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2020年12月 9日 (水)

内田樹氏の現代若者論 「日本社会の生きづらさに“現状維持”を望む若者 負のスパイラルの始まりだ」をどう見るか + その他若干のいろいろ(安倍晋三GO TO PRISON(その3)+スガもPRISON他)

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.(別添PDFファイル)<戦火の記憶 戦後75年 1945→2020>運命の電報 ニイタカヤマノボレ 一二〇八 開戦告げた無線塔:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/73022/

(昨日12/8は、かつてのアジア太平洋戦争=日米開戦・日英開戦の日で、今年でちょうど79年目となりました。大日本帝国海軍が宣戦布告なしでハワイ・パールハーバーを奇襲する一方、同陸軍がマレー半島のコタバルに上陸し、当時英領植民地だったシンガポールを攻略、早くもその地で当地の知識人を中心に数万人の華僑大虐殺を行っています。)

(関連)アジア・太平洋戦争-吉田裕/著(岩波新書)
 https://cutt.ly/zhEog5Q
(関連)シンガポール華僑粛清―日本軍はシンガポールで何をしたのか-林博史(高文研)
 https://cutt.ly/AhEocZp


2.キャンペーン · 内閣総理大臣 菅義偉- 国は赤字の病院を救ってください! · Change.org
 https://cutt.ly/5hEoUul

(関連)キャンペーンについてのお知らせ · 医療機関の経営悪化問題が再び注目されてきました · Change.org
 https://cutt.ly/ihEoPjB


3.菅義偉 内閣支持率が急落 政府危機感 - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6378707

(関連)報道特集「コロナ禍の生活苦・さらに深刻に・・・」202012051730 - 動画 Dailymotion
 https://www.dailymotion.com/video/x7xwild


4.原発特措法を10年間延長へ 立地自治体から要望、政府が方針(西日本新聞)- Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/74603a42881174b17aaa7f64d2efe611644bce03

(福島第一原発事故から10年、事故被害者の加害者・東京電力や事故責任者・国に対する損害賠償請求権の「時効期限」が来年3月にやってくる。原発特措法なんぞを10年延長するというのなら、この損害賠償請求権の時効も同じように10年延長せよ。まだまだ被害者は生活の再建がままならず、日々の雑事に追われて賠償請求をできないでいる人たちがたくさんいらっしゃる。この再びの時効延長特例法の制定こそ、今の国会議員の当面する最重要の福島第一原発事故後対策だ。:田中一郎)


5.ウーマンラッシュアワー  THE MANZAI 2020 マスターズ 2020年12月6日 - YouTube
 https://cutt.ly/BhEp4gU

(関連)ウーマン村本「THE MANZAI」で本領発揮 ネットでは「尊敬・鳥肌・最高」の声― スポニチ Sponichi Annex 芸能
 https://cutt.ly/ehEat0z
(関連)ウーマン村本 〝民主の女神〟周庭さんへの実刑判決に「くそだな」(東スポWeb) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/e4bdb4c1c6b8bce17876e4e5b4fc36ab59cf0a5e


6.諫干開門確定判決10年:混乱と分断の元凶は農林水産省と裁判所だ!
(1)「国が判決守らないとは」諫早訴訟開門高裁判決、6日で10年(佐賀新聞)- Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/542a5e5a53b89d8076def2c7a68ef376e39588b1
(2)諫早湾干拓訴訟開門判決から10年 「開門」「非開門」司法判断併存 今なお続く問題、漁業者側弁護団と農水省に聞く(佐賀新聞) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/25768d8fe80b6b412704fe04bc527d8cb4e25da0
(3)諫早湾干拓事業 開門めぐり差し戻し審続く(FBS福岡放送) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/fd96c77a29dd5a1351c764104589f4baed55680e
(4)諫干開門確定判決10年 混乱招き解決の道筋見えず(長崎新聞) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/e8e89626159cdd9c3bbf638456067ee74c482cac

(関連)『海をよみがえらせる(諫早湾の再生から考える)』(岩波ブックレットより)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-f685.html
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1.安倍晋三 GO TO PRISON キャンペーン(その3)
 アベシンゾウ モリカケサクラ ヤジコロナ カワイモバレテ クロカワシクジリ 悪事はすべてバレておる、神妙にいたせ!!

(1)(別添PDFファイル)嘘をついたのは誰か(前川喜平 東京 2020.12.6)
ダウンロード - e59898e38292e381a4e38184e3819fe381aee381afe8aab0e3818befbc88e5898de5b79de5969ce5b9b320e69db1e4baac202020.12.6efbc89.pdf
(2)(別添PDFファイル)安倍「秘書のせい」3つの嘘(『週刊文春 2020.12.10』)
 https://news.yahoo.co.jp/articles/8f550f4682bd6888847dd416c8afa1853b8106e8
(3)(別添PDFファイル)よくもこんな首相が8年弱も 安倍晋三という“歴史の汚点”(日刊ゲンダイ 2020.12.9)
ダウンロード - e38288e3818fe38282e38193e38293e381aae9a696e79bb8e3818c8e5b9b4e5bcb1e3828220e5ae89e5808de6998be4b889e381a8e38184e38186e2809ce6adb4e58fb2e381aee6b19ae782b9e2809defbc88e697a5e5888ae382b2e383b3e38380e382a4202020.12.9efbc89.pdf
(4)<「秘書の略式起訴」では犯罪者天国>逃げ回る安倍 ワルがのうのうの世も末 スットボケ菅(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
 http://www.asyura2.com/20/senkyo277/msg/673.html
(5)「安倍前首相聴取」が“被疑者取調べ”でなければならない理由(郷原信郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20201206-00211221/

