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2022年4月14日 (木)

下手な文章でカジュアルに議論する「戦争と平和と安全保障」=今こそ日本国憲法が旬、活かせ憲法・伸ばせ憲法・輝かせ憲法、「戦争屋」に日本を奪われるな! &(報告2つ)①経安法集会、②「共同テーブル」第2回集会

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.(別添PDFファイル)2022年参院選 124議席予測:三浦博史(『サンデー毎日 2022.4.24』)
 https://tinyurl.com/33uhkaj9

         現有議席     獲得予測議席      選挙後  増減
     改選  非改選  合計  選挙区 比例  合計 (2/3は166)
自民党  54  54  108  40 18  58   112   +4
公明党  14  14   28   7  7  14    28  ±0
日本維新  6   9   15   5  9  14   23  +8
国民民主  7   5   12   2  3   5   10  ▲2
NHK党  0   1    1   0  0   0    1  ±0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
改憲勢力 81  83  164  54 37  91  174 +10

立憲民主 23  22   45  14  9  23   45  ±0
共産党   6   7   13   2  3   5   12  ▲1
れいわ   0   2    2   0  1   1    3  +1
社民党   1   0    1   0  0   0    0  ▲1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
護憲勢力 30  31   61  16 13  29   60  ▲1 

諸派無所属 9   8   17   4  0   4   12  ▲5
欠員    1   2    3   -  -   -    2  ▲1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
合計  121 124  245  74 50 124  248

(立憲民主党・日本共産党の議席減はこんなもので済むのか?)
(国民民主党はまもなく自民党が吸収合併か? 前原誠司孤軍奮闘)
(この情勢下で自民と維新が伸びる予想=「壊憲」破滅へ更に一歩)
(社民党議席「ゼロ」予測=福島みずほ氏落選の危機)
(泉健太を立民代表から下ろし共闘態勢立て直し急務、御用組合「連合」は解体)

(関連)参院選-この3カ月が野党の「正念場」立憲が国民民主に最後通牒!? - 毎日新聞
https://mainichi.jp/sunday/articles/20220411/org/00m/010/001000d?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20220413


2.(注目!&ご支援を!)NGO研究員の岸本聡子さん擁立へ 杉並区長選で市民団体-東京新聞
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/171122

(関連)水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと-岸本聡子/著(集英社新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034044136&Action_id=121&Sza_id=C0

(関連)再公営化という選択 世界の民営化の失敗から学ぶ-岸本聡子/編 オリビエ・プティジャン/編 宇野真介/訳 市村慶/訳 岸本聡子/監修
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033935464&Action_id=121&Sza_id=GG


3.注目の新刊書
(1)維新政治の本質 組織化されたポピュリズムの虚像と実像-冨田宏治/著(あけび書房)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034311007&Action_id=121&Sza_id=E1

(関連)(予約必要)(5.10)(緊急編)オルタナティブな日本をめざして:「「日本維新の会」って、どんな政党?」(清水忠史さん:「新ちょぼゼミ」)- いちろうちゃんのブログ(前座プレゼンなし)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-9f36a9.html

(2)ポスト・コロナ社会を考える ワクチン依存社会総点検-天笠啓祐/著(緑風出版)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034325791&Action_id=121&Sza_id=C0

(関連)(予約必要)(5.16)オルタナティブな日本をめざして(第74回):「「新型コロナ」ワクチンの正体と、その危険性」(天笠啓祐さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ(前座プレゼンあり)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-44b0b3.html


4.イベント情報
(1)(4.20)日中国交正常化50周年企画 中国から略奪した文化財の返還を求める緊急集会
 https://bit.ly/3uEwfKy

(関連)20220411 UPLAN【記者会見】中国から略奪した文化財の返還を求める緊急集会 – YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=TbtVjxj0wks

(2)(告知)(4.23)特別連続講座「満蒙開拓を考える」(加藤聖文国文学研究資料館准教授)
 https://drive.google.com/file/d/1MyVWh7U9JDW5zOq-LR54p3M2LN_I6Qn0/view?usp=sharing

(関連)キメラ 満洲国の肖像-山室信一/著(中公新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031405392&Action_id=121&Sza_id=C0

(3)(チラシ)(4.18)悪徳6被告VS関電&株主原告訴訟 第1回公判(大阪地裁)
 https://drive.google.com/file/d/1B37Kt1qOwIqqx17vlIhEn9Mv7NhOuH1A/view?usp=sharing

(4)下記イベントは中止になりました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お話と演奏:花岡しげるさん「自衛隊も米軍も、日本にはいらない!」の著者
テーマ:「非武装・中立への道は既にできている」
     アルトサックスやフルートで懐かしいメロディーの演奏とお話をしてもらいます。
と き:2022年418日(月) 14:00~16:30
ところ:文京区男女平等センター研修室B
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


5.(別添PDFファイル)掘削機破損で工事停止、外環道トンネル 半年程度(東京 2022.4.13)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/171284

(関連)東京外かく環状道路 本線トンネル工事における掘進の停止について(NEXCO東、国土交通省 2022.4.12)
 https://www.ktr.mlit.go.jp/gaikan/news/pdf/2022_0412.pdf

(東京地裁が工事差止の仮処分判決を出しているのに、何をやってんだ、コイツラは! 日本は無法国家になったのか。このトラブルは「天」が「工事をやめなさい」と言っているということだ。私の予測は、このまま「天の声」を無視して他人の所有地の地下を勝手に掘り進む違憲地下工事を続ければ、近未来に関東に直下型大地震が来た時に、阪神大震災の時のような大規模の土地の陥没が起き、たくさんの人が犠牲になるだろうと懸念する。その際には、この外環道建設を進める側にいた連中は、みな「未必の故意」による殺人罪で処罰することになる。ふざけるなよ! :田中一郎)


6.特集ワイド:映画「教育と愛国」が示すもの「政治の道具」迫る危機 ディレクター・斉加尚代さん - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220413/dde/012/040/012000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=column&cx_mdate=20220414

