完璧な立証・弁論を展開した原告団を蹴飛ばし、今後も国や自治体は事実上原発事故による被ばくから住民を守らなくてもよいという判決を下した石栗正子(裁判長)というトンチキ下劣女:(12.18)子ども脱被ばく裁判「親子裁判」判決報告
前略,田中一郎です。
(最初に若干のことです)
================================
1.(1.9)第1回 (新)「ENJOY DEBATE 読書会」=『資本論』(Kマルクス):来年2024年1月9日(火曜日) 午後1時-5時、中央区明石町区民館205号室
3年ほど前、カールマルクス著『資本論』(新日本出版)の読書会を、当日「読み合わせ」の形でスタートしたのですが、その直後に「新型コロナ」パンデミックとなり、中止を余儀なくされてしまいました。その「新型コロナ」もようやく「普通の風邪」という認識が広まり、もう気にしなくてもいい状況が生まれています。そこで、読書会を再開しようかと思います。ただ、読書会の進め方を少し変えて、今回は下記のような形でやりたいと思います。
(1)今回は当日「読み合わせ」ではなく、前もって一定範囲を読んできていただいて、当日、それをタネにいろいろと議論します。
(2)議論の範囲は、『資本論』に何が書いてあったかや、どう解釈するのがいいか、といった狭い範囲にとどまらず、『資本論』の記載をタネにして、いろいろと日常のことや、過去の経験、世の中の出来事、現在の日本経済・社会のことなどなど、いろいろなことをテーマに出していただいて、意見交換できたらと思っています。
(3)最初の1時間半~2時間は、『資本論』を読みます。レポーターは当面は私(田中一郎)がやりますが、希望される方がおられたら、その方にお願いしようと思います。レポーターからのプレゼンは概ね30~40分くらいで、そのあと質疑応答、そして意見交換と、進めていきたいと思います。
(4)後半の2時間は自由討論の時間です。テーマ提供もすべて参加者次第です。
<次 第>
1.日 程:2024年1月9日(火)(毎月1回:できれば定例日を決めておきたい)
2.時 間:午後1時~5時
3.場 所:東京都中央区明石町区民館(隅田川沿い、聖路加病院すぐそば)
https://kyobashi7cityhall.jp/about/akashi.html
4.費 用:会場費(¥1500)+資料代を参加者人数で分担(今までの経験で概ね300円~500円)
5.二次会:希望者のみ
6.タネ本:『資本論』(カールマルクス著:新日本出版)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033973062&Action_id=121&Sza_id=GG
7.その他:この「読書会」はあくまで「自由なおしゃべり会」であり、この会で何らかの行動(政治的なものも含む)を決めたり行ったりすることは致しません
(なお、第1回目は、参加者の簡単な自己紹介、この読書会の進め方、次回以降の日程など、実務的なことを決め、併せて、時事問題を巡って議論を交わしたいと思います。『資本論』は第2回目から読んでいきます。但し、『資本論』の第1巻はご持参ください)
*参加ご希望の方へ
既にご参加の連絡をいただいている方は必要ありませんが、レジメの用意の関係がありますので、参加希望の方は私宛、ご一報ください。飛び入りも歓迎です。
2.裁判情報
(1)(チラシ)(1.22)伊方原発運転差止広島裁判 第44回公判(広島地裁)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVki38Rlt8gIYj-4XO?e=xFUemH
(2)(チラシ)(1.26)福島原発かながわ訴訟 第1陣控訴審判決(東京高裁)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVkXqDWcNzY-fCsMD9?e=w1kYxV
3.キャンペーン
◆【ガザ即時停戦署名】
https://chng.it/n9VK5NWQ
(関連)【新署名】「ガザ地区で無差別・大量虐殺を行っているイスラエルへの経済制裁を求めます」
https://chng.it/cbqg8dCr
--------------------------------------------------
年末寄付100人キャンペーン2023 ご支援をお願いいたします:OUR PLANET TV
--------------------------------------------------
クレジットカード・郵便振替・銀行振込にてご寄付を受け付けています。
https://www.ourplanet-tv.org/event/47931/
■期 間 2023年12月29日(金)まで
