(拡散希望)(報告)(6.27)電力自由化と電力システム改革(第8回目:最終回)新時代の公正で持続可能な電力システムを創るためには地域独占(原発)電力会社(「毒電」)の私物化支配体制を解体しなければならない
前略,田中一郎です。
去る2023年6月27日(火)、水道橋のたんぽぽ舎において、標記「電力自由化と電力システム改革(第8回目:最終回)新時代の公正で持続可能な電力システムを創るためには地域独占(原発)電力会社(「毒電」)の私物化支配体制を解体しなければならない(新ちょぼゼミ)」を開催いたしました。以下、当日の資料や録画を添付して簡単にご報告申し上げます。(なお、時間の関係でご説明できなかった時事問題についても若干、言及いたします)
これまで下記の通り、7回にわたって「電力自由化と電力システム改革」について論じてきましたので、今回で一旦区切りをつけ、このシリーズのプレゼンを終わりにしたいと思います。なお、今後とも、この「電力システム改革」については、脱原発や新エネルギー政策の核心的重要課題の1つとして、各方面からの情報収集に努め、適時適切に時事問題を解説し、また、改善の方向性や具体策を提言していきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
改革をどう進めればいいのかの結論は、メールの表題にも書いた通りです。発電から小売りまで、電力市場を地域独占して私物化し(「毒電」の発電シェアが約82%、小売シェアが約65%)、経済産業省の官僚や政治家たち、あるいは御用学者や原発関連企業群、マスごみなどと融合して「原子力ムラ」を形成し、社会正義や公正な事業展開を棚上げにして、不透明で理不尽な、まるで「悪の巣窟」のようなグロテスクな体制を築きながら「好き勝手」の「やりたい放題」をやっている現在の地域独占(原発)電力会社(「毒電」)による(電力業界)支配体制を解体しなければ、日本はいつまでたっても電力供給のまともな体制は創れないままになるでしょう。
具体的には、①送配電会社の所有分離と東西2社への統合合併、かつ運営の公営化・公正化、②「毒電」の発電会社及び小売会社の法的分離と独立採算、③経済産業省の解体(原子力を含むエネルギー部門の切り離し他)と電力市場運営監視機関の適正化(「電力・ガス取引監視等委員会」の廃止・公取へ移管、及び「電力広域的運営推進機関」のメンバー入替と独立化)、④「再生エネ」などの新電力と旧電力との間の競争条件の平等化(「再生エネ」等新電源の系統接続の社会化、「毒電」による電力販売のJEPX(*)集中義務化、逆にFIT・FIP電気の販売自由化などを含む)、⑤現在過剰化している原発へのあらゆる政策的テコ入れや支援政策を禁止、⑥電力需給調整の高度化(欧米諸国の新手法などの取入れ)、⑦環境破壊型・地域社会破壊型「再生エネ」電源をやめさせる「仕組み」づくり、 などです。
(*)JEPX((社)日本卸電力取引所)
https://www.jepx.jp/
再稼働ナシの脱原発が強く求められており、少なくとも立憲民主党をはじめ野党各党は協力して「脱原発ロードマップ」を早急にとりまとめ政治的な争点にしていく必要があります(柱は「有償廃止」)。その際に、公正な電力システムは、この脱原発を側面から、市場制度面から支えることになると思われます。原発という発電は、ウラン採掘から核ゴミ処分までの全ライフスパンを考えた場合、エネルギー効率の悪い、融通の利かない、不安定な、汚い、最もコストの高い発電であり、万が一にも福島原発事故のような過酷事故を起こせば、そのコストは天文学的な数字となるような代物です。こんなものは、本来、市場メカニズムが正常に働いていれば真っ先に淘汰されていく、前世代型・前世紀型のポンコツ発電だからです。電力システム改革とは、電力市場において、歪んだ政治的な思惑を退けて、クリーンで、安全で、安価な電力源が、市場メカニズムを通じて発展していくような「仕組み」を創ることを意味しているわけですから、ホンモノの電力システム改革とは脱原発の実現でもあるのです。
今般、多くの反対を押し切って制定された「GX推進法=脱炭素法=原発大推進法」に騙されることなく(「人工排出CO2による地球温暖化」説などは科学的実証的根拠のない世界的な規模での巨大詐欺です)、この国のホンモノの電力改革(欧米に遅れること20年以上)を推し進め、エネルギー革命を乗り切っていきましょう。
(関連)(必見保存版:拡散希望)(講演録画)広瀬隆さん「気候変動の宇宙物理学:IPCCの二酸化炭素地球温暖化説は本当か」- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/02/post-fb32f9.html
(関連)(報告)(1.27)特別講演:二酸化炭素による地球温暖化説の非科学(広瀬隆さん:たんぽぽ舎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-9c90ec.html
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◆第1回目(2022年10月12日)(報告)電力自由化と電力システム改革:電力システムの基礎知識(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/10/post-f42582.html
◆第2回目(2022年10月25日)(報告)電力自由化と電力システム改革:電力システムの基礎知識(続)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/10/post-f143ef.html
◆第3回目(2022年11月22日)(報告)電力自由化と電力システム改革:歪められた電力システム改革(1)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/11/post-e59cf2.html
◆第4回目(2022年12月15日)(報告)電力自由化と電力システム改革:歪められた電力システム改革(2)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/12/post-d94166.html
◆第5回目(2023年2月9日)(報告)電力自由化と電力システム改革:歪められた電力システム改革(3)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/02/post-1ff966.html
