« 広瀬隆氏『二酸化炭素によって地球が温暖化しているという説は科学的にまったく根拠がないデマである』(追報)➾ 「原発に頼らない脱炭素」(市民連合)ではなく「化石資源に過度に頼らない脱原発」(田中一郎) | トップページ | 参議院選挙へ向けて:市民運動・社会運動と政治のこと(ごく簡単に申し上げます) »

2022年6月21日 (火)

(報告)(6.16)福島原発事故11年:全くと言っていいほど原発事故の教訓が生かされないまま再稼働・再推進に走るこの国の危険性、「4つの爆発」から(その1)(新ちょぼゼミ)

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

去る2022年6月16日(木)、水道橋のたんぽぽ舎において、標記「新ちょぼゼミ」=「(6.16)福島原発事故11年:全くと言っていいほど原発事故の教訓が生かされないまま再稼働・再推進に走るこの国の危険性、「4つの爆発」から(その1)」を開催いたしました。以下、当日の資料や録画を添付して簡単にご報告申し上げます。

 

今から11年前の、国を滅ぼしてしまうかもしれなかった福島原発事故当時の恐怖を、今や原子力「寄生」委員会・「寄生」庁をはじめ原子力ムラ・放射線ムラの人間たちはもちろん、自公政権の政治家・官僚どもや、司法・裁判所までもが早くも忘却をし、福島第1原発事故の実態解明や原因究明もなされないまま、新規制基準なる作文をでっちあげて、全国の原発・核燃料サイクル施設を再稼働しようとしています。しかも、その進め方たるや、福島原発事故以前よりも更にひどいやり方で、更にひどい安全対策の手抜きを行い、更に不都合事項を隠蔽したり捻じ曲げたりしながら、強引に推し進められています。

 

今回を含めて、複数回で、福島原発事故の実態がどうだったのか、それに対して原子力「寄生」委員会・「寄生」庁や電力会社・原発メーカーはどう対処しようとしているのかを、「4つの爆発」(1号機~4号機)を中心に見ていきたいと思っています。もうそれは、唖然とするようなデタラメで、簡単に申し上げれば、原子炉工学のドシロウトの電力会社職員や政府役人たちが、原子力ムラのインチキ学者のご指導よろしく、老朽化した原発を老朽化した技術と思想で動かそうとしている、安全軽視のご都合主義と科学的事実の隠蔽・歪曲を駆使して合理化しようとしている、と言ってもいいでしょう。これを私たちが何としても止めなければ、近未来にこの国は、取り返しのつかない原発・核燃料サイクル施設の過酷事故に再度、遭遇することになります。

 

6/17には、最高裁の腐った「アベ友」裁判官が、原発・核燃料サイクルでは何をしても罰せられることはないという主旨の「無責任」判決を、まるでバカバカしい屁理屈をつけて下しています(昨日お送りした6.17判決に関するメールは、このメールの最後に添付しておきます)。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁を中心に進められる原発再稼働「合理化」の「猿芝居」は、今後ますますエスカレートしていくものと予測されます(まるでアジア大陸侵略から太平洋戦争へと突入していく大日本帝国とそっくりになってきました。昔陸軍、今原発です)。今ここで、再度11年前の福島原発事故を振り返り、あの時何が起きていたか、そこからどのような「教訓」を私たちは受け止めなければいけなかったのかを考えてみることは、大いに意義のあることだと思っています。

 

今回で話しきれなかったことは、次回、7/9の「新ちょぼゼミ」(下記)の際に、最初の1時間でお話ししたいと思っております。7/9もみなさまのご参加をお待ちしております。

 

◆(予約必要)(7.9)オルタナティブな日本をめざして(第77回):「被ばくの戦後史」(高橋博子奈良大学教授 新ちょぼゼミ)(2022年7月9日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-61a44a.html

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆(当日録画)20220616 UPLAN 田中一郎「活かされない原発事故の教訓」 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=tIN1-AjhrxM
 https://www.youtube.com/watch?v=tIN1-AjhrxM

 