■目 標 寄付者100人⇒<NEXT GOAL>150人
※OurPlanet-TV へのご寄付は、寄付金控除等の対象です。
ご寄付お振込の翌月に寄付控除に必要な領収書をお送りいたします。
4.ゲノム編集トマトがスーパー店頭に(有機農業ニュースクリップ速報版 2023.12.24)
サナテックシードが開発したゲノム編集トマトがスーパーの店頭に並び始めたという。12月24日付けの静岡新聞に掲載された共同通信配信記事によると、中央線沿線に展開する三浦屋、千葉県東北部から都内に展開するワイズマートなどで、ゲノム編集でGABAを強化したシシリアンルージュハイギャバが150g(7~10個)で500円前後で販売されているという。
・共同・静岡, 2023-12-24
「ゲノム編集」食品は果たして普及するのか 浸透の鍵は「悩みの解消」、まずは抵抗少ない分野から
https://www.at-s.com/news/article/national/1381797.html
・三浦屋
https://miuraya.com/#shops
(遺伝子をいじくり回したゲロゲロ・トマトがスーパーの店頭に出てきているようです。表示もしないのでステルス・ゲロゲロ食品として登場です。気をつけましょう。そして、一刻も早くホンモノの政権交代を実現して、こうした理不尽を一掃いたしましょう。:田中一郎)
5.(OUR PLANET TV)開沼氏との訴訟 第5回口頭弁論期日報告集会(2023年12月22日)
https://youtu.be/QyYoBh4nQB8
◆次回期日のお知らせ
日 時:2024年2月9日(金)14:00~
場 所:東京地方裁判所415号法廷
傍 聴:抽選などはせずに傍聴いただけます
※期日後の報告会は詳細が決まり次第ご案内いたします。
6.武蔵野市長選 自公推薦の小美濃さん、339票差で初当選 裏金事件の逆風はね返す:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/297319
(これで江東区長選挙に続いて野党連合敗北は2回目です。私は野党共闘の総大将=泉健太立憲民主党に根本的な問題があると見ており、かつ、今回の菅直人氏の後継として、後ろ足で砂をかけるように武蔵野市を去って行った前市長、ならびに菅直人氏の態度にも問題があると見ています。詳細は別メールにて申し上げます。自民党の裏金・脱税問題で野党が勢いづき、次期国政選挙で野党が圧勝するのではないかと楽観視している向きもあるようですが、甘い、とだけ申し上げておきます。:田中一郎)
(関連)東京 江東区長選挙 大久保朋果氏当選 自・公・国・都ファ推薦 - NHK - 選挙
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231210/k10014278481000.html
7.前原氏「野党勢力結集を」教育無償化へ新党本格始動(共同通信) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d74e782af7d0c177a14f8070d5ffeea5272d338
(関連)連合 国民民主除名・新党結成の推薦“凍結”「多くの組合員を混乱させた」(FNNプライムオンライン)- Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/533c5d629c68c056a110f9dbb0b5c7548557f806
(このオレサマ元祖「口先やるやる詐欺」=前原誠司は頭がおかしいのではないか? 国民民主党のような出来損ないの豆粒政党の時でさえ、自分中心に党が動かないからと分裂・党を割って出ているのに、どの口で「野党勢力結集を」などと言うのか? こんなの相手にしなくていいのです。世のため・人のため、無視して政界から消えていただきましょう。ところで、この前原誠司にくっついて行ったのが、あの元滋賀県知事の嘉田由紀子だったから、私は少し驚いた。しかし、嘉田由紀子が2012年の大飯原発再稼働(民主党野田政権)の際に、それをあっさりと認めてしまった、あの時の腰抜けぶりから見て、さもありなんとも思う。この女の政治生命も既にその時に終わっていたのだろう。「いざ」というときに信念を貫いて有権者・市民のために決断・行動できない政治家は、やはりダメなのです。:田中一郎)
8.「アホちゃいまんねん、パー券でんねん」の自民党とクソメガネ岸田文雄
(1)「岸田首相では戦えない」悲鳴…地方選惨敗、パー券疑惑が追い打ち 森政権を退陣に追い込んだ「総裁選前倒し運動」の再来も(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e4955464c4dd305a5cb3ba2a8eeb6cfd73fab7a
