(報告)シンポジウム「そもそも命はだれのもの?」(天笠啓祐、島薗進、アーサービナード)& (悪質言論妨害)福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで!顧問会議は『明日のハナコ』の排除を撤回してください。 ·
前略,田中一郎です。
(最初に若干のことです)
================================
1.(予約必要)(12.4)オルタナティブな日本をめざして(第68回):「UNSCEAR報告書を覆した未公表データと初期被曝:小児甲状腺がんをめぐって何が起きているか」(白石草さん)(2021年12月4日)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-3bf834.html
(関連)OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(関連)ご寄付のお願い - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/donation/
(福島原発事故と放射能汚染・被ばくを徹底して追いかけている貴重な独立系ジャーナリズムです。経営が容易ではありません。みなさまの浄財によるご支援をお願い申し上げます:OUR PLANET TVさんとは何の関係もない田中一郎からのお願いです)
2.イベント情報
(1)_東京外環道訴訟_(お知らせ_傍聴を)第13回口頭弁論11月24日(水)15時
- 東京外環道訴訟第13回口頭弁論
11月24日(水)15時~(傍聴券抽選14時40分)
東京地方裁判所1階103号法廷(※傍聴50席)
(地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口)
傍聴お願いします。傍聴券抽選14時40分。
裁判を傍聴される方は、14時30分頃(まで)にお越しください。
■ 東京外環道訴訟は、2017年12月に外環道事業の無効確認・取消を求めて提訴。昨年10月の陥没事故で新しい段階、重要な局面になっています。今回の弁論においては、2020年10月に調布市東つつじヶ丘の東京外環道トンネル工事により生じた「地表の陥没」や「地中の空洞」の原因となった「地盤の緩み」によって、同地域の地盤は「大深度地下」とは言えなくなりました。
本件大深度地下使用認可は、その前提が消滅したので、大深度法29条により取り消されるべきです。今回の法廷では、そのことを「大深度地下」の定義法2条)から明らかにします。なお、昨年12月25日に提訴した事業施行期間延伸取消訴訟(差止訴訟から変更)(第2事件と呼ぶ)の第4回口頭弁論は同じ期日に設定され、併合して審理されます。
◆ 裁判終了後(16時15分頃~) 報告集会
参議院議員会館(1階) 101会議室
(16:00頃~1階ロビーで入館証配布します)
丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」1番出口より徒歩7分
弁護団から解説がされます。
(関連)(別添PDFファイル)東京外環道訴訟を支える会ニュース NO.13(2021年11月5日)
(2)【第11回核ごみに関する政府との会合】開催のお知らせ
【第11回核ごみに関する政府との会合】
日時:12月13日 14:00~
場所:衆議院第二議員会館 第二会議室
主催:核ごみ問題研究会・福島みずほ事務所
(関連)原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会(室蘭)- JESCO
https://hairokinzokuwatchers.blogspot.com/search/label/JESCO
(関連)becquerelfree’s blog
https://becquerelfree.hatenadiary.jp/
(関連)核ゴミ問題研究会 - Facebook
https://www.facebook.com/groups/208165279392934/
3.大石あきこ当確ドキュメント/ボランティアたちの長い夜 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XF2EEDUkm-A
(大石あきこ氏(「れいわ新選組」)は、自称「石ころ」、他称「「維新」(日本維新・大阪維新)撃滅最終兵器」とのことらしいです。ご当選おめでとう。喜びを共有します。頑張ってください。これまでの大石さんの「すさまじい経験・人生」が、これからの大石さんの「闘う武器」であり、迷った時の「先生」となるでしょう。:ところで昨今、ユーチューブ動画の最初に劣悪な「歴史歪曲解説」と思わしき動画が登場しているようですので、お気を付けください。こんなものはすっ飛ばしましょう。:田中一郎)
4.福島原発事故を忘れるな=今度起きたら日本は終わるぞ!
