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2023年3月 6日 (月)

「諫早」は決着などしていない:ギロチン堤防開門の確定判決無視の国の違憲・違法行為を追認する最高裁:この最高裁裁判官どもに裁判をする資格はない=次は諫早湾の「原状復帰」、つまりギロチン堤防の全面完全撤去裁判だ!

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.(予約必要)(3.28)オルタナティブな日本をめざして(第83回)「台湾有事と日米軍事同盟」(孫崎享さん:新ちょぼゼミ)(2023年3月28日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/01/post-6aa931.html

(予約の受付窓口)
*たんぽぽ舎(水道橋):TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
 https://www.tanpoposya.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
(上記にお電話していただき「受付番号」をもらってください)

(参加ご希望の方はたんぽぽ舎への予約電話を急いでください。会場はあまり広くないので、まもなく予約締切になりそうです。なお、この日は、最初の1時間で、主催者より「電力自由化と電力システム改革」のプレゼンを行います。これまでの分は下記のブログをご参照ください。地域独占(原発)電力会社が経済産業省とグルになり、やりたい放題をしています。看過するわけにはいきません。そんな中での今般の岸田文雄政権による「GX」です。:田中一郎)

(関連)(拡散希望)(報告)(2.9)電力自由化と電力システム改革(第5回目):歪められた電力システム改革(3)(新ちょぼゼミ:田中一郎)(2023年2月9日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2023/02/post-1ff966.html


2.イベント情報
(1)(チラシ)(3.11)わすれないで! 3.11 原発再稼働はやめて(稲城市城山公民館)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVhBzfHXvnoy-gUe0q?e=DC250y

(2)申込み オンライン 文明フォーラム@北多摩 研究会「第三の寿都・神恵内は貴方の町かも 普通の住民が反対派と言われるようになって」(3-18 14-00~ Zoom)
 http://www.labornetjp.org/EventItem/1677931598413staff01

(3)公開セミナー「戦争ではなく平和の準備を」第3回 軍事化される琉球弧 安保3文書と南西諸島
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日時 3月7日(火)19:00~20:30
講師 前泊博盛(沖縄国際大学教授)
司会 川崎哲(ピースボート共同代表、平和構想提言会議共同座長)
形式 オンライン(YouTube配信)https://youtube.com/live/k-VoyxpdbPI
   登録不要、無料。ご質問はチャットで受け付けます
主催 平和構想研究会
 ウェブサイト http://heiwakosoken.org/
 詳細 http://heiwakosoken.org/2023/03/02/seminar-3/
 連絡先 shudantekijieiken@gmail.com

※平和構想提言会議が2022年12月に発表した提言「戦争ではなく平和の準備を」は、こちらをご覧下さい 
 http://heiwakosoken.org/teigenkaigi/
※平和構想研究会は、平和構想提言会議の事務局を担っています。
※平和構想研究会の活動は、皆さんからの寄付に支えられています。ご支援をよろしくお願いします 
 http://heiwakosoken.org/campaign/

◆公開セミナー「戦争ではなく平和の準備を」アーカイブ

第1回「憲法の視点から安保3文書を読み解く」(青井未帆さん)
2023.1.26 http://heiwakosoken.org/2023/01/23/seminar/

第2回「軍事費増大――その歴史と構造を検証する」(山田朗さん)
2023.2.28 http://heiwakosoken.org/2023/02/28/seminar-2/
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3.キャンペーン
(1)お知らせ · 原発推進「束ね法案」が閣議決定/まもなく国会に! · Change.org
 https://bit.ly/3YqYQ1L
 https://tinyurl.com/2dsmey52

(2)お知らせ · 再送:オール沖縄の辺野古基地建設断念を求める署名のお願い · Change.org
 https://bit.ly/3SV9bll
 https://tinyurl.com/zs22432t

(3)お知らせ · 【報告】神宮外苑再開発認可取消裁判、提訴しました〜皆さんの参加を求めています · Change.org
 https://bit.ly/3EV6Cd9
 https://tinyurl.com/36zkkmwm

