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2021年11月22日 (月)

「世直し」勢力=「市民と野党の共闘」は体制を立て直せるか(その1):2021衆院選結果分析と、その総括=総大将の枝野幸男立民執行部があまりにひどすぎたことが大敗北の原因だ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 

(最初に若干のことです)

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1.(お詫び)メールの一部訂正です

 先般お送りした私のメール「2つの日刊ゲンダイ記事:(1)問われているのは党の覚悟 ママゴトのような立憲の代表選、(2)政権交代の覚悟があるのか、「小川がたてば注目される」ともくろむ立憲の甘さ」で、下記が一部表記不十分でした。お詫びして訂正いたします。

 

(誤)泉健太などは選挙区までが前原誠司と同じで

(正)泉健太などは選挙区までが前原誠司と同じ京都で

 

2.(予約必要)(12.23)オルタナティブな日本をめざして(第69回):「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」(村田弘さん:新ちょぼゼミ)(2021年12月23日)- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-fc0fc0.html

 

(予約の受付窓口)

*たんぽぽ舎(水道橋):TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797

 https://www.tanpoposya.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/

(上記にお電話していただき「受付番号」をもらってください)

 

3.(12.8)「原発・核燃料サイクルの即時中止を!」院内集会

 https://drive.google.com/file/d/10uBvKikbCu3cZ_wIYdNvHbAFtbq46emS/view

 

4.キャンペーン

(1)立憲民主党あて要望書【賛同署名】政治を変えるため「市民と野党の共闘」を進める役割を期待いたします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSftJaDRk4QM9iXoUW3iREbM5yrquQHFdf2TVMwGtcNA0HPJ0A/viewform

(2)「野党共闘路線の維持と強化を求めます!」-市民連合への賛同署名と意見募集 市民連合

 https://shiminrengo.com/archives/4638

(3)キャンペーンについてのお知らせ · 公開質問状への各政党からの回答 · Change.org

 https://tinyurl.com/2s2p364w

 

(関連)市民と野党をつなぐ会@東京 - 市民と野党の共闘

 https://tunagu2.jimdofree.com/

 

5.(別添PDFファイル)首相演説参加 日当5000円、衆院茨城6区、運動業団体 会員に(朝日 2021.11.17)

 https://www.asahi.com/articles/DA3S15113572.html

 

◆20211118 UPLAN 国光文乃(衆議院議員)及び関連政治団体等に対する刑事告発と記者会見 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=vJQOjgnA_MI

 

(関連)【岸田文雄】【違法証拠入手】自民・国光文乃議員陣営が“集団買収”!岸田首相応援演説のサクラ動員に「日当5000円」|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297266

(関連)安倍晋三元首相の応援演説でも「日当」5千円 衆院選・茨城:東京新聞 TOKYO Web

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/143211

(関連)茨城5区でも自民応援演説に日当 前参院選は21人に支払い(共同通信) - Yahoo!ニュース

 https://news.yahoo.co.jp/articles/7a89a28d7f906c3a950fe88e5df5b79a7eba4ff1

 

◆都道府県魅力度ランキング(地域ブランド調査2021)|地域ブランドNEWS

 https://news.tiiki.jp/articles/4697

 

 <田中一郎コメント>

 コレ、公職選挙法違反にはならんのか!? 警察や検察は何をしとるのか!? 巨悪なら見逃しか!? だったら皆、こんなやり方で、これからは選挙をすることになりますよ。いいのですか!? ところで、この茨城県という県ですが、福島第一原発事故の時は北から吹いてくる風で放射能を山のように浴びせられ、県内は各地に今でもホットスポットが散在している状態。茨城県産の農林産物は放射能汚染の懸念が残るし(例:山菜キノコ、レンコン、川魚、線香(スギが原料)など)、茨城県沿岸の海も北からの海流に乗って放射性物質がいろいろ流れてくる場所だから、ここで獲れる水産物は危なくて食べる気がしない。

 

なのに、この県民は、東海第二原発という「原爆」や、東海再処理工場と高レベル放射性廃液タンクという「水爆」を今でも抱えたまま、それを政治の争点とするでもなし、漫然と自民党議員どもに投票を続けている。アベスガに代表される自公政権があまりにひどいので、義侠心から今回ばかりは野党を応援して選挙に臨んだ中村喜四郎氏を、この県民は小選挙区で落選させるという「バカ投票」までしている始末。こんな茨城県・茨城県民だから、「都道府県魅力度ランキング」では全国最下位となってしまうのだろう。茨城県民よ、いい加減に目を覚ましたらどうか!? 

 

◆「14勝0敗 無敗の男」なぜ負けた 中村喜四郎氏 奪われた支持層 [2021衆院選]朝日新聞デジタル

 https://digital.asahi.com/articles/ASPC17K2FPC1UJHB00B.html

 

6.やっぱりアカンのか、岸田文雄政権

(1)【岸田政権】岸田政権の渋チン賃上げは“子どもの小遣いレベル” 日本医労連「上げ幅1ケタ少ない」と激怒|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297670

(2)【岸田文雄】予備費でバラマキ 岸田政権の本質は一時的な“施し”政治|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297618

(3)新自由主義からの転換のマヤカシ:まだ真ん中に居座っている竹中平蔵(日刊ゲンダイ)赤かぶ

 http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/228.html

(4)刹那の政治に野党不在 岸田内閣に漂う“怖さ”と“不気味”(『日刊ゲンダイ 2021.11.10』)-障害福祉&政治・社会・平和問題ニュースサイト

 https://gogotamu2019.blog.fc2.com/blog-entry-29344.html

(5)【岸田文雄】そもそも何のため? 自公「18歳以下10万円相当給付」に6つの疑問|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297331

 

◆岸田内閣の大臣を“丸裸”にする|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4270

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これから複数回のシリーズで「「世直し」勢力=「市民と野党の共闘」は体制を立て直せるか」をお送りしたいと思います。今回の第1回目は「2021衆院選結果分析と、その総括=総大将の枝野幸男立民執行部があまりにひどすぎたことが大敗北の原因だ」をお送りいたします。なお、今回の2021衆議院選の結果分析は、千葉・松戸市の太田光征さんの分析が優れていますので、これをご紹介しながら私の簡単なコメントも付記したいと思います。

 

 <私の政治的立場>

 最初に誤解がなきよう、私の政治的立場を申し述べておきます。私は「市民と野党の共闘」に協力する全ての政治勢力・政党を支持しています。具体的には、立憲民主党、共産党、「れいわ新選組」、社会民主党の「立憲野党」4党に加え、国会に議席を持たない小政党の新社会党、生活者ネット、緑の党なども支持しています。また、多くの市民運動・社会運動にも参加しており、その際には自分自身を「改革主義的無党派主義」と称し「ちょぼちょぼ市民連合」を名乗っております。下記では、立憲民主党に対して手厳しい批判をしておりますが、これもまた私の同党に対する「愛情表現」の1つと受け止めていただければ幸いです。長期安定政権を担える政権党になるためには、いばらの道を乗り越えていただかなければいけないので、おのずと求める水準も高くなります。

 

