« (予約必要)(5.21)オルタナティブな日本をめざして(第75回):「化学物質とエピジェネティクス」(渋谷徹さん:新ちょぼゼミ)(2022年5月21日) | トップページ | (予約必要)(5.10)(緊急編)オルタナティブな日本をめざして:「「日本維新の会」って、どんな政党?」(清水忠史さん:「新ちょぼゼミ」) »

2022年4月 1日 (金)

(他のMLでの議論です)福島原発事故での4つの爆発の実態解明・原因究明もロクスッポできていないのに、原発再稼働に走るということは、また再び同じことが起きるということを意味する

前略,田中一郎です。


(最初に若干のことです)
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1.バイオテクノロジー連続講座(「新ちょぼゼミ」)

(1)(予約必要)(4.27)オルタナティブな日本をめざして(第73回):「生命操作時代の科学・技術、社会」(上林茂暢先生:新ちょぼゼミ)(2022年4月27日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-74a7d9.html

(2)(予約必要)(5.16)オルタナティブな日本をめざして(第74回):「「新型コロナ」ワクチンの正体と、その危険性」(天笠啓祐さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-44b0b3.html

(3)(予約必要)(5.21)オルタナティブな日本をめざして(第75回):「化学物質とエピジェネティクス」(渋谷徹さん:新ちょぼゼミ)(2022年5月21日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-2318ba.html

(上記3つの予約の受付窓口)
*たんぽぽ舎(水道橋):TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
 https://www.tanpoposya.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
(上記にお電話していただき「受付番号」をもらってください)

(関連)(4.10)Zoomセミナー ゲノム編集技術から見た生きること、食べること
 http://www.labornetjp.org/EventItem/1644586965189staff01

(関連)(報告)シンポジウム「そもそも命はだれのもの?」(天笠啓祐、島薗進、アーサービナード)& (悪質言論妨害)福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで!顧問会議は『明日のハナコ』の排除を撤回してください。 ·- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-cf4b86.html


2.(別添PDFファイル)(チラシ)(予約必要)(5.10)オルタナティブな日本をめざして(緊急編)「「日本維新の会」って、どんな政党?」(清水忠史さん:「新ちょぼゼミ」)(当日は主催者からのプレゼンはありません:参加申込は上記たんぽぽ舎へお電話ください)
 https://drive.google.com/file/d/10Cq8xV2LAGy3iYdFFM_kZsio4RoTmbmP/view?usp=sharing


3.(別添ファイル)20220409_外環工事差止報告集会お知らせ
 https://drive.google.com/file/d/1HTz0r01aAc8j3F2_g_g4E7xbqlXoHf9q/view?usp=sharing

(関連)(別添PDFファイル)東京外環道訴訟・トンネル工事差止仮処分 支援カンパのお願い(2022.3)
 https://drive.google.com/file/d/13lY6F01TFsFgOnzrElvSk3lYwLO_sCa3/view?usp=sharing

(関連)(別添PDFファイル)外環訴訟支える会ニュース NO.15(2022.3.21)
 https://drive.google.com/file/d/11v7Af3cWs5mUyw4b4-RbdL073dt2V7O3/view?usp=sharing
 <2/28 住宅真下のトンネル掘削、(一部)工事差止決定!! 陥没の恐れあり>

◆東京地裁が外環道工事の一部差止仮処分を決定=他人の住宅の地下を無断で掘り進んで大穴を空けたり地下空洞をつくったり、あるいは多くのトラブル迷惑を近隣に及ぼしているのに、日本の司法は何故、この工事を全面ストップしないのか!?- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-094dcd.html


4.キャンペーン · ウクライナ戦争の停戦・仲裁に、NATOではなく、77年間戦争していない日本など3ヵ国が動いて下さい · Change.org
 https://tinyurl.com/y9pcpxkz

