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2024年1月24日 (水)

「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(149):能登半島地震続報(3)=志賀原発や柏崎刈羽原発の危険はこれから顕在化する、2回以上の連続大地震に対して全く備えの無い原発の規制基準、志賀も柏崎刈羽も危険極まりなし

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.【公式】八代亜紀ちゃんねる - YouTube
 https://www.youtube.com/channel/UCUY267fGP_RViWWYN_7BeAw
(演歌の女王・八代亜紀さんの突然の死去にショック、医療ミスはなかったの?)


2.八王子市長選挙2024年 開票結果や投票率は? 投開票1月21日 - NHK
 https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20240121a.html

(関連)自民支持過去最低の14.6% 内閣支持は微増18.6%―時事世論調査:時事ドットコム
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2024011800793&g=pol&logo=logo_6

(関連)派閥解散「信頼回復せず」72% 内閣支持低迷23% 朝日新聞社世論調査
 https://x.gd/cI2Zi 

(江東区、武蔵野市につづいて、これで野党は3連敗。来る衆議院選挙の結果をしっかりと暗示している。上記2つの関連記事に見るような政治情勢であるにもかかわらず野党が勝てない理由は、投票率の低迷が示しているのではないのか。つまり、「市民と野党の共闘」の総大将=泉健太立憲民主党に全く持って魅力がない=期待しない・できない=自民党と変わらないから、それなら岸田文雄を変えて自民党でええじゃないか、ということではないか。今回は都民Fの政策幹部だった人間が野党統一候補という信じがたい背信人選で臨んでいることも敗因の1つ。要するに、泉健太立憲民主党では、来たる衆参の国政選挙では絶対に勝ち目はないということだ。それどころか、私が見るところ、泉健太立憲民主党は「大阪の立民」(議席ほぼゼロ)へ向けて徐々に徐々に転落しつつある、という雰囲気が強く、一刻も早く泉健太執行部を退陣させ、党の体制を立て直さないと、この党は歴史のゴミ箱へ消えていくことになる。

頑なな立民支持者たちも同じだ。時間がたてばたつほど情勢は悪くなっていく。戦国時代にイクサで負けてばかりいる大将は、それ自体が悪とみなされ、次第に誰も付き従わなくなる。選挙は現代のイクサである。様々な選挙で負けることに慣れてしまって、負けても屁とも思わず、また同じことを繰り返す、これじゃ、支持者は離れていくだろうし、無党派と言われる浮動層からは投票をますます期待できそうもない。繰り返す。国政選挙で勝ってホンモノの「世直し」をするというのなら、立憲民主党は泉健太執行部を退陣させ、党の体制と「市民と野党の共闘」の態勢を抜本的に立て直せ。さもなくば、同じことの繰り返しになるだけだ。:田中一郎)

(最初に都知事に立候補する時は散々に自民党を批判して出てきたタヌキ女帝の小池百合子、今年夏の3期目をかけた都知事選を強く意識し、頼りない都民Fだけでは当選がおぼつかないと見て、今度は自民党にすり寄るべく、自民党候補の応援に入っている。あろうことか、八王子を地盤とし、あの統一教会代理店・裏金&脱税アベ派の番頭ともいうべき萩生田光一(自民)と裏取引をして、「自分ファースト」のクソダヌキぶりだと日刊ゲンダイが報じた。「自民党は来たる都知事選で候補者を出さないでね、私(小池百合子)を応援してね」の間接的な意思表示である。「裏金・脱税、そんなの私とカンケーないわ」が小池百合子の本音なのだろう。こんな女に投票する奴の顔が見てみたい。私は政治のことはよくわからないドアホでございますと、態度で示しているようなものだ。馬の糞饅頭が、そんなにうまいのか? だます奴は悪いが、だまされる奴も悪い。:田中一郎)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVkmqjM6hr8NfwmzZ6?e=RYiqlQ


3.(チラシ)(3.26)オルタナティブな日本をめざして(最終回)「現代日本の政治改革」(新ちょぼゼミ:田中一郎)(2023年3月26日)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVknjUc-TD5yXfueR8?e=nLXPCn


4.記者を増やしたい!新たなマンスリーサポーターを募集!(NPO法人 Tansa)
 https://syncable.biz/campaign/5453


5.イベント情報

(1)(2.4)第48回原子力・エネルギー教育研究会のご案内(ZOOM)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVknmlmIe0lLtcmxot?e=jmPKFG

(2)(2.11)wamセミナー 天皇制を考える(13):伊藤晃さん–アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館
 https://wam-peace.org/news/9952


6.安保機密漏えいに懲役10年 身辺調査し資格判断、法制化へ(共同通信) - goo ニュース
 https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/politics/kyodo_nor-2024011701001685.html

(関連)復活するスパイ防止法:国家重要情報非公開化と対米隷属国家の「国民選別制度」がSC(セキュリティ・クリアランス)制度だ:(必読重要論文)「大軍拡とSC(セキュリティ・クリアランス)制度法制化の危険性(井原總『経済 2023.9』)」- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/08/post-ab2dc0.html

