老朽原発運転期間延長は再びの原発大事故へ向かう直線コース(その2):古い原発は「時限核爆弾」=40年超の運転や廃炉を前提としていない、設計図行方不明、人も入れ替わり設備の詳細を知らず、山のようにある老朽原発の超危険性
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(1.31)控訴審第1回公判 東京高裁(東海第二原発運転差止訴訟 原告団 News 2022-1)
https://drive.google.com/file/d/1AE4zd5CG_qvb4qDHGB7SZ0a0fO55DszA/view
2.(新刊書)「私物化」される国公立大学-駒込武/編(岩波ブックレット)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034240643&Action_id=121&Sza_id=G2
(読んでみて驚きました。いつの間に日本の国公立大学がかようなことになっていたのでしょう!? 簡単に申し上げれば、日本の全大学の「(田中英寿理事長支配下の)日本大学化」です。学部長人事・教授人事・新規採用、教員定数・学生定数、学部学科の新設・統廃合、軍産学情共同、自衛隊との連携などなど、ありとあらゆる大学運営が、大学構成員やステイクホルダーの意向や希望を無視し踏みつけながら、学長とそのとり巻き連中という一握りのゴロツキ集団によって決定され強行されています。大学の自治と学問の自由は「非国民」扱いされ、日本の全大学から追放されようとしています。これでは、科学や技術の発展どころか、研究開発の環境劣化と学術文化の衰退を招き、「学問と教育の府」は、ガラクタ政治権力と一握りの巨大企業群の「安上がり」下僕・植民地と化してしまうでしょう。もちろん優秀な人材は日本の大学を避け海外へ出ていくことになります。自民党というゴミクズカスの政治家どもとその手下と化した文部科学省が、支配権力を濫用して大学運営に容喙・介入し、日本の全大学を破壊しているのです。私たちはこれに対して断固として立ちはだかり、大学の本来のあるべき形を取り戻さなければなりません。このブックレットの著者の方々と共に立ち上がりましょう。日本をその根底から掘り崩すこの亡国大学政策をやめさせましょう。:田中一郎)
(関連)(別添PDFファイル)目次・はじめに(駒込武京都大学教授『「私物化」される国公立大学』岩波ブックレット)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVgwXMXBE6TaODAkaN?e=08gOw0
(↑ 東京大学、京都大学、北海道大学、筑波大学など、日本を代表するような国立大学の運営がメチャクチャです)
(関連)『法と民主主義』日本民主法律家協会:2022年11月号【573号】(目次と記事)特集Ⅰ大学・学問の軍事動員の危機を考える
https://www.jdla.jp/houmin/
3.キャンペーン 介護保険:負担が2倍で使えない!~原則自己負担2割化、ケアプラン作成の有料化、要介護1と2の保険外しなど負担増に反対します~ · Change.org
https://tinyurl.com/2p8jk5r7
(関連)キャンペーンについてのお知らせ · ~新聞報道~さらなるシェア、共有をお願いします! · Change.org
https://bit.ly/3O0Y7Rc
(介護保険料だけ取って、消費税率を引き上げられるだけ引き上げて、いざとなったら介護は知らねえ、そんな「公営ボッタクリ詐欺介護制度」が今の介護保険です。おまけに「市場原理主義アホダラ教」に染め上げられていますから、介護は民間で勝手にやっといて、ということになっています。特別養護老人ホームの入り口には50万人の人が順番待ちで並んでいますが、自公政権も政府も厚生労働省も「どこ吹く風」の態度です。「税金は何のために使ってんだ」だって? 「決まってるだろ、アメリカさまから武器弾薬を買うために今度予算を倍にするんだから、お前らの老後介護に税金など回すわけにはいかねえ」というのが、自民党のゴロツキ・チンピラ議員どもや「福祉と平和の党」改め「戦争準備と銀座クラブ遊び歩きの党」の公明党のゴミクズ議員たちの本音なのでしょう。要するに(下々は)年を取ったら早く死ねということですか? それが今の日本の政治ですね。:田中一郎)
4.「クレヨンハウス」吉祥寺へ移転 表参道で紡いだ46年の歴史に幕 ファン「街の魅力さらに高まる」:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/213000