(岸田文雄政権は、自衛隊の装備品を米軍機でウクライナ政権へ送るなどという愚かなことをやっていないで、停戦・和平交渉妥結へ向けリーダーシップを取れ! 「プーチン・ロシア100%悪玉論 & ゼレンスキー・ウクライナ100%善玉論」では、この戦争は解決しないぞ!:田中一郎)


5.日本経済がまもなく「破裂」するかもしれない=アホノミクスと黒田バズーガの巨大なツケ
 長くて苦しい時代が間もなくやってきそうな気配です。アベ政権を長期にわたって維持し続けた日本国民・有権者の「愚かな選択」の結末と言えるでしょう。いい加減に目を覚ましてはどうですか?

(1)円安加速、一時125円台 日銀の金利抑制策、反応 6年7カ月ぶり:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/DA3S15248963.html?ref=mor_mail_newspaper
(2)日本社会の格差を加速させる深刻な「悪い円安」ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト
 https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2022/03/post-1266.php
(3)小麦、迫る「夏の崖」 ウクライナ危機で供給懸念- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB149O20U2A310C2000000/?n_cid=NMAIL007_20220330_Y
(4)年金運用のGPIFがクラスター弾製造企業に投資 ロシアも使用した非人道的兵器:東京新聞 TOKYO Web
 https://bit.ly/3DoQGy5
(5)米2年債利回り、一時10年債上回る 景気不安映す- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29DDQ0Z20C22A3000000/?n_cid=NMAIL007_20220330_H
(6)社説:5000円給付が「白紙」に もう、バラマキはご免だ - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20220331/ddm/005/070/065000c
(7)雇用保険料率、段階的に引き上げ 改正雇用保険法成立- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA300140Q2A330C2000000/?n_cid=NMAIL007_20220330_H

(雇用保険を原資に給付金のバラマキをやったときに、特権的政商企業がそれを食いものにして、巨額の「中抜き」(ピンハネ)をやっていましたね。忘れないで選挙の時まで覚えておきましょう。自公政権とそれに忖度する無能化した霞が関各官庁(大半は経済産業省)のもたらした税金の浪費です:田中一郎)

(関連)(報告)(2.22)日本経済が直面するリスクと政権交代:「際限のない円安」と「スタグフレーション」(第1回目)(田中一郎:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-6cbab0.html

(関連)(報告)(3.26)日本経済が直面するリスクと政権交代:「際限のない円安」と「スタグフレーション」(第2回目)(田中一郎:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-efe8e6.html


6.アピール
(1)(別添PDFファイル)侮辱罪の法定刑の引き上げに関する意見書
 https://drive.google.com/file/d/1mWHnIAuWg1ytKrhgf5Aj5hBsg0DkbkIr/view?usp=sharing

(2)(別添PDFファイル)国家安全保障を名目として企業活動と学術研究の自由を制約し市民監視強化につながる経済安全保障推進法案の廃案を求める声明
 https://drive.google.com/file/d/1nCToT9PaKhjNU5vvpLumrCIlmG42sY-E/view?usp=sharing


7.「いちろうちゃんのブログ」
(1)(他のMLでの議論です)諫早湾干拓事業裁判で、また日本の司法は職責を放棄して「行政追従判決」:国の請求認め、諫干開門命令「無力化」請求異議訴訟差し戻し控訴審判決-いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-9b33f3.html

(2)(メール転送です)令和翼賛議会が始まっている:危機意識乏しい「いわゆる野党」=(断固反対)警察法改悪、サイバー警察局反対!ニュース(2022年3月3日)より- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-eb7149.html

(3)(再掲)日本の大学を破壊する「大学ファンド」=ボンクラ経営で不振が続く日本の大企業の研究・開発部門を大学に肩代わりさせ、同時並行で大学自治を破壊しながら「軍産学情報複合体」形成へのテコに使う自民党ゴロツキ政権- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-2edc60.html
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「(他のMLでの議論です)福島原発事故での4つの爆発の実態解明・原因究明もロクスッポできていないのに、原発再稼働に走るということは、また再び同じことが起きるということを意味する」をお送りいたします。

