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2021年5月14日 (金)

朝日新聞朝刊(2/28)1面のスクープ記事「(東日本大震災10年 3・11の現在地)途切れていたベント配管 謎だった高線量、東電の設計不備」の逐条的解説をいたします

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.(予約必要)(6.29)オルタナティブな日本をめざして(第61回):「青森県六ケ所村再処理工場の実態とその危険性」(永田文夫さん)- いちろうちゃんのブログ(この日は主催者側からのプレゼンは事務連絡以外にはありません)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-3b8e53.html

(青森県六ケ所村再処理工場が、事業主体の日本原燃と原子力「寄生」委員会・「寄生」庁のいい加減な対応で「すさまじい」ことになりつつあります。まさに「みちのく核時限爆弾」状態であり、近未来の下北半島を襲う巨大地震・巨大津波・火山噴火により東日本壊滅のリスクが高まっています。核燃料サイクルのスタート時点から三陸の海を守るために監視を続けてこられた永田文夫さんに岩手からわざわざ上京していただき、六ケ所村再処理工場の近況を詳しくご報告いただきます。なお、皆さまの方で事前に再処理工場についてお聞きになりたいこと・お知りになりたいことがあれば、私宛メールでお送りください。永田さんにつなぎます)


2.新刊本ご紹介
(1)緑風出版│放射線被曝の隠蔽と科学:矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授著
 http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-2109-9n.html

(2)PCRとコロナと刷り込み 人の頭を支配するしくみ-大橋眞-細川博司:honto本の通販ストア
 https://honto.jp/netstore/pd-book_30951641.html


3.キャンペーン

(1)「DHCに差別をやめさせるキャンペーン」の呼びかけ
 http://www.labornetjp.org/news/2021/1611890484602staff01

(2)非正規雇用労働者等にもテレワークを認めてください!テレワークの不合理な差別を無くしたい。 · Change.org
 https://bit.ly/2SCpZCx

(関連)お知らせ·「テレワーク差別」裁判支援・ご寄付のお願い · Change.org
 https://bit.ly/33ykZBh


4.(話題の対談)古賀茂明×佐高信 原発ムラは今も健在【官僚と国家 番外編】20210427 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=MP0Hm7E6g1A

(関連)(新刊書)官僚と国家 菅義偉「暗黒政権」の正体-古賀茂明/著 佐高信/著(平凡社新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034196030&Action_id=121&Sza_id=B0

(関連)古賀茂明と佐高信の『官僚と国家』第1回 菅は真綿でクビを締める 20200903 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=fgdAtgU6hlE
(関連)古賀茂明と佐高信の『官僚と国家』第2回 安倍・菅の壊したもの 20200922 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=BZRwKTR01GY

(関連)古賀茂明と佐高信の『官僚と国家』第3回 森友と原発 20201021 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=Zwl1LdRReek


5.世論調査結果(いつもいい加減だから、あまり信用してはいけない)
(1)JNN世論調査、内閣支持率が40%と菅政権発足後最低に|TBS NEWS
 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4264597.html
(2)政府のコロナ対応「評価」最低23%、内閣支持43%・不支持46%…読売世論調査 - 世論調査 - 選挙・世論調査 - 読売新聞オンライン
 https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20210509-OYT1T50175/
(3)東京五輪「中止」59%、「開催」39%…読売世論調査(読売新聞オンライン)Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/7da42552321157348c34e9f324753583100b4b11
(4)各党の支持率は NHK世論調査 - 選挙 - NHKニュース
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210510/k10013022201000.html


6.その他
(1)(別添PDFファイル)火論:五輪は生命維持装置?(毎日 2021.5.11)
 https://mainichi.jp/articles/20210511/ddm/002/070/030000c
(2)高橋洋一氏 “さざ波” 投稿が米国でも大波紋「国民の生命軽視する姿勢は菅首相の考え方を反映」(東スポWeb) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/6edbb18d2e67ed3b1655b436fa48823efe0a4f78
(3)“バカの一つ覚え”に国民絶望 この政権では永遠に緊急事態(2021年5月8日配信『日刊ゲンダイ』)障害福祉&政治・社会・平和問題ニュースサイト
 https://gogotamu2019.blog.fc2.com/blog-entry-23268.html
(4)次期衆院選徳島1区 現職・後藤田正純氏の非公認求める 自民県連 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20210509/k00/00m/010/155000c
(5)【声明】東京オリンピック・パラリンピックを中止し新型コロナ感染拡大防止と生活困窮防止に全力を(社会民主党:福島みずほ)
 http://www5.sdp.or.jp/comment_index/
(6)立憲民主党の枝野代表が吉村知事を名指し批判「一番悪いのは大阪府知事」(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/728193809b8039757bc1dc5859e0c20705a99c71
(7)社説:ウイグルの人権問題 中国は調査の受け入れを - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20210510/ddm/005/070/022000c