「のど元過ぎれば熱さ忘れる」の典型的な愚民現象が「福島原発事故の忘却」です。福島原発事故は終わってないんです。福島第一原発の廃炉などとても無理な話です。放射能汚染は今もほとんどかわりません。危険なままです。ホットパーティクルによる呼吸被ばくなどが新たな懸念として浮上しています。汚染水の海洋放出などもってのほかです。「安全安心キャンペーン」に騙されてはいけないのです。
(関連)放射線被曝の理解のために(田中一郎 2021年11月13日)
(関連)(報告)(11.13)放射線被曝の基本的な解説(第1回目):科学的実証性のない国際放射線防護委員会(ICRP)の「学説」という「つくり話」と3つの勧告の正体(新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-996821.html
(1)3.11の悲劇は風化に向かっているのか? -原発容認ムード-が高まっている(古賀茂明:週プレNEWS) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/b63840397d1a5a30ac094543c8905f5752b2d1f8
(2)鳥取県米子市 住民投票にむけた署名活動はじまる:島根原発(中海テレビ放送)Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b00cbaf91cad455b5ba558275c8d912e6cf4260
(3)南海トラフ巨大地震編 全体版(17分26秒):内閣府共通ストリーミングシステム
http://wwwc.cao.go.jp/lib_012/nankai_all.html
(南海トラフ巨大地震が間もなく来ます。少なくとも、浜岡原発と伊方原発は廃炉にし、使用済み核燃料プールは標高の高いところに移動して、早期に乾式貯蔵に切り替えていくべきです。地震列島日本で原発をまだ続けるなどと言っている連中は、一人残らず文字通りの「亡国奴」です。:田中一郎)
5.岸田文雄総理よ、お前もか!
(1)噴飯10万円給付 岸田首相のオツムはアベノマスクと同程度(『日刊ゲンダイ2021.11.11』)障害福祉&政治・社会・平和問題ニュースサイト
https://gogotamu2019.blog.fc2.com/blog-entry-29384.html
(2)【岸田文雄】岸田首相の官邸会見は「ゼロ回答」ばかり…安倍・菅時代と何も変わらない|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297511
(3)自民が維新にスリ寄る狙いと落し穴…「岸田・菅会談」異例のもてなしで協力要請か(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c22087b138f88782c17aa72725bb3bb1bf4bea0
(4)【岸田政権】横田めぐみさん拉致から44年…岸田首相「拉致問題は最重要課題」で問われる本気度|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297416
(5)【岸田政権】岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/297284
(6)【岸田政権】東京で第6波の兆候が…岸田首相「コロナ対策最優先」は看板倒れ、PCR検査拡充“条件付き”に後退|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297415
◆日刊IWJガイド・日曜版「岸田内閣は財政支出55.7兆円でGDP5.6%の押し上げ効果! しかし2019年の消費増税以降、実質GDPは23兆1274億円減!」2021.11.21号~No.3356号 - What's New お知らせ(⇒ 重要ニュースが満載です:田中一郎)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49809
================================
今日は2つのテーマでお送りいたします。
1.20211024 UPLAN 天笠啓祐、島薗進、アーサー・ビナード 「そもそも命はだれのもの?」.mp4 on Vimeo
