「令和」政治情勢分析(その1):(他のMLでの議論です)(1)「生きているだけで手一杯で、政治的なことを考える余裕のない人」論 (2)2020東京都知事選挙雑感
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(予約優先)(8.25)「山本太郎「れいわ新選組」の経済政策と衆議院選挙」(ちょぼゼミ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-dda34a.html
2.キャンペーンについてのお知らせ · 臨時国会開催を求める署名。憲法53条違反に抗議します。 · Change.org
https://cutt.ly/Fd0NuVR
3.環境紙芝居「うみがめマリンの大冒険」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wLwfok_RXOA
https://www.youtube.com/watch?v=19mtCf-ncrU
(関連)(別添PDFファイル)「プラごみやめて」多言語動画 ウミガメ主人公に紙芝居(東京 2020,8,11)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/48170/
(関連)海上保安協、「うみがめマリン」と学ぶ環境保全。紙芝居を6言語で電子化。23日からユーチューブで-日本海事新聞 電子版
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=259192
4.NNNドキュメント「煉瓦の記憶 広島・被爆建物は語る」 0510 202008030055 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x7ve9ia
(関連)シリーズ戦後75年煉瓦の記憶広島・被爆建物は語る|NNNドキュメント|日本テレビ
https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894fqt16ohwh7hu05tq.html
5.(別添PDFファイル)マックス・ウェーバー没後100年、独の社会学者が今なお示すものは(東京 2020.8.11)
https://www.asahi.com/articles/ASN7G6HSTN79UPQJ00B.html
<新刊書2冊他>
(1)マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇-今野元/著(岩波新書)
https://cutt.ly/ud0NTed
(2)マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家-野口雅弘/著(中公新書)
https://cutt.ly/qd0NIlz
(3)マックス・ウェーバーを読む-仲正昌樹/著(講談社現代新書)
https://cutt.ly/Qd0NAFV
(4)支配されるか、支配するか マックス・ウェーバーの「経済と社会」より-マックス・ウェーバー/原作(講談社まんが学術文庫)
https://cutt.ly/hd0NFDG
(価値自由性と理念型、理解社会学、宗教社会学、支配社会学と支配の3形態、現代官僚制論、職業としての政治、社会科学方法論などなど、ウェーバーが残したたくさんの著作や問題意識は、現代社会を理解するうえで欠かすことができない貴重なものとなっています。今回を機会に「新型コロナPANDEMICに伴うフジカル・ディスタンス」を逆手にとって、みなさまも上記新書のどれかをご一読されてはどうでしょうか? :田中一郎)
6.(第1回)(8.6)次期衆院選へ向けて討論会(第1回目)
去る8/6の意見交換会にご参加のみなさま、ご苦労様でした。暑い中、よくぞお集まりいただき、更に熱いご意見を交わらせ、あっという間の4時間でしたが有意義な日となりました。ご参加のみなさまには厚くお礼申し上げます。以下は8/6の簡単なご報告と補足、及び次回のご案内です。
(1)(別添PDFファイル)(レジメ)戦後民主主義の全面的崩壊と日本の危機(田中一郎 2020.8.6)
ダウンロード - efbc88e383ace382b8e383a1efbc89e688a6e5be8ce6b091e4b8bbe4b8bbe7bea9e381aee585a8e99da2e79a84e5b4a9e5a38ae381a8e697a5e69cace381aee58db1e6a99fefbc882020.8.6efbc89.pdf
(2)(別添PDFファイル)教育に関する一考察(内田樹『しょぼい生活革命』晶文社)
ダウンロード - e69599e882b2e381abe996a2e38199e3828be4b880e88083e5af9fefbc88e58685e794b0e6a8b9e3808ee38197e38287e381bce38184e7949fe6b4bbe99da9e591bde3808fe699b6e69687e7a4beefbc89.pdf
当日、私からご紹介した内田樹(たつる)氏の教育に関する発言です。出典は下記です。
