「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(128):昨今の放射線被曝をめぐる議論(その18)(「福島県民健康調査」結果、NHK「被ばくの森」、当事者からみる被ばく報道 - 宮崎・早野論文 -『科学的』の正体他)
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.「新ちょぼゼミ」予定
(1)(予約必要)(11.13)オルタナティブな日本をめざして(第67回):「デジタル政策の陥穽と、その危険性:自治・民主主義の観点から」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/09/post-68611a.html
(2)(予約必要)(12.4)オルタナティブな日本をめざして(第68回):「UNSCEAR報告書を覆した未公表データと初期被曝:小児甲状腺がんをめぐって何が起きているか」(白石草さん)(2021年12月4日)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-3bf834.html
(3)(予約必要)(12.23)オルタナティブな日本をめざして(第69回):「私見・原発賠償集団訴訟の到達点と課題」(村田弘さん:新ちょぼゼミ)(2021年12月23日)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-fc0fc0.html
(4)(別添PDFファイル)(チラし)(1.29)オルタナティブな日本をめざして(第70回)「日本の感染症対策と731部隊」(加藤哲郎一橋大学名誉教授:新ちょぼゼミ)
ダウンロード - efbc88efbc91efbc8eefbc92efbc99efbc89e3808ce697a5e69cace381aee6849fe69f93e79787e5afbee7ad96e381a8efbc97efbc93efbc91e983a8e99a8ae3808defbc88e58aa0e897a4e593b2e9838eefbc89.pdf
(予約の受付窓口)
*たんぽぽ舎(水道橋):TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
https://www.tanpoposya.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
(上記にお電話していただき「受付番号」をもらってください)
2.11月2日、東電刑事裁判 控訴審の初公判です! – 福島原発刑事訴訟支援団(当日のスケジュールなど)
https://shien-dan.org/keijisaiban-kousoshin-20211102/
(関連)(パンフ)東電福島原発事故刑事裁判 控訴審はじまります(2021年10月)
https://shien-dan.org/wp-content/uploads/shiendan-leaflet-2021.pdf
(関連)福島原発刑事訴訟支援団 – 東京電力福島原発事故の真実と責任の所在を明らかにします!
https://shien-dan.org/
3.小学校にゲノム編集トマトの苗を配らないで!(オンライン署名):OKシードプロジェクト
https://okseed.jp/act/
(関連)小学校にゲノム編集トマトの苗を配る!? - OKシードニュース - OKシードプロジェクト
https://okseed.jp/news/entry-94.html
(この国のロクでもない大人たちや教師・教育委員会どもは、子どもたちの命と健康を守り、その健やかでのびのびとした成長を促すのではなく、自分たちの勝手なドアホの思惑で子どもたちをダシに使うことばかりを考えている。福島原発事故後の福島県の「安全安心キャンペーン」がそうだったように、アベ政権下の防空訓練がそうだったように、今回はゲノム編集食品(遺伝子いじくり回し食品)という安全性未確認で環境汚染をもたらすギョギョギョのフランケンシュタイン食品を子どもたちに無理やり食べさせようとしている。トンデモナイ話である。:田中一郎)
4.国際ジャーナリスト・堤未果の新刊 - 株式会社アメリカの日本解体計画・「お金」と「人事」で世界が見える
https://bit.ly/3jRdX3g
5.『カムイ伝』白土三平さん、89歳で死去 第二部作画の弟・岡本鉄二さんも4日後に亡くなる(オリコン) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/e2bdc241f64706106fd9ae278f0a09e7eb973b1a
(関連)白土三平さんに影響与えた「反骨の父」「小林多喜二像」描いたプロレタリア画家- J-CAST ニュース
https://www.j-cast.com/2021/10/27423401.html
◆決定版カムイ伝全集 第一部 全15巻-白土三平著(小学館)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008246031&Action_id=121&Sza_id=HH
◆カムイ伝全集 第二部 全12巻セット-白土三平著(小学館)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000008245517&Action_id=121&Sza_id=HH
