« IWJ直近報道から:「シーモア・ハーシュ氏新記事! ゼレンスキー政権による横領は4億ドル以上! 無策のバイデン政権と米情報機関の信頼関係が崩壊」他 & 若干の原発関連情報(ふくかな通信他) | トップページ | 「市民連合」安全保障政策の考え方への根本的批判:「世直し」市民代表を装い、日米安保体制を追認しながら、立民右派や国民民主などの岸田軍拡政権補完勢力とハーモナイズを図る中途半端な態度=反戦平和運動に混乱をもたらすだけだ »

2023年4月17日 (月)

(他のMLでの議論です)福島原発事故から12年間にわたり様々な裁判を見て聞いて考える(その2):柳原敏夫弁護士&「ちょぼちょぼ市民」(田中一郎)=「自己決定権」と「公正な行政サービスを受ける権利」とは表裏一体

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
================================
1.(予約必要)(5.22)オルタナティブな日本をめざして(第85回)「台湾有事と自衛隊」(纐纈厚山口大学名誉教授:新ちょぼゼミ)(2023年5月22日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-11e709.html

(予約の受付窓口)
*たんぽぽ舎(水道橋):TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
 https://www.tanpoposya.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
(上記にお電話していただき「受付番号」をもらってください)


2.キャンペーン · 化学物質汚染に怯える市民からのお願いです。ダイキン工業は、#PFOA汚染の調査と対策を行ってください · Change.org
 https://bit.ly/3oml0FS

(関連)NHKクロ現「主語なし報道」の責任回避(55) - Tansa
 https://tansajp.org/columnists/9811/

(関連)【永遠の化学物質PFAS問題・前編/後編】
*海外に比べて“指針値”が緩い日本 規制に積極的ではない政府(NEWSポストセブン)Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/8828d72db03a8f3c57d6defc76868bc9e375c093
*調査が31都道府県にとどまる理由、「国と自治体の押し付け合い」の現状(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース 
 https://news.yahoo.co.jp/articles/18da99fce9edc56b5da9e215ef94d32c72d048e7

(関連)(別添PDFファイル)通信No.2054 (2023-4-8 東京多摩地域PFAS・第2報)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHl7UWpkvalptLzk?e=DwBe9L

(関連)(パンフ)PFAS汚染(NPO法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)
 https://kokumin-kaigi.org/wp-content/uploads/2022/06/PFASパンフ_web用PDF.pdf

(私=田中一郎が上記パンフレットを持ち歩いていますので、声をおかけいただければ販売します:1部100円)


3.JAL裁判(ボイスレコーダー公開請求裁判)の判決は6/1 PM13.30 #808号法廷(東京高裁)

(関連)2023年裁判情報 - 日航123便墜落の真相を明らかにする会
 https://bit.ly/3omEme0

(関連)home-日航123便墜落の真相を明らかにする会
 https://jalflight123.wixsite.com/mysite

(関連)(必読新刊書)JAL裁判 日航123便墜落事件-青山透子/著(河出書房新社)
 https://tinyurl.com/mwyb8kst

◆(必読新刊書)JAL裁判 日航123便墜落事件-青山透子/著:何故ボイスレコーダーは公開されないのか!? 日航ジャンボ123便は「墜落」ではなく(陸自の練習用ミサイルによる)「撃墜」だったという疑いが濃厚- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/12/post-25c2a1.html


4.イベント情報

(1)(チラシ)(4.23)とめよう戦争・改憲・軍拡、平和がいいな 葛飾憲法の集い(亀有リリオパーク)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHJz4lLoBwke_fme?e=3dxGuh

(2)(チラシ)(4.30)私たちは6.17判決を許さない:原発事故は国の責任です(日比谷コンベンションホール)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhGyPZ6RqgunH5F9Q?e=Mh1iAT

(3)(チラシ)(5.6)平和のための学問と大学のあり方(和光大学ポプリホール鶴川)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHN5ks2wMRv6JMb_?e=jFWsVR

(4)(チラシ)(5.13)上映会と懇談会「教育と愛国」(千葉市)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHStD_hMmBgOq54x?e=8mm6nD


5.満州帝国 実験国家の夢と幻 - 映像の世紀バタフライエフェクト - NHK
 https://www.nhk.jp/p/ts/9N81M92LXV/episode/te/3MP55Z9MRP/

(ネット上に録画は見つかりませんでした。日本帝国主義による中国・満州侵略の歴史を描いた史実フィルムで、もっぱら「侵略者の目線」で描かれていますが、日本近現代史を全く知らない若い世代には見てほしい放送でした。NHKには、侵略された満州民衆の人々の目線で、再度、同じ歴史を描いてほしいと思います。日本敗戦後の満州からの引上げ日本人は、その少し前は満州の民衆にとっては侵略者だったことを忘れてはならないのです。また、満州にいた関東軍や731部隊は真っ先に逃げていきました。「軍隊は人民を守らない」を絵にかいたような事例となりました。:田中一郎)


