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2021年1月24日 (日)

福島原発事故損害賠償「群馬」訴訟で国や東電の事故責任を免罪:東電3幹部に対する刑事裁判の無罪判決(永渕健一裁判長)と並ぶ、到底許すことのできない極悪判決を下した東京高裁(足立哲裁判長)

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.(予約必要)(1.27)オルタナティブな日本をめざして(第54回)「新型コロナ・パンデミックの「真実」」(岡田幹治さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-2c39dd.html

(この日は最初の1時間弱で主催者側より「日本の検察、その抜本改革をどうするか」のテーマでプレゼンを行います。安倍晋三元総理や「あまりにひどい甘利」や西川公也、あるいは福島原発事故の事故責任者など、いわゆる権力犯罪・巨悪の容疑者に対する不起訴処分がやたらと乱発されており、他方では罪なき人々の冤罪が後を絶ちません。この歪み切った日本の検察をどうするのか、みなさまと共に考えてみたいと思っております。ご参加をお待ちしています。「3密」(密閉、密集、密接)防止のため予約が必要となります。なお、これまでの2回の「日本の司法・裁判所の改革」については下記サイトをご覧ください。今回のこのメールの主題である「福島原発事故損害賠償「群馬」訴訟」とも密接に関係しております:田中一郎)

(関連)(報告)(11.12)「有権者・国民のための裁判所を目指して:第二次司法民主化」(その1)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-63dc76.html

(関連)(報告)(11.17)「有権者・国民のための裁判所を目指して:第二次司法民主化」(その2)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-da08b2.html


2.キャンペーン · 困窮者を生活保護制度から遠ざける不要で有害な扶養照会をやめてください! · Change.org
 https://bit.ly/2KE5DFp

(関連)生活保護利用に関する東京都の情報提供のあり方についての都庁記者クラブ記者会見(2020年12月28日) - 宇都宮けんじ公式サイト 希望のまち東京をつくる会
 http://utsunomiyakenji.com/4766

(東京都へ要請をするよりも、知事を変える方が手っ取り早くて効果的です。女帝タヌキを都庁舎から追い出し、私たちのための都政をしてくれる人を知事にいたしましょう。今年は都議選もあるようですから、まずは都議会から自民・公明のハラグロ利権集団と、都民ファーストならぬ小池百合子ファーストのタヌキ幼稚園児たちを都議会から一掃することです。女帝タヌキ=小池百合子に「馬のクソまんじゅう」政策をたらふく食わされているマヌケ有権者・都民の諸君、おわかりですか? :下記のネット記事をご覧になったらいかがでしょう? これが女帝タヌキが言うところの「東京大改革」です。あなた方は小池百合子(現都知事)に完璧にバカにされてますよ! こんどは「馬の小便酒」政策でも飲みますか? :田中一郎)

(関連)小池百合子とドン内田が手打ちしていた【全文公開】(文春オンライン) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/b97fa257de1957c1683c8192c543599e8b0987b8

(関連)まさかの小池知事との共闘 “都議会のドン”内田茂が明かした「本当の関係」文春オンライン
 https://bunshun.jp/articles/-/42933?page=2


3.(別添PDFファイル)河井案里議員に有罪判決 懲役1年4月、執行猶予5年(東京 2021.1.22)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/81198

(関連)領収書「いらなーい」口裏合わせも 金権選挙の一端認定 河井案里議員有罪判決-毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210121/k00/00m/040/328000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20210122

(関連)河井被告有罪で問われる菅、二階氏の政治責任 - 国内政治 - 東洋経済オンライン - 経済ニュースの新基準
 https://bit.ly/39RJtbq

(田中一郎コメント)
 金権選挙重罪犯=河井夫婦のうち、罪の軽い方の案里被告に有罪判決が下った。当たり前の話である。どこぞの世界に何の下心もなく陣中見舞いや祝い金として数百円ものカネを配って回るバカがいるか、という話だ。その河井案里の法廷での言動について、東京新聞記事は次のように報じている。「現金を受け取ったとされる広島県議の一人が、「案里議員から口裏合わせの電話があった」として当時の状況を説明している際、「うふふ」と笑いだし、弁護人からたしなめられた。被告人質問では、夫で元法相の克行被告(五七)との逮捕前のやりとりを弁護人に問われ、「『あんたは知らない方がいい』と言われ、間違ったお金なんじゃないかと思った」と涙を流しながら説明。一方、検察官の質問には淡々と「記憶にない」と繰り返した。」「買収はお札で相手の頬を張り飛ばすような下品なこと。私を信じてほしい」

自分でも「下品」であると思っていたのなら、やめておけばよかったのだ。その案里は左胸に議員バッチを付けたまま法廷に臨んでいたという。まるで広島県民をカネで釣り上げたそのシンボルとして、広島県民と日本の民主主義を侮辱するかの如く、地元広島を含む圧倒的多数の有権者から「国会議員を辞職しろ」との批判をせせら笑うかのように、議員バッチを離さなかった。言い渡された判決は懲役1年4カ月、執行猶予5年である。事の内容から鑑みて軽すぎる。その10倍=懲役14年(執行猶予なし)・政界から永久追放が妥当な量刑だ。