*安倍前首相に事情聴取要請をした東京地検特捜部の狙い! 安倍は秘書に責任押し付けも「共謀共同正犯」で本人立件の可能性|LITERA/リテラ
 https://lite-ra.com/2020/12/post-5718.html

(マスごみたちは、検察の逃げ口上を垂れ流し報道しているのではなくて、上記のリテラ記事にあるように、犯罪者・安倍晋三を逮捕・起訴へ追い込む報道をくり返せ!)


2.菅義偉スカ政権:スガもPRISON
 菅義偉本人にも、安倍晋三と似たような事件が週刊誌などで報道され始めている。こいつの政治生命はそう長くはない。

(1)(別添PDFファイル)すが義偉なかよしゴルフコンペ「講演者接待」の全貌(『週刊ポスト 2020.12.18』)
 https://shogakukan.tameshiyo.me/4910200531203
(2)菅首相の政治資金報告書不記載イベント 脱法行為の疑いも(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/61496d7477b45b960beef9401e633c4d45bf280f
(3)菅首相パーティー収支不記載問題に新証言 赤字の疑念強まる(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/65436460997bef547bf2dd3215a0d7e261f64e2e
(4)菅首相の後援者参加ゴルフコンペ、政治資金報告書に記載なし|NEWSポストセブン - Part 2
 https://www.news-postseven.com/archives/20201208_1618567.html/2
(5)菅首相の開催パーティー収支が「不記載」 週刊誌報道:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASNCW74LHNCWUTIL03Y.html
(6)菅首相会見に国民戦慄 ニタニタ笑って国会トンズラ(日刊ゲンダイ 2020.12.8)
ダウンロード - e88f85e9a696e79bb8e4bc9ae8a68be381abe59bbde6b091e688a6e6858420e3838be382bfe3838be382bfe7ac91e381a3e381a6e59bbde4bc9ae38388e383b3e382bae383a9efbc88e697a5e5888ae382b2e383b3e38380e382a4202020.12.8efbc89.pdf
(7)菅首相が1年間で8000万円のカネ集めパーティ! 一方で安倍前首相「桜前夜祭」と同じ政治資金報告書不記載、補填疑惑も浮上|LITERA/リテラ
 https://lite-ra.com/2020/11/post-5712.html
(8)<科学ではなく意地と票目当てと利権と…>もう止められないGo To 狂乱の行く末(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
 http://www.asyura2.com/20/senkyo277/msg/687.html

*上野千鶴子氏 自民党内で「菅首相では選挙戦えない」との動き「時間の問題」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/df14142f85b20c3840a24f8176970e809909dc88


3.内田樹氏の現代若者論 「日本社会の生きづらさに“現状維持”を望む若者 負のスパイラルの始まりだ」をどう見るか

内田樹「日本社会の生きづらさに“現状維持”を望む若者 負のスパイラルの始まりだ」AERA dot.
 https://dot.asahi.com/aera/2020120100009.html
 https://news.yahoo.co.jp/articles/ab86ef260d0b5163ef119069f3dff1a3d8234453

(関連)日本は若者ほど「政権支持」「トランプ支持」 世論調査で見る現状維持志向 - 毎日新聞
 https://cutt.ly/5hEf4w7

(田中一郎コメント)
 内田樹(たつる)氏は私が注目する有識者の一人である。彼が時折ネット上で展開する言論や彼自身のブログ(下記)も時折目を通しているし、新聞や雑誌に掲載される彼のレポートも見るようにしているし(『週刊金曜日』など)、更に山のようにある彼の著作出版図書もいくつかは拝読した。鋭い分析だなと思うこともあれば、賛成賛同する記述も少なからずあり、現代日本の言論界をリードする有識者の1人であることに間違いはないが、しかし、残念なことに私と考え方が合致しないことも多い。内田樹氏のことは私は個人的には全く未知の人で、お会いして直接話をしたこともなく、ただただ著作物を通じて存じ上げているに過ぎないが、たまたま下記の本を読んでいたら、その本の最後のところで内田樹氏のコメントが掲載されていて、そこで同氏の生い立ちというか、若き頃のすさまじい生き様を読んで大いに感銘を受けた。日比谷高校という当時のエリート高校を中退して山谷で肉体労働者となり、半年くらい頑張ったが挫折して再び学業に戻り、高校は中退していたので大学受験資格試験に合格して、そこから一気に東京大学(文学部)に一発合格で大学生となったという。とても私の様なボンクラに真似のできることではなく、同氏の若いころからの知的能力のレベルの高さには、ただただうらやましくも驚くばかりである。

(関連)内田樹の研究室
 http://blog.tatsuru.com/

(関連)吉本隆明1968-鹿島茂/著(新版 平凡社ライブラリー)
 https://cutt.ly/chRiwZb

(この文庫本の最後のところに内田樹氏の話が出てきます。この本は吉本隆明の解説本としてはよくできていますが、吉本隆明自身がつまらない人物なので、みなさまにご一読のお勧めは致しません。1960年代後半の学生反乱が、この吉本隆明の「思想」に突き動かされていたところに、その失敗と敗北の大きな原因の1つがあったように私は思っています:田中一郎)