(この「SC法」=「新スパイ防止法」で真っ先に犠牲になるのは大学教授たちです。しかし、今の若手の大学教授たちに危機感はあるのかな? 大学が「戦争屋」や「特権的大企業」の「安上がり下僕(研究開発)機関」にされようとしている時に、ボサーとしていて大丈夫か? 既成事実が進んでニッチもサッチもいかなくなってから騒いでももう遅いのだぞ。:田中一郎)


7.弁護士と一緒に考えてみませんか 自衛隊や自衛の措置を憲法に書き加えても何も変わらないの?
 https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/kenpo_pmf.pdf

(関連)パンフレット「憲法に緊急事態条項?災害などの際に国会議員任期延長?No!それ、いりません!」
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/publication/pamphlet/kenpo_pmf_202311.pdf

(能登半島地震に対する首相官邸や自民党ら与党の国会議員どもがどういう状態か、よく見てみたらどうなの。あの連中、今何をしてる? あんな連中に憲法を変えてまで、全権委任するワケ? 頭おかしいのとちゃうか? 自滅行為やぞ。:田中一郎)

(関連)岸田首相は改憲について何も分かっていない…任期中の実現はまず不可能|小林節 日刊ゲンダイDIGITAL 
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVknpE6H1Li9X80xDC?e=1EB4Tp
(あ~ら小林センセ、また応援して下さって、素敵な方ね、もう一回 キスして差し上げます。大好き チュッチュ!:田中一郎)


8.100年の残響:日比谷野音ストーリー 番外編(上下)(東京 2024.1.17,18)
 左翼というよりはマルクス原理主義(マルクスあほだら教)の終わりの始まりだったということか?

(上)https://www.tokyo-np.co.jp/article/303283?rct=t_news
(下)https://www.tokyo-np.co.jp/article/303503?rct=t_news


9.【派閥のパーティー券めぐる事件】自民党・茂木幹事長「深く反省する」 二階派は派閥の解散決定… - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=Q--quVijosQ

(関連)政策活動費見直し、茂木幹事長が言及「政党助成金含め議論を」:朝日新聞デジタル
 https://qr.paps.jp/6yyO

(関連)茂木派に新たに280万の裏金疑惑 茂木幹事長、新藤議員ら4人を刑事告発 「裏金は極めて悪質。検察は捜査尽くして起訴を」と専門家(アジアプレス・ネットワーク)Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/77f9039c2bfcc997f9987c06043156c461e25d7b

(あのな、自民党パワハラ四天王の茂木敏充よ、反省だけならサルでもするぞ。自民党は今まさに「猿山」状態ではないか? 政治刷新についても裏金・脱税の犯人=自民党なんぞに期待などしない。あんたは自民党の幹事長なんだろ、まずは上記「Yahoo!ニュース」にある自分の派閥のことから始めて「裏金・脱税」の実態を白日の下に明らかにしろよ、お前ら何してたんだ、ということだ。全てはそこから始まる話である。「政党助成金含め議論を」などと、お前らから言われたくないね。:田中一郎)


10.有権者が選んだ「ゴミクズ政治家」の「末法政治」が日本をつぶす
 いよいよこの国はダメか!? ドイツも2回失敗して破滅したが、この国も「もう一回」破滅するか? しかし、原発の大事故で破滅したら、二度と再建・再生は出来ません。放射能にゆっくりと焼き殺される汚染列島になるからね。(最近、市民運動・社会運動の中には、福島原発事故を早くも忘れて原発や放射線被曝を甘く見ているようなのを散見するけれど、ダメよ それじゃ!!)

(1)「世間が忘れるのを待つ」自民・安倍派の裏金問題めぐる岸田首相の姑息な思惑(金子勝淑徳大学客員教授 日刊ゲンダイ 2024.1.10)
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/334416

(2)トマホーク400発、2540億円で契約 半数を性能が劣る旧型にして導入前倒し:東京新聞
 http://tinyurl.com/mr264v5v 

(3)自民党裏金問題を告発の上脇教授が提言「政党助成金、企業献金をなくす」「選挙は完全な比例代表制に」 - 東スポWEB
 https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/286607

(4)石川・馳知事、衆院議員時代に819万円還流 報告書に不記載 - 毎日新聞
(そういえば、こいつも安倍晋三とべったりだった。こんなのを大地震で被災した石川県の知事にしておいていいの?)
 https://x.gd/nDVeC

(5)派閥解散「信頼回復せず」72% 内閣支持低迷23% 朝日新聞社世論調査
(そう思うなら選挙で自民党の候補を落選させろ。でなきゃ、飲み屋でくたびれオヤジが酒飲んでグダグダ言ってるのと同じ)
 https://qr.paps.jp/OeS2

(6)辺野古の工事、国が着手 代執行受け防衛省 県の反対押し切り - 毎日新聞
(震災救援はグズグズしてやろうとしないのに、こういうくだらないことはアメリカのために最優先でやる。岸田文雄自公政権の反国民性があらわになっている)
 https://x.gd/nUUra