しかし、この東京地裁判決もまた、ご多分に漏れず最重要事項については避けて通っている。それは安倍晋三自民党本部から河井夫妻に送られた選挙資金(その原資の大半は政党交付金である)1億5千万円もの大金の主旨と行方だ。自民党本部が当時の参院選広島選挙区のもう一人の自民党推薦候補=溝手顕正(みぞてけんせい)に対しては,その1/10の1500万円しか送っていないことと対比すれば、自民2人立候補による激戦の情勢と併せて鑑みて、このカネのアンフェアと不透明さは重大疑惑事項である。未必の故意による「地元買収資金」を自民党本部が「そのつもりで送金していた」ことは常識として判断されること、この安倍晋三(当時自民党総裁)や菅義偉(当時官房長官)や二階俊博(当時自民党幹事長)に直結する「黒い霧」については、巨悪や社会正義実現の問題からトンズラ判決ばかりを出し続けている東京地裁は、またもや「ほうかむり」をして逃げ去った。日本の司法は腐っている。

蛇足ながら、この案里有罪判決について問われた菅義偉ことスガーリン(スターリンではありません)は「政治家は国民の負託を受け、疑念を抱かれないよう襟を正して活動することが大事だ」「(1億5千万円については党で所定の手続きを経た上でルールに基づいて交付されている」(スガーリンは参議院選当時には複数回の河井案里応援に駆け付けていた)と言い、二階俊博は「党は常に襟を正し引き続き緊張感を持って国民の信頼回復に努めていく」と居直った。ありきたりの決まり文句で説明責任を回避するのは常套手段、その本音は下記の毎日新聞報道にもあるように「いちいちケチつけるもんじゃない」(二階俊博)である。つまり「何が悪いんだ、ボケ、つべこべぬかすな」の居直りである。これは河井案里金権選挙のおかげで落選となった溝手顕正候補と広島有権者への最大限の侮辱であり、また日本の有権者・国民への侮辱でもある。自民党に投票をしたり選挙で棄権をしているバカ者有権者は、このことをよく認識しておくことだ。次期衆院選は間もなくである。

河井夫婦のもう片方の河井克行の裁判も同時並行で進められているが、被告の河井克行は「裁判引き延ばし作戦」に出ている様子である。はたして、腐れヒラメ裁判官養殖場となっている東京地裁が、河井克行の裁判を適切に運営・進行させられるのか、怪しい限りの情勢である。

(関連)河井元法相の結審、見通せず「百日裁判」証人多く長期化:時事ドットコム
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012100809&g=soc
(関連)河井被告有罪で問われる菅、二階氏の政治責任(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/8e69726cc64385e0477af7bf821aa47b3fdc4e3c

(関連)二階氏「ケチつけるな」に見え隠れする「権力集中の弊害」 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/221000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20210121

(関連)(別添PDFファイル)「政治とカネ」「学術会議会員任命拒否」・・・甘い幕引き許されない(東京 2021.1.22)

日刊IWJガイド・非会員版「東京地裁が河井案里参議院議員に有罪判決!」2021.01.22号~No.3053号 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48169


4.東京五輪はまもなくご臨終(五輪終)
 森喜朗元総理と小池百合子から、この愚かなる「カネカネカネの祭典」「利権と土建とセキュリティのバカ騒ぎ」に使った税金を返却してもらいましょう。他のことに使えば、どれだけたくさんの方々の命を救い、生活を改善できたでしょうか。

(1)東京五輪、今夏は「中止と日本政府が結論」…英紙タイムズ衝撃報道、2032年開催案も(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/7d42efe99984cac8d30c87c6f55e3916125b2585
(2)東京オリンピック 無観客含む3案を政府検討 「日本は中止判断」英紙が報道 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210122/k00/00m/050/056000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20210122
(3)日本政府、コロナのため五輪中止が必要と非公式に結論=タイムズ紙 - ロイター
 https://jp.reuters.com/article/olympics-japan-covid-idJPKBN29Q35U
(4)東京五輪いずれ中止判断? 坂井副長官発言が火に油(時事通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/f99071c18c9193c44cdbbea9470e8142139ab581
(5)「日本政府が東京五輪・パラの中止と結論」と英紙報道 2032年の開催目指す? 東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/81382
(6)「中止」決めきれぬ東京五輪 競技数を減らし〝ミニリンピック〟強行も(東スポWeb) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/a0c4e8d887d79225a07d9507da172f5a4ebb78c3
(7)【東京五輪】“組織委に中止計画”発言裏で電通専務と菅氏がステーキ会食|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/284157
(8)東京オリンピックに懐疑論 IOC会長の思惑、バイデン新政権の影響は- - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210122/k00/00m/050/329000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20210123


*日刊IWJガイド・非会員版「『東京五輪は中止せざるを得ないと非公式に結論づけ』英紙タイムズが『連立与党幹部』の発言を暴露報道!」2021.01.23号~No.3054号 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48176