(4)市民意見広告運動-再度ご賛同ご協力のお願い/最新版チラシ「ストップ大軍拡!武力で平和はつくれない!」配布中
 https://www.ikenkoukoku.jp/news/792/


4.快挙:市民が区長候補を立てた!(杉並に続き、北区で)(3/1)
 https://tunagu2.jimdofree.com/

(関連)東京都北区長選に橋本弥寿子氏が立候補表明 子ども食堂など運営 [統一地方選挙2023]:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASR3162CHR31OXIE01G.html

 対する相手は、多選批判が出ている現職の高齢区長=花川よそうたを筆頭に、統一教会問題を引きずる自公推薦の山田かなこ他、4人が立候補し、5人による大接戦となりそうな気配です。久しぶりに、この北区でも、熱い統一地方選挙になりそうです。問題はここでも立憲民主党の態度です。立憲民主党はこれまでずっと花川よそうた区長の与党でやってきました。今回はどうするのか未だはっきりしませんが、写真の決起集会に立憲民主党の区議はいなかったように思います(共産、新社、れいわは橋本氏を応援すると聞いています)。立憲民主党には、しっかりと「世直し」側についてほしいものです。


5.戦争する国 絶対反対
(1)(別添PDFファイル)「同志国」の軍事支援、不明だらけの新制度、最初の対象 人権侵害深刻なフィリピン?(東京 2023.3.3)( ネット上に記事はありませんでした、下記サイトは代替記事です、図書館等でご覧ください)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/228393

(2)何も答えない岸田首相 デタラメ予算案が衆院無風通過の国会茶番|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319528

(3)時代遅れにも程がある。石破茂が岸田首相トマホーク2000億円爆買いに「猛反対」する理由 - まぐまぐニュース!
 https://www.mag2.com/p/news/568190

(4)石垣への陸自配備、駐屯地への車両搬入を開始 ミサイル発射機など200台 石垣港から公道を使用- 琉球新報デジタル
 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1672402.html

(5)立憲・辻元清美議員が追及 米軍がポンコツとした幽霊機体の維持費が3000億円!のナゼ(日刊ゲンダイDIGITAL)
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319603


6.注目時事問題
(1)(別添PDFファイル)区議選投票率向上へ選管主導、杉並区「ボートマッチ」断念、総務省「公選法抵触の恐れ」(東京 2023.2.16)

市民団体がやればいいものを、選管がやるんだとというから問題になる。当たり前の話。岸本聡子区長もこんなものに期待をしていたのなら、いかにもセンスが悪い。:田中一郎)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/231283

(2)(別添PDFファイル)脱原発プラカード、バス・電車 乗れないの? 運転手ら「外して」(東京 2023.1.20)

「サイレント・モブ」とか言って、これと同じことを、たくさんの人と一緒に、それとなくやって、山手線を一周するというのをやったことがあります。みなさんもいかがですか? プラカードは「タダの荷物」という扱いです。:田中一郎)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/226106

(3)(別添PDFファイル)奈良知事選 自民分裂の様相、漁夫の利狙う維新(朝日 2023.3.4)

奈良県の有権者も自民党や維新になめられたものです。寝ても覚めても自民党に投票をしている(あるいは投票に行かない)からこうなるのです(言っときますが、維新は自民党のアクタレ部分が分離独立した勢力ですからね)。高市早苗、こいつは安倍晋三の尻にくっついていたチンピラ似非右翼女で、アベの金魚のフン、みたいなもの。議員から引きずり降ろしたらよろしい。もういい加減、まともな人を知事にしないとダメでしょ。:田中一郎)
 https://www.asahi.com/articles/ASR336HGCR33UTFK009.html

(4)(別添PDFファイル)放送法の「政治的公平」新解釈要求、安倍政権の内部文書か、立憲・小西議員が公表(朝日 2023.3.3)

