(報告)(4.24)出版記念集会「司法はこれでいいのか:裁判官任官拒否・修習生罷免から50年」:日本の司法・検察は「解体出直し的」な抜本改革が必要だ!
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.李政美「あゝ福島」@福島原発_被害者証言集会 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=_PlDOw-HooM
https://www.youtube.com/watch?v=c6XgfaXwCls
(関連)李政美の世界-全歌詞コレクション
http://leejeongmi.com/words_body.htm#a01
作詞:武藤類子・李政美
作曲:李政美
(とてもいい歌です。歌詞も曲も胸に響きます。私は福島県出身ではありませんが、若いころから福島県にはよく出かけていて、半分は自分の故郷のような気分でいます。伊達郡梁川町で若いころに研修を受けたこともあります。知人も学生時代に知り合った方々を中心に多くいます。とてもいいところ、とてもいい人たちの里です。この曲を聴いていると年甲斐もなく涙がこぼれてきます。あのすがすがしく美しい、四季折々の幸豊かな、そして、放射能汚染や放射線被曝のない福島はいつ、私たちのもとに帰ってくるのでしょうか? 東京では、この歌が毎週金曜日の経済産業省前テントひろばの抗議行動の際に歌われています。みなさまも是非、この歌を覚えていただいて、集会などでみなさまで歌ってください。:田中一郎)
2.(予約必要)(6.7)オルタナティブな日本をめざして(第60回)「福島原発事故から10年:放射能汚染の実態とその諸問題」(青木一政さん・中村順さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ(この日は主催者側からは事務連絡以外にプレゼンはありません)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-458ec6.html
3.(4.27)国政選挙に向けて議論されるべき外交・防衛課題とは―国会議員を迎えて|イベント|New Diplomacy Initiative(新外交イニシアティブ)
https://www.nd-initiative.org/event/9438/
4.衆参3選挙、自民全敗 菅政権、初国政選で打撃 激戦広島は野党系制す 長野、北海道2区も立民:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/100448
*衆参3選挙で与党全敗 次期衆院選の前哨戦、菅政権に打撃 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210425/k00/00m/010/117000c?cx_fm=mailsokuho&cx_ml=article
(関連)「菅内閣に極めて厳しい有権者の審判が下された」3選挙の野党勝利で福山幹事長 - 立憲民主党
https://cdp-japan.jp/news/20210425_1259
(関連)3補選・再選挙の勝利を受け、枝野代表らが連合に報告 - 立憲民主党
https://cdp-japan.jp/news/20210426_1262
(関連)3国政選 市民と野党全勝 2021.4.25 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NL2OVwtvTEs
(立憲民主党などの既成野党が勝ったのではなく、与党・自民党のアベ・スガ政治があまりにひどすぎるので、自民党の支持者らが「お灸」をすえるために投票に行かなかった結果とみるべきでしょう。補選だから「まあいいか」ということにして、です。そしてそれは、3つの選挙区とも投票率が低迷していることから見て取れます(衆院北海道2区:30.46%、参院長野:44.40%、参院広島:33.61%)。来る衆院選へ向けて既成野党、ないしは「市民と野党の共闘」の選挙態勢は整っておらず、従ってまた、有権者・国民の支持は結集できていないと見ておくべきです。この責任は、国民民主党や御用組合「連合」による「第五列」的振る舞いにもその一因はあるのですが、しかし決定的に重要なのは、立憲民主党の現執行部が「市民と野党の共闘」の態勢づくりをいつまでたってもやろうとしていないことです。
今回の選挙で勝ったからといって、来る衆院選で勝てる勢いがついたとはとても言えないような勝ち方です。依然として、既成野党ないしは立憲民主党を総大将とする「市民と野党の共闘」の地滑り的大敗北の可能性は残ったままです(デタラメな自公政権とダラシナイ野党連合の間隙をぬって台頭してくる可能性があるのが、今回同日の名古屋市長選挙で勝利した河村たかしや維新などに代表されるようなデマゴーグ・似非右翼の勢力です)。立憲民主党は何をしておるのか、と思います。上記の記事を見ると、枝野幸男立憲民主党代表は真っ先に御用組合「連合」への「ご報告」に参上しているようですが、これが「総大将」のやることなのか、と思います。真っ先にお礼に行かなければならない先は、協力してくれた野党各党と、選挙中も応援をしてくれた市民団体であろうに、です。:田中一郎)