(2)さらば増税メガネ! 2024年の賃上げ「前年割れ」見通し4割、ショボすぎ経済対策に庶民の苦境続く|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333728
(3)安倍派「5人衆」に任意聴取要請… パー券を必死に売った議員と派閥の“黒いウィンウィン”関係|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333795
(4)安倍派パー券裏金還流 幹部共謀の判断ポイントか?2022年に廃止決定も元首相死亡後に復活|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/333835
(5)自民・世耕弘成氏「いずれは国の舵取りを」で大炎上 過去の「政治とカネ」改革発言も蒸し返される|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333783
(6)政権幹部が次々聴取 この異常事態に会食三昧で居座りの岸田首相|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/333846
9.日刊IWJガイド・非会員版「ベツレヘムでのクリスマス行事をすべて中止! 国連安保理では米国によって骨抜きにされ『即時停戦』が消し去られた人道支援決議が可決!」2023.12.25号~No.4105 - What's New お知らせ
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53054
■【第1弾! シーモア・ハーシュ氏が、「バイデンのノルドストリームパイプライン破壊工作によって、ドイツのエネルギー集約型産業が最大の打撃を受け、ドイツ右派の台頭を招いた」と告発!】「ドイツ経済の失速」を報じた『日経』『ジェトロ』は、ロシア産天然ガスの供給断絶の理由としてノルドストリーム爆破について言及せず! 日本も米国によるロシア北極圏でのLNGプロジェクト「アークティック2」への追加制裁で苦境に陥ることは明白! 国難にあって、なぜ、対米盲従を続けるのか!(シーモア・ハーシュ『サブスタック』、2023年12月22日)
■【第2弾! ノルドストリームを爆破され、ロシアからの格安の天然ガスの供給を断たれたドイツでは、鉄鋼業が大ピンチ! ドイツ鉄鋼協会は「2023年は、ドイツ鉄鋼業界にとって最悪の年になるだろう」! ドイツ鉄鋼協会事務局長は「鉄鋼生産は現在、自由落下(フリーフォール)状態にある」と表明!】2023年のドイツの粗鋼生産量は、リーマンショックの2009年に次ぐ最低量に! 2023年秋、バローレック社、アルセロール・ミッタル社が相次いでドイツ国内の工場を閉鎖! エネルギー集約型産業にとって、天然ガスの価格高騰は致命傷!! 日本も他人事ではない!(『GMKセンター』、2023年12月19日)
(ドイツのみならず欧州の政治家どもの質の劣化が目立ちます。いい加減にしないと第三次世界大戦になりかねません。:田中一郎)
================================
「完璧な立証・弁論を展開した原告団を蹴飛ばし、今後も国や自治体は事実上原発事故による被ばくから住民を守らなくてもよいという判決を下した石栗正子(裁判長)というトンチキ下劣女:(12.18)子ども脱被ばく裁判「親子裁判」判決報告」です。
判決の内容を聞いて、怒りがこみ上げるとともに、これまで苦労に苦労を重ねてきた原告ならびに原告代理弁護団の方々に何と申し上げていいのか、言葉を失いました。このクソ裁判長の石栗正子は、控訴審の最初のうちは、福島地裁のドアホ裁判長=遠藤東路とは違って、ずっとまともな公判をするのかなという印象でスタートし、その後もあまり違和感のない法廷指揮が続いていました。こいつが豹変をしたのは昨年2022年の10月~11月にかけてのことです。
「子ども脱被ばく裁判」に先行して「田村市バイオマス発電訴訟」控訴審が行われていて、ここでもデタラメ三昧だった福島地裁とは違って、原告の勝訴につながる雰囲気の法廷運営(原告提出の証拠を丁寧に確認していく)が続いていたのですが、それが2022年10月になって突然、クソ裁判長の石栗正子が結審・証人尋問すべて却下、現地視察も行わない、と言い出したのです。そしてその翌月には、「子ども脱被ばく裁判」で原告側が内堀雅雄福島県知事(原発事故当時は副知事)や文科省の役人ら5人の証人尋問を申請していたものも、同じようにすべて却下してしまいました。
