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2020年4月28日 (火)

次期衆議院選挙へ向けての「市民と野党の共闘」の総合政策と、当面する緊急経済対策について(その6):新型コロナPANDEMICに対する緊急経済対策の基本的な考え方

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.(6.4)オルタナティブな日本をめざして(第46回):「ジャーナリズムと日本の危機:ワセダクロニクルの挑戦」(新ちょぼゼミ:渡辺周さん)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-21b154.html


2.キャンペーン
(1)キャンペーンについてのお知らせ · 【カジノよりコロナ対策です! 市民の血税を、カジノと新劇場に今年の予算計7億円!長期に兆円!職員計63人を使おうとし、コロナで苦しむ市民には使わない市長! もはや市長リコールしかありません!】 · Change.org
 https://cutt.ly/IyshOgF

(関連)横浜にカジノはいらない!ギャンブル依存と貧困を防ぎ、介護・福祉・医療こそ充実を!(全国からご署名いただけます) 介護福祉医療関係者(当事者・家族・支援者・従事者)に限らず、大勢の皆さまのご署名をお願いいたします · Change.org
 https://cutt.ly/9yskKUA

(2)キャンペーンについてのお知らせ · 亀井亜紀子議員により国会へ質問主意書が提出されました。 · Change.org
 https://cutt.ly/MysloMs

(関連)キャンペーン · 山口県知事 村岡嗣政 様- 萩・むつみへのイージス・アショア配備計画の撤回を求めます! · Change.org
 https://cutt.ly/3yslauJ

(3)キャンペーンについてのお知らせ · 45,000人分の署名とコメントを提出! さらに大きな世論で厚労省の姿勢を変えさせよう · Change.org
 https://cutt.ly/xyshPfJ

(関連)内閣総理大臣安倍晋三- #緊急事態宣言なのに政府が病院・ベッド削減を支援!?#新型コロナ による医療崩壊を防ぐための緊急署名 · Change.org
 https://cutt.ly/IysjuHM

(4)厚生労働大臣- 【新型コロナウイルス】集団感染・クラスター発生防止のため 《3密》コールセンターの労働環境改善を要請します。 · Change.org
 https://cutt.ly/wysV27i


3.衆院静岡4区補選 自民党の新人 深澤陽一氏が当選 - NHKニュース
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200426/k10012406641000.html

(関連)静岡補選の投票率は34.10%で過去最低(共同通信) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-00000089-kyodonews-pol
(関連)補選 同名で区別不能3708票 - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6358248
(関連)自民党新人が当選確実 衆院静岡4区補選 野党統一候補及ばず 衆院解散に影響か(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-00000036-mai-pol
(関連)緊急事態宣言下で選挙活動制限、野党「残念な結果」(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-24260727-nksports-soci

(田中一郎コメント)
 低投票率の下、組織票中心の選挙となり、与党圧勝で「市民と野党の共闘」が敗退するという、ここ数年続いているパターンと同様の選挙になったようです。ついこの間の東京都目黒区の区長選挙と同じ形です。目黒区長選の場合は、立憲民主党系のピカピカの候補者だったので、そこそこ集票して接戦となりましたが、静岡衆院補選の方は、候補者が国民民主党でさえない候補者だったこともあり、ダブルスコアを付けての敗北でした。浜岡原発を抱える静岡県で、脱原発の公約もはっきりせず、経済政策もダメ、有権者・市民に徹底して寄り添い、有権者・市民のために身を粉にして頑張るという気配もうかがえない、そんな候補者で勝てるはずもないのです。「緊急事態宣言下で選挙活動制限、野党「残念な結果」」など、言い訳にはなりません。

(関連)田中龍作ジャーナル - 【衆院静岡4区補選】野党共闘の名を借りた政治ショー
 https://tanakaryusaku.jp/2020/03/00022604