(7)自民党パーティー券収入還流問題、我々は納得できない!(その1)~なぜ政治の世界だけがここまで税を払わなくてよいのか、理由がわからない(野口悠紀雄×郷原信郎-現代ビジネス-講談社)
 https://gendai.media/articles/-/123002

(8)自民党パーティー券収入還流問題、我々は納得できない!(その2)~政治資金規正法違反? 違うでしょう、これは脱税でしょう(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/dee29ee9a74ff7aed3e4cd670686ba79552b0bbf

◆震災復興に支障ない万博を 首相、経産相に指示(共同通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/0415270669f032a61b0d012288b117798bc178c4

(なるほど、万博など、やりたい奴らが自分のカネで日本の国の外に行ってやって来い、というご指示ですな、それなら納得! ところで岸田さん、あんたも万博と一緒に国外に行きなさい。もう帰ってこんでよろしいですよ。:田中一郎)

◆NHK世論調査 内閣支持率 政党支持率 毎月の最新情報 - NHK選挙WEB
 https://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/
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「「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(149):能登半島地震続報(3)=志賀原発や柏崎刈羽原発の危険はこれから顕在化する、2回以上の連続大地震に対して全く備えの無い原発の規制基準、志賀も柏崎刈羽も危険極まりなし」をお送りいたします。

 <別添PDFファイル>
(1)M7予想できた「能登半島地震」沿岸の活断層認定は急務(鈴木康弘明大教授 東京 2024.1.16夕)
(2)内陸の活断層 ずれ確認、能登半島地震 志賀原発の北9キロ(東京 2024.1.17)
(3)志賀原発リスク露呈、規制委 能登地震の知見収集、断層の活動範囲 想定超す(朝日 2024.1.11)
(4)屋内退避の指針見直し検討、原子力規制委 事故時の解除条件(朝日 2024.1.18)
(5)志賀原発 非常電源停止、3台中1台「安全問題ない」(毎日 2024.1.18)
(6)検証能登地震、志賀原発トラブル続出(毎日 2024.1.13)
(7)志賀原発クライシス:主電源喪失、燃料プールからは水が漏れ(『週刊文春 2024.1.18』)
(8)志賀原発の揺れ、設計の想定超え、北陸電力 見込みの甘さ露呈(東京 2024.1.11)
(9)能登震源域の断層 地震リスク高まる変化、両端の志賀沖周辺と佐渡島近く「注意を」(朝日 2024.1.16)
(10)柏崎刈羽原発は大丈夫か、大動脈使えず 事故時の避難に暗雲、日本海側も大地震は起きる(東京 2024.1.11)


◆【国民を守らない岸田政権】能登半島地震の初動が遅れ国民の命が失われたのは無能だからか故意か?万博中止、原発反対の声を恐れ被害を隠蔽?救命活動より自衛隊の出初式を優先する異常さ。【内田樹-維新-裏金】 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=hT05bPjQp70

 <十倉雅和会長=これが日本の財界を代表する人間だ>

(1)志賀原発「早く再稼働を」十倉経団連会長が視察|北日本新聞webunプラス
 https://webun.jp/articles/-/509835

(2)経団連会長が今ごろ巨大リング視察で「復興と万博の同時並行」強調のリアリティー欠如|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/334939


 既にご案内申し上げている通り、能登半島地震で大きなダメージを受けた志賀原発をめぐり、北陸電力は最初の激震があった元旦以降、原子力「寄生」委員会や経済産業省などの原子力ムラと結託しながら「異常なし」「安全上の問題なし」の繰り返しを垂れ流してきた。しかし、日がたつにつれてイロイロと公表内容にボロが出てきて修正を繰り返し、たちまち地域住民や国民からの信頼を喪失して、経済産業省からは「正確な情報を流せ」と厳重注意まで受ける事態となっている。

(関連)経産省、北陸電に正確な情報発信指示 訂正続く志賀原発の発表めぐり [能登半島地震]:朝日新聞デジタル
 https://digital.asahi.com/articles/ASS1B5JV3S1BUTFK00H.html

しかしこれは、原発の情報の流し方だけの問題ではない。それどころか、当の主務官庁=経済産業省や規制当局の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁も含めて岸田文雄政権政府は、今後、志賀原発(並びに柏崎刈羽原発)を襲うであろう地震や津波の危険性について、全く認識の甘い我田引水型の楽観論に立脚していて、このままでは再びの福島原発事故並みの、いやそれ以上に過酷な原発大事故をもたらしてしまいかねない事態に陥っている。口を開けば「原発の安全性には問題はない」を繰り返しているが、我々シロウトの市民の目から見ても、どうして「ワースト・シナリオ」に沿って既存の原発の設備・装備・装置の点検を行い、その結果、考えられるあらゆる事態について懸念なしとなるまで、慎重な態度を示せないのかと頭をかしげるばかりである。

◆原発・核燃施設を大地震が襲った時の着眼点(田中一郎 2024.1.1)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVkk9cbmCU42_AVAB1?e=2mfjfu