5.沖縄NEWS
(1)基地PFOS「人権侵害」国連報告者が問題視 先住民族の土地に「環境暴力」琉球新報デジタル
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1614207.html
(2)「琉球先住民の権利保障を」国連委員会が再び勧告、ヘイト対策も - 琉球新報デジタル
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1611431.html
(3)「世界一危険な米軍基地」から爆音が消えたのはなぜか? 沖縄を訪問した天皇陛下が見たのは「非日常」だった | 47NEWS
https://nordot.app/958254740889059328
◆ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会「島々を再び戦場にさせない」―皆さまのご賛同を広く呼びかけます。
http://nomore-okinawasen.org/
6.南無阿弥陀仏 岸田文雄さん
(1)また後手後手で悶絶の蟻地獄 次に辞めるのは寺田総務相か岸田首相か|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/314346
(2)(必見)徳光和夫さん、葉梨康弘法相の「失言辞任」に不快感「岸田内閣に落胆と幻滅が禁じ得ない」(スポーツ報知)Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ecd5483eb1880eaa45566fffc5cd9060065c2cb9
(3)なぜ岸田首相は「女性」と「若者」から見放されたのか 望月衣塑子記者が見抜く“共感力のなさ”(AERA dot.)Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/228d2713c6d4d965dc091ccdc1bdf25ed0d96e6d
(4)(別添PDFファイル)宗教法人審の「審議概要」(前川喜平 東京 2022.11.13)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511015
(5)「何考えているのか?」岸田首相、旧統一教会「被害者救済法案」調整役に萩生田政調会長を指名 あきれる人が続出(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース(➾ 岸田文雄”そうじ”大臣は自民党内のアベ派抑えに萩生田光一を使っている=情けない”そうじ”大臣だ:田中一郎)
https://news.yahoo.co.jp/articles/12e4cc761abacc7883f89fc06d8bef4bdbcf9653
◆日刊IWJガイド・日曜版「ウクライナで死亡した日本人義勇兵の『義』はどこに? 米露代理戦争のためにウクライナ人が殺しあう実相をメディアは正確に伝えてきたのか」2022.11.13号~No.3713号 - What's New お知らせ
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51535
(関連)加川良「教訓 I」 Kagawa Ryo -Kyokun I- (Lesson One) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=FSaMY7TRgFI
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「老朽原発運転期間延長は再びの原発大事故へ向かう直線コース(その2):古い原発は「時限核爆弾」=40年超の運転や廃炉を前提としていない、設計図行方不明、人も入れ替わり設備の詳細を知らず、山のようにある老朽原発の超危険性」をお送りいたします。数日前の(その1)(下記)の続きです。今般の老朽原発運転期間延長の「陰謀」の首謀者は、経済産業省と原子力「寄生」委員会(山中伸介)です。この2つの組織は政権交代により必ずや解体・再編し、また、「陰謀」者たちは一人残らず(第二次)「公職追放」する必要があります。それが原発再推進根絶のための避けては通れない政治的過程です。
◆老朽原発運転期間延長は再びの原発大事故へ向かう直線コース(その1):何十年も前に造られた古い原発全体をくまなく点検・検査することなどできない=形式・体裁を整えて、さも安全審査を厳格にやっているかのように見せかける原子力「寄生」委員会のペテン- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/11/post-5b0861.html