(そうですよ。中国はウイグル・香港・チベットの人権問題調査を受け入れるべきだし、日本は在日朝鮮人・外国人研修制度・外国人留学生・入国管理監禁外国人の人権問題調査を受け入れればいのです。両者で手を取り合って「人権調査」を相互にやりあってみたらどうですか。よき友好の証になりますよ:田中一郎)

日刊IWJガイド・連休特別公開版「菅政権のコロナ無策と改憲謀略で脅かされる国民の生存権! 奮闘を続けるIWJにご支援をよろしくお願いします!」2021.05.10号~No.3161号 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48782

*日刊IWJガイド・特別公開版「本日国民投票法『改悪』案が衆院で採決! 今国会で成立すれば戦争のための独裁体制樹立が目前に! 真実を報じ、闘い続けるIWJへのご支援をよろしくお願いいたします!」2021.05.11号~No.3162号 - What's
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48789
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下記に、3カ月ほど前の朝日新聞スクープ記事「(東日本大震災10年 3・11の現在地)途切れていたベント配管 謎だった高線量、東電の設計不備」の逐条的解説をお送りいたします。3月に私のパソコンが壊れてしまったことも大きな一因ですが、遅れに遅れてすっかり遅くなってしまいました。日々の雑用に追われたことが大きな原因で、自分の処理能力の低さを情けなく思っております。みなさまには大変申し訳なく、大幅遅延を慎んでお詫び申し上げます。

ところで、この記事の内容は、現在における東京電力や原発業界(原発の建設やメンテナンスを請け負うゼネコン・土建業界を含む)と、それを規制管理・監督する原子力「寄生」委員会・「寄生」庁のあり様を典型的に示すものであり、まさに今の東京電力の原発運営能力や資格の問題と、今の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の規制能力や姿勢、あるいは当局としての資格があるのかどうかの問題と、直結する深刻な事件の発覚と言っていいでしょう。

問題のベント管や排気塔の建設自体は1990年代に実施されたものですが、その欠陥構造が福島第一原発事故の時でさえ発見できず、事故後約10年を経てやっと発見されるに至ったこと(建設・設計・施工関係者はもっと早い段階で知っていたはずだが表面化せず)は、今日の原発・核燃料サイクル施設に深刻な欠陥が、まだほかにも存在していることを示唆するものであり、かつ、それを手遅れにならない段階で発見して修復するという重要な規制管理・監督の能力を、現原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は持ち合わせていないことを示しているからです。

今回のこの事件を契機に、真っ先にしなければいけないことは、①関係者・責任者の徹底追及です。古くなってしまったとはいえ、当時の設計図の再点検から始めて、当時の設計・施工管理がどのようになされていたか、建築確認はどのように行われたか、それは今とはどう違うか、などを厳重にチェックしたのち、今度は数十年の長期にわたり欠陥構築物が発見されなかったのはなぜなのか、その規制管理・監督のあり方についても、問題点を抽出する必要があります。そして、それらを今後、どのように改善し変えていくのか、検討状況を含めて公開された場での議論や説明が強く求められています。とりわけ立地自治体を含む福島県民や新潟県民への情報公開は避けて通れない話です。

そして更に、このことは東京電力の福島第一原発の1・2号機に限られた話でもないし、ベント管の設計・施工不良に限られた話でもありません。東京電力が持つ全ての原発のすべての機器類において「あり得る」話であり、中でも原発の安全性に強く関連する機器類については、東京電力の全原発について、その設計・施工状況を再確認して、今回発見されたような「手抜き」設計・施工ミスがないかどうか、確かめる必要があります。まもなく再稼働しようとしている柏崎刈羽原発などは、真っ先に全機器類についての再点検がなされなければなりません。

そして更に更に、下記に見る平井憲夫さんの「遺言」論文にもあるような原発の工事現場や設計・施工実態があることを鑑みれば、全国の原発・核燃料サイクル施設についても、その設計・施工工事が設計図通りにきちんと行われているのか、また、設計図自体にも間違いや手抜きがないのかどうか、安全性と直結する箇所の機器類を中心に、一斉に総点検をする必要もあるでしょう。要するに、現存する原発・核燃料サイクル施設については、電力会社が説明するようには実際の原発は建設されていない可能性があり、また、ゼネコンその他の建設・メンテナンス会社が言うようには実際の原発は維持・管理されていない、という疑いが解消できない、ということです。ひとたび大事故ともなれば、大量に放射能を環境に放出して、とてつもなく広範囲な地域に壊滅的な被害を与える原発・核燃料サイクル施設が、かようなことでは許されるはずもないのです。