要するに、この時にこの女は、この2つの裁判について態度が一変して、田村バイオマスも、子ども脱被ばくも、ともに原告敗訴へ追いやる判決へ向けて猪突猛進を始めてしまった、ということなのでしょう。私の推測は、この頃、最高裁事務総局から、直接または間接に何らかの圧力がこの女に掛けられ、それを払いのけることもできずに、つまり裁判官の職責と正常な判断力を放棄して、ろくでもないガラクタ判決文を書いたということではないかということです。
(関連)田村バイオマス住民訴訟判決-仙台高裁は民主主義の破壊者となり下がった - ちくりん舎(NPO法人市民放射能監視センター)
http://chikurin.org/wp/?p=6582
私は、福島原発事故後に地域住民に不要で過剰な放射線被曝をもたらした元凶は、政府や文部科学省もさりながら、それ以上に福島県にも重い罪と責任あるのではないか、と見ていて、だからこそ、原発事故当時およびその後、県内の放射線防護と住民の安全確保について、実務的な最高責任者だった内堀雅雄の証人尋問は絶対に必要な裁判上の手続きだと確信していました。それをこのクソ裁判長の石栗正子は、事実経過の解明からもトンズラをして証人尋問を却下し、この裁判の核心部分の事実認識をしないまま、クソ判決を書くに至っているのです。およそかような人物には裁判官の資格はありません。直ちに弾劾裁判にかけ、その職位を解任すべきでしょう。
以下、いくつかの「子ども脱被ばく裁判」仙台控訴審判決へのコメントをご紹介しておきます。原告弁護団からは、追ってさらに詳細な批判文書が公表される予定と聞いていますので、出ましたら、またメールとブログでご紹介いたします。
日本の司法・裁判所(および検察)は、もはや法治国家の機関として機能しなくなり、日本は「法治国家」から「放置国家」に転落しています。私たちは、個々の裁判での勝訴を目指し全力を挙げるだけでなく、そもそもそれぞれの裁判が正常に機能するように、司法制度改革へ向けても、一歩踏み出す必要が出ています。要するに「裁判やりました、負けました、終わりました」ではダメなのであって、政権政府・行政追従の人権踏みにじりクソ判決が出たら、そのクソを裁判所・裁判官に投げ返す、それくらいの勢いと憤りを持って、この事態に立ち向かうべきだろうと思います。このメールの最後に私主催の「新ちょぼゼミ」での「司法改革への取組」その他について、若干のご紹介をしておきますので、併せてご覧いただければ幸いです(来年1/22に2回目・続きを行う予定です)。
◆子ども脱被ばく裁判「親子裁判」判決報告(2023.12.18 仙台高裁)-子ども脱被ばく裁判ホームページ
https://kodomodatsuhibaku.blogspot.com/2023/12/20231218.html
https://kodomodatsuhibaku.blogspot.com/2023/12/20231218.html
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
井戸謙一弁護士 判決報告
こちらは井戸弁護士による原告(控訴人)への報告となりますが、みなさんと共有します。(子ども脱被ばく裁判の会事務局)
2023年12月19日
仙台高裁判決のご報告
子ども脱被ばく裁判原告(控訴人)の皆様
子ども脱被ばく裁判弁護団長 井 戸 謙 一
2023年12月18日午後3時から仙台高裁で子ども脱被ばく裁判(親子裁判)の控訴審判決が言い渡されました。石栗正子裁判長は、入廷したときから顔が引きつっており、悪い予感がしましたが、案の定、控訴棄却(原告らの請求を認めない)の不当判決でした。判決後の集会では、参加しておられた原告の方々から最高裁判所へ上告する旨の意思表明がなされました。簡単ですが、判決内容をご報告します。
1 損害の立証について
(1) 前提事実
原発事故によって受けた損害の賠償を求める手続を定めた法律として、原子力損害賠償法があります。この法律では、原発事故によって生じた損害は、原子力事業者(福島原発事故の場合は東京電力)に対してしか請求できないことになっています。
他方、国や地方公共団体に対する損害賠償の手続を定めた法律として国家賠償法があります。国家賠償法に基づいては、原発事故によって生じた損害の賠償は請求できません。それは、原子力損害賠償法に基づいて原子力事業者に対して請求すべきものだからです。
私たちは、国及び福島県に対して損害賠償を求めていますから、根拠となる法律は当然、国家賠償法です。私たちは、国や福島県に対して請求しているのは、「原発事故によって生じた損害」ではなく、「国や福島県が当然なすべき住民の放射線防護対策をとらなかったことによる損害」であると主張しています。国や福島県が当然なすべき住民の放射線防護対策をとらなかったため、子どもたちは、原発事故が起こったために避けることのできなかった被ばくに加え、「無用な被ばく」をしました、そのために、将来の健康不安が高まり、精神的苦痛を被りました、そのことによる慰謝料を請求しているのです。