これにも高市早苗(当時総務大臣)が深く関係しているようだ。政治政権がマスメディアの報道の在り方に口を出すのはご法度だ、しかも放送局の許認可権限まで振り回している。旧ソ連や中共中国と大差ない。放送内容に異議があるなら、異議のある政治家が個人として、あるいは政党として「反論」すればいいのであって、メディアに対して許認可権限を握る政府政権が「政治的公平」を維持せよ、などと言い渡すこと自体が権力的言論妨害であり、言論・報道の自由の侵害だ。高市早苗は、この文書を「捏造(デマ)」だと言っていて、本当だったら議員をやめるとまで発言した。これも安倍晋三と似ている。それはともかく、徹底追及して、もし本当なら、お辞めいただこう。:田中一郎)
 https://www.asahi.com/articles/ASR326JRMR32UTFK00P.html

(関連)(別添PDFファイル)新解釈 官邸側の意向認める、磯崎元補佐官「放送法 総務省と意見交換」(朝日 2023.3.4)
 https://www.asahi.com/articles/ASR336JYQR33UTFK01B.html

(関連)(別添PDFファイル)「放送法の解釈変更要求」文書で国会紛糾、「事実なら容認できない」民放関係者ら(東京・毎日 2023.3.4)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/234453


◆日刊IWJガイド・非会員版「シリーズ特集! 福島第一原発事故から12年、進む事故への危機感と恐怖の記憶の風化! 他方、急激に高まる原発への武力攻撃リスク!」2023.3.5号~No.3825号 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51961
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 去る3月3日、全国各紙が「諫早、開門せず、で決着」という記事を一斉に報道した。堤防排水門の開門を命じた確定判決の「無力化」を国が求めた裁判の上告審で、最高裁(永嶺安政裁判長)は3/1付の決定で漁業者側の上告を棄却した。つまり開門を求める漁業者の訴えを退けたということだ。新聞各紙は、これで司法判断は「開門せず」で統一され、諫早のギロチン堤防問題は決着したなどと伝えている。冗談ではないワ!

(関連)有明弁護団声明.docx - Google ドキュメント
 https://docs.google.com/document/d/1tOMSwGAsQvkRHWLlIZWb1tbdGvqjZ4Q1/edit

この最高裁の判決は「いつもの通り」お粗末の限りで、朝日新聞記事によれば「上告理由にあたる憲法違反などがない」などと述べるだけで、他に判断理由を示さなかったとある。この諫早湾干拓事業に伴うギロチン堤防を巡っての裁判の経緯は、それぞれの新聞記事の説明をご覧いただきたいが(朝日新聞記事が比較的わかりやすい)、少なくとも「憲法違反はない」はありえない。この問題を巡っての判決は、2010年に福岡高裁が「開門せよ」との判決を出し(その理由も相当・妥当なものだった)、その時の被告の国(菅直人政権)が上告をしなかったため、その判決が確定していた。

(関連)諫早ギロチン堤防開門訴訟の経緯:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/photo/AS20230303000316.html

その確定判決を国がいつまでたっても履行せず、グズグズとごねて、ごねまくって時間ばかりが経過し、とうとう今日の事態となっている。最高裁に聞くが、では、確定した判決というものは、守らなくていい・履行しなくていい・グズグズごねて時間を稼いで「無効だ」とまた裁判を起こせばいいのか? それとも国だったらそれでいいのか? 何故、国なら許されるのか? 最高裁は何の説明もしていない。ふざけんなよ!

記事を読むと、国は裁判所が勧告をした漁業者たちとの「和解協議」にすら応じない、かたくなな態度だったという。そんな悪たれの国に全面的に勝たせるような判決を最高裁が出していてどうするのか。自分たち裁判所の出す判決は、守りたくなければ守らなくてもいいですよ、私たち日本の司法権力を私物化し濫用している裁判官は、全員そろって国の味方であり、あなた方有権者・国民の味方ではありませんから、と言っているようなものだ。日本国憲法が土台を創る法治国家の秩序を、それを守るべき役回りにある最高裁・日本の裁判所裁判官が、先頭を切ってぶち壊す、そんなことをしていていいのか!?