(ユーチューブによる言論妨害を避けて、UPLAN(三輪さん)が新たに掲示場所を探してアップした録画です。インターネット上での巨大プラットフォーマー企業による言論妨害や世論誘導などが目に余る状態になってきています。みなさまも万全のリテラシーでネットサイトをご覧ください。ビデオ開始後の2時間13分のところで私からそれぞれのパネラーさんに質問をしています(合計3つ)。画面下の細長い時間経過ラインで、2時間13分のところにカーソルを持って行ってクリックすると、その部分だけ見ることができます。ご参考になれば幸いです。:田中一郎)
(関連)(別添PDFファイル)(レジメ)「そもそも命はだれのもの?」(天笠啓祐 2021.10.24)
(関連)(1.30)オンラインイベント:研究・利用のために「人の生命を作る」ことの倫理
https://reikochangeno.exblog.jp/28944998/
(関連)ホーム - ゲノム問題検討会議
<「いちろうちゃんのブログ」より>
◆東京新聞「こちら特報部」記事に見る「陰謀論」批判報道の乱暴と職務放棄:報道機関は一般市民の「疑義申し立て」を攻撃するのではなく、支配権力側の説明責任全く不十分を徹底して追及せよ- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-4c3b54.html
(1)(重要)クロモスリプシス=クリスパー・キャス9によるゲノム編集技術で「染色体破壊と、その断片のランダム再結合」という新たな「壊滅的」危険性が『Nature Genetics 』で伝えられた(安田節子『いのちの講座』より)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-dc5fa7.html
(2)安全審査なし、環境影響審査なし、表示なしの「ステルス型遺伝子いじくり回し(ゲノム編集)食品」が食卓にやってくる:遺伝子操作されたGABAトマトとマッチョ鯛、こんなフランケンシュタイン食品、食べたいですか? コレ、アメリカの言うなりです- いちろうちゃ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-614606.html
(3)(報告)「食卓の危機:みどりの食料システム戦略とゲノム編集」(安田節子さん 2021年9月3日:たんぽぽ舎)=アメリカのために遺伝子操作食品の輸入を促進し、日本農業をつぶすための「売国奴」戦略- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-f4d42f.html
(4)(想像してみてください)遺伝子(ゲノム)と遺伝子スイッチ(エピジェネティクス:エピゲノム)=ここに、恒常的な放射能・被ばくや、多種多様大量な化学物質が紛れ込んで来たらどうなると思いますか?- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-4d2f76.html
(遺伝子操作は人類や生物を滅亡させかねない危険な技術です。クリスパー・キャス9を使う当事者たちにも、それを規制・管理監督すべき行政や政治の側にも、更には、これを報道するマスごみにも、その危機意識が欠如しています。このままでは危ないのです。遺伝子操作・ゲノム編集「無政府主義」をやめて、ゲノム編集技術や遺伝子操作に対して、きちんとした法規制を入れていく必要があります。遺伝子汚染という環境汚染が広がってしまったら取り返しがつきません。生物は放射性物質とは違い増殖します。特に微生物は危険です。それからついでに申し上げますと、「新型コロナ」ワクチンは遺伝子操作技術が使われている危険な代物です。子宮頸がんワクチンもそうです。そして効果など疑わしき事甚だしいです(ウィルスの方が変異しますから効かないのです)ワクチンなんぞに近づくのはやめておきましょう。特に子どもや孫たち、若い世代には有害無益であり、全く必要ありません。:田中一郎)
(関連)新型コロナ関連情報のご紹介(7):「岡田正彦 新潟大学名誉教授,コロナ,ワクチン,危険, エビデンス, スパイク, トゲトゲ, ADE」拡充改訂版- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-a9ab99.html
(関連)もうワクチンはやめなさい 予防接種を打つ前に知っておきたい33の真実:母里啓子 双葉社 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033682386&Action_id=121&Sza_id=F3