(名作漫画『カムイ伝』はすべて図書館で借りて読むことができる。みなさまにも是非ご一読をお勧めする漫画である。1990年頃、『ゴーマニズム宣言』という漫画をリベラルの立場から社会批判的に書き続けていた小林よしのりが、1990年代の「エイズ闘争」で左翼弁護士からバカにされたぐらいで根性が折れ曲がり、その後は「敵の敵は味方」とばかりに、この国の右翼グループを遍歴しては、そのバカさ加減・ノータリン状態にあきれ果て、今日では独立独歩の「真正右翼」としてふるまっている。作家の柳美里(ゆうみり)からは「あんたの漫画はかつてのものよりも字が多くて汚くなった、まるで大日本帝国時代のもののようだ」などと鋭い批判を受けていた。しかし、小林よしのりが主張する、原発論やTPP論などは、まさにリベラルそのもので、かつての同氏の面影が影を落としている。小林よしのりよ、もういい加減、ひねくれるのをやめて、残りの人生を元の自分に立ち返り、『復活、真正ゴーマニズム宣言』でも書いたらどうか。故白土三平氏の人生や漫画のあり様を参考にしてみたらいい。:田中一郎)
(参考)ゴーマニズム宣言 1-小林よしのり/著(扶桑社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000018862617&Action_id=121&Sza_id=F3
6.右も左も関係ない。国のかたちを歪める連中を退場させよう|適菜収 日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296761
(関連)それでもバカとは戦え|適菜収 日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/3524
(関連)(新刊書)それでもバカとは戦え-適菜収/著(日刊ゲンダイ)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034254733&Action_id=121&Sza_id=A0
(適菜収氏、自称「保守」の時事評論は痛快で的を射ています。日刊ゲンダイの毎週金曜日に連載されています。みなさまにもお勧めです。今日の日本には常識や良識やバランス感覚zの欠けた、文字通りの「バカ」が増えました。さまざまなところでおかしなことを平気で繰り返し、国の存立を脅かしています。そこまではいかなくても、市民運動・社会運動にも少なからず似たようなのが生息しています(例:「スターリンのミニブタ」)。私の若い頃は「バカに向かってバカと言ってはいけない」と教えられ、それがまた、有識者や市民運動・社会運動の「たしなみ」とされていました。私はアベ政権成立以降、その教えに従う方針を転換し、「バカに対しては、はっきりとバカだ」と、理由書付きで申し送りすることにしています。適菜収氏の立論は、その際の参考になります。:田中一郎)
(下記の本も実に面白い内容でした:表題とは全く違う時事評論が書かれています=適菜収氏は「保守」を自称していて、なおかつ、こういう本を書くのですから、発想が豊かなのでしょう。聞き役が日本共産党の清水忠史氏、話し手が適菜収、という感じです。少なくとも自民党や維新のバカおやじ・トンチキおばば達とは格段に違います)
(関連)日本共産党政権奪取の条件-適菜収/著 清水忠史/著(ベストセラーズ)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033942629&Action_id=121&Sza_id=E1
7.「いちろうちゃんのブログ」より
(1)(報告)(10.27)トリチウムの危険性を甘く見てはいけない:福島原発汚染水を巡る「伝えられない危険性」と嘘八百(新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-9cd39a.html
(2)「デジタル・ファシズム」への道:(1)拡大するグーグル&ユーチューブによるネット言論妨害=「新型コロナ」に続いて今度は地球温暖化(2)法制審議会が「懲役刑の侮辱罪」創設を答申へ=近未来の支配権力批判に対する弾圧手段- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-1c6d46.html
(3)(さきほどのメールの付録)トンチキ珍経済政策「ご説教」を2つばかりご紹介=1つは「陳腐化する日本財界の御用聞き」が使う屁理屈(サプライサイダー)、もう一つは「人間はムチでシバかないと働かない」という愚民論に基づくベーシックインカム批判- いちろうちゃ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-7e067b.html
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「「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(128):昨今の放射線被曝をめぐる議論(その18)」をお送りします。今回は、内容のボリュームがかなりありますので、取り上げる項目数を絞りました。以下、サイトなどの紹介件数は少なめですが、それぞれが奥が深いですので、みなさまには熟読をお願い申し上げます。
