日米(英)開戦から80年(その3):(1)大日本帝国陸軍 経済謀略組織「秋丸機関」をめぐって、(2)内田樹氏の日本国憲法論議について、(3)アジア侵略主義の淵源としての吉田松陰に関する補足説明 他
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.放射線被曝関連の新刊書
(1)汚染水海洋放出の争点 トリチウムの危険性-渡辺悦司・遠藤順子・山田耕作著(緑風出版)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034285290&Action_id=121&Sza_id=GG
(2)地震・福島・子どもの健康・チェルノブイリ森林火災 - 竹野内真理, ユーリ・バンダジェフスキー
https://www.amazon.co.jp/dp/4991176115?ref=myi_title_dp
2.(2.14)学習会 - 食卓に忍び寄るゲノム編集食品 いったいどんなもの? 本当に安全? Zoom併用
http://www.labornetjp.org/EventItem/1640464925442staff01
(関連)ゲノム編集、神話と現実:煙幕の中のガイドブック(2021年12月)
https://okseed.jp/media-download/163/adae725f584e2323/
3.キャンペーン
(1)(必見)キャンペーンについてのお知らせ「日本大学の再生に向けての提案書」訂正版です · Change.org
https://tinyurl.com/yey8r6uz
(2)再審法改正(刑事争訟法の1部改正)を求める国会請願署名
https://bit.ly/32I7emL
(関連)再審法改正をめざす市民の会 HP
https://rain-saishin.org/
4.2021年・岩上安身が選ぶ必見!ピックアップ集!新春特設サイト~新春・2021年振り返り!注目の切り抜き動画で時事をおさらい! - IWJ Independent Web Journal
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500566
5.「縮小のスパイラル(連鎖)」―…:山陽新聞デジタル|さんデジ
https://www.sanyonews.jp/sp/article/1212439/
(リニアや新幹線・高速道路網などよりも、日常生活に直結している在来線やバス路線の方がはるかに重要な「社会的共通資本」であり、本来、こうしたものは公的資金で維持されるべきものです。離島と本州を結ぶフェリーや連絡船などもそうです。これからの日本の地域振興の柱の一つは、地方公共交通の「楽しく快適な復活・復興」です。乗って楽しい、乗って快適な、ローカル交通網・交通手段の整備こそが大切です。そのためには、地方に住む人たちがそれに早く気が付き、今の自民党や公明党に代表される中央利権に毒された政治・政治家どもを全部入れ替える気構えを持たなければいけません。人々の足が確保されてこそ、文化が花咲きます。:田中一郎)
6.(川辺川ダムのバカバカしい復活)熊本県内の記者が一年を振り返りつづった「記者メール」(朝日新聞2022年1月1日)
https://digital.asahi.com/articles/ASPD07VK3PD0TLVB006.html
(上記の「地方公共交通の復活・復興」(地方公共交通の衰退対策)と根っこは同じです。治水ダムはカネばかりかかって役に立ちません。そりゃそうでしょう。ダムの貯水量以上には雨は降らないという約束を天がしてくれるわけではないですから。もういい加減に気が付けよ、という話です。カバシマとかいう熊本県知事が逆立ちをして、バカシマになって、ダム利権の巣窟である国土交通省に、穴あきダムをつくってくれ、などと頼み込んでいるのです。水面下で何が起きていたのでしょう? 熊本県民は、この逆立ちカバ知事を一刻も早く更迭すべきです。:田中一郎)
7.原発「グリーンな投資先」と認定 EUが方針、低炭素移行で役割 共同通信
https://nordot.app/850128470917218304?c=39546741839462401
(関連)原発は「低炭素への移行を加速」 欧州委が位置づけ方針発表:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASQ120HHTQ11UHBI00B.html
(関連)なぜいま電力逼迫?「脱炭素」への重い課題|日テレNEWS24