(関連)【福島第一原発事故】3号機 “黒い煙”の正体は? 超解像処理で分析(2021年1月27日放送「news every.」より) - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=YKejlq5a3go

 

 <当日のレジメ:別添PDFファイル他>
(1)(レジメ1)福島原発事故の実態解明・原因究明はどうなったのか:4つの爆発から(田中一郎 2022年6月16日)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVasK2pQDvgc69aF4?e=hWBamS
(2)(レジメ2)福島原発事故での4つの爆発(2022年6月16日)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVb8gXtk-67FGNrag?e=Ot1YVi
(3)放射線被曝毒性と化学物質毒性、防護規制値の違い(田中一郎 2022.5.28)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVcOabuaTwnq3S2Mw?e=aBVfu4
(4)環境省_低線量率被ばくによるがん死亡リスク
 https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-03-07-03.html
(5)福島3号機爆発が核爆発である証拠(西尾正道 元(独)国立病院機構北海道がんセンター院長:2013年9月7日)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVgSDd4lJXZYRDbcYU?e=gyEEwj
(6)福島事故から何を学んだのか? 柏崎刈羽原発の水素爆発防止対策のお粗末さ(伊東良徳『原子力資料情報室通信 572号 2022.2.1』)
 https://1drv.ms/b/s!ArtBTVAHlosVgSEA2TLMzC24ssOF?e=P9bM73
(7)原子力災害時の「甲状腺モニタリング」方針、固まる - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 https://www.ourplanet-tv.org/40603/
(8)緊急時対策支援システム(ERSS)|公開情報|原子力発電について|エネルギー|事業概要|関西電力
 https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/info/erss/index.html
(9)(東電TV会議)Meltdown Countdown – 49 critical hours of the TEPCO teleconference - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 https://www.ourplanet-tv.org/40255/
(10)柏崎刈羽テロ対策不備 規制委「固有の問題」、根拠あいまい中間報告 物議(東京 2022.6.16)
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220427/k10013601531000.html

(URLのNHKニュースは批判的視点ゼロですが、上記の東京新聞「こちら特報部」記事は規制委の姿勢を批判しています。図書館等で原本にあたってみてください)


(関連)(拡散希望)放射線被曝毒性と化学物質毒性、防護規制値の違い=放射線被曝防護の基準は化学物質毒性防護の基準の500~1,000倍の甘さだ(田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-0c5a42.html

(関連)(逐条的)徹底検証『東電福島原発事故、総理大臣として考えたこと』(菅直人著:幻冬舎新書)(その1):菅直人さん、総理大臣時代の「回想録」を不都合なことも含めて包み隠さず全て著書にして残してください- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-d1528b.html

(関連)(他のMLでの議論です)福島原発事故での「4つの爆発」の実態解明・原因究明もロクスッポできていないのに、原発再稼働に走るということは、また再び同じことが起きるということを意味する- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-849926.html

 

(お詫び:次の諸点がプレゼンの際にあいまいでしたので下記に明記しておきます)
1.健康を守るための放射線被曝規制と毒性化学物質への規制
 健康を守るための放射線被曝規制は、毒性化学物質への規制に比べて1000倍以上も甘い
 毒性化学物質と同レベルの放射線被曝規制値は、少なくとも0.001mSv以下
 規制委は線量限度の1mSvを更に大きくして10mSvに変えようとしている
 https://www.ourplanet-tv.org/40321/

2.原倍法の欠陥
 原発事故に対処するための損害保険義務金額1200億円では話にならないほど少額
 電力会社への責任集中義務により原発メーカーが免責される(モラルハザードを生む)
 第三条の「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」を削除せよ

(関連)(報告)オルタナティブな日本をめざして(第23回):「これでいいのか!? 原子力損害賠償法」(福島原発事故の教訓から)(竹村英明さん)(2019年1月30日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/23-2019130-d8a3.html

3.ECCSの種類 
 非常用復水器(Isolation Condenser:IC)、高圧注水系、低圧注水系の3種類
 https://tinyurl.com/27kej9cx