6.(別添PDFファイル)通信No.2066 (2023-4-16 朝鮮人虐殺の現場ー埼玉・熊谷)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHVA3py1NNah_48Y?e=VD4HBX

(首都東京に「女帝タヌキの巣」を造った小池百合子都知事は、この朝鮮人虐殺に謝罪の姿勢を見せていません。こんなタヌキ女を首都の知事にしている国は、いずれ世界中から軽蔑され、相手にされない時が来るだろうと私は思っています。:田中一郎)

(関連)女帝小池百合子-石井妙子/著(文藝春秋) この本は名著です、ご一読をお勧めします(田中一郎) https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034072786&Action_id=121&Sza_id=C0


7.(別添PDFファイル)大阪にカジノ計画認定、IR1兆円整備 29年開業目指す(朝日 2023.4.15)
 https://www.youtube.com/watch?v=St5C1ASDW80

(関連)大阪・関西万博まで2年 際立つ人気の低さ 機運盛り上げるには - 毎日新聞
 https://tinyurl.com/37c3ddsp

(関連)松尾貴史のちょっと違和感:デジタル時代に「万博」 金と労力の無駄遣いでは? - 毎日新聞
 https://tinyurl.com/mtjr7mfy

(関連)「カジノを合法化しようとした人たちには、マカオ並みに儲かれば空からお金が降ってくるという光景が見えていたが、その現実は既に崩壊している」~ 2.4 検証 夢洲カジノで大阪はもうかる? ~国際金融専門家 鳥畑与一が語る~ - IWJ Independe
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513908

(博打場つくって地域振興だと言っている。その博打場招致のために、前座に時代遅れの万博もやるという。いずれにも巨額の大阪の公的財源が使われる。今回の大阪W首長選挙で、どちらかの大阪維新候補を落選させておけば、このアホ丸出しの事業にストップもかかったというのに、「昔は水の都、今はアホの都」大阪の府市合わせ愚民は、自業自得の自滅地方政治を選択した。コレ、私の生まれ育った故郷なり。この愚民たちは、とことんボロボロになるまで、分からんのでしょう。民主主義と衆愚主義は物事の表と裏です。どうやったら大阪のようにならないで済むか、真剣に考えないといけません。:田中一郎)


8.「マスクをした」他者との日常経験がもたらしうるリスク - オンライン署名サイトVoice
 https://voice.charity/events/112/reports/1409

(ついこの間まで、左翼・左派・リベラル系のイベントに行くと、決まって「マスクしろ、マスクしろ」というコロナ盲目偏向の主催者スタッフがいてうるさかった。ところが、岸田文雄政権政府が「マスクは個人の自由ですよ」と、当たり前のことを広報したとたんに、ぴたっと言わなくなった。これが今の多くの左翼・左派・リベラルの実態をよく現しているように思う。時流に迎合してブリッコしているだけなのに、やたらに同調圧力は強い。こんな甘っちょろい態度で、危機の時代に突入した現代日本の「世直し」ができるなどと思っていたら大間違いだ。権威に弱く、マスごみ報道に盲従しやすく、小山の大将になりたがる。日本の左翼・左派・リベラルは、右翼・右派とは違う意味で危うい体質を持っているように思える。時には「スターリニズムの芽」や「ネオファシスト」の雰囲気を感じることもある。

マスクなど、感染防止効果はほとんどなく(むしろ子どもの成長・発達には有害)、特に野外でのイベントでは百害あって一利なしの愚策である(私などはメガネが曇って大いに困る)。マスクは感染防止に必要不可欠だというのなら、その根拠を示して断固として貫けばいいだろう。やってることはアベノマスクとほとんど変わりなし。今日の左翼・左派・リベラルの体たらく(全部とは言わないが)は、①「新型コロナ」&コロナワクチン、②ウクライナ戦争、③「人工排出CO2による地球温暖化」説、の3つの失敗で赤裸々に現れている。少し深いところから反省した方がいい。(コロナワクチンに至っては、大変な数の被害者・犠牲者が出ているのに、未だにワクチン・ワクチンと言っているドアホがいるし、そうでなくても、自分たちのこれまでの振る舞いについて反省している様子はあまりない。つまりまた近未来に同じことをするだろうということだ。情けない限り。):田中一郎)

(関連)なぜ男子もHPVワクチン(子宮頚がんワクチン)を接種した方がいいのか|上昌広 日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319983

(福島原発事故後の被ばく防護に関連して「バツイチ」のこの人物、最初のうちはコロナワクチンについてはリベラルな言論もしていたが、結局、感染症利権族の端くれのごときことを言い始め、その正体を現した。つまり前科2犯となった。日本には、こんな学者・研究者・大学教授・有識者・ジャーナリストなどがワンサといる。要注意だ。:田中一郎)
================================


「福島原発事故から12年間にわたり様々な裁判を見て聞いて考える(その2):柳原敏夫弁護士&「ちょぼちょぼ市民」(田中一郎)」をお送りいたします。今回は「子ども脱被ばく裁判」第6回控訴審(仙台高裁)の報告会で申し上げた「原告弁護団の最終弁論へ向けた総括的説明(「自己決定権の侵害」)」について「もの足りない」と申し上げたことについての私からの補足的な説明を、柳原敏夫弁護士との議論のやりとりの中で、少し話を広げて述べてみたものです。ご覧いただければ幸いです。前回(その1)の続きです。