(関連)(必見必読)原発がどんなものか知ってほしい(全):平井憲夫(1990年代に書かれたもの)
 https://iam-k.com/HIRAI/
 https://iam-k.com/HIRAI/pageall.html

(関連)筆者「平井憲夫さん」について
 https://iam-k.com/HIRAI/index.html#about

今回問題となったベント管と排気塔は、1979年にアメリカで起きたスリーマイル島原発事故の教訓をその後の原発設備に生かす検討の中から出てきた1つの「方策」に基づいて建設されたものです。スリーマイル島原発事故の時に、その事故に対応する技術者チームで大問題となっていたことの1つが「水素爆発」と格納容器の破壊でした。原発事故の原因となった「解放弁」(放射能交じりの水蒸気を排出して原子炉内や配管内の圧力を下げるための解放弁)や計器類の異常に、運転員も事故対策チームも長時間にわたって気が付かなかったため、冷却材(軽水)を喪失した圧力容器内で炉心が溶融して水素ガスが発生し、それが何かを契機に爆発するのではないか、という懸念が急浮上したのです。

スリーマイル島原発事故の原因調査報告では、事故原因を「いつものように」原発運転員の認識欠如・操作ミスのせいにしてしまったようですが、本当のところは、複雑極まりない原発の構造を鑑みた場合、運転員がトラブルの認識違いや操作ミスを起こさないための「安全工学的」な手当てが当時のアメリカの原発には十分に施されていなかったこと、また、常日頃より、原発運転員や原発規制当局の人間たちに、原発の各種トラブルに対処するための訓練がしっかりと行われていなかったところに原因があるのです(現在の日本は当時のアメリカの原発よりもさらにひどい状態だと考えておいて間違いありません)。

ともあれ、そのスリーマイル島原発事故後の原発安全対策の見直しの中で、上記で申し上げた「水素爆発」と格納容器の破壊が大問題化し、それはスリーマイル島原発のような加圧水型の原発だけでなく、福島第一原発や柏崎刈羽原発や東海第二原発などの沸騰水型原発についても言えることであることが注目されました。そしてこのことについては、格納容器が大きい加圧水型よりも、格納容器が小さい沸騰水型の方がより深刻で、格納容器の中には水素爆発防止を目的に窒素ガスが充填してあるとはいえ、いざとなったときに何の対応策もないのではまずい、ということで、急遽、格納容器内での水素爆発防止や格納容器内圧力急上昇による容器破裂などを防止するため(沸騰水型格納容器の設計耐圧限度は4気圧と聞いています)、その内部の主として水蒸気を排出するためのベント管追加設置が義務付けられました。(1980年代)

(関連)スリーマイル島原子力発電所事故:復旧、クリーンアップ、教訓および今後(レイク・バレット 2014年7月18日)
 https://irid.or.jp/_pdf/Sympo_Barrett_J.pdf

(上記は、とりあえずネット検索でヒットしたものです。内容は未検証のままです。スリーマイル島原発事故も、チェルノブイリ原発事故も、日本の脱原発団体によるきちんとした信頼できるレビュー文献がないことが、たいへん残念に思われます。:田中一郎)

ところが、です。当時(1980年代~1990年代)の日本の電力業界や原子力ムラでも、もちろんスリーマイル島原発事故をめぐるアメリカの原子力業界の動きはよく知っておりましたし、また、旧ソ連でのチェルノブイリ原発事故後まもなくの時期でもありましたから、原発の安全性=とりわけ原子力工学的な設備安全性については、社会的な関心も高いものがあったのです。だからでしょう、当時の政府・通産省や原子力安全委員会などは、アメリカでの上記で申し上げた「「水素爆発」と格納容器の破壊」についての「ベント管と排気塔の設備追加」対策については(おそらくはコストがかかるのでしぶしぶながら)、受け入れて対応することにしたようです。

しかし、問題はそれを、原発規制として、安全対策義務として、違反罰則付きの厳格な法的規制として導入するのではなくて、原発運営電力会社の、任意の、善意の、追加的安全対策として、望ましい対策として、導入したのです。いわば、甘々ルールで、いやいやながら、何かあっても責任を法的に追及されないようにして、逃げ道を作った上で、日本の原発にも「ベント管と排気塔の設備追加」が実施されることになったのです。言ってみれば「ついでに作った装置」です。そして、いつものように「ムラ社会」の掟として、法的義務はないが隣の電力会社がやるから自分たちもする、式の「翼賛的同調行動様式」で、全国の沸騰水型原発にベント装置が入っていきました(但し、既に廃炉になった日本原電の敦賀1号機(沸騰水型)にはベント装置はなかった=大事故にならなかったのは偶然に過ぎない)。それが今日に至っています(従ってまた、加圧水型原発には、「ベント管と排気塔の設備」は設置されておらず、福島第一原発事故後の新規制基準により、加圧水型についても設置が義務化されました。但し、5年間の猶予期間付きで、です)