4.3つのマニュアル(この話が欠落していました)が無視された
 事象ベース、徴候ベース、シビアアクシデントの3つのマニュアルがあったが無視されて、あらかじめ定められていた事故対応の手順が守られなかった(原子炉等規制法違反) 下記<関連情報>の(1)(2)をご覧ください。


 <関連情報>
(1)3つのマニュアル:事象ベース、徴候ベース、シビアアクシデント(東京電力) P5
 https://www.tepco.co.jp/press/news/2016/pdf/160323b.pdf
(2)メルトダウン 放射能放出はこうして起こった-田辺文也/著(岩波書店)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032856263&Action_id=121&Sza_id=G1
(3)告発 日本で原発を再稼動してはいけない三つの理由-蓮池透/著(ビジネス社)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033808747&Action_id=121&Sza_id=C0
(4)制定しよう放射能汚染防止法 総理!逃げた後はどうなりますか-山本行雄/著(ブイツーソリューション)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033545713&Action_id=121&Sza_id=C0
(5)放射線被ばくの全体像人類は核と共存できない 原爆・核産業・原発における被害を検証する-落合栄一郎/著(明石書店)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034292967&Action_id=121&Sza_id=B0


(参考)オルタナティブな日本を目指して(新ちょぼゼミ バックナンバー その1:2017-2022)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-2462a9.html
草々


(追)6.17最高裁判決について:事故を防げたかどうかではなく、事故を防ぐために万全の対策や努力をしたのかどうか、で有罪・無罪を判断しなければいけない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前略、田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

まもなく、まとまった文章で今回の「アベ友最高裁」のクソ判決を断罪したいと思っていますが、唯一点だけ申し上げておきますと、「事故を防げたかどうかではなく、事故を防ぐために万全の対策や努力をしたのかどうか、で有罪・無罪を判断しなければいけない」ということ=それは、東京電力も、国=規制当局・発電産業最終責任者も、原発メーカーも、同列・同様の重さで責任が追及されなければならないということです。決して、「予見可能性」とか、「回避可能性」といった、一般の業務上過失事故の民事・刑事裁判のスキームで考えるべきことではありません。原発・核燃料サイクル施設の過酷事故は「国を亡ぼす事故」であり、今回の福島原発事故もまた、あの程度の被害にとどまったのは、まったくの偶然、に過ぎないのです。そうした「絶対に過酷事故を起こしてはいけない」施設の安全管理責任は、一般の事故よりも「徹底して厳しく」なくてはならず、従ってまた、過酷事故を起こした責任の追及もまた「徹底して厳しく」なされなくてはならないからです。

 

翻って、東京電力や、規制当局であり許認可権限を握る国や、原発メーカーは、福島第1原発について、事故前に何をしていたか。大地震・大津波の常習地域である東北地方の太平洋沿岸に原発なんぞをつくり、わずか海抜数m(海抜10mの敷地に建てた建屋の地下だから)のところに、非常用電源を2つとも、配電盤と一緒に、置いてあったという「低レベルのお粗末」(これでは「多重防護」にはならない)、また、2008年当時、東京電力社員が津波対策の必要性を具体性をもって幹部役員に提言しているにもかかわらず、「土木学会」という、電力業界お抱えの「御用組織」に丸投げをして、まともに実施を検討しなかったこと、この誰が見ても「?????」の低レベルのふるまい2つだけをもってしても、東京電力、国、原子炉メーカーの3者に「責任あり」なのは明確です。

 

国は、もちろん上記の「お粗末管理」の実態を知っていたし、その上で津波リスクに関するバックチェックの先送りも黙認していた=津波対策が定められた期限までにできなければ稼働停止を命じればいいだけの話(その内情も知っていた=知らなかったというのなら管理監督責任の欠如)。原発メーカーも自分たちが造った原発が津波に弱いことは知っていたのに不作為を決め込んでいたので、いずれも事故責任から逃げることはできない。彼ら三者の責任と罪は、常識さえあれば「自明」なのであって、これを「責任なし」とした最高裁判事どもは、言ってみれば事故を引き起こした3者と同罪の犯罪を犯したことになるのです。