1.当事者からみる 被ばく報道 - 宮崎・早野論文 -『科学的』の正体 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cquFO033mIY
https://www.youtube.com/watch?v=cquFO033mIY
(関連)(必読論文)(別添PDFファイル)伊達市民の被曝線量を過小評価した大規模住民データ解析論文(イントロ部分)(黒川眞一・島明美『科学 2021.8』)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo202108.html
ダウンロード - e4bc8ae98194e5b882e6b091e8a2abe69b9de7b79ae9878fe9818ee5b08fe8a995e4bea120e38387e383bce382bfe8a7a3e69e90e8ab96e69687efbc88e382a4e383b3e38388e9bb92e5b79de383bbe5b3b6e3808ee7a791e5ada6202021.8e3808fefbc89.pdf
(関連)(別添PDFファイル)伊達市外部被曝データ解析論文問題についての早野龍五氏と黒川眞一氏の対論より(編集部『科学 2021.6』)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/Kagaku_202106_henshubu.pdf
(関連)日本科学技術ジャーナリスト月例会(4月13日)における早野氏の発言に対するコメントと批判(黒川眞一『科学 2021.6』)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/comments_on_20210413.html
◆日本の大学は腐っている(2):正体を現した似非アカデミズム=「住民に背を向けたガラスバッジ論文ー7つの倫理違反で住民を裏切る論文は政策の根拠となりえない」(宮崎真&早野龍五論文)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-5dd5.html
2.福島県の甲状腺がん、集計外含め293人〜星座長は5期目 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/43103/
(関連)第43回「県民健康調査」検討委員会(令和3年10月15日)の資料について - 福島県ホームページ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-43.html
(関連)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai.html
(今回も、最も更迭されるべき「放射線ムラのピエロ」=星北斗が居残って、またまた座長をやり続け、逆に、この委員会のあり方に批判的で、今後も就任を続けるべき人物である春日文子氏が退任となっています。子どもたちの命と健康を守るのではなく、放射線被曝被害のもみ消しと被害者切り捨て、原子力ムラ・放射線ムラの利益防護を最優先に運営される、この「福島県民健康調査検討委員会」はもはや解体し、新たな組織を立ち上げるべきです。:田中一郎)
◆OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/
(1)小児甲状腺がん患者ら半数「被曝影響」疑う〜支援団体が報告書 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/43998/
(2)原子力災害時の「甲状腺モニタリング」方針、固まる - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/40603/
(お勧め)メールマガジンのご登録 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
https://www.ourplanet-tv.org/mailmagazine/
(お願い)【設立20周年】アワプラ“20歳”!バースデードネーション500万円に挑戦!|Syncable
https://syncable.biz/campaign/2016/
(企業や役所から広告宣伝費をもらわない独立系ジャーナリズムの経営は容易ではありません。みなさまの力でOUR PLANET TVを支えてください。お願いいたします。ちなみに私はOUR PLANET TVの経営とは何の関係もありません(アカの他人です)。誤解なきよう、お願い申し上げます。:田中一郎)
3.食品中の放射性物質の検査結果について(1258報)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21449.html
(茨城県および山梨県のキノコ・山菜から基準値以上の放射性セシウムが検出されています。この両県が福島第一原発事故による放射能汚染地帯であることを実証しています。両県の天然もの(キノコ・山菜に限りません)食材は避ける方が無難であることや、山林には立ち入らないほうがいいと思います(呼吸被ばくの危険性)。それからついでに申し上げれば、この厚生労働省サイトが書いているような「食品中の放射性物質=放射性セシウム」という認識は誤りであり、放射能汚染の極度の過小評価・歪曲であるということです。要するに、放射性セシウム以外の放射性核種が検出されると困るので(例:放射性ストロンチウム、放射性ヨウ素129、ホットパーティクルなど)計測しないということです。放射能汚染の「見えない化」がこの国の政府の一貫した方針です。:田中一郎)