こうした、原発安全性への甘々の裁量的規制行政が電力会社の「ベント管と排気塔の設備」に対する真剣さを弛緩させ、経営幹部たちには「あれはおまけの設備だから、まああまりカネを使わずにテキトーにやっておけばいい」という緩んだ認識を助長させ、結果的に設計・施工の手抜き・管理の手抜きや不注意を招いていったのではないかと推測されます(例えば、福島第一原発では、1・2号機と3・4号機が、それぞれ排気塔が共用されていたことも、コスト削減の一環としてなされていた可能性があり、また、それがゆえに、4号機では3号機の排気が共用排気塔を「逆流」して水素が4号機建屋に行って滞留する結果となり、それが4号機水素爆発の原因になったと説明されています。とんでもないことで、通常の発想であれば、各原発1つに各排気塔1つ、というのが常識的なベント装置&排気塔のあり方ではないかとも思われます)。

原発という致命的に危険な発電設備を運営する電力会社として、あるまじき精神構造ですが、こうしたことが、日本列島に短い期間ながらも地震や地殻変動の少なかった時代の到来ともあいまって、原発安全性を「神話」にしていったのではないかと思われます。そしてそれが、東日本大震災と福島第一原発事故という深刻極まる原発震災によって火を噴いたということです。

以下、最初に、これまで私が他のMLに発信していた2つのメールの転記(一部を加筆修正しています)をご紹介したうえで、その次に、この記事の「逐条的」解説を書いておきます。みなさまのご参考になれば幸いです。


 <別添PDFファイル>
(1)(東日本大震災10年 3・11の現在地)途切れていたベント配管、」謎だった高線量、東電の設計不備(朝日 2021.2.28)
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14816004.html?ref=mor_mail_newspaper
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14815966.html
(2)STOP再稼働! 柏崎刈羽原発差止め訴訟ニュース & 署名2つ(2021.5)
 https://bit.ly/3uR5YXe
 https://peace-forum.org/wp-content/uploads/2021/05/20210510.pdf
(3)3.11から10年「見えない化」に抗う:「年内再稼働」は「白紙」に! 追いつめられる東電(本田雅和『週刊金曜日 2021.3.5』)
ダウンロード - e3808ce5b9b4e58685e5868de7a8bce5838de3808de381afe3808ce799bde7b499e3808de381abefbc8120e8bfbde38184e381a4e38281e38289e3828ce3828be69db1e99bbbefbc88e69cace794b0e3808ee98791e69b9ce697a5203.5e3808fefbc89.pdf
(4)規制委、東電に改善命令、柏崎刈羽 商用原発で初、テロ対策不備(毎日 2021.4.15)
 https://mainichi.jp/articles/20210415/ddm/002/040/031000c
(5)細る東電 進まぬ信頼回復、福島第一事故 処理費用が課題(朝日 2021.4.29)
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14888140.html
(6)途切れた配管、不十分だった心構え 原発事故から10年(朝日新聞デジタル 2021.02.27)
 https://www.asahi.com/articles/ASP2W675CP2JULZU022.html
(7)柏崎刈羽 運転停止決定、規制委 テロ対策不備 是正命令(東京 2021.4.14夕刊)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/97988
(8)柏崎刈羽原発、ID不適切利用、父のカードを御用 防護区域前まで(東京 2021.5.10)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/103159
(9)この原発を動かしてよいのか、新潟県原発検証委員会を巡って(イントロ部分)(池内了『世界 2021.6』)
ダウンロード - e38193e381aee58e9fe799bae38292e58b95e3818be38197e381a6e38288e38184e381aee3818be38081efbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e6b1a0e58685e4ba86e3808ee4b896e7958c202021.6e3808fefbc89.pdf


1.メールその1(一部加筆修正後)
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前略,田中一郎です。
(拡散大歓迎)

みなさま、お早うございます。
至急のご連絡です。

本日(2/28)付朝日新聞朝刊1面にスクープ記事「(東日本大震災10年 3・11の現在地)途切れていたベント配管 謎だった高線量、東電の設計不備」が掲載されました。非常に重要な内容の記事ですので、今日の朝日新聞朝刊を購入して保存しておいてください。後日、私の方から、この記事の逐条解説をお送りいたします。そして、私のこのメールを含めて、この朝日新聞記事の話を可能な限り広めてください。

(東日本大震災10年 3・11の現在地)途切れていたベント配管 謎だった高線量、東電の設計不備:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14816004.html