今回の同氏の現代若者論 「日本社会の生きづらさに“現状維持”を望む若者 負のスパイラルの始まりだ」についても、一読して、表面的にはよくまとめてあり、おそらくこういうことなのだと思った次第だが、しかし他方で、何だか評論だけしているようで、これでは物足りない、どうして現代の日本の多数の若者たちがこのような「一種の社会的小児病」のようになってしまっているのか、この社会的病理の原因なり理由は何で、どうしたら健康な精神状態に戻れるのか、戻すことができるのかが書かれていない、と思った。それで、以下、その私が足りないと思った部分を少しばかり補充してみようと思う。

私の身の回りには、若い世代の人は一人もいない。若い世代とは、ここでは10歳代後半から中年の手前の35歳くらいまで(年功序列の会社組織で言えば、課長という中間管理職になる前まで)としておきましょう。私には子供がいないので、現在の学校のことも無知だし、若い世代がどういう発想をし、日常的にどのような判断をして、どういう行動様式をとるのかも無知で、要するに今日の若い人のことは実体験として全く知らない。但し唯2点、私は、若い世代との接点があり、1つは今から20年以上も前、私が大きな会社組織に属していて、そこで中間管理職をしていた頃、大卒すぐの新人を含めて若い世代を部下にして仕事をさせていたことがある。ひどい経験だったけれど、しかし、それはもう大昔の話で、その頃「若者」だった世代も今や中年のおっさん、おばはんになって、おそらくは私と同じ中間管理職になって苦労していることだろうと思う。

もう一つは、今現在も進行中の話で、時折私も参加している原発やその他の社会問題に関する「政府関係省庁との交渉」である。ここに出てくる政府関係省庁の役人たちは、そのほとんどが新人ないしはそれに近い若造の役人たちで、いわゆる幹部クラスは出てきたためしがない。せいぜい出てきて課長補佐クラスがいいところだ。そして、政府のHPなどに「リスクコミュニケーション」だの「対話」だのと美辞麗句が並んでいることとは真逆に、この役人たちがおよそまともな「対話」なり「コミュニケーション」を実践したことは皆無に近い。私はメールなどで報告するたびに「ひねもすノタラ・クタラ」と申し上げているように、はぐらかしの役人言葉を「壊れたラジオ」のように繰り返すだけである。

ただ、そんな若い役人どもの話を注意深く聞いていると、こいつ本当に大丈夫かいな、と思うこともある。彼らは、あらかじめ決めてあることを、用意してきた言葉でしゃべっている合間に、時折見せるアドリブ発言で信じがたいようなことを言うので、こんなことを本気で信じ切っていて何の疑問も持たないとすれば、こいつらが数十年後に日本の役所の幹部になる頃には、日本政府ももうおしまいだな、と思わされることも少なくない。簡単に言えば、物事の判断の基礎に「リアリティ」がないのである。事の次第に関わらず危険極まりない。

さて、上記サイトの内田樹氏の文章を一部引用してみよう。
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(中略)「若者ほど内閣支持」という見出しを見て胸を衝かれた。毎日新聞が11月7日に行った世論調査によると、内閣支持率は全体で57%だが若い世代ほど高い。18~29歳では支持率が80%、30代が66%。以下しだいに下がって、80歳以上が45%で最低。首相の日本学術会議新会員の任命拒否についても、18~29歳は「問題だとは思わない」が59%に達した。今の日本は若いほど政府の主張に理解を示していることがわかる。年齢が低いほど現状肯定的になり、変化を嫌うというような現象を私は70年生きてきてはじめて見た。

識者によると、若い人にとって今があまりに生きにくい時代なので、「これ以上悪くならないように」という願いが彼らを現状維持に向かわせるのだという。生まれてからずっと年々日本社会は生きづらいものになってきた。であれば、これから先もさらに生きづらい社会になるに違いない。それならいっそ現状のままの方がましだ……というのは帰納的推理としては合理的である。より悪く変化するよりは現状維持。「知らぬ仏より馴染みの鬼」という理屈にはそれなりの説得力がある。

これは政権担当者にとってはまことに耳よりな情報である。この理屈でとおせるなら、これから先、政府は「国民がより生きにくくなるような政策」を選択的に採用すればするほど、若い人たちはいっそう現状肯定的になり、政権基盤はいっそう安定することが期待できるからである。そう考えると、国民に痛みや犠牲を求め、基本的人権の制約をめざす政党の方が、国民に高福祉や市民的自由を約束する政党よりも若い人たちに好感されているという事実が理解できる。

月額7万円渡すだけで、年金も生活保護も打ち切るという提案も、おそらく若い人たちのうちには相当数の支持者を獲得することができるのだろう。国運が衰微し、勢いが失われ、生活が貧しくなると、国民の自己評価もそれにつれて下がる。するとその低い自己評価にふさわしい「冷遇」を受け入れることがクールでリアルな生き方だと信じる人が増えてくる。日本はそういう「負のスパイラル」に入り始めたようである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