 <2021衆院選に関する「いちろうちゃんのブログ」>

(1)2021年衆議院総選挙 速報と、とりあえずのコメント- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-64e08c.html

 

(2)衆院選2021レビュー(1):「市民と野党の共闘」を応援する市民の目から見た山本太郎・東京8区(杉並区)立候補騒動について=「市民と野党の共闘」をリードしない総大将・立憲民主党現執行部に最大の問題がある- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-b38a29.html

 

(3)衆院選2021レビュー(2):投票結果分析を巡る若干の議論=山積みとなる死票、有権者の民意を踏みつけにする小選挙区制と細切れブロック比例代表制(もはや選挙制度・公職選挙法の抜本改正は必要不可欠) - いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-329e54.html

 

 <別添PDFファイル>

(1)(レジメ)2021衆院選結果と今後の「世直し」(2021年11月16日)

(2)勘違いと謀略報道 立民は“負け”を共産党のせいにするな(日刊ゲンダイ 2021.11.16)

(3)「立・共協力」反対43%、次期参院選 賛成は19%、本社世論調査(毎日 2021.11.16)

(4)立憲民主党と日本共産党の選挙協力が不発となった理由(佐藤優『週刊東洋経済 2021.11.20』)

(5)枝野幸男よ、このいちばん大事なときに君は何をやっているのか(『週刊現代 2021.9.11,18』)

(6)立憲は一方的だった:保坂、中島、竹田(『アエラ 2021.11.15』)

(7)枝野・立憲代表辞任、30日代表選、党勢立て直し争点、立民代表選、本命不在(毎日 2021,11,13)

(8)問われているのは党の覚悟 ママゴトのような立憲の代表選(日刊ゲンダイ 2021.11.20)

(9)立憲はまだ甘い「小川淳也が出れば盛り上がる」とは早計(日刊ゲンダイ 2021.11.22)

 

1.(別添PDFファイル)(レジメ)2021衆院選結果と今後の「世直し」(2021年11月16日)

 このレジメは、少し前に「意見交換会」を行った際に私が書いたものです。文章にすると長くなって読むのが大変ですので、箇条書きにいたしました。下記に転記しておきます。

 

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 2021衆院選結果と今後の「世直し」

 

<1>2021衆院選敗北の原因=総大将(立憲民主党執行部・幹部)がダメだった

(1)政権構想・政策公約をいつまでたっても示さない・PRしない(自民にパクられる)

(2)小選挙区候補者の1本化をいつまでたってもやらない 政治活動ができない

(3)立憲民主党執行部・幹部の「共闘拒否」態度 共産・れいわ・社民の一方的奉仕

(4)選挙戦に入っての訴えがバラバラ=何をどうするのか不明

(5)御用組合「連合」の御用聞き化=国民民主党への必要以上の配慮(どっち向いてんだ!)

************************************

①渡辺周・長野参院補選(日米)②枝野幸男の脱原発否定、③御用組合「連合」の共産拒否

<闘う前から隊列が乱れ、一体感もなければ、熱意も感じない、まるで負け組選挙互助会>

 

<2>ダメ政党・立憲民主党

(1)足腰弱い(労組依存は社会党時代と同じ=今は日和見・体制補完労組へ依存)

(2)オルタナティブ性が乏しく現政権や与党を批判しているだけ(楽でいいわなという評価)

(3)信念や熱意を感じない(あっちうろうろ、こっちちょろちょろ、の風見鶏)

(4)日常的な政治活動が乏しい(典型的な議会政党)⇒ 理屈ばかり言っていて行動力なし

(5)選挙戦の展開の仕方が下手(含むネット選挙)

(6)「市民と野党の共闘」の総大将としての資質・器量・力量が感じられない(他党を応援せず)

 

<3>なすべき活動(今後に向けて)=緊急課題

(1)政権構想・政策公約見直し(2021衆院選公約は中途半端でバラマキ多い=「れいわ」丸呑み)

(アベ悪法、脱原発、憲法、地方経済、所得税減税、BS、不公正税制、生活保障、労働、安保外交他)

(2)早期の候補者一本化 その人を先頭に各地域で自公政権打倒・維新批判の政治運動

(3)NEXTキャビネットの形成と定期的記者会見(政権交代後の練習と野党共闘PR)

(4)共産は全面的な閣外協力の約束取り付け(引き続き異なる方針は持ち込まず)

(6)有識者を組織化し政策提言活発化 シンクタンク設立へ

(7)アベ悪法は一括即時廃棄(必要なら法案出直し)(戦争法、共謀・盗聴、秘密、重要土地、入管法、カジノ、リニア、外環など)& モリカケサクラ カワイ、ヒライ、アマリ、ニワトリ、香典、秋本、選挙買収他追及

(8)ネット選挙の手法、マイク音質・ストリートビュー、辻立ち、TV出演対策、プレゼンスを高める

(9)維新(日本維新・大阪維新)をデマゴーグ・ファシストとして徹底批判(総論ではなく各論で批判)

 

<4>体制づくり

(1)長妻昭氏を代表にして「市民と野党の共闘」強化・一体化で党内をまとめる

(2)山本太郎を次期総理候補(共闘総大将)として招き、国会内で「令和」と統一会派

(3)来夏参議院選では辻元清美氏を比例区で立候補させ当選させる⇒幹事長へ(次期衆院選係)

(4)「市民と野党の共闘」に協力する他の野党や市民がWINWIN =利害のバランスを取る

(5)立憲民主党の地方支部体制拡充(いわゆる「足腰」)(社民党地方支部と協力)

 

<5>その他

(1)公職選挙法改正も方針として高く掲げる(少なくとも衆議院は全国1区の比例代表制)

(2)新しい民主主義(常設国民・住民投票法、リコール、イニシアティブ、オンブズマン,審議会人選他)

(3)司法・検察の抜本改革(裁判公開、法曹一元化、国民審査大幅拡充、リコール制度、弾劾裁判他)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(関連)(別添PDFファイル)枝野幸男よ、このいちばん大事なときに君は何をやっているのか(『週刊現代 2021.9.11,18』)

 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/87380

 

(関連)(別添PDFファイル)枝野・立憲代表辞任、30日代表選、党勢立て直し争点、立民代表選、本命不在(毎日 2021,11,13)

 https://mainichi.jp/articles/20211113/ddm/001/010/108000c

 

(関連)「立憲民主党」に関する記事一覧 - AERA dot. (アエラドット)

 https://dot.asahi.com/keyword/%E7%AB%8B%E6%86%B2%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A/

 

 <田中一郎コメント>

 今般の衆院選敗北の原因は、ひとえに執行部(枝野幸男+福山哲郎幹事長+泉健太政調会長)の選挙への取組姿勢にある。勝つためにはどうすべきであったのか、そして今後、立憲民主党はどうすべきなのかは、上記に箇条書きで具体的に書いておいた。立憲民主党は、政権党になろうというのなら、もっと日々の言動に戦略性を持たせ、常に選挙での勝利を念頭に置いて、東京と地元での活動を活発化させ、他の協力野党や協力市民とも良好な関係を保って、首尾一貫した姿勢でいなければならない。言い換えれば、有権者・国民のための「世直し」を、政権交代を実現して必ずやり遂げるという覚悟のほどを見せ、直ちに今、多数派ではなくとも、理解していただける有権者を次々と増やしていきながら、様々な工夫を凝らして自党勢力・共闘勢力を拡大していくという、改革政治家としての姿勢を有権者に見せつけることがポイントである。御用組合「連合」の御用聞きのようなことをしていては、やがて歴史のゴミ箱へと消えていく「万年尻すぼみ野党」に転落して行くこと必定である。少しは山本太郎「れいわ新選組」の政治活動のありようを見習ってみればいい。

