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2021年12月25日 (土)

(報告)(12.23)オルタナティブな日本をめざして(第69回):「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」(村田弘さん:新ちょぼゼミ)

前略,田中一郎です。


去る2021年12月23日(木)、水道橋のたんぽぽ舎において「オルタナティブな日本をめざして(第69回):「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」(村田弘さん:新ちょぼゼミ)」を開催いたしました。以下、当日のレジメや録画を添付して簡単にご報告申し上げます。

(イベント情報)(チラシ)(12.23)「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」(村田弘さん:新ちょぼゼミ)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-fc0fc0.html


 福島原発事故から早10年半近くが経過しました。事故の惨状は今でも生々しく残り、原発から放出された膨大な量の放射能による健康被害を回避すべく、多くの被害者が避難を余儀なくされたままです。しかし加害者の東電や国は、マスコミの前では口先で「心よりお詫び申し上げます」などと耳障りのいいことを言いますが、さて損害賠償など、自分達が引き起こした原発事故の償いや補償、原状回復の話になると、それこそ本音を露わにして拒否の姿勢・逃げの態度を改めようとはいたしません。そのことは福島原発事故をめぐる多くの裁判での被告=東電や国の証言から明らかになっています。彼らは全くと言っていいほど原発事故への真摯な反省などしておらず、従ってまた、原発・核燃サイクルの推進を再び始めようとしているのです。今回は福島原発事故かながわ訴訟の原告団長の村田弘さんにおいでいただき、「原発賠償集団訴訟の到達点と課題」のお話をしていただきます。南相馬市にお住まいだった村田さんはご自身が被害者ですが、ご自身の裁判のみならず、日々全国の同様の原発事故損害賠償訴訟にも連帯・応援の趣旨で参加され、数多くの裁判をご覧になっておられます。みなさまも是非、村田さんのお話を聞きに来て下さい(この日は最初の1時間で主催者側からプレゼンを行います)。

 

講師:村田 弘さん(むらた ひろむ)さん 

1942年横須賀市生まれ。福島原発かながわ訴訟原告団団長。元朝日新聞社社員。定年退職後に南相馬市小高区に移住。原発事故後横浜に避難。原発被告者団体連絡会(ひだんれん)幹事、原発被害者訴訟原告団全国連絡会共同代表、避難の協同センター世話人も務めている

 

◆(当日録画)20211223 UPLAN 村田弘「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=RCqmcb4Gbrc

 https://www.youtube.com/watch?v=RCqmcb4Gbrc

 

◆(当日レジメ)(レジメ)「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」(村田弘さん 2021年12月23日)

 https://drive.google.com/file/d/1n4jURW2UhNJMpxnJ8_9PggcL-AvNtkY6/view?usp=sharing

 https://drive.google.com/file/d/1n4jURW2UhNJMpxnJ8_9PggcL-AvNtkY6/view?usp=sharing

 

(レジメの修正箇所)

(1)資料:<地裁審理係属中>㉜福島訴訟 ⇒ 福島地裁

(2)資料:避難指示区域外(自主的避難対象区域)

    大人1人    8万円 12万円   70万円(えひめ訴訟・高松高裁)

    子ども・妊婦 40万円 60万円   146万円(えひめ訴訟・高松高裁)

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<資料❼>東電・国の開き直り

 

【東電の「新・弁済の抗弁」】(かながわ訴訟準備書面(15)から) 

◆1審原告らの多くは、比較的早い時期に、東電の賠償金を活用して住居を確保するなどして避難を終了し、平穏な生活を再建するに至っている。「避難生活」に伴う精神的な損害は、避難終了によって、以後は発生しない。

◆「避難終了時期」は、本人や同居家族が移住先住居(仮設住宅以外、賃貸も含む)を取得した時点、進学、就職・転勤、婚姻等により転居した時点。(避難指示区域からの)24世帯が平成29(2017)年末までには終了している。

◆避難を終了して平穏な生活を回復した原告らには、自主賠償基準が示す慰謝料全額に相当する精神的損害は生じていない。

◆東電は平穏な生活の回復時期等の個別事情を一切捨象して、一律に賠償を支払っている。避難の終了時期をはじめとする個別事情を踏まえれば、裁判実務で認められるべき慰謝料額の水準を超えた過大な賠償となる。

◆裁判外での賠償金を受領しながらその上積みを求めて訴訟が提起された場合は、財産的な損害賠償が別途なされている状況も踏まえ、各人の個別事情に基づいて審理、判断されなければならない。

