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2022年3月12日 (土)

ウクライナ情勢(6):(メール転送です)ウクライナの原発近況=依然として実態が不明のまま、懸念は大きいままです

前略、田中一郎です。

 

◆チェルノブイリ原発との全通信途絶 電力復旧も確認中 IAEA(時事通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/08ec3a6ed78b06bfa2aae8bd14615bac9529814c

 

 <田中一郎コメント>

 チェルノブイリ原発の電源が復旧したというニュースは昨日お送りしましたが、今日は一転して上記です。戦争中ですから事態の急変は大いにあり得ますし、また、そもそもそれぞれの情報が正確なのか、間違いがないのかも怪しい限りです。国際原子力機関(IAEA)については、核拡散防止のための組織であるとともに(言い換えれば、第二次世界大戦戦勝国の核保有大国(米英仏中ロ)による世界核支配体制を維持するための組織)、申し上げるまでもなく原子力推進の組織でもありますから要注意です(下記のたんぽぽ舎MGの著者の山崎久隆さんもそのようにおっしゃっています)。また、原発現場の実態だけでなく、(攻撃を受けたのはどうも事実のようですが、しかし)誰が攻撃をしているのかもはっきりしません。引き続き、流れてくる情報に対しては距離を取り、扇動されて頭に血が上らないよう、慎重な対応が求められます。

 

◆第110回:私たちは軍事国家から侵略を受けたときに、それに対してどう向き合うべきか(想田和弘) - マガジン9

 https://maga9.jp/220309-3/?fbclid=IwAR2mEgkfaQ72dRaXsQ7EnQlmUmygzZWmilDo3nfLWb8atknFf0GSmRNIvaU

 

 <田中一郎コメント>

 私とはニュアンスや各論がちょっと違いますが、しかし、戦争こそが人類の最悪のふるまいであり、絶対に、いかなることがあっても回避すべきであるという考え方は同じです。先般も申し上げたように、戦争とは「階級的身分制度(私、指揮命令する人、あなた、戦って死ぬ人)」の下で、組織的な人殺しや破壊活動のやりあいであり、また、軍隊は一般市民を守らないので、戦争の最大の犠牲者は一般市民になるということです。「国を守る」などという大義名分は、「国を支配する一部の人間たちを守る」ということであり、彼らのために自分や家族の命・健康・生活・人生・先祖代々の財産(ない人もいますが)を犠牲にする、ということを意味します。国家=共同幻想だという人もいます。ナショナリズムは私は前近代的なイデオロギーだと考えています。

 

◆加川良/教訓Ⅰ (1971年) - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=rWZ4m4FCKRY

 

従ってまた、私達日本の市民運動・社会運動は、まずは停戦「撃ちかたやめい」であり、ロシアもウクライナも暫定でもいいから和平交渉の席について、第三者を介して徹底して話し合いをせよ(当然、ウクライナの非武装中立化は暫定的にもありうる話、ウクライナ国内のロシア系住民の保護も重要)、市民への攻撃をやめよ・やめさせよ・ロシアもウクライナも市民を盾に使うようなマネはやめよ(男子の海外避難を禁止など)、ウクライナ国内にいるウクライナ政権派とロシア派の双方の武装民兵を武装解除せよ、ウクライナ国外から武器兵器を送ったり、軍人・諜報員・工作員・義勇兵などを送り込みウクライナ戦争を激化させることはやめよ、などが掲げられるべきです。

 

のちほど、チェルノブイリ原発について、もう少し詳しい情報をお送りいたします。今日も間もなく外出しますので、発信は明日以降になると思います。

 

 (それからもう一つ)