5.(メール転送です)DHCスラップ訴訟・「反撃」訴訟 勝訴確定のご報告と御礼
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東京・23期弁護士の澤藤です。

デマとヘイトとスラップとステマとで著名な極右企業DHCとそのオーナーである吉田嘉明から6000万円請求のスラップ訴訟を提起されてこれに勝訴し、引き続く「反撃」訴訟でも勝訴して1月14日に確定しました。昨日(1月21日)のブログ「澤藤統一郎の憲法日記」に、その顛末の記者レク資料を掲載しました。DHC・吉田嘉明と澤藤との争いの全経過や勝訴の意義がこれでお分かりいただけると思います。問題領域は、表現の自由・DHC政治資金規正・消費者の利益・規制緩和・裁判を受ける権利・民事訴訟のありかた等々に関わっています。スラップ訴訟に関心のある方は、是非ご活用ください。

*DHCスラップ訴訟・「反撃」訴訟 勝訴確定の記者レクー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第181弾
 http://article9.jp/wordpress/?p=16217

なお、多くの方にご支援をいただき、感謝に堪えません。この場を借りてお礼申しあげます。

澤藤統一郎 <sawafuji@article9.jp>

改憲への危機感から、「憲法日記」毎日連載しています。
http://article9.jp/wordpress/


6.スッカラカンの菅義偉スカ政権=退陣へのカウントダウン進行中
(1)「短命首相リスト入り?」 菅政権の支持率急落 海外メディアは… - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210121/k00/00m/010/118000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20210121
(2)【河井案里】案里被告に有罪判決…菅政権「4.25補選」3連敗がトドメに|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284220
(3)【二階俊博】二階幹事長と麻生氏に国民の怒り爆発!怨嗟の16万ツイート|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284221
(4)<国民愚弄政権にトドメを>この国会は政治をマトモに戻す天王山(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
 http://www.asyura2.com/20/senkyo278/msg/609.html
(5)黄信号点灯の菅首相、「4月政局」に現実味!? 支持率急落の中、再浮上の手はあるか…(47NEWS) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/e5f67c0c8d693a8520d8141d4803410ccbfc0a4c
(6)下村博文・政調会長、茂木敏充・外相が蠢動する 菅降ろしの裏側 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210118/org/00m/010/001000d?cx_fm=mailasa&cx_ml=column&cx_mdate=20210121
(7)国民をバカにするだけのお仕事?菅首相「棒読み施政方針演説」の異常性 - まぐまぐニュース!
https://www.mag2.com/p/news/483854?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_thu&utm_campaign=mag_9999_0121&trflg=1
(8)室井佑月「つづく失敗の原因は?」 〈週刊朝日〉|AERA dot.
 https://dot.asahi.com/wa/2021012000007.html
(9)菅政権の「支持率急落」のウラで、「安倍ブレーンたち」の反撃が始まっていた…!(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/8907ce857e65b96f0cbc93f8474b28fc057103d6
(10)利権はあっても理論なし。竹中平蔵氏と菅首相の哀しき共通点 - まぐまぐニュース!
https://www.mag2.com/p/news/484030?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_fri&utm_campaign=mag_9999_0122&trflg=1

*日刊IWJガイド・非会員版「バイデン米大統領就任式はトランプによる一時的な『狂乱』の終わりではなく米国没落の始まり!- トランプ氏は2024年の大統領選に出馬示唆! トランプ氏が影の大統領として影響力を振るう!- バイデン政権はコロナ禍と対中対立とト
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48147
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さる2021年1月21日、東京高裁において福島原発事故損害賠償「群馬」訴訟(以下「群馬訴訟」)の判決公判が開かれ、多くの関係者が考えもしなかった東京電力や国の原発事故責任を免罪して被害者を切り捨てる許しがたい判決が下されました。それはまるで原発・核燃料サイクルを推進していくためならば、いかような安全管理の手抜きや不注意も許され、危険な欠陥原発でも稼働してかまわず、それで被害にあった人たちに対してはロクすっぽ賠償も補償も支援もしないで切り捨ててよいという、およそ司法・裁判所として、あるまじき判断であると言えます。

(関連)原子力損害賠償群馬弁護団
 https://gunmagenpatsu.bengodan.jp/

申し上げるまでもありませんが、司法・裁判所が最も重視すべき使命は、第一に、有権者・国民の基本的人権が侵害されることのないように、特に権力犯罪や権力による一般市民への加害行為に対しては厳しい目で司法のチェックを入れることに加え、第二には、ともすれば行政権力や政治権力の濫用によって社会正義がないがしろにされることを防ぎ、この国の社会に公正・公平や安全・安心を確保し、もって有権者・国民の福祉や幸福の礎となる法治を実現することです。