(関連)途切れた配管、不十分だった心構え 原発事故から10年:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASP2W675CP2JULZU022.html

(関連)(東日本大震災10年 3・11の現在地)欠けた真剣味、対策機能せず メルトダウン回避、滞った作業:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14815966.html

これまで何度も申し上げてきましたが、(1)原子力「寄生」委員会は、敷地内の放射線量の低下を受けて、福島第1原発事故の実態解明と原因究明に乗り出し始めています。これをしっかりと市民の側が監視しないと、嘘八百と屁理屈を並べられ、虚偽の福島第1原発事故の実態や原因が創り上げられてしまいます。それはそのまま次の原発・核燃料サイクル施設の過酷事故を招くことになります。

(2)3号機の使用済み核燃料の撤去作業が概ね終わりそうになってきたとの報道がネット上に流れました。3号機の爆発については1号機の爆発とは全く違った形態だったのに、1号機と同じ「水素爆発」として片づけられたままです。ご承知のように、核爆発説や一酸化炭素爆発説もあるのですが、これに対して愚かにも原子力市民委員会をはじめ、ほとんどの脱原発市民団体が「3号機爆発の真相解明」を訴えないままに今日に至っています。このままでは3号機爆発の真相は闇から闇へと流されていくでしょう。3号機使用済み核燃料プールの燃料その他の爆発現場の状態は、この爆発に関する決定的な証拠となるはずですが、実査も調査もなされず不問のままです。

(関連)輸送用容器に入れる作業完了 燃料すべてを取り出す見通しが立つ 福島第一原発3号機 (福島テレビ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/ceac04720b6a624bba7f7d9af9937bc70aa108fb

(3)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、福島第1原発事故の実態解明や原因究明を行わないままに「新規制基準」なるものをでっちあげています。信じがたい話です。そんなものがきちんと原発・核燃料サイクル施設の安全を確保するわけがないのです。また、住民の被ばく防護や避難計画については、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は「われ関せず、所管外」という信じがたい背信的態度を取り続け、原発とは何の関係もない遠方の自治体にまで避難計画策定が押付けられたまま、「絵に描いた餅」状態の避難計画が放置状態にあるのです。このままでは近未来に必ず起こるであろう原発・核燃料サイクル施設過酷事故再発の場合には、福島第1原発事故の時よりもひどいことになりそうな気配です。

(4)福島第1原発事故の教訓なるものは、事故から10年を経て、ほぼ完ぺきなまでに形骸化し棚上げとなりました。我々日本人の未来には原発・核燃料サイクル施設の再びの過酷事故と、永遠の日本列島放射能汚染地獄が約束されたも同然です。これを食い止めるためにできることは、唯1つ、すべての原発・核燃料サイクル施設を即時に停止・廃棄し、廃炉中の同施設の災害防止対策をしっかりと行い、とりわけ再処理工場がもたらした高レベル放射性廃液(青森県六ケ所村、茨城県東海村)と、各地に散在している使用済み核燃料の安全を厳格に確保し、二度と核被害を起こさないということです。

(全国各地の原発にある使用済み核燃料プールが非常に危険です。特に沸騰水型がそうです。プールのある場所がビルで言えば4~5階の「空中プール」になっていますから、巨大地震を食らうとプールがひっくり返ったり破損したりして冷却できなくなり、そのまま「さようなら」となる可能性が高いのです。福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールを思い出してください)

(5)放射能を閉じ込めておくべき原子炉が危険な状態となり、その爆発を食い止めるためにベントという格納容器内の放射能を容器の外へ無原則に放出するなどというのは、原発・核燃料サイクル施設管理の決定的な「無責任」であり、「約束違反」であり、「故意の犯罪行為」です。許されることではありません。仮にベントをする場合でも、その排出放射能を何重にも用意したフィルターで除去した上で排出すべきであり、こんなものをそのまま大気中に放出するなどもってのほかなのです。しかし、事故後に義務付けられたベントフィルターは、まずもって沸騰水型だけであり、加圧水型は数年間の設置猶予が設けられるという手抜きです。

しかも、そのベントフィルターは小型の水のタンクのようなもので、要するに沸騰水型の圧力抑制室のように放射能で汚染した気体を水に通せばある程度放射能が除去できる、という程度のものであり、排出される危険極まりない放射能をしっかりと除去できるものではないのです。

更に、ベントを続ければフィルター内の水はやがて沸騰してその機能を果たせなくなるでしょう。原子力規制委員会・規制庁はベントフィルターの性能(放射能除去割合、何時間機能するのかなど)を公開して、半径80km範囲内くらいの自治体に説明の上、その承諾を得るべきです。私なら、今想定されているベントフィルター程度の機能なら、少なくとも10個くらいはつないで使え、水枯れが起きたら補充できるようにしろ、などと言うだろうと思っています。