5.河村たかし氏、4期目の当選確実 3新人退ける 名古屋市長選 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210425/k00/00m/010/106000c?cx_fm=mailsokuho&cx_ml=article
(言論・表現の自由を公権力を使って踏みつぶそうとし、更には、ゆがみ切った歴史観から大切な隣国である韓国を侮辱するという許されない暴挙まで働き、更には、そうしたことは差し控えておくべきだとした大村秀章愛知県知事までもをリコールで辞任させようとし、そのリコールが実は巨大な詐欺行為だったことが明らかになっている。自分はリコールのインチキ行為には関わっていないと言い張っているが、関わっていなくても、そんな詐欺師連中が進めていたリコール運動を懸命に応援していたという(政治的)責任は消えることはない。今回の名古屋市長選では、有権者は河村たかしを落選させなければいけなかったのだ。それがこんな結果になっている。
確かに一騎打ち相手の自民党候補者には全くの魅力がなく(自民党はもう存在意味がなくなっている政党だ)、河村たかしと「カネのバラマキ競争」のような選挙戦を展開して見事に敗北している(下記サイト参照)。競争相手がこれじゃ、河村たかし退治のためとはいえ、有権者が投票する気になれないのはよくわかる。が、しかし、である。この自民党の対立候補は元市議会議長らしい、ということは、名古屋市民がこういう自民党の政治家を「育ててきた」のではないか。だから、こんな時でも、まともな候補者が立候補してこないということだ。ともかく、河村たかしが名古屋市長に再選されたということは、この大都市が「愚民多数都市」となっていることをいみじくも示した結果となった。「昔は水の都・今はアホの都」大阪、緑のタヌキ女に騙されて「馬のくそ饅頭」政策を食わされ続けて喜んでいる首都東京と、日本の3大都市が「愚民都市」となってしまっているこの国の未来は非常に暗い。:田中一郎)
(関連)商品券や電子マネーで市民に還元? バラマキ批判に候補者は反論 名古屋市長選- 名古屋テレビ【メ~テレ】
https://www.nagoyatv.com/news/?id=006156
6.#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)- 5・8(土)新宿デモチラシ 子ども脱被ばく裁判の理不尽の極み判決に抗議する!
https://fukusima-sokai.blogspot.com/2021/03/58.html
7.キャンペーン
(1)お知らせ · 学術会議の総会は終わりましたが「会員の任命拒否」は続いています。引き続き、ご協力をお願いします。 · Change.org
https://bit.ly/3nkQnfA
(2)お知らせ · 世界の目を沖縄へ!! · Change.org
https://bit.ly/2QU3GaK
8.リテラ
(1)東京五輪組織委が看護協会に「看護師500人を動員」要請する横暴! “国民の命より五輪ファースト”は検査やワクチンでも|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/04/post-5865.html
(2)安倍晋三「朝日の捏造体質は変わらない」発言に「お前が言うか」と非難殺到! コロナ対策放り出して改憲本部最高顧問に就任する厚顔無恥|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/04/post-5864.html
(3)名古屋市長選で河村たかし優勢も…リコール不正渦中の田中事務局長が公表した河村市長との焼肉会食の領収証、不正署名めぐる発言|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/04/post-5863.html
(4)緊急事態宣言発出で菅首相がついた自己正当化の大嘘!「IOCバッハ会長来日前に解除するための宣言期限か」の質問にも…… |LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/04/post-5862.html
(5)大阪で救急拒否が相次ぐ危機も吉村知事は…滋賀県の看護師派遣を回答前に公表、滋賀知事への要請電話を後回しにしてテレビ出演|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2021/04/post-5861.html