 

福島原発事故から早くも10年が経過しましたが、その福島原発事故の実態解明や原因究明は、全くと言っていいほど進んでおらず、あの時いったい福島第1原発で何が起きていたのか、ほとんどわかっていない状態です。今回は当時日本全国を恐怖に陥れた「4つの爆発」について簡単にコメントいたしますが、それぞれ4つが4つとも、その実態も原因もわかっていないのです。

 

1号機=水素爆発だということに異論はないが、その原因が地震の揺れによる配管破損(非常用復水器(IC)など)か、それとも格納容器上部などからの水素漏れによるものかは不明のまま

2号機=本当に爆発したのか? また、爆発ではなくて、早い段階で格納容器が破損したという情報もあるが、どこがどう破損したのかは不明

3号機=核(臨界)爆発説や、コアコンクリート反応(MCCI)で発生した一酸化炭素(CO)爆発説などがあるが実態は不明

4号機=共用ベント管からの3号機水素逆流説は本当なのか? 一部には使用済み核燃料プールの冷却水確保のための「爆破説」もある

 

そして、1号機と3号機の爆発映像はあるが、2号機と4号機の爆発映像はない(あるのに公表されないのかもしれない)。次回に原発過酷事故が起きた場合に、またもや爆発映像がない、などということがないよう、再稼働予定の各原発の外側から(敷地外から)、複数のカメラで映像を取れるようにしてあるのか? (私はしていないように思う、更に言えば、環境放射能のモニターや、原発に備えてある地震計測器などもいい加減ではないかと推測している=柏崎刈羽原発を襲った中越沖地震の際には、地震計測器のプリンターがジャムリしておかしくなり、事後的に地震の大きさなどの態様が不明になってしまったという経験あり)

 

それだけではありません。先般3/26に開催した「新ちょぼゼミ」での後藤政志さんの講演では、単に福島第1原発の「4つの爆発」だけでなく、そもそも事故時において各号機が、SBO(全(交流)電源喪失)により、どのような状態に追い詰められ、どのような困難を抱え、各原発のさまざまな機器類がどのように機能不全になっていたか(期待されていた通りに動かなかったか)の実態さえもよくわからず、要するに「分からないことだらけ」である旨の説明がありました。

 

こんな状態で、原子力規制委員会・規制庁という「原発・核施設の安全を厳守させる」役回りの当局組織が、原子力ムラ・放射線ムラに占領され、事故後間もなくの段階で「新規制基準」なる「作文」をでっちあげて、有権者・国民への説明責任を果たさないまま、原発・核施設の再稼働にまい進しているのです。言い換えれば、福島原発事故の教訓などは全くと言っていいほど活かされておらず、マスごみや政府・自治体の広報などを使いながら、あたかも厳しい規制がかけられるようになったかのごとき演出ばかりが巧みに展開されている状態です。危険極まりないこと限りなしです。原子力規制委員会・規制庁は、今や原子力「寄生」委員会・「寄生」庁に変身してしまっており、原子力に「寄生」しながら、原子力の「規制」はできないという事態に陥っています。要するに「原子力寄生虫」です。

 

この事態を大きく転換するためには、現在の政治・政権を変えて、有権者・国民や日本国土やクリーンな環境を守るために働くホンモノの政治・政権を実現しなければなりません。しかし、今日の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、自民党政権によってではなく、民主民進党政権の人選によって当初は発足したことも忘れてはならないでしょう。その民主民進党を前身とする国民民主党・立憲民主党という野党が、さまざまなことを口実に原発温存までもを言うようになってきている今日、政治・政権の転換は、有権者・国民の相当に強い「脱原発・反原発」の意思表示と、それを直結させた投票行動が求められていると言えます。覚悟を決めて、脱原発・反原発のためのホンモノの政権交代を実現させましょう。

