絶対に必要:
市民と立憲野党がお互いに何を求めているのか、最後まで不明確であった。今後においては、これを避ける為、「相互役割分担協定書」が不可欠である。
市民サイドは党サイドに、選対組織の担当者名を含む開示、情勢認識の開示、選挙戦略・戦術の明確化と市民との共有、市民に求める活動の質・量ともの明確化等を、申し入れ事項とする。党サイドは市民サイドに、質・量ともに、どのような活動を求めるのか、明示し申し入れ事項とする。
6)「CHANGE都政市民プロジェクト」の運営方法を発展的に強化すべき;
①この知事選においては、各地域で「勝手にやってください」、であった。今後は、各地域担当者の「定期的戦術ミーティング」(最低月1回)を開催し、相互連携を図り、このプロジェクトとしての、全都的アクションの強化を行うべき。
②何時までに、誰が、何を、を明確にした、「行動スケジュール」が不可欠。(この知事選においても、当初その話があったが、立ち消えになった)
③鈴木国男氏提案の「候補者選定・政策・広報各委員会」に加え、各々の委員会にそもそもどのような方向性での検討を求めるのかを検討する「選挙戦略・戦術検討委員会」が不可欠。委員は、自薦の参加希望者にも、広く門戸を開くべき。必ずしも、「経験豊富」でなくとも、素朴な「市民感覚」も尊重すべし。
④今後の活動のキックオフの前に、共同代表、事務局についても、その役割の再確認、メンバーの再確認(自薦希望者にも広く門戸を開くべき)を行うのは当然。
⑤一般メンバーは、ZOOM会議しか運営などに参加機会が無いのは改善すべき。共同代表会議?事務局会議?も一般メンバーの参加希望に対し、開かれているべき。
6.その他
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2.私からの発信:拝見しました:私見です
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残暑お見舞い申し上げます。
田辺さん、都知事選総括を拝読しました。
多くの点で同意しますが、少し認識が違うところもあります。
後者に焦点をあてて、以下、私見を簡単に申し上げます。
1.全体として
(1)泉健太立憲民主党は都知事選に最初から本気でしっかりと取り組むつもりはなかった。2024年1月の中野ゼロで開催された「市民と野党の共闘」主催の都知事選決起集会(第1回目)には、都議あがりの女性国会議員(塩村文夏(あやか)参議院議員)が1人だけ来ただけで、長妻昭東京立民TOP他、泉健太立憲民主党の幹部連中は1人も顔を出していない。
泉健太立民代表に至っては、頭の中は9月の立民代表選のことで満杯状態。まずは御用組合「連合」にゴマをすり、返す刀でその代理店政党で原発推進・「壊憲」派の国民民主党にまで気を遣う始末(御用組合「連合」も国民民主党も小池タヌキ百合子を支援する側にいるにもかかわらず、それに対する批判さえしない)。いわば敵方に通じる「第5列」を形成していたわけで、野党第1党がこんな状態だから、都知事選候補者も容易には見つからなかった。(泉健太立民代表は、最近の『サンデー毎日』誌面で、ちょうちんインタビューを受けて、嘘八百の戯言を展開しています。近々、逐条解説批判をお送りします。下記の別添PDFファイルがその記事ですが、記事の拡散は禁止です)
(関連)(別添PDFファイル)泉健太立憲民主党代表インタビュー(山田厚俊『サンデー毎日 2024.8.18-25』)
https://store.magastore.jp/product/90683
(関連)(別添PDFファイル)立憲民主党2024代表選、9月23日投開票(毎日 2024.8.8他)、
https://mainichi.jp/articles/20240807/k00/00m/010/161000c
(2)それだけではない。確か5月頃だったか、私の耳に「泉健太立憲民主党執行部の周辺から、市民運動・社会運動や市民団体とは距離を取れ=突き放せ」という指示が出ている、という話が漏れ聞こえてきた。ホンマかいな、とその時は思ったが、下記で見るように、これはどうも本当だったようで、都知事選でも、都議補選でも、「御用組合「連合」よコンニチワ、「世直し」市民よサヨウナラ」の態度を泉健太立憲民主党は取り続けていた。
(関連)蓮舫氏の都知事選敗北を立民が役員会で検証「ネット」「党の人間が前面に出過ぎ」「争点」長妻氏が明かす(よろず~ニュース) - Yahoo!ニュース (レベルの低い、真剣味が足りない、不十分な「総括」だ=また負ける:田中一郎)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b11b8a7e4e910a67f0fe6c983b72a37a7f123802
