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2020年9月26日 (土)

(報告)(9.24)オルタナティブな日本をめざして(第50回):「スーパーシティ構想の危険性:後退させられる自治と民主主義」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ)

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


去る2020年9月24日、水道橋のたんぽぽ舎におきまして、内田聖子さんをお招きして、下記「新ちょぼゼミ」を開催いたしました。以下、当日の録画やレジメ、参考資料などをアップして簡単にご報告申し上げます。内田聖子さんにはご多忙のところをおいでいただき、ありがとうございました。当日は「3密」防止のため参加人数をかなり制限させていただきました。そのため、参加ご希望のご連絡をいただいたみなさまに対して、お断りを余儀なくされました。心よりお詫び申し上げます。

ところで、多くの疑問や反対を残したまま国家戦略特区法改正として強引に制定されたスーパーシティ法は、今後はその構想実現に全国各地の自治体が名乗りを上げるかどうか、に焦点が移ります。一方では、ホンモノの政権交代実現により、国家戦略特区法そのものを廃止することで「スーパーシティ構想」を含むロクでもない「1%」のためにつくられたアベ政権の負の遺産法制を一掃するとともに、それまでの間は、いかなる自治体もかような「構想」実現に名乗りを上げないよう、住民・有権者の監視と運動が重要となってきます。また、IT化やAI利用が進み「情報化社会」がバージョンアップする、などという浮かれた表現で言い表される社会現象は今後も拡大深化していきますので、たとえば個人情報保護法を当面はせめてEU並みのレベルにアップして、一刻も早く「個人情報主権」を確立する動きを創るとともに、日本国憲法に定められている「検閲の禁止」など、情報化の対象とされてしまう私たち個々人の基本的人権が最大限、守られるような仕組みを整えておく必要があります。

更には、「マイナンバー制度」などの導入に伴う「成りすまし被害多発社会」を防ぐためにも、個人情報をめぐるさまざまなトラブルから、私たち個人を権利侵害から守り、損害・被害がきちんと補償されるような仕組みづくり(たとえばクレジットカードに見られる損害賠償保険制度と同じような制度を事業者負担で用意させるなど)も重要となってきています(今般は典型的な「成りすまし被害」である「ドコモ口座」事件などキャッシュレスサービスの分野で被害が発生しました)。私はこうした「損害賠償責任の制度」を創設させるという動きが、「マイナンバー制度」や「スーパーシティ構想」に代表される、くだらないITビジネスを消滅させていくだろうとも見ています。何故なら、そうした個人の権利を尊重したきちんとした仕組みを創れば、かようなものは制度や事業としては合理性がなく、実現させることが無意味になり、更にはマイナスにしかならないからです。

また、内田聖子さんが講演の中で詳しくご説明されていますが、この「スーパーシティ構想」が、実は公共サービスや行政の「市場化」=つまりは、空港や上下水道や国有林経営の民営化(コンセッション方式)と同様の、国や自治体の行政の一種の「売り飛ばし」であるという点も重要です。国や自治体の幹部とその利害関係人が団子状態となって「利権の塊」のようなものを創り、公共サービスを自分たちの金儲けの手段に切り替えていく、そして不幸にも事業に失敗をした場合には、事業者を含む推進当事者が、一切の責任と賠償負担を追わなくてもいいように、リスクなしの利益だけ独占、の仕組みづくりでもあるという点に十分な注意が必要です。有権者はそろそろ、こうしたバカバカしい、人を平気で騙すような、くだらない構想の正体に気が付かなくてはいけません。

「スーパーシティ構想」や「マイナンバー制度」を強引に推し進める現在の自公政権=反国民的政権は、こうしたものを、自分たちの背後にいるITゼネコンや経営コンサルタント会社など、一部の事業者や特権的個人の利益を最大限に実現させることを主眼にしてことを進めており、私たち一般の有権者・個人は、彼らにとっては、その「餌食」「彼らの金儲けの素材」「従順なる家畜の群れ」にすぎません。大したこともないことをマスごみと一緒になって美辞麗句・大言壮語で飾り立て、単細胞で物事をよく考えようとしないオバカな人たちをおだてて雰囲気づくりを行い、事業に伴う利益はすべて事業者のものに、他方で事業に伴う様々なトラブルはすべて当事者の自己責任で、という、まさに現在進行している得手勝手なふざけた事業文化・行政カルチャーが「当たり前」のルールとして固められようとしています。私たちはこれを何としても食い止めて、近未来の社会において、ITやAIを含む「新技術」を私たちのためのものへと社会的に組み替えていかなければいけないのです。「闘い」は始まったばかりです。これからもITやAIなどの新技術をめぐる問題は次から次へと出てきます。正気を維持している私たちが力を合わせて、この歴史的反動とも言える「ITの私物化」「個人情報「食いモノ」化」を退けていきましょう。今回の勉強会が、その一助となれば幸いと考えています。


●(イベント情報)(予約必要)(9.24)オルタナティブな日本をめざして(第50回):「スーパーシティ構想の危険性:後退させられる自治と民主主義」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-11f035.html

政府によれば「スーパーシティ構想」とは「AI及びビッグデータを活用し、社会の在り方を根本から変えるような都市設計の動きが国際的に急速に進展していることに鑑み、 暮らしやすさにおいても、ビジネスのしやすさにおいても世界最先端を行くまちづくりであって、第四次産業革命を先行的に体現する最先端都市」とされています。そしてこれが「国家戦略特区」の枠組みの中で推進されることになっています。しかし「国家戦略特区」制度自体が問題であることに加え、この構想の中身は、先進的な技術の活用によって「便利で快適になる」などとは言っておれない様々な問題が伏せられたままになっています。その底流に流れているのは、企業の利益や行政の都合、ないしはよろしからぬ意図を優先させ、個人情報保護などの基本的人権や民主的な慎重な手続き、あるいは地方自治をないがしろにしながら、私たちの生活や生存、あるいは地域社会の在り方を脅かす市場原理主義(新自由主義)の考え方です。今回はこの問題に詳しい内田聖子さんにおいでいただき、「スーパーシティ構想」について詳しくお話をお聞きします(最初の1時間弱は主催者側から事務連絡その他のプレゼンを行います)。