https://www.news24.jp/articles/2022/01/01/061004583.html
<田中一郎コメント>
既に繰り返し申し上げてきたように、地球温暖化・脱炭素が原発・核燃料サイクル再推進の「口実」にされようとしています。ちなみに、地球温暖化論者の代表格=斎藤幸平氏の売れ筋著書『人新世の資本論』には、原発のゲの字も出てきません。私は今の日本の若い世代が危ないと見ています。経産省前に脱炭素政策について抗議に来ていた大学生たちもまた、大間原発裁判のチラシの受け取りを拒否したりしていましたから、このままいくと、原発は脱炭素の有力な手段として「祭り上げられてしまう」でしょう。
既に今月、広瀬隆氏に下記の講演をお願いしています。地球温暖化論については、私はその科学的実証的根拠が危ういと見ています。脱炭素を極論的に展開するのではなく、まずは、原発・核燃料サイクルの完全廃棄と生物多様性の確保=熱帯雨林破壊防止や石炭石油コンビナートの公害防止(特に途上国)や(環境を破壊しない)再生可能エネルギーやコジェネ・オンサイト型電源などの推進、プラスチック環境汚染防止などに力点を置いて運動を展開すべきでしょう。
◆(メール転送です)全国のみなさま、重要な講演会のお知らせです・・・広瀬隆:(1.27)特別講演:二酸化炭素による地球温暖化説の非科学- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-40333d.html
***(下記は再掲)***
(関連)(別添PDFファイル)欧州に原発回帰の動き 脱炭素・エネ安保で、日本は停滞- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR180F40Y1A211C2000000/
(関連)(別添PDFファイル)EUタクソノミー- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78829730Y1A221C2EA2000/
(詳細は昨日12/28の日本経済新聞原本をご覧ください)
<田中一郎コメント>
EUタクソノミー=タヌキ(た抜き)のクソノミーで原発を「環境に配慮した持続可能な投資」に分類し、原発を再推進することで「脱炭素社会」を目指すなどという動きが、フランスなどを中心にEUで台頭しています。原発再推進の口実が「地球温暖化」であり「脱炭素」です。
これを全力を挙げて徹底的に批判し、市民運動・社会運動でつぶしてしまわないといけません。日本は福島原発事故の「余韻」が残っていて、まだ慎重なようなスタンスを表面上では取っていますが、水面下では、全面展開のタイミングを見計らっているものと思われます。
再生可能エネルギー100%などという空想的環境主義は、一時的な大規模停電でもくらえば一気に崩壊して、原発・核燃料サイクルの再びの跋扈を許す羽目になるでしょう。放射能とCO2、どちらが人間や生物にとって危険か、申し上げるまでもありません
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8.若干のその他
(1)2022年は選挙イヤー 名護市長選は1月23日投開票 「辺野古」争点に一騎打ち - 琉球新報デジタル
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1448021.html
(2)文春「口利き100万円」報道の裁判で片山さつきが敗訴!「係争中」を盾に説明逃れをしてきた片山議員は判決が出ても「連絡つかず」|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/12/post-6117.html
(3)生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/12/post-6128.html
(4)台湾総統「軍事では解決できず」 新年談話で習指導部に呼び掛け - 河北新報オンラインニュース
https://kahoku.news/articles/knp2022010101000265.html
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「日米(英)開戦から80年(その3)」をお送りいたします。最初に、昨日お送りした私のメールに書いた「アジア侵略主義の淵源としての吉田松陰」に関する補足説明を若干いたします。説明不十分のご指摘をいただきました方には感謝申し上げます。