具体的に申し上げよう。第一に、日本の原発・施設の対地震の安全性については、基準地震動を定めて、それを最大地震と想定した上での原子力工学的な耐震補強を行うことになっている。しかし、みなさま既知の通り、基準地震動は、震源を特定して策定するものと、震源を特定せず策定するものの2つがあるが、2つともイロイロな屁理屈を付けては可能性のある地震の規模を小さく見せる「偽装工作」を繰り返している。特に「震源を特定せず策定する地震動」については、わずか震度5強の過去の北海道の内陸地震を仮の想定にしながら基準地震動を算定している始末で、まずもって危険極まりない原発の「安全基準」としては失格なのである。それは今日まで5回も基準地震動を上回る規模の地震が原発を襲っている事実からも既に実証済みのことだ。今回も志賀原発では想定していた地震動を上回る揺れに襲われている。許しがたいザル審査だったことが示された。

(関連)(別添PDFファイル)志賀原発の揺れ、設計の想定超え、北陸電力 見込みの甘さ露呈(東京 2024.1.11)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/301921

(関連)(別添PDFファイル)志賀原発リスク露呈、規制委 能登地震の知見収集、断層の活動範囲 想定超す(朝日 2024.1.11)
 https://digital.asahi.com/articles/DA3S15835347.html

よく言われているのは、民間のプレハブメーカーの住宅が数千ガルの耐震性を備えて販売されているのに、何故原発・核燃料サイクル施設は、わずか1千ガル前後の耐震性でいいとされているのか、という根本的な疑問である(しかも、その1千ガルでさえ、机上の計算上のことにすぎず、基準地震動が引き上げられても、それに対応して完璧な工学的な耐震補強ができているとは限らない。特に老朽原発は設計上、30~40年を寿命として設計され建設されているため、何十年もたってからの耐震補強など、とても十分にはできるはずもなく(原子炉設計がそのようなことが完璧にはできないようになっている)、さて、本当に原発が引き上げ後の基準地震動に耐えられるかどうかは定かではないのである。(下記の故平井憲夫氏の議論も参照)

(参考)「震源を特定せず策定する地震動に関する検討チーム」の検討結果を受けた規制上の対応について(規制庁 2019.9.11)
 https://www.nra.go.jp/data/000287429.pdf

(関連)過去10年間で5回も基準地震動を超える地震動が原発を襲った(下記の「目次」をご覧ください)
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031100330/files/271006_jyunbisyo9_genkoku.pdf

(関連)(報告)(11.27)オルタナティブな日本をめざして(第95回)「いまさら聞けない原発と基準地震動:その基本を解説」(只野靖弁護士:新ちょぼゼミ)(2023年11月27日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-79cd9e.html

◆原発がどんなものか知ってほしい:平井憲夫
 https://iam-k.com/HIRAI/
(まだお読みでない方は必ず目を通してください)


第二に、現在の新規制基準の場合には、大地震は1回限りのものについて対応するよう組み立てられていて、2016年の熊本地震や今回の能登半島地震のように、震度6~7クラスの巨大地震が短期間の間に連続して襲ってくる場合には、2回目の大地震以降は原発・核施設に何が起きるかわからない=つまり、1回の大きな揺れで、原発・核施設が「止める、冷やす、閉じ込める」の機能さえ失わなければ(つまりはこの3つに関係する重要施設さえ大きく破壊されなければ)、他のことはやむを得ないと割り切って、安全基準が定められ、規制審査がなされているということである。そしてその理由は「建設コストの最大限圧縮」である(そのための屁理屈の1つが「確率論的リスク評価」である)。

◆繰り返し地震に対する安全性を確保していない耐震基準(滝谷紘一:元・原子力安全委員会事務局技術参与、工学博士)
 http://tinyurl.com/2k5a2fb4

(関連)巨大地震は一度で終わらないかもしれない…「南海トラフ巨大地震」の「激しすぎる揺れ」の想定(山村 武彦) - 現代ビジネス - 講談社(1-3)
 https://gendai.media/articles/-/122104

しかし、下記の報道が示すように、多くの地震学者・科学者が、今後、能登半島周辺では巨大な地震が繰り返し起きる可能性が高くなっており、単に余震だけでなく、再度の大規模地震についても万全の警戒が必要だと論じている。朝日新聞の記事にははっきりと「志賀沖周辺」と書かれているので、まさに志賀原発が再度の大地震に加えて巨大津波にも襲われる可能性もあることを意味し、更に「佐渡島近く」とも書かれているのだから、柏崎刈羽原発も同様だということだ。柏崎刈羽原発については、この能登半島から延びてきている活断層の一連の連なりに加えて、佐渡島南部にも海底断層が東西に走っていて、これらとも連動して地震が発生した場合には2007年の中越沖地震を上回る破滅的な大地震が柏崎刈羽原発を襲う可能性もないわけではない。まさに、メールの表題に書いた通り「志賀原発や柏崎刈羽原発の危険はこれから顕在化する、2回以上の連続大地震に対して全く備えの無い原発の規制基準、志賀も柏崎刈羽も危険極まりなし」ということなのだ。

