台湾を巡る米中戦争に巻き込まれるな!(1):対中国戦争準備を進める日米タカ派勢力と、新外交イニシアティブ(ND)の提言、そして立憲民主党の覚悟の決まらない中途半端な態度
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(予約必要)(5.20)オルタナティブな日本をめざして(第59回):「子ども脱被ばく裁判で見えたこと:福島原発事故と放射線被曝」(井戸謙一弁護士)- いちろうちゃんのブログ(この日は事務連絡以外に主催者側からのプレゼンはありません)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-35b23f.html
2.キャンペーン
(1)キャンペーン · 京都府知事 西脇 隆俊 様 - 京都府立植物園が危ない!「生きた植物の博物館」の存続にあなたのお力をお貸しください! The Kyoto Botanical Garden is in danger! We need your hel
https://bit.ly/3ecx6tP
(2)キャンペーンについてのお知らせ · 4.28、これ以上沖縄の「屈辱の日」を増やさないことを求める声明 · Change.org
https://bit.ly/3b2ZDAe
(3)キャンペーンについてのお知らせ · 内閣府への署名提出前の記者会見の動画ができました。 · Change.org
https://bit.ly/3vDLTU9
3.◆新外交イニシアティブ・事務局スタッフ募集◆|トピックス|New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/topics/9491/
4.(再掲:必見)20210416 UPLAN 河合弘之「水戸地裁 勝利判決をうけて(東海第二原発運転差止め訴訟)」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=_ZicQTYsC8U&t=6s
(関連)平気でうそをつくリーダーたち だから電力自由化だって心配だ【怒れるガバナンス】(時事通信) - Yahoo!ニュース
https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210418ang0001
(関連)「災害の多い日本、原発を造ってはいけない」小泉元首相が講演(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20210417khn000047.html
(関連)小泉元首相「自然エネルギー利用すべき」福島県二本松市で講演(福島民友)-Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a5339841085542ba613d096bb9f2a432bebf34e
(福島第一原発事故から10年、この期に及んでも未だに覚悟の決まらない立憲民主党の連中に、この人のツメのアカでも煎じて飲ませたいですね。:田中一郎)
5.(4.25)衆参補選 余韻
一応、野党・立憲民主党が3勝しましたが、その勝ち方がどうも気持ちよくない。ただただ立憲民主党の枝野幸男・福山哲郎執行部のだらしなさが目立つ、事実上「敗北」の選挙結果だったと受け止めています。ほんとに今の立憲民主党執行部とそのとり巻き連中の尻でも蹴飛ばしてやりたいくらいに情けない。たとえば下記の福山哲郎幹事長の記者会見では「外交・安全保障政策では自民党と大して変わらない」などと発言しています。私から言わせれば、まず真っ先に、何故「日米地位協定」について言及しないのか!? ということです。そもそも「対米隷属常態化」が大問題だとは思っていないということの証左ではないですか!?
(1)2021年4月27日 #福山哲郎(立憲民主党幹事長)会見 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3uLKIIxxN_0
(2)2021年4月25日 #小池晃(日本共産党党副委員長)会見- YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NL2OVwtvTEs
(3)「まるで踏み絵」 自民衆院議員は「2連ポスター」で誰と並ぶ? - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210502/k00/00m/010/001000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20210503
(4)共産の「隠密行動」で一度きりの応援 野党共闘、絶妙のバランス - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210427/k00/00m/010/021000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20210427
(5)「自民党に入れるんですか」岩盤崩れた広島 政治不信浮き彫り - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210426/k00/00m/010/189000c