(3)2012年の都知事選挙(第一次宇都宮健児選挙)の時の教訓がほとんど活かされていない。市民参加のスケールからみても、市民の「世直し」への盛り上がりにしても、さまざまな取組にしても、今回の都知事選挙よりははるかにレベルが高く、団結力も強く、また、選挙が敗北に終わった後の取組も、当時の方がずっとずっと迅速で真剣で充実していた。それでも10年の歳月が流れ、その2012年都知事選を巡る市民運動・社会運動の「教訓」「経験」は、どうも雲散霧消してしまったかの感がある。2点だけ具体例を挙げておく。
*街宣の盛り上がりは2012年の時も、第二次宇都宮健児選挙の時も、今回と同じようだった。しかし、それでも選挙結果は大敗北である。つまり、街宣でいくら盛り上がっても、選挙には勝てない、今は2012年よりも政治情勢はよりひどくなっているのだから、街宣では勝てないことは自明だった。つまり、選挙告示の頃には、「世直し」候補は勝てないということが凡そ予想できた。それに加えて、野党第1党が上記のような調子だからなおさらである。
*公職選挙法が市民の選挙への参加を妨害するトンデモ法であり、それは2012年の都知事選での参加市民が学習会も開いていやというほど思い知ったことだった。その後、宇都宮健児さんと心有る個人の方が高額な選挙供託金が違憲である旨の裁判を起こしたりして、公職選挙法改革の先陣を切ってくれていたが、その後に続く公職選挙法改革運動は事実上、存在しなかった(私の注告を無視して小田原評定をやっていたグループはいたけれど・・・・・)。熱しやすく冷めやすい、大衆社会化した今日の市民運動・社会運動の特徴が出たのかもしれない。ここでも野党第1党の立憲民主党は、既成政党に有利な現行の公職選挙法を守る方の側に回り、公職選挙法改革に真剣に取り組む様子は微塵もなかった。口先だけで「市民とともに」などと言っていただけの「口先やるやる詐欺」政党を続けていた。
2.「蓮舫さんの政策についてのご意見:わかりにくかった。」(田辺さんのメールにあった「章題」=以下同じ)
火中の栗を拾う形で立候補して闘ってくれた蓮舫氏の批判はしたくないですが、2点だけ申し上げると、次のようなことです。
(1)立候補表明後の最初の頃は「行政改革」を訴えていたこと=これは私から言わせると、都政が直面している深刻で重要な問題から外れたピンボケの、しかもトップダウン型のスローガンだった(今の立憲民主党の政治家たちにはこのタイプが多い=たいていの場合、時流に流された軽薄でセンスの悪い判断)。応援する市民から提出されている政策要請にもっとしっかりと目を通し、よく考えて政策の絞り込みをしなければいけなかった。
(2)既に申し上げているが、蓮舫氏の街宣スピーチの仕方が、小さな体で声を張り上げてしゃべるので、見ていて、何か追い詰められて必死になっているような雰囲気が出ていた。むしろ、街宣スピーチは、拡声器にカネをかけて性能と音質がいいものを用意し、普通の声で、落ち着いて、歩く人にもよくわかるように、どちらかというとゆっくりと、幅広いテーマでしゃべるのがいいと思った。(私の意見に対して何人かのchange都政市民プロジェクトの連中は「そんな程度のこと」などと鼻でせせら笑っていましたが)
3.蓮舫さんの選挙戦略(選対)を実質担った立憲民主党の今回の選挙の仕方についてのご意見(田辺さん)
手塚仁雄衆議院議員が、長妻昭東京立民代表から選対の実務のいっさいを押し付けられ(長妻昭は選対から距離を取っていたと聞く)、他方で、泉健太立憲民主党の執行部から、選挙資金と引き換えに「これはヤメロ、これもダメだ」をいろいろと命令され、それを忠実に守ることで、蓮舫候補を応援したいと集まる「世直し」市民たちを突き放し、日本共産党には「顔を立てるだけで、できるだけ近寄らないで」の態度を取り、場合によっては「世直し」市民とともに追い払っていた。こんな選挙の仕方で勝てるはずがないと、私は選挙期間がスタートした時点で思った。この泉健太立憲民主党のロクでもない態度に強い疑問を持つ山本太郎「れいわ新選組」は、ついぞ蓮舫候補応援には参加しなかったし、都議補選でも自主投票としていたようだ(今回は「れいわ新選組」が候補者を建てなかったことは一歩前進だ)。「市民と野党の共闘」を何とか成功させようと奮闘する日本共産党の「人間しんぼう」には敬意を表したい。都議補選で足立区でかろうじて1議席を獲得した立民の議席は日本共産党の協力の寄与するところが大きい。にもかかわらず、都知事選も、都議補選も、真剣に取り組まなかった泉健太代表とそのとり巻き達は、今もって日本共産党への態度は悪いままである。こんな大将では、永久に選挙には勝てず、従ってまた、日本に「夜明け」は来ない。選挙敗北の責任を取り(今回で何回目の負けなのか?)さっさと退陣しろ、ということだ。
4.A「小池陣営になぜ負けたか」(田辺さん)