◆日米(英)開戦から80年(その1):対米隷属下の「被害者戦争観」から抜け出せぬまま、アジア蔑視の歴史歪曲主義に引きずられるこの国の末路=オレサマ帝国の似非愛国主義が行きつく先は国際的孤立と自滅だ- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-53d3ec.html
◆日米(英)開戦から80年(その2):連合艦隊による真珠湾奇襲攻撃は大日本帝国による帝国主義的海外侵略の「一段階」にすぎない=その淵源は長州・松下村塾を開いた狂人=吉田松陰にある- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-b7ea84.html
1.アジア侵略主義の淵源としての吉田松陰(補足説明)
<ちょっとだけ補足>
◆吉田松陰は本当に「高潔な教育者」だったのか(P3) - リーダーシップ・教養・資格・スキル - 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/188987?page=3
明治維新と大日本帝国の成立を批判的に見ている人々の間では、吉田松陰とその弟子たち(長州出身の大半の明治政府幹部たちは吉田松陰の弟子たちです)がアジア侵略主義の思想に取りつかれていたことは、ほぼ常識のエリアではないかと思っていましたから、この点でお叱りを受けるとは思ってもみませんでした。上記はさらにネット検索をして見つけたものです。私も歴史家ではないので、専門的で詳細なご説明は困難ですが、私の現状での認識としては、大日本帝国のアジア侵略の「淵源」(あくまで「淵源」であり「全責任」ではありません、吉田松陰は井伊直弼江戸幕府に処刑されていますから明治の時代には生きてはいません)は吉田松陰・松下村塾の思想と行動にあったと見ています。
もちろん、明治帝国(その後大日本帝国となる)の対外侵略が吉田松陰一人によるものであるとは思っておりません。しかし、明治政府の幹部たちが若い頃に松下村塾で「薫陶」を受けた影響は大きく、その後、富国強兵政策を成功させていくにつれて、その若き頃の思想を実践してみたいという欲望に駆られていった可能性は高いだろうと思います。それが帝国主義としての資本主義の拡大方向とも合致していたということです。
しかし、私の若い頃から、日本のマスごみなどでもてはやされる(その典型事例はNHKの大河ドラマで、今回の渋沢栄一の話以外は、すべて薩長藩閥政府肯定論に立脚しています)明治史などは、日本の近代化の過程を、欧米列強による帝国主義的侵略からいかに国を守るかという自己防衛的抵抗史観で塗り固められていました。私はこれを大嘘だ、と思っています。
明治初期の2つの事件がそれを示しています。一つは、明治5年の政変と征韓論です。西郷隆盛らの征韓論を大久保や岩倉らの建国優先論が勝利したなどと説明されていますが、それなら、そのすぐあとに明治政府が行った台湾征討という戦争行為は説明がつきません。征韓論は明治政府内部での権力争いの大義名分にされただけであり、西郷も大久保も、ともにアジア侵略の思想家たちであったのです。大久保の背後には、たくさんの長州人=つまりは松下村塾の元塾生たちが付き従っていました。
もう一つは、その数年後に起きる江華島事件です。まだ戊辰戦争から10年もたつか経たないかのこの時期に、日本の朝鮮半島進出の野望は露骨に現れています。この江華島事件のやり方が、その後の大日本帝国軍部=特に陸軍の中国大陸侵略のやり方とほとんど同じです。ちなみに陸軍は長州の人間たち(=その総大将が山県有朋)が実権を握っていました。
海軍の薩摩は吉田松陰や松下村塾の思想とは切り離されていたとは思います。海軍はその後の山本五十六に代表されるように、時がたつにつれて優柔不断の日和見になっていき(2.26事件の時などは皇道派将兵の反乱を鎮圧する側に回っていたのに)、日米開戦間近になると、当時の海軍大臣などのように時流に迎合して、無理だと分かっているのに強硬論を吐く人物も現れてきました。5.15事件を引き起こしたのも海軍将校ではなかったでしたっけ?(但し、アジア太平洋戦争へ突入していく過程での大日本帝国海軍のとった行動と役割は再考してみる必要がありそうです)
大日本帝国のアジア侵略を先頭に立って強引に引っ張っていたのは陸軍です。(その3)では経済謀略組織「秋丸機関」についてお送りする予定です。この組織も陸軍がつくったものです。731部隊も陸軍ですが、海軍もまた、似たようなこと=つまり細菌戦の研究をしていたらしいです。