 

 <別添PDFファイル>
(1) 福島原発事故時の4つ(?)の爆発(落合栄一郎氏自著より 2022.1)
 https://drive.google.com/file/d/1XBr3K4Ig9WpDV4WKGOvU4emoXqauYs1m/view?usp=sharing

(2)福島事故から何を学んだのか? 柏崎刈羽原発の水素爆発防止対策のお粗末さ(伊東良徳『原子力資料情報室通信 572号 2022.2.1』)
 https://drive.google.com/file/d/1RTsT5x0KQ9nTxz98hJUNhFAkIlFgGDJc/view?usp=sharing

 

◆(報告)(3.26)オルタナティブな日本をめざして(第72回)「福島原発事故の技術的教訓」(後藤政志さん:新ちょぼゼミ)(2022年3月26日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-0fbd6b.html 

 

(下記はメール転送です:一部加筆修正)
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前略、田中一郎です。

落合先生へ、報告をご覧いただき感謝申し上げます。
ご指摘の著書の記述は別添PDFファイルですね。

(関連)(別添PDFファイル)福島原発事故時の4つ(?)の爆発(落合栄一郎氏自著より 2022.1)
 https://drive.google.com/file/d/1XBr3K4Ig9WpDV4WKGOvU4emoXqauYs1m/view?usp=sharing

(関連)放射線被ばくの全体像、人類は核と共存できない 原爆・核産業・原発における被害を検証する-落合栄一郎/著(明石書店)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034292967&Action_id=121&Sza_id=B0

後藤政志さんの今回の講演で、この話題については当日録画の最後の方(約2時間5分くらいのところから若干)で出てきます。福島原発事故時における4つ(?)の爆発についての私の見方は、現在までのところ下記です。

1.1号機は水素爆発

 これは東京電力や規制委の説明どおり、原子炉建屋内の水素爆発だと見ています。しかし問題は、その水素爆発が原子炉建屋のどこで起きたのか、です。東京電力や規制委は建屋5階で起きたとしていますが、元日立バブコップの原子炉設計技師だった田中三彦氏は4階で起きた、と言っています。田中氏は、1号機が東日本大震災の地震の揺れで、非常用復水器(IC)配管かまたは再循環系配管(ICとつながっている)が破損し、そこから圧力容器内の水素と放射性物質が4階に漏れ出してこれが爆発した、との見解です。その証拠の1つとして、4階と5階をつなぐ大物搬入口に据え付けてある巨大な金属製のマンホールのフタのようなものを吹き飛ばしてしまったことを指摘しています。

 

他方、東京電力は田中氏の主張を認めると、原子炉が地震でやられたことになり、他の原発の再稼働に大きく影響するため、これを否定、原子炉圧力容器の上部フタの隙間から漏れ出た水素が建屋上部の5階で爆発し、それが4階に爆風として圧力をかけ、マンホールの金属フタのようなものを吹き飛ばしたのだと説明しました。しかし、それなら、爆風の圧力は5階から4階に向けてかかるので、金属の巨大フタは4階よりも下の階になければなりませんが、どこをさがしてもその巨大金属フタはみつからないという珍現象が起きています(東京電力が爆発の真相を隠すために撤去したと思われます。1号機に、放射能拡散防止を口実に、2回にわたり樹脂製の巨大な原子炉カバーがかけられ、中で何がなされているか、外から見てもわからなくする目隠しがされていたことを思い出してください。そして、田中氏がまだ国会事故調の委員だったころ、1号機爆発の現場検証をしようとした時に、東京電力の職員が田中氏にウソをついて、その現場検証を妨害したことも記憶しておいてください。

 

水素爆発で見解の相違がない1号機でも、その爆発の原因や実態がどのようなものだったのかは今もって不明のままです。

 

2.2号機爆発(本当に爆発だったのか?)