 昨日、経済産業省前の抗議行動「福島原発事故から11年目」があり、そこでスピーチをした河合弘之氏は「今回のウクライナ戦争で、北朝鮮・金正恩は、日本を脅すには原発をミサイルで狙えばいい(核ミサイルである必要はない)、ということを学んだのではないか、特に若狭湾に、まるで射撃ゲーム場の「的」のように並べてある原発・核施設は格好のターゲット、数打てば必ずどれかにあたる」主旨の発言をしていました。その通りでしょう。そして、私からは、格納容器で守られた原子炉よりも、丸裸の使用済み核燃料プールの方がはるかに危険であり、また、このことは戦争時のことだけではなく、地震・津波・火山噴火(火山灰降下)の場合にも言えることだということを追記します。原発・核燃料サイクル施設は、仮に稼働をしていなくても、使用済み核燃料がある限り(特に水冷)危険極まりない施設です。福島原発事故時の4号機使用済み核燃料プールのことを忘れないでください。

 

そんな中、安部晋三とその追従者や、維新(日本維新&大阪維新)および国民民主党が、アメリカとの核兵器の「共有化」を議論するなどと戯言を言っています。原発・核燃料サイクル施設を、この狭い日本列島に60基近くも並べておいて、武力で日本を守る・核兵器の抑止力を使う、などというバカげたリアリティのない、「お花畑を歩く向こう見ずの憂国の志士」達をのさばらせないことが、ウクライナ戦争から私たちが導くべき最も重要な課題です。

 

また他方では、自民党を中心に、維新(日本維新&大阪維新)や国民民主党、および立憲民主党の一部までもが、原発を脱炭素のための有力な手段にすべきである、早く原発の再稼働を進めよ、などとも言いだしています(国民民主党や立憲民主党の場合の言い方は「必要悪」「一時的」「少しずつ原発依存を減らす」など、政治的オブラートに包んでありますが、実質的には同じことです。脱原発を先送りしているだけです)。かような政治家を有権者が選挙で選んでいる限り、日本の没落は止まらず、破滅へ向かう階段を一歩一歩降りていると言っていいでしょう。

草々

 

(昨日お送りしたメール)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(とりあえずほっとしました)チェルノブイリ原発給電開始

◆チェルノブイリ給電再開 隣国ベラルーシから(共同通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/b5b71955c49e967365e872a9bcdfd7c496a3c1b2

このニュースには偽りはないだろうと推測して、とりあえずヤレヤレと思いたいですね。

ロシアがベラルーシとともに対応し、ロシアが発表をしていますから、チェルノブイリ原発およびその周辺を「攻撃」したのがロシア正規軍なのか、ちょっと変だなと思います。依然として、実態がよくわかりません。

(ウクライナ正規軍、ウクライナおよびロシアの武装民兵、海外からの工作員などが原発攻撃を仕掛けている可能性は否定できません。また、他の原発(だいぶ前に全号機が停止になっていた)チェルノブイリ原発よりも、稼働している・稼働していた他の原発の方が心配です)
草々


(下記はメール転送です)
-----Original Message-----
From:
たんぽぽ舎 <nonukes@tanpoposya.net>
Sent: Friday, March 11, 2022 3:33 PM
Subject: たんぽぽ舎です。【TMM:No4427】地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします(転送歓迎)

このメールでは、山崎久隆氏の翻訳「IAEAの報告」2つのみを掲載いたします。
 1.IAEA第15報(2022/3/9)
 2.IAEA第16報(2022/3/10)

━━━━━━━ 
★1.保障措置システムの停止
  チェルノブイリ原発は依然として交代不可状態
  IAEA第15報からの情報提供

★2.チェルノブイリ原発で外部電源喪失
  IAEA保障措置システムからのデータ伝送が遮断
  ザポリージャ原発もデータ遮断され外部電源も一部損傷
  IAEA第16報からの情報提供

(中略)

 

┗■1.保障措置システムの停止

 | チェルノブイリ原発は依然として交代不可状態

 | IAEA第15報からの情報提供

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 

◎ IAEAの「最新情報15-ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明」が日本時間3月9日早朝にサイトに登録されましたので、その抄訳です。