<もうちょっと補足>
◆吉田松陰は本当に「高潔な教育者」だったのか(P1) - リーダーシップ・教養・資格・スキル - 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/188987
このサイトを最初からご覧になるだけでも、吉田松陰の「頭のおかしさ」がお分かりいただけるのではないかと思います。政治的「狂気」です。当時の長州の藩力・軍事力を客観的に顧みることができずに、長州の激情派は英・仏・米・蘭4か国連合艦隊と戦争を始めますが、コテンパンにやっつけられます。更に久坂玄瑞らの長州激派は、その翌年には京都で禁門の変を引き起こして京都の街に災禍をもたらします。こうした幕末における無謀とも言うべきクーデター行動は、すべて吉田松陰にその思想的よりどころをたどっていけると私は見ています。西郷隆盛も武力討幕を遂行するため、大政奉還後の江戸の町で火付け盗賊辻斬りによる幕府挑発を部下に命じています。とんでもない連中だったということです。
江戸の武士政権に対抗する大義名分を尊王攘夷に求めた幕末の「志士」たちの思想的なよりどころは吉田松陰・松下村塾であり、吉田松陰の誇大妄想とも言うべき「狂気の国学」が、若い下級武士たちの情動をゆすぶり続けたのだと思います(もう一つが「水戸学」)。日本の近代化がかような形で、かような人物の思想がよりどころとなって進められたところに、アジア太平洋戦争で滅亡する大日本帝国の歴史的悲劇性、ないしは狂気性があったのではないでしょうか? その「淵源」が狂人=吉田松陰だと私は思います。日本近代における似非愛国主義の発祥の地です。
吉田松陰の狂気とは、政治的な誇大妄想と、自身の行動に合理的一貫性がない、場当たり的で、その行動が日本社会に大変な迷惑的影響をもたらすにもかかわらず、それを気に留めることもないという、極端な自己中心主義です。伊藤博文や山県有朋ら、長州の松下村塾塾生たちが若い頃に横浜の外人館を襲撃するテロリズム行為を行っていたことも今日では知られるところです。狂気の一つの帰結です。私は今でも、日本の「世直し」政治、ないしは左翼右翼の一部に、この吉田松陰・松下村塾以来の「政治の狂気」を感じることがあります(例:内ゲバ、連合赤軍事件、三島由紀夫)。
2.大日本帝国陸軍 経済謀略組織「秋丸機関」をめぐって
◆日本が“無謀にも”米軍と開戦した理由に迫る 日本陸軍・謀略機関の「極秘報告書」を発掘(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/33dbe1887234816b4b16d23fbe1df00ec0fabc9c
https://news.yahoo.co.jp/articles/33dbe1887234816b4b16d23fbe1df00ec0fabc9c
<田中一郎コメント>
昨年末に上記サイトを見つけました。ここに出てくる「秋丸機関」という大日本帝国陸軍の組織については知りませんでしたので、このサイトの記事を興味深く読みました。また、関連サイトをネット上で探しましたら、下記が見つかりました。「新潮」だとか「読売」だとか「日経」だとか、日頃マユツバで見ている出版組織のサイトにある情報なので、書かれているものをそのまま真実として受け取っていいのかどうか、逡巡しています(一読した限りでは大筋において違和感はありませんでした)。みなさまでお詳しい方がおられたらコメントをお願いいたします。できればこのメールの内容とともに全国拡散をしたいと考えております。
<関連図書>
(1)経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く-牧野邦昭/著(新潮選書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033767754&Action_id=121&Sza_id=C0
(2)日米開戦 陸軍の勝算 「秋丸機関」の最終報告書の通販-林 千勝 祥伝社新書 - 紙の本:honto本の通販ストア
https://honto.jp/netstore/pd-book_27226807.html
<関連論文>
(1)(別添PDFファイル)『英米合作経済抗戦力調査』(陸軍秋丸機関報告書):牧野邦昭(現在は慶応大学経済学部教授)
https://drive.google.com/file/d/1L3CNPlqd6C4gbGP3l0V4eGvdS0bq5e1K/view?usp=sharing
<関連サイト>