(関連)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の解除|厚生労働省 2021.10.27
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21688.html
(今回の「出荷制限の解除」の対象はクマの肉です。常日頃、公的機関による食品の放射能検査(自治体がほとんど、一部、国の関連団体)がしっかりなされているかのような報道がなされ、食の安全管理は万全であるかのごとき体裁が取られていますが、実態はそうではありません。クマの肉など、私たちの日常の食生活とは無縁なものばかりを計測し、肝心の汎用食材についてはほとんど調べられていないのです(流通量に対する%は四捨五入ゼロ)。放射性セシウムしか計測していないとはいえ(それ自体がダメ)、万が一、検出されてしまうと産地がダメージを受けるので、様々な屁理屈をつけては検査を回避しています。福島県をはじめ、関東や南東北を産地とする食材・食品はできるだけ避けて通るのが無難です。この国や自治体の「放射能汚染見えない化」の態度・方針は福島第一原発事故以降、一貫しています。農業で言えば、食品検査だけでなく土壌汚染検査も必要ですが、全くと言っていいほど実施されておりません。漁業で言えば、放射性ストロンチウムの検査を徹底してしなければいけませんが、ほとんどやっていません。チェルノブイリ原発事故以降の旧ソ連諸国でもやっていることなのに、です。:田中一郎)
(関連)測定結果 - 認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね
https://tarachineiwaki.org/radiation/result
https://tarachineiwaki.org/
4.被曝の森 2021 変わりゆく大地 - NHKスペシャルまとめ記事 - NHKスペシャル - NHK
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/paX1p0ynQP/
(関連)「被曝の森 2021 変わりゆく大地」 - BS1スペシャル - NHK
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/N7JWW798ZM/
(関連)BS1スペシャル「被曝の森 2021 変わりゆく大地」part1 20211003 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x84o3a4
(関連)BS1スペシャル「被曝の森 2021 変わりゆく大地」part2 20211003 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x84o327
(上記の両方とも、最初、やけに長い宣伝画像のようなものが出ますが、少し我慢してください)
<田中一郎コメント>
どうも「うさん臭い」放送でした。そもそも、番組の最後にTV画面に流れる「制作に協力した団体名」を見ていると、福島大学や東北大学、日本原子力研究開発機構や福島県(庁)をはじめ、福島原発事故以降の10年間、一貫して放射能汚染や放射線被曝について、ごまかしたり、隠したり、過小評価したり、歪曲したりしてきた組織ばかりがずらっと並んでいて、とてもこの番組が伝えるところを素直に見ることができない、そんな不信感を抱かせる番組でした。私が見ていて、おや? と思ったこともいくつかあります(例えば下記のようなこと)。
(1)野生動物の染色体に異常が現れているという重大事実について、継続的な観察をしていると、時間がたつにつれて、その異常数が減少していき、自然に回復している様子が見て取れるとか(異常頻度のグラフを見せていましたが、それが右肩下がりの平均直線を引けるようには見えなかった)、そんな楽観方向での我田引水型の結論を、安心材料として地元福島県の住民たちに説明するとか言っている研究者(トンデモナイ話)、他方で、染色体の異常多発により、その野生生物にどのような健康被害が出ているかの説明は皆無であること、こういうことがわかっているなら、「福島県民健康調査」でも子どもたちの染色体の異常検査をすべきであろうに、それについても何の示唆もないこと、などなど。
(2)森林樹木の組織内部に放射性セシウムが入り込んでいて、伐採して材木として搬出しても危険だから使えない、という重要な情報提供もあった。地元の林業家たちががっかりする中、森林内で地面に自然に散布された樹木の種が発芽し、その幼樹には放射性セシウムがあまり含まれていないことから、未来の林業の復興の可能性を指摘する部分、そしてある林業家が森林を間伐して太陽の光を通しやすくし、その幼樹を育てて行こうとする姿、などが放送されていた。しかし、福島県をはじめ、南東北や関東地方の汚染森林での林業は禁止されているわけではなく、また、伐採搬出される木材についても厳格な放射能汚染規制が決められてもいないし(形だけは存在する)、その実効性を担保する行政の取組もない、そしてそのことが放送されない。「被ばくの森」で林業労働をすれば作業員はひどい呼吸被ばくを受けるであろうことは十分に予測されるが、それについてもコメントなし。みなさまが木造住宅をお買いになる際には、必ず線量計をお持ちになるのがいいでしょう。うっかりすると放射能汚染木材の新築住宅を買わされることになりかねません。