(6)原発や核施設を日本列島に60基近くも並べておいて、武力で日本を守るなどとほざいている自民党や維新のドアホ議員どものリアリティ欠如に対しては徹底的に批判して退ける必要があります。

(7)いい加減な原発管理で福島第1原発事故を引き起こし、会社が破綻した東京電力は、その後も福島第1原発事故を真摯に反省することなく(口先「反省詐欺」)、その後も出鱈目な原発施設トラブルや手抜き管理を続けています。昨今では、福島第1原発の地震計故障放置のことが伝えられています。IDカード流用や、立地自治体への原発整備虚偽報告など、枚挙にいとまなしです。東京電力に柏崎刈羽原発再稼働の資格はありませんし、ましてや青森県東通村原発の新設など、もってのほかというほかありません。東京電力はいったん解体しなければいけないのです。

まだ申し上げるべきことがあるように思いますが、それはまた後日ということにして、取り急ぎご連絡いたします。


2.メールその2(一部加筆修正後)
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前略,田中一郎です。

ネットで排気塔構造・図解で検索したところ下記がヒットしました。
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20210227001611.html?oai=ASP2W675CP2JULZU022&ref=yahoo
https://www.nsr.go.jp/data/000292309.pdf   (P3、P6が注目)
https://www.youtube.com/watch?v=nBwCzbmpOsU (1分ちょっとのところ、排気塔頂上部を切断の部分)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2019/2h/rf_20190911_1.pdf
https://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131007_06-j.pdf

私は排気塔の設計者ではないので、よくわかりませんが、
排気塔は二重構造になっているように思います。

格納容器や圧力容器から出てくるベント気体は猛烈な放射能を含んだ水蒸気及び水素ですので、できるだけ高いところまで持っていって拡散させることで集中的な汚染を防ぐという原始的な狙いがあるのではないでしょうか。従って、密閉度の高いベント管が頂上まで行っていて、それをくるっと取り囲むように排気塔があり、排気塔はその構造が建屋程度の密閉度でベント管に比べたら緩い、と言ったような構造になっているのではないでしょうか? だから、排気塔の下部までしかベント管がないと、排気塔に排出された放射能まじりの水蒸気及び水素が周辺環境に漏れ出し、かつ排気塔の中が水素過多のようになると、もともとあった排気塔内空気の酸素と反応して水素爆発を引き起こす、ということではないかと思われます。

排気塔の頂上部はいつも開いているか、フタがあっても大したフタではないように思います(高所なので開けるのが大変、なので、フタなどはないように思います)。高さが120mくらいあるので、水素ガスがベント管から排気塔内に放出されると、ある程度溜まってしまうのでしょう。
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3.朝日新聞スクープ記事の逐条的解説
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(1)「福島第一原発の事故調査を進めていた原子力規制委員会は今年1月、見過ごされていた設計の不備を記した報告書をまとめた。」

 ⇒ 事故後10年まで見つけることができなかった理由は何か? ベント管及び排気塔付近が高線量だったので人が近づけず調査できなかった、だけではその原因究明は不十分だし、また、上記で申し上げたように、福島第一原発事故より以前の原発の設計・施工の適正性については大きな疑義がある故、同じ東京電力の柏崎刈羽原発の他、日本全国の原発について、すべての設備に関して設計・施工の適切性の点検を指示すべきではないのか? また、今回のことを教訓として、今後どういう対応・対策を追加的に打っていくのか、規制当局として明らかにすべきである。格納容器の爆発・破壊を防ぐベントのための装置としての排気塔が複数の原発の「共用」でいいのか、それがために排気塔を共用する事故原発(3号機)の隣接原発(4号機)で水素爆発まで起きたと説明しているのに、そんなことでいいのか? ただ単に、こんなデタラメを発見しました、という報告書を書いて終わりでは意味がない。

(2)「1・2号機の共用排気塔の根元は、放射線量が10シーベルト/時と、人が近づけない程の高線量で、何故なのかが謎だった」

⇒ 福島第一原発2号機については、事故の早い段階で(2011年3月11~13日)格納容器下部のどこかが破損していた可能性が高い、とする事故実態のレポートを書いておられる原子力工学の専門家がいらっしゃる(田辺文也氏:元日本原子力研究開発機構上級研究主席)。そうした指摘に対しても、その是非を規制当局として、自身の見解をしっかりとしたエビデンスで裏付けたうえで明らかにすべきである(現状は無視している)。

(関連)メルトダウン 放射能放出はこうして起こった-田辺文也/著(岩波書店)
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032856263&Action_id=121&Sza_id=G1

(3)「外部に出るはずだった放射性物質の一部が排気塔の中に蓄積し、根元部分にたまったと報告書は結論づけた。そしてそれは水素爆発のおそれがある」

⇒ 排気塔は、原発からのベント排気を排出するだけでなく、原子炉建屋やタービン建屋からの一般排気もまた、排出する構造になっていたのではなかったか? こちらの方は問題ないのか? 通常時はいいとしても、緊急事態に陥った場合、水素ガスや一酸化炭素などの爆発性ガスが建屋を通じて排気塔に流れ込み、滞留して爆発に至る恐れはないのか?