(1)秋丸機関 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E4%B8%B8%E6%A9%9F%E9%96%A2
(2)開戦直前にも「消された報告書」秋丸機関とは - 読売・吉野作造賞 - 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/choken/y-yoshino/20201016-OYT8T50059/
(3)最新の行動経済学が解く日米開戦の謎(摂南大学・牧野邦昭准教授に聞く(上))|日経BizGate
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO3403740010082018000000?channel=DF200320183519
(4)陸軍「秋丸機関」が戦後に果たした役割(摂南大学・牧野邦昭准教授に聞く(下))|日経BizGate
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO3419874015082018000000
上記で書いたメールを他のMLにお送りしたあと、上記の「関連サイト」のうち「日経BizGate」の上下2つと「読売新聞オンライン」の記事も読み進めてみました。それでやはり、ちょっとすんなりとは受け入れにくいな、という感覚を今は持っています。いくつか疑問点を挙げておきます。
*1941年7月に「秋丸機関」が大日本帝国陸軍上層部に報告を行ったとされる。しかしその時、陸軍の誰がその報告を聞いたのかよくわかっていないという。また、その時に報告を聞いた杉山元(はじめ)参謀総長は、この報告書が当時の国策に反しているから破棄せよと指示したというが、これは事実ではないとも言う。この辺の事実関係はどうなのか?
*1941年の日米開戦は「避けられない歴史的流れ」のようなものがあり、当時の昭和軍閥幹部たちが「秋丸機関」の報告(日米開戦はほぼ高い確率で敗北となる)を十分に理解したとしても、行動経済学が言うところの生身の人間の「リスク選択」は論理的合理性の通りにはいかないことが多く、日米開戦決断はその一例としてみることができるという結論 ⇒ これでは、大日本帝国を亡ぼし、日本臣民のみならず多くのアジア民衆を犠牲にし、また、多くの米兵・英兵・中国兵などを死傷させたあの戦争を、事後的に「やむを得ないもの」として追認することになりはしないか?
*1940年頃の大日本帝国中枢、特に陸軍幹部たちは、ヨーロッパにおけるナチスドイツの大戦における快進撃に大いに感銘を受け、情報を多面的に収集するとともに情勢を慎重に判断していくという国家指導者としての基本中の基本の態度を怠って、他力本願的な楽観主義に陥っていたように思われる。それは大島浩駐独大使などのボンクラ外交官が本国に送ってくる偏った情報だけを信奉してはばからない、当時の政府・軍部のご都合主義的な姿勢もあったのではないかと思われるけれども、そうしたことについて、あまり考慮されている様子はない。
*行動経済学という方法論を私はあまり信用していない。たとえば「秋丸機関」が当時提示していたリスク選択を下記のように定式化していいのだろうか? 私はこれ以外の選択肢もあったように思う。そもそもこのサイトのレポートにも書いてあるが、当時の大日本帝国中枢の人間たちは、短視眼的で場当たり的な決定を繰り返して既成事実を積み上げ、その既成事実を転換させる勇気や気力を持たぬまま、楽観論だけを拾い食いするように同じ行動パターンを繰り返して、破滅へと突き進んでいったのではなかったか。当時の陸軍幹部たちの行動は、もっと広い視野から分析されるべきではないか。
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――当時の日本の状況に当てはめると
A 開戦しない場合。2、3年後は国力を失い戦わずして米国に屈服する
B 開戦した場合。非常に高い確率で敗北。しかし極めて低い確率ながらドイツが勝利し、日本も東南アジアを占領して英国が屈服すれば、米国は交戦意欲を失って講和するかもしれない――となりますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*「読売オンライン」の記事には、下記のように明らかな誤りがあり、信用しがたい。大日本帝国が「日ソ中立条約を」をむすび、「北進論」を放棄して北部仏印に進駐したのは1940年の話であり、「秋丸機関」報告がなされた1941年7月よりもずっと前のことである。