 2号機は3/15の早朝午前6時ころに、圧力抑制室(SC)付近(トーラス室)で水素爆発したとされています。しかし、水素は軽いので格納容器や建屋の中では上部の方に行くでしょうから、原子炉のそんな低い場所で爆発するというのは不自然ですし、何故か爆発映像もありません(あるけれど非公開かもしれません)。田辺文也氏(元日本原子力研究開発機構)は2号機は早い段階(3/12頃)で格納容器の本体とSCをつなぐ下部(蛇腹部分)で破損が起き、そこから大量の放射能混じりの気体が漏れていたと言っていますし、他のある人は、実は2号機のベントは成功していて、このベントによって大量の放射能が環境にばら撒かれていたと言っています。(2号機の建屋は1号機の水素爆発の爆風のおかげで、建屋のブローアウトパネルが開きっぱなしになり、水素が建屋にたまって爆発するということはありませんでした)

 

いずれにせよ、政府のIAEA向け報告書では、福島原発事故による環境放出放射能の90%近くが2号機からだとされています。ということは、格納容器が破損しているということはほぼ確実でしょうが、その破損個所がどこなのかは未だにわかっていない(わかってはいるが、公表されていない)という状態です。2号機爆発説というのは4号機爆発を覆い隠すもの、との見方もあります。本当に爆発したのかも含めて、その実態は不明のままです。

 

(関連)メルトダウン 放射能放出はこうして起こった-田辺文也/著(岩波書店)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032856263&Action_id=121&Sza_id=G1

 

3.3号機爆発

 落合先生がおっしゃるように、3号機の爆発は、水素爆発説と核(臨界)爆発説の2つがあります。3号機爆発については別添PDFファイルの伊東良徳弁護士の『原子力資料情報室通信』のレポートをご覧ください。後藤政志さんの講演の中でも言及があります。ポイントは、仮に3号機爆発が水素爆発だったとしても、その場合、4号機爆発のことまでを考慮に入れると、水素の量が足りない、と同氏が指摘している点です。規制委もこの点に注目し、爆発の原因となった気体は水素以外にもあるのではないかとして、今ごろになって再調査を始めているそうです。考えられるのは、メルトダウンした溶融炉心(高熱金属デブリ)と原子炉下部にある石灰岩含みのコンクリートとの熱反応(MCCI反応=コア・コンクリート反応)で発生するCO(一酸化炭素)ということになります。3号機爆発の態様(オレンジ色の光のあと黒い煙がドーンと真上に上がる)が1号機爆発の態様(白い煙が爆発音とともに横に広がる)と異なっているのはこのせいだ、という説明まであります。

 

(関連)(別添PDFファイル)福島事故から何を学んだのか? 柏崎刈羽原発の水素爆発防止対策のお粗末さ(伊東良徳『原子力資料情報室通信 572号 2022.2.1』)
 https://drive.google.com/file/d/1RTsT5x0KQ9nTxz98hJUNhFAkIlFgGDJc/view?usp=sharing

 

そしてもう一つが核(臨界)爆発説です。私はこの核爆発説が大いに可能性ありと見ています。ですが、落合先生と少し違うのは、私の見方は藤原節男さん(原子力ドン・キホーテ)の見方と同じで、最初に原子炉建屋上部で水素爆発があり、その爆発が使用済み核燃料プールにあった水の中の泡を押しつぶし、かつ、燃料棒を接近させ、瞬時にプルトニウム臨界状態を引き起こして核爆発に至った、というものです(それ以外については落合先生の記述と同じです)。

 

実は、この核爆発説を検証しようと思えば、3号機使用済み核燃料のプールからの撤去(お粗末なミスを繰り返して難航したのちに既に終了)時に、その態様を確認することで出来たハズですが、東京電力も規制委も核爆発説には見向きもせず、水素爆発説に立脚したまま作業を進めてしまいました。これは一種の重大な「証拠隠滅行為」と言えるでしょう。殺人事件や工場大事故などでもそうですが、現場検証をしっかりやることは、事件や事故の真相を究明し、その責任の所在を明らかにし、再発の防止をする際の基本中の基本ですが、これを規制委はサボタージュしているということです。