いかがですか? ムムムムム・・・という感じでしょう。なんだか魯迅著作の「阿Q正伝」を読んでいるような、そんな感じさえします。「若い人にとって今があまりに生きにくい時代なので、「これ以上悪くならないように」という願いが彼らを現状維持に向かわせるのだ」というのが、このみすぼらしくも悲しい若者たちの行動の「もっともらしい」説明だという。社会を悪くして自分たちを生きづらくしている張本人たちの足元にしがみついて現状維持を願い、それで現状維持ができると思い込む、「知らぬ仏」の「市民と野党の共闘」などという「見るからにできもしないようなことを言いふらす詐欺師集団」よりも「馴染みの鬼」である自民党・公明党、そして安倍晋三や菅義偉の方がまだいいだろう、そんな判断が働いているというのである。だからなのか、自分で状況や情勢を切り開くことなど思いもよらず、あやしげなる新興宗教団体に近づいて「食いものにされる」若い世代の人間達も少なくない。要は「他力本願」の出来損ないを延々と続けて自滅していく哀れなる草食動物群、ということか。これでは鎌倉時代の危機の時代に「他力本願」を説いた親鸞も穏やかではないだろう。

(関連)阿Q正伝 - Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BFQ%E6%AD%A3%E4%BC%9D

どうしてかような思考や判断や行動が、今日の日本の若い世代に病的に広がっているのか。私は人間の深層心理や本音というものは、究極的には他人にはわからない=いわば不可知の世界だ、と思っているので、機微に触れる本当のところはどうなのかは、まあ言ってみれば、どうでもいいと割り切っている。問題は、こうした事態の社会心理学的分析で一応の説明がつく今日の若い世代の行動パターンや政治的指向を、このままにしておいていいのかという点だ。私はもう少し想像力を働かせて、こうした現代日本社会の大衆社会的病理現象を掘り下げた方がいいのではないかと思っている。その「想像力」を以下に箇条書きにしてみよう。

(1)戦後75年、私の親の世代、つまり今の若い世代の祖父母の世代の血のにじむような経験と国内外の多大の犠牲の上に、戦後の日本国憲法体制が出来た。また、同世代が必死に働くことにより日本は世界的に奇跡と言われるような経済成長を遂げ、今日の「豊かな社会」ニッポンに至っている。しかし、親の苦労を横で見てきた私の世代とは違い、(私を含めて私の世代はさしたる苦労もしていない、そんな)私の世代を親に持つ今の若者世代は、要するに、日本国憲法体制や経済成長後の日本社会を、まるで自然環境のように、あって当たり前のものとして受け入れている。

今の若い世代は活字も読まぬ怠慢人種なので、当然ながら歴史を知らない、自国の歴史を知らない、だから、戦後の民主主義や基本的人権の尊重や、豊かな経済社会などは「あって当たり前」で、自然にできているものだと勘違いをしたまま大人になっている。要するに、日本の政治経済社会のよって立つ基盤に対して無知蒙昧のまま、何だか自然や社会が自分たちに対してアゲンストになってきているが、その意味も原因も分からぬまま風雨に身を縮めている、これ以上天気が悪くならないように、もう現状維持でいい、そう願って、いろいろ変えたい・変えようなどと言う人たちのことなど耳に入らない、そもそもその人たちの言葉も理解できない、まともに考えたこともないので考えられない、そのようなことなのではないか。

「いつまでも、あると思うな、親となんとか」で、この「何とか」のところに、「民主主義」「基本的人権の尊重」「円高」「生徒のことを大事に思ってくれる先生」などなど、いろいろなものが入るのだが、まずもって今日の若い世代はコレを理解する必要がある。人間社会に何もしないで努力を放棄して「あって当たり前」のものはないのであって、日本国憲法の有名な条文「第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」ということを肝に銘じる必要がある。

(2)私たちの世代も似たところがあるが、まだ私たちの世代が幼かった頃は「貧乏」(今日の相対的貧困ではなくて、所謂(極度にひどくない)「絶対的貧困」だった)が支配的で(1950年代~1960年代中頃)、親や学校などから与えられるものはそう多くはなかった。せいぜいが学校の教科書やまずくて食いたくない学校給食や、予防注射や虫下しのチョコレートくらいが無料なだけで、小遣い銭だってススメの涙ほどで、全くない子どもたちも大勢いて、あとは玩具や漫画本や「遊び方」なども含めて、自分で「開発していく」、自分で見つけて獲得していく、という雰囲気が強かった(カツアゲなど日常茶飯)。そもそも大半の家庭の親は父母共に仕事で忙しく、自分の子どものことをいちいち面倒を見ていられないので、たいていが学校が終わったら外で他のガキどもと一緒に遊んで来い、という「ほったらかし」の親が多かった。しかしそれから数十年が経過し、事態は一変、今日の若い世代は幼き頃から何から何まで与えられて育った超過保護の世代であり、それは何も財サービスだけでなく、物事の考え方から価値判断まで、すべて親や学校が与えていて、自分で考えることをしない、ただただ記憶して、それに自分を順応させる、それで困ったことが起きても、それはそれを教えてくれた親や学校が解決してくれるから待っていればいい、そんな他力本願型の決定版の様な育てられ方をして大人になったのではないのか。