(2) 判決の内容
判決は、次のように言いました。「原告らは、原発事故によって受けた被ばくではなく、国や福島県がとるべき対策をとらなかったために受けた被ばく(いわば被ばくの上乗せ分)に対する賠償を求めているが、上乗せとしてどの程度の被ばくをしたのか、主張立証していないから、原告らの主張は失当である。」
(3) コメント
国や福島県がスピーディ情報を隠したため、津島の子どもたちは、避難のタイミングが遅れ、無用な被ばくをしました。スピーディ情報が公表されていれば、もっと早く避難できましたから、避難が遅れたことによる被ばくは上乗せされた被ばくです。20ミリシーベルト基準で学校が再開されなければ、子どもたちは少なくとも通学時の被ばくを避けることができたし、避難を続けることができた子ども(学校が再開されるので避難先から帰還した子ども)も多数いました。これも無用な被ばく(被ばくの上乗せ)です。安定ヨウ素剤が服用できていれば、放射性ヨウ素の甲状腺への取り込み量は少なくて済みましたから、ここでも子どもたちは無用な被ばく(被ばくの上乗せ)をしています。控訴審判決が、子どもたちが上乗せで何ミリシーベルトの被ばくをしたのか主張せよと求めているのなら、それは、不当です。数値が示せるはずがありません。数値は示せなくても、無用な被ばくをしたことによって、原告たちは精神的苦痛を感じています。その苦痛を感じることが合理的であるのであれば、損害の主張、立証としては十分なはずです。損害の主張、立証がないとする仙台高裁の判断は不当極まりないものです。
2 国や福島県の違法行為について
(1) スピーディ情報の隠蔽について、判決は、放出源情報(原発からいつ、どれだけの放射性物質が放出されたかという情報)が得られず、正確な予測ができなかったから、スピーディ情報を公表しなかったことは裁量の範囲内であると判断しました。確かに、放出源情報があれば、地形情報、気象情報と合わせて、どの地域に、どの時刻に、どの程度のプルーム(放射性雲)が襲うのか予測できます。本来、スピーディシステムはそれを予定していました。しかし、仮に、放出源情報がなくても、地形情報、気象情報はあったのですから、放出された放射性物質が、その量は特定できなくとも、どの方向に流れるかは予測できたし、その情報は結果として正確でした。であれば、スピーディ情報が公表されていれば、避難する人々は、どの方向に逃げるべきかについて、正しい判断ができたはずです。放出源情報がなくてもスピーディ情報は公表すべきでした。
(2) 子どもに対する安定ヨウ素剤の投与指標を「甲状腺等価線量10ミリシーベルト」とすべきところを「100ミリシーベルト」とした点について、判決は裁量の範囲内であるとしました。WHOは、チェルノブイリ原発事故の際、ポーランドでは、100万人の子どもに安定ヨウ素剤を投与して小児甲状腺がんの発症はゼロであり、副作用もゼロだったという経験を踏まえ、1999年には、小児に対する安定ヨウ素剤投与の基準を10ミリシーベルトにすべきと世界に勧告していました。日本がそれでも100ミリシーベルトとしたのは、副作用リスクを、ポーランドの大人のしかも中・軽度の副作用「1万人に6人」という数値を採用したからです。私たちは、小児に対する安定ヨウ素剤の投与指標を定めるについて大人の副作用リスクの数値を用いたことの不合理を主張しましたが、判決はそれを容認してしまいました。
(3) 年20ミリシーベルトを基準として学校を再開したことについて、私たちは、年1ミリシーベルトという基準を子供について20倍にしたことの不合理を主張しましたが、判決は、国がICRPの2007年勧告にしたがったことを合理的だと判断しました。年1ミリシーベルト基準は法律です。年20ミリシーベルト基準は、イギリスのNPO団体であるICRPの勧告にすぎません。なぜ、法律を無視してNPO団体の勧告に従ったことが正当化されるのか、まことに不合理です。
(4) 山下発言について、判決は、「科学的知見に著しく反する内容であるとはいえない」としました。「科学的知見に反する」としても、「著しく」はないという趣旨のようです。しかし、福島県から放射線管理アドバイザーとして委嘱された専門家が、「科学的知見に反する」説明をすれば、それは違法ではないのでしょうか。
3 福島地裁の第1審判決が、すべて「行政の裁量の範囲内」であるとして違法ではないとしたのに対し、控訴審判決は、一審判決よりも内容に踏み込んだうえで、行政の措置はやはり裁量の範囲内で、不合理とは言えないと結論づけました。その結論を導くために、その判断構造には、不合理な事実認定、強引な判断が目につきます。
4 以上、判決の内容の一端をご報告しました。上告するか否かを決定するにあたり、判断材料にしていただきたく、お願いいたします。