(関連)映画「教育と愛国」公式WEBサイト
 https://www.mbs.jp/kyoiku-aikoku/

(関連)(別添PDFファイル)映画「教育と愛国」(前川喜平 東京 2022.3.20)
 https://twitter.com/kyoiku_aikoku/status/1505453717839294467


5.20年ぶりの円安水準 一時、1ドル=126円台まで下落 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220412/k00/00m/020/006000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20220413

(関連)円、1カ月で8円下落 インフレで資金の流れ急変- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB138R20T10C22A4000000/?n_cid=NMAIL007_20220414_A

(関連)20年ぶり円安、どんな影響が 「悪い円安」懸念も限られる打ち手 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220413/k00/00m/020/300000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20220414

(円安に加速がつきそうな気配です。アホノミクスのツケの清算をいよいよ迫られる時が来たのかもしれません。円安以外に、日銀と公的年金基金(GPIF)に100兆円以上の国内外の株式他のリスク資産があります。これも世界金融恐慌が勃発すれば紙くず同然にまで値崩れするでしょう。アホ政治家とそのとり巻き無責任官僚どもに政治や行政を任せれば、有権者・国民はどえらい負担を背負わされることになる「更なる一例」となりそうです。来る4/27の「新ちょぼゼミ」で、今後の経済政策をどうすればいいのか、のプレゼンを行います。皆様のご参加をお待ちしています。:田中一郎)

◆(予約必要)(4.27)オルタナティブな日本をめざして(第73回):「生命操作時代の科学・技術、社会」(上林茂暢先生:新ちょぼゼミ)(2022年4月27日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-74a7d9.html

(関連)(報告)(2.22)日本経済が直面するリスクと政権交代:「際限のない円安」と「スタグフレーション」(第1回目)(田中一郎:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-6cbab0.html

(関連)(報告)(3.26)日本経済が直面するリスクと政権交代:「際限のない円安」と「スタグフレーション」(第2回目)(田中一郎:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-efe8e6.html


 <(必見)IWJ>
◆日刊IWJガイド・非会員版「米国の情報戦略の正体が暴露され、ロシアの先を越すためのでっち上げだと米政府高官3人が認める! NBCは、肯定的に報道し、批判が殺到」2022.4.14号~No.3500号 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50596

(関連)大変厳しい状況が続くIWJに温かいご支援をいただき、まことにありがとうございます。お力添えいただきましたみなさまへ心より御礼を申し上げるとともに、お名前を掲載させていただきます<ご寄付・カンパのお礼とご報告(2022年3月)> - What's Ne
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/50589
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(他のMLでの議論です)「下手な文章でカジュアルに議論する「戦争と平和と安全保障」=今こそ日本国憲法が旬、活かせ憲法・伸ばせ憲法・輝かせ憲法、「戦争屋」に日本を奪われるな! &(報告2つ)経安法集会、「共同テーブル」第2回集会」をお送りいたします。最初に2つの大事な集会の報告を簡単にいたします。

◆20220413 UPLAN 第2回「共同テーブル」大討論集会迫る憲法の危機-参院選をどう闘うか―共同テーブル・発起人と市民の徹底討論― - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=uYYtgqBAm1g
 https://www.youtube.com/watch?v=ZWRczwLYYvM
(1時間29分くらいのところで私も発言をさせていただきました:田中一郎)

(関連)(別添PDFファイル)第2回「共同テーブル」大討論集会 迫る憲法の危機ー参院選をどう闘うか プログラム
 https://drive.google.com/file/d/1hG5FxWsGUmJnQ_jzUuY-1WehoEGkiSNu/view?usp=sharing


◆20220412 UPLAN 経済安保法案に異議あり!4.12院内集会 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=gez9cBswgm0
(注目は冒頭の国会議員挨拶における大石あき子新人議員(「れいわ新選組」)の発言です:田中一郎)

(関連)(別添PDFファイル)(レジメ)衆議院審議から浮かび上がる経済安保法案の危険性(海渡雄一弁護士 2022.4.12)
 https://drive.google.com/file/d/1zLMVs9rvQX6ay96-WdG-QpVXi3KqY-7c/view?usp=sharing

(関連)立憲野党は「経済安全保障推進法案」の拙速な採決に反対し、かつ、法案自体に断固反対せよ=これは第二の「重要土地等調査規制法案」であり、戦争準備法だ- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-134f91.html

(関連)経済安保法案、衆院内閣委で可決 立民・維新・国民賛成- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA062DY0W2A400C2000000/?n_cid=NMAIL007_20220406_Y 

 立憲民主党が「経済安全保障推進法案」に賛成をして、自民党補完政党へ転落です。下記の自民党の動きとも歩調を合わせているのかもしれません。「世直し」を求める有権者は、来たる参議院選挙では立憲民主党・国民民主党への投票をやめ、それ以外の「世直し」党派勢力に投票いたしましょう。この政党は野党第1党から引きずり降ろす必要があります(しかし、間違っても、日本維新なんぞに投票はされませんように)。そうしないと、日本にはいつまでたっても夜明けは来ないでしょう。

(関連)防衛費増、自民が4月中に提言 台湾有事へ備え- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA017S00R00C22A4000000/?n_cid=NMAIL007_20220406_Y

(それと(この集会の主催者の)杉原こうじさん、あなたは市民運動・社会運動内での他人の言動に対する妨害・排除をやめないといけません。市民運動・社会運動は党派運動ではないのですから、いろいろな考え方や思想、経験や知識を持つ人が参加していることを前提に展開しなければいけません。運動の代表や事務局員は、参加される一般市民を主役と考え、自分たちはその「お世話係」くらいに心得ておけばいいのです。オレサマ態度はダメです。市民運動・社会運動のイベントは「市民の社交場」です。自分が気に入らない、自分とは意見が異なる人の言論・表現や活動を妨害・排除することは市民運動・社会運動にとっては自殺行為に当たります。杉原こうじさんが、いくらいいことをやり、いくらいいことをしていても、それではダメなのです。左派・左翼用語に「スターリニズム」という概念があります。過去、理想を掲げて取り組まれた社会主義・共産主義の運動が、何故に旧ソ連や中共中国のようなグロテスクな社会体制になっていったか、それは、あなたのその気に入らない他人の言動への妨害や排除の態度に、その淵源があるのです。今後、気をつけて、一般参加市民の言論・表現・活動の自由を最大限尊重する慎重な態度を取ってください。よろしく。:田中一郎)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(下記は他のMLでの議論です)