◆精神的な損害と財産的な損害は1個の賠償請求権を構成するものであり、裁判外での総支払額を超えて未払いの損害の存在を認めることができないことを今後明らかにする。

                   

【千葉勝美元最高裁判事意見書】(浜通り避難者訴訟上告審 2020年7月22日提出)

(東電賠償の)対象となる被害者166万人のうち、訴訟提起に至った者はわずかに1万3千人(0.8%)に過ぎず、全体でみると100%に近い人達が国の中間指針と東電の自主賠償基準による処理に納得している。賠償の基準と支払い内容が被害者から圧倒的に支持された結果であり、大成功を収めたというべきである。「この司法救済のスキームは、将来的に本件原発事のごとき大規模な事故や災害が発生した暁には、真っ先に採用が検討されるべき貴重な司法救済の遺産とも言うべきものである。

 

このような状況の下で、裁判所が中間指針等及び自主賠償基準の指針・基準の正当性を否定する判断を示すことになれば、裁判外における自主的な紛争解決を成立させた多くの人たちの不公平感が醸成されて紛争が再燃し、追加の損害賠償請求の訴訟の大量提起がされることが予想され、そこで再び追加賠償額の適否が白紙から争われることになりかねない。そうなれば、大量の賠償請求を迅速、公平、適正に処理できたこの司法救済スキーム事態が否定されて、文字通り、すべてが最初からやり直しになるという異常事態を生じさせることになる。

 

【国の第8準備書面】(群馬訴訟控訴審 2019年9月11日提出)

自主避難等対象区城からの避難者について、特別の事情を留保することなく、平成24年1月以降について避難継続の相当性を認めることは、自主的避難等対象区域での居住を継続した大多数の住民の存在という事実に照らして不当である上に、自主的避難等対象区域は、本件事故後の年間積算線量が20ミリシーベルトを超えない区域であり、そのような低線量被ばくは放射線による健康被害が懸念されるレベルのものではないにもかかわらず、居住に適さない危険な区域というに等しく、自主的避難等対象区域に居住する住民の心情を害し、ひいては我が国の国土に対する不当な評価となるものであって、容認できない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

◆(別添PDFファイル)被害者の人権、「紙風船」でいいのか(村田弘『人権センターニュース NO.337』)

 https://drive.google.com/file/d/1-hbBVtr2WSfai9OICglbH7rLwgcfLyD9/view?usp=sharing

 

 

 <別添PDFファイル>

(1)福島原発かながわ訴訟 村田弘さんの陳述(2021.5.14)

 https://tinyurl.com/mrnv9ayc

(2)福島原発訴訟 かながわ原告団だより 第46号(2021.8.6)

 https://bit.ly/3FuxGhJ

(3)福島原発訴訟かながわ原告団だより 第47号(2021.11.11)

 https://drive.google.com/file/d/1HrrCzP2wE8W5PB9ZmVjFW0E8qgVOVzAu/view?usp=sharing

(4)原発賠償請求 時効の壁、被害者救済 断たれる恐れ(東京 2021.3.12)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/90911

 

 <関連サイト>

(1)福島原発かながわ訴訟を支援する会

 https://sites.google.com/site/fukukanaweb/home

(2)ふくかな(福島原発かながわ訴訟支援の会) - ホーム - Facebook

 https://www.facebook.com/fukukana311/

(3)福島原発被害者支援かながわ弁護団

 http://kanagawagenpatsu.bengodan.jp/

(4)福島原発かながわ訴訟原告団ホームページ - 110311fkg ページ!

 https://110311fkg.jimdofree.com/

(5)<東日本大震災から10年 つながるつなげる>「私たちにとって節目ではない」原発訴訟原告団長ら会見:東京新聞 TOKYO Web

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/90572

(6)一歩前進、だが真の闘いはこれから(福島原発かながわ訴訟判決@横浜地裁) - 神奈川労災職業病センター

 https://koshc.org/archives/868

(7)10年経ても被害続く-福島原発かながわ訴訟 第2陣が提訴

 https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-09-04/2021090414_01_0.html

(8)時がたち、避難者は追い込まれる 復興政策と実態にギャップ|【西日本新聞me】

 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590893/

 

(参考)オルタナティブな日本を目指して(新ちょぼゼミ バックナンバー)- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-cddae1.html

草々

 

 

 

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