来たる衆議院選挙を巡る政治情勢と危ぶまれる日本の未来=自公の議席が変わらない中で維新がどこまで伸びるかという「最悪の展開」、立憲民主党を総大将とする「体たらく野党」の末法的情勢
前略,田中一郎です。
●吹き始めた解散風と反安倍側の内紛 - 山口二郎は不毛な山本太郎叩きをやめよ - 世に倦む日日
https://critic20.exblog.jp/31380268/
かなりペシミスティックですが、上記サイトの来たる衆議院選を巡る情勢分析は的を射ているように思われます。つまり、来たる衆議院選挙は、自公の議席が変わらない中で維新がどこまで伸びるかという「最悪の展開」となりそうであること、そしてこれは、立憲民主党を総大将とする「体たらく野党」がもたらしている唾棄すべき事態であるということです。私は維新が立憲野党のかなりの議席を奪って台頭し、ひょっとすると野党第1党にのし上がってくる可能性があると見ていて、日本の「オルタナティブ勢力」が地滑り的に歴史的敗北をするのではないかと危惧しています。今回の都知事選挙では、おそらくその傾向が結果として出るのではないかとも思っていて、具体的には、小池タヌキがダントツの勝利、その次を山本太郎氏と維新の小野泰輔氏が大差をつけられて追いかけ、宇都宮健児氏は得票が低迷する、という結果です。
(関連)(予約必要)(7.6)オルタナティブな日本をめざして(第48回):「「維新の会」って、なんやねん!?」(新ちょぼゼミ:清水ただし衆議院議員)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-d6c820.html
そうなると、「壊憲」はおろか、様々なグロテスクな事態が日本社会を更なるどん底への転落へと導いていくことになります。要するに、日本が丸ごと火の玉のごとく政治的愚昧の塊となりつつあるということであり、この危機的状況はこれまでとは少し違ってきていると思っておいた方がいいということです(1930年代の日本と情勢が似ている)。かつてドイツが2度にわたり世界大戦を引き起こして地獄のどん底に転落したように、この日本という国も2度目の悲惨な「敗戦」(必ずしも戦争とは限りません)を迎えることになるのではないか、大いにあり得る話です。
そこまで悲観的にならなくてもいいという見方もあり得ますが、仮にそうだとしても、まもなく実施される衆議院選挙は、現状における政治情勢ないしは政治の構図を変えることはない、ということは、ほぼ言えるのではないかと思われます。この事態の政治責任は、何度も申し上げておりますが、野党第1党であり「市民と野党の共闘」の総大将でもある立憲民主党=とりわけ枝野幸男・福山哲郎らの現執行部にあるのであって、簡単に言えば、これまで彼らは選挙に勝つための努力もしなければ、政権交代の準備もせず、国会周辺で自分たちの小さな殻に閉じこもって、負け組ヘゲモニー争いをしていた、に過ぎないということです。数年前とは違い、共産党や改革を求める一般市民もが「市民と野党の共闘」に協力体制を取り、安部政権・自公政治を終わらせるために、みんなで手を取り合って選挙に勝っていこうと、これまでさんざん訴え提言し続けているにもかかわらず、立憲民主党・国民民主党の政治家たちは政権交代を目指し努力をしようとはしなかった。その結果が、今般の衆議院選挙で結果として出てくることになるだろうということです。今から「負け組選挙互助会」をつくってみても、私はおそらく、ほとんど効果がないだろうと思っています。
残念なのは山本太郎氏です。上記サイトにある「木下ちがやとしばき隊」というのはどういう連中か知りませんが、文章を読んでいて、ロクでもないなと思いました。こういう連中はいつの世でも現れてきますので、まともに相手にしてはいけないし、そんなものに巻き込まれてもいけないと私は強く思います。日本の有権者・市民の政治的未熟さを考えると少し心配になりますが、政治決戦や世直し改革の大きな情勢図を常に念頭において、政治的に最適な行動を考えて行動しなければいけません。何度も申し上げますが、山本太郎「れいわ新選組」は、今日の日本の沈滞する政治情勢を真正面から突破して行ける唯一の改革エネルギーであって、この勢力が世直しの先頭・中心に立たない限りは、今日の情勢は転換することができない、そんな状態になってしまっています。