1.さしあたり5つ

 「この状況を受けて、これからの日本の安全保障をどう考えるべきなのかという、非常に重要な未来志向の議論を期待いたします。」というメールをいただいて、私に「あなたの考えを示してください」とのご依頼だったので、下記を書きました。

 

********************

こういう議論は現実から離れて、いわゆる「空中戦」になりがちです。私が時々言っている「殴り掛かってきたらどうすんだ」という「子どものケンカ」議論です。それを避けながら、建設的に議論しなければいけません。私は次の5つを挙げておきます。固執はしません。議論が進むにつれて変わるかもしれません。

 

(1)アメリカの手下であることをやめ(永世中立国家)、中共中国や北朝鮮、あるいはロシアなどに対して「脅威」のある国であることをやめる。まず、日本国土からすべての米軍基地を撤去いたしましょう。日米安保条約は別の内容の条約に転換、日米合同委員会が何を決めてきたか、また、過去に結んだ日米密約は全て公開し、今後の反省材料とする。

 

(2)平和国家であることを文字通り実践することです。世界から、あらゆる戦争や武力衝突をなくすために、様々な努力をすること、それを繰り返すことで、世界から日本は(アメリカの手下=衛星国家ではなくて)日本国憲法第9条を高らかに掲げる平和国家であることを認めてもらう(そうすることで、私は国連安保理の常任理事国になりうる可能性が出てくるとも思います)。

 

(3)日本列島の全ての原発・核燃料サイクル施設を廃棄する。原発と原爆は表裏一体ですが、特に核燃料サイクルは核兵器開発と同レベルのことです。非核三原則は法制化します。(但し、使用済み核燃料は長期にわたって残りますから、戦争ができないことは変わりません)

 

(4)自衛隊は組織の民主化が必要です。まず半分は「災害救助隊」として分離独立させ、残りは空軍・海軍を中心とする組織に再編(陸軍の大半は災害救助隊へ)。日本の200カイリの外には行けないように法律で禁止(もちろん、アベ戦争法や、戦時立法(国民保護法)や、周辺事態法なども、過去にさかのぼって全部廃止)、防衛省は防衛庁に格下げして、制服組は背広組の下に置くという、昔の制度に戻す。さしあたりは「強力な海上保安庁」的な組織のイメージです。そして、自衛隊員の民主化教育の徹底です。防衛大学などは運営する人間を全部入れ替えなければいけないハズ(しょっちゅう暴力事件やいじめ・ハラスメント事件を引き起こしている日本大学のような組織だから=大日本帝国軍時代からの組織伝統)。

 

(5)上記(1)~(4)は一足飛びにはいかないので、まずは市民運動・社会運動が、日米軍事同盟と自衛隊の現状をしっかりと把握し、また、極東情勢が21世紀に入って変わりつつあり、このままいくと日本や極東が「第二のウクライナ」となり、戦場となってしまう可能性が高いことを様々な方法で広げていくことが最も大事です。非武装にするかどうかは有権者・国民の議論・知識・判断次第なので、抽象論で議論しない。

 

そして、すべてのことは、ホンモノの政権交代が必要です。

 

それともう一つ、

昨年、岸田文雄政権になる前に、菅義偉当時首相が2021年4月にバイデン新大統領に呼ばれて訪米しましたね。あの時、菅義偉はバイデンから何を申し送りされたのでしょう? 私は「近未来に東アジアで中共中国と事を構えることがあるかもしれないから、きちんと準備をしておけ」と言われたのではないか、と思っていました。でも、今回のウクライナ戦争に直面して、どうもそうではなくて、「ウクライナでまもなく火を噴くから、よく見ておけ、火を噴いたら日本もアメリカに協力してもらいたい、いずれ極東でもありうる話だから、体制を整えておくように」くらいを言われて返ってきたのではないか、と思うようになりました。あくまでも推測です。それにしても、菅義偉は何をしに行ったのでしょう?

********************

 

2.「そもそも日本侵略にどんな国益があって、どこの国が侵略してくるのか。そもそも、そんな状況は将来とも存在するのか? という趣旨の問題意識」への私からのさしあたりの回答(上記の議論の続きです)

 

情報不足の中で若干申し上げます。おそらくはオバマ政権の時に、中東重視から東アジア重視に転換するという声明(「アジア太平洋リバランス」)のようなものが出ていませんでしたか。それがおそらくは極東での「戦争屋」工作のスタート宣言だったと思います。

 

(「オバマ政権の時に、中東重視から東アジア重視に転換するという声明」で検索すると、いくつか論文などがヒットします)

 

そのあとアメリカの大統領がトランプに変わり、オバマの東アジア重視ドクトリンはお休みになります。しかし、トランプの時も、「軍産情報複合体」や「戦争屋」の画策は続いていたような感じです。それに気が付いたのは、下記の伊波洋一参議院議員(沖縄の風)に講演をしていただく契機になった岩波書店月刊誌『世界』の論文です(伊波洋一さん著)。

 

◆(報告)(11.17)オルタナティブな日本をめざして(第53回) 「再び戦場の島とさせないために:沖縄・南西諸島への自衛隊基地建設を巡って」(伊波洋一参議院議員:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-4fcffe.html

 

◆再び戦場の島とさせないために(伊波洋一『世界 2020.10』)
 http://www.okinawaiken.org/wp13/wp-content/uploads/2020/09/YI_iwanami_202009.pdf

 

どうも在日米軍やアメリカ太平洋軍は、台湾有事を前提に、アジア太平洋地域の米軍配置を切り替えている様子がうかがえるというのが伊波さんの論文の主旨ですが、さらにそのあと、今度は米軍と自衛隊の役割分担のようなものが、どうも台湾有事への対応っぽいのです。自衛隊と在日米軍の一体化は、この20年間ですさまじいまでに進んでいて、自衛隊が自衛ではなくて攻撃型に転換してきているという印象も強く受けます。