◆(他のMLでの議論です)福島原発事故から12年間にわたり様々な裁判を見て聞いて考える(その1):柳原敏夫弁護士(子ども脱被ばく裁判原告弁護団他)& 「ちょぼちょぼ市民」(田中一郎)=こんな司法・裁判所を放っておいていいのか?- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-5a4d1f.html

◆#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)【報告】3.27子ども脱被ばく裁判控訴審(仙台高裁)第6回弁論
 https://fukusima-sokai.blogspot.com/2023/04/327.html

(このサイトの4/8掲載「第6回弁論報告」の下の方にある5つの録画の一番最後の画面=16.59(16分59秒)のところから私(田中一郎)の発言です。発言の時間が限られていて舌足らずになっています。この訴訟の報告会はいつもこのパターンで進められ、メディア以外の会場参加者の発言機会が常に不十分であることについては問題だと考えています。私は東京での裁判でなされているように、記者会見と報告会を分担・分離してやって、全国から参集している支援者や原告及び弁護団との意見交換をしっかりやった方がいいと申し上げています。)


 <田中一郎コメント>

 ところで、私の結論だけを申し上げれば、私が「もの足りない」と申し上げているのは「福島原発事故以降の約12年間における国や福島県の自治体の(情報提供や被ばく防護対策を含む)行政サービスに問題があり、いったい誰のために、国や自治体は事故以降の行政をしてきたのかという疑問・不十分さへの不満・不公正への怒り・責任の追及が足りないように感じる」という点です。

それは「自己決定権」という法律用語に集約されることがおかしいということではなく、その「自己決定権」と表裏一体として「公明正大な(公正で透明な)行政サービスを受ける権利」というものが併せて主張され、およそ国や自治体の行政というものは有権者・国民や自治体住民のために実施されるべきものだ、ということが、ことさらに強調されてしかるべきだということを意味します。何故なら、原発事故以降の12年間、この当たり前のことがきちんとなされずに来て、原告をはじめ福島原発事故の被害者らは無用・不当な被ばくを強いられてしまった、しかも、それについての被告=行政の側に、そのことに対する真摯な反省がなく、このままでは同じことが近未来のさまざまな場面で繰り返されてしまう、という原告側の懸念・憤りが、この裁判の出発点としてあるからです。(「ちょぼちょぼ市民」の俗語言葉で申し上げれば「お前たち役人はわしらの税金で飯を食っとるのに、(わしらのためじゃのーて)いったい誰のために仕事をしとんじゃ! 原子力ムラ・原子力推進連中のためなのか!? ふざけるな!」となります)

上記で申し上げた「自己決定権」と「公明正大な(公正で透明な)行政サービスを受ける権利」は、いわば前者が私法的な権利規定であり、後者が公法的な権利規定と、私は位置づけています。日本の場合には、政治や行政における民主主義や立憲主義、ないしは基本的人権尊重の法的社会的風土が歴史的に未熟・希薄であり不十分であることから、特に公法的な権利規定をしっかりと裁判や立法その他で打ち立てていくことが重要であると思っています。

(参考)公法と私法(ネット上の解説)
 国民と国家との関係を規律付けるのが「公法」であり、法の体系は、私法と公法の大きな2つの類型に分けることができる。 私法は、市民の相互関係を対象とする規律であるから、自由平等の関係を基盤に、私益を調整することを目的とする。 一方、公法は、支配服従の関係を定めて公益の実現をめざすことに特徴があるとされる。

以下、上記の観点も強く持ち、「子ども脱被ばく裁判」他、多くの原発事故被害裁判の原告代理人をしておられる柳原敏夫弁護士の達筆なメール文書に刺激・感化・啓蒙され、議論をしてみましたことをご紹介させていただきます。ご笑覧いただければ幸いです。


1.柳原敏夫弁護士からのメール(その1)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柳原です。
これは自由研究、ただし、その中身は直感の暴走・妄想です。

少し前に、311以来の行政権力の暴走、横暴は、法律的にはこれを正当化するロジックとして行政府の「裁量権の暴走・横暴」として表現されている。しかし、この行政府の「裁量権の暴走・横暴」は決して近年のものではなく、明治以来、大学の法学教育のエッセンスとして一貫して培われてきたものが開花、具体化したにすぎない。そのエッセンスとは、将来、役人や裁判官になる法学生達に『拒絶法学を叩き込むこと』にある。では、この拒絶法学とは何か?それは、市民の要求を蹴っ飛ばす(拒絶する)ための屁理屈のことである。これを教え、身に付けさせて、市民の要求をことごとく退けて、諦めさせる、それが大学の法学教育の目的であった。と。