(関連)(別添PDFファイル)能登震源域の断層 地震リスク高まる変化、両端の志賀沖周辺と佐渡島近く「注意を」(朝日 2024.1.16)
 https://digital.asahi.com/articles/ASS197301S19ULBH01J.html

(関連)能登半島北東の活断層動かず 新潟沿岸に津波リスク残る 地震研 - 毎日新聞
 https://qr.paps.jp/grNaB


第三に、原発・核施設の安全規制では「重要度分類」という「コスト優先原則」に基づく各種装置や機器類の「安全上の重要度」が決められている。上記で申し上げた基準地震動の揺れに耐えられるだけの設計上の頑丈さは、下記の解説にある「S、B、C」の重要度の3つのランクのうち、最上位(最重要)のSランクの機器類のみである。それより下位ランクのBおよびCランクの装置類については、地震の揺れで壊れても構わないという方針なのだ。原発が超危険な施設だとしても、そのすべての設備や装置をSランクにすれば、カネがかかって仕方がないから、建設コストを抑えるため、耐震補強をする部分を可能な限り小さな範囲に絞り込んでいるわけだ。こんなコスト優先の重要度分類が原発の安全性を保障するわけもなく、例えばスリーマイル島原発事故では、ほんの末端の小さな装置の故障がたまたま2つ重なったために大事故につながっている。カネやコスト削減のために安全性を絞り込む発想に、およそ安全を期待する方が無茶である。

端的に申し上げれば、重要度の低い多くの原発装備(B,Cランク)は簡単に壊れる。そして今回も、外部電源やその取入れ窓口である変圧器が壊れてしまった。2007年中越沖地震時の柏崎刈羽原発の時と同じことが繰り返されている。しかし、外部電源や変圧器は本当に原発の安全性には関係がない、いわばどうでもいい装置と言えるのかである。外部電源を喪失した場合に頼ることになる非常用電源は、外部電源が回復するまでの「ツナギ」として使うことになっている。

しかし、非常用電源は長期間にわたって使えるものではない。特に原発が大地震に見舞われた時は、たまたま大雪による積雪なども加われば、被災原発現地への物資の運搬さえままならなくなる中で(原発ホワイトアウト)、万が一、非常用電源が壊れたり、燃料の補充が間に合わなくなったり、故障した変圧器の修理が容易ではなかったり、外部電源の復旧には半年も1年もかかる激甚被害だった場合(福島原発事故の際がそうだった、外部電源の鉄塔のある敷地が液状化を起こしグチャグチャになった=こんな場所に原発用の外部電源を置いていることがダメなのだ)、福島原発事故の際のようなSBO(全電源喪失)が再現する可能性は大いにある。そして今回の能登半島地震の際の志賀原発では、3つある非常用電源のうちの1つが理由不明で動かない事態が起きている。ワーストシナリオは容易に現実の悪夢の再現と化す。

(関連)耐震重要度分類 - ATOMICA -
 https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2699.html

(関連)発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に閨する審査指針(原子力安全委員会 1990.8.30)
 http://tinyurl.com/2sbxpjny

(上記は福島原発事故前の旧基準なので今現在のものとは少し違っているとは思いますが、3つのランクに分類されている原発の個々の具体的な装置や機器類は、今でも概ねこのような分類がされているものと推察します。ちなみに外部電源とその関連機器(変圧器など)は福島原発事故の前も事故当時もその後も「Cランク」のままです。私はコレが問題だと思っています。(どなたか今使われている重要度分類をお知りの方がおられたら私宛、当該URLなどをお送りください、ネット検索で見つけられず、でした):田中一郎)

◆(別添PDFファイル)志賀原発 非常電源停止、3台中1台「安全問題ない」(毎日 2024.1.18)
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240117/k10014325041000.html

(非常用なのに、試運転とはいえ、いざ動かしてみようとしたら止まってしまう、しかも、何故、停止したかが不明だという。これでどうして「安全性に問題ない」なのか? 動いている非常用電源こそ、偶然で動いただけかもしれないではないか。北陸電力やそれを規制する当局の原発の安全性に対する認識があまりに甘すぎる。国民や地域住民に対して「何でもかんでも安全だ」と言えば、それを信じて「安全だ」と思ってくれるとでも考えているのだろうか? 福島原発事故をもう忘れたか? バカは死ななきゃ治らないというが、原発を運営ないしは規制する人間達がバカでは我々の命がいくらあっても足りないではないか!?:田中一郎)


第四に、使用済み核燃料プールの危険性だ。福島原発事故の際には4号機のプールが大問題となり、近藤駿介(当時原子力委員長)が菅直人首相に依頼されて策定した事故の最悪シナリオでは、4号機プールの冷却不能から使用済み核燃料がメルトダウンして環境に大量の放射能をまき散らし、そのために人が近づけなくなって福島第一原発・第二原発のすべての原子炉がやがて制御不能になり東日本が壊滅するというものだった。アメリカが特にそのことを懸念して日本政府(当時は菅直人民主党政権)に強く対応を申し入れてきて、結局、自衛隊員を猛烈な被ばくの危険性にさらしながら、福島第一原発の上空にヘリコプターを飛ばしてわずかばかりの水を上から落とす、などという茶番のアリバイ行為までして対米追従の姿勢を示していた。結局は全くの「偶然」に助けられて最悪の事態は回避された。回避されたのは「偶然」のなすところであって、東京電力や保安院・安全委などの原子力ムラの事故対策によるものではない。