(6)今こそ声を…まともな思考回路に戻すため選挙で民意を示す|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288377
(7)自民党は“死んだ”のか…衆参3選挙全敗が与える「想像以上の大打撃」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d5feef2e67e29c78e968f3c0f62c9659311d25c
(8)二階氏「『コロナだから』は逃げ口上」 衆院選での巻き返し強調 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210426/k00/00m/010/249000c
(9)社民党の福島党首と枝野幸男代表が会談 - 立憲民主党
https://cdp-japan.jp/news/20210428_1291
6.砂川事件国賠訴訟で「調査嘱託」決定 米国公文書めぐり開示手続き(週刊金曜日)Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/327d04ff9fe106a4a7ba0a0a66510baeb70fb3aa
(日本の戦後の安全保障政策を歪めた砂川事件最高裁判決の「やり直し」を巡って、非常に注目すべき動きが起きています。ご覧ください。:田中一郎)
7.その他
(1)【新型コロナウイルス】間違い認めず自己正当化する連中から社会を防衛するには?|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/288642
(2)海外での価格は4分の1「ブランド農産物」持ち出し禁止の背景 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210503/k00/00m/020/011000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20210504
(3)自民候補に「1票を」 野田聖子氏、選挙当日に投票呼びかけツイート 違法疑いで炎上し「書いたのも消したのも秘書」:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/100651?rct=politics
(4)住民投票で都構想否決の民意を無視、一元化条例可決で大阪市の財源”カツアゲ”を進める維新(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca11ea5b1048ef5fa78b217bd460dbfcf10b24ad
(5)小規模事業者に打撃 インボイス制度がもたらす深刻な影響 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210424/k00/00m/020/002000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20210424
(6)新横浜の地下深く、人知れず進む巨大鉄道工事 - 駅・再開発 - 東洋経済オンライン - 経済ニュースの新基準
https://bit.ly/3vECj3p
(7)制限と補償の前に問いたい法解釈と統治 木村草太さん 新型コロナウイルス 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP515JTYP4XUPQJ008.html?ref=mor_mail_topix1
◆STOP! デジタル監視法案 オンライン市民集会<第2弾> 〜あなたのプライバシーが危ない!ジャーナリスト・法律家・市民によるリレートーク - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SFwkJNO28MU
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菅義偉が総理に就任して初めてアメリカを訪問、バイデン新大統領と首脳会談を行いました。新型コロナ騒動が続く中、国政の諸課題が未解決のままに放置され、医療・介護政策や公衆衛生・保健所政策の抜本的見直しや、国民生活への深刻なダメージ回避のためのきめ細かな対策が強く望まれているときに、何をしに行ったのか、というような訪米だったように思われます。マスコミなどの報道では、諸外国の首脳に先駆けて日本の首相が一番乗りでバイデン大統領と対談をし、その親密度を誇示するとともに、対中国や北朝鮮の問題での日米同盟の固い結束と意思一致を確認することで、来る衆議院選挙での自民党・菅政権へのフォローの風を起こそうとした、と伝えられています。もしそれが事実なら、菅義偉は見事に失敗をしたと言っていいでしょう。
バイデンとの対談や同席の記者会見などでも、まるで幼児が自分の父親を仰ぎ見て指示をうかがうような「卑屈丸出しの目付き」(生まれつきなら気の毒だが、だとすると総理という要職にはふさわしくない人物だということ)でバイデンを仰ぎ見、記者からの不都合な質問には「アベ政権官房長官」風の「無視」を決め込むなど、国際的に日本という国の民主主義政治や総理大臣のレベルの低さをさらけ出すようなことになっていました。