*母里啓子さんの遺志を継ぐ、数え切れないほどの小さな芽-三宅洋平 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/miyake-yohei/entry-12706389275.html
(大切な方ほど、早く亡くなってしまいます。神が我々に与えた「試練」なのかもしれません。残念です。:田中一郎)
2.キャンペーン · 福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで!顧問会議は『明日のハナコ』の排除を撤回してください。 · Change.org
<田中一郎コメント>
ことは「原発銀座」の福井県で起きた事件です。「原発銀座」を問題にする演劇が被害を受けています。学校の生徒たちに対して、こんな露骨な捻じ曲げられたデマ理由によって、政治的に言論・表現妨害がなされるなんて、信じがたいことです。今の教育現場はいったいどうなっているのでしょうか。似非右翼の「歴史歪曲主義」や「政治的ご都合主義」が教育委員会や学校に蔓延し、子どもたちへ「ヘドロのような教育」「皇民化教育」「感化政策」が取られて久しいですが、今度は生徒たち自身の言論や表現が教育の名のもとに妨害され捻じ曲げられていくのでしょうか。この国は戦前の大日本帝国時代に戻ろうとしているのかもしれません。かような悪質な権限乱用は断固として許すべきではありません。大人の責任です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
発信者:福井の高校演劇から表現の自由を失わせないための『明日のハナコ』上演実行委員会 宛先:福井県 高等学校演劇部顧問会議
――「ハナコ」にもう一度会いたい!――
「ハナコ」というのは、『明日のハナコ』という劇の主人公の名前です。
この劇は今年9月の福井県高校演劇祭で、福井農林高校演劇部によって上演されましたが、その後、映像を残すことも、脚本を読むことも禁止され、マボロシの舞台にされてしまいました。いったいなぜ、『ハナコ』は禁止されたのでしょうか。
- 『明日のハナコ』あらすじ●
舞台はある高校。「ハナコ」たちは今度上演する劇の稽古をしている。その劇は、1948年の福井震災から始まって現在までの歴史をたどるものだった。学校のこと、仕事のこと、戦争のこと、原発のこと、未来のこと・・・ 彼女たちはさまざまなことを考え、そして成長していく。
*
このたび、福井農林高校演劇部の上演にかかわる顧問会議の一連の動きを、重大な表現への抑圧だと考える有志が、実行委員会を立ち上げ、上演にむけて活動を始めることにしました。実行委員会の求めることは、以下の通りです。
・10月8日の顧問会議で行われた決定3項目を撤回すること。(ケーブルテレビでの放映の禁止/記録映像閲覧の禁止/脚本集の回収)
・福井農林高校演劇部員たちへ誠実な謝罪をすること。
・今後演劇表現の内容をもとにあらゆる不利益な扱いをしないこと。
・表現の内容に理不尽な介入をしないこと。
・人権侵害を行ったことへの真摯な反省を表明すること。
【ことの経緯】
2021年9月18日~20日、例年どおり県の高校演劇祭(演劇部の県大会)が県民ホールで開かれ、福井農林高校演劇部は「明日のハナコ」という劇を上演しました。創作作品です。この世界はいったいどうなるのだろう、自分たちはどうなるのだろう、と不安と闘う少女の成長の物語です。原発の問題、生きる上で大切な誠実の問題、などが盛り込まれていました。
新型コロナウィルスが猛威を振るっていた時期だったので、今年は無観客での上演になりました。見る人がいないのでは劇とは言えません。しかし、例年、演劇祭の劇は「福井ケーブルテレビ」が録画・放映してくれることになっていたので、部員たちは救われる思いだったのです。
*
ところが、9月20日、その福井ケーブルテレビより、福井県高等学校演劇連盟に対して連絡がありました。「福井農林高校の劇の放映について、社内で審議にかかるかもしれないので連盟としての意見を求めたい」「個人を特定する点、原発という繊細な問題の扱い方、差別用語の使用などについて懸念している」とのこと。
そこでその日に行われた顧問会議の結論は、「ケーブルテレビ局内の意向を尊重する」。つまりケーブルテレビ側が放送しないと決定したならばそれに従う、というものです。その理由としては、