全くおっしゃる通りだ。今日の政治情勢は「選挙の時だけお祭り騒ぎ」で勝てるようなものではない。小池タヌキ百合子に大量得票を許した原因は、蓮舫氏の訴えの仕方がどうこうではなく、ひとえに小池タヌキ百合子都政が如何にひどいか、でたらめか、利権の塊か、自民党と同じ穴のムジナか、ということが、具体的に、分かりやすい形で、広く有権者・都民に伝わっていないことだった。各種メディアが総御用化し、マスゴミとなってしまったことが大きいが、それを批判しているだけでは始まらない。
(関連)小池都政の“土地狂った”築地跡地再開発 三井不動産などへの借地料が不当に安すぎる根拠(日刊ゲンダイ 2024.8.10)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/358907
昔は日本共産党がポスティングや街宣などをタイムリーにやって、時折、国政や都政の問題を伝えてくれてはいたが、昨今はまるでゼロ常態である。カネがない(政党交付金を受け取ればいい)ことに加えて党員の高齢化が原因だと思われる。議会政党の立憲民主党や社会民主党は足腰が弱くて全然ダメ、何をやっとるのかと思いますね。一方の市民運動・社会運動は昔から浮草のような運動の仕方で、日々、あれやこれやのワンイシューを見つけては走り回っていて、そして東京ならずどこの地域でも、集会その他でお目にかかるメンバーはいつもほぼ同じである。つまり1人=10役・20役・30役を演じ、貧乏暇なし状態の様子。モグラたたき状態になって、私もそうだけれど、首が回らず、時間が足りず、目を通すものが多すぎで、にっちもさっちもいかなくなっているのに、同じことを千年一日のごとく繰り返しているようである。これはひょっとして、「世直し」というよりも、趣味の世界・仲良しクラブ(昔はセクトと言った)のサークル活動のようなもの、なのかもしれない。しかし、臭いにおいは元から絶たなきゃダメで、諸悪の根源=政治=自公政治&自公補完勢力を、安定長期政権の政権交代によりつぶさないといけない(長期安定で「世直し」政権でないとダメ=急進的である必要なし=毎年5%の抜本改革政権でいい:保坂展人世田谷区長の言)。こんな調子じゃいくつ体があっても足りない。
(関連)小池都知事の剥離骨折はなぜ起きた? 神宮始球式で左膝グニャリ…元中日チームドクターが解説|野球|日刊ゲンダイDIGITAL (罰があたったんじゃないのかな? ロクでもないことばかりやっているからね:田中一郎)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/358850?utm_source=newsletter&utm_medium=email
4.B「石丸陣営になぜ負けたか」(田辺さん)
おっしゃっていることはその通りですが、それ以上に、若い世代を中心に見られたこの「石丸伸二現象」は、①極度の政治不信の上に展開している政治的アパシー・社会的アノミーのなれの果て(泉健太立憲民主党を含む自公政権補完勢力にも責任あり)、②社会教育など、今の若い世代の教育が歪んでいて、民主主義社会を支える有権者としての訓練が皆無(教育現場が反動勢力に乗っ取られていて、教育しようにもできない状態が長く続いている)、③経済的な困窮が広範に広がり政治経済社会への不満が鬱積する中で「新しいファシズム」が台頭し始めている。ファシズムの特徴は、物事の単純化と「敵づくり」、デマゴーグ・フェイク、無内容で情緒的な扇動、国家主義ないしは民族主義、財界・巨大資本・大金持ちと裏で結託・癒着、暴力、などだ。「石丸伸二現象」でこれらは多く見られた。
(関連)嘘つきと「メタ・メッセージ」(内田樹『週刊金曜日 2024.8.9』)
https://www.kinyobi.co.jp/tokushu/003921.php
(関連)東京都知事選・都議補選を振り返って(その4):石丸伸二=新しい形のファシズムの台頭、非常識で中身すっからかんのオワコン男よりも、その背後にいた自民党別動隊及び統一教会、その周りに集まってきた「群衆」こそが大問題、そしてマスゴミの愚- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-7492ef.html
5.「今後の取り組みで必要だと思われることについて」(田辺さん)
簡単に箇条書きにします。
(1)間もなくやってくる3つの選挙=衆参+都議会選挙に万全の取組が必要
(2)最も近そうなのが自民党総裁選直後の衆議院解散・総選挙、週刊誌の下馬評はいろいろあるが、小泉進次郎が総裁になったらオヤジと同じく「進次郎旋風」が吹く可能性あり。その場合、立憲民主党は歴史的大敗の可能性有。泉健太、枝野幸男、野田佳彦、こんな「失敗政治団子3兄弟」が代表で、選挙が勝てるわけがない。立憲民主党には選挙と政治の常識はないのか?
