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2021年5月24日 (月)

現代アメリカの政治をどう見ていくか(1):国際ジャーナリスト=田中宇氏サイトのレポート批判=バイデン民主党とトランプ主義化する共和党の下で展開する社会運動

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.6月の「新ちょぼゼミ」
(1)(予約必要)(6.7)オルタナティブな日本をめざして(第60回)「福島原発事故から10年:放射能汚染の実態とその諸問題」(青木一政さん・中村順さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ(この日は事務連絡を除いて主催者側からのプレゼンはありません)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-458ec6.html

(2)(予約必要)(6.29)オルタナティブな日本をめざして(第61回):「青森県六ケ所村再処理工場の実態とその危険性」(永田文夫さん)- いちろうちゃんのブログ(この日は事務連絡を除いて主催者側からのプレゼンはありません)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-3b8e53.html


2.(5.27)第3回証人尋問(第59回口頭弁論期日)-東電株主代表訴訟
 http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/blog-entry-382.html

(関連)今後の証人尋問はこちら
 http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/blog-entry-374.html


3.(現代版治安弾圧法)重要土地規制法案の廃案を求める電子署名
 https://docs.google.com/forms/d/1gdwRrkjy5vfypMLTwi5sBtf_2wPkxDtmv0H2mUeeArY

明日24()2359締切というたいへん短い時間の文字通り「緊急」の署名です。 ご協力ならびに拡散、よろしくお願いいたします。4月30日に緊急声明を出した市民グループのブログをご紹介いたします。随時情報がUPされています。

ホーム http://juyotochi-haian.org/


4.日比谷公会堂の着工めど立たないのに…公園内のニレとケヤキの一斉伐採に疑問声:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/105973?rct=national

(関連)トイレが大問題…どうなる日比谷公会堂の改修 着工めど立たず:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/105972?rct=national

(何をやってもまともにできないノロマで低能力水準の東京都の役人ども、こんどは日比谷公園の施設に手を出して、またぞろロクでもないことをやっている。よく日比谷公園を通るけれど、公会堂はここ数年、ずっと「工事中・立入禁止状態」で、どうなってんのかな、と思っていたら、こんなことなのだ。しかも、公園内のニレとケヤキの一斉伐採までして、貴重な公園施設の破壊をしていたということか。得意の責任逃れと言い訳用「作り話」で、また、ふざけたことを言っている様子だ。まずは木を伐った責任者の役人を「伐って」しかるべき罰を与えよ。そうしなければ、今後また同じことを繰り返すに違いない。トイレは公会堂の斜め向かいにある公衆トイレを拡充してキレイにすればいいだけの話。何をくだらないことを言っているのだろうか。それよりも、早く公会堂を使えるようにしろよ! もう何年たってると思ってんだ! :田中一郎)

(関連)完全閉鎖された明治公園、再び懸念される「強制排除」~東京都・JOC・日体協による野宿者追い出し緊急記者会見 - IWJ IndependentWeb Journal
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/335793

(追:首都東京には広場(アゴラ)がなさすぎる。悪質な意図さえ感じさせる(先般はオリンピックを口実に明治公園がつぶされた)。日比谷公園の斜め横にある経済産業省を廃止し、その建物を全部壊して更地にして、そこを広場(アゴラ)&公園にして、敷地の周りに樹木を植えればいい。そして、不祥事を起こした省庁から順番に廃止(スクラップ)していって、最終的には霞が関界隈=国会周辺を大きな青空広場(アゴラ)にしてしまえばいいだろう。経済産業省(完全に廃止:スクラップ)を除く廃止省庁のビルドは、幹部メンバーをガラッと変えて、都内の別の場所でスタートさせればいい。人心一新・組織刷新の契機となる。また、都内=特に23区内の公園を増やす長期計画を立て(防災対策の一環でもある)、青空と広場(アゴラ)と緑を都民の手に取り戻す計画もあっていい。但し、公園内に妙なモニュメントや不要不急の建物はいらない。:田中一郎)


5.日本医師会トップ“まん延防止”中にパーティー参加(2021512) - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=kLA3tTlU6po

(関連)日本医師会・中川会長がパーティー参加で大炎上!背景に自民党「身勝手ルール」(東スポWebYahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/ab159b048203a7362acde7cc2fc040be3729f298
(関連)長嶋一茂は激怒、日本医師会会長のパーティー開催に「出席した人は全取っ替えしないとダメ」:中日スポーツ・東京中日スポーツ
 https://www.chunichi.co.jp/article/254671

