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2022年4月12日 (火)

(REVIEW)ロシアとの戦争にいたるまでのウクライナ情勢をコンパクトにまとめたサイト、および伊勢崎賢治氏のコメントを再度ご紹介しておきます

前略、田中一郎です。

 

戦争下では情報は統制され、戦争を遂行する国家権力に都合の悪い情報はオミットされ、相手が「悪玉」であることをことさら強調する情報が「ミソクソ混濁状態」で国民に提供されます。今日の情報化社会では、戦争は世界的規模で敵味方に分かれやすく、従ってまた、情報操作・制御は世界的規模となります。日本は戦後対米隷属をずっと続けてきた国で、小泉純一郎・安部晋三政権になって以降はさらにひどくなって、まるで新植民地のごとくになり果てています。そしてマスコミは申し上げるまでもなくジャーナリズムの批判精神を失って支配権力に追従・忖度しています。こんな状況下の国で、新たな戦争が政府や既存マスコミにより正確に伝えられると思う方がどうかしています。

 

案の定、ウクライナ戦争勃発後は、もっぱらアメリカやNATO諸国など、西側情報だけが、「ロシア悪玉100%」にされて、フェイク情報も含めてたれ流されており、これをそのまま受け入れることは判断を間違うことになるでしょう。この戦争時の常識ともいえる態度を欠いた人間たちが市民運動・社会運動に多くいて、頭に血を登らせながら軽率な言動を繰り返しています。こんなことでは、第二のウクライナと言われる極東(台湾と朝鮮半島)での武力衝突があった場合に非常に危険な状況に陥ることは必定です。

 

私達は、今回の(幸いにしてチェルノブイリ原発事故支援を除けば日本とは縁が薄い)ウクライナにおける戦争で、私たちの戦時における認識や言動のあり方を鍛えておく必要があります。そして、今回の戦争に便乗して、「日本もウクライナのようにならないために」などと称して「対米隷属の戦争国家」への道を掃き清めようとする「日本の戦争屋」たちの策動を許さない厳しい態度が求められています(原発・核燃料サイクル施設を60基近くも日本列島に並べている日本は自衛戦争と言えどもできません。やれば破滅です)。

 

しかし、こう申し上げたからと言って、私はロシア側に肩入れなどする気はさらさらありません。ソ連崩壊後もロシアの政権や軍や諜報組織などがひどい組織であり、それはプーチン政権が長期化するにつれて、過去のソ連共産党時代と変わらないようなことになってきていることも重々承知しています。今回の戦争におけるプーチン政権の態度も、そもそも国境を越えての軍事侵攻が国際法違反で断固として許されないことはもちろん、戦争に反対する国内市民の言動を暴力的に弾圧したり、フェイクと思わしき情報を流してみたり、戦場でのロシア兵士たちのふるまいがひどすぎたりしているし、また、自分たちが「西側のフェイクだ・でっち上げだ」と主張していることでさえ、きちんと説明責任を果たそうとはしていません。

 

そもそもキーウ郊外での虐殺についての中立・公正な国際調査団派遣について、アメリカ・NATOとともにロシアが積極姿勢を見せないのは、まるで自分たちが犯人でございます、と言っているようなものです。先週放送のTBS報道特集で、金平茂紀キャスターが在日ロシア大使にインタビューする場面を見ていて猛烈に腹が立ちました。こんな大使ではお話になりません。こういう態度だから、ロシアは国際的に信用されず、多くの国に嫌われることになるのだと思います。(なお、キーウ郊外での市民虐殺は、ロシア正規軍に加えて、ロシア側の「民間軍事会社」の傭兵がやったという説や、ウクライナ側=特に「アゾフ大隊」などの暴力極右や海外の諜報機関、あるいは同じく「民間軍事会社」の社員や傭兵がやった、という説の2つがあり、シロクロつきません)

 

(関連)報道特集 ブチャ惨劇・駐日ロシア大使は? - TBS FREE
 https://cu.tbs.co.jp/episode/20093_2017938_1000019406

 

話は戻りますが、ロシアの態度もよろしくないですが、他方で、アメリカ・NATO・西側も似たようなものです。情報が「戦争ライク」になり、それぞれの側が、それぞれに都合のいい情報を、玉石混交のまま消化して相手を非難しあっている、そんな状況です。まさに戦争さながらの情況が出来上がっています。この情況は転換しなければいけません。ロシアは旧ソ連の核兵器を引き継ぎ、核弾頭の数ではアメリカを抜いて世界最大の核大国です。かような情況を続け、西側と東側が戦闘をエスカレートさせていったとき、何かがきっかけとなって核兵器に手が伸びて第三次世界大戦と地球の滅亡がやってくるかもしれません。その可能性は戦争が長引けば長引くだけ高くなります。そしてロシアの核ミサイルはアメリカの属国であるこの日本にも向けられていることを忘れてはならないでしょう。