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さる4月24日(土)、東京市ヶ谷のアルカディア(私学会館)において、出版記念集会「司法はこれでいいのか:裁判官任官拒否・修習生罷免から50年」が開催されました。タイムリーでとても内容の充実した集会でした。私は日本の司法や検察は「解体出直し的」な抜本改革が必要だと考えており、今回の集会はその目的に向けての貴重な1つのステップだと受け止めています。以下、簡単にご報告申し上げます。
◆(イベント情報&録画)「司法はこれでいいのか―裁判官任官拒否・修習生罷免から50年」出版記念集会 – NPJ
http://www.news-pj.net/movie/111082
http://www.news-pj.net/movie/111082
◆弁護士と学者による集会で梓澤和幸弁護士が熱弁!「苦労して血と涙を流し、尊敬される弁護士だけが裁判官になるのが『法曹一元化』だ」~4.24 司法はこれでいいのか ―裁判官任官拒否・修習生罷免から50年― 出版記念集会 - IWJ Independent
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491308
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/491308
◆司法はこれでいいのか 裁判官任官拒否・修習生罷免から50年-23期・弁護士ネットワーク著(現代書館)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034190731&Action_id=121&Sza_id=GG
<別添PDFファイル:当日のレジメから3つだけ抜粋>
(1)開会のご挨拶(澤藤統一郎 2021.4.24)
ダウンロード - e9968be4bc9ae381aee38194e68ca8e68bb6efbc88e6bea4e897a4e7b5b1e4b880e9838e202021.4.24efbc89.pdf
(2)集会の最初の報告(村山晃 2021.4.24)
ダウンロード - e99b86e4bc9ae381aee69c80e5889de381aee5a0b1e5918aefbc88e69d91e5b1b1e69983202021.4.24efbc89.pdf
(3)「勝たなければならない裁判で勝てた理由:東海第二原発差止訴訟」(丸山幸司弁護士 2021.4.24)
ダウンロード - e3808ce69db1e6b5b7e7acace4ba8ce58e9fe799bae5b7aee6ada2e8a8b4e8a89fe3808defbc88e4b8b8e5b1b1e5b9b8e58fb8202021.4.24efbc89.pdf
<関連サイト:当日、講師の話に出てきたもの>
(1) 木澤克之 – 最高裁判所の裁判官(前学校法人加計学園監事)
https://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/kizawa/index.html
(2) 最高裁判所の裁判官 - 裁判所
https://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/index.html
(3) 裁判所・裁判官のデータ多数:弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)のHPです
https://www.yamanaka-law.jp/
(4)弁護士山中理司のブログ
https://yamanaka-bengoshi.jp/
(今回の集会が日本の(第二次)司法改革のキックオフになればと、切に願っております。次回は検察改革も含めて、何らかのアクションプランや、司法改革を目的とする広範な市民団体立ち上げの集会にでもなればいいなと思います。法律のプロである弁護士の方々が立ち上がってくださることが何と心強いことか、私は貴重な集会に参加できてうれしく思っています。主催者の皆様に感謝申し上げます。;幸いにして短時間の発言の機会も得ました。上記録画でNPJでは2時間18分くらいのところ、IWJでは2時間30分くらいのところです)
*(拡散希望)(継続サイト)日本の司法・検察は抜本改革されなければならない:ポイントは(1)「法曹一元化」による司法官僚制度からの解放と、(2)有権者・国民からのフィードバック機能の強化、です- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-bbc6f8.html
<集会で申し上げたかった事>