所謂浮動層や無党派層と言われる有権者が投票に来ない(低投票率)というのは、わざわざ候補者に投票に行くだけの魅力がない=今の「市民と野党の共闘」の候補に投票したって、どうせ政治なんぞ変わるはずもない、そう思われているからにほかなりません。「市民と野党の共闘」はいわば「負け組互助会」のようになっていて、今日の停滞し憂鬱となっている政治情勢を打ち敗れるだけの「改革パワー」や「具体的政策」を持ち合わせていない=PRされていない=有権者に伝わっていない、ということを意味しています。

そもそも山本太郎「れいわ新選組」との共闘はどうなっているのでしょうか? 目黒区長選でもそうでしたが、今回の静岡の選挙でも、山本太郎「れいわ新選組」の名前も姿もありませんでした。私が見るところ、今日的な情勢の中で、これを打ち破って自公政権を打倒していける政治的パワーを持っているのは、今のところ山本太郎「れいわ新選組」しかないのではないかと思っています。その山本太郎「れいわ新選組」と、「市民と野党の共闘」はどうして一致団結して闘おうとはしないのでしょう。消費税減税など、あたり前のあたり前だと、申し上げているではありませんか。

(関連)『山本太郎から見える日本』から - 内田樹の研究室
 http://blog.tatsuru.com/2020/04/10_1141.html

かつて犬猿の関係と言われた自民党と公明党が連立政権をつくって、早20年近くが経過しました。この自公連立こそが(保守反動側の)現代政治の典型事例の一つなのです。世界的に見ても「連立政権」が多くの国で通常化している今日において、選挙に勝てぬ弱小野党が「オレはオレは」でバラバラでいる、これこそが政権放棄の政治的未熟に他なりません。さっさと山本太郎「れいわ新選組」および改革派市民代表と既成野党4党(立民、国民、共産、社民)がオルタナティブ政策をベースに新政権構想を打ち立て、自公政治に代わる新しい日本を創っていく共闘体制を整えていただきたいものです。選挙のたびに敗北している政党や政治勢力は、次第に有権者・国民の期待や信頼を喪失していくという「負のスパイラル」が起きることを肝に銘じておくべきです。

私は「市民と野党の共闘」の総大将である立憲民主党と、その立憲民主党の現在の枝野幸男・福山哲郎執行部に大問題があるのではないかと見ています。新型コロナPANDEMICにより、深刻な危機的状態が現出している今こそ、逆説的に「世直し」のチャンスが到来しているにもかかわらず、この数カ月を含む前回参議院選挙以降、立憲民主党執行部は、来たる衆議院選挙に「市民と野党の共闘」が勝利するための具体的アクションをほとんど何もしてこなかったという、情けなくも危機感欠如の「実績」があります。

加えて今回の新型コロナPANDEMICに対する緊急経済対策においても、さまざまな方面で苦しむ人たちがたくさん出てしまっているにもかかわらず、そうした方々を脇において、わずが10万円を全国民に配るという巨額現金バラマキ政策などを提唱しています。苦難の数多有権者・国民を無視して、効果の疑わしい政策に巨額の財源を浪費し、肝心なことに回すべき財源を失ってしまうという、まさに愚か極まる愚策です。こんな調子では、次回衆院選では再び大敗北となること必定です。目黒と静岡はその前兆だと見ておいて間違いありません。こんな「市民と野党の共闘」に無党派層や浮動層が投票するはずもないのです。

(関連)立民の支持率急落 維新が野党トップ 産経・FNN合同世論調査- SankeiBiz
 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200413/mca2004131558008-n1.htm

先般、サンケイ新聞の世論調査で、立憲民主党と日本維新の支持率が逆転し、日本維新が野党第1党に躍り出ています。立憲民主党の支持率は、何と3.7%まで下落してしまいました。これまでの同党の振る舞いを見ていれば「さもありなん」です。かつての社会党よりも、まだひどい状態です。枝野幸男・福山哲郎とそのトリマキの執行部諸君は、次回の衆院選がラストチャンスだとお考えいただかいないといけません。いつまでたっても政権がとれぬ野党第1党、そんなものは、今日のように政治が諸悪の根源となって日本を破壊しているような時代には「無用の長物」と言えるでしょう。演歌歌手の坂本冬美さんが
「いつまでたっても来ぬ人(政権取れぬ野党第1党)と、死んだ人とは同じこと」だと歌っています(私も冬美さんの大ファンの一人)。よく耳を澄ませて、虚心坦懐にてお聞きいただければと思います。