 

そしてそのあと、日本側の、新ガイドラインの具体化として、中期防衛計画、防衛計画の大綱、などが整えられ、どうも台湾有事へむけて、南西諸島や九州の一部を攻撃基地にしていこうという動きに出てきている、そんな感じです。本当はこれらのことを、きちんと資料をそろえて説明しなければいけませんが、時間がなくて対応しきれていません。しかし、いずれ、『週刊金曜日』か岩波書店月刊誌『世界』あたりに、この辺の詳しい論文が掲載されるだろうと期待しています。

 

(関連)新「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)(2015年4月)
 https://www.mod.go.jp/j/publication/book/pamphlet/pdf/guideline.pdf

 

(関連)防衛省・自衛隊:「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」、「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)について」及び「新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化について」
 https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/

 

特に南西諸島の軍事基地設置(自衛隊であろうが米軍であろうが)はまずいですし、敵基地攻撃態勢の整備とか、年間軍事予算GDP2%とか、アメリカからの新兵器の爆買いとか、不要不急のように見えて、実は本気で戦争準備をしているのではないか、と思わせる動きになってきたように思います。アメリカでは既に中共中国との極東戦闘をやった場合のシミュレーションまでしているという話もあります。

 

(関連)尖閣周辺でアメリカと中国が激突すればアメリカが敗れる|孫崎享 日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286994

 

マスコミがこの迫りくる戦争の危機を有権者・国民にきちんと伝えていない、そんな気がします。

 

(今回、下記を追記いたします)

 アメリカは、日本列島と韓国を、極東における仮想敵国の北朝鮮と中共中国に対峙する前線基地と位置付け、ここでの戦争は、日本及び韓国に(アメリカに代わって)担ってもらおうという姿勢が顕著です。ウクライナ戦争と同じです。伊波洋一参議院議員によれば、沖縄その他の在日米軍基地にいる軍人軍属や部隊をグアムやハワイやアメリカ本土に引上げさせ、その穴埋めを自衛隊にさせている、そんな様子がうかがわれるそうです。特に南西諸島のたくさんの島々にミサイル基地など、攻撃型軍備を整備し、特に中共中国の人民解放軍を仮想敵とした日米合同演習や戦闘シミュレーションをしている、その際に、米軍が戦場はるか後方から指示命令し、実際に戦うのは自衛隊という「アメリカにとって理想的な形」を念頭に置いている様子がうかがえます。上記でご紹介した(4.13)「共同テーブル」主催の講演会での山城博治氏の発言にご注目下さい。

 

◆20220413 UPLAN 第2回「共同テーブル」大討論集会迫る憲法の危機-参院選をどう闘うか―共同テーブル・発起人と市民の徹底討論― - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=uYYtgqBAm1g

 

3.(クソジジイ VS ボケジジイ:まあ、酒でもくらって、ハナクソでもほじって、寝転がって見ていただければ幸い)「三酔人経綸問答」は中江兆民の名著、こちらは「現代二老酔(老衰)人安保胆(あんぽんたん)問答」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学時代に同じゼミテンだった人物と、少年マンガ的な議論をしてみました。ボロクソに言い合うのは昔からのこと、お互い、次の日にはコロっと忘れていることも多いです。限りなくケンカに近い議論のような、限りなく議論に近いケンカのような、一種のお遊びかな・・・? 表現が気になる方は(大阪のガラのわるい下品な下町言葉がお嫌いな方は)スキップしていただければと思います。

 

(1)ゼミテンからの最初の質問メール

 君の長年の誠実と誠意に敬意を表しつつ、敢えて次のことを問う。その理由は、互いに立場の違う中で意見交換しても、前提が違っていたら建設的なものにならないからだ。まずウクライナ情勢の認識に入る前に、

 

(①)ロシアのやっていることは侵略戦争なのか、否か。NATOからの防衛だから侵略戦争ではないとする立場なのか? 端的に答えてほしい。

(②)戦争は悪で、これを防がなくてはならないとする立場は同じだと思うが、だとしたら   何故、抑止力とか、防衛力とかの議論を避けるのか?

(③)自衛隊は必要なのか?不要なのか? また、自衛隊は憲法違反なのか?

(④)もしそう(違反)だとしたならば自衛隊を失くすのか?それとも憲法を変えるのか?

(⑤)共産党は、もし日本が侵略されたら(当面)自衛隊に戦ってもらうと言っているが、これをどう思うか?

(⑥)米軍や米軍基地の存在をどう思うか? 要るのか要らないのか。

(⑦)核共有や核武装を唱える者が出始めているが、日本はどうすべきか?利害相容れない核大国に囲まれている中で、核武装しなければ抑止力は持ちえないとする意見に どう論理的に抗することができるのか? 持つのが安全なのか、持たない方が安全なのか? 

 

(半角文字を行の先頭に持ってくると、受信側でメールを開けた時に「字詰まり」を起こすバグが発生する可能性があるので、上記では(①)のように半角文字を全角文字の()で囲っておきました。:田中一郎)

 

(2)私からの返信

(①)ロシアのやっていることは侵略戦争なのか、否か。

⇒ 国際法違反の戦争である。侵略戦争かどうかは今後の動き次第。目的を達して軍を引けば侵略ではなくなる。ウクライナに居座れば侵略戦争です。それと東ウクライナの2国(「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」)については国際法上は微妙。ロシアはこの2国の独立を承認の上、両国の要請に対応して集団的自衛権を行使したと言っている。屁理屈のように聞こえるが、こうしたことも合法と評価される可能性があるのが国際法だ。

 

(②)何故、抑止力とか、防衛力とかの議論を避けるのか?