しかしながら、今回のこの「群馬訴訟」の判決は、その対極に位置する、どうしようもないくらいに出鱈目な判決であり、また、ことが原発・核燃料サイクルの事故にかかるものであるだけに、「原発・核燃料サイクルならば何をしてもいいのだ、手抜きも、いい加減も、デタラメも、それがもとで大事故になったとしても、後から屁理屈で予見不可能・不可抗力・未曽有の想定外などと抗弁しておけば、罪も責任も問われることはない」という「悪のお墨付き」=深刻なるモラルハザードを与えるものになっています。そして被害者は、救われることなく、償われることもなく、加害者・東京電力や事故責任者・国によって踏みつぶされるのです。かような判決を看過するわけにはいきません。かような判決を放置しておけば、それはそのまま近未来における福島第1原発事故並みの、いやそれ以上の原発・核燃料サイクル施設過酷事故を用意することになるでしょう。

以下、簡単に裁判報告を兼ねて、このクソ判決についてコメントを申し上げます。最初に、この判決を報道する各新聞紙記事をご覧いただきましょう(別添PDFファイル)。

(1)(別添PDFファイル)津波対策、国の責任を認めず 原発避難、東京高裁が一審覆す(東京 2021.1.22)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/81228?rct=national
(2)(別添PDFファイル)福島第1原発事故、原発事故訴訟、国の責任否定 東京高裁、仙台と判断割れる(毎日 2021.1.22)
https://mainichi.jp/articles/20210121/k00/00m/040/132000c
https://mainichi.jp/articles/20210121/k00/00m/040/318000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20210122
(3)(別添PDFファイル)原発事故、東京高裁は国の責任否定、「津波予見できず」、東電だけに賠償命令(朝日・日経 2021.1.22)
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG20DJ10Q1A120C2000000
 https://www.asahi.com/articles/ASP1P4W6HP1PUTIL016.html
(4)(別添PDFファイル)原発避難者群馬訴訟、国の責任認めず 東京高裁が不当判決(赤旗 2021.1.22)
 https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2021-01-22/2021012213_01_1.html

ネットサイトの記事内容ではよくわかりませんが、新聞の原文にあたると見えてきます。似非右翼団体機関紙の「3K新聞」(産経)と首相官邸広報紙の「ゴミ売り新聞」は読む価値がないので除外し、それ以外の大手4紙に目を通してみた。各紙とも、この裁判の判決が如何に重大な意味を持ち、また、如何にその内容がデタラメでひどいのか、記事を書いている記者も、それを編集して紙面に掲載している編集デスクも、ともによくわかっていないようである。

4紙のうち、最も字数が多くて内容がくだらなかったのが毎日新聞で、簡単に言えば、この判決を書いたクソヒラメ裁判長=足立哲のエクスキューズを事細かく説明している記事だということだ。批判的観点がほとんどない。また、朝日と日経に至っては、この裁判が日々、日本社会のどこにでも起きている事件の1つ=つまりはワンオブゼムであり、あたかも多々ある三面記事の1つであるかのように通り一遍のことをスラスラと書いて、ハイ1件落着、のような記事になっている。これもこの裁判の正体というか、重大性というか、持つ意味の重みを全く理解していない記事である。この3紙は日本の新聞の「マスごみ」化を象徴しているような取材ぶりであり、記事の書きぶりである。既存の新聞で唯一、一読に値するかと思えたのは東京新聞(それと赤旗)くらいなものだが、それもまた、不十分極まりなく、結局、私からは、この裁判の判決報道として、下記のOur PlanetーTV をご紹介しておきたい。コンパクトだが、物事の核心を突いて、適切に判決を伝えていると思われる。

◆群馬の原発避難者訴訟で国の責任認めず〜東京高裁 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2538

(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)これに対し2審の判決は、津波の発生を予見できなかったとして一審の内容を棄却。2002年の国の「長期評価」による津波の予見は不可能だったとした上で、もし「長期評価」を前提に防潮堤などを設置したとしても津波による原発内の浸水は防げず、また建屋の水蜜化も十分な技術が確立していなかったとして、原発事故の発生を回避することはできなかったと指摘。「国の津波対策に関する対応に問題があったとまではいえない」と国の責任を認めなかった。また東京電力についても、津波を予見したり、事故を回避することは難しかったとして、民法上の過失責任は認めなかった。

一方、東京電力については賠償責任があるとし、事故当時生まれていなかった原告1人をのぞく90人に対して、一審よりも多い約1億1900万円を賠償するよう命じた。一審より最も賠償額が増えたのは、帰還困難区域に隣接した居住制限区域の住民で、最高額は1500万円。一方、避難区域外の住民の中には、賠償額が減額されたケースもある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

要するに、津波は予見できなかった、事故対策も不可能で事故は回避できなかった、国や東京電力に落ち度はない、ただ東京電力は原子力損害賠償法に従って無過失責任で賠償をしなければならず、その額は前橋地裁の判決金額よりも若干ばかり増やしたが、それでもたったの1億2千万円程度=1人当りにして、わずか130万円余にすぎない、ということである。いい加減な手抜き管理を行って福島第1原発事故という未曽有の大事故を引き起こし、東日本一帯を放射能だらけにし、福島県を中心に周辺県も含めて地域住民の全てを奪って生活や仕事や生存を破壊した、この「国家的犯罪」とも言うべき事件が、東京高裁の足立哲とかいうクソヒラメ官僚裁判官他3名の裁判官によって無罪放免され、同時に被害者が事実上切り捨てられた、ということである。かような賠償金額では、被害者は人生も生活も仕事も再建することは不可能であり、更に、原発事故による被ばく影響で、今後は健康被害が表面化してくる可能性に恐怖しながら生きていかなければならないことになる、からである。上記で申し上げたように、こんな判決を黙って看過するわけにはいかないことは申し上げるまでもない。