よく言われる、若い世代にハングリー精神がない、は、こういう育ち方・育てられ方をすれば当然の帰結となるだろう。私は会社員だった頃に新人の就職希望者の採用面接をしていたことがあるが、その際は、私の会社に就職を希望する大学生にハングリー精神があるかどうかを重要な採用の1つの判断基準にしていた。しかし、それで評価すると、ほぼ100%の学生が採用不可となってしまうことに気が付いた。正直言って、日本の学生は1人も採用したくないなどと、自分の上司に言っていた記憶がある(採用面接時に鼻汁を垂れていた京都大学生がいた、気が付いていない様子だった、いわゆるエリート大学の国立大学ほど、面接時の学生の振る舞いがお粗末でひどかった。他方、たまたま出張で行ったシンガポール支店で採用した現地の人たちはハングリー精神旺盛で、彼らの目が生き生きと輝いていたのを覚えている。私は日本での大学生の採用をやめてシンガポールで採用活動をすればいいとまで提案した、今から30年ほど前の昔の話である)。

私は、現代日本の体たらくや若い世代の三無主義(*)は、団塊の世代の責任が大きいように思っている。彼らは左翼かぶれしたまま大学紛争を私物化して大失敗をし(マルクスアホダラ教)、更にその後、自分たちの子育てにも失敗をしている。その失敗した子どもたちは、親の失敗から学んでマルクスには近づくことを避け、今度は学校が教えるがままに市場原理主義アホダラ教に染め上げられてしまった。歴史的悲劇という他ない。(河野洋平とその息子の河野太郎の親子がいい事例の1つではないか)

(*)三無主義と新三無主義
 三無主義(1960年代):無気力、無関心、無責任 大半の団塊の世代はコレを振り捨てて会社や役所に入ったが、なりふり構わぬ出世競争に敗れて再び三無主義者となった。

 新三無主義(1970-80年代):無力、無能、無内容 「今だけ、カネだけ、自分だけ」思想の潜在的歴史的背景
(今の日本社会の幹部連中は、企業も役所も、この「新三無主義」で育った世代である。世の中が極度におかしくなるはずである)

(*)引き裂かれた自己 狂気の現象学-R.D.レイン/著 天野衛/訳(ちくま学芸文庫)
 https://cutt.ly/XhRncfA

(この本に出合ったのは若いころの話で、それから何十年もたってしまったのに、まだ一読もできていない情けない現状があります。私にこれを紹介した友人の話では、誰に対してもいい顔をして八方美人型にふるまって「いい子でいよう」と努力する現代人が、社会の考え方や世界観・価値判断の多様化の中で、一種のアノミー状態に追い込まれ、イデオロギーの洪水状態におぼれてしまうという話のようです。一種の精神分裂症の様な症状を引き起こして社会生活が困難になり、精神的な萎縮と自閉症に陥ってしまう、という結果に結びついていくというのです。どうも私の性格とは正反対のようなことが書かれているために読む気がしなくて今日に至っているのですが、現代社会の病理を理解するには、そろそろ読まなくてはいけないかなと思っているところです。ともあれ、あらゆるものを与えられて育った、いわばインキュベーターの中の雛鳥のような若い世代が、自分の周囲と同調することを最優先にして生きてきて、狭い世界の中で曲がりなりにも自己存在を認めてもらうことで自身の精神的安定を確保するという、まるで「精神的モヤシ」のような人格形成をしているが故に、内田樹氏が上記で指摘したような「(社会的暴風雨の前での)縮こまり現象」が生まれているのではないのかと、私なんぞは思ってしまうのだが、いかがでしょう?)


(3)明治維新政府=薩長藩閥政治がでっち上げた戦前天皇制と、江戸時代から延々と続いている前近代的な社会慣習ないしは制度が、21世紀の今日の日本社会に今なお根強く(目に見えない形も含めて)生き続けている。これが若い世代が持つイデオロギーに大きな影響力を持ち、彼らの頭脳や身体を体制維持や現状維持の思想に縛り付けている。簡単に言えば、物事をよくしようという素朴な観念を持ち、それを口に出した途端に、それを周りの人間に言い出した途端に、自分の周辺は「ドッチラケ」の雰囲気となり、視線が冷たく感じられるようになり、ああ可哀そうにという目で見られるようになり、それでも頑張ろうとすると孤立して、そのうちにイジメにあう、そんな感じである。この社会状況は、私が今、再び読み始めた名作漫画『カムイ伝』(白戸三平著)に出てくる江戸時代の農民社会と瓜二つである。「お上に逆らうな」と「由らしむべし、知らしむべからず」とが見事にセットで日本社会を貫いていて、これは農村地域に行けば行くほど徹底されている。この社会状況が利用されて、過疎地域の地方政治や地方行政が一握りの銭ゲバじじいやセクハラタカリじじいどもに私物化されているのは、その1つの帰結である。人口が少なくなった地方では、若い世代は、こういう連中からは独立しなければ活躍できる場はない。が、しかし、独立することは経済的に困難であるだけでなく、若い世代の思想・イデオロギー・社会的観念からして容易ではない。独立志向型に育てられていないからだ。従ってまた、選挙になれば、必ずと言っていいほど、(政治行政私物化共同体によって選ばれて)ロクでもない保守反動の人間が何度も何度も当選し、大半の若い世代は無力感から選挙に出てこない。