◆【緊急署名】原発運転期間「原則40年」削除方針の撤回を https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdtGmImOFhpObetYPhx4GXyTwHiIBnZmGNnFAjZzNHBzTFnlA/viewform
・・・・・・・・
1.「運転期間延⻑認可の審査と⻑期停止期間中の発電用原子炉施設の経年劣化との関係に関する見解」20207月29 日)
https://www.nra.go.jp/data/000323916.pdf
<田中一郎コメント>
(その1)でもご紹介した上記「見解」ですが、改めてそのお粗末で無責任な中身を簡単に批判しておきます。この「見解」は2020年7月に、前「寄生」委員長の更田豊志の時に出されたものです。かようなインチキ文書が出されていたことをマスごみどもがきちんと批判的に報道をしなかったため、この文書は今回初めて見るものです。朝日カバカバ新聞を筆頭に、福島第一原発事故から月日が経つにつれてマスごみどもの原発に対する危機感が薄れ、昨今ではまたぞろ原子力ムラに少し遅れながら追従していくような報道を繰り返しているようです。いい加減にしろという話です。かようなデタラメな文書は、それが出た時に徹底的に叩いておかないから、今日のように、これが老朽原発の運転期間延長の口実に利用されてしまった、と見ておいていいのではないかと思います。
(1)「原子力規制委員会としては、かねてから、運転期間の在り方について意見を述べる立場にない旨を表明してきたところである」「発電用原子炉施設を利用すること自体の正当化その他その利用の在り方に関する政策の企画立案及び実施は、いわゆる原子力利用の推進の機能に該当するものであって、原子力規制委員会が関わるべき事柄ではない。」(「見解」)
⇒ バカを言ってはいけない。原発の運転期間の定めは法定化されていて、これを遵守させるのが規制当局の役割。かつ、運転期間の定めは「利用政策」ではなく「利用規制」であり、いかなることがあっても「これ以上の運転は危険防止の観点よりまかりならぬ」とするために設けてある。それを「利用政策」だなどと「方便」を使って運転期限の定めを守らせようとはせず、自らの安全規制責任を放棄することは規制当局として許されない。
また、運転期間の絶対的期限が定められた理由は、そもそも原発のような巨大施設は隅から隅まで徹底してその老朽化による劣化を点検・検査・検証ができないだけでなく、構造上の理由から(特に古い原発はそうだ)人間が見ることができない個所や劣化状況を検査・検証し得ない個所があちこちにたくさんあり、かつ、仮に検査・検証できても取り換えることができない機器類や部品も多く存在している。だから、どうしても見切り発車で検査・審査をパスさせざるを得ない形で老朽原発の運転期間延長審査が行われるのが実情。従って、科学的・合理的・実証的に完璧な点検・検査・検証ができない以上、「老朽化による劣化でどこで何が起きるかわからない故に、いくら何でもこれ以上の運転はまかりならぬ」として決められたのが「40年の運転絶対期限」である(60年は2011年当時の民主党政権が政治的妥協で決めたいい加減なもの)。そもそも古い原発は、建設当時、その寿命を概ね30年程度として建設されており、40年を超える運転期間など、全く考慮外に造られている。
(2)「発電用原子炉施設を構成する機器及び構造物のうち取替困難なものについて、経年劣化の要因となり得る事象ごとに、長期停止期間中に劣化が進展するか否か等についての知見を整理したものである。そしてその結果として、次のことが確認された。」(「見解」)
「まず、中性子照射脆化、低サイクル疲労、クラッド下層部の亀裂2、腐食(FAC3)、疲労割れ、熱や放射線によるコンクリートの強度低下、熱によるコンクリート遮蔽能力の低下といった事象については、放射線が照射される環境にならないこと、大きな温度、圧力の変動がないこと、蒸気が高速で流れるような環境にはならないことから、劣化の要因として考慮しなくてもよいと考えられる。」(「見解」)
➾ これもバカぬかせ!である。中性子照射脆化その他、原発運転中に劣化を加速させる環境下におかれた原発は、その運転が止まったとしても時間とともに劣化は進んでいく。たとえば頻繁に起きる地震の揺れにより原発機器類や配管の痛みはさらにひどくなる。この文章は、ただ単純に、原発稼働が止まれば原発稼働に伴う劣化は起きない、と言っているだけであり、一種のトートロジーと言っていい。原発は止まっても、老朽化による劣化はあちこちで進む。従って「劣化の要因として考慮しなくてもよいと考えられる」などと、何の実証的証拠も示さずに規制当局が軽々に言うことなのか! これでは規制委ではなくて「寄生」委丸出しではないか。