つまり、メールの表題にも書いた通り、「ギロチン堤防開門の確定判決無視の国の違憲・違法行為を追認する最高裁:この最高裁裁判官どもに裁判をする資格はない」ということだ。最高裁が法治国家を破壊する判決(中には違法判決まである)を繰り返し繰り返し垂れ流す事態は、この裁判に限らない。原発や福島原発事故関連の裁判を散見するだけでも、山積み状態になっている。もはやこのロクデモナイ役所はいったん叩き潰すしかない状態だ。みなさまも覚悟を決めて、最高裁判事の国民審査で候補者全員に「×××××」を付けるところから始めていただきたい。そのあとは、下記を参考に、まずは政治を抜本転換することから始めていきましょう。政治がダメのままでは、司法も検察も変えることは出来ません。

◆(拡散希望)(継続サイト)日本の司法・検察は抜本改革されなければならない:ポイントは(1)「法曹一元化」による司法官僚制度からの解放と、(2)有権者・国民からのフィードバック機能の強化、です- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-bbc6f8.html


 以下、諫早湾干拓事業とギロチン堤防に関して、私が思うところを下記に箇条書きにいたします。有明海産の高級海苔をこれからも食べていきたいと思われる方は、是非、ご覧いただきたいと思います。

 <別添PDFファイル>
(1)諫早 非開門で決着、最高裁、司法判断を統一、国の勝訴確定 閉め切りから26年(朝日 2023.3.3)
 https://news.yahoo.co.jp/articles/4643c924fe7d224e5512ed65e67b5c09aeead530

(2)諫早「開門認めず」決着、20年の法廷闘争終結、請求異議審で最高裁(毎日 2023.3.3)
 https://mainichi.jp/articles/20230302/k00/00m/040/170000c

(3)諫早「開門せず」で司法決着、最高裁 係争20年、ねじれ解消(東京 2023.3.3)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/234196


 <「諫早」は決着などしていない:田中一郎>
1.「憲政史上初めて確定判決に従わなかった国を免罪し、司法本来の役割を放棄したものと言わざるを得ない。確定判決に従わないのは「憲法違反」と繰り返し訴えてきた」(漁業者側弁護団)

2.「確定判決に従わず、和解協議にも応じないやり方で判決を勝ち取ることがかなうとすれば、法治国家って何だとすら考えざるを得ない」(山口祥義佐賀県知事)

3.「海苔の前期売上が50万円だけ、今季はゼロ。国の「有明海再生策」はどれもうまくいかない。諫早湾の潮受け堤防の開門調査が「唯一の望み」だった。決定を聞いて「もう海苔養殖はやめた」と思った(佐賀県太良町の漁師)。

4.「判決が決まっても、駄々をこねれば認められる。おかしか話よね。どうしたら良いかわからない気持ちにもなるけど、ここで諦めたらおしまいやけんさ。後継者に元の海を戻せるように、死ぬまでは何とか頑張りたい。国が駄々をこねたように、こっちも駄々をこねるさ。」(長崎県島原市の漁師)

5.確定判決後に「請求異議訴訟」というものがあり、事情の変化がある場合に認められることがあるが、ほとんど異例だという。最高裁は「確定判決は守らなくていい」という判決を下しているが、今回の裁判が「請求異議訴訟」にあたるのなら、どういう場合に「確定判決は守らなくていい」のか、明らかにすべきところだが、ノーコメントのトンズラ判決だった。

6.2022年の福岡高裁判決では、漁獲量は増加傾向、干拓地の営農が定着している、開門には防災上のリスクがある、などと、のデマも含めて、開門しない理由にもならない理由を並べて、確定判決を踏みにじった。最高裁がそれを今回追認したということだ。ふざけるな、このバカヤローども、である。

7.国は確定判決不履行で、裁判所から制裁金支払いを命じられ、これまで12億円を漁業者側に支払ってきたが、今回の判決を受けて、この12億円の返還請求を国が行う可能性がある、などと毎日新聞が報じている。あり得ない話だ。くだらない推測記事を書くな! ボケ!