講 師:内田聖子さん(うちだ しょうこ)さん 
NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表
慶応義塾大学文学部卒業。出版社勤務などを経て2001年より同センター事務局スタッフとなる。自由貿易・投資協定のウォッチと調査、政府や国際機関への提言活動、市民キャンペーンなどを行う。TPPウォッチの国際NGOネットワークにも所属し、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアなどの市民社会とともに活動。共著に、『徹底解剖国家戦略特区―私たちの暮らしはどうなる?』(2014年、コモンズ)など。


(当日録画)20200924 UPLAN 内田聖子「スーパーシティ構想の危険性:後退させられる自治と民主主義」 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=XclR1r4JaRc
 https://www.youtube.com/watch?v=XclR1r4JaRc

 <当日のレジメ:(別添PDFファイル)>
(レジメ)「スーパーシティ構想の危険性:後退させられる自治と民主主義」(内田聖子さん)(2020年9月24日)
ダウンロード - efbc88e383ace382b8e383a1efbc89e3808ce382b9e383bce38391e383bce382b7e38386e382a3e6a78be683b3e381aee58db1e999bae680a7e3808defbc88e58685e794b0e88196e5ad90efbc89efbc882020e5b9b49e69c8824e697a5efbc89.pdf


(内田聖子さんの最初の方の発言に「竹中平蔵がベーシックインカムを提案して注目されている」というのがあります。この問題については別途メールをお送りしたいと考えています。ベーシックインカムとは、この前も申し上げましたが、竹中平蔵もこよなく愛する究極の市場原理主義アホダラ教政策です。そして昨今では、この私の批判に対して、ベーシックインカムならぬ、ベーシックサービス、などという言葉が現れてきています(井出英策、枝野幸男他)。それについても併せてコメントいたします)


 <内田聖子さんのご著書>
(1)日本の水道をどうする!? 民営化か公共の再生か-内田聖子/編著(コモンズ)
 http://u0u1.net/XSqf
(2)自由貿易は私たちを幸せにするのか?-上村雄彦、首藤信彦、内田聖子他著(コモンズ)
 http://u0u1.net/vQHr

 <関連情報:別添PDFファイル>
(1)スーパーシティ構想と国家戦略特区:自治の極北(イントロ部分)(内田聖子『世界 2020.6』)
ダウンロード - e382b9e383bce38391e383bce382b7e38386e382a3e6a78be683b3e381a8e59bbde5aeb6e688a6e795a5e789b9e58cbaefbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e58685e794b0e88196e5ad90e3808ee4b896e7958c202020.6e3808fefbc89.pdf
(2)AI活用、先端都市構想実現へ「スーパーシティ法」が成立(東京 2020.5.28)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/31638
(3)スマートシティの国際規格、政府、中国提案に危機感(日経 2020.8.5)
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62273810U0A800C2EE8000/
(4)「スマート自治体」構想と公務労働(イントロ部分)(黒田兼一『経済 2020.3』)
ダウンロード - e3808ce382b9e3839ee383bce38388e887aae6b2bbe4bd93e3808de6a78be683b3e381a8e585ace58b99e58ab4e5838defbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e9bb92e794b0e585bce4b880e3808ee7b58ce6b888202020.3e3808fefbc89.pdf
(5)スーパーシティ法成立、未来都市目指す先は、超監視社会到来の恐れ(東京 2020.6.9)
 https://www.chunichi.co.jp/article/70505


*キャンペーン · 拙速に成立した、私達の尊厳を奪う「スーパーシティ法」の廃止を求めます #スーパーシティ法の廃止を求めます · Change.org
 https://cutt.ly/3pX693E

*【漏れてます? あなたの個人情報 スーパーシティ法案 後編】 #国会 #プライバシー #ビッグデータ #超監視超管理社会を拒否します【れいわ新選組代表 山本太郎】 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=qJe_OsBiTz4


 <関連サイト>
(1)「スーパーシティ」構想と国家戦略特区 内田聖子 自治体問題研究所(自治体研究社)
 https://www.jichiken.jp/article/0130/
(2)日本は超監視社会への途を歩むのか。成立したスーパーシティ法案の問題点と法成立後の課題。(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/deeb88760a98c503e8ba700735b8c29577d2c69b?page=1
(3)貧乏人を排除する「スーパーシティ構想」のヤバさに気付かない日本人の脳天気さ ごく一部の金持ちが街を作り変える - PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
 https://president.jp/articles/-/38161
(4)スーパーシティ法の廃止求めるオンライン署名開始 個人情報の一括管理危惧 | 週刊金曜日オンライン
 http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2020/07/07/antena-748/
(5)スーパーシティ法成立 スーパーシティ法とは - 働き方改革関連法ノート
 https://blog.goo.ne.jp/roudousoudan/e/161c085337156731eac53be6ec6e9020 
(6)日本は超監視社会への途を歩むのか。成立したスーパーシティ法案の問題点と法成立後の課題。 - ハーバー・ビジネス・オンライン
 https://hbol.jp/220057
(7)スーパーシティ構想の先進モデル カナダ・トロントの事業からグーグルが撤退 - 長周新聞
 https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/17263


(参考)オルタナティブな日本を目指して(新ちょぼゼミ バックナンバー)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-cddae1.html
草々 

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