 この報告では、チェルノブイリ原発の210名のスタッフ、放射性物質の管理と警備要員とされていますが、これが依然として交代できていないことが書かれています。思い出すのは、そろそろ11年たつ福島第一原発事故の時に、現地に残ったスタッフ、当初は700名ほどでしたが、その後危機的状況が悪化した際に、退避命令が出て「福島フィフティ」と後日呼ばれることなった50名(実際には69人)が残り、最後の時を迎えようとしていました。

 

結果的に使用済燃料プールの冷却に成功し、最悪の事態は回避できたのですが、それは設備の不備(プールゲートの予期せぬ決壊で使用済燃料プールへ大量の水が流れ込んだために予測よりも長く冷却できた)という僥倖に過ぎないものでした。

 

◎ チェルノブイリ原発が今どうなっているのかはわかりませんが、気になるのは「セーフガード・モニタリング・システム」からのデータが来なくなっているという点です。

 

このセーフガードとは「保障措置」のことで、いわゆる「核物質の兵器転用」を阻止するために行われている監視システムのデータを指すと思われます。これが監視しているのは、チェルノブイリ原発の場合は残留している放射性物質や核燃料だと思われますが、保障措置システムの停止により現状がどうなっているのかが分からないということです。これは、安全性だけでなく政治的にも極めて危険な状況と思われます。

 

◎ ロシア軍に制圧された状況下では、この物質が動かされたり何らかの方法で武装化されていても分からないということを意味するからです。プーチン大統領が「ウクライナは核武装やダーティボム(核物質を拡散させる「汚い爆弾」)を作っている」と繰り返し述べてきました。これが軍事侵攻の理由とさえ主張していたことを考えると、IAEAのシステムを破壊して証拠をねつ造することを画策しているのではないかと疑います。

 

思い返せば、2003年に米国が突如始めたイラク攻撃は、まさしく「大量破壊兵器を製造している証拠がある」と当時のフセイン政権を非難し、打倒する目的で始めています。その後、イラクは大量破壊兵器の製造などはしておらず、米国のでっち上げであったことが明らかになり、当時国連で演説までしたパウエル国務長官はその後、騙されていたと告発しています。しかしその刑事責任を追及されたものはいません。20年近く経った今、ロシアが全く同じ事をウクライナに行おうとしているのではないかと疑うのです。

 

以下、「最新情報15-ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明」より

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-15-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine

 

ウクライナはチェルノブイリ原発の安全管理の緊急性と重要性が増していると、国際原子力機関(IAEA)に本日語った。ロシア軍がほぼ2週間前にチェルノブイリ原発を支配下に置いて以来、そこで働いている約210名の技術要員と警備員を交替させるべきだとグロッシ事務局長は強調した。

 

ウクライナの稼働中の原発の職員が定期的に交代している現状とは対照的に、チェルノブイリ原発では、1986年の事故現場にロシア軍が入った前日の2月24日から同じシフトが勤務しており、事実上、過去13日間そこで生活している、と規制当局は述べた。

 

また、ウクライナの監督当局は、スタッフは限られた量の食料や水、医薬品しか確保できていないと付け加えた。一方、職員の状況は悪化しており、IAEAに対して現在の要員を交代させ、実効的な交代制を提供していく計画を作成し、そのために必要な国際的支援を行うよう要請した。 【中略】

 

ウクライナの規制当局は、チェルノブイリ原発での核物質の取り扱いは当分の間停止しているとしている。立ち入り禁止区域にある敷地内には、廃止された原子炉や放射性廃棄物処理施設がある。規制当局は、電子メールでしか原発と通信できなくなったと述べた。  【中略】

 

また、チェルノブイリ原発に設置された保障措置監視システム(セーフガード・モニタリング・システム)からの遠隔データ伝送が失われたことも指摘した。IAEAは、ウクライナの他の場所における保障措置監視システムの状況を調査しており、近いうちにさらなる情報を提供する予定である。

 

注:「保障措置」とは、核物質、設備、施設、情報等が、核兵器 製造等の軍事目的に転用されないことを確保するための 措置である。(IAEA憲章第3条A.5.)