8.「有明海振興基金 100億円」を国が和解条件として提示するも、有明海漁協(佐賀県)が拒否した。ここでも国がやっていることは、福島原発事故による放射能汚染水を海にぶん投げる際に、福島県の漁業者だけに示した「最後はカネメでしょ」対策と同じことである。漁業者をバカにしている。

9.調整池の水は農業用水のようなことが新聞記事に書かれていたが、本当の話か? あの水は「ヘドロ水=毒水」で、あんなものを農業用にはとても使えないのではないのか? 本当に農業用として使っているのなら、諫早湾干拓地で獲れる農作物はとても食べる気にはなれません。

10.ギロチン潮受け堤防の開門はあくまで「調査」が目的。しかし、開門調査するまでもなく、ギロチンの前と後とで諫早湾の海に異変が起き、漁業が壊滅状態になっただけでなく、「恵みの海・豊穣の海」が「死の海・赤潮の海」に変わってしまっている。このギロチン潮受け堤防の建設が諸悪の根源であることは明確なのであって、このことを前提にして、今後どうするかを検討していくべきである。

11.他方で、干拓地で展開される農業は他の土地でもできる農業であり、かつコメなどは生産過剰で減反などをやっている作目だから、この干拓地で絶対にしなければいけない農業ではない。この点も重要だ。

12.私は「開門調査」は飛ばして、ギロチン堤防の全面撤去=「諫早湾の原状復帰」が今後の解決策となるべきだと考える。あんなものは壊してしまえばいい・撤去すればいいのだ。その場合、上記でも申し上げたが、調整池の「ヘドロ水=毒水」には、その取扱いに十分な注意が必要である。ギロチン堤防開門に反対する1つの理由が、この調整池の「ヘドロ水=毒水」が諫早湾内に出てくることに大きな懸念があることである。他方、農業者に対しては、他の土地へ移転してもらって、その費用はすべて国が面倒を見ればいい。相当大規模なことになるが、それは、こうしたくだらない巨大公共事業を、反対を押しつぶしてまでやった国の責任で、元通りの状態に戻していく、ということでなければいけない。(潮受け堤防を、農地と調整池の境目に移設するという方法もあるかもしれないが、これの是非は専門家に聞いてほしい)

13.返す刀で、農林水産省の公共事業の在り方に徹底したメスを入れ、二度とかような公共事業はできないような「仕組み」を創る必要がある。まずは今、農林水産省が抱える公共事業を徹底監査・検査して見たらいい。会計検査院だけでなく、そこに外部から責任ある有識者やNPO・NGOにも入ってもらい、農林水産省のすべての部門のすべての公共事業をしらみつぶしに調査し尽くすということだ。私が特に問題があるのではないかと思っているものに、農業部門=農道事業と土地改良事業、集落用施設建設(ハコモノ)、水産部門=漁港・漁場整備事業、官業捕鯨、③森林林業部門=森林整備事業を語るインチキ事業(林道事業、砂防ダム、拡大造林など:国有林野と民有林の2つがあるので注意)、バイオマス事業、などなどだ。

そして、こうした検証・調査から明らかになったロクデモナイ公共事業について、再発防止のため、①担当セクションを廃止し、幹部クラスの責任者を更迭する、②公共事業予算を必要なものに限定して大きく減額、③再発防止のため、農林水産省の公共事業オンブズマン制度を導入し、今後、全公共事業案件について、事前検証を入れる、などの対応をする。④そして更にこうした取組を国土交通省や経済産業省、環境省など他の省庁にも広げて、霞が関の公共事業の抜本改革につなげていく。

14.美しく、豊かで、恵みの海を復活再生させ、同時並行で、農林水産省を含む国や自治体のくだらない公共事業を全部潰してしまう、そしてそれで浮いた財源で、本当の農林水産業振興に、丁寧に、しっかりと取り組んでいく、これが私が求める「諫早の決着」である。これを妨害する勢力は、政治も司法も、断固として、民主主義の力で排除していきたい。