 

ところで、次期立憲民主党代表には、年長者でベテランの長妻昭氏が就任して党をまとめ、「市民と野党の共闘」をより強化する方向で取り組んではどうかと上記で提案したが、その直後に長妻氏は代表選不出馬を早々に宣言してしまった。危機の時代に突入した日本で、野党第一党の立憲民主党という政党もまた危機に陥ってしまったというのに、この政治家はそそくさと自己保身優先で逃げてしまったのかという印象を強くした。NECや日経ビジネスの職員から政治家に転身した同氏だが、一時はTPP協定に賛成をしてみたり、ある時は消費税増税をやむなしとしてみたりと、我々有権者の神経を逆なでするような「市場原理主義アホダラ教」信者のようなふるまいもしていたが、他方では「ミスター年金」と言われて大活躍をしていた時もあった人物だ。立憲民主党ではリベラル議員として名が通っていたが、所詮はいくじなしの政治家だったということか。「ピンチはチャンス」=火中の栗を拾って党を立て直してこその政治家ではないのか? 立憲民主党幹部としての責任はどこへ行ったのか? この政治家を私が今後、支持し応援することはないと思う。

 

(参考)長妻昭 - Wikipedia

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%A6%BB%E6%98%AD

 

(関連)「批判やめるのは自民の思うつぼ」立憲・長妻昭氏、萎縮を危惧 [立憲]:朝日新聞デジタル

 https://digital.asahi.com/articles/ASPCF7G17PCFUTFK007.html?iref=pc_rellink_01

(関連)立憲代表選、女性擁立論広がる 長妻副代表「辻元さんいれば…」 - 毎日新聞

 https://mainichi.jp/articles/20211108/k00/00m/010/112000c

 

(そう思うのなら、辻元清美氏を関西ブロックの比例名簿のトップにしておけばよかったではないか。当面する選挙後のことや中長期的な戦略を党の全体最適の中で考えないで動いていたということか。こんなことを言って嘆いても後の祭りである。選挙に対するシビアさが足りない。:田中一郎)

 

他方、立憲民主党代表選には、リベラルを代表する年長者として逢坂誠二氏が立候補した。上記の提案で長妻昭とあるところは逢坂誠二氏でもOKだ。同氏は若い頃に経済的に苦労していた様子もあり、医学研究者志望をあきらめてニセコ町役場に入り、その後ニセコ町長から国会議員になった人物だ。申し上げるまでもなく温厚で人格者、私が知る北海道の知人も「逢坂誠二さんなら信頼できる」と表情を明るくしていたが、しかし、今日のような危機の時代にあっては、その温厚さや人格者であることが弱みとならないか心配される。立憲民主党が打倒しなければならない運命にあるのは自民党や維新などの似非右翼タカ派の政治勢力だが、彼らは概してアウトロー的で強引、かつデマゴーグであるにもかかわらずプレゼンスも強くて、世間受けを上手にこなしていく。対する逢坂誠二氏は、どちらかというと滋味で目立たない優しいタイプの政治家で、はたしてこのゴロツキどもを退治していくだけの政治力を結集させられるかどうか、懸念なしとはしない。それでも、代表選の他の3人よりはいいのではないかというのが私の見定めだ。代表就任後は、枝野幸男のように自力だけで何でもしようとせず、多くの人々とつながりを持ち、他の人をうまく使って問題を解決していく、徳川家康型の代表になっていただきたいと思う。ポイントは、共産党や山本太郎「れいわ新選組」と一体となって闘う=連立政権という自公でもやっていることをスマートにこなし、考え方の多様化の時代を乗り越えていける力量を持つことだ。

 

(元国民民主党の泉健太や小川淳也がダメだということは、先般お送りしたメールで申し上げた。要するに、この連中は、支持者も含めて「第5列」ではないか、ということだ。下記にそのメールを再掲しておくのでご参考にしていただければ幸いである。もう一人の候補の西村智奈美氏については私は全く知らない。政治に関するある程度の情報を持つ私が知らないのだから、一般の人はもっと知らないでしょう。代表選には女性候補が必要だというので無理やり引っ張り出された感がある。同氏を代表候補にしたいのだったら、立憲民主党はもっと前から彼女を相応の役職につけてプレゼンスを高めておくべきだっただろう。危機的な事態にある現状での立憲民主党の党首としては、私は無理があるのではないかと思う。将来的にはわからないが、少なくとも来夏の参議院選挙の総大将にはなれそうにない。)

 

(参考)逢坂誠二 - Wikipedia

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A2%E5%9D%82%E8%AA%A0%E4%BA%8C

 

2.(再掲)2つの日刊ゲンダイ記事:(1)問われているのは党の覚悟 ママゴトのような立憲の代表選、(2)政権交代の覚悟があるのか、「小川がたてば注目される」ともくろむ立憲の甘さ

 

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◆(別添PDFファイル)問われているのは党の覚悟 ママゴトのような立憲の代表選(日刊ゲンダイ 2021.11.20)

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297673

 

◆(別添PDFファイル)政権交代の覚悟があるのか、「小川がたてば注目される」ともくろむ立憲の甘さ

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297715

 

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◆♪ママゴトあそびの代表選♪

 https://www.youtube.com/watch?v=-giCSLr6ajU 

 

かわいい かわいい 代表選

ままごと遊びの 代表選

今日(こんち)は立民 いかがでしょ

お部屋じゃ 子供(こども)のお母さん

今日(きょう)はまだまだ いりません

 

 <田中一郎コメント>

 またもやの選挙大敗北の原因を自分たちで作っておいて、その衆院選総括もロクすっぽやらずに、またぞろ代表選などという「コマカシ興業」でお茶を濁す、こういうことを繰り返しているから、「いつまでたってもダメなわたし」(歌謡曲「よせばいいのに」)なのだ。立憲民主党は解体的出直しが求められている。「オルタナティブな日本」を目指すビジョンと覚悟と力量を持ち、自公や維新のデタラメな政治や政策を許さないという野党第1党としてのあり方を今後打ち立てて行けるかどうかが問われているのである。それが「世直し」勢力の総大将=野党第1党としての「資格」だ。

 

ところが、ところが、代表選候補者の1人、泉健太は枝野幸男体制下の政調会長で、今般の衆院選で有権者の圧倒的支持を得るための政策マニフェストを創れずに選挙敗北に導いた「衆院選敗北の重大責任者」の1人ではないか。そいつが何故にドヤ顔で代表選なんぞに立候補しているのか? 報道によれば、泉健太に出馬要請をしたのは、小椋修平とかいう足立区の区議他の地方議員だという。どういう地方議員が要請したのかは報道ではわからないが、この小椋修平も含めて、泉健太を推すこの連中はすべて次期地方選挙で落選させなければいけない。こういう連中が、立憲民主党の選挙のたびごとの敗退を招いている張本人たちであり、また、維新に尻尾をフリフリしている一部立民の受入風土を形成しているからだ。