(関連)決定版 カムイ伝全集 第一部 1-白土三平著(小学館)
 https://cutt.ly/AhRsna0

(関連)「日本は民主主義社会ではない」 大塚英志×宮台真司 対談全文(前) - ニコニコニュース(宮台真司と田吾作国家論)
 https://news.nicovideo.jp/watch/nw190914

(4)1960年代後半から1970年代中ごろにかけての大学紛争と左翼反乱の失敗は、その後の日本社会の改革のメルクマールというか、若い世代のよって立つ思想的基盤を破壊してしまい、その後の市場原理主義アホダラ教や大学の幼稚化・遊園地パラダイス化に拍車をかけた。一部新左翼党派の内ゲバによる殺し合いや連合赤軍事件などが、若い世代の素朴で純情な正義感や改革マインドを決定的に潰してしまい、あとに残されたのは、ひねくれてシニカルに構える、政治や社会問題への侮蔑的態度だった。私が大学に入学した1973年は既に「祭りの後」で、大学構内には寂しさだけでなく、政治問題・社会問題を徹底して避けて通る、言いようのないほどの無気力や無関心を合理化し肯定する雰囲気が充満していた。20歳前後という人間の人生にとっては最も麗しく元気で純粋であるはずの時代が、最高学府である大学の中で、かようなみじめにも「へたれ牛」状況・「精神的半グレ状態」に陥っていたのである。そんな中、私の周辺にいた一部の新左翼党派どもは、まさに「サヨク」ならぬ「パヨク」同然で、その行動様式には何度も反吐が出る思いをさせられた。1960年代後半に、私が想像するところ、多くの大学生の純粋でまっすぐな気持ちから、社会問題や大学運営への疑問を膨らませ、それを何とかいい方向に変えたいと思って真剣かつ真摯に行動を開始した学生運動が、わずか10年もたたぬうちに完璧に変質し堕落してしまったと言っていいだろう。返す返すも団塊の世代の責任は重大だ。(大学当局のロクでもなさについては、ここでは言及しない=言わずもがな、ということにしておく)

(関連)東大闘争総括 戦後責任・ヴェーバー研究・現場実践-折原浩/著(未来社)
 https://cutt.ly/YhRIw2O

(5)少し前に、私とたんぽぽ舎で主宰して開催を続けている「新ちょぼゼミ」において、私は長期化するアベ政権下における日本の政治状況を「1930年代現象」と申し上げ、アパシー(政治的無関心)やアノミー状態(社会的価値観の崩壊)を通り越して、フェイクとデマゴーグの「迷走社会」に突入したと申し上げた。価値判断の是非が問題になるどころか、その前提となる「何が事実なのか」を判断することができない現代人が増殖し、物事の単純化や直情的で乱暴や処方箋をもてはやす、下劣なる大衆社会が出来上がっている。何が社会的に正しいかどころか、何が本当か、何が事実か、についてもいい加減な判断のまま、ストレートに行動していく反知性主義的で、シニカルで、懐疑主義的で、弱者攻撃型の、どうしようもない情況が生れてしまっている。こういう時代は、多くの有権者が「わけがわからない」ままに、ポピュリズム的な調子のいい言葉を使って現れてくるデマゴーグたちの言動に振り回され、自分たちの墓穴をそれと意識せぬうちに掘っては、社会の成り立ちを破壊していく、そういう「危険な時代」「危機の時代」に突入したと申し上げた。いわばデマゴーグに乗せられて、自分の首を自分で締め上げて喜び、その後に苦しむ、という構図だ。

しかし、上記の大衆社会状況の極限態のようなことは、実は内田樹氏の今回の現代若者論とは相入れない状況であるようにも見える。私はこれに対しては次のように推測する。つまり、上記のように、愚かにもデマゴーグに振り回されているバカ者の集団は、今日の世代で言えば若者たちではなくて、それよりももう少し上=つまり多くのロスジェネ世代を含む中年群の主として男たちではないか、そしてそういう世代は、その政治的表現として、私がチンピラ似非右翼と申し上げている「維新」勢力(大阪維新&日本維新)や、それと類似の政治勢力(たとえばN国)を支持し絶賛しているのではないか(年齢的には30歳代後半~50歳代前半くらいまで + おまけで、死ぬまでアホが治らない一部の石頭似非右翼ジジイども=このロクデモナイ暇つぶしジジイどもこそがネトウヨの正体でもある)。私はこれこそを現代ファシズムの芽だと見ていて、何としても排除・根絶したいと考えている。

他方、もっと若い世代では、そんな「世の中を変える・動かす」などということは、どうも苦手でうっとうしい限りなので、今のままでいいよ、もう改革なんていらない、という気持ちを込めて、消極的に自民党への支持、あるいはもう少しソフトな公明党への支持を、あるいは、もう政治や選挙にはかかわらない・考えないの思考停止を選択しているのではないか、ということだ。しかし私は、この若者世代の消極論は、時代の危機的状況がひどくなるにつれて、上記のネオ・ファシズム勢力に引きづられていくであろうと見ていて、事態の転換には何のプラス要素もないだろうと見ている。こんな情けないしょぼくれ態度を若いうちからとるのではなくて、もっと人生を前向きに建設的に生きて、同時並行で、社会を自分たちが生きやすい、住みやすいものにしていく努力をすべきだろうと思っている。誰のためでもない、自分たちのためだ。よりよい生活環境は「与えられるもの」ではなく「自分たちで作っていくものだ」ということに早く気が付いてほしい。そのためには、諸悪の根源の政治を何とかしないといけないのだ。