夜桜お七- 坂本冬美 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=1gSH1BK7lKw


4.東京新聞-「20メートルの津波」論文除外 内閣府 東通原発近くの砂丘-社会(TOKYO Web)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020042702000219.html

(関連)内閣府が津波20m痕跡論文除外 専門家は批判、東通原発周辺砂丘(共同通信) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/32c9845fbeb4c39676a64c1830e0a7590ba1f3ec

(自分たちに都合の悪い情報は見ない・無視する・隠蔽する・捻じ曲げる、かつての大日本帝国の昭和軍閥と現代日本の原子力ムラ・放射線ムラとは瓜二つのパフォーマンスです。「滅亡一直線」のこのふるまいが、やがて日本を破滅に陥れることになるでしょう。原発・核燃料サイクル施設は即時廃棄、それ以外に日本を破滅から救う方法はないのです。明日にでも、新型コロナPANDEMICで大騒動中の日本列島を大地震・大津波・巨大噴火が襲ってこないとも限りません。そうなれば、避難する場所もなく、新型コロナと放射能とに攻め立てられ、まさに阿鼻叫喚の地獄絵が現出します。想像するだけでも恐ろしい話です。念のために申し上げておきますが、電気は十分に足りています。:田中一郎)


5.東京新聞-日銀、国債購入の上限撤廃 追加緩和 社債買い入れ3倍-経済(TOKYO Web)
 https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020042790135813.html

(関連)日銀の国債購入 透ける限界 - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6358349

(田中一郎コメント)
 いつまでお粗末なことをやって日本経済や金融システムを破壊し続けるのかね、このバカどもは! 国債の大量買入れを中心にする量的金融緩和や超緩和などは、長期デフレ不況に苦しむ日本経済には何の役にも立っていないことは、20年以上にもわたる日本経済の過去を振り返れば明らかである。それどころか、その役にたたない金融政策を、黒田東彦(はるひこ)が日銀に来て以降は「異次元緩和」だの「黒田バズーガ」だのと言って、更に極端にやってきて、今般新型コロナPANDEMICを受けて、こんなバカバカしい政策を打ち出したというわけである。

市場原理主義アホダラ教という宗教の特徴の一つは、自分たちの政策や処方箋が実証的にダメだと明らかになっても、それを認めようとしないどころか、逆に、やり方が甘くて徹底していないからうまくいかないのだと「逆の方向」に曲解し、ますますダメ政策のアクセルを踏むという「アホダラ狂信」へとのめり込んでいく特徴がある。この黒田日銀もその類だ。一刻も早くやめさせること、それ以外にない。更迭が遅れれば遅れるだけ、黒田の後の金融政策の修復=所謂「出口政策」がますます苦しく困難なものになっていくだけである。

(関連)オルタナティブな日本を目指して(新ちょぼゼミバックナンバー)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-cddae1.html

(このサイトの下の方の経済政策をめぐるプレゼン報告をご覧ください)

(関連)【金子勝の言いたい放題】No10 アベ「大恐慌」に備えよ 20200403 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=tkOjN1da5dk

(関連)体育会系 日本を蝕む病-サンドラ・ヘフェリン/著(光文社新書)
 https://cutt.ly/NysxWFn

(おそらく市場原理主義アホダラ教信者やインフレターゲット論者(リフレ派)たちは、そのほとんどが「体育会系」ではないかと推察します。「根性出してやれば、何かがうまくいく、というもんじゃないのよね。ほとんどビョーキですよ、でなければ、根性モノの少年漫画の読みすぎです。:田中一郎)


6.汚れた桜 「桜を見る会」疑惑に迫った49日 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/yogoretasakura/?cx_cp=2020haru&cx_plc=bnr&cx_cls=mail_html04_v1

(この出鱈目・私物化政治も見逃すわけにはいきません。モリカケとともに徹底追及あるのみです。:田中一郎)