(関連)菅首相が日米首脳会談後の記者会見でとった信じがたい行動! ロイター記者から「五輪を進めるのは無責任では」と質問され…|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/04/post-5856.html
また、何よりも愚かなのは、バイデン新政権が新外交・安全保障政策の目玉の1つにしようとしているアジア政策(対中国封じ込め政策)を巡って「台湾問題対応」についての言質をとられてしまい、今後、バイデン政権のタカ派たちが(例:アントニー・ブリンケン国務長官)台湾有事を理由に極東において軍事展開をした場合に、日本が米中の紛争・戦争に巻き込まれるリスクを大きく高めてしまったことです。
(関連)【菅義偉】共同声明は虚構の「日米同盟」をあらためて強調しただけ|孫崎享 日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/288292
戦後一貫して専守防衛でやってきた日本の自衛隊が、今度こそアメリカのための、日本とは直接関係がない戦争に、不本意な形で駆り出されていく、そんな情勢が生まれてしまう、重大な外交ミスをしてしまっています。何故に、日本列島を守るためにある自衛隊が、中国・台湾・アメリカの戦争に関与し、この平和国家・日本が(日本国内の米軍基地や自衛隊基地が差し当たっての標的)中国からの核兵器を含むミサイル攻撃や爆撃機のターゲットとならなければいけないのでしょうか。特に、愚かにも自ら望んで自衛隊の基地を誘致してきた南西諸島の島々は、再び戦場となる危険性が大きく高まったというべきでしょう(島民の人たちは、そのことについて、どこまで自覚があるのでしょうか?)。戦争のリアリティを失ったボンクラ政治家の集合体となった自民党とその政権が、日本や沖縄を悲惨な戦争のるつぼに引きずり込もうとしていると言っても過言ではありません。そして米国から帰国後、菅義偉が口にし始めたのが憲法改悪です。
(関連)(報告)(11.17)オルタナティブな日本をめざして(第53回) 「再び戦場の島とさせないために:沖縄・南西諸島への自衛隊基地建設を巡って」(伊波洋一参議院議員:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-4fcffe.html
こんな情勢の下、4月末に発刊された『週刊金曜日』(今週号:2021.4.30,5.7)に、新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世氏と柳澤協二氏、そして立憲民主党の泉健太政調会長の対談が掲載されました。全部で8ページを使った(うち2ページはNDの政策提言)、かなり内容の充実した対談で、タイムリーかつ的を得た提言・発言が目立ちます。ただ、それでも私から見ますと、①肝心要の立憲民主党・泉健太の発言が覚悟の決まらない中途半端な態度であることに懸念を感じるとともに、②新外交イニシアティブ(ND)の提言についても、いくつかの点において不十分さを感じるのです(元防衛省官僚の柳澤協二氏の考え方が強く出ているように思います)。
以下、『週刊金曜日』の記事に加え、関連する報道などもご紹介し、私からの簡単なコメントも付したいと思います。日本の外交・安全保障の問題は、戦後75年以上にわたり、この国の有権者・国民が対米従属・隷属の下に思考停止状態に甘んじることにより、ほぼ完ぺきに政治や政策や外交、あるいは紛争や戦争のリアリティ感覚を失って、まるで自分たちとは関係のない遠い世界のことだと受け止めるようになっているように思われてなりません。そのことは、若い世代ほどひどくて、およそ外交や安全保障に関しては、いまや良識的で適切な判断が下せないまでに思考力が劣化しているように思えます。
そんな中、自民党ゴロツキ集団やチンピラ集団「維新」をはじめ、いわゆる似非右翼勢力らのデマゴーグがネット上で大きく繁殖しており、日本は外交・安全保障の面からも危機的事態に突入しつつあります。そんな中、私は新外交イニシアティブ(ND)のような新しい形の市民運動・社会運動の役割に高い評価をしていて、今後もこの団体を非力ながらも応援しつつ、日本の有権者・国民の「政治的覚醒」を促していきたいと思っています(なんで多くの日本人はかくもオバカになってしまったのでしょう?)。それはそのまま日本という国の滅亡防止対策であり、また、ごくまっとうな国への復帰・復旧の試みです。
◆(必読)特集:コロナと五輪は両立しない|週刊金曜日 1327号(2021.4.30,5.7)
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/003229.php
<別添PDFファイル>
(1)米中対立、自公に代わる安保政策は:泉、柳沢、猿田(イントロ部分)(『週刊金曜日 2021.4.30』)
ダウンロード - e7b1b3e4b8ade5afbee7ab8be38081e887aae585ace381abe4bba3e3828fe3828be5ae89e4bf9de694bfe7ad96e381afefbc88e382a4e383b3e38388e3808ee98791e69b9ce697a5202021.4.30e3808fefbc89.pdf