(3)「他方、コンクリート構造物の中性化、塩分浸透、アルカリ骨材反応、機械振動、凍結融解による強度低下、原子炉圧力容器のスタビライザ等の摩耗といった事象については、長期停止期間中もそうでない期間と同様に劣化が進展する。これらの劣化事象については、各事業者が、プラントごとに適切に保管及び点検することにより、進展を抑制することもできるが、規制当局としては、事業者の保管対策及び点検の適切性について、個別プラントごとに確認することが必要である。なお、長期停止期間中に劣化が進展して、適切な保管対策も補修もできないことになるような劣化事象は認められなかった。」「このように、これらの劣化事象の長期停止期間中の進展については、発電用原子炉施設を構成する各種機器・構造物の劣化の状況が様々であること、また、各事業者による個別プラントごとの保管及び点検の適切性にも依存することから、個別の施設ごとに、機器等の種類に応じて、評価を行う必要がある。」(「見解」)
➾ これは重要な文章で「長期停止期間中もそうでない期間と同様に劣化が進展する」と言っている。だから「規制当局としては、事業者の保管対策及び点検の適切性について、個別プラントごとに確認することが必要である」とも言っている。経済産業省がこのたび出してきた原発運転の期間制限に関する「法律素案」は、これでその科学的・技術的・法的根拠を失ったことになる。ただ、「長期停止期間中に劣化が進展して、適切な保管対策も補修もできないことになるような劣化事象は認められなかった。」は嘘八百の強弁である。何故なら、上記でも申し上げたように、老朽原発の全施設を悉皆的に全部調べることは出来ないからであり、従ってまた、この「寄生」委の文章は「劣化事象は認められなかった」ではなく「劣化事象はあるかもしれないが確認・点検しきれていない」と表現すべきところである。
(4)「運転期間に長期停止期間を含めるべきか否かについて、科学的・技術的に一意の結論を得ることは困難であり、劣化が進展していないとして除外できる特定の期間を定量的に決めることはできない。」(「見解」)
➾「一律に決められない」だけでなく「全ての原発について、運転期間に長期停止期間を上乗せすることは危険すぎてできない」ということだ。経済産業省は今般の「運転期間に長期停止期間を上乗せする」という愚案を撤回せよ=科学的・技術的根拠がない。
(5)「発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない。」(「見解」)
➾ バカぬかせ! 安全審査責任の放棄だ。この点について、このほど国会で立憲民主党の逢坂誠二衆議院議員が原子力「寄生」委員長の山中伸介を別の観点から追及をしている。下記のVTR、及び議事録をご覧ください(山中伸介が「原発の運転期間は利用政策マターなので資源エネルギー庁で決めてくれ」と言ったことに対して、法的根拠なし・撤回せよ、と迫っている)。
◆衆議院 2022年11月10日 原子力問題調査特別委員会 #08 逢坂誠二(立憲民主党・無所属) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9K9mN5JLi4k
(関連)(別添PDFファイル)衆議院 2022年11月10日 原子力問題調査特別委員会:逢坂誠二議員(立憲民主党)(議事録)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVgwYRQNeHihqw6By-?e=RrSnPE
(ポイントは下記です:一部抜粋)
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(中略)今御指摘になった四十三条の三の三十二、これが二つの柱で構成されていることは私も承知しておりますし、この条文が規制委員会の所管であるということは先ほど答弁いただいたとおりなんですが、規制委員会の所管であるこの法律に関してエネ庁があれやこれや言うということは、規制委員会の独立性に反するんじゃないですか。
そんなことを、御用聞きのように、向こうから要請もされていないのに、こちらから、規制委員会の方からエネ庁に来てくださいと言って話を聞いて、それに沿うような行動をするというのは、どう考えてみても独立性に反するんじゃないですか。いかがですか?