1 この劇には、反原発・個人名・差別用語が含まれている。放送後、それらを取り上げられて、生徒や福井農林高校に非難が寄せられることを憂慮する。学校は教育的に生徒を守らなければならないから。
2 福井農林高校の劇は、表現方法はともかく、上演に問題はないと思う。ただ、不特定多数の人目に触れる放送はいかがなものかと思う。
3 高文連は原電からの支援を受けている。また、ケーブルテレビも原電と関係のある企業がスポンサーになっているかもしれない。これからもケーブルテレビと良好な関係を保ちたい。放映すると影響がでる。
「1」について、まず差別用語は、劇を見てもらえばわかりますが、差別意識を持った取り上げ方はしていません。個人名についても、図書館にある書籍をそのまま引用したものです。反原発については、たとえば「原発からの支援を受けている」という意見には、こう反論したいのです。補助金は、活動の思想的方向や表現内容についてなんら干渉するものではないし、これまでも干渉した例はないはずです。そういう性質の支援であるからこそ、公的な組織が(高文連は県の組織です)は公明正大に受け取ることができるのです。もしも干渉があって、内容を規制しなければならないようなものであれば、それも意見の一方を否定するようなものであれば、そのような助成を受け取っている県が裁かれる事態になってしまうし、即刻県はその助成を返上すべきだというのが、行政上の通念だと思われます。したがって、「3」の理由がまかりとおれば、これ以降、福井では原子力発電の危険性を訴えるような劇を作れないことになります。表現してはいけない分野を生んでしまうことになります。また、原発に関係する内容次第では社内で審議にかかるなどと、排除する可能性も示すのがケーブルテレビなら、むしろ結果的に表現の自由を制約することになるそうしたケーブルテレビの姿勢こそ、問われるべきです。そう主張して生徒を守るのが教員の仕事じゃないでしょうか。
*
その後、福井農林高校演劇部生徒たちの反応を聞き取ったのちに、10月8日に再度、顧問会議が開かれ、あらためて次の三項目が、決定されました。採決もなく、でした。
・福井農林高校の劇だけはケーブルテレビでは放映しない。
・DVDはつくらず、記録映像を閲覧させない。
・脚本集はすべて回収する。
*
会議ではスクールロイヤー(顧問弁護士)の意見として次のような見解が述べられました。
・劇中における反原発の主張は、表現の自由が保障されるので問題ではない。
・人権尊重の立場から、表現の自由は制限されることがある。
・劇中使用された「かたわ」という差別用語は、使用するだけで駄目である。
顧問会議で具体的にどのような討論があったのか、議事録が公開されないのでわかりませんが、最後の「差別用語は使用するだけで駄目」という理由が会議の流れを強く決定したとのことでした。
*
この問題について、県内の別の弁護士に尋ねたところ、以下のように教えてくださいました。
・その単語を使用したからすなわち違法であるという判断は、法律家としてあり得ない。そのような見解を述べる法律家はいない。まして、スクールロイヤーは良識ある人物が選ばれているのでそのような判断をしたとは考えられない。
・問題となる差別用語だが、もし、この劇が前敦賀市長と同じ立場に立って障碍者を差別したのであれば問題だが、反原発の立場から批判的にこの言葉を述べている以上、そこに差別意識はなく、よって問題ではない。
・前敦賀市長は公人であるから、特定の個人を非難したという批判も当たらない。当然、遺族からの名誉棄損などということも起こりえない。
・もし万が一クレームがあったら、と考えるのは怖れすぎである。その単語だけを切り取って何者かがクレームをしてくるということはおよそ考えにくい。
つまり、この差別用語の問題は、放映の禁止や脚本の回収をする根拠にはなりえないということです。上演した生徒たちは、「いわれなき批判がくるかもしれない」と聞かされて、不安な面持ちになりました。けれども、そのあと、それでも放映してほしいと言いました。悔しい、と泣いていました。自分たちが稽古してきた劇が放送してもらえないのは悔しいと。
私たち実行委員会は、どうしても、その泣いた生徒のことを考えると何かしないではいられないという気持ちになります。生徒たちは、自分たちの劇がテレビ放映にふさわしくないと思われたことに傷ついています。生徒たちは、信じてもらえなかったということに傷ついています。稽古しながら、原発の問題や社会の問題について、自分たちでも調べました。「こういうことは今まで考えたこともなかった」という部員もいました。それでいろいろ考えるようになった。それこそ「学習」というのではないでしょうか。