志賀原発にも使用済み核燃料プールはある。志賀原発のような沸騰水型の原子炉は使用済み核燃料プールが「ビルの4階」の高さの「半ば空中」にあり、耐震性の怪しげな鉄筋コンクリートの支柱に支えられている。地震の大きな揺れにより、①プールの冷却水を供給する装置が破損=プールの水がやがて沸騰してなくなる、②プールのどこかに大きな亀裂が入って水が抜ける、③プールが建屋ごと倒壊する(倒れる)、のいずれかのパターンで使用済み核燃料が冷却できなくなった場合には、福島原発事故時の近藤駿介シナリオが再現することになる。さて、志賀原発の使用済み核燃料プールは既に志賀町を襲った震度7の地震により相当程度に痛めつけられているはずながら、それがはたして今後繰り返される次の地震・次の大きな揺れに耐えられるのかどうか、全く分からない状態だ。今なすべきことは、一刻も早い、使用済み核燃料プールの安全対策である。


第五に、避難計画の非現実性、および志賀原発北方の環境放射能モニタリングの破損ないしは故障について、指摘だけ申し上げておく。原発事故時の避難計画に実効性はない。絵に描いた餅にすぎず、東海第二原発運転差止訴訟で水戸地裁もそれを理由に運転差止・原告勝訴の判決を下している。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁はそのことをよく理解しているので、避難計画は原発の多重防護の第5層で、原発運転許可時の重要審査事項であることが国際基準であるにもかかわらず、自分たちの所管ではないと逃げ回っている。地震による道路寸断と避難を急ぐマイカーなどの交通渋滞に加え、北陸や新潟県やそれ以北の豪雪地帯では、冬場に大雪が降ってしまえば、避難などできるはずもない。つまり、原発に何か起きれば、原発地域の住民は原発と心中せよ、ということを意味している。かような発電所など全く不要だ。(それ以外にも「原子力災害対策指針」(避難計画等)にはたくさんの矛盾や欠陥がある。地域住民無視・踏み付けの決定的証拠として見ておくべきだ)

(関連)【賛同募集】要請書 能登半島地震で露呈した「原子力災害対策指針」の欠陥-原発をこれ以上動かすべきではない - 国際環境NGO FoE Japan
 https://foejapan.org/issue/20240119/15765/


以上のように、北陸地方の立地する2つの原発=志賀原発と柏崎刈羽原発の危険は、今のままでは、これから顕在化してきます。なすべきことは、能登半島地震によるダメージをごまかしたり隠したりして両原発の再稼働を画策することではなく、今回の地震を契機にして原発政策を抜本的に見直し、両原発を即時廃炉にして、政府に原発関連設備を有償で買い取らせて原発からの撤退を北陸電力と東京電力に迫ることです。柏崎刈羽原発を再稼働させようとしている東京電力は、既に福島原発事故により会社経営が実質的に破綻している会社であり、新規制基準には原発稼働会社の資格として「相当程度の良好な財務内容」があったと思いますが、これに明確に違反していて、そもそも原発を動かす資格などないのです。東京電力も原子力「寄生」委員会・「寄生」庁も、柏崎刈羽原発の再稼働を違法行為によって実現しようとする、今や「犯罪者集団」に成り下がっていることを強調して付記しておきます。まさに、ふざけるな! です。

(関連)(別添PDFファイル)志賀原発 外部電源の一部喪失、「想定外」でも動かぬ規制委、避難指針も前提崩れる(東京 2024.1.13)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/302420

(関連)柏崎刈羽原発は大丈夫か、大動脈使えず 事故時の避難に暗雲、日本海側も大地震は起きる(東京 2024.1.11)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911?rct=tokuhou


==============
 以下、マスコミ報道に加えて、今般の能登半島地震が襲った志賀原発に関連した有識者や諸団体などのコメントをいくつかご紹介いたします。日々、原発や放射線被曝に関しておかしな報道を繰り返しているTV・新聞・雑誌などよりも、よほど信頼がおける内容ですので、少しずつでも目を通していただけると幸いです。このメールに全部は載せられませんので、メールを複数に分けることにいたします。

◆「屋内退避」など 指針の見直し含めた検討を指示 原子力規制委 - NHK - 令和6年能登半島地震
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240117/k10014324261000.html

(関連)(別添PDFファイル)屋内退避の指針見直し検討、原子力規制委 事故時の解除条件(朝日 2024.1.18)
 https://digital.asahi.com/articles/DA3S15841039.html

(NHK記事の一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)原子力規制委員会の山中伸介委員長は17日に開かれた会合で、「屋内退避の考え方を大きく変える必要はないが、屋内退避をいつまで実施するか、タイミングや期間の考え方を再検討する必要がある」などと述べ、事務局の原子力規制庁に対して指針の見直しを含め検討するよう指示しました。