(関連)放射性物質の現状と森林・林業の再生(林野庁 2018年度版)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/jyosen/attach/pdf/houshasei_panfu-11.pdf
(↑ 放射能による環境汚染の中では森林が最も深刻であるにもかかわらず、この「お気楽パンフ」はいったい何?:田中一郎)
(3)環境に放出された放射性セシウムは、森林の土壌に大量に蓄積したが、その大半が土と化学結合して動かなくなった。いわば森林が、放射性セシウムの人間居住環境への侵入を防ぐ「天然の防波堤」になっている、と放送していた。しかし、その森林土壌もまた、集中豪雨や台風など大雨が降れば、森林に植えられた「ツマヨウジ」のような針葉樹や切り捨て間伐された材木などとともに、土石流となって人里を襲ってくる。どこが「天然の防波堤」なのか!? また、森林内の土壌の放射性セシウム汚染を計測してみると、高いところでは10万ベクレル/kg(600万ベクレル/m2)もの数値が出ていたとも放送していた。猛烈な汚染であり、こんなものが豪雨とともに土石流となって民家のあるところに流れてくるようなところでは、人は安心して住むことなど不可能である。
結局、この番組も、もっともらしい体裁をとりながらも、福島原発事故による放射能汚染の肝心なことを隠し、あるいは楽観的方向にゴマカシ、将来に大きな禍根を残すある種のインチキ番組ではないかと、ふと思った次第である。最も心配なのは、もっと懸念されることが自然界の様々な生き物たちや、その生態系に生じているにもかかわらず、それらが秘密裏にされ隠されているのではないかということ、であり、何故なら、そういうことは、これまでの政府や自治体や御用学者や企業や関係団体などのふるまいを見ていると、大いにあり得ることだからだ。
福島原発事故による放射線被曝の問題はこれからが「本番」です。万全の注意とリテラシーをもって「彼らの情報」に接し、騙されないように用心いたしましょう。原発安全神話の次は放射能安全神話・被ばく安心神話ですから。
(関連)(報告)(6.7)オルタナティブな日本をめざして(第60回)「福島原発事故から10年:放射能汚染の実態とその諸問題」(青木一政さん・中村順さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-dc2b22.html
(関連)ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト
http://www.f1-monitoring-project.jp/
(関連)プレスリリース:ハウスダスト(家庭の掃除機のごみ)のセシウム濃度測定による 福島県内外の放射能汚染調査 - ちくりん舎(NPO法人市民放射能監視センター)
http://chikurin.org/wp/?p=5982
5.広島2人デモ(サイト右側のバックナンバーを日付の最近のものから片っ端に見て行ってください)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/
(1)ICRP学説に基づいてフクシマ事故の放射能影響を考えて本当に⼤丈夫か?(広島2人デモ)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150508.pdf
(2)低線量内部被曝の危険を⼈々から覆い隠すICRP学説の起源(広島2人デモ)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150501.pdf
6.「いちろうちゃんのブログ」より
(1)(パンフ)福島原発事故後の日本、内部被曝はより危険、政府・原子力事業者・規制委の主張(ICRP学説)の根本的誤り(伊方原発運転差止広島裁判)& 「いちろうちゃんのブログ」関連サイトなど- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-54f23f.html
(2)直近「福島県民健康調査検討委員会」(第42回 2021.7.26)結果の概要と、「放射線ムラ」ずっこけグループを集めた福島原発事故被ばく被害の似非科学「過剰診断・過剰診療」セミナーを嗤う- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-1cc95e.html
(関連)児玉一八他3名著福島第一原発事故10年の再検証」を検証する 山田耕作、渡辺悦司 - どうしても取り返すために
http://blog.torikaesu.net/?eid=111
(3)放射線被曝の遺伝的影響について日本政府のゴマカシは看過できない:「放射線防護の考え方原案に「10ミリ基準」〜内閣府の意向で削除 - OurPlanet-TV」より + 「黒い雨」裁判関連情報- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-9cf012.html
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