(4)「(ベント装置や排気塔は)電力会社の自主的な取り組みとされ、国が詳しい設計や施工を確認することはなかった」

⇒ これについて、現在の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁はどう考え、どう評価し、これからどう対応していくのか?

(5)「配管が途切れていた経緯はいまだ明らかでなく、規制委は同型の他原発についても確認していく。東電は朝日新聞の取材に「設計段階で十分な考慮がなされていたとは言えない」と認めつつ、「理由は追えていない」と答えた。」

⇒ 規制委、および東京電力は、この問題について、その後どうしたのか? 理由の追及や再発防止策はどうしたか? 他原発の状況はわかったのか? 朝日新聞は追撃取材が必要だ。

(6)「福島第一原発で発覚した「途切れた配管」は、事故前の対策の「本気度」を疑わせる一例に過ぎない」

⇒ その通りだが、ひょっとして、今回のこの不祥事発覚後の東京電力や原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の対応の仕方や、有権者・国民あるいは地域住民への説明の仕方についても「本気度」を疑わせるものではないのか? 今となっては、それの方がより大問題と言わざるを得ない。「ゴキブリは1匹見つけたら、まず20匹はいる、と思った方がいい」とよく言われる。ゴキブリの発生状況と原発設備の設計・施工・メンテナンスの手抜き・いい加減は、非常によく似ているというのが私たちの経験だ。

(7)「メルトダウンを避けるため消防車から注水するには、炉内の圧力を下げなければならない。そのためには格納容器のガスを抜く「ベント」も進める必要があった」

⇒ 炉内の圧力を下げるのが圧力抑制室(サプレッション・チェンバー:原子炉下部のドーナツ状の設備、大量の水が入れてある) へ炉内水蒸気を導くSR弁という装置である。2号機についてはこれが正常に動いていたのか? また、格納容器内圧力を下げるためのベントをしても、圧力容器内の圧力はそう簡単には下がらないのではないか? つまり圧力容器内に注水を可能にできるか否かはSR弁の機能次第ではないのか(別の本によれば、当時の格納容器内圧力は4気圧~8気圧、他方の消防車の注水ポンプの圧力は9気圧、だったという。しかし、圧力容器内の圧力は不明。これならば、注水は圧力容器ではなく、圧力抑制室の水のプールに対してなら可能なはず=この操作によって、圧力抑制室の水を使って動いている緊急冷却装置RCICの延命が可能だったのではないか)。

むしろベントは、格納容器の設計耐圧である4気圧を超えて格納容器内が高圧になったことで、その破裂を防ぐ目的でなされようとしていたのではなかったか。だとすると、これは、沸騰水型原発の格納容器が小さすぎるという「原発構造の欠陥」を示すものに他ならない。そして、炉心冷却を可能にするためのベントだったという説明は、この沸騰水型原発の原子炉の致命的欠陥を覆い隠すための「ためにする説明」ではないのか?

(8)「(遠隔操作で開くはずのベント弁が開かない )事故時に現場がどうなるかを真剣に考えていなかった。対策にリアリティがなかった」(元メーカーの技術者の発言)」

⇒ 福島第一原発事故後はどうなのか? ベント弁はいかなることがあっても必ず遠隔操作で開くようになったのか? なったという話は聞いたことがないぞ。日本全国の原発について、それぞれ詳細に聞きたい。

(9)「日本原子力研究開発機構の事故分析チームは「電源の復旧や注水の可能性はかなり高かった」とし、メルトダウンが回避できた可能性を論文で指摘した」

⇒ この辺のことを詳しく知りたい。このメルトダウン回避可能性は2号機だけか? 1号機と3号機はどうか? 上記でご紹介した元日本原子力研究開発機構の研究者の田辺文也氏もまた同様のことをおっしゃっていて、東京電力は事故当時、吉田所長以下の福島現地も、東京本社技術責任者及びスタッフも、原発事故時の対応手順書のうち、まさに事故直後の場合に該当する「徴候ベース」手順書を全く無視して、独断的・感覚的・場当たり的な対応を繰り返して、事故の深刻化を招いてしまったと批判されている。

これについて、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁はどう考えているのか? 少なくともマニュアルに準拠して原発事故に対処対応することは原子炉等規制法の定めるところであり、福島第一原発事故当時の東京電力や原子力安全保安院あるいは原子力安全委員会らは、そのマニュアルを無視することで、違法なことを繰り返していたのではないのか?