(中略)特に能登半島の状況から『原子力災害対策指針』の見直しに至った訳ではない。今回の地震の状況を踏まえると、現在の指針で対応が不十分だったかと言われると、そうではない」と述べ、地震によって指針の不備が明らかになったのではなく、今月13日に宮城県にある女川原発周辺の自治体関係者と行った意見交換の際に、屋内退避についての質問が多かったことが理由だと強調しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(この原子力ムラのクサレ野郎=山中伸介「寄生」委員長は何を言うとるのかネ?! 地震で家屋が全壊したり大破している状態で、どうやって原発の大事故時に屋内退避をするのか? お前はドアホか、それとも無責任男か? 原発の過酷事故が起きた時、こいつを縄でくくって直ちに事故原発の破損家屋に連れて行き、そこで原子力「寄生」委員会が指示を出すまで動けないように、鉄の柱にでもくくりつけておいたらどうか。地域住民のことなど微塵も考慮していないことが赤裸々に現れている。原発周辺の自治体住民が原子力「寄生」委員会の委員長を含む委員をリコールできる仕組みが必要だ。こんな奴に命と健康を預けるわけにはいかない。:田中一郎)


1.(別添PDFファイル)M7予想できた「能登半島地震」、沿岸の活断層認定は急務(鈴木康弘名大教授 東京 2024.1.16夕刊)
 https://www.at-s.com/news/article/national/1387757.html

(関連)(別添PDFファイル)内陸の活断層 ずれ確認、能登半島地震 志賀原発の北9キロ(東京 2024.1.17)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/303233

(関連)能登半島地震 内陸の別の断層も動いたか 志賀原発から約9km(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/4f3040e89249325cead636628559d02d305dc8a2

(上記3つの記事にある鈴木康弘名古屋大学教授の発言は重要である。同氏は志賀原発の原子炉建屋の真下を走る断層もまた、活断層の疑い濃厚としていたが、先般、「寄生」委の御用学者=石渡明(東北大学教授:地質学)が老朽原発に関する規制基準を改悪した際に反対を表明したこととバランスを取るかのように、志賀原発真下の断層は活断層ではないと、関係者からのヒヤリングや公開討論を全く経ずに、勝手に決めてしまっている。現在の「寄生」委のメンバーを総入替して、改めて志賀原発の活断層を敷地内外で徹底して調査する必要があると思われる。すべての活断層が連動して動いたら厄介なことになりかねない。:田中一郎)

(関連)国の予測「震度6弱以上0.1~3%」「安全と誤解 油断生む」能登半島地震、専門家が警鐘(東京 2024.1.10)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/301633

(関連)M7.6は「想定されていた」 能登半島地震の活断層は「未知」でもなかった? 周知や対策はなぜ遅れた:東京新聞
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/302805


2.(別添PDFファイル)志賀原発クライシス:主電源喪失、燃料プールからは水が漏れ(『週刊文春 2024.1.18』)
 https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7747

(関連)(別添PDFファイル)検証能登地震、志賀原発トラブル続出(毎日 2024.1.13)
 https://mainichi.jp/articles/20240113/ddm/012/040/122000c

(今回の志賀原発で起きた全てのトラブルは、徹底的に調査してその全容を明らかにするとともに、原因解明もしっかりとさせ、再発防止策を取らせないといけない。また、あくまでも再稼働を言い張るのであれば、2基の原発全ての機器類や装置類その他について、隅から隅まで点検して回れということも義務付けなくてはならない。巨大装置である原発を隅から隅まで点検することは不可能に近く、ならば再稼働の許可は出せない、というのが原発の安全を優先する規制当局の当然の態度である。:田中一郎)


3.珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/304462?rct=tokuhou


4.能登半島地震・避難できない、全ての原発を停止せよ! 活断層評価のやり直しを!(規制監視ニュース 2024.1.19)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVknvpVWORp5B4IZFW?e=lW1716

(関連)原子力規制を監視する市民の会 HP
 https://kiseikanshi.main.jp/


5.<IWJ取材報告1>「令和6年能登半島地震の初動から日本の災害対策の課題を考える」―講演:石井美恵子氏(国際医療福祉大学大学院教授)、青木美希氏(ジャーナリスト)
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53123#idx-6

 1月9日、20時より、「政権交代を実現する会」主催によるZoom講演会「令和6年能登半島地震の初動から日本の災害対策の課題を考える」がありました。

 講演は、2部構成で第1部が国際医療福祉大学大学院石井恵美子教授による講演と質疑応答、第2部が、ジャーナリストの青木美希氏による講演と質疑応答でした。

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 第2部で講演したジャーナリストの青木美希氏も、この点に触れて、「ガイドラインでは、障害者避難の具体的な計画が示されず、障害者の避難は各施設任せになっている」と指摘しています。

青木美希氏は、能登半島の被災地で取材を続けており、その見聞を織り交ぜながら、講演を行いました。青木氏の講演のテーマは、大きく分けて2つあり、一つが志賀原発について、二つがフクイチこと、福島第1原発の現在でした。