(6)「すべてを与えられて育った世代」という現代の若者たちは、自分の頭で考えて悩み、その暫定的な行動指針に従って動いて、その結果の責任を背負う、という、ごくごく当たり前の人間の生き方をすることができない、そういう精神状態に創られてしまっている。そして上記で申し上げたように、それに対してフォローの風を吹かせ、それでいい、それでいい、と促すような、伝統的社会状況が厳然とこの日本には存在している。私が中島岳志氏やそのロクデモナイ恩師の西部邁に対して厳しい批判をしているのは、伝統だとか、文化だとか、慣習だとかいったものは、現在の日本では必ずや支配被支配を合理化する理不尽な要素を引きずっており、そもそも日本における保守などというものは、一種の支配権力へのタカリとして生きてきたのであって、そんなものを保守リベラルなどと称して褒め上げていること自体が欺瞞であると思うからだ。

それはともかく、こういう社会状況や生い立ちの中で生きる現代の若い世代が、自分自身の利害というか、自分にとって真に何が利益なのかをつかむことができず、自分たちをどんどんと苦境に落とし入れていく支配者や権力に対して正常な判断が出来ぬまま(逆に支配者とそのお仲間たちは、多くの若者たちを食いものにして、自分たちだけで楽をして肥え太っているというのに)、厳しい自分の身の上は、支配者たちが洗脳した自己責任論で自分のせいにして歯を食いしばり、もうこれ以上ひどくなってほしくないから、とりあえず今のままを続けてくれそうな勢力に信頼を寄せる(というよりは、他に選ぶものが見つけられないので、しょうがないから選んでいるだけの「弱い支持」=これに社会全体の沈滞感がのしかかっていて身動きが出来なくされている)、というトンチンカンをやっているというわけである。

私は「与えられた世代」の悲劇的末期的状況ではないかと思っている。ここから脱出しない限り、この世代が今後年を取っていくにつれて事態はどんどん悪くなり、未来は「真っ暗」と言うほかない。支配者たちにしゃぶりつくされて、あとはボロ雑巾のように捨てられるだけである。そもそも、今日の自民党や自公政権を「保守」であり「現状維持」勢力だと勘違いをしているところからして、目も当てられないほどの愚かさである。絶望に包まれ続けて破滅していく人生から抜け出せるのは、まずは「(精神的)自力」しかない。自助・共助・公助の順番を強調する経済政策はインチキなのだが、若い世代が自分のイデオロギーを転換することは「自力」以外にはあり得ない。肝心なことは、その「(精神的)自力」を説教で実現することではない。そもそも説教で実現などしない。

(7)結論に行く前に、1つだけ申し上げておきたいが、日本は今、「香港化」が進みつつある。その兆候は小泉純一郎政権時代から出ていたが、特にアベ政権になって以降、この傾向が顕著となった。日本社会は加速度的にその転落速度を速め、グロテスクなネオ・ファシズム社会へ向かって一歩一歩近づいていると言っていいだろう。私は日々、身の危険を感じるようになって久しいが、この日本の転落を認識できないまま、渋谷でハローウィンのバカ騒ぎをやっている若い世代を見ていて、もうダメかなとも思うのだ。私は、今の香港は、おそらくは中共中国のスターリンのブタどもにねじ伏せられ、暗くて長い暗黒時代へと突入していくだろうと思っているが、しかし、それは他人事ではなくて、まさにこの日本も形は違うけれども同じではないかと思っている。そして行き着く先は、原発・核燃料サイクル施設の再びの過酷事故による永遠の放射能汚染地獄か、あるいは、マルクスが資本論の蓄積過程論で描いた、あの極端な階級社会とルンペンプロレタリアートの大集団が形作る非人間的な社会である。私はこの傾向を、私たちがまだ余力があるうちに打ち砕き、こうした暗黒社会への道を転換して「オルタナティブな人間中心社会」を目指す「世の中の仕組み」を作り上げなければいけないと考えている。

(8)私の考える処方箋=「オルタナティブな日本を目指して」
<a>特権的な支配権力にタカル1%の人間達を除く99%の有権者・国民が、自分たちの利益、とりわけ経済的利害を、正確にきちんと認識する。いったい誰が楽をして山のような儲けや富を懐に入れ、いったい誰が身を粉にしてボロボロになるまで働かされて貧乏を続けさせられているのか、この仕組みは一体何なのだ、何でこんなことになっているのだ、ということを、99%の有権者・国民が覚醒すること、これが基本である、言い換えれば、マルクスに帰れ、ということだ。自分の胃袋に聞いてみろと言ってもいい。

<b>およそ、人間がやっていることはすべて転換可能である。「チェンジ、チェンジ」と言い「イエス、ウィ、キャン」などと言って詐欺行為を働いたアメリカの大統領もいたし、それと瓜二つのように、嘘八百をマニフェストに並べて有権者・国民をだまし、ロクでもないことをやり続けて政権から追放された民主民進党などというインチキ政党もあった。有権者・国民は、騙されるのは1回限りにしなければいけないし、ましてや現状維持を願って今の政権党に投票をしたり、選挙を棄権して政治から逃げていれば、事態はどんどん悪くなるということに気が付かなければいけない。今日の日本社会の諸悪の根源は政治なのだ。