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)分析した結果は「英米」「独逸」「日本」などに分かれて出された。最も注目された英米班の報告は昭和16年(1941年)7月にまとめられ、陸軍の上層部に報告されている。
(中略)牧野さんは、報告書が「国策に反する」とされたのは、「国力で比較すれば英米には勝てない」という点ではなく、「強いて活路を見出すなら南進だ」という部分ではないか、と見ている。報告書がまとめられた当時、陸軍内ではドイツと呼応してソ連と戦うべきとする「北進論」と、資源を確保するためにまず南方に進出すべきとする「南進論」が対立していた。陸軍の参謀本部は北進論を唱え、秋丸が所属する陸軍省、特に軍務局は南進論を主張していた。秋丸機関の「独逸」報告書は秋丸の立場上、北進論を否定し、南進論の支持をにじませた内容となっていた。
北進論の参謀本部は、だから異議を唱えたのだ、というのが牧野さんの説だが、そうだとすれば報告書が出た時には明確な「国策」はまだなかったのだから、報告会での発言は意見の表明に過ぎないことになる。現にこの数か月後、日本は早期の対ソ開戦を見送って南進路線を選択している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*「秋丸機関」の中核的学者の一人だった有沢広巳は、戦後政府の経済政策ブレインに採用され、そこでこの「秋丸機関」の経験を生かして戦後復興に取り組み、いわゆる石炭と鉄に生産力を集中させる「傾斜生産方式」を導入したという。しかし、この「傾斜生産方式」は日本側の「国を挙げてのやる気」をGHQに見せつけるための「形だけのもの」であって、その真の狙いは「ガリオア・エロア」のアメリカによる西側諸国支援だったという。本当か?
*独ソ戦に関しては、下記のような参考書があり、非常に参考になります。スターリン支配下の1930年代後半のソ連では、共産党及び軍幹部を大量に粛清してしまったため、軍隊を実戦の中で指揮する将校が不足し、独ソ戦の最初の段階では敗北に継ぐ敗北をしていたという、スターリン指導体制の大問題があります。また、そのソ連を背後から支援し、大量の武器弾薬や戦争物資をソ連に輸送・投入していたのはアメリカのルーズベルト政権であり、それがソ連の独ソ戦を最後のところで支えていた。しかし、このアメリカによるソ連への軍事支援は、国内の共和党や反戦運動と、英国チャーチル首相に猛反対をされ、それをかわすのにルーズベルトが苦労していたことが下記の図書に書かれていました。
(その結果、スターリンのルーズベルトに対する信頼は厚く、ルーズベルトはこの信頼をベースにして戦後世界の米ソ協力関係を創ろうとしていました。逆に、スターリンのチャーチルへの信頼度はゼロに近かったようです。そして、ルーズベルトの早すぎる死去により、戦後世界はチャーチルの考えた冷戦路線=ソ連封じ込めに沿って展開してくことになります)
(関連)独ソ戦 絶滅戦争の惨禍-大木毅/著(岩波新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033934657&Action_id=121&Sza_id=A0
(関連)ローズヴェルトとスターリン(上)(下) - 白水社
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b308967.html
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b308968.html
そしてついでに追記しておけば、当時の日本は、こうした第二次世界大戦の当事者・当事国たちの動きをほとんど正確に把握することができないまま(把握しようともしないまま)、ドイツの進撃だけをまぶしく見て、ご都合主義的にドイツと同盟関係を結んでいくのです。「秋丸機関」のせっかくの報告も、結局は当時の政府を握る者たちにとっては馬耳東風に終わったということです。大日本帝国の自滅は必然的結果だったというべきであり、今日に至っても、かような大日本帝国に郷愁を感じたり、復活を願ったりしている連中は、みな底抜けのアホウということになります。
・・・・・・・・・
しかし、いずれにせよ興味深いサイトでしたし、研究された慶応大学の牧野邦昭教授には感謝申し上げたいと思います。また今後も、もう少し、この「秋丸機関」とそのメンバーに関する研究の成果を追いかけて、大日本帝国の滅亡への道筋を史実に沿ってしっかりと把握しておきたいと考えています(1930年頃からの海軍内部の動きも知りたいところ)。詳しい方には是非、ご教授をお願い申し上げます。