7.その他
(1)「安倍のために死ぬのはイヤだ」 失業者や学生が私邸にデモ - 伊達直人-4th
 https://cutt.ly/ZysZbnD
(2)「感染は自己責任」事業主に同意を求められた コロナ労働相談、半数が非正規 - 沖縄タイムス+
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/564882
(3)貿易黒字99%減の衝撃。新型コロナはこのまま日本経済を潰すのか - まぐまぐニュース!
 https://cutt.ly/fysZQBy
(4)池田清彦氏「辞めて」医療従事者への祀りあげに苦言 - 芸能 - 日刊スポーツ
 https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202004270000081.html
(5)精神論と戦力の逐次投入ばかり コロナ司令塔は誰なのか 能力がないなら首相を辞すべし(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
 http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/763.html
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新型コロナPANDEMICが我が国のみならず世界中で人間の経済活動を大きく縮小させ、今後かなりの長期にわたり大不況が来るのではないかとの予測がネットやマスコミ情報を通じて伝えられています。原油の先物取引相場がマイナスになるとか、米国のGDPが約40%縮小するとか、唖然とするような前代未聞の情報が既に出始めています。どうも今回の新型コロナPANDEMICと、その経済への影響は、一過性の軽いものでは終わらなさそうな気配です。

(関連)新型コロナ-米GDP、4~6月は40%減 議会予算局が予測下げ(写真=AP)日本経済新聞
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58503470V20C20A4000000/

(関連)NY商品 原油が初のマイナス価格に急落 損失覚悟の投げ売り 金は反発-日本経済新聞
 https://www.nikkei.com/article/DGXLASQ2INYPC_R20C20A4000000/

(関連)3月有効求人倍率は1.39倍 3年6か月ぶり低水準 失業率は0.1%悪化 - 毎日新聞
 https://cutt.ly/DysXaml

そんな中、日本の政府はまもなく新型コロナPANDEMICに対する緊急経済対策とそのための補正予算を国会で議決し、実施する算段のようです。しかし、この緊急経済対策の中身が実にひどく、先般来世の中を騒がせている、たった2枚の「アベノマスク」と相合わさって、ネット上などではアベ政権の緊急経済対策や新型コロナ対応について、厳しい批判が飛び交っています。数多の有権者・国民が新型コロナ不況で、失業したり収入を失ったりして苦しみ始めている時に、現アベ政権と日本政府はこの窮状にしっかりと手を差し伸べて支援しサポートする様子もなく、また、新型コロナPANDEMICを封じ込めるための病院や保健所などの仕事への支援、あるいはその大変な仕事に携わっている医師や看護婦・看護師に対する直接的な支援も不十分なまま、緊急対策を平々凡々と国会に提出してくる有様です。

そして、私が更に問題だと思っているのは、このアベ政権の緊急経済対策や新型コロナ対策について、これを批判する既成野党(これには残念ながら山本太郎「れいわ新選組」も含みます)や一部の市民運動・社会運動が、全国民に一律の現金配布をせよ(巨額の財源が必要になります:所謂ヘリコプターマネー)と強く押し出してみたり、政府が休業要請をする対象企業などの有限責任法人に対して同様に一律に現金を支給して補償せよなどと批判してみたりと、的外れで、財源をいたずらに失ってしまうだけの巨額の現金バラマキ政策を掲げていることです。しかし、アベ政権は、この巨額現金バラマキ政策を、自民党の一部の議員や公明党からの強いプッシュもあったために、しぶしぶながらも受入れ、閣議決定を経て国会に提出された緊急経済対策(補正予算案)の内容を一部変更するという、これもまた前代未聞の挙に出てしまっています。非常にまずい展開になっているのです。