⇒ 軍事抑止力などはあてにならないから返って危険、軍拡競争を生むだけ、ロクでもない軍事国家が出来上がる。中共中国やロシアとの軍拡競争は無意味、軍事力強化は必ずと言っていいほど近未来の戦争を導く(国際緊張を高めることについて、為政者たちが躊躇する気持ちが低くなるからか?)。

 

(ゼミテン)「抑止力とか、防衛力とかの議論を避けるのか?」 

⇒ 避けた覚えはない、防衛力が軍事防衛力なら、この日本では無意味。原発・核燃料サイクル施設をこの狭い日本列島に60基近くも並べて、軍事力で日本を守るなどと言うのは「お花畑」を歩く「トンチキ国士」の寝言である。寝言は寝て言え、ということ。

 

(③)自衛隊は必要なのか?不要なのか? また、自衛隊は憲法違反なのか?

⇒ 基本的には必要ない、憲法違反である。しかし、現状は個別的自衛権の行使はできるというのが9条の解釈なので、そのための必要最低限の軍事力は持てるという解釈を日本の多数の有権者はしている。ならば、自衛隊は少なくとも海外に派兵してはいけない(違憲)。また、今日の自衛隊は在日米軍の文字通りの「手下」として「一体化」しており、これ自体も違憲。自衛隊をどういう形で保持するのか、しないのかは、最終的には有権者・国民が決める。日本国憲法は、国の交戦権は認めない、としているので戦争はできず、従ってまた、自衛隊を保持していても無意味とも言える。国際紛争は軍事力ではなくて、他の方法で解決せよ、というのが日本の決め事。

 

(④)もし、そう(違反)だとしたならば自衛隊を失くすのか?それとも憲法を変えるのか?

⇒日本の安全保障政策を抜本転換する中で自衛隊は漸次縮小し、ゆくゆくはなくす。相当の時間がかかるだろう。まずは自衛隊については上記の2つ(海外派兵、在日米軍との一体化)の解消。更に、日米地位協定の抜本改革、および日米合同委員会の過去及び今後の全ての公開(密約だらけ)と、構成メンバーを米国務省と日本外務省の政治家を入れた形のもの(軍は外す)に切り替える(現状はどういうメンバーなのか知っているのか?)

   

(⑤)共産党は、もし日本が侵略されたら(当面)自衛隊に戦ってもらうと言っているが、これをどう思うか?

⇒選挙を意識しすぎでやってしまった失言。軍事力では日本は守れないことは上記の通り、そもそも共産党が政権にある政府の言うことを自衛隊が素直に従うなどと思っている方が甘い。今の自衛隊は当分の間存続するだろうから、その組織もまた、徹底的に改革・民主化し、思想改造しなければいけない(大日本帝国軍隊の思想が引き継がれている)。

 

(⑥)米軍や米軍基地の存在をどう思うか? 要るのか要らないのか。

⇒要らない、直ちに全部撤去。そうしなければ、日本は独立国家にはならない。日米安保条約は解消して、必要ならば別の条約に転換。

 

(⑦)核共有や核武装を唱える者が出始めているが、日本はどうすべきか?

 核共有とはアメリカの手下のままアメリカの核を日本列島に置くというだけの話=危険なだけでマイナス効果しかない。核武装は核拡散防止条約上、できないし、する必要もない。核武装したところで、その核兵器を日本が使えないことは仮想敵国は皆知っている。そんなことより、日本列島上の自国向け自爆核兵器である原発・核燃料サイクル施設を一刻も早く廃棄し、使用済み核燃料の安全対策を取らなければ、どこかの国の核兵器が飛んでくる前に、日本は自滅する。南海トラフ地震や千島沖&日本海溝プレート間地震など、海底の巨大地殻変動が日本列島をまもなく襲い、大地震、大津波、大噴火が、原発・核燃料サイクル施設を襲うだろう。もうカウントダウン段階だ。

 

(ゼミテン)「利害相容れない核大国に囲まれている中で、核武装しなければ抑止力は持ちえないとする意見にどう論理的に抗することができるのか? 持つのが安全なのか、持たない方が安全なのか?」

 

⇒永世中立国を目指す、アメリカにも中共中国にもロシアにもつかない、文字通りの平和外交のスキルを磨くしかない、日本が核兵器などを持てば、極東での軍事緊張が高まり、ぶっそうな雰囲気が蔓延する。上記でも申し上げたように、日本を攻撃するのに核兵器はいらない、ミサイルを原発・核燃料サイクル施設に打ち込めばいいだけ。この国は国土の狭い都市国家なので、戦争はできない、という前提でものを考えなければならない。原発・核燃料サイクル施設を廃棄しても使用済み核燃料は超長期にわたって残るので、戦争ができないことに変わりはない。

 

世界の戦争の大半は、アメリカの「軍産情報複合体」と、その手先である「戦争屋」が画策して起こしているもの。アメリカの「戦争屋」は、今は民主党の方に多いはず(はっきりとはわからないが)。共和党はモンロー主義の伝統があり、どちらかというと海外に軍やカネを出すことを好まない。子ブッシュ政権はネオコンが乗り出していた政権なので、少し変種か? 9.11自爆攻撃もあった(あれもネオコンの自作自演の疑い濃厚)。

 

(3)ゼミテンから再びメール

 あれだけの問いかけに対して、その日の晩の内に反応が返ってくるということは、普段から考えを練っているという証拠で、これには(早いのには)敬意を表したい。中身については追って応えていく。

 

(①)ロシアのやっていることは侵略戦争なのか、否か。

(田中一郎)⇒ 国際法違反の戦争である。侵略戦争かどうかは今後の動き次第。目的を達して軍を引けば侵略ではなくなる。ウクライナに居座れば侵略戦争です。それと東ウクライナの2国(「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」)については国際法上は微妙。ロシアはこの2国の独立を承認の上、両国の要請に対応して集団的自衛権を行使したと言っている。屁理屈のように聞こえるが、こうしたことも合法と評価される可能性があるのが国際法。

 

(ゼミテン)→「国際法」=無謬の絶対概念と見なすのが君の立場なら根本的な疑念がある。「法」とはいつの時代もどんな社会でも勝者の(支配者の)権益を守るためのものであって、日本に限っては憲法がその最高形態となる。9条含め、美しい崇高な理念を高らかに謳い上げているかに見えるが、その内実は、国民の思考力や抵抗力を奪い、考えさせない、支配しやすい民族への変質を促す「装置」なのだ。そしてそれは、戦後のメディアや左派インテリ、教育課程を通じて大きな成功を収めてきた。