*しょぼい生活革命-中田考/著 内田樹/著 えらいてんちょう/著(晶文社)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034022560&Action_id=121&Sza_id=B0
(3)議論の中で出てきました小林節氏については下記サイトをご参照ください。
かつての反共改憲論者とは思えないほど、良識的できちんとした議論が展開されています。100%そうだとまでは申し上げませんが、同氏の主義主張は概ね「その通り」の内容が大半です。是非ご一読ください。よろしければ日刊ゲンダイも日々ご購読いただければなお幸いです。
*ここがおかしい 小林節が斬る!|小林節|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/2980/20
(4)次回のご案内
今回のような「意見交換会」を時折開催したいと思います。次回は9~10月のどこかで、場所はクローズにならない限りで従来通り、中央区明石町区民館で、10~15名程度の人数でやりたいと思います。次回のテーマは、今回時間の関係もあって議論のテーマとはならなかった「これからの日本外交と安全保障政策:日米安保の神話を超えて」でいかがでしょうか? テーマその他について、ご意見やご提案をお送りください。
7.(別添PDFファイル)国民・玉木氏、分党表明 立憲合流巡り 来週両院総会で協議(毎日 2020.8.12)
https://mainichi.jp/articles/20200812/ddm/001/010/092000c
(関連)(別添PDFファイル)国民民主は分裂…玉木氏と行動を共にする衆院議員は3人?(日刊ゲンダイ 2020.8.13)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277190
8.日刊ゲンダイより
(1)【安倍晋三】報道弾圧にも色々ある 安倍政権は目に見えない圧力と懐柔|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277186
(2)【小池百合子】-3-小池知事の“黒歴史” 築地跡地の活用と環状2号線の行方|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277102
(3)【新型コロナウイルス】「重症者数少ない」の落とし穴 4月緊急事態宣言前より深刻|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/277191
(4)【新型コロナウイルス】分科会に浮上「Go To トラベル」前倒し実施に重大瑕疵疑惑|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277129
(5)国民が一番知っている Go Toで“瀕死の地方”は救えない|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277068
*小池知事 カイロ大卒証明書「顔写真」の謎|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4042
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1.(他のMLでの議論です)松尾匡立命館大学教授「私利私欲を度外視した公共的理性が、唯一無二の生命を犠牲にする:反緊縮左派が試されるとき(1)」について(一部加筆修正)
下記を拝読いたしました。松尾さんらしい、よく書けている文章だと思いました。表題の「私利私欲を度外視した公共的理性が、唯一無二の生命を犠牲にする」にも賛同いたしますし、れいわ新選組の基本哲学ともいえる「人は生きているだけで価値がある」という訴えについても、もちろん賛成です(但し、そのことが直ちに「反緊縮=現金バラマキと日銀による国債引受ファイナンス肯定論」につながるわけではありませんが)。
●私利私欲を度外視した公共的理性が、唯一無二の生命を犠牲にする(松尾 匡) - 現代新書 - 講談社(1-3)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74582
ということで、この連載第1回の松尾さんの主張を、肯定的な目で読んでみたのですが、唯1か所、私とは考えが違うなと思った場所があります。それは下記の部分です。
(以下引用)
・・・・・・・・・・・・・
(中略)だって、既存の社会の仕組みの中で置かれた境遇のせいで、がんばりようにもがんばれないでいる人が生じるのは、別におカネもうけについてだけではありませんから。生きているだけで手一杯で、政治的なことを考える余裕のない人もたくさんいらっしゃるのです。
そうしたら、そんな人たちに対して、自分と同じようにたっぷり時間をかけて本を読んだりネットで情報を集めたりしてこそ一人前というような態度で、「自分の頭で考える自立した市民になれ」とか上から目線で説教して、そのあげく思い通りの選挙結果にならなかったら「悪政を選んだのは自己責任だ」とか「民度が低い」とか言って悪態をつくのも、もう立派な悪しき「自己責任論」だと言えるでしょう。