 

そもそも、地震や津波(そして火山噴火)などは、今の学問・研究の水準では「具体的な予測・予想」などできないことは自明。それをあたかも、できていたかのように判決文に嘘八百を書き、予測・予想以上の津波だったから防げませんでした、無罪で~す、などと言っている。ふざけんじゃねーぞ、このクソ野郎、と思っています。

 

私は、今回の判決を書いた裁判官どもを「亡国犯罪追認罪」(日本国憲法第76条違反)で「裁判官弾劾裁判」にかけるべきだと思っています。私に政権を握らせていただければ、直ちに「原発にかかる亡国犯罪追認罪」を憲法76条に基づいて創設し、弾劾裁判を(過去にさかのぼって)開始します。これは、我々が子々孫々まで住み続けなければならない国と国土を守るための、最低限の「(司法による)巨悪犯罪追認防止」の取組です。

 

(関連)日本国憲法
第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

(今回の判決は、この第3項に違反している)

 

ともかく、この最高裁判決を、このままのさばらせてはいけません。原発の現場に、原発の管理運営に深刻なモラルハザードが発生します。原発・核燃料サイクル施設のことなら、何をやったって罪に問われることはない、そんな雰囲気がジワーと広がり、やがて、福島原発事故以上の原発・核燃料サイクル施設過酷事故を招くのです。これこそが今後の最大の問題です。

 

今回は福島原発事故に伴う損害賠償請求の裁判でしたが、認められた金額から見て、完全敗訴です。こっちもふざけるな・バカにスンナ、です。このメールには書きませんが、再度、損害賠償請求の裁判を起こすべきです。今日はとりあえず、ここまでにします。詳細はまた後日に。

 

((別添PDFファイル)の記事にある群馬原告の証言をご覧ください=このクソ裁判官どもは許せんな、と思います:判決当日、最高裁の前でマスコミの取材を受けていた福島県中通り地方から来ましたという年配の男性は、賠償金8万円だ、と言って憤っておられました。また、東京新聞記事にある丹治さんは、賠償金25万円だそうです。裁判のための交通費にもなりません。金額がバカにしたような額であるということが、この裁判・判決における「最大の人権侵害」であることを私たちは再度確認し、被害者完全救済へ向けて立ち上がらなければなりません)

(関連)(別添PDFファイル)「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん(東京 2022.6.12)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959
草々

-----Original Message-----

Sent: Monday, June 20, 2022 9:14 PM
Subject: 6.17最高裁判決に想う

皆さま お世話様です。

6月17日に最高裁第二小法廷で原発集団訴訟の国の責任の可否に
ついての判決が出されましたので「6.17最高裁判決に想う」を
私なりに書いてみましたので添付します。ご笑覧下さい。(別添PDFファイル)
https://drive.google.com/file/d/1DXbD1ksyr6n2DKCxATp4bFgCjKBgPr3Y/view?usp=sharing

なお一人国の責任を認めた素晴らしい三浦守裁判官の反対意見
も添付しましたのでこれはぜひ読んでください。(別添ファイル)
この様に素晴らしい判事もいることに勇気づけられました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d4249c76138ab04111ae60feccf9a3a5c034387

 

« 広瀬隆氏『二酸化炭素によって地球が温暖化しているという説は科学的にまったく根拠がないデマである』(追報)➾ 「原発に頼らない脱炭素」(市民連合)ではなく「化石資源に過度に頼らない脱原発」(田中一郎) | トップページ | 参議院選挙へ向けて:市民運動・社会運動と政治のこと(ごく簡単に申し上げます) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 広瀬隆氏『二酸化炭素によって地球が温暖化しているという説は科学的にまったく根拠がないデマである』(追報)➾ 「原発に頼らない脱炭素」(市民連合)ではなく「化石資源に過度に頼らない脱原発」(田中一郎) | トップページ | 参議院選挙へ向けて:市民運動・社会運動と政治のこと(ごく簡単に申し上げます) »

最近の記事

無料ブログはココログ