3.内田樹氏の(日本国)憲法論
以下、簡単にご紹介いたします。同氏の立論は鋭いな、と思う反面、いやしかし、実際には戦後の日本人は経済成長とともに堕落し、戦争の悲劇を忘却し、過去や親の世代の経験や教訓を軽視し、そもそも歴史を学ばず、歴史にも学ばずで、今日に至っている、そして、21世紀に入ってからは、支離滅裂の政治家を「選択」して、天にツバするようなことをし続け、政治主導で自滅へと一目散に突撃している、・・・私にはそのように見えるのです。確かに内田樹氏がおっしゃるような良心的で良識的で善意の戦前・戦中派の方々はいらっしゃったでしょう。私の子どもの頃で言えば、学校の先生に多かったように思います。しかし、そうした方々も多くはこの世を去り、あとには出来損ないのドラ息子・ドラ娘が残されてしまったように思えます。その意味では、現状に関する認識は、私と内田樹氏とで大差はないのかもしれません。
◆戦後民主主義に僕から一票-内田樹/著(SB新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034270857&Action_id=121&Sza_id=C0
(下記はこの著書からの抜粋です。この新書はぜひ原本をご熟読ください。非常に興味深い内容です:田中一郎)
(関連)内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/
(1)憲法の話:「平和の継続」と「自衛力の向上」を同時に達成するためには(内田樹『戦後民主主義に僕から一票』SB新書)
https://drive.google.com/file/d/1V-GHkMH6JHYpz29gf5RdbvzBX45XpY7J/view?usp=sharing
(2)憲法制定過程における戦中派の善意ある沈黙(内田樹『戦後民主主義に僕から一票』SB新書)
https://drive.google.com/file/d/1t58sV6gQFW52Tf4WSTcpkbvVPTfKGasu/view?usp=sharing
(3)憲法制定過程を明らかにすることを怠った「不作為」(内田樹『戦後民主主義に僕から一票』SB新書)
https://drive.google.com/file/d/1Z1RpvpFP7o65KufKlZjRcoA8GiMYzc5N/view?usp=sharing
(4)修正困難な「ねじれ」を呼び込んだ「戦中派の沈黙」(内田樹『戦後民主主義に僕から一票』SB新書)
https://drive.google.com/file/d/13pSL-g_FFFNf_WS9hmVesz1SPj396Wk2/view?usp=sharing
(5)法治から人治へ(内田樹『戦後民主主義に僕から一票』SB新書)
https://drive.google.com/file/d/1h-2SgMtn_Riwg5VG-sQsO4DI2ejHKdQm/view?usp=sharing
(下記は戦争中に日本軍が中国大陸で何をしたのかを語る人がいることの実例です)
◆図書出版 風媒社 - 日本軍兵士・近藤一忘れえぬ戦争を生きる(青木茂)
http://www.fubaisha.com/search.cgi?mode=close_up&isbn=0532-2
(メール転送です)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
元日本軍兵士・近藤一さんの想い(青木茂さん著)
めでたい正月の話題としてはあまりふさわしくないかもしれない話で恐縮ですが、元日本軍兵士の近藤一(はじめ)さんが2021年5月4日に逝去されました。享年101歳の大往生でした。
近藤さんは、1940年12月に20歳で徴兵されると直ぐに中国に派兵され、3年8カ月にわたり主に華北の山西省で中国人民に対し暴虐の限りを尽くしました。そのあと、1944年8月に所属部隊と共に沖縄に転戦した近藤さんは、強大なアメリカ軍と戦う最前線で理不尽な戦闘を強いられ、戦友のほとんどを殺されました。
このような経歴を持つ近藤さんは、1980年代の初めから2010年代の中頃まで、中国侵略と沖縄戦の無慈悲で残忍な実相を語り続けました。その近藤さんと近藤証言の掛け替えのなさを三つの観点から確認しておこうと思います。