(2)新外交イニシアティブ政策提言:抑止一辺倒を超えて(『週刊金曜日 2021.4.30』)
ダウンロード - efbcaeefbca4e694bfe7ad96e68f90e8a880efbc9ae68a91e6ada2e4b880e8bebae58092e38292e8b685e38188e381a6efbc88e3808ee98791e69b9ce697a5202021.4.30e3808fefbc89.pdf
(3)台湾有事での米要求は拒否せよ(イントロ部分)(半田滋『週刊金曜日 2021.4.30』)
ダウンロード - e58fb0e6b9bee69c89e4ba8be381a7e381aee7b1b3e8a681e6b182e381afe68b92e590a6e3819be38288efbc88e382a4e383b3e38388e58d8ae794b0e6bb8be3808ee98791e69b9ce697a5204.30e3808fefbc89.pdf
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(4)米中戦争回避のため日本は橋渡し役となれ:猿田佐世(倉重篤郎『サイデー毎日 2021.4.25』)
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210414/org/00m/010/001000d
(5)共同声明「台湾海峡の平和と安定 重要」、日米首脳 対中国で協調(朝日 2021.4.17夕,18)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14875002.html
(6)日米首脳(菅義偉&バイデン)共同声明全文(朝日 2021.4.18)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14875137.html
(7)台湾有事前夜(斎藤美奈子 東京 2021.4.21)
ダウンロード - e58fb0e6b9bee69c89e4ba8be5898de5a49cefbc88e6968ee897a4e7be8ee5a588e5ad9020e69db1e4baac202021.4.21efbc89.pdf
(8)安保法制「台湾」に対応へ、存立危機事態・重要影響事態に備え具体的な規定 必要に(日経 2021.4.20)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71161070Z10C21A4PP8000/
(9)「台湾有事」と経済安保(日経 2021.4.18)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71126100Y1A410C2EA3000/
(10)米中関係の三重奏(朴喆煕 東京 2021.5.2)
ダウンロード - e7b1b3e4b8ade996a2e4bf82e381aee4b889e9878de5a58fefbc88e69cb4e59686e7859520e69db1e4baac202021.5.2efbc89.pdf
<新外交イニシアティブ(ND)>
(1)「抑止一辺倒」に警鐘 NDが提言 辺野古中止も|コンテンツ|New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/contents/9402/
(2)ニッポンの出口 米中戦争回避のため日本は橋渡し役となれ|コンテンツ|New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/contents/9479/
(3)軍事力以外の知恵絞れ 対中 米の片棒担ぐ日本|コンテンツ|New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/contents/9449/
(4)政策提言発表「抑止一辺倒を越えて―時代の転換点における日本の安全保障戦略」New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qNy6fJ4tLUc
(5)抑止一辺倒ではなく「多国間連携」へ NDシンポで安保戦略の転換提言|コンテンツ|New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/contents/9417/
1.『週刊金曜日』対談に見る泉健太立憲民主党政調会長の「中途半端」
詳しくは上記でご紹介した『週刊金曜日』の対談記事をご覧いただきたいのですが、下記にはその中の4つの「中途半端」をご紹介しておきます。上記でご紹介した今般の福山哲郎幹事長の「外交・安全保障政策では自民党と大して変わらない」などという発言とともに、この立憲民主党にふたたび政権をゆだねて本当に大丈夫なのか、という疑念・懸念を抱かせるような、お粗末な姿勢と言ってもいいのではないかと思われます。こんな調子では日本を変えることはできそうにないし、オルタナティブな日本など「夢のまた夢」ではありませんか? それなら、こんな政党は、さしあたり今日の日本には必要ないのではないでしょうか?