◆第6回目(2023年3月28日)(報告)電力自由化と電力システム改革:電力システム改革は経済社会改革(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-b4dbac.html
◆第7回目(2023年4月25日)(拡散希望)(報告)(4.25)電力自由化と電力システム改革(第6回目):何もしないでも原発に大金が転がり込む仕組みが山のようにある(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-ed8893.html
◆第8回目:今回最終回(2023年6月27日)
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◆(当日録画)20230627 UPLAN 田中一郎「(当面する)電力システム改革のポイント」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1FFoeinO1K8
https://www.youtube.com/watch?v=1FFoeinO1K8
<参考図書>
(1)最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本 発電・送配電の仕組みと概要を掴む-木舟辰平著(秀和システム)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034317696&Action_id=121&Sza_id=B0
(2)入門再生可能エネルギーと電力システム 再エネ大量導入時代の次世代ネットワーク-諸富徹編著(日本評論社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033926649&Action_id=121&Sza_id=E1
◆(当日のレジメ・参考資料)使った順番に並べておきます
(1)(レジメ)日本における電力自由化と電力システム改革:修正(田中一郎 2023年4月25日)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhBDMRSio0gm3auP?e=JdjUvr
(1-1)(当面する)電力システム改革のポイント(田中一郎 2023年6月27日)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhGJt7SXqS0sqsVb?e=6V1UMW
(2-1)日本のCO2排出量:電力・電力以外(『電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本 第3版』木舟辰平:秀和システム)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhIya_z0VGbBTsZc?e=i7S6TS
(2-2)送配電・発電・小売が分離分割されない日本(『電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本 第3版』木舟辰平:秀和システム)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhNq-kUU-rJy6CgL?e=W0gYjN
(2-3)10ブロックに分かれる日本の送配電網(『電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本 第3版』木舟辰平:秀和システム)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhS5Ue6a_v3PXIEh?e=iyNwWY
(3-1)VPP:仮想発電所(『電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本 第3版』木舟辰平:秀和システム)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhWd36BSKGzheNYo?e=k5Zr2T
(3-2)非化石価値取引市場:新電力は生き残れない(松久保肇『原子力資料情報室通信NO.540 2019.6.1』)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhZL5YQss6pj7_ud?e=iqymVi
(5-3)関電、初の出力抑制、きょう実施 太陽光・風力の一部(日経 2023.6.4)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhhfL_fCrUYyRTWRU?e=5ddakH
(6-1)北海道「釧路湿原」侵食するソーラーパネルの深刻 天然記念物も生息する日本最大の湿原に異変 - 資源・エネルギー - 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/676109
(6-2)太陽光パネルと土砂災害、解明迫られる因果関係 盛り土や建設残土の問題と併せて総点検が必要だ - 災害・事件・裁判 - 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/440093
(6-3)小樽市と余市町にまたがる風力発電所建設、双日が計画中止発表…資材高騰や地元の賛同得られず「投資基準に合致しない」(HBCニュース北海道) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/c10cebd7826b1d91d9b9063d39e416cd69110f29
(7-2)「曇っていても発電できる! 夢の次世代型太陽電池」 - サイエンスZERO - NHK
https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/episode/te/Y5G295PNWK/
(7-3)(必見)[サイエンスZERO] 世界を変える!?“次世代型”「ペロブスカイト太陽電池」- 雨でも曇りでも室内でも発電!- NHK - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=k0lp5qoTOu4