全体像は上記の私のブログに掲載した4回の日本の司法及び検察に関する勉強会のレジメ(今回4/24集会の当日にお配りしたもの)ですが、以下、若干の補足を追記し下記に箇条書きにいたします。
<「新ちょぼゼミ」>
(1)(報告)(11.12)「有権者・国民のための裁判所を目指して:第二次司法民主化」(その1)(新ちょぼゼミ:田中一郎)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-63dc76.html
(2)(報告)(11.17)「有権者・国民のための裁判所を目指して:第二次司法民主化」(その2)(新ちょぼゼミ:田中一郎)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-da08b2.html
(3)(報告)(1.27)「日本の検察(&法務省)を抜本改革する(その1)」(新ちょぼゼミ:田中一郎)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-78439d.html
(4)(報告)(2.25)「日本の検察(&法務省)を抜本改革する(その2)」(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/02/post-27a0e5.html
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◆日本の司法改革 5つのポイント(総論)
1.組織的権力性の削ぎ落とし(裁判官が「個人」として機能)
2.民主主義的なフィードバック制度
3.有権者・国民の司法・検察への参加
4.裁判・裁判所・裁判情報の公開と文書管理
5.体制の拡充(裁判官数、補助者、施設等)
上記の1.は「ドラスティックな法曹一元化」を考えています。具体的には、裁判官は弁護士を10年以上実務経験した人物が「当番制」的に任期10年の裁判官となり、再任はない(つまり自分の人事について考慮する必要がない)形で職務を遂行する。検察庁は法務省から切り離し、法曹一元化は検察官については上席者についてのみ実施など。
上記の2.は、まずもって最高裁判事の国民審査を実効性のあるものにするとともに、その人選が民主的に行われるようにする。判検交流は禁止、検事出身の判事は認めない、判事出身の検事も認めない、裁判官弾劾裁判制度や裁判官リコール制度、実効性のある裁判官忌避制度なども検討。憲法裁判所は時期尚早、違憲判決・逃避判決を事後的に検証し、その是非を明らかにする仕組みなど。
上記の3.は、裁判員制度を刑事裁判で実施することをやめ、行政法裁判や、国や自治体や巨大企業などが被告となる民事裁判で実施、検察審査会の起訴要件緩和、裁判官プロファイルや判決アーカイブの作成・蓄積管理など。
上記の4.は、法廷にTVカメラを入れる(法的強制)とともに、法廷内での資料配布を自由化する。裁判長の無用の法廷指揮を拒否する権利、法廷の構造や設備を変える(裁判官の座る場所の高さを傍聴(市民監視)席と同じ水準他)など。
上記の5.は、文字通り、人・もの・カネを司法や検察にもっと投じよ、ということ。
◆福島第一原発事故後の原発関連裁判の動向
(1)原発・核燃料サイクル施設の運転・建設差止訴訟(民事と行政法の2タイプ)
http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/list/
2014年5月に福井地裁の樋口英明裁判長が大飯原発の運転差止判決を出して大いに盛り上がったけれども、その後、2015年12月に最高裁から派遣された林潤他3名の裁判官がその判決を覆し、それが分水嶺となった。ちょうどこの頃には、最高裁事務総局が主催する全国の裁判官を集めての研修会が開催されて、そこで原発の運転停止判決はよろしからぬ、というような雰囲気の申し渡しらしきものがなされた旨も耳に入っている。その後の原発運転差止訴訟は、ほとんどが「つるべ落とし」のように原告敗訴で、次々と出される判決のほとんどは福島第一原発事故以前と変わらない状態となった。そんな中、東海第二原発の原告勝訴は、原発の安全性ではなく避難計画の実効性を理由として差止判決が出ており、今注目されている。しかし、その東海第二原発の運転差止判決にしても、原発の工学的危険性や地震津波などの過小評価は見逃されており、およそまともな判決ではない。もはや日本の司法は原発・核燃料サイクル施設を止められない様子である。
(2)福島第一原発事故東電刑事裁判(東電幹部3人が被告)
原発事故を引き起こした東京電力幹部や国(原子力安全保安院・原子力安全委員会など)の役人など、責任者たちを検察が起訴しないため、検察審査会を2度通して起訴に至るという、まさに針の穴に象を通すような努力で何とか東電幹部3人を起訴、しかし、それ以外の多くの責任者たちは何の罪にも問われずに無罪放免となった。そしてその3人に対しても東京地裁の永淵健一以下3人の裁判官が無罪判決を出している。信じがたい話だが、これで福島第一原発事故を引き起こした責任者は「誰もいなくなった」ということだ。この国の司法の異常がここにティピカルに現れている。