(1)泉健太発言「立憲民主党は3月30日に基本政策を発表しました。その中では、国名はあげていませんが「力による現状変更の試みに毅然と対処します」や「海上保安庁の能力向上をはかるとともに新たな法整備を検討するなど、グレーゾーン事態に適切に対応します」と書かざるを得ませんでした。かなり日本周辺の緊張の高まりを意識しています。」
(泉健太はこの発言に続いて次のようにも述べています)
「常に軍縮の可能性を探っていくことや、海上警察同士の船舶数を減らす共同の取り組み、あるいは2008年には日中双方は「日中間の東シナ海における共同開発についての了解」に至ったわけですから、東シナ海での共同利用・共同活用の呼びかけをしていくべきだと思います。野党から中国共産党、中国政府に対してさまざまな取り組みをするための「共同のテーブルをつくろう」という呼びかけをしたいと思います。」
(関連)外務省- 東シナ海における日中間の協力について(日中共同プレス発表)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/higashi_shina/press.html
<田中一郎コメント>
上記の泉健太の2つの発言が「相矛盾するもの」だという認識はないのだろうか? そして、前者が立憲民主党の党としての正式の基本政策として公表されているものであり、他方、後者が泉健太個人の情緒的かつ願望程度のものに過ぎないことを鑑みれば、立憲民主党がどちらに軸足を置いているかは明らかではないかと思われる。また、こうした「袈裟の下には鎧が見える」ような態度で、まるで有権者・国民をなだめすかしながら言動不一致のようなことを繰り返す行動様式は、2009年の「口先やるやる詐欺」政権交代と似たようなものを感じさせる。泉健太はついこの間まで国民民主党にいた人間であり、おそらくは「選挙に有利」くらいの理由で立憲民主党にやってきたのではないかと推測される人物。そして、その泉健太のルーツは福山哲郎現立憲民主党幹事長の京都事務所だというのですから、何をかいわんやだ。中共中国との関係を「平和と共存・互恵」を基本としたものにしていくというのなら、今般の新外交イニシアティブ(ND)の提言をよくかみしめた上で、上記の「基本政策」とやらを再度よく考え直すことではないか。
(2)泉健太発言「(立憲民主党の基本政策では「敵基地攻撃」についての言及がありませんが、これはなぜですか、の問いに対して)わが党としては当然、「それはありえない」と考えているからです。私たちは「敵基地攻撃」は絵空事の世界だと判断しているのです。」、その前段では次のようにも発言しています。「もはや移動式の発射台を各国が保有し、敵の発射基地が特定できないのに、そこを攻撃する「敵基地攻撃」など技術的に不可能という時代に入ってきている。ですから、軍事技術の面からも私は堂々と「敵基地攻撃は、非論理的である」と言って良いと思います。
<田中一郎コメント>
「専守防衛」という国の安保政策で最も重要であり基本でもあることで、かつ、自民党の好戦的で時代錯誤丸出しの「敵基地攻撃」論に対して「オルタナティブ」を示す上でも、「敵基地攻撃」を違憲・非常識として基本政策に謳うことは「当たり前」の中の「当たり前」ではないのか? こういうご都合主義的な態度が、立憲民主党という政党への不信感や疑義を深めていくことになると私は思うが、いかがか? 原発・核燃料サイクル施設を60基近く、この狭い日本列島に並べておいて、何が「敵基地攻撃」か、バカじゃねえのか? 戦争のリアリティ・リアリズムを完璧に失っている。
(3)泉健太発言「(立憲民主党は基本政策では「NPT体制の維持・強化」にとどまっているが、核兵器禁止条約には参加できないという考えかという問いに対して)核兵器禁止条約については党内でも議論があります。旧民主党で外交政策を担ってきた方々からすれば、日本は現在、核の傘の下にある。核保有国が条約に参加していないことを含めて、現時点では参加できない、という意見があります。現時点ではオブザーバー参加の可能性を探っているという状況です」
<田中一郎コメント>
要するにアメリカの核の「抑止力」とやらに依存していて、これからも依存します、というわけだ。私はそれでも核兵器禁止条約に加盟することはできると思うけれども、立憲民主党はアメリカ様のご機嫌を損ねてはいけないので、それは致しません、という態度を今後も取り続けるということらしい。確かに自民党とちっとも変わらない。あの自民党の「下駄の雪」である公明党でさえ、核兵器禁止条約締約国会議のオブザーバー参加を提唱しているというのに、立憲民主党はそれさえも現段階では「可能性を探っているという状況」なのか!? 情けないとは思わないのか!?(NDの柳澤協二氏は「本当に核兵器というのは抑止力になっているのか」と疑問を呈している)
(4)泉健太発言「NDの提言にあるように、安全保障は軍事だけでなく、経済や環境、貿易、感染症対策などについて、多国間でのやりとりを増やし、互いの国民にとってプラスになる施策を採用していくことが必要です。日本が得意としてきたのは、国際機関を活用して、中立性や透明性を高め、世界共通の認識をつくっていくことですね。」
(ところがこのあと泉健太は次のようにも発言する)
「鳩山由紀夫首相(当時)は、東アジア重視の外交を模索しました。それは結果的には道半ば。むしろ瓦解した印象を持たれてしまいました。だから鳩山政権以降は、立憲民主党も日米同盟基軸というスタンスで歩んできているのが現状なんです。」