 

※≪事故情報編集部≫より

 この文章は、3月9日受信です。

 

┏┓ 

┗■2.チェルノブイリ原発で外部電源喪失

 | IAEA保障措置システムからのデータ伝送が遮断

 | ザポリージャ原発もデータ遮断され外部電源も一部損傷

 | IAEA第16報からの情報提供

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 

◎ チェルノブイリ原発では、IAEAの保障措置システムのデータ転送ができなくなり、使用済燃料を含む放射性物質の状態がつかめなくなりました。さらに、外部電源を喪失し、放射線測定システムや使用済燃料冷却系統などは非常用ディーゼル発電機による48時間の制限付き電源により賄われているようです。

 

◎ ウクライナは原因をロシア軍による攻撃であるとし、一方ロシアはウクライナの攻撃によるものであるとしています。(タス通信より) また、IAEAによると、チェルノブイリ原発とザポリージャ原発から、保障措置システムからのデータ転送が停止しているようです。これは、IAEAと各国が結ぶ保障措置協定に基づく、核物質の軍事転用や核兵器開発を防止するための仕組み。

 

チェルノブイリ原発からのデータ転送が遮断されていることを第15報でIAEAは伝えていましたが、こんどはザポリージャ原発からも遮断されたということで、意図的に行われている可能性があります。

 

◎ また、ザポリージャ原発には外部電源系統が常用4つと予備1つあるようですが、そのうち常用2系統が遮断されたとのこと。福島第一原発事故でも、外部電源の喪失が津波到達後にあらゆる電源システムが機能しなくなった原因で、外部電源系統が一系統でも生きていたら、津波被害を受けていてもメルトダウンは回避できたのですが、そのことが証明されるのは女川原発、東海第二原発、福島第二原発が福島第一原発のようにならなかった事からもわかります。それほど重要な外部電源5系統の内2系統が破壊されたことは、安全性を大きく低下させていると言え、大問題です。IAEAの第16報の抄訳を紹介します。

 

「最新情報16-ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明」抄訳

 

 ロシア軍が1986年の事故現場の支配権を握ってから2週間たって、チェルノブイリ原発は送電網から遮断され、外部電力供給が喪失したとウクライナ政府は本日、国際原子力機関(IAEA)に通告したとグロッシ事務局長は述べた。

 

ウクライナ情勢の安全、セキュリティ及び保障措置の影響に対処する目的で3月2日に開催されたIAEA理事会において事務局長は、「全ての原子力施設に対する電力供給網からの外部電源の確保」が、原子力安全及び核セキュリティの7つの不可欠な柱の一つであるとして、この事態への深い憂慮を表明した。

 

ただしIAEAは、チェルノブイリ原発の場合、送電網からの遮断は様々な放射性廃棄物管理施設が設置されている施設の本質的な安全機能に重大な影響を与えないと、ウクライナ規制当局との間で一致していると述べた。すなわち、敷地内の使用済燃料貯蔵施設については、プール内の冷却水の量は、電力を供給することなく使用済燃料からの効果的な熱除去を維持するのに十分である。また、ディーゼル発電機やバッテリーを備えた非常用電源も備えている。

 

しかしながら、電力不足は、現場における運用上の放射線安全性のさらなる悪化につながり、約210名の技術専門家と警備員が過去2週間にわたり交代勤務できず、事実上24時間そこに居住していることに、さらなるストレスを生む可能性がある、とグロッシ事務局長は付け加えた。

 

「チェルノブイリ原発では、特に放射線に対する安全のため、非常に困難で厳しい状況下で施設を管理するスタッフにとって、日ごとに状況が悪化しています」と彼は述べた。「内部放射線防護手順を尊重し、職員の安全な交代を円滑化し、さらに安全を確保するためにその他重要な措置をとるよう、発電所を実効支配している軍隊に緊急に要請を繰り返している」。