以上
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(関連)「子ども被ばく裁判」2審も棄却〜仙台高裁 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/48045/
■2023/12/18 NHK福島 原発事故“子ども被ばく”賠償訴訟 2審も原告側の訴え退ける
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20231218/6050024815.html?fbclid=IwAR0sR-np2K1fFCx95em6UtjOJOInXvwcs_bCD5Fw_TSdchS-gzcrbVbuCVQ
■2023/12/18 NHK宮城 子ども被ばく裁判 2審も棄却 仙台高裁
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20231218/6000026106.html?fbclid=IwAR3BxLrpDaTvx9GQKnZLnNK4hxwlWDGwWO6gecPSPpCdL9wiQ3RntFJQ52s
(関連)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)- 20231218 子ども脱被ばく裁判 仙台高裁にて棄却の不当判決 論理破綻の呆れる内容 またもや司法は子どもを護らず 石栗裁判長を許さないぞ!の抗議
https://fukusima-sokai.blogspot.com/2023/12/20231218.html
・・・・・・・・・・・・・・・
◆(拡散希望)(報告)(12.20)日本の司法・裁判所を立て直す制度改革(第5回目):日本の司法・裁判所・検察を変える(その1)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-827a26.html
◆(報告)(12.20)オルタナティブな日本をめざして(第97回):「日本の司法・法曹界と原子力ムラ」(後藤秀典さん:新ちょぼゼミ)(2023年12月20日)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-ee595b.html
(関連)署名活動についてのお知らせ · ご存じですか?こんな人脈 最高裁・東電・政府・司法エリートの蜜月な関係 · Change.org
http://tinyurl.com/2fz6tz45
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(参考)福島原発事故間もなく書いた2つのレポートを再送します:(1)(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問 (2)(セシウムの百倍の危険性) 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか
下記にご紹介する2つの私執筆のレポートは、福島原発事故後間もなく書いて、大量に印刷をして、あちこちで配りましたので、既にご覧いただいている方々もいらっしゃるとは思います。しかし、私の肌感覚として、原発事故後約13年が経過し、事故直後以降、しばらくの間存在していた放射線被曝の危険性への認識が、昨今では弛緩し、「原発安全神話」の復活と「放射能安全・放射線被曝安心神話」までもが台頭してきているような気がしてなりません。もしそうだったとすれば、それほど愚かなことはありません。
私が見るところ、脱原発運動や脱被ばくの運動が、裁判に傾斜し過ぎていて、裁判で争うためにやむなくしている様々な「妥協」や「捨象」や「省略」や「敵の土俵の上で闘う」という作為を、何のとまどいも、条件付けも、躊躇もなく、やむなき事情も知らず、それをそのまま受け止め、受け取って、それが全部で、それが絶対真実、と認識してしまっているのではないか疑いたくなるということです。
たとえば「シーベルト」という放射線被曝の評価単位ですが、こんなものは内部被曝の評価には使えない、という認識が、どこかに吹き飛んでしまい、1mSvを下回れば(比較的)安全だ、などと、脱原発や脱被ばくの運動をしている人々自身でさえもが認識していたりします。「シーベルト」という単位を、何の躊躇もためらいもなく、内部被曝と外部被曝の区別もせず、平気で使う。しかし「シーベルト」という放射線被曝の評価単位は、外部被曝はともかく、内部被曝については、その被ばくの実態を全く現していない、原子力ムラ・放射線ムラのでっち上げたインチキ丸出しであるにもかかわらずです。(例:「組織加重計数」が何故、合計して「1」にしてあるのですか?)