<田中一郎コメント>
この2つの発言も相矛盾している。気が付いているのかいないのかわからないが、後者の方が立憲民主党の安保・外交政策なのだから、これからも自民党政権と同じように対米隷属は続きますよ、と言っているようなものです。鳩山由紀夫の東アジア重視外交は、世間知らずの書生のような発想(誇大妄想)を、あちこちでベラベラ喋りまくり、東アジアでの外交や安保政策のリアリティや実務を尊重しなかったから孤立して自滅しただけの話、それを理由にして対米隷属を継続しますというのは、野党第1党として失格と言わざるを得ない。
それと蛇足になるが、この泉健太とやらは立憲民主党の政調会長で政策立案の要の責任者であるにもかかわらず、同党の原点そのものである「原発ゼロ」に対してもあいまいな態度であり、こんなことでは「原発ゼロ」などとてもおぼつかない。脱原発に対する「原子力ムラ連合勢力」の抵抗の強さについて想像力が欠如しているのではないか。
(関連)立憲の苦悩 「原発ゼロ」の文言、基本政策に盛り込む? 理想のみ追えない事情 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20201217/k00/00m/010/040000c
(まだ他にも「?????」はあると思いますが、これくらいにしておきます。私は立憲民主党が憎くて上記のような厳しいことを申し上げているのではありません。逆です。私は立憲民主党を総大将とする「市民と野党の共闘」が自公政治・アベスガ政権に代わって政権を担い、バブル崩壊以降、長期間にわたって政治によりボロボロにされてきたこの国を、何とか回復させたいと願うからこそ、言いにくいこともズケズケと申し上げ、「改革勢力」が誤った方向に行かないように、おかしなことにならないように布石をしている次第です。
日本は今、政治が主導して危機の時代に突入し、自民や維新という日本破壊勢力(劣悪ゴロツキ集団)、あるいは公明や国民民主党という「補完勢力」が団子状態で日本を日々刻々おかしくしている状態です。他方で多くの有権者・国民は、依然として戦後日本の経済成長や「平和ボケ」の上に胡坐をかいていて、日本国憲法が辛うじて支えている民主主義や人権尊重・国民主権の大切さを忘却している様子です。それは福島第一原発大事故の経験を経てもなお、未だにこの有権者・国民は、投票行動により脱原発を実現させるに至っていないということが、それをよく示していると思われます。
こういう「危機の時代」にあっては、そこから脱却をし、本当の意味での有権者・国民のための新しい日本を創っていくためには、相当の覚悟と強い意志、そして的確な判断力や改革遂行能力が求められるのです。今日の立憲民主党のように、総大将たるものがフラフラしたり、どっちつかずの中途半端をやっているようでは、いつまでたっても有権者・国民の信頼は得られず、やがてジリ貧の末に「歴史のゴミ箱」へと消えていくことになるのです。河村たかしではないですが、立憲民主党には「頭から冷水をかぶって」今後の自分たちの政治的あり方を熟慮していただきたいと願うものです。急進的である必要はないし、政治的妥協がダメだとも言いません。まさに政治は「人間社会形成のアート」ですから、「オルタナティブな日本」(自公政治下の日本ではないもう1つの日本という意味です)を創造するセンスが問われているのです。
(関連)【立憲民主党】広がる不安感…枝野代表のままでは政権交代はおぼつかない|高野孟 日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286937
2.新外交イニシアティブ(ND)提言の各論に見る不十分さ
今般のNDによる「抑止一辺倒を超えて:時代の転換点における日本の安全保障戦略」という政策提言は、タイムリーで比較的よくできており、私が立憲民主党の幹部なら、直ちに党の基本政策に取り入れるであろう内容と言えます。ただ、私から見ると、提言の中の各論において、いくつか不十分に感じるところがありました。私はこれは、元防衛省背広組で、今はNDの評議員でもある柳澤協二氏の考えが強く出ているためではないかと勝手に思っています。以下、簡単にその不十分だと思ったところを箇条書きにいたします。
(1)アフリカ・ジブチにある自衛隊基地の問題
NDの提言ではジブチ基地については「看板と中身にズレが生じてきた自衛隊に、いかなる役割を与え、いかに危険を回避するかは、引き続き政治が注意を払うべき課題である」とされている。しかし、海賊被害を防ぐという名目でアフリカ・中東に自衛隊が出かけていき、ジブチに自衛隊の恒久基地までつくって部隊展開をしていることについて、きっぱりと撤収・閉鎖を提言すべきではないか。海賊の出没は今や激減しており、ジブチ基地での自衛隊の活動は、我が国の防衛とは全く関係がない中東地域での対中国けん制や、アメリカ軍の肩代わり・手下としての動きに変質してしまっている。このまま放置すれば、かつての満州国・関東軍のように、現地部隊や自衛隊・防衛省が政府の方針を無視・軽視して勝手なふるまいをする可能性も高く、また、そもそも平和国家の日本が何故に海外の軍事基地を持つ必要があるのかという問題もある。ジブチ基地については撤収・閉鎖以外にない。現状はすでに憲法違反状態だ。