 

また、別の動きとして、IAEAはここ数日、チェルノブイリ原発に核物質を監視するために設置された保障措置システムからの遠隔データ伝送を喪失し、現在ロシア軍が管理しているザポリージャ原発からのデータ送信も喪失したと述べた。

 

大量の使用済核燃料や新燃料、そのほか各種放射性物質が存在する施設から、IAEAのウィーン本部に送られるデータの流れが突然遮断されたことを懸念していると、彼は述べた。保障措置データの伝送が中断した理由は、すぐにはわからなかった。IAEAは、他の3箇所の原発を含むウクライナの原子力施設から継続して当該データを受け取っている。

 

「世界各地の原子力施設にあるIAEA保障措置装置からの遠隔送信は、ウクライナをはじめ世界中でのIAEAの保障措置実施の重要な構成要素である」と彼は述べた。「これらのシステムは、全ての原発を含む、ウクライナの数ヵ所の施設に設置されており、査察官が立ち会っていないときに、これらの施設での放射性物質と活動を監視することを可能にしている。」

 

また、データを確実に現地で保管するための技術的な機能はあるが、監視システムのストレージ容量や稼働状況(訳注:後日確認できるようにデータを保存しているハードディスクやそれを制御するシステムなどを指すと思われる)は依然として不明だという。IAEAは、セーフガード技術措置によって、各国が平和的目的のためにのみ核物質及び技術を使用するという、国際的な法的義務(訳注:核拡散防止条約に伴う各国とIAEAの間で結ばれる保障措置協定に基づく)を遵守していることを検証している。

 

また、ウクライナの原発の稼働状況については、ザポリージャ原発の2基を含む、同国の15基の原子炉のうち8基が稼働を続けているとしている。放射線の測定値は正常だった。

 

ザポリージャ原発の敷地内には、4本の高圧(750kV)外部電源回線と1本の予備電源回線がある。運転員はIAEAに対し、2本が損傷しているため、現在2本の送電線と待機中の1本が発電所で使える状態であることを報告した。

 

発電所の外部電源需要は、利用可能な1本の電力線で供給できるとも、この事業者は述べた。さらにディーゼル発電機も予備電力を供給する準備ができており、機能している。「しかし、これは、すべての原子力施設への電力網からの外部電源を確保できるという安全の柱が危険にさらされているもう一つの例」と

グロッシ事務局長は述べた。また、6号機については、3月4日の事態を受けて、冷却系の損傷が発見されたことから、運転を停止して緊急修理を行っているとの報告があった。

 

※≪事故情報編集部≫より

 この文章は、3月10日受信です。

────────── 

 

(下記は3/10のたんぽぽ舎MGです)

┏┓

┗■2.ウクライナの原発は8基が運転中

 | ハリコフで放射性物質を扱う研究所が攻撃される

 | 核危機を前にIAEAはどうするか

 | 3/8IAEA第14報の紹介

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 

◎ 報道が錯綜し、現地情報も不足しています。ウクライナ国内の空間線量を確認できるWebサイトでは、大きな数値の動きは見られません。このサイトから東京の800倍を超える数値が確認された時は、大変危険な状態と思いました、現在は数値も落ち着いているようです。しかしそれが本当の数値なのか、戦争下で記録計や通信装置が正常に稼働しているのか、あるいは紛争当事国がデータを改ざんしていないか、特にロシア軍に制圧されたチェルノブイリ原発の値やザポリージャ原発周辺からの情報は正しいのかなど、疑問は沢山あります。その中で、定期的に情報をアップデートしているのがIAEAのサイトです。

 

◎ この情報は正しいという主旨ではありません。国際的な公的機関として世界で情報を提供しているサイトは重要だという意味で紹介します。この原稿は、IAEAの報告第14報を翻訳したものです。これが登録されたのは日本時間で3月8日早朝でした。従って時差もありますし、たんぽぽ舎メールマガジン配信の時間差もありますので、その点を留意してご覧下さい。