(中略)運転期間を限定させるという利用規制でもあるんですよ、規制。その規制については、科学的、技術的に明確に立証する、一律に確立することはできないという委員会の主張も私は分かりますよ。だからこそ、政治の政策判断として、四十年という利用規制を設けたんですよ。そうなんじゃないですか。利用規制なんですよ、これは。純粋な政策判断というものではないんですよ。規制なんですよ、これは。
だから、それでは、誰がこの規制をこれから中身を議論するのだということを規制委員会が発言すること自体がおかしいんじゃないですか。いかがですか。それは令和二年の見解に反するんじゃないですか。(「誰が」=資源エネルギー庁のこと:田中一郎)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<田中一郎コメント>
逢坂誠二議員の追及はいいところを突いていますが、しかし、同氏は他方で、「寄生」委の「発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、(中略)原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない。」という主張を受け容れて(認めて)しまっている点に弱点があります。こんなものを認めてはいけないのです。
◆これで「寄生」委の「原発安全審査」責任からの「逃亡」は併せて6つになりました。(その1)に記載したものを再掲しておきます。
<原子力「寄生」委員会がこれまでに放棄した原発安全審査項目>
*原発・核燃料サイクル施設を再稼働するか否かは「寄生」委が決めることではない(田中俊一)
*原発の安全を保障するものではない=(でっちあげた)規制基準に適合しているかどうかを審査するだけ(田中俊一)
*避難計画の審査は「寄生」委のマターではない=IAEA深層防護第5層審査の放棄(田中俊一)
*原発・核燃料サイクル事業主体の適格性審査放棄(財務内容)=東京電力、及びその「植民地」会社・日本原電(債務超過)(更田豊志)
*原発・核燃料サイクル事業主体の適格性審査放棄(組織体質)=東京電力(不祥事多発)、及び日本原電(審査書類改ざん他)(更田豊志)
*原発・核燃料サイクル施設の稼働期間の絶対期限の定め審査放棄(山中伸介)
(関連)(別添PDFファイル)原発の40年ルール見直し 規制委自ら政府方針聴取は「独立性に反する」衆院特別委で野党が批判(東京 2022.11.11)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/213272
2.原発の現場(建設・メンテ他)はデタラメといい加減の塊である
下記は故平井憲夫さんが遺書的に書き残してくださったレポートです。みなさまはもう読まれましたか? まだであれば必ずお読みください。平井さんがおっしゃるように、原発の建設現場・メンテナンス現場は、いい加減な設計、手抜き工事、工法無視、作業ミス、ゴマカシ、隠蔽、つじつま合わせ、ご都合主義、無責任で「てんこ盛り」であり、いつ何時、何が契機となり、どの個所が不具合となってトラブルを生じ、また、それに人為ミスが重なったり、複数個所が同時多発トラブルを引き起こしたりして大事故・過酷事故に至るかわからない、そんな危険な代物なのだ、とおっしゃっているのです。
原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、通産省・経済産業省・原子力安全保安院・原子力安全委員会の時代から、現場軽視で原発の実態とキチンと向き合わない体質を引きずり、また、その職員や委員の質的劣化から、原発の安全規制をきちんと遂行できる能力や経験に欠ける、いわゆる「原発(現場)のドシロウト」集団に成り下がっています。上記の故平井憲夫さんがご指摘のような現場実態がある中で、そんな「原発(現場)のドシロウト」集団が、原子力ムラの方針に盲従しながら行う原発の安全審査や老朽原発の劣化審査、そんなものに100%の信頼など置けるものではありません。
だからこそ、老朽化した原発の劣化状況は、科学的技術的に完璧な把握は難しいのだから、いくら何でも原発の運転期限はここまでだ、という最終期限(40年)が決めてあるのです。にもかかわらず、現在の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、既に東海第二原発や高浜原発1・2号機、美浜原発3号機の4基の老朽原発の運転期限延長にOKを出しています。審査はゴマカシに次ぐゴマカシだったと市民団体が既に告発をしています。そんな「寄生」委であるのなら、60年までの延長規定は削除し(or事実上棚上げし)、40年で全原発は廃炉、30年を超えたら毎回の定期検査で徹底した老朽劣化状況の点検を行う、という規定に変えるべきでしょう(これは仮に私が原発の安全な推進の立場に立った場合の話=私は原発は即時廃棄を主張しています)。
◆原発がどんなものか知ってほしい(全)(故平井憲夫さん)
https://iam-k.com/HIRAI/pageall.html
3.巨大施設である原発すべてを点検・検査することは出来ない
既に上記で申し上げましたが、改めて箇条書きにしておきます。できないものはできないのです。理屈をこねてもできません。
(1)巨大であること=全設備悉皆点検・検査はできない
(2)見ることができない設計構造になっている(古い原発ほどそうなっている)
(3)仮に劣化してダメだと分かっても取り換えることができない設計構造になっている
(4)原発第1世代はとうの昔にリタイアーし、第2世代もほぼ退職=老朽原発を知る人間がいない、設計図は喪失されている場合もある