(関連)東電の原発事故時手順書 公開-東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース - NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今
 https://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20111024/1910_tejunsho.html

(東電の原発事故時の3つの手順書:「事象ベース」「徴候ベース」「シビアアクシデント」の3つ、「事象ベース」は設計想定事故に該当、「徴候ベース」はそれを超えた事故で、その実態全容が完全な形で把握できていない状態でのマニュアル)

(関連)福島第1原発事故の真相がまた一つ明らかとなった:2号機の圧力抑制室(S/C)下部が地震の揺れで損傷し、大量の水漏れを起こしていた(田辺文也 岩波月刊誌『世界 2017.10』論文より)他- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/201710-bc9e.html

(10)「結局 最大の危機の舞台になり、周辺に最も多くの放射性物質をもたらしたのは、建屋の爆発を免れた2号機だった。

⇒ これも何故2号機による放射能汚染がひどかったのか(小出裕章さんによれば放出された放射能のうちの9割近くが2号機だという)、理由がよくわからない。説として2つあって、1つは上記でご紹介した田辺文也氏説で、2号機は事故の早い段階で格納容器下部が破損していた(そこから大量の放射能が放出された)というもの、もう1つは、実は2号機はベント(圧力抑制室の水を通さないで(ウェットベント)格納容器から直接外気に排出するドライベント)に成功していたので、それによって大量の放射能が排出された、というもの。私は田辺氏の説が妥当ではないかと思っている。

(11)「敷地を超える津波が来たら結局どうなるの」「炉心溶融です」=2006年に原子力安全保安院などが開いた浸水対策の勉強会でのやりとり

⇒ これで東日本大震災の津波による被害は予見不可能だったとでも言いたいのかしら?

(12)「東電も取材に対して「今は新たな知見を積極的に採り入れ、常に安全レベルの向上に取り組んでいる」と強調する」

⇒ 悪い冗談か? 言葉遊びなのか? それとも言い間違いか? 「新たな知見」とは、嘘ゴマカシの新しい知恵のことなのか、それとも「常に安全レベルの向上」は言い間違いで、「常に嘘八百で人をだますレベルの向上」と言うところだったのか?

(13)「規制が厳しくなった今も、安全対策の責任は一義的には電力会社にある」

⇒ 私はむしろ原子力「寄生」委員会・「寄生」庁にあると思っています。

(14)「規制委も電力会社も責任を取りたくなくて逃げているように見える。先送りのマインドを直さなければ同じことを繰り返す」

⇒ まさにその通りですが、しかし、原発事故については、あと2つを忘れてはいけないでしょう。1つは、過酷事故を引き起こす原発をつくった原発メーカーや、原発の維持管理メンテをする各種原発関連サービス業者、あるいは、福島第一原発事故の後始末や廃炉などの「汚れ仕事」を請け負う原発関連業者たちの事故に対する責任です。そして、もう1つは、電力会社や原発メーカーや原発の維持管理をしている会社群を従えて、日本のエネルギー政策や電力政策の上に君臨している政治家・官僚たちのことです。そして、2011年の福島第一原発事故は、この4者が団子状態になってデタラメなことや、いい加減な管理を続けた結果として、まるで神から厳罰をくらうかの如く厳しく激甚におよぶ被害を、私たち一般の人々に対しても及ぼす「人災」となったのでした。

電力会社や原子力「寄生」委員会や原発メーカーらが「先送りのマインドを直さなければ」ならないのに対して、私たち有権者・国民もまた、原発震災をもたらした最高責任者である永田町の政治家たちや霞が関の官僚たちを、選挙とそれに続く行政改革その他により、先送りせずに一掃いたしましょう。脱原発は政治を転換し、官僚たちを矯正することにより達成できるのです。


 <関連サイト>
(1)福島第一原発事故の放射能はどこから放出されたのか ―事故分析検討会「調査・分析に係る中間取りまとめ(案)」 から見えてくること― - 原子力資料情報室(CNIC)
 https://cnic.jp/38371
(2)東電22兆円巨額裁判の行方「株主代表訴訟」弁護団長に聞く|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286128
(3)フィルタ・ベントシステムについて(原子力規制委員会 2017年6月)
 https://www.nsr.go.jp/data/000199919.pdf
(4)<社説>原発の運転禁止 東電は変われるのか:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/98463?rct=editorial

*メルトダウンに関するトピックス:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/topics/word/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3.html
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