青木氏は講演の冒頭、大地震でダメージを受けた志賀原発が、現在も続く大きな余震によって、配管や外部電源などがますます破壊されるのではないかと、多くの人が懸念していると述べた上で、「志賀原発は1号機、2号機ともに、2011年以降は発電を行っておらず、燃料を冷やし続けています。そのため外部電源が止まっても水温が100度に上がるまで17日間あります」と述べました。

ただし、志賀原発が再稼働した場合について、青木氏は、深刻な問題を2つ指摘しています。それは、能登半島の北西岸の海岸線の海底が85キロにわたって隆起し、陸地になったことに関連します。青木氏は、もし、原発で海岸線の海底の隆起が起きたらどうなるかと問いかけます。2つの問題を、青木氏は指摘します。

一つは、原子炉の燃料を冷却するには、電気と水が必要で、その水は海から取水している。もし、稼働していた場合、海底が隆起して陸地になったら、海から冷却水を取水できなくなるという問題です。これに対して、電力会社は、隆起が起きない場所に原発を建設するから大丈夫だと反論するだろうといいます。

しかし、能登半島地震では、現に未知の断層が動いて、M7.6の地震が起きました。未知の断層は多く存在しており、隆起が起きない場所は、どこなのか、明確に言うことはできないのです。これが能登半島地震が突きつけた現実です。

青木氏が指摘する第二のポイントは、原発事故が起きた場合、逃げられるのかという問題です。避難所に避難すると逆に避難中に亡くなるケースがあるので、政府は屋内退避させる指針を定めています。しかし、今回の地震では待機するはずの屋内は震度7の地震ですでに倒壊してしまう事態が起きています。逃げる場所が物理的にあるのか、という問題です。

さらに、放射能を避けて適切に逃げるルートを確保するには、放射能漏れがわかることが必要ですが、志賀原発では、モニタリングポストの147ヶ所で欠測があり、これができなくなりました。

「今日、石川県にポストについて取材したところ、電力の問題、自家発電しているところもあるけれど、何らかの原因で電力が途絶えたものや、通信の問題、NTTやドコモを使っているということだったので、通信が途絶えたという問題だということでした。なぜ、衛星(通信)を使わないのですか、という質問をしたところ、衛星はコストがかかるんですよね、という答えでした」。

さらに、青木氏は国に取材し、国の言い分も紹介しています。「こういう対策費(モニタリングポスト設置費)は、交付金で出しています。100分の100、100%で出していますと。衛星設備が可能なほど出しているのですか、と問うと、国の方では、3.11を踏まえ、衛星で通信できるように、言葉で書いていますと。交付金は衛星で通信できるほどの予算はつけているのですか、と重ねて問うと、これから調べますということでした」

青木氏は、「3.11の教訓がよく生かされていないことがわかった地震だった」と令和6年能登半島地震の原発の影響について総括しています。IWJは、青木氏に、次のような質問をしました。

「未知の断層がある以上、どこで、地震が起きても不思議ではなく、また、その正確な位置の予測も不可能です。原発の廃止は必然的なことなのに、なぜ、日本は原発を止められないのでしょうか」

青木氏は、こう答えています。「一部の利益集団(日本の人口に比して少数者でしかない)が自分たちのために(原発を)やっている。脱原発を決める政権にする必要がある」。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


6.(メール転送です)志賀原発 外部電源と変圧器の損傷~ニュージーランド地震で寸断されたOFケーブルは健在か?|大竹進
 https://note.com/otake_susumu/n/n21add5015077

 志賀原発の電気系統のトラブルについてまとめました。私は電気の専門家ではないので誤解している部分もあると思いますので、ご指摘いただけますようお願い申し上げます。かなり、重大な損傷が起きていますが、小さく・小さく見せるようにプレスリリースが行われていると感じました。(大竹進さん:青森県)


7.その他

(1)「サンモニ」元村有希子氏 能登半島地震での志賀原発トラブル「情報公開に大変な課題」「安全審査、今まで通りには疑問」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/05733e3c7519e0cf9dbc1d29c4b6d087bc022440

(2)「原子力災害対策指針」見直し言及〜能登地震受け、規制委員長 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 https://www.ourplanet-tv.org/48108/

(3)志賀原発 能登 地震で何が?現状は?詳しく 火災や爆発音って…北陸電力の情報発信に大きな課題 - NHK - 各地の原発
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240122/k10014329711000.html

(4)志賀原発に複数回の津波到達 震度7当日 付近の水位3メートル上昇(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/dbb310573a3297ae15b3e3d97c5d7c0264c911d6

(5)志賀原発の前の海にまた油膜 約6リットル 北陸電「反省している」 [能登半島地震]:朝日新聞デジタル
 https://x.gd/R6XzP

(6)能登半島地震で露呈した原発の「不都合な真実」政府が志賀原発を“異常なし”と強弁した理由 古賀茂明(AERA dot.) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/0c2d886acd2cb8e16a476baed0dfeaadba714ee6
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