 

そしてあろうことか、少なくない脱原発・反原発の市民もまた、原子力市民委員会を中心に、3号機は核爆発などではなく水素爆発だと、何の実証的な検証もしないまま(理屈だけで)、東京電力・規制委の、この「証拠隠滅行為」とも思われる作業に何のクレームも付けぬまま黙認してしまっているのです。脱原発・反原発運動の一種の劣化と言えるかもしれません。私は核爆発説だと決めつけているのではありません。そうではなかったというなら、水素爆発だったというのなら、それに対する異論も含めて、それをしっかりと実証的に検証せよ、と申し上げているのです。それが科学の態度だと。

 

事故当時の東京電力内部のTV会議映像の中で、3号機爆発直後のやりとりで、高橋フェローという人物(東京電力技術系幹部)が3号機爆発について「当局が水素爆発だと言っているのだから、それでいいでしょ、そうしておけばいい」と発言しています。1号機と3号機の爆発の態様の違いの合理的な説明もつかないまま、原子力関係者一同が(推進派も反対派も)「3号機水素爆発説翼賛体制」を築いていることは、私は大問題だと考えています。そもそも規制委自身が「(3号機と4号機の2つの水素爆発を導くだけの)水素が足りない」と言っているではありませんか!?

 

(関連)Meltdown Countdown – 49 critical hours of the TEPCO teleconference - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 https://www.ourplanet-tv.org/40255/

 

4.4号機爆発の謎

 4つあったとされる福島原発事故の爆発のうち、この4号機が最も謎でよくわかりません。落合先生の著書の一部抜粋(別添PDFファイル)をまずはご覧ください。稼働していなかった4号機の爆発については、考えられる原因は3つあります。1つは東京電力や規制委が説明している3号機発生水素のベント管を通じての4号機への「逆流」です。後藤政志さんはこのお考えのようです。私はこの見方はやや難点があるかなと思っています。その1つが、講演録画でも聞いていますが、4号機のベント管のAO弁やMO弁が当時どうなっていて、それが原子炉建屋に逆流水素が広がっていくことにどう影響していたか、という疑問です。

 

もう1つは、ここでも核(臨界)爆発説です。4号機の使用済み核燃料プールは、差し替え用の核燃料も含めて「オーバーラッキング」(入れすぎ)状態だったので、それが3号機爆発の衝撃を受けて接近し臨界状態になった、などとするものです。ちょっと苦しいかなという気がします。

 

私はむしろ、落合先生が書いておられる爆発説ではなくて爆破説(在日米軍が密かに福島第一原発にやってきて爆破したという説もあり=アメリカの原子力規制委員会(NRC)が事故当時最も懸念していたのが4号機使用済み核燃料プールの冷却不能でした)が可能性ありではないかと思っています。そしてそれを覆い隠すために2号機爆発説を言い出しているのではないかという疑いです。4号機もまた、どういうわけか、爆発映像はありません(あるけれども隠されているのかもしれません)。いずれにせよ、規制委は、3号機と4号機がともに水素爆発だったとすると、水素の量が足りない、と言っていますので、合理的な説明がつくまできちんと調査をさせる必要がありそうです。

 

5.簡単なまとめ

 福島原発事故については、この爆発の実態も含めて、後藤政志さんのおっしゃるように、その実態についてわからないことだらけです。それ以外にも、たとえば非常用炉心冷却装置(ECCS)や各種配管の破損状態、あるいは各種計測器が正常に機能していたのかどうかや、圧力抑制室(SC)や主蒸気逃がし安全弁(SPV)が期待されたようにきちんと機能していたのか、更には、今回後藤政志さんが提起されている様々な原子炉・原発の機能やメカについて大丈夫なのかどうか、山のように疑問があるのです。