 

また、小川淳也も同様だ。この2人は、国民民主党からやってきた「第五列」(下記参照)ないしは「トロイの木馬」と見ておいていいだろう。小川淳也は、時事通信の田崎スシローに同調して「左に寄りすぎたから選挙に負けた」だの、自分の選挙区で維新候補をおろしてくれと橋下徹に嘆願する、などなど、およそ野党第1党の党首としてふさわしくない失言を繰り返している。本音は今般の衆院選で議席を伸ばした維新の人気のおすそ分けをいただきたい、ということではないのか。

 

(参考)第五列とは - コトバンク

 https://kotobank.jp/word/%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%88%97-91138

 

しかも両者とも、かつては前原誠司に近いグループに所属していたらしいとの報道もある。泉健太などは選挙区までが前原誠司と同じ京都で、まさに元祖「口先やるやる詐欺」で平成の小早川秀秋こと前原誠司の第2弾と言ってもいいような人物だ。こんなのを立憲民主党の次期代表にするのか!? 自殺行為ではないか。立候補をやめさせろ!

 

(関連)小川淳也氏の“維新候補取り下げ要請”で橋下氏が暴露「僕のところにもメールしてきた。そういう人が立憲民主党の代表になって大丈夫なのだろうか」(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース

 https://news.yahoo.co.jp/articles/2101146017a03e3611b2d85bab47657b1b74acee

 

これでは立憲民主党という政党は、支持者や有権者をバカにしているのではないかと思われても、いたしかたないのではないか。マスごみの「選挙共闘失敗論」という御用忖度報道に乗せられて、こんな連中を代表にした段階で、立憲民主党という政党の事実上の息の根が止まるだろう。

 

国民民主党とは、4年前に小池百合子人気にあやかろうと、集団で「希望という名の絶望の党」になだれ込んでいった政治集団で、その時に彼らの頭にあったのは、日本社会や国民生活のことなどではなくて(そんなものはどうでもよくて)、自分たちの国会議員としての地位・身分をただただ守るということだった。今回もまた、同じように「壊憲」をタネにして維新にへばりついて、党勢の拡大を図ろうとしている。何が「第三極」だ、何が「ゆ党」だ。風見鶏丸出しの、政治家としてはまるで失格の、自公や維新よりも腰抜けのゴミ・クズ・カスの政治家たちの類ではないか。

 

(大日本帝国時代の1920年台に、政友会と民政党の代議士たちが、台頭してくる軍部やファシスト勢力に便乗して、まさに今般の国民民主党と同じようなことを繰り返して、戦前の政党政治を終わらせている。そして大日本帝国は1945年に滅亡した。今回は詳しく申し上げないが、維新はまさしくネオ・ファシスト勢力だから、今この日本で繰り返されている政治劇は、有権者までもを巻き込んだ「同じことの繰り返し」であり「バカは死ななきゃ治らない」の実証劇場である。)

 

これまたネット報道ながら、立憲民主党の次期代表には誰がいいかを支持者にアンケートしたら、第1位が蓮舫だったという驚くべき報道もあった。蓮舫とやらは、かつて民主民進党の代表に就任するやいなや、真っ先にやったことが野田佳彦を幹事長に据えたこと。ジャーナリストの高野孟氏はこのざまを見て、椅子からズっこけてしまったと当時、新聞・雑誌に書いていた。アベ自公政権がやったロクでもない政策の多くが野田佳彦政権時代にその発祥の根を持っていたことを、もう忘れたのかという話である(例:福島原発事故後の原発再稼働、武器輸出の自由化、社会保障を口実にした消費税増税、特定秘密保護法検討、盗聴法・刑事訴訟法改悪審議会など)。

 

立憲民主党の支持者の多数が「こんな程度」なら、政権交代など夢のまた夢であり、奇跡的に政権を握っても、2009年の時の民主民進党政権ように、自民党もどきのような政治をする、第二次「口先やるやる詐欺・似非改革政権」に終わるだけの話である。堂々巡りの「表紙替え」のような、こんな代表選など、ばかばかしくて、有権者・国民がフォローなどするはずもない。まさに日刊ゲンダイが言うように「ママゴト遊びの代表選」だ。

 

(関連)立憲代表選、動くは4氏(朝日 2021.11.16)

 https://digital.asahi.com/articles/ASPCH6R8CPCHUTFK00K.html

(関連)立民政調会長、維新と「やれる部分は一緒に」- 日本経済新聞

 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA10DFG0Q1A111C2000000/

 

最後に、維新(日本維新、大阪維新)に対しては、徹底した批判=それも一般的抽象的なものではなく、まさにゴロツキどもにふさわしい、デマゴーグさながらの、彼らの言動全てについて、徹底した批判が日常的に繰り返されなければならない。日本のセレブ有識者たちや野党=特に立憲民主党は、その重要な実践をずっとさぼり続けてきた(それどころか、泉健太のように、維新にすり寄ろうとしているバカ者までいる)。それが今回の衆院選の敗北にもつながっている。維新批判は別メールでお送りしたいと思う。

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3.(必見)署名初日に寄せられた「立憲民主党への一言」

 https://tunagu2.jimdofree.com/

 

4.(メール転送です)2021年衆院選:小選挙区での得票率10%要件を比例区での獲得議席数に連動させる仕組みのおかしさ(太田光征さん)

 

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2021年衆院選:小選挙区での得票率10%要件を比例区での獲得議席数に連動させる仕組みのおかしさ

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484459450.html

https://www.facebook.com/mitsumasa.ohta/posts/1496739374052213

 

【要旨】小選挙区制と比例代表制は比較基準が異なる。比例区得票率が10%未満の政党には議席を与えるべからずとはならない。小選挙区で小政党の得票率が少ないのは当然。小選挙区で得票率10%を確保しない候補者が比例区で当選できずに他党に議席が移る仕組みは廃止すべき。

 

2021年衆院選で特筆すべきことに、公明党は17年より比例区得票率を減らしているにもかかわらず、17年の21議席から21年の23議席へ増やすというウルトラCを成し遂げています。

 

その一因は、れいわ新撰組の比例区東海ブロックで当選圏内に入った小選挙区との重複立候補者が、比例区での当選要件である小選挙区での得票率10%要件を満たさなかったため、本来のれいわの取り分が公明に移ってしまったことによるものです。

 

この仕組みはおかしなものです。小選挙区では確かに政党対政党の比較評価がなされている側面がありますが、それは主に比較二大政党間での比較評価であり、あくまでその小選挙区の限られた候補者の間での順位争いにすぎません。ある小選挙区で得票成績が良くない候補者でも、他の小選挙区で立候補すれば良い得票成績を収めることもあり得るので、得票率10%要件をクリアすることも可能になります。

 