 

「国際法」も本質は同じである。国連も含めて、大きくは勝者=支配者国家の統治機構なのだが、今日、この勝者内での分裂と覇権争いが生じている状況と捉えている。力の支配が現在も世界に貫徹していることは君も認めるだろう。そうでなければ(認めないと言うならば)

 

(田中一郎)「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」)については国際法上は微妙。

(ゼミテン)→ という君の認識だと、いずれ破綻をきたす。国際法自体が前世紀の論理=「戦争の結果、力で奪ったものは「勝った国のもの」という論理だからだ。その延長線上に、「強い国に。負けない国に。」という誘因が生まれ、容易に軍拡志向に陥ってしまう。この論理の根本的転換こそ、思想創造の営みではないかと思うのだ。君がそれを担う覚悟があるのなら、私は応援する。高い鉄塔に登る君を、安全な地上から命綱を握って全体重で支えてつつ、「がんばれよおおお~!骨は拾ってやるからなー!」と声を掛ける。肥え掛けは私の得意分野なのだ。

 

(注:「声掛け」を「肥え掛け」としゃれてみせるところはなかなか機才が利いている:田中一郎)

 

(②)何故、抑止力とか、防衛力とかの議論を避けるのか?

(田中一郎)⇒ 軍事抑止力などはあてにならないから返って危険、軍拡競争を生むだけ、ロクでもない軍事国家が出来上がる、中共中国やロシアとの軍拡競争は無意味、軍事力強化は必ずと言っていいほど近未来の戦争を導く(国際緊張を高めることについて、為政者たちが躊躇する気持ちが低くなるからか?)

 

(ゼミテン)→ 八割方は同意するが、防衛力という視点で見ると際限ない軍拡にはならない。攻められたら実効ある対処をするという最低限の軍事力を保有するのは必要だ。

 

(再度)(ゼミテン)「抑止力とか、防衛力とかの議論を避けるのか?」

(田中一郎)⇒ 避けた覚えはない、防衛力が軍事防衛力なら、この日本では無意味、原発・核燃料サイクル施設をこの狭い日本列島に60基近くも並べて、軍事力で日本を守るなどと言うのは「お花畑」を歩く「トンチキ国士」の寝言である。寝言は寝て言え、ということ。

 

(ゼミテン)→ これについては、Oさんとのやり取りで私も以前述べている。原発とはさよならすべきだと(何月何日のメールか忘れた)。原発は、国防という観点からも廃止。核兵器は共同運用も、保有もしない。                                                                    

 

(③)自衛隊は必要なのか?不要なのか? また、自衛隊は憲法違反なのか?

(田中一郎)⇒ 基本的には必要ない、憲法違反である。しかし、現状は個別的自衛権の行使はできるというのが9条の解釈なので、そのための必要最低限の軍事力は持てるという解釈を日本の多数の有権者はしている、

 

(ゼミテン)→ まだ9条さまさまなのか? 日本の多数の有権者がそうした解釈だから正しいのか? 少なくともしょうがないとする立場のようだね。 これこそ大衆迎合ではないのか。

 

(田中一郎)自衛隊は少なくとも海外に派兵してはいけない(違憲)、また、今日の自衛隊は在日米軍の文字通りの「手下」として「一体化」しており、これ自体も違憲。自衛隊をどういう形で保持するのか、しないのかは、最終的には有権者・国民が決める。

 

(ゼミテン)→ その考えだと、有権者・国民が決めたことは正しい・少なくとも仕方がない。その結果、君が嘆いてみせる今の日本の現状がある。これだと、妥協を重ねてどこどこまでも退行していく立民や共産党の惨状と変わりがない末路が見える。

 

(田中一郎)日本国憲法は、国の交戦権は認めない、としているので戦争はできず、従ってまた、自衛隊を保持していても無意味とも言える。国際紛争は軍事力ではなくて、他の方法で解決せよ、というのが日本の決め事。

 

(ゼミテン)→ その決め事は、戦後の一時期の暫定的なものだとの考えには及ばないものなのかな。確かに国力や防衛力には、軍事力のみでなく、国の文化力や国民総体の意識レベルの高さが重要な要素としてあるのは間違いない。そしてそれは、負けたから受け容れざるを得ない、既存の制度や枠組み(憲法含めた法体系・広範に了解された自由平等概念など)から一定離れた独自性を有していなければならないと考える。

 

(④)もしそう(違反)だとしたならば自衛隊を失くすのか?それとも憲法を変えるのか?

(田中一郎)⇒日本の安全保障政策を抜本転換する中で自衛隊は漸次縮小し、ゆくゆくはなくす。相当の時間がかかるだろう。まずは自衛隊については上記の2つ(海外派兵、在日米軍との一体化)の解消と、日米地位協定の抜本改革、および日米合同委員会の過去及び今後の全ての公開・・・以下略。

 

(ゼミテン)→ それは共産党がついこの間まで言っていた方針と同じだ。(だから悪いというわけではない)相当遠い将来に丸投げするなら、こんな楽なことはないだろう。

   

(⑤)共産党は、もし日本が侵略されたら(当面)自衛隊に戦ってもらうと言っているが、これをどう思うか?