(関連)日本医師会・中川会長が今度は〝寿司デート〟報道「国民の手本になるような団体じゃない」(東スポWeb - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/dd82a6a22a114097882b8d9a7157797281e542d4
(関連)「寿司デート」トレンド入り…日本医師会会長の新たな報道に怒りの声「これが上級国民との差」(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/4c3b176ca2d65d3ca66d53d098faa770868ee4dd

(関連)民間病院にもっと支援を…コロナ患者受け入れで収入減 減収補塡など使途拡大訴え:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/105954
(関連)日本政府の愚策…コロナ禍なのに、なぜ「消費税」を使ってでも「病床削減」を進めるのか?(鷲尾
香一) - マネー現代 - 講談社(1-4
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83350

 <田中一郎コメント>
 新型コロナ対策で最も重要なことは人員確保を含む医療体制の拡充整備だ。ところがこの日本では、それがいつまでたっても進まず、くだらないことで大騒ぎをしているうちに、いよいよ病院での治療が受けられないまま多くの人が死に至るという、信じがたい前近代的な人権踏みにじりの事態が生まれてしまっている(その典型が「昔は水の都、今はアホの都」の大阪だ)。そんな中、国や自治体は、まるで新型コロナを無視するかのように公立病院を整理統合しようとし、菅義偉スカ政権は、そのための法案を今国会に提出して強行採決しようとしている。他方、民間の病院の多くは、これまた新型コロナを避けて通るように患者の受診を拒み続け、多くの新型コロナ患者は「治療難民」となって自宅で苦しみながら家族までもを感染させ、自身は死去するのを待つ、という悲劇のどん底に突き落とされる事態である。

(民間病院の名誉のために申し上げておけば、①民間病院でも新型コロナ患者受入れに全力を挙げてくださっている病院も少ないけれど存在する、②圧倒的に多くの民間病院が消極的なのは、政府がいつまでたっても財政的な支援や人員確保のための費用を十分に提供しないためである、③多くの大学病院もまた新型コロナ対応には消極的で、ここが重症患者の面倒を見ようとしないのには、いくつかの理由があるが(その1つは、所管官庁が、感染症=厚生労働省、大学病院=文部科学省、と違っていること)、いずれにせよ、それを政治主導で調整し問題を解決しようとする姿勢(リーダーシップ)が、国にも自治体にも与党政治家どもにも乏しい。よほど日本医師会が怖いと見える。いったい誰のための、何のための政治であり行政なのか!?)

許しがたい状況が生まれている中、その民間病院を代表する組織=日本医師会の会長・中川俊男が「まん延防止等重点措置」期間中だった420日に都内で開かれた自民党の自見英子参院議員(45)の政治資金パーティーに参加していた(自ら発起人となって開催していたという報道もある)ことが発覚した。日頃、新型コロナについて、政府の対応を辛口で批判して、もっともらしいことを口にしているが、民間病院の患者受入れ体制の整備拡充については、当事者であるにもかかわらずビクとも動こうとはしないのを変だな、と思って見ていたが、やはり茶番男だったことがこれで分かったということだ。表の顔で政府・菅義偉スカ政権を批判して正義の味方・月光仮面を演じ、裏で自民党議員どものカネ集めに協力して「蔓延防止のための自粛だと、そんなものは国民がやればいいだけの話」という本音を態度で示したというわけだ。発覚後は愚にもつかない言い訳までしている始末。

更にそれに追撃をかけるように、今度は「20日発売の「週刊新潮」が、昨年8月に中川氏が女性と〝すしデート〟をしていたと報じたのだ。当時の中川氏は「我慢のお盆休み」を国民に要請していた。(中略)中川氏は日本医師会のトップとして連日のように記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、〝医師の代表〟として国民に対して自粛を強く要請してきた立場だ。ところが420日に東京都内で行われた、自身が後援会長を務める自民党の自見英子参院議員の政治資金パーティーに、日本医師会幹部ら約100人とともに参加。自ら自粛破りをしてひんしゅくを買った。それだけでなく、昨夏には女性とすしデートにしけこんでいたというからあきれるしかない。」(東スポWeb

中川俊男は日本医師会長を辞任し(こんな奴の言うことに誰が耳を傾けるのか!?)、日本医師会は徹底的に反省するため当分の間閉鎖とし、再建委員会でも発足させて、直ちに新型コロナへの民間医療体制拡充整備の取組を開始したらどうか。戦後、一貫して自民党にへばりついて甘い汁を吸い続けてきた日本医師会も、そろそろ終わりにしろ、ということだ。末法状況のこの国は、いよいよ感染症放置で有権者・国民の命が奪われる事態となりつつある。まるで室町戦国時代の京都のようである。