◆時間の関係でご説明できなかったテーマ
(4)「地産地消型電力ビジネス」拡大し、事業立て直す - トップに直撃:東京電力エナジーパートナー(東電EP) - 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/666528
(関連)サブスクリプションとは? 定額制との違いをわかりやすく解説 - NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま
https://www.ntt.com/business/services/application/crm-dm/subsphere/lp/article-what-is-subscription.html
<田中一郎コメント>
4月に東京電力エナジーパートナー社長に就任した長崎桃子という女は、次期東京電力の社長候補と言われている人物だ。福島原発事故への真摯な反省もなく(謝罪が「口先だけ」なのは裁判での被告東電の抗弁を見聞きするとよくわかる)、被害者を切り捨て、ヌケヌケと柏崎刈羽原発や東通原発の稼働をねらい、実質破綻会社の原発専業=日本原電に無駄ガネ支援を10年以上も続け、原発ビジネスにしがみつき続けている東京電力というロクでもない会社(しかし東京電力の支配株主は政府・経済産業省であり、実質的な経営者は政府・経済産業省であることを忘れてはいけない)、その次期社長候補へのインタビュー記事がコレである。
注目点は、従来型の電力販売は今後激減して1/2~1/3となるので、それに代えて、①デマンド・リスポンスやVPPなどの新しい電力システム運営、②地産地消サービス、③自己設備・ノウハウを提供する「サブスクリプション」ビジネス、などを展望しているところだ。言い換えれば、電力供給会社からエネルギー・ソリューション・ビジネス会社に変身していく、ということだ。さすがは業界トップの企業だけあって、物事をよくわかっていらっしゃる。そういう認識であるのなら、原発なんぞは正にお荷物そのものであり、断固としていらない、と正直に言えばいい。言えないのは、この東京電力という会社を植民地にしている原子力ムラ・経済産業省の疫病神集団がなせる業なのだろうと、私はこの記事を見て思った。東京電力の少なくない役職員の本音は、原発・核燃からの脱出かもしれない。原発が「愚か極まる政治の力」だけで推進されているということが、この次期社長候補の発言からもチラッと見えた気がする。
(5-4)エネルギーの基礎用語~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html
<田中一郎コメント>
こんなアホ丸出しのようなものに手間暇・モノ・カネをかけてどうするのか!? という話である。毎年人間社会から排出されるCO2の量に対して、一体如何ほどの量のCO2が、漏れることなく地中深く貯留できるというのでしょう? しかも、貯留は1回きり、CO2排出は毎年のこと、という自明の事実もある。コストはバカ高く、ということはCCSやCCUSをすること自体でCO2をたくさん排出し、しかも環境を破壊してしまう。そして、火山地震列島の日本にはCO2貯留の適地など、ほとんどない、と言ってもいいだろう。できもしないことを、できるかのように言って、税金をコレに投じさせて一儲けしようという輩が(試験的プロジェクトとか何とか言って)こういう事業に集まってくる。やめちまえ! ドアホ! である。
(7-3)第4の革命・カーボンゼロ:貼る太陽光、覇権争い(日経 2023.6.5)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC152LO0V10C23A2000000/
<田中一郎コメント>
「第4の革命・カーボンゼロ」のまったくお粗末な内容の一覧表である。この中で注目に値するのは「次世代型太陽光パネル」=ペロブスカイトだけ、他には、水素のところにある「人工光合成」というものだが、その中身がわからないから否定はしないけれども、量的に大したことにはならないように思う(鹿島建設が一旦手掛けたが、その後放棄したものだという伝聞情報がある=インチキ技術かもしれない)。あとはガラクタや「やらない方がいい(原発など)」モノばかりである。「脱炭素」を掲げるGX推進とは、日本が産業国家としても自滅していく愚かな道に他ならない。政治が主導して日本を破壊する姿そのもの、それがこの記事の内容だ。
(参考)(7-4)「樹木が生んだ魅惑の素材!進化するセルロースナノファイバー」 - サイエンスZERO - NHK
https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/episode/te/18ZQW7MPVQ/
(参考)(7-5)〔サイエンスZERO〕日本発! 夢の新素材 “セルロースナノファイバー”〔Science Zero〕 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x5hn0ag
<田中一郎コメント>
セルロースナノファイバーは注目が集まる新素材であり、ペロブスカイトとともに期待されている新技術である。環境破壊物質としてやり玉に挙がっているプラスチックの代替素材としても可能性があり、その可塑的な性格から様々な用途にも使われる可能性もある。但し、セルロースナノファイバーは「ナノファイバー」なので、「カーボンナノファイバー」がアスベスト疑似物質だとしてその危険性が指摘されていることが、こちらの方にも当てはまるかもしれない。NHKをはじめマスゴミは、こういう新技術については「いいことづくめ」のような報道をするので要注意、常にリスクを意識して報道を見ておく必要がある。そしてもう一つ、いずれの新技術についても、既存のものと比べてのコストの問題があるので、そちらも十分に念頭に置いておく必要がある。
(参考)オルタナティブな日本を目指して(新ちょぼゼミ バックナンバー その1:2017-2023)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-2462a9.html
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草々
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