山本太郎氏の都知事選立候補は、これまで何度も申し上げてきましたが、政治的に愚かな行動であり、また、山本太郎「れいわ新選組」を熱く支持し応援する私などから見て残念でなりません。今回の都知事選の山本太郎「れいわ新選組」の行動は、来たる衆議院選に大きなマイナス要因として残存するであろうこと必至だからです。それは、政治家・政党サイドでの人間関係がぎくしゃくするということだけでなく、有権者に山本太郎「れいわ新選組」の残像がマイナスの形で残るということの方が重要です。イクサの大将は、常にイクサに強くなくてはいけません。負け続ける大将は有権者の信頼を失っていくということを忘れてはいけないし、今回は山本太郎氏が東京で立候補した(地方を脇に置いてしまった)という点もネガティブな印象を残すのです。はたして、山本太郎「れいわ新選組」は、来たる衆議院選において、全国に100人の候補を立てることができるのか、またその候補者から、少なくとも30人程度(今から30年前に似非改革政党の日本新党が最初に衆議院選に挑戦した時の獲得議席)の当選を得ることができるのか、私は危ういのではないかと思い始めています。
上記のような悲惨な情勢の下で、「オルタナティブ勢力」はどう態勢を立て直し、選挙に勝利とまではいかなくても相当程度まで議席奪還を目指していけるのか、「市民と野党の共闘」を支持し、世直し改革を願う私たち市民は、物事を果敢に考え動いていかなくてはならないと思われます。既に主戦場は次期衆議院選挙と最高裁判事の国民審査に移行しており、上記サイトの解説にもあるように、衆議院解散は今秋になる可能性が高いと思われます(早ければ9月)。野党が態勢を立て直せず、依然として危機感欠如で低迷・体たらくをくり返しているうちに、アベ政権は解散・総選挙に打って出てくるでしょう。彼らは政権維持のために必死です。市民運動・社会運動の中に依然としてある「お気楽改革指向」とは異次元の覚悟で彼らは望んできます。「生活掛かってんだ、お前らに政権取られてたまるか」、これが彼ら自公政権側の人間たちの本音です。政治とは、まさに生活と生活の激突です。言い換えれば、利害と利害の激突であり、当然ながら、自分の利害をきちんと認識しえぬものは、最初から政治の世界では敗者となるのです。
<当面の直ちに着手すべきこと>
(1)消費税減税(当面5%:新型コロナ影響払拭まで数年間という条件付きでもいい、但し減税のタイミングはデフレスパイラル防止の観点から慎重に)で「オルタナティブ勢力」が一致結束し、山本太郎「れいわ新選組」を笑顔で迎え入れて、全国的なアベ政権打倒運動を開始すること(上記サイト記事にある立民と山本の「中間取って7%」というのはダメです=中途半端はやめて(奥村チヨの歌))
(2)骨太方針・大黒柱政策とアベ政権制定悪法の一掃(一括即時廃棄)をきちんと掲げて早急に公約政策パンフレットを作成し、全野党と市民が拡散政治運動を開始する。なかでも、地方経済・社会の再生・復興の政策を具体的に打ち出すことは極めて重要で、簡単に言えば、小泉純一郎・竹中平蔵時代から続き、「維新」に最も忠実に引き継がれている地方切り捨ての市場原理主義政策を転換し、地方産業の育成支援や社会保障・福祉や地方分権自治や東京一極集中の解消を力強く推進する旨を訴えなければいけません。
(3)全国の小選挙区での候補者調整を直ちに実施し、決まった候補者を先頭にして、安部政治(および「維新」=今回の衆議院選では「維新」批判は極めて重要)を徹底的に批判しながら(批判するだけではダメ)、「オルタナティブな日本」を上記で決めた骨太方針に沿って訴えつづける。連日の街宣活動とパンフの各戸配布をする覚悟。
(4)NEXTキャビネットを早く形成し、山本太郎氏を総理、または厚生労働大臣役にして、数日に1回の記者会見を行い、アベ政権批判とともに「私たち新政権ならばこうします」をきちんと打ち出す。キャビネットにはスマート市民も参加。
とりあえず思いつくのは上記のようなことです。こんなことは今から数年前に立憲民主党が中心となって実施していなければならなかったことです。それをサボり続けてきた結果が今日の悲惨な政治情勢となって現れてきているということです。もう時間がありません。どこまでできるかの勝負でしょう。
草々
« (予約必要)(7.28)オルタナティブな日本をめざして(第49回):「霞が関改革をどうする:日本の官僚組織」(前川喜平さん:新ちょぼゼミ) | トップページ | (他のMLでの議論です)実際の政治、ないしは政権を目指す政治活動を、何か知的な研究活動か社会運動の1つ、あるいは趣味的なサークル活動であるかの如く誤解をしている「アマチャン議論」を少し叩いておきます »
« (予約必要)(7.28)オルタナティブな日本をめざして(第49回):「霞が関改革をどうする:日本の官僚組織」(前川喜平さん:新ちょぼゼミ) | トップページ | (他のMLでの議論です)実際の政治、ないしは政権を目指す政治活動を、何か知的な研究活動か社会運動の1つ、あるいは趣味的なサークル活動であるかの如く誤解をしている「アマチャン議論」を少し叩いておきます »
コメント