6.日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 - 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場 - 東洋経済オンライン
 https://toyokeizai.net/articles/-/430023

(仮説1)愚かな人が政治家になっているから
(仮説2)政治家になると愚かになってしまうから
(仮説3)政治家になると愚かに行動することになるから
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(田中一郎仮説4)有権者・国民が愚かだから

(関連)内閣支持率31%、菅政権では最低 毎日新聞世論調査 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20210522/k00/00m/010/124000c
(関連)自民幹部「まずい」 内閣支持率31% コロナ対策、効果出ず - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20210522/k00/00m/010/191000c
(関連)菅総理の答弁が「壊れたレコード」から「やぎさん答弁」に変化中- FRIDAYデジタル
 https://friday.kodansha.co.jp/article/181347
(関連)「菅政権は終わり…」二階幹事長ら自民党重鎮は泥試合、官邸でもワクチン接種で”裸の王様” AERA dot.
 https://dot.asahi.com/dot/2021052000093.html
(関連)総務省接待「調査漏れ」会食複数、野球観戦も 東北新社公表へ(毎日 2021.5.20
 https://news.yahoo.co.jp/articles/6cea152679117642148209987532a9af314ae821

●高橋洋一氏 緊急事態宣言は「屁みたいなもの」とツイート
 https://bit.ly/3feduWH

(関連)東洋大、窃盗容疑の高橋洋一教授を懲戒免職- J-CAST ニュース【全文表示
https://www.j-cast.com/2009/04/23040070.html?p=all

https://www.j-cast.com/2009/03/31038544.html?cx_recsOrder=1&cx_recsWidget=articleBottom
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昨今、他のMLで、現代アメリカの政治をどう見ていくか、について議論しました。下記にその中で私が発信したものをご紹介いたします(一部加筆修正)。ご紹介する理由は、私が批判対象とした国際ジャーナリスト=田中宇氏のサイトにあるレポートでの議論の仕方が、広くこのテーマに限らず一般の市民運動・社会運動にも散見される問題ではないかと思うからです。田中宇氏のサイトについては、私はもうだいぶ前に発見して、たまに拝見していましたが、数年前まではそれほど違和感は感じていませんでした。同氏の議論展開を詳細に追っているわけではないので確たることは言えませんが、どうもトランプ政権発足以降、おかしくなっているのではないかと私は感じます。

そしてそれは、その前のオバマ政権や、それと地続きのクリントン政権や、ヒラリー・クリントン氏ら、今のアメリカ民主党幹部たちが金権腐敗でご都合主義の極めてタチが悪い政治集団になっているからではないかと推察しています。しかし、だからと言って、明確なる根拠や理由も明らかにせず、トランプ政権やトランプ化する共和党を支持したり賛美したりする論調は、私はいただけないと思っています。

日本のマスごみ(TVや新聞)の報道内容の劣化は言われて久しいですが、特に国際報道については、私の若い頃から貧弱でお粗末で問題だと言われ続けてきました。今では「目も当てられないくらい」にまでひどくなっているようですが、これでは日本の有権者・国民は「対米隷属・思考停止」の「ヘドロ事態」から解放されることが困難になります。マスごみに代替する情報源が必要で、田中宇氏サイトはその1つと心得ていたのですが、残念ながら、その変質ぶりからは期待ができなくなってきています。


◆覚醒運動を過激化し米国を壊す諜報界(田中宇 202155日)
 http://www.tanakanews.com/210505wokuso.htm

(関連)田中宇の国際ニュース解説
 https://tanakanews.com/

 <田中宇氏の近著書>
(1)国際情勢メディアが出さないほんとうの話-田中宇/著(PHP研究所)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032188583&Action_id=121&Sza_id=F3
(2)トランプ革命の始動 覇権の再編-田中宇/著(花伝社)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033592645&Action_id=121&Sza_id=C0
(3)コロナ時代の世界地図 激変する覇権構造と進む多極化-田中宇/著(花伝社) 
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034104972&Action_id=121&Sza_id=C0

 <別添PDFファイル>
(1)危惧されるタカ派寄りのバイデン新政権(イントロ部分)(樫田文彦『週刊金曜日 2021.1.15』)
 https://bit.ly/3499QHc
(2)米黒人暴行死受け、過度な責任追及に反発、ブルー・ライブズ・マター「警官の命も大切」波紋(東京 2021.5.9
 https://www.chunichi.co.jp/article/250276