また例えば、比例区で10%程度の得票率を稼ぐ小政党でも、それが小選挙区で候補者を立てれば同様の10%程度の得票率を稼げるかといえば、そうとは限らず、小政党の候補者には小選挙区で票が集まりにくいのです。小選挙区制は、政党対政党の比較評価には不向きの制度です。

 

また、「復活当選」に対する悪いイメージも、小選挙区制と比例代表制の比較基準が異なることを無視したものです。いまこの日本で比例区得票率が10%未満の政党には議席を与えるべからず、と考える有権者はあまりいないでしょう。小選挙区での得票率10%未満の持つ意味合いは、そういうことなのです。

 

比例代表制では、足切り条項(阻止条項)として、規定の得票率未満の政党には議席を与えないという制度設計もあります。私は足切り条項に賛成しませんが、これはあくまでも比例区選挙の結果としての政党対政党の比較評価の問題であり、その限りで一定の得票率を満たさない政党は満たす政党より得票成績が悪いから議席を与えない、という考え方が成り立つわけです。

 

ところが小選挙区での得票率10%要件を比例区での獲得議席数に連動させる仕組みは、比例区の足切り条項とは似て非なるものです。現行法制の下では、あくまで政党対政党の比較評価は比例区に委ねられているのです。にもかかわらず、比例区で勝負がついて確保されるべき議席数を確保できないのはおかしい。

 

小選挙区制と比例代表制は異なる比較基準を採用しているにもかかわらず、これらを連動させて、小選挙区での比較成績で比例区の獲得議席数に影響を及ぼす仕組みは、比例区を11ブロックに細分化して、小政党の得票を死票にする仕掛けと同様の効果を持ちます。

 

以上のように、狭い小選挙区での得票率10%要件を比例区の獲得議席数に連動させる仕組みにはまったく合理性がありません。

 

現行比例区制度の骨格を当面維持するにしても、より比例性が確保される最大剰余法などの議席配分計算法や全国一括式の議席配分法などへの改正と合わせ(下記記事参照)、小選挙区の得票率10%要件を比例区の獲得議席数に連動させる仕組みは直ちに廃止する法改正が必要です。

 

2021年衆院選比例区:全国一括集計した得票数で比例配分した場合の議席数(比例区でも死票が発生する)

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484286009.html

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 <田中一郎コメント>

太田さんの言う通りです。このメールも拡散しておきます。そもそも、小選挙区制度と比例代表制度という、まったく水と油の、正反対の方向を向いた選挙制度を組み合わせて導入していることが問題です。

 

導入した時の創設者の意図は、比例代表制度は経過措置でゆくゆくは縮小・廃止すべきものであり、最終目標は全議席すべてを小選挙区制とし、自民党政治、またはその補完政治をゆるがない永遠の体制とするための基礎工事としての選挙制度とする、というものでした。つまり、共産や社民などの少数(批判)政党を国会から抹殺するのが目的です。二大政党制など、どうでもいい話で、どうせそういうことにはならないだろう、という見通しを持っていた政治家たちも少なくなかったと思われます。

 

(政治知らずの政治学者や新しい物好きのマスごみだけが、そんな浮かれ気分に酔っていたにすぎません。今日の政治低迷は、1990年代初頭の似非政治改革にその原因があります)

 

下記は既にお送りしたメールに書いた小選挙区制度批判です。再掲いたします。今もって、政治学者の山口二郎氏やジャーナリストの高野孟氏が小選挙区制度を支持し、野党第一党の立憲民主党もまた、小選挙区制度にしがみついて「墓穴を掘る」という愚かな結果を招いています。

 

(1)小選挙区制度は死票が山積みとなり民意を反映しない。

(2)政治・政策の「中心化傾向」が強まり、2大政党が「どちらも似たようなもの」になる(欧米・諸外国)

(3)時代が大きく変わろうとするときには最もふさわしくない「現状維持型」(既成大政党を不当に優遇する)の制度である

(4)世界観や考え方の多様化の時代にもマッチしていない( 衆院は全国1区の完全比例代表制度にして「連立政権時代へ」、参院は非政党制(個人を選出)としてチェック機能、直接民主制の導入などが必要)

(5)山口二郎氏の場合、政権交代(選挙での野党勝利)自体が目的・目標となっている。しかし、選挙での勝利は「スタート時点に立った」にすぎない

(6)経済・社会や国際的な変化に対応できない硬直的でつまらない政治体制となる

(7)頂点盲従主義、強い同調圧力、下へ向かっての無責任、を特徴とする日本社会では、小選挙区制度は強固な1党独裁へ向かう(野党は補完勢力へ)

(8)今回の「市民と野党の共闘」は、ひとえに共産党他の少数野党を犠牲にし、利用しただけの「お粗末」そのもの、長続きしないし効果も薄い(野党が共闘をするのは当たり前、小選挙区制度で野党乱立をしたら議席はなくなる=マスごみ報道は「そうしろ」という忖度御用報道を選挙後に繰り返している)

(9)衆院選敗北の最大原因は「市民と野党の共闘」総大将の立憲民主党現執行部・幹部たちの選挙への取り組み姿勢にある

(10)自民党の権力への執着を甘く見すぎ、維新勢力(ネオファッショ:都民Fや名古屋減税を含む)の危険性を甘く見すぎ

 

市民運動・社会運動は、一刻も早く公職選挙法改正を高く掲げ、選挙自由化と選挙制度の抜本改正(小選挙区制度の廃止)を実現していく必要があります。新しい時代の民主主義は「選挙」だけが手段ではありませんが(上記(4)参照)、しかし「選挙」は民主主義制度の中核をなします。

 

5.(メール転送です)2021年衆院選:野党選挙共同は二大政党制を実現するための手段にあらず(太田光征さん)

 

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2021年衆院選:野党選挙共同は二大政党制を実現するための手段にあらず

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484361813.html

https://www.facebook.com/mitsumasa.ohta/posts/1492600217799462

 

【要旨】

枝野幸男議員の立憲民主党代表辞任で野党選挙共同が発展する保証なし。

野党選挙共同は二大政党制を実現するための手段にあらず。

 

枝野幸男さんがこの記者会見で示した見解には本当にがっくりです。

◆2021年11月12日 #枝野会見 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=wHmrLbD6XeE

 

候補者一本化の必要性は認めながらも、野党連合政権に向けた野党選挙共同に後ろ向きで、自分の意図するところがメディアに正確に伝わらないことを強調する枝野さん。なぜこうなるかというと、枝野さんが野党候補の一本化に求めるものが二大政党制の実現にあるのに、それを説明しないからでしょう。だからメディアも正確に報道しようがありません。

 

野党選挙共同や政党再編に関する質問に対して、枝野さんは直接的に答えず、小選挙区制中心の選挙制度が与野党1対1の構図を要請しているとの主張を返すのみで、二大政党制という明確な言葉でその構図を作る必要性を語ろうとはしません。曖昧な言葉をメディアや世間に投げて、正確に伝わらないといっているのです。

 

https://youtu.be/wHmrLbD6XeE?t=928

一本化を求める市民の要望に応えられたかとの記者の質問に対して、枝野さんは「日本の選挙制度が、衆議院の、首班指名に優越感を持つ衆議院の選挙制度が小選挙区が軸の選挙制度である以上は、2つの政治勢力で競い合うということを想定している選挙制度であると。従ってですね、その政権を取ろうとする勢力がしっかりと連携をするということが、選挙制度から必然的に求められているというのが、私のこの問題に対する基本的な認識です」と答えています。