(関連)(メール転送です)矢嶋悟(有明海漁民・市民ネットワーク) さんから:有明海(福岡県)のノリ色落ち被害の推移
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 諫早湾干拓事業の堤防閉め切りが、有明海奥部のノリ養殖に影響を与えていることを示唆する資料として、有明海・八代海等総合調査評価委員会の2022年中間取りまとめに掲載されている図 

◆ノリの色落ち被害の推移の図
 https://tinyurl.com/bhudrkhh

 この図は有明海の福岡県のノリ養殖場において発生した赤潮とノリの色落ちの期間を示したものです。1997年の堤防閉め切り以降、赤潮の発生が多く、長期間になり、それに応じて色落ち被害も増加しています。

堤防閉め切り以降も有明海奥部の養殖ノリの生産は減っていないとよく言われますが、閉め切りの1年前からノリ網の撤去期限が1か月ほど遅くなり、漁業者は色落ちに苦しめられながらも、養殖期間を延長して収量を維持しているのが分かります。

有明海の赤潮増加について農水省は、ノリの不作が注目されるようになってからは、ノリの被害に応じて海水の着色を確認できない赤潮もカウントするようになったからであると主張しています。しかし、1997年の諫早湾の堤防閉め切り以降に赤潮が急増していることは、この図のノリの色落ち被害の発生状況からも明らかだと思います。
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(関連)(メール転送です)【報告】諫早湾の開門をめぐる よみがえれ!有明 11・15(火)東京行動
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 有明海漁業の苦境に対して、政府は冷た過ぎる。よみがえれ有明!訴訟原告団・弁護団の皆さんと、国会内で院内集会を開催し、引き続き農水省・水産庁と協議を行いました。
 https://www.facebook.com/photo/?fbid=534078028536320&set=pcb.534078541869602

 農水省・水産庁に対して、私たちからは引き続き、海苔の不漁問題について有明海特措法に基づく特別な支援を求めましたが、水産庁の説明は相変わらず極めて冷淡なものでした。今年の海苔漁は10月末から種付けが始まっていますが、すでに今のところ、赤潮の影響で厳しい状況にあります。しかも、今年は有明海西南部のみならず、東部の方まで厳しい状況が広がっています。(写真)

この深刻な状況下でも、なぜ水産庁は、そして政府はこうも漁業者に対して冷たくいられるのか、私には信じられません。
また、今日の協議の中で、水産庁から、西南部の状況の厳しい海苔漁業者に対して、漁場を他の場所に変えることもひとつの策だとしてすすめているということも述べていました。

海苔漁は多くの「装備」を使います。したがって漁場を変えるということは、生活の拠点も含めてごそっと移動することを意味しかねません。「西南部で獲れないのであれば、東部に引っ越せばいいじゃないか」ということなのでしょうか。簡単なことではありません。こんな重いことをさらっと言い放つ、水産庁の姿勢に、私は怒りすら覚えました。今の政府は冷たい。岸田総理は「聞く力」などと言いますが、とんでもない。冷た過ぎます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 <関連サイト>
(1)「なぜ開門(調査)が必要か」高橋徹氏の講演 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=5Tl2nzYtftw

(2)開門調査見送りの経緯と現状 堀良一弁護士の講演 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=DTfmcIRBs5k

(3)「ギロチン」が断った漁業・営農・国 諫早湾干拓、必要な協議 - 毎日新聞
 https://bit.ly/3ykihOY

(4)司法判断のねじれ “開門せず” で統一 開門求める漁業者「有明海をどう再生するのか質していく」(NBC長崎放送) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/fc0b25afb510d9b267d450d967ace7ae8f47d476 

(5)社説:諫早開門せず 「宝の海」再生は国の責任 | 京都新聞
 https://nordot.app/1004645088338690048?c=39546741839462401

(参考)海をよみがえらせる 諫早湾の再生から考える-佐藤正典/著(岩波ブックレット)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033030567&Action_id=121&Sza_id=F3
草々

 

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