 <関連サイト>
(1)トランプ氏主張を「大うそ」と批判した米共和下院ナンバー3排除へ…党内で内紛
読売新聞オンライン
 https://www.yomiuri.co.jp/world/20210511-OYT1T50040/
(2)米下院共和党、幹部にトランプ派 ナンバー3、ステファニク議員 | 共同通信
 https://this.kiji.is/765956718699675648
(3)米政界で存在感残す「トランプ主義」共和党支持者に根強い待望論:時事ドットコム
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011900784&g=int
(4)共和党「最後の良心」リズ・チェイニー、トランプ批判で追放の危機 - ワールド - 最新記事 - ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト
 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96246.php
(5)共和「トランプ党」脱却せず 中間選挙優先の解任劇、内情は複雑 - 毎日新聞
 https://bit.ly/3ffDEso
(6)バイデン政権は国防総省・軍需産業の連合体に牛耳られた|孫崎享 日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285978
(7)トランプ氏の刑事捜査着手 NY州司法長官 - 琉球新報デジタル
 https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-1324482.html
(8)再選出馬に逆風?トランプ経営企業に刑事訴追の可能性|ニューズウィーク日本版
オフィシャルサイト
 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96325.php
(9)バイデン政権、超党派のインフラ合意目指す方針を転換も-大統領顧問 - Bloomberg
 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-23/QTKT6OT1UM0X01

 <1からわかる!バイデン大統領とアメリカ:NHK就活応援ニュースゼミ>
(1)https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji71/
(2)https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji90/
(3)https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji91/
(4)https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji92/
(5)https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji93/

(何となく「幼稚園ゼミ」のような感じがしますが、ご覧になる場合は批判的な観点をお忘れなく)


1.最初のメール
 上記の田中宇氏のレポート「覚醒運動を過激化し米国を壊す諜報界(田中宇 202155日)」を読みました。少し前にも同氏の新型コロナに関するレポートを見て、同じように感じたのですが、上記はそれ以上にひどいですね。ここから読み取れ得るのは、彼はトランプ主義者であり、今の共和党多数派(トランプ信奉者)の支持者なのか、ということぐらいです。

書いていることのエビデンスが全くと言っていいほどありません。田中宇氏が思った結論や「像」を書き連ねているだけで、それぞれがどういう根拠や証拠に基づいて、そう言えるのか、全くわかりません。ですから、我々日常的に米国政治に接しているわけではない、従って、精通しているわけでもない一般の日本の市民にとっては、是も非も、真も偽も、判断がつきませんから、言われっぱなしということなります。こういう議論の展開は、私はダメだと思います。ああそうですか、で終わってしまいます。日本との関係についてもほとんど言及がありません。

そもそも外国の政治の展開について、その裏側を見に行こう、深読みしようと、しすぎているのではないかと私などは思います。もっとマスコミが報道しているところに沿いながら、それが虚偽やでっち上げだというなら、その根拠や証拠を示しながら議論展開しなければだめです。私がここ10年くらい、市民運動・社会運動で出くわす右翼系・右派系の連中の、左派的改革系・リベラル系の言論に対する異議申し立て・反論も、また、この田中宇氏のような議論が多いのです。何だか、どこで聞き知ったのか、我々には訳がわからないようなことを絶対真実だと信じ込んでいるような口ぶりでしゃべり、こちらからの議論はとんと耳に入らない、思い込みの激しそうな連中です。しかし、田中宇氏の議論の仕方もそれとそっくりです。そして、こうした議論の仕方は、私が若い頃(1970年代中後半)の多くの新左翼系セクトの連中もそうでした(共産党系は機関紙赤旗の朗読のような感じ、社会党系なんぞは学生にはほとんどいない?)。非共産党系のノンセクトの人間たちは、こういうタイプは多くなかったように思いますが、セクトに属していた多くの人たちは似たようなタイプが多かったように思い出します。

1つ2つ例を挙げておきましょう。トランプは民主党が仕掛けた不正選挙で大統領再任を妨害され落選した、という主張、これはどのような根拠なり実証なりがされているのでしょうか? 私は、不正選挙というのなら、むしろゴアがブッシュジュニアに接戦で負けた2000年の大統領選挙の方がいかにもインチキくさいと思いますし、また、裏がありそうだと思わせるのは、9.11同時多発テロで、あれなどは、事故後の検証が全く持って不十分ではないかと思えてなりません。(軍産複合体の仕掛けた謀略=特にペンタゴンに突っ込んだ航空機については、その後はペンタゴンについても航空機についても、ほとんど何も知らされていないし、2機の航空機が突っ込んだ貿易センタービルが崩れ落ちるのはともかく、その横にあった別のビルが航空機激突などないのに、何故、同じように崩壊するのでしょう? 水面下で同時のビル破壊を仕掛けた謀略集団がいるのではありませんか?)