(5)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の人間は原発現場ドシロウトが大半で問題個所を発見できる能力に欠ける
(6)常に原発再稼働へ向けて組織的な圧力がかかっていて、「見切り発車」する傾向が強い
(7)建設以来、一度も点検・検査されていない機器類や部品や個所が多く存在する
(8)定期検査を含めて、原発の安全に係る日常的な点検や検査は、とうの昔に形骸化している(安全神話は生き残っている)
(関連)「40年超」美浜原発3号機、過去には11人死傷する事故…140度の水が配管破り噴出 - 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210907-OYT1T50069/
(こういう事故はこれからも起きる可能性あり)
(関連)(別添PDFファイル)原子力安全規制の一層の充実:原子力事業者等に対する検査制度の見直し他(『時の法令 NO.2043 2018.2.15』)
https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVgwIKnhHnBGnsYSY-?e=v7mdII
(既に原発の定期検査が上記のように形骸化されてしまっている。これにより、定期検査は「寄生」庁の役人が原発現地に赴いて実施するのではなく、原発電力会社が自ら実施して、その実施状況を「寄生」庁が点検するという形になる。要するに、実地検査から書類審査に変わるということ。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁としては、①定期検査の手抜き、②検査結果の責任を電力会社へ転化(責任逃れ)の一石二鳥を狙ったものと思われるが、その背景には「寄生」庁の役人の規制能力の低下=原発現場の問題点を見つけることができず見逃しが多発する可能性が高い、という情けない事情があるものと推測する。こんな原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の「老朽化点検・検査・検証など、信用できるはずがない。:田中一郎)
4.巨大施設全体を把握している技術者もいない
原発の商用化が始まった当初から言われてきたことです。巨大設備である原発について、原子力ムラの科学者や技術者たちが、自分の専門領域の部分的パーツのことには詳しくても、多くのパーツパーツの連関性や全体的なバランスなど、原発をトータルで見て制御したり、弱点を前広に見抜いて対応したり、非常時には適切に対応して大事故に至らぬようする、などなどの、本来の原発トータルの安全制御はとてもじゃないができない状態で、これまで危険な原発運転を続けてきている。
だから福島第一原発事故の際には、そのお粗末さ加減があちこちで露呈し、収拾がつかないまま、4つの原発が爆発まで起こしてしまっているのです(例:1号機の非常用復水器(IC)の使い方を知らない・使ったことがないから、どうする・どうなるかがわからない)。原発が危険な巨大な化け物であることは最初から分かっていました。それを「停止期間中は運転期限に上乗せする」などという姑息極まりない屁理屈で運転期間延長などしていてどうするのか、ということです。
5.古い原発は設計上、40年超の運転や廃炉を前提としていない
設計図が廃棄されて存在しない古い原発もある。原発商用化の最初の頃は、原発の寿命は概ね30年くらいと見られていた。それがご都合主義でジワジワと伸びて来て今日に至っている。
6.考えられる老朽化による設備劣化(例)
中性子照射脆化、低サイクル疲労、クラッド下層部の亀裂2、腐食、疲労割れ、熱や放射線によるコンクリートの強度低下、熱によるコンクリート遮蔽能力の低下、コンクリート構造物の中性化、塩分浸透、アルカリ骨材反応、機械振動、凍結融解による強度低下、原子炉圧力容器のスタビライザ等の摩耗など。たびたび襲う地震の揺れ、海から吹き付ける潮風、空気中の酸素との反応、設備自体の重さによる圧力、人為的な点検操作ミスなどなど、様々な理由から原発は老朽化に伴い劣化していく。中でも致命的に危険な劣化として、下記に2つのこと挙げ、簡単にコメントしておく。
(①圧力容器の中性子照射による金属劣化と脆性遷移温度の上昇=緊急冷却などで圧力容器に冷水を入れると、ガラスのコップに熱湯を入れた時にコップがパリンと割れるように、圧力容器がパリンと割れる、②ケーブル劣化による制御不能のリスク=事故時の蒸気暴露と高放射線によって絶縁性が一挙に低下し、原子炉の状態把握や制御が困難になるという大問題)
7.(最大の危険性)圧力容器が緊急冷却その他のショックでパリンと割れる
継続的な中性子照射による金属劣化=脆化が起き、脆性遷移温度が上昇していく。老朽原発の場合は、使われている金属素材に不純物が多く含まれ劣化が激しい。危険性は新しい原発よりもより大きい。詳しくは、下記の原子力資料情報室・山口幸夫さんのレポートをご覧ください。
◆原子炉圧力容器の脆化(ぜいか)の予測は可能だろうか ―40年超の関電・美浜原発3号機の再稼働は許されるのか― - 原子力資料情報室(CNIC)
https://cnic.jp/39477
(関連)原発はどのように壊れるか 金属の基本から考える-小岩昌宏/著 井野博満/著(原子力資料情報室)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033744270&Action_id=121&Sza_id=GG
(関連)まるで原発などないかのように 地震列島、原発の真実-原発老朽化問題研究会/編(現代書館)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032128554&Action_id=121&Sza_id=E1