強い危機感を持った私は、このメールも含めて、今後幾度かに渡り、緊急経済対策についての基本的な考え方を示し、新型コロナPANDEMICで現出した日本経済の危機的状況に対して、どのように対応していけばいいのかを少し丁寧に論じてみようかと思っています。1つのメールにあまりたくさんのことを書きますと、多くの方に読んでいただけなくなる可能性もありますので、テーマごとに小分けして、少しずつ申し上げます。どうかみなまさにも、ご覧いただけたら幸いと考えています。第1回目のこのメールでは、新型コロナPANDEMICで経済的困窮に陥れられた方々(個人(自然人)や有限責任法人)に対する経済対策の在り方の基本スタンスから始めたいと考えています。

(実は昨日(4/27)、水道橋のたんぽぽ舎において開催いたしました「新ちょぼゼミ」で、新型コロナPANDEMICに対する緊急経済対策の話をプレゼンさせていただきました。その報告は別途いたしますが、下記はその中の一部です)


 <別添PDFファイル>
(1)補正予算案25兆円、閣議決定 一律10万円計上、10万円給付 迅速重視(毎日 2020.4.21)
(2)新型コロナ:民間病院6月危機「資金底つく」(東京 2020.4.24他)
(3)コロナ 医療を守ろう:地域の病院 苦悩、負担重・経営難(東京 2020.4.28)
(4)保育士感染 非公表要望、横浜市 開園の継続も求める(東京 2020.4.15)
(5)学生困窮、「支援ないと退学か休学」(朝日 2020.4.24)
(6)野党「政権統治能力なし」コロナ補正予算、組み替え動議へ(毎日 2020.4.17)
(7)休業補償、家賃猶予、医療支援、野党 補正審議で要求へ(毎日 2020.4.24)
(8)新型コロナ:補正予算案審議入り、対策 医療より消費(東京 2020.4.28)
(9)10万円「5月の早い時期」首相 給付開始目標示す(朝日 2020.4.28)
(10)高齢者住宅 介護崩壊か、職員二十数人5人 入居29人要介護(朝日 2020.4.28)


1.今般の新型コロナ騒動が浮き上がらせた日本経済・社会の問題点
 新型コロナPANDEMICに対する緊急経済対策や、それに続く衆院選挙へ向けての「市民と野党の共闘」が掲げるべき経済政策は、今回の新型コロナ騒動が浮かび上がらせた下記のような日本経済・社会の問題点に対して、十分な財政的裏付けを持った諸制度の抜本改善・改革を伴いつつ、優先順位を決めて丁寧に対応していくものでなければなりません。しかしながら、今現在、既成野党や「市民と野党の共闘」が提唱しているものは、こうしたことに程遠い「一過性」で「その時限り」で、「国民受けのする人気取り政策」のようなものの域を出ておらず、それでいて巨額の現金バラマキが伴っているためもあって、財政負担は重いものとなっています。

こうしたことでは、いずれ「巻き返しが」やってきて「財政破たん懸念論」が再び台頭してくると、結局わずかばかりの現金が配られただけで、あとには何も残らない(自己責任で対応しろ)という、惨憺たる結果が待ち受けているように思えてなりません。日本経済は、市場原理主義者たちが言う意味とは別の意味で「構造改革」が強く望まれており、そのためには、下記のようなことが経済制度的にも社会的にも克服されていなければならないのです。言い換えれば、経済のために人間があるのではなく、人間のために経済があるということを、文字通り実現していく「政治軌道」に具体的政策で乗せる、そういう「オルタナティブな緊急経済対策」であり「選挙公約としての共通経済政策」でなくてはいけないのです。