東電刑事裁判について申し上げれば、原発という国を亡ぼすかもしれないような大事故を引き起こす危険施設の管理に関して、裁判では、津波の予見可能性と事故の回避可能性という、まるで一般の業務上過失事件を裁くような枠組みで審理がなされているが、これが決定的な誤りだ。争うべきは、予見可能性ではなくて予見義務(間違っても大事故を起こさないように津波をチキンと予見する義務を果たしていたか)、回避可能性ではなくて回避義務(あらゆる手を尽くして大事故を回避する義務を果たしていたか)である。司法の感度というか、リアリティというか、市民感覚というか、そういうものが欠けていて、旧態依然の法律・裁判の枠内でしか物事を考えられなくなっている。一種の「脳硬化症」。
(3)原発事故に伴う損害賠償・補償を求める民事裁判(他に東電株主代表訴訟や原発メーカー訴訟などもある)
http://nuclearpowerplant311.livedoor.blog/archives/12143668.html
責任論では東京電力の責任は東京高裁群馬訴訟判決(足立哲あきら裁判長=極悪人)以外は認められているが、国の責任については判決が2つに割れるという、これまた信じがたい状態が続いている。国に責任がないなどと、どの口で言うか、ということだ。それはともかく、東電や国の責任を認めたとしても、その責任が次の損害論(損害賠償額)に反映されないで、単なる精神論のようなものにとどまっているのは、損害賠償裁判としては許しがたい暴挙である。そして、そうしたこともあってか、責任論で勝訴しても、損害論では「ほんのススメの涙」ほどの賠償金額しか裁判所が認めないため、原告の人々(原発事故被害者)は裁判所での勝訴をもってしても自分たちの生活や仕事の再建ができないでいる。私はずるがしこい裁判官どもが、名を捨てて実を取る、つまり実質的に意味のない名目論としての責任論を認めて、損害論を蹴飛ばし、もって原発事故のきちんとした賠償を拒否しているのではないかと疑っている。
(4)原発事故後の国や自治体の対応の悪さの不当性を追求する裁判(行政法)
「子ども脱被ばく裁判」(福島地裁)と「井戸川裁判(福島被ばく訴訟)」(東京地裁)がある。前者は、山下俊一長崎大学教授(福島県立医大副学長)や鈴木眞一福島県立医大教授(甲状腺専門医、元福島県民健康調査検討委員)を法廷に呼んで証人尋問まで実施したが、判決では全面的に原告主張が却下され敗訴、まもなく仙台高裁へ移る。後者は東京地裁で現在も係争中である。上記で申し上げた加害者=東京電力や事故責任者=国の責任を問う刑事・民事の裁判で、予見可能性ではなく予見義務、回避可能性ではなくて回避義務、を問うべきだと立論されているのが、この井戸川裁判の主任弁護士である古川元晴弁護士である。詳しくは下記の著書をご覧ください。
(関連)福島原発、裁かれないでいいのか-古川元晴/著 船山泰範/著(朝日新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033212619&Action_id=121&Sza_id=E1
草々
(追)死刑執行男性の再審認めず 女児2人殺害 飯塚事件 福岡高裁 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=djgakZekKpc
(関連)(別添PDFファイル)飯塚事件 再審認めず、元市研修側の特別抗告棄却(東京 2021.4.24他)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/100056
(関連)飯塚事件、6月に第2次再審請求へ 弁護団が表明 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210424/k00/00m/040/165000c
(この集会があった4/24当日の東京新聞及び毎日新聞の朝刊に上記記事が掲載されました。この事件の概要については、だいぶ前にTBS報道特集でも取り上げて詳しく解説報道していました。私はそれを見て、これは冤罪くさい、と思いました。しかし、その後驚いたことに、一貫して無罪を訴え続けていて冤罪のにおいがプンプンしている、この事件の被告を、法務省は死刑執行をしてしまったのです。これが私には信じがたいことです。巨悪を逃し、無実の罪で被告を殺害する、こんな検察・法務省であっていいはずがありません。何故に死刑を急ぐ必要があったでしょう? 審理を尽くして真相を究明すべきだったのです。死刑執行後の再審というのは前例がないそうですが、そんな前例など踏襲する必要はないでしょう。:田中一郎)
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