選挙のことだけではないですよ。デモに出ることも、労働運動を闘うことも、抗議に行くことも。勇気を出して闘える人はスゴい。かっこいい。尊敬するべきだと思います。
でもそんな強さのない人、余裕のない人、闘うことに気づく機会がない人、守るべきものを背負ってしまっている人もたくさんいらっしゃるのです。そんなことで闘えない人たちを闘えた人と比べて一格劣った人とみなしてはいけません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
確かに「闘えない人たちを闘えた人と比べて一格劣った人とみなしてはいけません。」はその通りでしょう。所謂マルクス主義はこの辺が怪しく、更にレーニン主義になると「革命的前衛党論」となり「革命エリート集団」である共産党・労働者党が、思想的にも行動的にも、また判断力も「至らない」「不十分な」一般労働者を指導して革命を成就していくという考え方ですから、上記の考え方とは真っ向から対立します。マルクス経済学者でいらっしゃる松尾匡立命館大学教授が、マルクス・レーニン主義の革命理論は採用しない・反対だと宣言されているようなものですから、これは傾聴に値するでしょう。
しかし、問題はそこではありません。私が「違う」と思うのは「生きているだけで手一杯で、政治的なことを考える余裕のない人もたくさんいらっしゃるのです」という部分です。はっきり申し上げて、そんな人間はいません。人間は時代時代の社会的諸関係の中で生きていて、さまざまな人間関係の中で様々なことを考えながら日々を送ります。その中には政治のこと、経済のこと、社会のこと、いろいろあります。もちろん最大関心事である自分のことに引き付けながら、こうしたことを断片的に、あるいは自分なりに深く、あるいはいい加減に考えて、日々の行動に結びつ行けているのです。国会や政府の動き、あるいは選挙のことに直接関心がないように見えても、それはそれなりに理由があるのであって、決して「生きているだけで手一杯で、政治的なことを考える余裕のない」ということではありません。情報はその人その人で、ある価値判断に基づいて取捨選択されており、その価値判断こそが「政治」なのです。
私は、むしろこういう「思いやりのある」「やさしい」人間の見方、社会で貧困や不幸や理不尽に苦しむ人々に対する「善良なる」見方が、逆に一種のパターナリズムをもたらし、人々の考える力、感じる力、更に申し上げれば、怒り悲しむ力を軽視してしまうような気がしています(パターナリズムの悪い点は、その「包み込む思想」の範囲を超えてしまうような思想や行動に対しては、逆に「暴漢」として、「秩序破壊者」として、「社会的悪玉菌」として排除し抑圧する傾向にあることですが、松尾さんにはそれは感じません)。個々人の外見的行動の内実がどういうものであるのか、それは本人でしかわかりませんが、しかし、それが如何なるものであれ、人間は社会的存在として、社会的諸関係の中で存在規定性の制約の中で生きている以上、さまざまなことを考え思考しています。貧困や不幸のことで頭が満杯になっていて、それ以外のことは考えられない、という状態は、一時的にはあり得ても、恒常的にはあり得ないと私は見ています。それだけ人間は複雑であり、その精神は高度なのです。
私の見方はむしろ逆です。簡単に言えば「ちょぼちょぼ市民」論=故小田実氏が言うように「人間、みなちょぼちょぼや」ということです。私の「ちょぼちょぼ市民連合」というペンネームは、この市民活動家で作家の故小田実氏の言葉をいただいて創作したのですが、まさに人間はコレです。経済的貧困や様々な不幸が重なって、政治経済社会のことを順序だてて体系的にきちんと考えられないという、松尾さんが「大切にしなければいけない方々」と優しく見ている人たちも、その対極にいる、立派な政治理論や経済観、社会への見方をお持ちになっていると言われている方々も、私から見れば、人間みな「ちょぼちょぼ」や、ということで、大差なし、ということです。
「自分と同じようにたっぷり時間をかけて本を読んだりネットで情報を集めたりしてこそ一人前というような態度で、「自分の頭で考える自立した市民」」だと思い込んでいる典型的な人種は、私は大学教授であり、有識者・知識人たちであると思いますが、しかし、私から言わせれば、そんな人たちも、私のような「よもやま世間論」しか知らない「砂利石」人間も大差がないと思っているのです。何故なら、こうした学才があり学業を極めた方々も、その狭い専門領域を一歩出れば、一般の人々と何ら変わるところのない「普通のおっさん・おばはん」であり、むしろ日々、狭い専門領域の中だけで思考を集中させているが故に、いわゆる「専門バカ」と言われる一種の倒錯に陥っていることも多々あるのです。しかし、そういう人が、あたかも全知全能の神か、その使徒であるかのごとく、自分の専門外のことにまで、ぬけぬけと、そのヌケ作議論を展開して、傲然としているのが今日の日本社会のあり様ではないかと見ています。そしてその大半の学者・有識者・知識人たちは、支配権力や巨大資本に包摂され、まさに似非学者という「方便の塊」のようなことを日々垂れ流して自己満足の境地にあるというのが、自然科学・社会科学・人文科学それぞれに共通しているのではないかと、私は思っています。