 

https://youtu.be/wHmrLbD6XeE?t=1171

国民民主党との合流などに関する質問に対して枝野さんは、「これもそれぞれの政治家の皆さんの判断ですから、私は先ほど申しました通り、今の選挙制度を取っている限りはですね、一定の幅の中で一つの政党であるべきだし、違いがあっても共有できる部分で共有してできるだけ1対1の構造を作るということが選挙制度から要請されていると私は思っていますが、それはそれぞれの政治家の判断ですので」と答えています。

 

横田一さんやIWJが核心を突く質問を行っても、枝野さんは意見開陳を含むからという理由で答えません。

横田一さんによる質問

https://youtu.be/wHmrLbD6XeE?t=1868

 

枝野さん「決して一つの政権を作るわけでもないし、もちろん閣内でもない。政権そのものに直接コミットするわけでもないにもかかわらず、あたかもそれらが前提であるかのように受け止められてしまった力不足、これが最大の反省です」

 

IWJによる質問

https://youtu.be/wHmrLbD6XeE?t=2073

 

枝野さんによれば、記者会見は中立的なメディアに対するものだそうです。中立的なメディアはないし、意見に基づいて各記者が質問をするのです。別のフリーから、会見の少なさが正確に伝わらない原因ではと問われ、週一会見を求められても、枝野さんは積極的に賛同しません。

 

横田一さんやIWJが本気の野党選挙共同について質問しても枝野さんは答えないし、立憲民主党の選挙結果を不当に評価するメディアの報道をどう思うかとIWJが質問しても枝野さんは答えません。

 

大変重大なのは、枝野さんが、横田一さんやIWJなどによる質問を現場の記者が困っていると発言してみたり、「争点は有権者が決めるもの」(文脈では緊急事態条項改憲は争点にあらず、という意味)と発言してみたり、質問の中身に答えないどころか、政治とメディアの関係について今日最も克服されるべき問題について、後ろ向きの見解を示していることです。

 

枝野さんは会見で、ノイジーマイノリティーよりサイレントマジョリティーの声を優先するかのように主張しています。緊急事態条項改憲や南西諸島でのミサイル基地軍拡の危険性を訴える声はノイジーマイノリティーで「ボトムアップ政治」でくみ取るべき声ではないというのでしょうか。メディアが公正な政治報道を怠っている状況の下で最もらしい「争点は有権者が決めるもの」という発言の持つ意味は重大です。政党のイニシアチブとまさにボトムアップ政治、そして公正な報道という、まっとうな政治を実現するための2つの要素について、真摯に向き合う姿勢がまったく感じられません。

 

このように野党連合政権(閣外か閣内かは別にして)を目指した野党選挙共同に後ろ向きな枝野さんですが、代表を辞めればこうした野党選挙共同が発展するかといえば、その保証はありません。

 

自民が立民より議席を減らしたのに、メディアは今回の衆院選における野党選挙共同の成果を不当にけなしています。この不当な評価を枝野さん辞任と抱き合わせにして、立憲民主党内では新代表の選挙を通じ、野党選挙共同が後退に向かう恐れがあります。新代表候補の1人である泉健太さんは、維新との連携を主張するような方です。

 

野党選挙共同に後ろ向きな枝野さんの辞任を求める圧力が、結局は野党選挙共同つぶしに荷担しかねない状況を作り出していることを反省する必要があると思います。無条件に枝野辞めるなでもなく、枝野さんの責任は野党選挙共同を本気のものにすること、という世論を高めることが必要だったのです。

 

今後の野党選挙共同にとって大事なことは、それが二大政党制を実現するための手段ではないことを確認することだと思います。また、不当な報道を押し返す気構えとその実践なくして野党の勝利はあり得ません。

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 <田中一郎コメント>

太田さんのメールは読みごたえがあります。このメールも拡散しておきます。

 

枝野幸男・福山哲郎・泉健太(こいつは立憲民主党執行部だったにもかかわらず、衆院選敗北の責任感もない、すっとこどっこい野郎のようですので、SNSなどで徹底的に叩いてください。代表選立候補などトンデモない話です)が辞任した結果、「市民と野党の共闘」がマスごみの自公政権への(あるいは維新への)忖度御用報道に揺さぶられて後退していくとするなら、本末転倒です。

 

今般の衆院選結果を受けて、日本の「世直し」は、それを担う主力勢力をどう築くのか、どのような方針を掲げて「世直し」に向かうのか、の2つの問題に、明確なる「答」を出さなくてはいけない事態となっていると思います。しかし今般、枝野幸男・福山哲郎執行部が「最後の仕事」として展開している「立憲民主党代表選挙」なる「ごまかし興業」は、この問題を避けて通り、ともかく来夏の参院選挙で、そこそこの闘いができる代表は誰か、くらいの、まさに疑似「AKB総選挙」のような様相を呈し、マスごみにさえ「猫マタギ」マターとして扱われ始めているようです。

 

枝野幸男・福山哲郎・泉健太の立憲民主党執行部=最後の最後まで、いつまでたってもダメな連中です。

https://www.youtube.com/watch?v=yKymLwcNuKk

 

今こそ「世直し」派市民が動くときです。

 

(参考)日刊IWJガイド・非会員版「会見で、立憲・枝野代表がIWJの質問に回答拒否! 会見の見直しを引継ぐと! 記者らは『ネットメディアやフリーランスを排除?』と問題視」2021.11.13号~No.3348号 - What's New お知らせ

 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49766

 

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■はじめに~昨日の立憲民主党の記者会見で、枝野代表がIWJの質問に対し回答を拒否! 会見の見直しを次期執行部に引継ぐと! 他の記者は「ネットメディアやフリーランスを排除するのか」と問題視!

 

 おはようございます。IWJ編集部です。昨日、東京・港区の衆議院第二議員会館で今回の衆議院議員選挙の結果を受けて辞任する立憲民主党の枝野幸男代表と福山哲郎・幹事長が記者会見を行ないました。IWJ記者は得票、得票率ともに伸びているにもかかわらず枝野代表が辞任する必要があるのか、という内容で質問を行いました。

 

 さらに「今回の選挙の隠された本質的な争点は、緊急事態条項を核とする自民党4項目の改憲か、その改憲案に反対か、であったことは明らかで、来夏の参議院選挙は国の命運をかけた政治の一大決戦だ」と指摘し「野党第一党の代表に誰がつくかは、一党内の人事の問題ではすまない、国民的な重大事」だと問いかけました。

 

 これに対し、枝野氏は、「会見は中立性という立場に立った前提での質問をしていただいている。記者会見というのはそういう場だと思っておりますのでお答えを申し上げません」と真っ向から回答を拒否しました。また、回答を拒むにとどまらず、「会見のあり方を考え直さないといけない」「次の執行部に見直しを引き継ぎたい」とまで口にした。

 

 これに対し朝日新聞の南彰記者は「『中立性』という言葉はかなり恣意的な、解釈の幅がありうる」「ネットメディアであったり、フリーランスの人を含めて排除するということはないのか」と指摘しました。