(1)政府の危機管理体制が確立しておらず、危機対応能力があまりに低い、そもそも有権者・国民の健康・生命・財産のことを第一に考えていない。

(2)長く続く市場原理主義政策の結果、医療機関や保健所などの現場が疲弊し、具体的な実践対応機関が期待されるように動けなくなってしまっている。

(3)セイフティネットがボロボロである(少なくとも「生活保障制度」(生活保護)や「失業保険制度」を拡充する必要あり)。

(4)過度のグローバリズム迎合によりサプライチェーンが脆弱となり、海外で大きな経済変動が起きると、国内の供給態勢がマヒしてしまう。

(5)カジノ資本主義に振り回されている。


2.新型コロナPANDEMICなど経済激変時の支援政策の基本形(優先順に列記)
 上記を念頭に考えられる経済政策の具体的内容と、その優先順位が下記です。(1)が最重要で、それに(2)(3)(4)の順で重要度が続いていきます。現在、既成野党や「市民と野党の共闘」が掲げているコロナ対策には、(1)の部分がないという決定的におかしなことになっています。また(2)や(3)についても、わずかばかりの現金を中小零細企業に交付することが最重要であるかのようなムード(「政府が休業要請するなら補償しろ」という一見もっともな主張)が創り出され、バラマキ色の強い企業支援策となっています。しかし、そんなわずかな金額では、事業体である中小零細企業は救えないのです。

(1)個人生活保障(含フリーランスや個人自営業者)=生活保護を生活保障制度へ
(2)雇用の維持・確保(①(改正後)雇用調整助成金、②公共機関の雇用大幅拡大(地方振興公社他)、③失業保険拡充)
(3)企業や事業の維持継続(有限責任法人:フリーランスや個人自営業者を除く)    
  様々な支払債務(*)のジャンプ(1年間期限延長)+政府系金融機関などによるバックファイナンス
  無利息貸出金(つなぎ&超長期+審査/担保)、
  雇用調整助成金(内容拡充、休業補償の義務化、直接公布他)
(4)景気回復・経済活性化
(*)「様々な支払債務」=税金、社会保険料、各種公的負担金、家賃・地代、水光熱費、金融機関借入、手形小切手、大企業からの債務など
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「必要な人に必要なだけ給付」の原則を現状の生活保護制度抜本改正を伴いつつ実施、現場主義の徹底
支給する行政側の体制整備と人員大幅増(例:ケースワーカー、労働基準監督官、オマワリ減らせ)
危機の時代こそ「世直し」「制度の抜本改革」をする時=市民運動・社会運動は今こそ行動を!
絶対にやってはいけないこと=バラマキ(ヘリコプターマネーやBI等)、利権化・私物化、支援・支給の遅延、選挙対策優先


(田中一郎コメント)
 現状がどうなっているかというと、

(1)個人生活保障(含フリーランスや自営業者)がどこかへ吹き飛び(野党側の対案の中にもない)、コロナで経済的に困窮する個人への救済があまりに薄すぎるにもかかわらず、全国民にわずかばかりの現金一律支給などという愚かなことをするので巨額の財源が必要になってきている。

(関連)キャバクラに休業補償するのがいいのか、それともキャバクラ嬢個人を生活保障するのがいいのか
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 4/25の「討論集会」で議論しました。私からは、キャバクラ(という経営体に対して)休業補償で支援するよりも、そこで働くキャバクラ嬢個人に対して公的資金で生活保障をし、その上で、彼女を公的機関が正規職員として採用して、公共サービスの仕事をしっかりやっていただく方が、彼女にとってもずっとずっといいのではないか? つまり、キャバクラ支援で現金を風俗営業経営体にバラマクのではなく、そこで働く人を直接、生活保障した方がいい。
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(2)及び(3)有限責任法人の中小零細企業に対しては、わずかばかりの現金(上限200万円:名目は補償金だが内実は見舞一時金)をバラまくことに専念して、上記で申し上げている3つの柱の政策の中身が薄い=中小零細企業の救済にならない。

(4)外出自粛を要請している段階であるにもかかわらず、たとえばツーリズム振興のためのクーポン券交付など、「景気回復・経済活性化」対策が紛れ込み、当面の政府の新型コロナ感染防止対策(外出・旅行・帰省などの自粛)と矛盾して、危機感の欠如するものになっている。しかし、その金額たるや1兆8千億円超と巨額で、今緊急に必要な医療現場への支援など、肝心かなめの予算金額を上回るものになっている。明らかにおかしい( 来たる衆院選挙の選挙対策として優先したと考えられる)。