あるいは「覚醒運動の過激化と拡大が進んでいる」などというのもありますが、しかし、過激なのは、白人による有色人種への差別であり暴力なのではないのですか?
それについては、田中宇氏は何故、何も発言しようとしないのでしょうか。クー・クラックス・クラン(KKK)や反共主義の暴力は今に始まったことではなく、1世紀近い「伝統」があり、今もなおアメリカでは健在でしょう。それについてはどうなのでしょうか? 上記には一言も書いてありませんね。

「私の見立てはそうでなく、米覇権を確実に崩壊させるにはむしろ、バイデンに不正に政権を取らせて理不尽で過激な覚醒運動を扇動し、単独覇権主義的な政策をとらせ、コロナや温暖化対策で経済を自滅させる一方、トランプを落選させて共和党に国内テロリストのレッテルを貼り、共和党の方がましだと考える理性的な人々が「極悪」扱いされ、米国の内部対立・内乱・内戦状態がひどくなるのが良い、と隠れ多極主義者たちが考えたのでないか、ということだ。」

⇒ ナニコレ!? ではありませんか? これが真実だというなら、その根拠や証拠を示さないと、どこやらの得体の知れないアホダラ宗教と同じではないか、と私などは思ってしまいます。

国際政治や外国情勢の裏を読め、真実を探り出せ、という、そのセンチメントが高じて、深読みがナナメ読みになり、やがて逆さ読みになって支離滅裂になっている、そんな印象を強く感じさせます。田中宇氏がこうした批判など屁とも思わずに持論を展開していくのなら、その方法論を転換しないと、これではいつまでたっても「訳のわからんことを言っている奴だ、相手にしないことにする」となってしまうでしょう。私もかような文章を読むこと自体、時間の無駄だと感じます。その方法論とは、表面化している事実をまず愚直にしっかりとつかみ、その意味を推定推測し、そしてその推定結果のエビデンスを探しに行く。国際情勢だと、事実認識のところから「人によって異なる」場合もあるので、それもしっかりと念頭に置いておく、ということでしょう。そして、断定することと推定していることとの差を意識しておく必要があります。

今ならば、日本からアメリカを見る場合には、バイデン政権のアジア政策や対中国政策、北朝鮮政策が注目の的でしょうし、国内政策については、まずもって経済政策ということになるでしょう。日本との関係で言えば、TPPや日米FTAも含めて、貿易政策や国際資本政策がどうなのか、また、国際租税政策をどうするのか(多国籍大企業の納税回避やタックスヘイブンなど)、というところが注目だと思います。何をテーマに選ぶかも大切なことの一つです。


2.メールその2
 田中宇氏の文章の中に出てくるグレン・グリーンウォルト氏に疑問があるということではありません。特にグレン・グリーンウォルト氏は、スノーデン氏の告発を命がけで助けた弁護士でありジャーナリストである人で、日本でも遅れて翻訳本が出て有名になっています。

●暴露 スノーデンが私に託したファイル-グレン・グリーンウォルド/〔著〕 田口俊樹/訳 濱野大道/訳 武藤陽生/訳(新潮社)

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033092127&Action_id=121&Sza_id=C

(それにしても、この事件の「その後」はどうなったのでしょうか? アメリカの盗聴・盗視体制は適正化されたのでしょうか? スノーデン氏は日本にもこのシステムを教えて協力させていた旨のことを発言していますが、それについてもうやむやのままです。何故、誰も追いかけないのでしょうか?)