(関連)「自民ぶっ壊して」進次郎氏に期待 〝小泉旋風〟再来なるか? - 毎日新聞
https://x.gd/IjuEZ
(3)立憲民主党内部では、御用組合「連合」を巻き込んで、立憲民主党+国民民主党+社会民主党+日本維新の会の連立政権を画策する動きが強まっている。その中心にいるのが、小沢一郎と野田佳彦である。蓮舫氏はこのグループと見ておいていい。
(関連)(別添PDFファイル)立憲と国民の「橋渡し議連」発足、泉健太ミッション内閣の仕掛け人(宮崎信行『週刊金曜日 2024.8.9』)
https://www.kinyobi.co.jp/tokushu/003921.php
(コレ、本当に『週刊金曜日』の記事なのか、と思わせるくらい、下らないガラクタ記事ですが、泉健太立憲民主党内部の様子はある程度見て取れます。:田中一郎)
(4)市民運動・社会運動は相変わらずである。空しくワンイシューを追いかけて、ほとんど何も実現せずが続くだろう。ワンイシュー+積極的日本国憲法主義に基づく最大公約数としての政治改革、をそれぞれの市民団体が「自分たちのもう一つの課題」としなければいけないのだが、政治的未熟状態は続いたままである。
(5)「市民連合」は、今のままの「日和見連合(ひよれん)」ではダメ。立憲民主党にしがみつき、顔を立ててもらって体よく政治的に利用されるだけになるだろう。自分たちの「実力」「政治力」に自覚が乏しすぎる。要するに政治的に幼稚だ。解散して出直した方がいい。「ひよれん」は「たよれん」である。
(6)今後も基本は「市民と野党の共闘」である。立憲民主党が離れていくなら放っておけばいい。ともかく「世直し」を実現するためには、背骨がまっすぐな、旗を垂直に立てた、覚悟の決まった、政治的センスがいい、「世直し」の中核勢力形成が必要である。それができていないから、大海原の中を突き進む前近代の帆船のように、選挙や嵐が来るたびに大騒動となり、船が沈没したり大破したりして、次第に疲弊していくことになる。
(7)私は今の日本の市民運動・社会運動の実力・政治力から判断して、「勝手連」方式による各地域での活動以外に、当面は方法はないだろうと考えている。ただ、全国的なつながりもあった方がいいから(たとえば国政の場合、極力「政策要望」は共通のものがいいが、しかし、「脱炭素」、一部「壊憲」容認(緊急事態条項他)、日米安保堅持、自衛隊合法化みたいな「根幹に触れる誤り」は多くの賛同があってもダメ)、緩やかな連絡調整センターのようなものを立ち上げて、低いレベルからスタートしていけばいいのではないか。
(8)私は政治の決め手は「利害関係」であると思っている。要するに「何で食べていくの? 今のままで、いつまでたってもあの連中にむしり取られ続けていていいの?」を、いかにうまく伝えていくかということだ。
(関連)「むしりとりますとも! 最期まで! 自由民主党」(2014.6)
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<東京都知事選・都議補選を振り返って:「いちろうちゃんのブログ」>
(1)(他のMLでの議論)東京都知事選・都議補選を振り返って(その1):選挙敗北の最大の原因は小池都政のひどい実態が全く都民に伝わっていないことと、野党第1党の泉健太立憲民主党のだらしなさ・非力・無反省にあります- いちろうちゃんのブログ
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(2)東京都知事選・都議補選を振り返って(その2):(他のMLでの議論です)東京都知事選2024を巡る議論=私はこう思う、こう感じる・・・・「日本の夏、金鳥の夏、ではなく、(日本が)危機の夏」- いちろうちゃんのブログ
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(3)東京都知事選・都議補選を振り返って(その3):市民を突き放した泉健太立憲民主党・手塚仁雄立民東京選対のおかげで活かされなかった400超の政策提案、それでも都政策を巡り若干の議論をご紹介します- いちろうちゃんのブログ
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(4)東京都知事選・都議補選を振り返って(その4):石丸伸二=新しい形のファシズムの台頭、非常識で中身すっからかんのオワコン男よりも、その背後にいた自民党別動隊及び統一教会、その周りに集まってきた「群衆」こそが大問題、そしてマスゴミの愚- いちろうちゃんのブログ
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(5)東京都知事選・都議補選を振り返って(その5):都知事選・都議補選が終わってからの議論 ①「石丸伸二現象」を巡って、②これからの「世直し」と当面する3つの選挙(衆参・都議会)- いちろうちゃんのブログ
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(6)「気候危機」論=「脱炭素」盲従主義が岸田政権の「GX推進」とハーモナイズし原発大推進に結果:わずかな「再生エネ」依存で「脱原発・脱炭素」の同時実現はリアリティなし、「人工CO2温暖化」説の科学的根拠を厳しく問え!- いちろうちゃんのブログ
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