その拒絶法学の金字塔が「行政裁量論」。それは、行政府がどんな横暴をしようが、市民に「違法だ!」と文句を言わせないロジックだから。

これを解説したのが戒能通孝の「公害とはなにか」という講演録です。その話を関心を持った或る人から、戒能通孝のことを聞かれ、彼の本「小繋事件」(岩波新書)を紹介したら、2日の光塾のイベントの時に、この本を読んだ感想を、素晴らしかったという感想を聞かせてもらいました。

実は、「小繋事件」は結構、難しい本で、私も全部読み切っていなかった。でも、この方は自身の関心から、この本を夢中になって読み、深い感銘を受けた話をしてくれました。

それを聞き、何が彼女を感銘させたのか、私のほうが考えさせられて、改めて、「小繋事件」を手に取りました。そしたら、はっきり断言できることは、戒能はこの本で、決して事件とか情報を紹介しているのではなくて、彼が伝えたかったのは哲学、思想だと。どんな哲学、思想かというと、それは「自己決定」することの貴さです。

それについて、彼は冒頭の「はしがき」のラストでこう書いています。「小繋の農民は、いわねばならないことを主張して、権利主張を行った。その結果、学んだのは、自分の権利、自分の基本権をまもるのは、自分自身であるという単純であるが苦難に満ちた原則である。私はそれがいかに辛く、しかし同時にいかに輝かしいものであるかを、特定の事件(注:小繋事件)を通じて明らかにする積りである」

それを一言で言うと「自己決定」、つまり自分の権利、自分の基本権をまもるのは、自分自身であるという単純であるが苦難に満ちた原則のこと。だから、ここで明らかにされたことは、「小繋は小さな東北の一部落である。しかしその部落で起きていることと基本的には同じ性格の問題が、他の場所でもくり返し発生しているのである」と。

それは311後の日本社会も同様。311後の被害者が加害者扱いされ、加害者が救済者づらをして振舞うという「あべこべ」のアベノミクスに対し、私たちも「いわねばならないことを主張して、権利主張を行う」必要がある。それが避難の権利であり、無用な被ばくをしない権利の主張である。

「その結果、学んだのは、自分の権利、自分の基本権をまもるのは、自分自身であるという単純であるが苦難に満ちた自己決定の原則である。」この自己決定を具体化するのが、市民自らの手で権利を実現する市民立法「チェルノブイリ法日本版」である。これは、市民が自らの手で自らを守るという協同組合の思想を政治部門で具体化したものである。自己決定を経済の部門で具体化したものが協同組合である。

311以後、日本社会が暗黒なのは、この単純な哲学=自己決定の哲学に基づく市民運動が政治部門でも経済の部門でも脆弱、薄弱だからである。日本社会に、政治と経済における市民の自己統治が薄弱なのは、自己統治の思想・哲学が薄弱だからだ。

どこでも、誰でも、めいめいのやり方で構わないから、まずは「自分の権利、自分の基本権をまもるのは、自分自身であるという単純であるが苦難に満ちた自己決定」の経験を積むことを通じて、一人一人が変わっていくこと、それが311後の日本社会には不可欠な体験だ。

そのことを、戒能通孝の「小繋事件」は教えてくれる。そのはしがきと小繋部落の地図を添付します。


(関連)(別添ファイル)戒能通孝「公害とはなにか」edit
 https://1drv.ms/i/s!ArtBTVAHlosVhHb_mdPVsiOxu1Nt?e=m0hXV6

(関連)(別添ファイル)戒能通孝「小繋事件」はしがき
 https://1drv.ms/i/s!ArtBTVAHlosVhHdPnGpznqS-l9rM?e=lt2nKp

(関連)(別添ファイル)小繋部落(地図)
 https://1drv.ms/i/s!ArtBTVAHlosVhHgiGFk-h7LJF0q4?e=9YL7KL

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2.私からのメール+今回追記

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柳原さんへ、

一言、コメントをしておきますと、(仙台高裁の公判報告会で●●氏も同じようなことを言っていましたが)、自己決定は自己責任に容易につながる、ということに、万全の注意が必要、という点が大事かなと思います。

いろいろ議論したいので、柳原さんのこのメールは貴重です。


(今回追加)
 柳原敏夫弁護士ご紹介の「戒能通孝」氏は、戦前世代の民法学者で、下記のウィキペディアによると

「満鉄調査部の宮崎正義が率いる日満財政研究会に、当時、東京帝国大学経済学部助手だった古賀英正(後の作家南條範夫)らとともに参加。軍による東亜支配を経済的に支える統制経済計画の策定に深く関与する。戦後、東京裁判で鈴木貞一の補佐弁護人を務めた。また、民主主義科学者協会法律部会や日本法社会学会の設立・発展に貢献した。1947年、『入会(いりあい)の研究』で毎日出版文化賞受賞。1949年、早稲田大学教授。1954年、東京都立大学 (1949-2011)教授。」とあります。

(関連)戒能通孝 - Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%92%E8%83%BD%E9%80%9A%E5%AD%9D

また、「小繋事件(こつなぎじけん)の農民側弁護人となる」とあり、この「小繋事件」とは下記にある通り、入会林野を巡る地主と地域住民との財産権(入会権)を巡る争いです。