 <群馬訴訟で見られた被告・国や東京電力の態度の悪さ>
 更に、報道だけでは知ることのできない被告側の態度の悪さを2つばかり指摘しておきたい。私は何故、この被告側の態度をマスごみどもはきちんと取材し報道しないのか、理解に苦しむ。福島第1原発事故は「もう終わったもの」くらいにしか思っていないのではないか。しかし、そんな批判力・迫真力に乏しい報道で、権力を濫用する者たちを覆い隠すことに加担するようなことでは報道機関とは言い難い。原発・核燃料サイクル施設が再びの大事故を起こしてもいいのか!? それを止めるのが、司法の役目であり、マスコミの役目ではないのか!? そのためには、かような被告=国や東京電力の劣悪な態度を見て見ぬふりをしていていいのか、という話である。

(1)被告・国の弁護代理人が行なった原告を侮辱する「暴言」陳述
 数日前の私のメールに書いたことを再度転記しておく。この「暴言」陳述は許されない。今後も徹底追及する。

以下はメール転記です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なお、群馬の裁判については、被告・国側より下記のような看過できない不届き千万の法廷陳述が行われていたことを付記しておきます。如何に法廷とはいえ、ものごとには言っていいことと悪いことがあるのであって、この陳述を行った被告側の法律家どもは、そうした常識さえもわきまえていない許しがたい「専門バカ」と言っていいでしょう。この連中については、後日、その陳述の責任を追及するとともに、質の悪い御用人間達として「公職追放」していく必要があると思います(日弁連はこの法律家どもの処分を検討せよ)。

いい加減な管理で原発事故を引き起こし、福島県をはじめ東日本一帯を放射能で汚染したのはいったい誰なのか。また、下記に見るようにホット・パーティクルによる内部被曝の危険性がある中で、まともな被害者対策も放射線防護政策も行わず、もちろん損害賠償・補償もロクすっぽせず、「子ども・被災者支援法」にも違反して、被害者に対する不当極まる行為を繰り返しているのは誰なのか、よく考えてみろ、という話である。こういう「御用人間」たちは、もはや不届き千万のみならず、今日の原子力翼賛社会においては「危険」でさえあるのです。

(関連)国側が裁判所に主張した【第8準備書面】加害者が避難者を“加害者”にして分断を図る暴挙(丹治杉江さん:群馬原告 2019.10.11)
 https://bit.ly/2XVaLbl

(関連)俺たちが「住民の心情を害す」?汚染は「国土に対する不当な評価」? 国が「群馬訴訟」の準備書面で〝自主避難〟を強烈に否定、福島県内外から怒りの声 - 民の声新聞
 http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-368.html
 http://oshidori-makoken.com/?p=4082
 https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-09-18/2019091814_01_1.html
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(関連)「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(120):改めてホット・パーティクル(不溶性放射性微粒子・CsMP)の危険性に万全の注意と備えを!- いちろうちゃんのブログ(このブログの「最初に若干のこと」のところです)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-72461c.html

(2)(別添PDFファイル)判決公判日の裁判所前集会レジメ(原賠裁判を支援する群馬の会ニュース NO.15 2021.1.21)
ダウンロード - e588a4e6b1bae585ace588a4e697a5e381aee8a381e588a4e68980e5898de99b86e4bc9ae383ace382b8e383a1.pdf

 これのP5~7にある「5 この期に及んでこんな主張をする国に原発の安全規制を任せて本当に大丈夫なのか?」をご覧ください。「支援する会」が作成したこのレポートにもあるように、裁判の過程における被告・国や東京電力側のかような言い逃れ・虚偽陳述を見逃しておくわけにはいかないし、そもそも裁判は、このようなデタラメ・インチキのたぐいを公開の場で問いただし、徹底して叩くために行われるものだと考えるべきである。しかし、日本の司法もマスコミも、こうした公開裁判の役割や意義をないがしろにして「結論だけ」に走っていく傾向が非常に強い。


 <何故、かようなどうしようもなく出鱈目な判決が出るのか>
 もったいぶって体裁つけてんじゃねーぞ、このバカヤロー、江戸っ子風に啖呵を切ればこうなる。足立哲以下、このクソヒラメ官僚裁判官たち3人が、かような歪み切った(「忖度」どころの話ではない)判決を下す理由は単純明快であって、このアホウどもにとっては、原発事故の損害賠償のことなどどうでもよくて、ただただ自分の飯のタネである裁判を、自分の(官僚)裁判官ヒエラルキーの中での地位の保全や今後の自己栄達(昇進)にマイナスにならぬように、できればプラスになるように、という、くだらない私事を最優先にして判決文を書いているからこうなるのである。