(田中一郎)⇒選挙を意識しすぎでやってしまった失言。

 

(ゼミテン)→ 失言ではない。本音なのだよ。議会制民主主義を通じて政権転覆を目指す限り、そうするしかない。そもそも議会制民主主義を根本から考え直そうという視点はないのかね。「擬制」ゆえに実態とは常に乖離し、「国民主権」などは絵にかいた餅に堕してゆく様は、劣化した大衆民主主義の行く末を見るに等しい。

 

(田中一郎)今の自衛隊は当分の間存続するだろうから、その組織もまた、徹底的に改革・民主化し、思想改造しなければいけない(大日本帝国軍隊の思想が引き継がれている)。

 

(ゼミテン)→ なるほど、思想改造するわけね。それって文化大革命やスターリンの粛清に通じてゆく。軍隊の本質、「他国の人間を殺せ」という教育は、どの道、同じ袋小路に入ってしまって、人命尊重、自由・平等・博愛の概念の対極にあって著しい矛盾を激化させるから、「時間がかかり遠い将来には可能になるだろう」とは中々ならないと思うよ。

 

未来に丸投げするのではなく、初めから本質論に切り込んだ方がいい。私は軍隊(国家)の「大儀」とは、「自民族が飢えず、死なず、生き延びること」だと考えているから、この線上で論を張り、意見陳述することになる。勿論この考えを人に押し付けるつもりもないし、違う意見にも「そうかあ、そんな考えもあるんだ」と優れた部分は取り込んでゆく。

 

(⑥)米軍や米軍基地の存在をどう思うか? 要るのか要らないのか。

(田中一郎)要らない、直ちに全部撤去。そうしなければ、日本は独立国家にはならない。日米安保条約は解消して、必要ならば別の条約に転換。

 

(ゼミテン)→ 要するに、万一の保険に、どこかで米軍の軍事力に頼る気持ちが見え隠れしている。私の考えは米軍基地の撤去は同じだが、だからこそ自衛隊ではなく国軍の建軍が必要になると考えているし、近々世論もそうなっていくと思う。

 

普通のまともな独立国なら、それを備えていなければ、侵略された時に国際世論の喚起も応戦の正当性も主張できない。見放され見捨てられて意のままにされ、滅びていくだけである。あるいはウクライナのようにどっちかに付き、戦闘機をくれ、砲弾をくれ、もっとカネを寄越せ、さもなくば明日は我が身だぞ、と乞食のような外交をしなければいけなくなる。

 

(⑦)核共有や核武装を唱える者が出始めているが、日本はどうすべきか?

(田中一郎)核共有とはアメリカの手下のままアメリカの核を日本列島に置くというだけの話=危険なだけでマイナス効果しかない。

 

(ゼミテン)→ ここまでは同意。また核武装はすべきではないというのも私の意見だ。

 

(田中一郎)核武装は核拡散防止条約上、できないし、する必要もない。

 

(ゼミテン)→ 君の悪い癖で、「核拡散防止条約上」とかに全幅の信頼や不可侵の正義を与えているところに思想の脆弱さが見て取れる。旧来の「国際法」や「諸条約」も打破し、世界市民にとって何が必要で必要でないのか、不要なものは変えないといけないだろう。これらは所詮、少数国による世界支配のツールにすぎないことは知っているだろう?

 

「中立」についてはほぼ同意見だが、Oさんから頂いた「ジャイル氏」の「ウクライナにおいては中立は難しい」という論を読んで合従連衡との関係で目下、論考中。 

 

(田中一郎)日本列島上の自国向け自爆核兵器である原発・核燃料サイクル施設を一刻も早く廃棄し、使用済み核燃料の安全対策を取らなければ、どこかの国の核兵器が飛んでくる前に、日本は自滅する。

 

(ゼミテン)→ 安全保障上、まったく異論はない。進んでエネルギーの安全保障の方途についても踏み込んでほしかった。食糧安保、自給についてもそうだ。これらを買える程度に国は稼ぐ力を持てばいい、との論をお持ちのようだが、この考えも実は危ういと私は考えている。(つづきはまた次回に)

 

4.私から上記に答えて再発信

 では、逐条議論を開始いたしますか。どっちがクソジジイで、どっちがボケジジイかは、見ている人に決めてもらいましょう。

 

(①)せっかく田舎へ疎開中のじいさまが力んで書いたんだろうけれど、国際法の認識については大差はないようです。国際法は、ウェストファリア条約でヨーロッパの近代国民国家体制のスタートが切られて以降、経験法・慣習法として、実務的に実践的に積み上げられてきたもの。いろいろと我々の先人たちが努力をしてきたのだけれど、ともかく解釈の問題と、実効性の問題が常に付きまとい、オレたちゃ、そんなことは認めねえ、とか言って居直られちゃうと、にっちもさっちもいかないところが多分にある。

 

特に第二次世界大戦後に核兵器が開発され、大量に保有されると、その核大国(アメリカとソ連(のちのロシア))が国際法を私物化して、自分たちの都合のいいように解釈して使うようになってしまった。これを止める「実力組織」がないので、国際法は常に核大国によってないがしろにされてしまう傾向にある。これをどう是正するかは、21世紀の市民の課題だ。国連機能をどうするかの問題でもある。(1つは先進国市民=特にアメリカとロシアとヨーロッパの市民が、国内側から勝手な真似はさせないようにする手がある)

 

(②)(ゼミテン)「防衛力という視点で見ると際限ない軍拡にはならない」

(田中一郎)➾ この認識は甘い。第二次世界大戦前の馬場財政、知っとるか? その後の国家総動員体制は知っとるか? 人間は変わるから、ああなっていくんですよ。また「攻められたら実効ある対処をするという最低限の軍事力を保有するのは必要だ。」よりも、「攻められないように万全を尽くすことの方が大事」。また、当面は海上保安庁を強力にしたような自衛隊は存続させる、ということは申し上げたような気がするが。但し、必要だとは思っていない。必要性を感じるということは平和外交が不十分だということだから、そっちに尽力せよ。そもそも「最低限の軍事力」などというのが言葉の遊びにすぎない。

 

(ゼミテン)「原発とはさよならすべきだ」「核兵器は共同運用も、保有もしない」

(田中一郎)=よろしい、よくできました。80点差し上げます。あと20点は、原発の反対運動に参加すれば加点します。それで100点満点。「口だけ」ではいかん。

 

③(ゼミテン)「まだ9条さまさまなのか?」

(田中一郎)=ちがう!「9条さまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさまさま」だ。この国で9条を取ったら、後に何が残るか!? 何にもないぞ!