(関連)小繋事件 - Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%B9%8B%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 戒能通孝氏は、1908年~1975年の生存で、若くして亡くなった法学者のようです、私が大学に入るちょうどその頃になくなっているので、学生時代には学部も違うこともあり、そのお名前はほとんど聞いたことがありませんでした。でも、何かの本で引用されたり、コメントされていたような記憶もあり、戦前世代のリベラルな先生というイメージはかすかにあります。

ウィキペディア記述の「満鉄調査部の宮崎正義が率いる日満財政研究会に、当時、東京帝国大学経済学部助手だった古賀英正(後の作家南條範夫)らとともに参加。軍による東亜支配を経済的に支える統制経済計画の策定に深く関与する。」の部分は非常に気になります。ここに登場する宮崎正義氏は、下記によれば、満鉄調査部きってのロシア通であり、石原莞爾のブレーンだったとあります。そういう連中と戦前は一緒に仕事をしていたということです。ところが戦後になると、民主主義科学者協会法律部会や日本法社会学会の設立・発展に貢献した、とありますので、敗戦を契機に、この戒能通孝氏は何らかの思想転向をしているのではないかと推察されます。興味深そうな人物なので、著書のいくつかを(いずれも古い)図書館で借りて読んでみようかなと思っています。さしあたり「『いかに生き、いかに学ぶか』講談社〈講談社現代新書 98〉、1966年12月」を借りてきました。

(参考)宮崎正義 - Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E6%AD%A3%E7%BE%A9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3.柳原敏夫弁護士からのメール(その2)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
田中さん、柳原です。

(中略)「一言、コメントをしておきますと、(仙台高裁の公判報告会で●●氏も同じようなことを言っていましたが)、自己決定は自己責任に容易につながる、ということに、万全の注意が必要、という点が大事かなと思います。」


重要なご指摘、ありがとうございます。同様の指摘を2日の光塾でも、Mさんから頂きました。その点の検討を当日のプレゼン資料の加筆版(ブログで紹介済み)に書き足しました。

というより、この「自己決定は自己責任に容易につながる」という問題は単に、日本に特有な精神状況にとどまらず、自己決定権をどう捉えるかについて、私たちが根本的に致命的な誤りに陥る恐れがあることを示すものすごい重要な指摘です。つまり、自己決定権をそれだけで、何か万能で、完結し、独立した自立的な権利であるかのように考えてしまう恐れがあるからです。しかし、現実には、自己決定権は万能でも、完結したものでも、独立した自立的な権利ではあり得ず、それは他の様々な権利や利益との対立・衝突の中で、調整を余儀なくされている可動的、流動的、相互依存的、動的平衡的な権利だということです。

抽象的でスミマセンが、具体的には、2日にMさんが質問したように、原発事故の後、放射能の危険を察知した人が避難の必要性を感じたとしても、そこから現実に避難を決定するためには、放射能の危険という認識以外にも、親の介護などの家族関係、避難先での生活再建の目処など、解決すべき様々な問題があり、放射能の危険という認識の問題が解決したからといって、決定できるわけではありません。

そのためには、上記の介護の問題、生活再建の問題などの解決を行政がサポートする必要があります。それらの介護の問題、生活再建の問題まで全て自己決定する各自の責任でやれ、というのが自己決定権の内容を構成するなんてあり得ません。そんなことを認めたら、結局、事実上、自己決定権の行使を阻むことになります。

その意味で、自己決定権といっても、当人が自ら行使すべき問題と、その前提として必要な情報を行政が提供すべき問題と、その決定のあと、その決定に伴い発生する諸々の経済問題、家族問題を行政が全面的に支援すべき問題とを区別して考える必要があります。前者は知る権利として、後者は避難の実行に必要な問題解決のために行政が支援すべき社会権として位置づけられます。

現実の社会生活では、全ては、こうした様々な権利が相互に関係しあい、影響しあって社会生活が営まれているのであって、ひとつの権利さえ認めればそれで一丁あがりと考えることこそ、むしろ幻想だと思うのです。

そのような幻想の中に身を置いて法律を使ってきたのが「概念法学」と言われるやり方です。この概念法学病というやまいが実に根深いものであるか、私自身も最近になって、やっと思い知らされた次第です。先月3月の子ども脱被ばく裁判の弁護団会議では、私自身は、この概念法学病の目覚めについて、ずっと考えて来ました。その意味で、私は新米の法律家になるんだというのが実感です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


4.柳原敏夫弁護士からのメール(その3):カナダ在住の科学者宛に書かれたメール

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柳原です。
私の最も個人的な意味不明なつぶやきに、このMLの最高年齢と思しき方から、じきじきに熱いメッセージを頂き、衝撃です。

私が以下に書かれたような問題意識を持った理由は、私が極めてマイナーな世界でずっと仕事をしてきたからです。それが著作権です。著作権法ほど魑魅魍魎、得体の知れない法律はありません。ここでは法律と言わず、魔法と呼ぶのが相応しいくらい、どんな結論も自由自在に引き出せる魔法の玉手箱でした。