(参考)ええ、ウソだろ!! 原子炉や原発部品をつくる鉄鋼素材の強度不足がフランスで大問題、その鉄鋼が日本製だという=でも、日本では現物検査もしないで「大丈夫、大丈夫」と原子力規制委・規制庁が言ってるぞ!!- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-7778.html
(この時(2016年)も原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の対応は実にいい加減で無責任だった、フランスの原子力規制当局とは雲泥の差だった。この時の経験から言って、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の言う「10年ごとに原発の厳しい経年劣化の点検・検査・検証と審査を実施する」などという「口先」リップサービスは全く信用できない。信用しろと言うのなら、まずは上記を「やり直せ」!:田中一郎)
8.ケーブル劣化による制御不能のリスク(美浜の会)
下記サイトをご覧ください。ちょっと素人にはわかりにくいレポートですが、言わんとしていることは伝わります。
◆高浜1号の電気ケーブルの経年劣化
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news178/news178rek_cables.pdf
(関連)原発の運転期間の上限撤廃を阻止しよう
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news178/news178top.pdf
9.FoE Japan
(1)【連続オンライン学習会】老朽原発の危険性 第1回 40年廃炉訴訟で明らかになった規制委の審査の問題点(10-20)
https://foejapan.org/issue/20221014/9751/
(2)【連続オンライン学習会】老朽原発の危険性 第2回 電気ケーブルの劣化の判断は?(10-27)
https://foejapan.org/issue/20221019/9825/
(3)【連続オンライン学習会】老朽原発の危険性 第3回 政府審議会で議論されていることとは?(11-11)
https://foejapan.org/issue/20221029/9974/
(4)【連続オンライン学習会】老朽原発の危険性 第4回 「40年ルール」法制化の際の国会審議とは(11-14)
https://foejapan.org/issue/20221109/10206/
<関連サイト>
(1)「40年ルール」見直しで再稼働する老朽原発――危険性はないのか?自治体の困惑と期待(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f39488643a513aff0f6421702ba7743852bb706f
(2)「原則40年、最長60年」原発の運転期間延長めぐり 経産省が3つの検討案を公表(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/7da512c31320959fec69ce0d5c3929a3ac520402
(3)<報告>原発の運転期間延長の撤回を求める院内集会&政府交渉 - 原子力規制を監視する市民の会
http://kiseikanshi.main.jp/2022/11/08/11223344-2/
(4)もはや“自爆テロ”。老朽原発の再延長を指示した岸田文雄の売国度 - まぐまぐニュース!
https://tinyurl.com/2wru4f7t
(5)規制委は初心に返れ-衆院議運委 笠井議員が質問
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2022-03-04/2022030402_03_0.html
(6)原発の運転延長 なぜいま?リスクは?|NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2022/11/story/nuclear_20221107/
(7)原発運転期間、40年から延長可能に 規制委、大きな異論なく容認(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20221005/k00/00m/040/217000c
(8)(別添PDFファイル)原発停止中は「期間外」、経産省 60年超運転へ3案、老朽原発延命へ拙速論議(東京 2022.11.9)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/211683
(9)川内原発は「60年運転しても健全性維持できる」 九電、鹿児島県の専門委で説明(南日本新聞) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/142a035b9687c13adc210946fabb61e113275334
(10)政府方針に「安全性無視している」川内原発運転延長検証の専門委員会・分科会委員(鹿児島ニュースKTS)Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad306b2aecc8ccadfedd4c7c40268fbd4d3964ec
草々
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