 

 また、フリーランスの横田一記者は「はっきり言って記者差別、排除につながる問題発言だと思う」「代表を辞めるときの引き継ぎ事項として投げかけるのはいかがなものか」と指摘。「排除発言から生まれた立憲民主党の代表とは思えない暴言だ」「撤回しないのか」と迫りました。枝野氏は「どういう判断をされるかは次の執行部だ」と、枝野氏は「会見の見直しを次の執行部に引き継ぐ」という言葉を撤回しませんでした。

 

---ここから質疑応答です。

 

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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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 <田中一郎コメント>

 「得票、得票率ともに伸びている」というのは、よくわかりませんね。小選挙区はそうだったけれど、比例はマイナスだったでしょうに? IWJは何を言っているのかしら? ついでに言っておけば、小選挙区では善戦(特に東京は)しているのに、マスごみは何故に「共闘」見直しをやかましいほどに報道して、紙面を、TV画面を、汚しているのかしら? 野党共闘は「野合」だ、などというドアホがいるなら、だったら「自公」連立こそ、「野合」の典型事例ではないか、と言い返してやればいい。「立憲共産党」と言われたら「自民創価学会」と言い返せばいい。要するに、ゴミ報道だということでしょう。

 

(参考)【総選挙ルポ】野党敗北のカギは、石原伸晃を破った東京8区にこそあった|ニューズウィーク日本版

 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/11/post-97396.php

 

(これも、しょうもない、看板倒れ(記事見出し倒れ)の記事でした。東京8区の裏方取材情報は一読の価値がありますが、しかし、日本全体での野党敗北の原因がどのへんにあったのか、読んでいてもちっともわかりません。いわゆる「優良誤認」記事です。この国の「報道」物は、およそ政治に関しては、ロクなものがないですね。だから、まるでウンコのような自公維新の政治家どもがのさばっているのでしょう。:田中一郎)

 

6.『AERA』のゴミ記事と、日刊ゲンダイの「まとも」報道

 

 <まともな記事>

(1)(別添PDFファイル)勘違いと謀略報道 立民は“負け”を共産党のせいにするな(日刊ゲンダイ 2021.11.16)

 http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/242.html

(2)(別添PDFファイル)立憲は一方的だった:保坂、中島、竹田(『アエラ 2021.11.15』)

 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=23245

 

 <ゴミ記事>

(1)「立・共協力」反対43%、次期参院選 賛成は19%、本社世論調査(毎日 2021.11.16)

 https://mainichi.jp/articles/20211116/ddm/005/010/174000c

(2)立憲民主党と日本共産党の選挙協力が不発となった理由(佐藤優『週刊東洋経済 2021.11.20』)( コレが一番ひどい:田中一郎)

 https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28783

 

 (佐藤優が挙げた4つの理由)

*経団連が共産党を嫌った=当たり前だ!

*御用組合「連合」が共産党を嫌った=これも当たり前だ、御用組合「連合」の多数派は自民党を支持、それを上回って得票は十分に可能

*中小企業経営者に共産党が嫌われた=中小企業経営者は数が少ない、大勢に影響なし、問題は中小企業で働く人たち

*公明党が共産党を嫌った=当たり前だ!

 

(「市民と野党の共闘」は小選挙区では議席を増やし、あるいは自民候補と接戦となる選挙区が激増した。議席減の理由は比例区=要するに国民民主党からやってきた連中の支持層が立憲民主党の比例区へ投票していないという点が決定的、更に立憲民主党は無党派層をつかめ切れていない。だから自民候補との接戦区でも「競り負け」してしまっている。小沢一郎氏や中村喜四郎氏があれだけ「野党は一丸となれ、本気で政権を取りに行け」と、口を酸っぱくして助言していたのを馬耳東風で聞いていた枝野幸男執行部の、情けないほどにひどかった衆院選への取組(候補者を自党に一本化するも「選挙共闘」はしないという「利用するだけ」戦術)で立憲民主党は自滅したとみるべきだ。

 

共産党などの他の野党が「候補者一本化」に協力しなければ、結果はもっとひどいことになっていただろう。佐藤優だけでなく、マスごみは、衆院選が終わって直ちに、選挙結果の精緻な分析も総括もしないうちから「野党共闘は失敗だった」「共産党と組んだのはまずかった」などの忖度御用報道を繰り返している。体のいい形を変えた「アカ攻撃」のようなものだ。選挙期間中は、選挙に関する報道の手抜きを行って低投票率に大いに寄与し(自公に有利な組織票が生きてくる状態)、その前には自民党総裁選をじゃかましいほどに拡散報道し、その前はクソリンピックでスポーツ新聞のようになっていた大手新聞社やTVなど、まさにマスコミの「粗大ごみ(マスごみ)」化が目立つ選挙だった。:田中一郎)

 

7.(メール転送です)2021年衆院選:小選挙区での得票率10%要件を比例区での獲得議席数に連動させる仕組みのおかしさ(太田光征さん)

 

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2021年衆院選:小選挙区での得票率10%要件を比例区での獲得議席数に連動させる仕組みのおかしさ

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484459450.html

https://www.facebook.com/mitsumasa.ohta/posts/1496739374052213

 

【要旨】小選挙区制と比例代表制は比較基準が異なる。比例区得票率が10%未満の政党には議席を与えるべからずとはならない。小選挙区で小政党の得票率が少ないのは当然。小選挙区で得票率10%を確保しない候補者が比例区で当選できずに他党に議席が移る仕組みは廃止すべき。

 

2021年衆院選で特筆すべきことに、公明党は17年より比例区得票率を減らしているにもかかわらず、17年の21議席から21年の23議席へ増やすというウルトラCを成し遂げています。

 

その一因は、れいわ新撰組の比例区東海ブロックで当選圏内に入った小選挙区との重複立候補者が、比例区での当選要件である小選挙区での得票率10%要件を満たさなかったため、本来のれいわの取り分が公明に移ってしまったことによるものです。

 

この仕組みはおかしなものです。小選挙区では確かに政党対政党の比較評価がなされている側面がありますが、それは主に比較二大政党間での比較評価であり、あくまでその小選挙区の限られた候補者の間での順位争いにすぎません。ある小選挙区で得票成績が良くない候補者でも、他の小選挙区で立候補すれば良い得票成績を収めることもあり得るので、得票率10%要件をクリアすることも可能になります。

 

また例えば、比例区で10%程度の得票率を稼ぐ小政党でも、それが小選挙区で候補者を立てれば同様の10%程度の得票率を稼げるかといえば、そうとは限らず、小政党の候補者には小選挙区で票が集まりにくいのです。小選挙区制は、政党対政党の比較評価には不向きの制度です。

 

また、「復活当選」に対する悪いイメージも、小選挙区制と比例代表制の比較基準が異なることを無視したものです。いまこの日本で比例区得票率が10%未満の政党には議席を与えるべからず、と考える有権者はあまりいないでしょう。小選挙区での得票率10%未満の持つ意味合いは、そういうことなのです。

 