 

(冷戦時代の欧米の政治家たちは旧ソ連と事を構えることに対しては慎重の上にも慎重でした、しかし、今は欧米の政治家たちの劣化が激しいのか、第三次世界大戦をどう回避するかをわきまえもせず、戦争にまい進しています。またぞろアメリカ・NATOや加盟諸国はウクライナへの追加軍事援助を決めたようです。こんなことをしていたら戦争は終わりません)

 

申し上げたいことはまだたくさんありますが、前置きはこれくらいにして、以下、若干の必見サイトを改めてご紹介しておきます。既にご覧になっている方も多いと思います。時間の追われる現代人の多忙の中、少なくとも下記のサイトくらいは目を通しておいていただければと思います。それがおそらくは、戦争時の統制された情報ウィルスに感染しないための有効な予防ワクチンとなるでしょう(コロナワクチンは危険なだけで効果はありませんが)。

 

(1)非武装中立化に早期停戦の道筋 火を付けて逃げた米国 国際社会がとるべき対応とは ウクライナ問題めぐる記者座談会 - 長周新聞
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22918?fbclid=IwAR26TLwn5et-4EjYMvetZaEPdjHLX7eVbyJcqGu-LdbmvvbEgCmJBu7mTW4

 

(このサイトの後半に、これまでのウクライナ情勢がコンパクトにまとめられています。また、日本におけるウクライナ戦争情報の偏りの問題も議論されています。:田中一郎)

 

(2)ウクライナ・オン・ファイヤー ~日本語字幕~ - ニコニコ動画(BY オリバーストーン)
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm40107141

 

(この映画をご覧になれば、ウクライナ戦争が悪玉=ロシア帝国主義の侵略に対する善玉=ウクライナの独立と国家主権を守る闘いなどではないことが理解できます。「国民国家主義」(ナショナリズム)という前近代的なイデオロギーの暴力的な激突です。愚か極まりないですが、この日本にも、こういうことを「正義」だと信じ込んで、やりそうな連中が増えてきました。ところで、グーグル・ユーチューブがこの映画をネットから削除して言論妨害をしており、オリバーストーンが激怒している旨も伝わっています。西側のウクライナ戦争情報に対する態度をティピカルに現しています。だからこそ、見ておかねばならないと思われます。デジタル化社会を迎え、今や西側は東側と言論・表現については大差ない状況になりつつあります。:田中一郎)

 

(3)ウクライナ危機に国際社会はどう向き合うべきか 緩衝国家・日本も迫られる平和構築の課題 東京外国語大学教授・伊勢崎賢治氏に聞く - 長周新聞
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22976?fbclid=IwAR08atH5VUb4RE2eoP-MTq_R_7Jf3N6IuYGxWdDgNUYVhj2CgsP-xy4xzx0

 

(既にご紹介して多くの方がご覧になっていると思います。ウクライナ戦争解決のためには、伊勢崎賢治氏の戦争リアリズムと解決のためのプラグマティズムが強く求められています。そして平和国家日本は、戦争の一方当事国のウクライナにテコ入れをするのではなく、なすべきことがあると私は思います。宗主国アメリカに言われるがままに、ウクライナへのテコ入れの旗を振り、自国の様々な利益を顧みず(ロシアとの漁業交渉がクローズアップされてきました)、愚かな「属国軍国主義」へと突き進む岸田文雄ニッポンではダメです。:田中一郎)

 

(関連)字幕入り【山本太郎 in JAZZ LIVE SHOW #2】 ゲスト:伊勢崎 賢治 氏 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=NJQtiY8Ph8A

 

(4)(別添PDFファイル)われ「ロシアの工作員」と呼ばれようとも(鈴木宗男『月刊日本 2022.4』)
 http://gekkan-nippon.com/

 

(この人物は、日頃言動がおかしいので私は相手にしていませんでしたが、ある著名人からこの雑誌論文を紹介されて読んでみましたら、しごくまともで正論が書かれていました。みなさまも図書館などで原本にあたってみてください。:田中一郎)

草々

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