<c>「オルタナティブな日本」を創る政治方針や政策は、シンプルでかつ骨仏な柱が必要だ。そしてそれは、政策論的に妥当であるだけでなく、若者をはじめ多くの虐げられ続けている一般大衆の自己利害を覚醒させ、彼らの自己正当化の精神的支えとなるものでなければいけない。この方針や政策を信じて掲げ実現へ向けて動くことが、圧倒的多数の若者を含む大衆の「生きる誇り」であり、「生きがい」であり、お互いの存在の「認め合い」であり、「理不尽や不公正への怒りの表現」でもあり、「喜び」でもある、そういう「魂の救済ないしは叫び」のようなものでなければならないということだ。それがまた、社会の反動的暴風雨に対する強靭な防護服となり、デマの洪水もかわしていけることとなるだろう。

それは具体的には私が思うところ、①経済政策の抜本転換、②脱原発、③日本国憲法の継承発展とその実現、④新しい民主主義の創造(これが「オルタナティブな日本」を持続可能にする)、⑤司法・裁判所・検察の抜本改革、の5つである。社会問題のあらゆることは、日本国憲法の継承発展政策の中に包含されている。だからこそ、ニセモノ政党は日本国憲法を目の敵にしている。これは翻ってみれば、日本国憲法に敵対的な勢力は、現状においてはすべてニセモノとみてよろしいということだ(よりよく修正するなどと言っている国民民主党や山尾志桜里なども含めてである)。一刻も早く「市民と野党の共闘」は、この政治綱領の下に結集をし、「世直し改革」のために一丸とならなくてはいけない。この「世直し勢力」の形成ができていないから、いつまでたっても自民党の悪政は消えてなくならず、公明・維新・国民民主党などという自民党補完勢力がはびこる土壌を作ってしまっている。今日の立憲民主党の執行部は、いささか危機感の欠如から、こうした「世直し」勢力の総大将にふさわしいのかどうか、疑問なしとしないが、仮にダメ人間達だということであるなら、取り換えるしかないだろう。次期衆議院選挙が彼らの最後のチャンスである。

<d>自民党補完勢力の公明、維新、国民民主党は、全部だめ。マイナスにしかならない。公明党は今や事実上自民党の一派閥と同じ状態=戸田城聖や池田大作が泣いている=創価学会員はこのまま地獄に落ちるつもりか、日本維新や大阪維新は、われこそが自民党と思っている、自民党の中の最も悪質・愚劣な部分が分離独立したネオ・ファシズム勢力、こんなものを改革勢力だなどと勘違いをしている若い世代が多いと聞いているが、頭から水でもかぶってよく目を開けて見てみろという話、国民民主党=2009年の民主民進党政権の背信や失敗を繰り返したい勢力が集まったニセモノ団体で、間もなく自民党に吸収される見込み、こんな政党に投票することは、世直しを遅らせるだけになる愚か極まる行為である。

(注)民主民進党のような「口先やるやる詐欺」行為は、上記で申し上げたネオ・ファシズム勢力にとっては格好の攻撃材料を与えるだけでなく、それよりも若い世代の「萎縮型現状維持勢力」対しても「改革・改良へのうんざり感」を一層高めることで、事態をより一層悪化させていく。「新ちょぼゼミ」で何度も申し上げているが、多くの有権者・大衆の期待を受けて登場した改革政権が、その改革に失敗をした後には、政権交代よりも前にあった状態よりも更にひどい事態が現れ、歴史的反動政権が誕生してくることになる。フランス革命の後の神聖同盟、ロシア革命の後のスターリン恐怖政治、中国革命のあとの毛沢東(「もうたくさん」と読む)文化大革命などなど、事例に事欠かない。民主民進党の裏切り政権の後のアベ政権もまた、その歴史的事例の一つとして、後世の人々に評価されることになるだろう。「口先だけのお気楽リベラル」、こういうのは、今日の立憲民主党の中にもかなりの数で紛れ込んでいるので、我々有権者・国民は、政治家どもの正体をしっかりと見抜いていく「リテラシー」を日々鍛えていく必要がある。

<e>若い世代に、自分たちの経済的利害を覚醒させ、それを投票や政治行動につなげていく、そのための説得・広報活動を縦横無尽くり返す、これが簡単に申し上げる処方箋である。「世直し」の必要条件だと思っていただければいい。「世直し」の十分条件はもちろんこれだけでは足りない。しかし、この必要条件が実現しない限り、日本に明るい未来はなく、従ってまた、現在の私たち一般庶民・貧乏人の苦難の日々は続いていく。自分たちの利益や利害を政治に反映させられない愚か者の被支配者としての振る舞いの必然的帰結である。きちんとした「世直し」をするのか、しないのか、その「やる気」の問題であり、それはすなわち「階級的力量」の問題なのだ。お人好しやマヌケは資本主義社会では、資本や権力によって徹底的に食いものにされ、最後は役に立たない「ゴミ」として捨て去られる。これを食い止めて、自分たちのための政治や経済や社会を創るのか、創ろうとするのか否か、である。否であれば、ヘドロ社会の中に沈むしかない。ヘドロ沼の上に安住する現状維持などありえない。そもそも資本主義と現状維持とは形容矛盾である。ないものをねだっても実現することはないのである。
草々 

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