世界に類のない原発集中立地のこの県で、こうした表現の抑圧がまかりとおるようになれば、日本中の表現者にとって、重大な抑圧への一歩です。表現の自由は、基本的人権の最重要な一つです。生徒たちの表現への悪罵とも言える三項目の決定は、あらゆる人の基本的人権に対する敵対宣言と言えます。
今これを看過したら、今後も権力者や学校当局などにとって不都合な表現は演劇部活動では抑圧・排除されることになるでしょう。すでにそういう動きが、他の学校の劇に対しても圧力としてなされています。これはとても危険な動きです。私たちは、歴史に汚名を残しかねないこの愚行を撤回させたいと思います。心ある市民の皆さんの署名の力で、撤回させたいと思います。ご協力お願いします。
また、「明日のハナコ」を県内演劇部員、演劇部顧問教員、一般市民の方々に実際に鑑賞していただけるような企画も考えています。劇を実際に上演し、その後、差別用語の成り立ちなどについて、あるいは原発の問題について、みんなで考える催しです。書籍を執筆されている著述家・専門家の方にもご登壇いただけるよう、調整中です。
日本劇作家協会の言論表現委員である劇作家鈴江俊郎氏(愛媛県在住・元桐朋学園芸術短期大学演劇専攻教授)も、これは単に高校演劇にとっての問題であるだけでなく、表現の権利が大きく歪められた、世界にとっての人権問題なのだと考え、実行委員会に参加されました。起こった事件をありのままに知っていただいて、あるべき姿とはどういうものなのか、皆さんとともに考え始めるための企画です。是非ご参加ください。
*
ハナコ ほら、たくさん家やらビルやらあるだろ。こっからだとちっちゃなオモチャみたいに見える。あの中にはたくさん人間がつまってんだ。ちっちゃなオモチャみたいな人間が。ご飯作って、洗濯して、掃除して、働いて。
あの中にオレの親父がつとめていた会社があった。建設系の会社でさ、親父はそこの係長だった。
ある時、会社は新しく道路を造る仕事を請け負った。何十億ってお金が動く、でっかい仕事だ。
うまくいけば会社は大もうけできる。社員もたくさん給料がもらえる。
でも、その道路は自然保護区のすぐそばを通ることになってた。
それでどうやってもその道路は環境破壊になってしまうことがわかったんだ。
なんとかっていう絶滅危惧種の鳥がそのへんに生息してたらしい。
親父はそれを上に報告した。そしてもちろん、握りつぶされた。
そりゃそうだ。何たって何十億だからな。
会社の中で、親父に味方するヤツは一人もいなかった。でも親父はバカだった。
そのレポートを新聞社に持ち込んだ。自然保護団体に持ち込んだ。ネットにアップした。
大騒ぎになった。道路の計画は中止になった。何とかって鳥は助かった。
そして親父は会社をクビになった。
親父はバカだと思う。大馬鹿だと思う。
学校の中でこんだけイジメが起きてるんだぜ。
そんでみんなその学校を出てるんだ。
だから会社にイジメがあるのは当たり前だ。
だからこの世界にイジメがあるのは当たり前だ。
だから、オレはときどき、この全部を踏みつぶしたくなるんだ。
(福井農林高校演劇部「明日のハナコ」上演台本より)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
草々
« (報告)(11.13)オルタナティブな日本をめざして(第67回):「デジタル政策の陥穽と、その危険性:自治・民主主義の観点から」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ) | トップページ | 「世直し」勢力=「市民と野党の共闘」は体制を立て直せるか(その1):2021衆院選結果分析と、その総括=総大将の枝野幸男立民執行部があまりにひどすぎたことが大敗北の原因だ »
« (報告)(11.13)オルタナティブな日本をめざして(第67回):「デジタル政策の陥穽と、その危険性:自治・民主主義の観点から」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ) | トップページ | 「世直し」勢力=「市民と野党の共闘」は体制を立て直せるか(その1):2021衆院選結果分析と、その総括=総大将の枝野幸男立民執行部があまりにひどすぎたことが大敗北の原因だ »
コメント