その後、著作権法から飛び出して、より広い法律世界一般に分け入った時、最初は気がつきませんでしたが、その後、法律一般の本質も著作権法と変わらない、魔法かドラエモンの四次元ポケットみたいに何でも裁判官がお望みのものが引き出せるカラクリニなっているのが法律のエッセンスだと分かりました。

ただし、建前はちがいます。厳正な法解釈の結果、なんてことをのたまって、決して恣意的に判断したんじゃないことを強調します。でも、所詮、それは詐欺、オレオレ詐欺の世界です。完璧に主観的に自分が決断した結論を正当化できるようにあとから理屈を探し、立てるのです。そのエッセンスが「拒絶法学」です。

このエッセンスを最初に打ち立てた人物が、以下の戒能通孝の公害についての講演で述べた、彼の師匠の末弘厳太郎によると鳩山秀夫です。311直前まで首相をつとめた鳩山由紀夫のじいさん鳩山一郎の弟です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A9%E5%B1%B1%E7%A7%80%E5%A4%AB


鳩山秀夫は東大始まって以来の秀才とうたわれ、ドイツに留学して、そこで、市民の要求を蹴っ飛ばす理屈を学び、これを分かりやすく理路整然と並べた教科書を書いて官僚と裁判官になる東大生たちに教え、「民法といえば鳩山、鳩山といえば民法」とまでいわれた民法学会の寵児だったそうです。これが概念法学と言われる法律論です。

しかし、これに猛反発、猛反対したのが末弘厳太郎です。彼はドイツではなく、アメリカに留学し、生きた現実に即して法律の概念を打ち立てる自由法学という立場から概念法学を徹底的に批判しました。

当時、学生として彼の授業を聞いた丸山真男は、末弘厳太郎がいかに颯爽としていたか、秀才鳩山秀夫を蹴落とし(事実、鳩山は失意のうちに大学から去りました)、民法学の転回をもたらした革命児である旨を述べています。現実を見ろ!これが彼の口癖で、それが理解できなかった弟子の川島武宜は生まれて初めて判例評釈の報告をした際に、末弘から次のようにこっぴどく怒られたそうです。「そのようなばかばかしい判例評釈をするなど、もってのほかである。そんな判例研究するような人間は、法律学の勉強をやめてしまえ」、

2回目の報告でも「おまえのは概念法学だ。稲というのは現実に植えつけた人間のものにならないはずはない。ドイツでそうでないなどと言ったって、そんなことは理由にならない。問題の実質をよく見ろ。」

それで、思い悩んだ川島は、本気でオレは法律を学ぶ資格がないんじゃないかと悩んだそうです。民法の神様とまで言われた我妻栄も同様です。概念法学ではダメだと思い、苦悩の中で、ひそかにマルクスの資本論とか読んで経済の勉強するのです。これが当時の法律の学者の保守本流です。

だから、戦前の学者、法律家は戦後や現在の人たちと比べ、桁違いにレベルが高い。彼らからみたら、戦後の学者、法律家なんて、あんたたち夢でも見てんじゃないか、鳩山秀夫みたいに法律学なんてやめちまえ、と言われそうです。

だから、現代の司法の反動化とかも、その根底にあるのは1つには法律の学者、法律家のレベルダウンです。同じくレベルダウンした最高裁を圧倒するような、戦前の自由法学や末弘厳太郎や横田喜三郎のような説得力ある法律論を展開する力がない。一緒になって、低いレベルでわあわあ、競い合っているにとどまっている(自戒の念を込めて)。

じゃあ、どうするのか。それを打破する突破口は、結局、現実の中にしかない、というのが私見です。その現実の最大のものは、日本史上、最悪の人災である福島原発事故発生という現実です。「私たちは福島原発事故を、放射能を忘れたいと思っている、忘れたがっている。けれど、福島原発事故は、放射能は忘れさせてくれない。彼らは、自己の法則を情け容赦なく貫徹する」という現実です。

311以後の法律家に突きつけられているのは、末弘厳太郎が喝破したような次の言葉です。「おまえのは概念法学だ。子どもたちの命がリスクにさらされているのに、証明できないからといって救済しなくてもよいはずはない。原子力ムラではそうでないなどと言ったって、そんなことは理由にならない。問題の実質をよく見ろ。そんなばかばかしい理由づけをするなど、もってのほかである。そんな理由づけをするような人間は、法律家をやめてしまえ」

川島武宜が末弘厳太郎の言葉に震撼させられたのと同様の体験をしたのが、刑法の権威と言われ、最高裁判事をやった団藤重光です。彼は、或る死刑判決の上告審で上告を棄却する判決を言い渡して退廷しようとした時、傍聴席から「人殺し!」と罵倒された。その一声で、彼はそれまでの死刑容認派から死刑廃止論者に転向しました。この一声で、裁判には誤審は避けられない、その時、死刑判決だったら取り返しがつかないことになる、このことを思い知らされたからです。