もっと具体的に書けば、原発差止を認めて家庭裁判所に左遷されていく裁判官を横目で見ながら、自分は無理しない無理しない、ああにはなりたくないから、最高裁人事総局が気に入ってくれそうな判決文を想像して考えて、それを文章にする、という判決の出し方である。しかも最高裁の判事は今や全員がアベ友である。これに逆らって判決を書いたところで、全ての事件は最高裁まで行くから、どうなるということでもない、だから無難に、上位組織に尻尾を思い切り振って、また次の転勤時に上席クラスに行けるようにしておこう、この官僚裁判官としての普遍的行動様式が、かようなゲス判決を生み出すのだ。

今日では、こうした日本の司法・裁判所の腐敗・堕落は、もはや裁判官1人1人の倫理感や道徳に訴えたところで何の効果もない。そんなレベルの話で解決する問題ではないのである。しかし、だからと言って、今回のような出鱈目な判決を「やむなし」として容認し、判決を下した裁判官を「大勢の裁判官の中の1人」として見逃すわけにはいかない。これについては、最後のところで再論したい。


 <福島第1原発事故の責任と賠償をめぐる裁判・判決のどこがおかしいか>
 日本の司法や裁判官をどうするのか、今回のような出鱈目な判決が出るに任せて、我々市民は平身低頭してかしこまっていればいいのか。その議論に行く前に、今までも何度も何度も申し上げてきたが、再度、「福島第1原発事故の責任と賠償をめぐる裁判・判決のどこがおかしいか」について、簡単に下記に箇条書きにしておきたい。

(1)「可能性」ではなくて「義務」を問え
 原発過酷事故という、国が滅びてしまいかねない、絶対に起こしてはいけない事故を起こした場合には、おのずと厳しい基準でもってその事故が裁断されなければならない。そうしなければ、原発・核燃料サイクル施設の過酷事故は再発する。しかし、この日本で行われている福島第1原発事故の責任を問う裁判では、1つの例外を除き(*)、すべてで、あたかも単純な業務上過失の一般事故のごとくに扱われ、それに対応して「津波の予見可能性」と「事故の回避可能性」が裁判の争点とされている。この裁判の在り方が間違いである。

原発の過酷事故は許されない、その許されない事故が起きたのなら、それは「津波の予見可能性」ではなくて「津波の予見義務」を、「事故の回避可能性」ではなくて「事故の回避義務」を、それが万全にしっかりと行われていたのかどうかが検証され問われなければいけない。そして、焦点の福島第一原発事故(2011.3.11)については、その結論は、被告・国も東京電力も、そうした義務をきちんと果たしていなかった、ということである。詳しくは下記の図書をごらんいただきたいし、また、下記の「東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決「全員無罪」」を批判して書いた私のブログをご覧いただきたい。

(関連)福島原発、裁かれないでいいのか-古川元晴・船山泰範/著(朝日新書)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033212619&Action_id=121&Sza_id=C0

(*)上記で唯一の例外と申し上げたのが下記の「井戸川裁判(福島被ばく訴訟)」であり、また、上記新書の著者の古川元晴氏は、その裁判の弁護団長である。

(関連)井戸川裁判(福島被ばく訴訟)を支える会
 http://idogawasupport.sub.jp/

(関連)東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決は「全員無罪」=日本の司法は「暗黒時代」へ突入(その3):真相究明も、社会正義の実現も、日本を亡ぼす原発・核施設過酷事故再発防止も実現できない日本の裁判- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-679855.html

(2)手抜き管理は明々白々
 福島第1原発の非常用電源は、太平洋に向かって、わずか標高数mのところの建物の地下室に、2つの電源を一緒にして、配電盤と共に置いてあり、その部屋は水密構造にもなっていなかった。これだけで原発の安全管理が如何にいい加減な手抜き状態であったかが明々白々ではないか。3.11事故の前には、その地下室に水が入り「ヒヤリハット」の事故も起きていたというから、こうした管理状態が許されていいハズはない。

2つの非常用電源を別々に、もっと標高の高いところに移動し、配電盤も高い場所へ移動して電源とは別に配置し、更に、その設備を水密にして防水性を高め、更に加えて移動式電源も用意しておけば、福島第一原発事故のような悲惨なことにはならなかっただろう。欲を言えば、事故原発現場を外部から支援・補給する体制も整えておけばよかった(事故当時は原発の非常事態対応体制が東京電力として全くと言っていいほどできていなかった=これも厳罰にすべき罪である)。

こんな程度のことは誰にでもわかることなのに、全国の裁判所は、何をつべこべ屁理屈をこねて長期間にわたりやっているのか、ということだ。私から言わせれば、原発過酷事故の責任を問う場合の「ハードル」を上げないでくれとい言いたい。あとからつべこべ言い訳をしたら通るような仕組みや判例は絶対にマズイ。かような手抜き管理は、つべこべ言わさず、即刻有罪、でいいではないか。