あるいは、関東や東北の福島原発事故による放射能汚染地帯にある湖沼・河川の淡水魚を釣って食べる番組や、キノコ・山菜狩りを楽しむ番組や、ジビエ料理を自慢する番組、あるいは福島第一原発周辺(南北100~200km)の太平洋でのフィッシングやサーフィン、あるいは海の幸料理の番組などを、何の疑問も持たずに見て、自分たちも同じようにする人たちがたくさん増えてきました。私などは、それを見ていてぞっとする思いでいます。ちなみに我が家では、本州東日本が産地の食品は、それとわかっている限りは食べない・買わないを一貫して続けています。
この国は、原発についてもそうですが、放射線被曝についても、福島原発事故直後の認識を、いま一度思い出した方がいいのではないかと思います。これまでも申し上げてきたように、原発・核兵器開発の推進は、放射線被曝の非常な危険性をゴマカシ、過小評価し、歪曲をして進められてきていて、かつ、放射線被曝による犠牲者が出ると、その虚偽の放射線被曝の安全性に齟齬が出ないよう、被害者を切り捨てることで乗り切ってきたのです。ヒロシマ・ナガサキ・ビキニと、過去に3度にもわたって放射線被曝の被害者を多く生み出してきたこの国が、また再び、福島原発事故で放射線被曝の危険性を軽視し、愚かにも「安全安心キャンペーン」に乗せられて被害者を多く生み出していくという事態は耐えられないものがあります。それに抗う意味で、2つの私の古いレポートを再送いたします。
(1)(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html
(印刷したものをタンポポ舎での「新ちょぼゼミ」で¥100.-で販売しています:100円は印刷費です)
(2)(セシウムの百倍の危険性) 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-cc7b.html
(人体への影響が最も深刻となりそうなのが放射性ストロンチウムですが、極めて危険であるがゆえに計測されていません。飲食品への残留規制値(食品衛生法)さえ、ないのです。水産庁がほんのわずかな魚介類の放射性ストロンチウム汚染を全国規模で調べているだけです。私が最も心配なのは放射能汚染地域の牛乳・乳製品や魚介類=特に川魚を含む小魚の骨です=骨ごと食べますから=食べるのなら死ぬ覚悟で食べてください)
(放射性核種で放射性ストロンチウム以外に危険なものは、ホットパーティクル(セシウムボウルと呼んでNHKが放送しましたが表現不適切=あえていうなら放射能カクテル・ボウル)、および放射性ヨウ素129です。放射性ヨウ素129は放出された量が少ないなどと言われていますが、それは放射性セシウムや放射性ヨウ素131などに比べて少ないということであって、絶対量としては膨大な量が放出され、かつ放射性ヨウ素ですから、一旦体内に入ると甲状腺に集中し、数百万倍に濃縮されるのです。極めて危険であることに変わりなしです。放射性ヨウ素は海藻類に吸収されますから、東日本の太平洋側の海藻類も私は避けています)
草々
« (報告)(12.20)オルタナティブな日本をめざして(第97回):「日本の司法・法曹界と原子力ムラ」(後藤秀典さん:新ちょぼゼミ)(2023年12月20日) | トップページ | (ヤメロ万博、つぶせカジノ、追い払え維新)お粗末万博だけでも13兆円を超える「税金チューチュー」の公金詐欺、それをチンピラ似非右翼・維新が大好きのカジノ博打場建設に底なし経費の夢洲地盤改良が追いかける=「夢洲」が「悪夢の洲」に生まれ変わる »
« (報告)(12.20)オルタナティブな日本をめざして(第97回):「日本の司法・法曹界と原子力ムラ」(後藤秀典さん:新ちょぼゼミ)(2023年12月20日) | トップページ | (ヤメロ万博、つぶせカジノ、追い払え維新)お粗末万博だけでも13兆円を超える「税金チューチュー」の公金詐欺、それをチンピラ似非右翼・維新が大好きのカジノ博打場建設に底なし経費の夢洲地盤改良が追いかける=「夢洲」が「悪夢の洲」に生まれ変わる »
コメント