じゃあ、どうすればいいのか、これを私たちはしっかりと考え抜いて、市民運動・社会運動の中で鍛えながら実践していく必要があるでしょう。私はその際に必要なのは、確かに松尾さんの様な「優しく人間を見る目」が「ミクロ的」には必要不可欠だと思います。その点では松尾さんには脱帽する面もありますが、しかし、それは少なくともおかしな社会や体制を転換する動力にはなりえないだろうと思うのです。
別添PDFファイルは、つい先日8/6に、次期衆院選へ向けての意見交換会を開催した時に、私からプレゼンを行った際のレジメです。その最後のところに私は以下のように書きました。
「9. 改革主体の形成
カギは「階級的利害の覚醒とそれを政治的行動に結びつける怒り(情念)&智恵」
政治運動・政治闘争と市民運動・社会運動との違い:「スターリンのミニブタ」」
言い換えれば、一人一人の衣食住、更に申し上げれば「胃袋」の問題こそが、人間を突き動かしていくのだ、ということだと思っています。私の大学時代の師であった経済学者の故岸本重陳氏の言葉で言えば、「人間、いかに食うか」、という問題こそが、人間社会つまりは社会的諸関係と、その上部構造である政治や法体系を突き動かし変えていくのだ、ということだと思っています。
今日の既成野党も、市民運動・社会運動も、政治運動・政治闘争も、この問題をまとめることができていない・処方箋を見出しえていない、ということではないかと思います。一時、山本太郎さんが、この問題を上手に取り上げて街宣活動などで注目を得ていました。都知事選立候補という愚か極まる「総大将としてのミスジャッジ」を深く反省して、二度とそうした愚かなことはせぬとの誓いを胸に、きたる衆議院選に立ち向かってほしいと思います。
話は脱線しましたが、「ちょぼちょぼ市民」論こそが、私は現代日本における「世直し」のポイントとなる考え方ではないかと思っています。ですから、「生きているだけで手一杯で、政治的なことを考える余裕のない人もたくさんいらっしゃるのです」という見方考え方は、私はその方々に対する「やさしさ」「なぐさめ」ではあっても、真実ではなく、そういう考え方に基づく政治的行動論は、往々にして誤ると見ています。
2.(他のMLでの議論です)2020東京都知事選挙雑感(一部加筆修正)
議事録を拝見しました。どうも都知事選の受け止め方が違いますね・・・・・・・。申し訳ないですが、どうしたい・どうしよう・どうすればいい、という全体像やプログラムがよく見えません。選挙雑感ということでしょうが、しかし、それでは事態の改善にはつながらないように思いますが、違いますか? あの部分が悪い、こっちのここが少し良くない、とか言っている段階ではないと思いますが、いかがでしょう? 今回の都知事選挙などは、既存の異議申し立て勢力なんぞは、全く話にならない、状態だったのではありませんか?
(1)小池百合子 新型コロナPANDEMICのおかげで、まんまとマヌケな有権者・都民をだましおおせた、しめしめで、あとは当選を寝て待つだけ、選挙期間中は余計なことをしなければいいだけの話。問題は当選後、さてどうするか・・・・、まあ、世論の様子を見ながらゆっくり考えるとするか。ともかく、自分は都知事なんぞで終わるつもりはない。どこかでタイミングを見計らい国政に戻って、次は総理だ。都民ファーストとかいう小池与党も賞味期限は切れているから、来年の都知事選ではボロ負けになる。どこかで「自分体制」の建て直しをしなくてはならない・・・・、まあ、こんな程度のことを考えているのでしょう。このタヌキ女に投票をしたオバカが360万人=これは、日本という国が、もう一段の危機的段階に陥ったということを意味していて(昔なら満州事変や5.15事件に匹敵)、いわゆる「1930年代現象」の始まりです。次の舞台は「大阪都構想の住民投票」。私は恐らく可決成立するだろうと見ています。日本の首都とその次の大都市の住民が「総オバカ現象」を引き起こしている=深刻な事態です。
(2)都議会自民党 小池百合子はいやだけれど、他に候補者がない・見つけられない。党本部が小池にしろと言うているから、しょーがねえから小池百合子だ。勝手にしろ。まずは知事選よりも来年の都議選だ。ここで以前に持っていた議席以上の議席を奪還すれば、小池なんぞふっとばしてやる。
(3)公明党 さしあたり、小池百合子にくっついておけば、都政にかかる利権は自民党と連立与党でいる時よりも「おいしい」。しかし、都知事選が終われば、その後は衆院選と都議選がある。ここでは小池百合子や都民Fとわきあいあいに、とはいかない。どうも少し前から公明党やその母体の創価学会の政治的力量が低下傾向にあるので、衆院選も都議選も現有議席死守で、必死のパッチで行くしかない。最もじゃまなのは、共産党と「れいわ新選組」、この2つの勢力は何としても押さえつけておきたい。
(4)宇都宮健児氏 今回の立候補が3回目、しかし、その立候補の仕方も選挙の運動も、前回や前々回とほとんど同じ。政策はいいかもしれないが、多くの有権者には見てもらえそうにない。日常的に、見てもらうための努力はなされていないように思う。おそらく当選しないだろうと思っていたが、そこに山本太郎「れいわ新選組」が宇都宮健児氏を押しのけるようにして立候補してきたので、万事休す。その時点で、都知事選敗北が確定。