比例代表制では、足切り条項(阻止条項)として、規定の得票率未満の政党には議席を与えないという制度設計もあります。私は足切り条項に賛成しませんが、これはあくまでも比例区選挙の結果としての政党対政党の比較評価の問題であり、その限りで一定の得票率を満たさない政党は満たす政党より得票成績が悪いから議席を与えない、という考え方が成り立つわけです。

 

ところが小選挙区での得票率10%要件を比例区での獲得議席数に連動させる仕組みは、比例区の足切り条項とは似て非なるものです。現行法制の下では、あくまで政党対政党の比較評価は比例区に委ねられているのです。にもかかわらず、比例区で勝負がついて確保されるべき議席数を確保できないのはおかしい。

 

小選挙区制と比例代表制は異なる比較基準を採用しているにもかかわらず、これらを連動させて、小選挙区での比較成績で比例区の獲得議席数に影響を及ぼす仕組みは、比例区を11ブロックに細分化して、小政党の得票を死票にする仕掛けと同様の効果を持ちます。

 

以上のように、狭い小選挙区での得票率10%要件を比例区の獲得議席数に連動させる仕組みにはまったく合理性がありません。

 

現行比例区制度の骨格を当面維持するにしても、より比例性が確保される最大剰余法などの議席配分計算法や全国一括式の議席配分法などへの改正と合わせ(下記記事参照)、小選挙区の得票率10%要件を比例区の獲得議席数に連動させる仕組みは直ちに廃止する法改正が必要です。

 

2021年衆院選比例区:全国一括集計した得票数で比例配分した場合の議席数(比例区でも死票が発生する)

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484286009.html

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8.(メール転送です)2014年衆院選から2021年衆院選にかけての各党の比例区得票率の推移(太田光征さん)

 

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2014年衆院選から2021年衆院選にかけての各党の比例区得票率の推移

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484463108.html

https://www.facebook.com/mitsumasa.ohta/posts/1496845410708276

 

【要旨】維新は比例区得票率で17年に惨敗、21年は盛り返すも14年より後退。比例区得票率において与野党別の大きな勢力変化はなく、野党内で勢力が変化しただけ。ただし、比較大政党の自民・立民(民主)が伸び、比較中政党の維新・公明と比較小政党の共産・社民が後退する傾向にある。社民は17年より上向いている。

 

2014年衆院選から2021年衆院選にかけての各党の比例区得票率の推移を分かりやすくグラフで視覚化しておきたいと思います。

 

瞬間風力政党の旧希望の党が17年の選挙でしか登場しなかったこと、維新の票が17年に旧希望に大量に流れたことなどから、下記の政党を「再編4党」としてまとめると、各党勢力の変化が分かりやすくなるでしょう。

 

21年:日本維新の会、国民民主党、れいわ新撰組

17年:希望の党、維新

14年:維新、次世代の党、生活の党

 

グラフの左半分では青で示される14年の比例区得票率が橙で示される21年の比例区得票率に増えており、右半分では逆に減っています。つまり比較大政党の自民と立民(民主)が比例区得票率を伸ばし、比較中政党の維新・公明と比較小政党の共産・社民が比例区得票率を減らしています。

 

当然、国民とれいわが新規に比例区得票率を確保しています。正確にいえば、社民は17年を谷として21年は得票率を盛り返しています。

 

維新は17年に比例区得票率で見れば文字通りの惨敗でした。小選挙区も合わせた維新の獲得議席は、14年、21年とも41議席なので、今回の維新の議席増を必要以上に評価する必要はありません。比例区得票率で見れば21年の14.0%は14年の15.7%より減っています。

 

このように変化の傾向がありますが、与野党別に分けた勢力で見れば大きな変化はなく、単に野党内での勢力変化が起こっただけです。変化の大きな源は共産党の得票減で、17年に共産から旧立民に流れた票が、旧希望の一部と再合流した新立民にとどまっているのが特徴です。

 

下記記事で示したように、比較小政党の獲得票を死票にしてしまう現行比例区選挙の欠陥ゆえ、立民は比較小政党が獲得してしかるべき4議席分を余計にせしめています。

 

2021年衆院選比例区:全国一括集計した得票数で比例配分した場合の議席数(比例区でも死票が発生する)

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484286009.html

 

こうした意味で立民は比例区議席を取り過ぎているので、共産・社民から立民への比例区票の移動は好ましくありません。有権者の皆さんには考えていただきたいと思います。

 

野党内の勢力構成も重要なのですが、野党全体の勢力がこのまま固定されたままでは困ります。立憲野党と市民は政治運動を大幅に見直して、野党支持者だけではなく広く有権者一般の心に届く訴えを開発していく必要があります。

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9.(メール転送です)_もさく連_3140_ 2021年衆院選:共・社への野党統一選挙区で立憲野党の票は一本化されたか(都市部)(太田光征さん)

 

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[BCCで送信させていただきます。重複受信の際はご容赦ください。転送・転載歓迎。]

 

2021年衆院選:共・社への野党統一選挙区で立憲野党の票は一本化されたか(都市部)

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484474523.html

https://www.facebook.com/mitsumasa.ohta/posts/1497434817316002

 

【要旨】東京と大阪で共産・社民の野党統一候補が成立した計8区について、票の一本化指標「野党統一候補の小選挙区得票数÷立憲野党の比例区得票数」はすべてが1未満となっており、立憲野党の票が野党統一候補に一本化されたとはいえない。

 

既に地方の自・共(社)一騎打ち区で立憲野党の票が一本化されたとはいえない状況について書きました。

 

2021年衆院選:自・共(社)一騎打ち区で立憲野党の票は一本化されたか

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/484305022.html

 

都市部ではどうでしょうか。東京と大阪で共産・社民の野党統一候補が成立した計8区(国民民主党が立候補していた選挙区は除外)について、票の一本化指標「野党統一候補の小選挙区得票数÷立憲野党の比例区得票数」を計算してみました。立憲野党は立憲民主党、日本共産党、れいわ新撰組、社民党です。

 

残念ながら、票の一本化指標はすべて1未満で、立憲4野党支持者の票が共産・社民の統一候補に一本化されたとはいえません。山口県第2区や香川県第3区では票の一本化指標が0.9を超えていますが、東京と大阪ではすべて0.9未満で、平均して0.7台となっています。

 

念のため、大阪で立民の候補が野党統一候補になった6選挙区について同様の計算をしてみましたが、2区と8区が0.9台となったものの、残るすべてが1を超えており、確かに立憲4野党の票が一本化されたといえる状況を確認できました。

 

繰り返し言いますが、野党統一候補に立憲野党の票が一本化されないことは、野党選挙共同の信義にもとるものです。これは多くの選挙区で野党統一候補となる立民の候補にも影響します。共産・社民・れいわの野党統一候補に立憲野党の票が一本化されないようでは、これらの支持者が立民の野党統一候補に投票する意慾を削ぐ方向に働くからです。

 

今回の選挙結果に悔しい思いをしている野党支持者には、真に互恵原則に則った投票をお願いしたいものです。

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(以上、太田光征さんの2021衆院選の結果分析を見ていただきましたが、なかなかの充実した内容です。これからも益々のご活躍に期待します:田中一郎)

草々

 

 

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