 

そんな中、日本の原子力ムラのインチキ学者・技術者どもは、政府や霞が関官庁や原子力規制委員会・規制庁を乗っ取って、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁に切り替え、福島原発事故後まもなく、ロクスッポ事故の実態究明も原因解明も行わず、当然に再発防止対策もしないで、新規制基準なる、たいした安全強化にもつながらない作文をでっちあげて、原発再稼働にまい進しているのです。そして、その原発・原子力にへばりついて甘い汁を吸っている自民・公明・維新・国民民主党などの与党系政治家ども・政治勢力だけでなく、民主民進・立憲民主党や各地の地方自治体までもが、これに加担する愚かな対応をしています。多くの有権者・国民が、福島原発事故を経験し、もう原発はやめた方がいい、と思っているにもかかわらずです。また、腹立たしいことに、今や東京新聞も含めて、原発不勉強バカになり果てて、原子力翼賛の旗を振り回し始めているマスごみも、こうした日本破滅路線の応援部隊に転落しています。まさに「粗大ごみ」としての「マスごみ」です(東京新聞もまた、定評のある「こちら特報部」欄に「スポーツ記事」を載せたり「陰謀論批判の説教(「新型コロナ」関連)」を載せたりして、1・2年前頃からおかしくなり始めています)。

 

(関連)東京新聞「こちら特報部」記事に見る「陰謀論」批判報道の乱暴と職務放棄:報道機関は一般市民の「疑義申し立て」を攻撃するのではなく、支配権力側の説明責任全く不十分を徹底して追及せよ- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-4c3b54.html

 

後藤政志さんは、このほど鹿児島県の川内原発の安全性検証の技術委員会の委員になられました。今後のご活躍を大いに期待したいところです(お体には十分にご留意していただきたいですね、テロ行為も含めてです)。また、私達市民も、原発や原子炉の工学的な仕組みの理解のための勉強に加え、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁のその似非審査の有りようも厳しく監視し、ことあるごとに「おかしい!」の声を挙げていく必要があると思います。がんばりましょう。負けられません、勝つまでは、です。

 

ところで、みなさま、落合栄一郎先生の新著書はもう入手されましたか? 大著なので読むのは大変ですが、努力してみんなで読んでいきましょう(という私も、最近はウクライナ戦争情報に追いかけ回されて、まだ読んでおりません。すみません)。

草々

 

From: Eiichiro Ochiai
Sent: Monday, March 28, 2022 6:27 AM
Subject:  (報告)(3.26)オルタナティブな日本をめざして(第72回)「福島原発事故の技術的教訓」(後藤政志さん:新ちょぼゼミ)(2022年3月26日)

田中さん:

後藤氏のゼミの報告ありがとうございます。まだ、PPTファイルを覗いてみただけですが、話の中心は、水素爆発で、3号機、4号機の爆発に関しては、何も話されなかったのでしょうか。3、4号機の爆発に関しては、私も特別な関心があり、自著(「放射線被ばくの全体像」(明石書店、2020))のp247-248で、可能性のいくつかを、書きましたが、詳細は不明で、後藤氏などから真相を聞かせて欲しいと思っているのですが。

落合栄一郎


2022年3月27日(日) 3:56 田中一郎 <mailto:ichirouchan@withe.ne.jp>:

前略,田中一郎です。

(報告)(3.26)オルタナティブな日本をめざして(第72回)「福島原発事故の技術的教訓」(後藤政志さん:新ちょぼゼミ)(2022年3月26日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-0fbd6b.html

(注:私の名前をかたった偽メールで下劣ないたずらや嫌がらせのメールがみなさまに届く可能性があります。もしそのようなメールを見つけられましたら、惑わされずに直ちに廃棄をお願い申し上げます。)
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草々

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