(2)米軍および自衛隊の中距離ミサイル配備問題
NDの提言では、米軍の中距離ミサイルの日本への配備については反対すべきとされているが、他方、自衛隊については、ミサイルの長射程化や艦船のプレゼンスについて「地域の緊張を招くことがないよう配慮すべきであり、「敵基地攻撃の禁止」など、自衛隊の運用に関する新たな「歯止め」を設けるべきである」とされている。しかし、在日米軍と自衛隊が一体化している今日において、米軍はだめだけれど自衛隊はいい、ただその運用には気をつけなさい、では、中途半端で効果薄ではないか。少なくとも対外的には説得力がない。ここは米軍も自衛隊も同様に、今注目の「中距離・長距離ミサイル」の日本列島への配備はしない、挑発的な艦船のプレゼンスもやめ、地域の平和と安定のための他の方策を採用する、くらいでいいのではないか。ましてや「敵基地攻撃」などは憲法違反で論外だ。上記でも申し上げましたが、日本列島にある60基あまりの原発・核燃料サイクル施設をお忘れなく。高レベル放射性廃液タンクにミサイル1発を打ち込めば、東日本全土が壊滅しますし、西日本の原発あるいは使用済み核燃料プールにミサイルが撃ち込まれれば、同様の結果となるでしょう。
(3)日韓関係について
NDの提言では次のように書かれている。「歴史認識の隔たりをなくすことの困難さを踏まえると同時に、自由と民主主義という価値観の共有をベースにして、対中政策の面で新たな方向性の一致を目指すべきです」。これではアジア太平洋戦争や朝鮮半島植民地政策の加害者である日本の歴史歪曲主義を自ら容認してしまうようなことになる。韓国や米国はともかく、加害国である日本がこういうことでは、およそ21世紀の国際社会において、日本はまともな国とはみなされず、従ってまた、新たなアジア外交を切り開くこともできないでしょう。全世界中に「慰安婦像」が建立されるという無様な事態になってもいいのかということです。国として、政府として、きっぱりと歴史歪曲主義を否定して、改めて自公政権が行ってきた所業や態度をアジア各被害国に対して謝罪し、それを教科書にも反映させて、子どもたちや後世代に伝えていく必要がある。それでこそ初めて韓国や中国をはじめとするアジアの国々と真の友好関係が築けるのだ。このことは、自分たちがアジア太平洋戦争時の韓国や中国や東南アジア諸国と同じ状態・同じ境遇にあったらどう思うかを想像してみれば自明ではないか。
(4)中東問題への日本の関与
NDの提言では次のように書かれている。「トランプ政権により混迷を増した中東については、パレスチナを含む当事者関係の安定と内戦による人道危機に対し、自衛隊にできることには限界があることを踏まえ、日本の役割についての新たな政策パッケージを策定すべきである」。「新たな政策パッケージ」を創れというのは抽象的に言われているので何人も反論しようがないけれど、逆にそれでは何も言ったことにはならない。私はずばり、中東に対しては自衛隊を派兵するな=米軍の手下となって動く程度のことしかできないのだから、自衛隊員にとっても危険極まりない。長く続いたアベスガ政権のおかげで、中東諸国から見た日本は既に平和で中立的な国ではなくなっている。まずは日本が平和で中立的な国であるという認識を中東諸国の方々に持っていただくために資することを、平和外交・対話外交・全方位外交として展開すべきである。経済外交を軸にして、中東における平和構築のためのあらゆることについて前向きに対応し、自衛隊という武力・軍隊は使わない、ことを徹底せよ、ということだ。自衛隊は日本国を守る軍隊だというのが合憲的とされる大義名分であって、中東の平和を守るための軍隊ではない。
<その他関連サイト>
(1)日米、「台湾」明記へ 首脳会談で海峡情勢議題:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/DA3S14873948.html?ref=mor_mail_newspaper
(2)日本の目前が戦場、それでいい? 日米会談、識者に聞く:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP4L7GJLP4LUHBI00Y.html?ref=hiru_mail_topix2_6
(3)普天間返還合意25年 日本政府の決断で移設は可能だ - - 小川和久 - 毎日新聞「政治プレミア」
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20210414/pol/00m/010/005000c?cx_fm=mailpol&cx_ml=article&cx_mdate=20200418
(4)幻の沖縄米海兵隊「削減」案 抑止力低下懸念で撤回、日米交渉-琉球新報デジタル
https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-1305533.html
(5)愛国とは中国共産党を愛すること 香港の自治は骨抜きに:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP4V4HBDP3VUPQJ012.html?ref=opinion_mail_top
草々
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