このような意味で、法律家が陥っている概念法学というものの本質はドグマです。ドグマを打ち破るのは現実しかありません。その現実を突きつけるのもまた、現実であって、現実の中で息づいている市民です。この意味で、原告の意見陳述というのは裁判官のドグマを粉砕する最大のメッセージです。

以上の意味での傍聴人の叫びや原告の意見陳述と同様に、広く市民の声こそ法律家を概念法学というドグマの夢から目覚めさせる最大の力です。

4年前、静岡市でチェルノブイリ法日本版の学習会をやったとき、知は誰のものか? という問いを投げかけました。この知には、法律の知識も含まれます。これに対する私の答え(知識人のお手本)の筆頭にあげたのが、エドワード・サイード次の言葉でした。

「現代の知識人は専門家ではなく、アマチュアたるべきである。そして機知とユーモアでずけずけ物を言い、絶えず移動する遊牧民である。」(知識人とはなにか)
http://1am.sakura.ne.jp/Chernobyl/190608Shizuoka-presen.pdf

これを科学の分野で実行しようとしたのが2011年⒓月に結成された「市民と科学者の内部被ばく問題研究会」です。このような試みが、実は科学だけではなく、法律の分野でも必要です。法律家が真っ当になれるか否かは、法律家の源泉ともいうべき「市民の声という現実」から栄養分を汲み取り、これを相応しい法律論に結実化・結晶化することができるか否かにかかわっているからです。

法律家はほっとおくと、必ずドグマに陥ります。それは法律の世界がもともと論理的な概念法学というドグマティックな枠組みで形成されているからです。だから、真っ当な法律家であるためには、ドグマとの絶えざる闘争、自己吟味、自己批判による問題解決が宿命的に必要とされている人種なのです。

つい、取り留めのないことを長々と書いてしまいました。


*(別添PDFファイル)末弘厳太郎「考え方の順序」
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHqAoNQhvLVO1G8E?e=InFdvB

*(別添PDFファイル)末弘厳太郎「適法行為による不法行為」
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhHtV6f64n-V2GaQ8?e=Yr5dO0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


5.柳原敏夫弁護士の上記メールに対する私の返信メール

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(柳原さん、このメールもなかなかいいですね、これも拡散させてください)

柳原さんが紹介してくれた上記の対極にある2つの法学は、それぞれ私が仙台での報告会で申し上げたことと関係があるような気がしています。

鳩山秀夫「概念法学」(拒絶法学)VS 末広厳太郎「現実見なさい法学」(自由法学)

支配者を守る・合理化するための法学である「概念法学」(拒絶法学)に対抗する末広厳太郎「現実見なさい法学」(自由法学)の具体的な内容付けの1つが、「自己決定権」の尊重とその法的保護であり、その「自己決定権」が私法的であるのに対して、私が申し上げた「公明正大な行政サービス(情報提供を含む)を受ける権利」は公法的な性格を持ち、3.11以降に展開された行政の不当性を真正面から告発するものだと感じます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(以下、今回追記部分)

 それは言い換えれば「行政とはいったい誰のために行われなければならないのか」という、もう一つの「公法的」な法的問いかけを含み、有権者・国民・地域住民をそっちのけにしたいい加減なことは絶対に許さない、という倫理ないしは法的正義の対行政強制を言外に強く含んでいる、そんな主旨で、先般の裁判報告会で申し上げました。もの足りなさは、この「公法的」部分のアクセントが弱いこと、12年間の私たち有権者・国民、地域住民をないがしろにしてきた日本の国や自治体の行政は許されないぞ、という社会へ向けた告発力・発信力の弱さです。

私は報告会での意見で、国や福島県が実施した具体的なひどい行政の具体事例を可能な限りたくさん、但しコンパクトな形で列記して、最終弁論とした方がいいのではないかと申し上げました。2011.3以降、2年間くらいのマスコミ情報を探るだけでも、相当数の許しがたくもデタラメな行政施策の具体事例が見つかるのではないかと思います。下記には、私が思いつくものを列記しておきますが、これらはいずれも地域住民や有権者・国民に無用の被ばくをもたらしたこととして、これからも強く批判していくべきものだと思っております(裁判の去就にかかわらず)。


<デタラメな放射能汚染対策・被ばく防護政策の事例>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*稼働しないと説明されたSPEEDIの情報は、真っ先に在日米軍に届けられていた。
*山下俊一長崎大学教授が福島県各地で「被ばくは心配するほどではない」旨のデタラメ講演をして回る。
*上記山下俊一長崎大学教授講演の内容は、チェルノブイリ原発事故の際の自身の著作や報告と全く異なるインチキ方便

*福島県庁の役人が、三春町の安定ヨウ素剤住民配布を恫喝により妨害 のち県議会で問題になり当事者が軽い処分を受ける
*文部科学省ないしは東京電力の職員と思わしき人間が福島県に来て環境放射能を測定していたようだが、結果は公表されず
*原発周辺に置いてあった空間線量計の多くに自家電源がついておらず、地震で停電したあとは使用できずとなった(お粗末)