(3)メーカー責任が不問
 メーカー訴訟は最高裁で敗訴している。おかしな話である。その原因となった原子力損害賠償法(責任を電力会社に集中させる法制)を抜本的に改正する必要がある。福島第1原発は欠陥原発だったから過酷事故に至ってしまった。その欠陥はたくさんある(例:ECCSの機能不全、配管の破損、水位計などの計器類が正常に作動しない、水素爆発防止メカニズムの不十分、使用済み核燃料プールの危険性などなど)。それなのに、それを造って東京電力に提供した原発メーカーがいっさい責任を問われないというのは全く理不尽な話である。ふざけるな! だ。

(4)事故が起きる前だけでなく、起きてからも大問題
 事故が起きる前も問題だったが、事故が起きてからも、加害者・東京電力や事故責任者・国の対応はひどかった。そのため、地域住民は無用の大量被ばくをさせられ、かつ、ふるさとも住居も失って路頭に迷うこととなった。加害者・東京電力も事故責任者・国も、その被害者に対してまともな救済・支援を行っていないし、「子ども・被災者支援法」についても「棚上げ」にされて有効に機能していない。これらについても、その罪と罰、責任と賠償を追及する必要がある。今のところ、私が知る限りでは、事故の後の国や東京電力の責任を問うている裁判は2つしかなく、1つは上記の「井戸川裁判(福島被ばく訴訟)」であり、もう一つが「子ども脱被ばく裁判」である。その「子ども脱被ばく裁判」の福島地裁判決が、来たる3月1日にある。

(関連)「子ども脱被ばく裁判」
 http://datsuhibaku.blogspot.com/
 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.com/

(4)避難指示区域の区分けに根拠なし
 警戒区域だの、計画的避難区域だの、緊急時避難準備区域だの、特定避難勧奨地点だの、事故当時の霞が関の官僚たちが考案し、背信的政権だった民主党政権が承認して決めた、かような避難指示の区域分けは、放射能の汚染実態とはかけ離れており、従ってまた、それぞれの区域の住民が受けた被害も区域分けとは無関係にバラバラで、何の科学的根拠も実態的根拠もない、ただの形式的区分けである。しかし裁判では、この避難指示の区分けが賠償・補償金額の多寡に結び付けられて判決が書かれている。まったくナンセンスな被害者そっちのけの賠償算定方法である。

賠償・補償は、こうした形式的な避難指示区域の区分けに準拠して行うのではなく、被害実態に合わせて、きちんと受けた損害の全てと、未来へ向けての必要経費や慰謝料・迷惑料が支払われるよう、改められなければならない。そもそも、この区分けが、加害者・東京電力や事故責任者・国の損害賠償金額を極小化するために造られた官僚の作文であることを、もっと意識すべきである。(だから避難させるべき人々に避難指示を出さず、そのために多くの人々に無用の被ばくをさせてしまった国の責任もある)

(関連)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/cat01-more.html

(5)原子力損害賠償紛争審査会の指針は「切捨て」指針=低すぎる賠償額
 詳しくは書かないが金額が少なすぎる。特に避難指示区域外の被害者に対しては、一般人12万円、妊婦60万円、だという、この金額は一体何だという話である。原子力損害賠償紛争審査会の指針については、見直せとの声が高まっている。さっさと見直せ! 人をバカにするのもいい加減にしろ! そして、裁判はそれを先取りして、少し多めの金額で判決を出せばいい。さすれば、見直しへの強い刺激になるだろう。

(関連)(別添PDFファイル)福島原発事故10年へ、賠償指針の見直しを(京都 2020.12.26)
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100100984&g=soc

関連)(報告)オルタナティブな日本をめざして(第23回):「これでいいのか!? 原子力損害賠償法」(福島原発事故の教訓から)(竹村英明さん)(2019年1月30日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/23-2019130-d8a3.html


 <日本の司法は腐っている>
 日本の司法・裁判所・裁判官の「オールヒラメ化」=「行政権力への追従」を防ぐにはどういう仕組みが必要なのか、私の主催する「新ちょぼゼミ」で2回にわたり試論的に展開してみました。下記のサイトをご覧いただければ幸いです。中でも私が最も重要と考えていることは、①裁判官を「官僚」裁判官にしない=最高裁をヒエラルキーの頂点とする第2の法務省にしないで、裁判官一人一人が良識と良心と法律知識を持つ「個人」として裁判でふるまえるよう、裁判官人事制度を抜本転換する。具体的には「法曹一元化」を行い、裁判官は実務経験10年以上の弁護士が「当番制」(希望者優先)で着任し、10年で終了・再任はしない、という仕組みにする、最高裁判事の国民審査の実効性を高めるとともに、高裁以上の判事に対する有権者・国民の関与(リコール・弾劾裁判その他)を制度化する、です。詳しくは下記をご覧ください。

(関連)(報告)(11.12)「有権者・国民のための裁判所を目指して:第二次司法民主化」(その1)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-63dc76.html

(関連)(報告)(11.17)「有権者・国民のための裁判所を目指して:第二次司法民主化」(その2)(新ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-da08b2.html