(5)山本太郎「れいわ新選組」 既に何度も言ってきましたので割愛します(下記参照)。愚か極まりない立候補で、その大きな原因の1つが、立候補を促した山本太郎「れいわ新選組」の支持者たちの政治的未熟にあることは、強調してもし過ぎることなし。明治維新間もなくの江藤新平・佐賀の乱のごとしです。結果として私が予想した通り、たくさんの敵ないしは反対者を左派陣営に創ってしまい(それまでは味方であり仲間だった)、全くみじめな得票状態で落選、彼が都知事選前に集めていた「オーラ」は色あせてきた様子がうかがえます。あれだけ努力して、やっと一定の規模にまで育ってきた政治的資源を、もったいないこときわまりなしです。このままでは来たる衆議院選もさえない結果になりかねません。
(関連)山本太郎「れいわ新選組」の都知事選挙立候補は、政治的未熟による「愚挙」であり、また、それを促した「れいわ新選組」の支援者・応援者には大きな問題がある- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-96f5b5.html
(参考)佐賀の乱はなぜ起きた?どのように鎮圧された?江藤と大久保の思惑 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/jphistory/baku/2020/02/01/93589
(6)立憲民主党 そもそも都知事選に取り組む力量もやる気もなし。やってもダメだと思っているから、それならと宇都宮健児氏に乗っただけの話。そもそも立憲民主党は、国政でこそ野党第1党ながら、もはや東京や大阪などの大きな自治体では、その他いろいろの弱小政党の1つに過ぎません。そうなったのは、社会党・民社党の時代も含めて、自業自得というものでしょう(たとえば築地市場問題への対応をご覧になればいい)。そして都知事選が終わった後も、この党の情けないありようは変わる気配がない。このままいけば、昨日のメールで申し上げたように、衆議院選ボロ負けです。政権交代など、夢のまた夢。
(7)国民民主党 この集団は政党の体をなしていない「負け組選挙互助会」だから、都知事選など、それぞれの国会議員が勝手にやればいいというスタンス。相手にしなくていい。間もなく消えていく。国民民主党の中核部分は、政治家個人として選挙に強いので自在が効くから、その連中が野党攪乱の自民党別動隊として、これからも煩わしい動きを見せるでしょう(例:前原誠司)。国民民主党のリベラル議員は、一刻も早く立憲民主党と合流願いたい。
(8)維新の会 首都圏・関東への進出を着々と進めていて、今回の都知事選でも小野泰輔が健闘した。次は衆議院選だが、まさに台風の目であって、議席は数倍に膨れ上がる可能性がある。ここに橋下徹あたりが立候補してきたりすると、国民民主党の上記集団(前原誠司がその代表格)などとも合流し、場合によっては自民党再分裂なんぞも引き起こして、やっかいなことになりかねない。しかし、若い世代を中心に、そうなっていく政治的土壌はすでに形成されつつある。危険な「1930年代現象」の進展である。
(9)共産党 「市民と野党の共闘」路線で変わらない。この政党は恐ろしいほど「1枚岩」で、党の方針が決まると微動だに変わらない。「市民と野党の共闘」路線を私は高く評価しているが、しかし、この党の行動パターンは、それはそれで心配になること大なり。支持層が公明党と同様に高齢化してきていて、未来へ向けてじり貧から脱出できていない。革命政党から市民の政党に生まれ変われるかどうかが、共産党が政権を担える政党かどうかの分水嶺になると私は思っている。
まあ、ざっとこんな感じで、都知事選を巡る動きを見ていましたから、負けと決まった選挙を応援する気になんぞ、全くなれなかった、ということです。投票には行きましたが、こんな感じでこれからも選挙が続くのなら、投票する気にもなりませんね。
選挙に勝つ算段が出来ていません。だから勝てないどころか、得票も増えないし、じり貧が続いていきます。負けが続くと、それだけで有権者の信頼がなくなっていくということも、分かっていない様子です。私は○○さんと似ているかもしれませんが、総大将の立憲民主党を何とかしないと、この基調は変わらないと見ています。枝野幸男・福山哲郎執行部は、もう次回の衆議院選が最後のチャンスです(しかし、選挙に勝つための動きはいまのところ皆無で、国民民主党や連合とごちゃごちゃやって、むしろ負ける努力を続けている様子です)。
言い尽くされていますが、政権交代を担える、しっかりとしたオルタナティブな政治勢力を形成できない限り、政治は変わりませんし、危機の時代の現代日本では、日々刻々と事態は悪くなっていくでしょう。カスみたいな政治家どもによって導かれていく「破滅」は近いということです。市民は、この「オルタナティブな政治勢力をどうやって形成するか」を真剣に考えて行動する必要があります。
草々
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