*事故前には福島第一原発の地元市町村を集めて緊急時対策が伝えられ、実地訓練までされていたのに、いざ実際に原発過酷事故が起きると、事前の説明は全く歯牙にもかけられなかった(住民をだましていた緊急時対策対応)。地元との協議で決めて進めていくとされていたものは、ことごとく東京で勝手に決められた。放射性物質の情報も伝えられず。

*事故時のスクリーニング検査が早い段階で放棄され、13000CPM・40Bq/cm2(甲状腺等価線量で100mSv)の基準は、何と100,000CPMに引き上げられ(当時現場にあった測定値の針が振りきれる最大値)、かつ、想定結果も本人に知らされない「初期被曝隠蔽工作」が行われた。

*事故後、福島県内に置かれた空間線量計は、周辺を除染し、測定計器の下に厚い鉄板を敷いて置かれていて、当時の放射能汚染・空間線量の実態からかけ離れた数値が表示されていた。再三の改善要請にも対応せず。

*厚労省が定めた食品の残留放射能規制値は、①飲食物による内部被曝だけで1mSv(外部被曝やその他の被ばくは無視)、子どもや若年世代の放射線感受性をしっかりと考慮していない、飲食品の放射能検査の数が少なく、統計学的に有意ではない状態が事故後一貫して続いている、規制超過食品の規制解除条件が甘い(例:土壌汚染調査せずなど)、回収・廃棄されるものの管理が甘く、横流しの可能性あり、放射性ヨウ素131、及び放射性セシウム以外の放射性物質をほとんど無視(放射性ストロンチウムに規制値がないのは致命的欠陥)、など

*「福島県民健康管理調査検討委員会」では山下俊一長崎大学教授が座長となって「裏委員会」を密かに開催し、「表委員会」は単なるセレモニーにされていた(発覚して山下俊一は座長を辞任するも、今度は福島県立医大内で秘密委員会を発足させる)。

*健康調査を福島県以外の都県で実施していない、健康手帳の配布もない
*弘前大学の初期被曝調査を福島県庁が妨害

*放射線医学総合研究所(明石真言)が初期被曝測定を妨害する進言を当時の民主党政権に行う=初期被曝測定されず
*安定ヨウ素剤の配布、及び服用の指示を出さない(チェルノブイリ原発事故の教訓がないがしろ)

*福島原発事故直後の環境放射能汚染がひどいときに学校を再開し、汚染リスクのある校庭で遊ばせたり体育の授業をしたりして、子どもたちに無用の被ばくをさせている。
*政府発行の放射能や被ばくに関するパンフレットなどに被ばくの危険性を過小評価・歪曲する文言が多数(危険)

*福島県立医大と東京大学の教員がグルになり、福島原発事故による被ばくの度合いを極端に軽視する論文をでっちあげようとして発覚、撤回となった(早野龍五と宮崎真)。

*「子ども被災者支援法」の立法精神をないがしろにしている(避難指示区域外避難者への差別的弾圧的対応など)

*「特定避難勧奨地点」を決める際の、自宅の放射能汚染測定の仕方がデタラメ
*避難指示区域が狭すぎた・遅すぎた、かつ、避難への支援がまともにでいていない(例:何故、船を使わないのか?)。
*政府や自治体の危機管理体制が全くのデタラメで、多くの県民の無用・不当な被ばくにつながった

*産業(農林水産業、採石業、食品産業、その他)に対して適切な規制と厳格な管理をしなかったため、放射能汚染物が出回ることになった(浪江町の放射能汚染砕石、南相馬の放射能汚染牛肉、木材及びその廃棄物(バークなど)、牛乳の混入(牧場ごとの測定をしないで、汚染生乳とそうでない生乳を混ぜて出荷)、肥料や栽培土、きのこ原木の汚染などなど)

(まだ、他にもたくさんあり、丁寧に拾えば、数~数十ページにもなることが予想される)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
草々

 

« IWJ直近報道から:「シーモア・ハーシュ氏新記事! ゼレンスキー政権による横領は4億ドル以上! 無策のバイデン政権と米情報機関の信頼関係が崩壊」他 & 若干の原発関連情報(ふくかな通信他) | トップページ | 「市民連合」安全保障政策の考え方への根本的批判:「世直し」市民代表を装い、日米安保体制を追認しながら、立民右派や国民民主などの岸田軍拡政権補完勢力とハーモナイズを図る中途半端な態度=反戦平和運動に混乱をもたらすだけだ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« IWJ直近報道から:「シーモア・ハーシュ氏新記事! ゼレンスキー政権による横領は4億ドル以上! 無策のバイデン政権と米情報機関の信頼関係が崩壊」他 & 若干の原発関連情報(ふくかな通信他) | トップページ | 「市民連合」安全保障政策の考え方への根本的批判:「世直し」市民代表を装い、日米安保体制を追認しながら、立民右派や国民民主などの岸田軍拡政権補完勢力とハーモナイズを図る中途半端な態度=反戦平和運動に混乱をもたらすだけだ »

最近の記事

無料ブログはココログ