問題は田中宇氏の議論の仕方にあります。簡単に申し上げれば、世の中に存在する認識やいくつかの議論とは全く異なる内容で、自分の頭の中にある「像」を並べているだけでは、何の説得力も持たないですよ、ということです。アメリカの政治で具体的に言えば、トランプこそがフェイクとヘイトと偏見とドスケベーとジコチューの塊みたいな人物で、米政府スタッフの説明も聞かずに、思い込みの嘘八百やデタラメをまき散らしては物議をかもしている張本人だ、というのが、少なくとも日本の多くの有権者・国民の認識でしょう。しかも、ずるがしこい大金持ちの実業家です。何の期待もできないのではありませんか? 何が「偉大なアメリカ」ですか!? こんなものに騙されて投票するラストベルトの元ブルーカラーこそ愚かで哀れです。

また、共和党はブッシュジュニアの時代以降、いわゆる民主党に近い「比較的リベラル」だと言われるエスタブリッシュの政治家たち(例:ジェイムズ・ベーカー氏=パパ・ブッシュ政権で国務長官)が後ろに引っ込み、代わって、ティーパーティーだの、アラスカのセイラ・ペイリンだの、ネオコンだの、ラムズフェルドだの、チェイニーだの、ボルトンだの、スティーブン・バノンだの、いわゆる「頭の歪み切った右翼・右派グループ」の寄せ集めのような政党になり、その支持基盤は、たとえばキリスト教新教福音派とか、ライフル協会とか、退役軍人会とか、新興ヘイトグループとか、まあ、およそアメリカ社会を歪めるロクでもない連中の巣窟だというのが、日本のリベラル勢力の一般的な認識ではないかと思います。

そして返す刀で、こんなガラクタの集まりになってしまった共和党などよりは、民主党の方がずっとマシで、民主党のなかでも、サンダース氏やオカシオコルテス氏に代表される改革勢力にこそ、期待できるのだ、という認識が支配的でしょう。

私は、共和党についての認識はそれでいいと思っていますが、民主党についての認識は「甘い」と思っています。サンダース支持勢力についても、今一つ、改革への徹底力というか、困難な状況を突き抜けていくだけのエネルギーにかけているような印象を持っていて、民主党をホンモノの改革政党に変えていくには、もう一段の取り組みが必要な気がしています。そして、その取り組み相手は民主党の中にではなくて、外にいる、と思っていて、その時に、今現在、共和党に集まってきているデマゴーグの歪んだ右派勢力が決定的に障害物になるのではないかと思っています。この政治情勢は日本と瓜二つであり、現代の人間社会の危機的状況が日米欧で、あるいはBRICSで、同じような形で現れているのかもしれない、と受け止めています。

問題は、こうした認識が是か非か、真か偽か、にあるのですが、田中宇氏の問題は、それを非であり偽であるということを言わんとして、何の根拠も証拠も示さずに、自分の想念を述べるだけにとどまっていることです。文章の中では「共和党の方が民主党よりもマシだ」などとも書いています。しかし、こうしたことを聞かされた方では、一般的に、こいつ何言ってんだ、という受け止め方になるでしょう。

私はアメリカ民主党は、クリントン夫婦やオバマに代表されるような「ご都合主義」の反国民的権力乱用者やカネカネカネで動く腐敗した金権人間・政治家たちに占拠されているのではないかと思っていて、これをアメリカの良識派の人たちがぶち壊して前に進んでいくには、まだ工夫や努力が足りないのではないか、と推察しています。その時に、田中宇氏のようなことを言っていても混乱を招くばかりで、それは結局はフェイクとヘイトの氾濫へとつながっていくのではないかと懸念します。

今の共和党の方がまだマシだとか、良識的だなどと論じるのは、お話にならないのではないか、と思います。でも、それもまた私の見方ですから、絶対視するつもりはなくて、異論があるならあるで真摯に耳を傾ける気持ちはありますが、しかし、田中宇氏のような議論なら相手にできないな、と思った次第です。要するに、説得力のある証拠を示せ、根拠を示せ、ということです。ことの次第の評価以前の問題=議論の方法論です。

世の中の多数説を否定し、そうではなくて、こうだ、と説得力ある形で論理展開するには、それなりの方法論や表現の仕方があるのであり、それはたとえばマスコミが報道する記事に、さしあたりはつかみかかって、それがかくかくしかじかでおかしい、虚偽くさいから、こうだ、という形で議論しないと、ほとんど通じないと私は思います。特に海外のことについてはそうです。しかし田中宇氏はそれをすっ飛ばして、情報通のオレがいうことだから間違いねえ、と言わんばかりの態度で議論しているように思われてなりません。グレン・グリーンウォルト氏の報道や執筆文献を引き合いに出したとしても、それをどのように田中宇氏が認識したのか、もっと丁寧に説明しないと、何のことやらさっぱりわからない文章になってしまっている、ということです。

私は、この田中宇氏の文章は、現代の日本の若い世代、特に右派・右翼系の人間たちによく見かけるので、それを叩く主旨で拡散したいと申し上げたまでです。
草々

 

 

 

 

 

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