 

(ゼミテン)「これこそ大衆迎合ではないのか」

(田中一郎)=これを民主主義という。お勉強が足りませんね。あなたの1票も、わたしの1票も同価値、その前提でものを考える。

 

(ゼミテン)「これだと、妥協を重ねてどこどこまでも退行していく立民や共産党の惨状と変わりがない末路が見える。」

(田中一郎)=そこが頭のいい悪いの分水嶺のようなもの。私はそうは思っていない。破滅という末路が見えるのはむしろ「国を軍隊で守る」と言っている勇ましき「お花畑愛国者」の方だ。一度、鉄砲かついで戦場に行ってきたらいい。そして、終わるまで、帰ってくんな。

 

(ゼミテン)「戦後の一時期の暫定的なものだとの考えには及ばないものなのかな」

(田中一郎)=不勉強の極み。第二次世界大戦後、国際法上、戦争は違法、となっている。「一時期の暫定的なもの」などではない。戦後の世界秩序・国際法の原理であり、それが日本国憲法にも強く反映しているだけのこと。そして、私が書いている日本国憲法の精神を、どうやって世界に実効性のある形で広げていけるかが、我々日本人に課せられた課題なのです。

 

(ゼミテン)「一定離れた独自性を有していなければならない」

(田中一郎)=「中身が日本国憲法どころか、今の現状よりも劣化した独自性、あるいは中身のない形だけの独自性、そんなものはあったってしかたがない」、単細胞似非右翼の「独自の憲法」なんぞ、まったくいらん。お断り。自民党の改正憲法草案なんぞは、少し読むだけで反吐が出そうになる。(ところで、日本の対米隷属を当たり前のようにふるまう右翼って、それ一体何?)

 

(ゼミテン)「それは共産党がついこの間まで言っていた方針と同じだ。」「相当遠い将来に丸投げするなら、こんな楽なことはない」

(田中一郎)=共産党がそうなのかは知らないが、多くの人が言っていることだ。特に沖縄の平和を求める人たちはそうだ。それから、実現が遠い将来になるかどうかは、民主主義の国では有権者・国民が決める。あなたが力んでみても始まらない。

 

(⑤)(ゼミテン)「失言ではない。本音なのだよ。議会制民主主義を通じて政権転覆を目指す限り、そうするしかない。そもそも議会制民主主義を根本から考え直そうという視点はないのかね。「擬制」ゆえに実態とは常に乖離し、「国民主権」などは絵にかいた餅に堕してゆく様は、劣化した大衆民主主義の行く末を見るに等しい。」

 

(田中一郎)= 本音かもしれないが、失言だ。また私は、議会制民主主義の欠陥をカバーする仕組みとして「新しい民主主義」を提唱している。そこには直接民主主義的な仕組みの制度化も入っている。残りの部分は、私も同じように嘆いているが、嘆いているだけではもの事は変わらない。

 

(ゼミテン)「思想改造」

(田中一郎)=ここで言う「思想改造」とは、自衛隊という組織の「思想改造」だ。自衛隊員1人1人の(強制的)思想改造ではない。組織の思想改造の仕方として最も手っ取り早いのは、ヒトを変える、という方法だ。大日本帝国時代のお考えをお持ちの自衛隊員には、私が提唱している災害救助隊の方に移っていただくという方法もある。新人に対しては民主化教育の徹底、防衛大学などでは、教員の総入替、などが求められているのでは?

 

(ゼミテン)「私は軍隊(国家)の「大儀」とは、「自民族が飢えず、死なず、生き延びること」だと考えている」

(田中一郎)=ついに発狂したか!? 軍には何の大義もない=軍は国を守るのではなくて国の支配者と軍自身を守る組織のこと、また軍は「自民族を飢えさせ、自民族の多くの人の命を奪い、自民族の多くの人を死に追いやる」、それが軍隊だ。歴史を振り返ってみよ。認識が100%さかさま。

 

(ゼミテン)「要するに、万一の保険に、どこかで米軍の軍事力に頼る気持ちが見え隠れしている。私の考えは米軍基地の撤去は同じだが、だからこそ自衛隊ではなく国軍の建軍が必要になると考えているし、近々世論もそうなっていくと思う。」

(田中一郎)=日本は軍隊を持たねばならぬ、という結論が最初にあって、そこから理屈を並べるから、こういう発言になる。ジジイはこれだから嫌われる。まあ、年寄りの冷や水で、日々、竹やりで軍事演習でもしていなさい。

 

(ゼミテン)「普通のまともな独立国なら、それを備えていなければ、侵略された時に国際世論の喚起も応戦の正当性も主張できない。見放され見捨てられて意のままにされ、滅びていくだけである。あるいはウクライナのようにどっちかに付き、戦闘機をくれ、砲弾をくれ、もっとカネを寄越せ、さもなくば明日は我が身だぞ、と乞食のような外交をしなければいけなくなる。」

 

(田中一郎)=これこそが、私が言っている「空中戦」「小学生のケンカ」の議論。バカバカしいので相手にしない。現実的具体性の伴わない、こういう議論は、いつまでたっても堂々巡りになるだけ。

 

(ゼミテン)「「核拡散防止条約上」とかに全幅の信頼や不可侵の正義を与えている」

(田中一郎)=言い過ぎだ。それよりあなた、「核拡散防止条約」はどのような欠陥があるか、言ってごらんなさい。いずれにせよ、国際条約を無視・軽視していては、平和国家の平和外交はできないのよ。大学紛争時の新左翼学生のようなことを言っていてはダメです。

 

(ゼミテン)「進んでエネルギーの安全保障の方途についても踏み込んでほしかった。食糧安保、自給についてもそうだ。」

(田中一郎)=先般、惜しまれて亡くなられた故内橋克人氏の「FEC自給圏」の思想をご覧いただきたい。私もその考えだ。「FEC」=FOOD、ENERGY、CAREです。

 

<終わりに>

私の返答に漏れはないかな? あれば指摘されたい。まあ、名無しの権兵衛氏のメールを一読して、私と共通認識が多いことに驚いた。ということは、少し見直した。最大の欠陥は「国」へのこだわりと、「国には軍隊が必要」という固定観念にあるような気がするね。早く克服して楽になり、みんなから慕われるニコニコじじいに脱皮していただきたいものだ。

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草々

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