その一つ目は、一般論(他人事)としての加害を「証言」するのではなく、自身と自身の所属部隊が中国で実際に行なった加害・悪行を証言し続けたことです。二つ目は、自身の所属部隊が行なった(日本軍)性暴力と自身の強姦体験や慰安所通いも証言していることです。加害一般を証言する元兵士ですら極めて少数ですが、その中で日本軍性暴力を証言する人は更に少ない希有な存在なのです。
三つ目は、天皇を頂点とする「指導者」の侵略・加害責任を明確に指摘し断罪していることです。それで、歴史改竄主義者らからの執拗な攻撃にさらされる日本では、侵略戦争における加害・悪行を証言することは相当に難しく、天皇の侵略責任・戦争責任を指摘・断罪する人は命すら危うくなるという実情を理解しておいてほしいと思います。
そして、そんな近藤さんの原点であり終生想い続けたのは、「この国を二度と戦争への道へ加担させてはならぬ」ということです。近藤さんのこの想いをしっかりと受け継いでいきたいと思います。なお、近藤一さんについて詳しく知りたい方は、拙著『日本軍兵士・近藤一 忘れえぬ戦争を生きる』(風媒社)を参照していただければと思います。
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4.「日米(英)開戦から80年」を期して
(1)新・ドキュメント太平洋戦争 「1941 第1回 開戦(前編)(後編)」 - NHKスペシャル - NHK
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/8RWXKRQX8W/
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/9VZRMKKM56/
(関連)NHKスペシャル 新・ドキュメント太平洋戦争「1941 第1回 開戦(前編)(後編)」_0310_202112042100 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x862sf6
https://www.dailymotion.com/video/x863q5d
(2)NNNドキュメント「ふれてください、戦争に 伝えてください、未来に」_0510_202112130055 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x869iil
(3)Vancouver Shinpo - アジア太平洋戦争終結70周年 バンクーバー実行委員会主催 琉球大学名誉教授・高嶋伸欣氏講演会
http://v-shinpo.com/special/1794-2014-01-24-20-14-54-36425864
◆(メール転送です)おっしゃる通り、危険な動きになっています(田中一郎)
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おっしゃる通り、危険な動きになってきています。戦後の日本の繁栄を曲がりなりにも支えてきた日本国憲法に、政治的に見て典型的なドアホどもが手を付けて壊そうとしています。
国民主権、基本的人権の尊重、徹底平和主義、
これを柱とする現在の憲法を、大日本帝国憲法以下の国民支配指図のゲロゲロ告知書に切り替えて、日本国民を自分たちの下僕にせんとするヤカラが台頭してきています。安部晋三を筆頭に、です。自民党2012年憲法改悪草案など、まるで頭がイカレています。
私が危ないな、と思っているのは、こういうドアホ政治家というのはいつの時代にもいるものですが、この動きを有権者・国民が断固として止める・退ける姿勢を持たず、また、そのいい加減でたるんだ有権者・国民の姿勢を代弁するかのように、公明、維新(日本維新&大阪維新)、国民民主党、そして昨今では泉健太代表の立憲民主党までもが、この危険な流れにずるずると引きずられていることです。
いつか来た「自滅への道」を、平和ボケした多数の有権者・国民が歩み始めている、そういう感じが強くするということです。しかし「それでもバカとは戦え!」です。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/3524
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5.「2022年2月22日22時22分22秒に不戦の宣言を」戦争体験した“長老”著名人が東アジアの首脳に呼び掛け:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/60495
草々
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