 <不当な下劣判決を下した裁判官の「処分」について>
 私がこの「群馬訴訟」の東京高裁第1回公判を監視(世の中では「(裁判)傍聴」と言っているようだが不適切な表現だ)しに行った際に、初めてクソヒラメ官僚裁判官(裁判長)の足立哲を見たが、その印象は悪い。話しぶりが「慇懃無礼」そのもので、しかもペラペラしゃべる、裁判の経過を真剣に受け止めるという感じではなく、ただ司法事務屋として、事務処理として、裁判をこなしているという印象だった。私は毎度毎度の公判に出ていたわけではないが、何か「ヌカに釘を刺している」ような、原告の訴えをちゃんと誠心誠意で受け止めているのかどうかがあやしげな、そんな「いやーな」雰囲気が漂っていた。それで今回の出鱈目判決である。

この判決は、権力悪・巨悪を無罪放免し、その犠牲者である一般市民を踏みつぶす判決である。その主旨は上記で申し上げたように、自分自身の地位保全・自己栄達・昇進である。この3人の裁判官どもにとっては、原発事故やその賠償のことなど、所詮はどうでもよくて、司法官僚として事務的に裁判をこなす一過性の材料・題材に過ぎない。それで今後、原発・核燃料サイクル施設が甘い管理責任の下で過酷事故を引き起こそうが、まともな賠償・補償がなされなかった原告をはじめとする原発事故被害者がどうなろうが、知ったことではない、あとは野となれ山となれ、これがこの足立哲以下3人の裁判官の本音である。

原発・核燃料サイクル施設の過酷事故を引き起こし、その罪を問われた裁判で、本来下すべき有罪判決・相応の賠償判決を下さずに、その逆の判決を書いて、この国家的犯罪を追認した裁判官は、もはや司法権力の濫用者として、原発事故を引き起こした罪人たちと同レベルの犯罪人である。この許しがたい振る舞いについては看過せず、事故加害者や責任者と共に厳罰に処さねばならない。今はその制度が未整備のままだが、いずれその制度を整えて、過去にさかのぼって、このロクでもない判決を下した裁判官どもを罰する必要がある。

およそ現代社会において、原発・核燃料サイクルの過酷事故は、場合によっては国を破滅させ、更にはその影響が一国内ではおさまらずに広く地球環境を破壊していく。放射能はそれぞれの半減期に対応した長さで環境中に消えずに残り、人間を含むたくさんの生物群を被ばくさせ、その生命を破壊していく。これは単なる業務上過失などのレベルで罪や罰・処分が決められるべきものではなく、かつて第二次世界大戦後の戦争裁判で問われたナチスドイツや大日本帝国による「人道に対する罪」、あるいは新たに設ける「地球に対する罪」とでも言うべきもので処断していくべきではないかと思われる。

それを考えた場合、事故を引き起こした当事者と同様に、その事故の責任を無罪放免して被害者を踏みつぶすような判決を書いた者もまた、この普遍的な罪と罰で処罰されていくべきで、具体的には、時効なしの過去に訴求しての罪状にて裁判官弾劾裁判にかけられるべきである。そういう制度を日本は今後創設していかなくてはいけない。ともかく、社会正義を踏みにじり、被害者・有権者の基本的人権を守ろうとしないクズ裁判官の、自己保身・自己栄達のために書かれた判決で犠牲になっていく人たちのことに思いをはせれば、この弾劾裁判は何としても実現しなければならないと私は考えている。社会正義とは、そういうことだ。

「群馬裁判」の裁判長=足立哲よ、キサマがどこへ転勤しようが、どこへ行こうが、どのように逃げ隠れしようが、先般、東京電力刑事裁判で無罪判決を下した権力犯罪者=永渕健一(当時の裁判長)とともに、どこまでも追いかけて、お前が犯した「国家犯罪の追認・無罪放免というもう一つの重大(権力)犯罪」を暴露し公開し、その罪を有権者・国民に問うていくので、覚悟しておくことだ。


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◆その他 昨今の関連する原発情報を若干
(1)(別添PDFファイル)(チラシ)福島原発事故避難者、福島県が住宅から追い出し:生活の基本、住まいを奪わないで(2020.11)
https://masa2616.wixsite.com/website
ダウンロード - e38381e383a9e382b7efbc9ae7a68fe5b3b6e58e9fe799bae4ba8be69585e981bfe99ba3e88085e38081e7a68fe5b3b6e79c8ce3818ce4bd8fe5ae85e3818be38289e8bfbde587ba.pdf
(2)「国に忖度した判決」 福島原発訴訟の原告落胆(時事通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/ac2337ebe82e7c05321b41adc5c43d10d34fd4d1
(3)東電にだけ賠償 国の責任を否定する高裁判決は初 原発事故で群馬県に避難した住民の集団訴訟(福島テレビ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/e914d025bb60b4ea9a40084b23a243203f999446
(4)国責任「非常に甘い認定」 避難者訴訟、仙台高裁と結論正反対(福島民友新聞) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/75dde0c2d8a3dbc586a907cad2ae34f410b603fb
(5)原発事故は人類の悲劇、まだ終わってない 坂本龍一さん:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASNDY76JYNCJULFA021.html?ref=hiru_mail_topix1
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