 

☆最新情報14-ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明

 

 グロッシ事務局長によると、ウクライナ政府は本日(訳注:現地時間3月7日)、国際原子力機関(IAEA)に対して新たに、ハリコフ市にある医療・産業用途の放射性同位元素を製造する原子力研究施設が砲撃によって損傷したとの報告をした。ウクライナの原子力規制委員会は、この事件では現場の放射線レベルの上昇は引き起こさなかったと述べた。

 

ウクライナ北東部にあるこの施設は、研究開発や放射性同位元素の製造に使用されている。施設内の放射性物質は常に未臨界であり、また放射性物質の保有量は非常に少ないため、IAEAの評価では、施設に報告された損傷は放射線学的影響を及ぼさないことが確認された、と事務局長は述べた。しかしながら、日曜日の事件は、武力衝突の際に、ウクライナの原子力施設が直面しているリスクを改めて浮き彫りにし、同国における原子力安全・核セキュリティを確保することを目的としたIAEAの取り組みの緊急性を高めた。

 

「ウクライナの核関連施設の安全を危うくする事例がすでにいくつかあった」とグロッシ事務局長は述べた。ウクライナ政府によると2月27日、ミサイルが首都キエフの放射性廃棄物処理施設の敷地を直撃したが、放射性物質は放出されなかった。その前日、ハリコフ近くの同様の処分施設の変圧器が損傷した。3月4日にはロシア軍がザポリージャ原発の訓練センターを占拠した際、「ザポリージャ原発の訓練センターがロケット弾により攻撃され、火災を引き起こし、その後消火した」とウクライナ政府は発表した。

 

これに加えて規制当局は、東部の港湾都市であるマリウポリのがんセンターを含むカテゴリー1~3の放射線源を使用している企業や機関との連絡は依然として途絶えていると述べた。そのため、安否確認ができていない。このような放射性物質は、適切に防護・管理されなければ、人々に深刻な被害をもたらす

可能性がある。

 

「私たちは、公衆衛生と環境に深刻な結果をもたらす可能性のあるウクライナでの核事故を回避するための行動をとらなければならない。私たちには待つ余裕はない」とグロッシ事務局長は述べた。ウクライナの原子力施設の防護を支援するため、紛争当事者からすべてのウクライナ原発の安全とセキュリティへの責務を確保するためにチェルノブイリ原発を訪問する用意があると述べた。「私はチェルノブイリに行きたいと言ったが、必要かつ緊急の行動を促進する限り、どこにでも行けます」と彼は本日のIAEA理事会で語った。

 

2月24日以来ロシア軍の管理下にある、1986年の事故の現場であるチェルノブイリでは、約210人の技術要員と警備員の交代がまだ行われていないと規制当局は述べた。同じスタッフが12日間現場で働いていた。グロッシ事務局長は、重要な任務を安全かつ確実に遂行するために、運転要員が休息できることの重要性を繰り返し強調してきた。

 

もう一つの憂慮すべき展開として、ウクライナの規制当局は本日IAEAに対し、ザポリージャ原発に予備部品や医薬品を届けることは今は不可能であると報告した。その前日、ザポリージャ原発の管理は、その敷地を支配しているロシア軍司令官の命令を受けていると政府が発表した。ただし発電所の職員は交代することができた、と付け加えた。

 

事務局長は、ロシア軍司令官の管轄下に運転要員を置くことは、原子力安全の不可欠な柱に反すると改めて強調した。ウクライナの原子力発電所の状況について、規制当局は、ザポリージャ原発の2基を含む同国の15基の原子炉のうち8基が運転中であると述べた。

 

出典:Update 14 ? IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-14-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine

 

※≪事故情報編集部≫より

 この文章は、3月8日受信です。

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草々

 

 

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