(5)経済対策の現場となる基礎自治体への支援予算が乏しい。窓口対応を強化するためにも、苦しい方々をしっかりとフォローするためにも、公共サービスを担っていける公務員の大量採用が必要なことは言うまでもない。しかし、自治体向けの臨時交付金などは、愚かにも一過性の現金バラマキに使われようとしている。(1兆円では全然たりないなどと、野党は政府に「もっと出せ」と迫っている。問題はその使われ方だ)

(6)絶対にやっていはいけないことに、①利権化・私物化、②支援・支給の遅延、③選挙対策優先、があるが、たとえば①私物化・利権化は、既に皆様ご承知の通り、「アベノマスク」でさっそく発覚しているような状態である。他の2つについても、既に批判が出始めている。アベ政権よ、もういい加減にしろよ、という話である。

(関連)あんくるトム工房 アベノマスクで見えてきたこと
 https://uncletom71.blog.fc2.com/blog-entry-108.html

(7)「必要な人に必要なだけ給付」の原則を、現状の生活保護制度の抜本改正を伴いつつ実施することや、その際には「現場主義を徹底」するという危機対応の原則がないがしろにされてしまっている。これでは、巨大な財源を使う割には効果が薄く、近未来において、肝心かなめの改革や改善をするための財源を枯渇させてしまう愚策に終わってしまいそうである。大きな財源が必要なところは、たとえば、医療や検査・公衆衛生はもちろんとして、保育・教育・学生支援、介護(老人・障害者)、生活保障、社会福祉、失業・労災保険拡充、健保支援、失業者の公的機関による大量採用と公共サービスの拡充、地域経済回復再生、基礎自治体の体制整備などなど、たくさんあって、こうした新型コロナPANDEMIC対策以外についても、たとえば老朽化した上下水道や橋梁・トンネル・生活道路の修復など、まだまだ巨額の予算を求めるものも多いのである。そんなときに、愚かにもヘリコプターマネー政策で10~30万円をのべつくまなくバラマク巨額現金拡散政策などは、まさに愚の骨頂と言わざるを得ない。そんなことをしている余裕は今の日本にはないのである。


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*(別添PDFファイル)補正予算案25兆円、閣議決定 一律10万円計上、10万円給付 迅速重視(毎日 2020.4.21)
 https://mainichi.jp/articles/20200421/ddm/001/040/098000c

(アベ政権の緊急経済対策(修正後)の全体像です)

(別添PDFファイル)新型コロナ:民間病院6月危機「資金底つく」(東京 2020.4.24他)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020042402000166.html
*(別添PDFファイル)コロナ 医療を守ろう:地域の病院 苦悩、負担重・経営難(東京 2020.4.28)
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(医療現場・検査現場への現金支援、資材支援、人的支援が、絶対的に足りない、このままでは医療崩壊する)

(別添PDFファイル)保育士感染 非公表要望、横浜市 開園の継続も求める(東京 2020.4.15)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020041502000285.html

(記者会見では屁理屈を言って居直るなど、横浜市の態度は許せないが、しかし、こうしたことの背景には保育士の絶対的不足問題がある)

(別添PDFファイル)学生困窮、「支援ないと退学か休学」(朝日 2020.4.24)
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14453741.html

(日本の将来を担っていく若者たちを、この国は、この国の政府は、どうして大切にしないのか? 没落したいのか!?)

(関連)東京新聞-<新型コロナ>学費減額運動 100大学に拡大「生活苦しい…授業受けられない学生いる」-社会(TOKYO Web)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020042702000124.html

*(別添PDFファイル)野党「政権統治能力なし」コロナ補正予算、組み替え動議へ(毎日 2020.4.17)
 https://mainichi.jp/articles/20200417/ddm/005/040/073000c

*(別添PDFファイル)休業補償、家賃猶予、医療支援、野党 補正審議で要求へ(毎日 2020.4.24)
 https://mainichi.jp/articles/20200424/ddm/005/040/057000c

(野党対案の中には個人に対する生活保障はどこにもない。あるのは人気取り目的の巨額現金バラマキ策、しかもその現金は1人当たり・1社あたりにするとごくわずかで、ほとんど何の役にも立たない。これでは「政権統治能力なし」は政府与党だけでなく野党も同じだ。)

(別添PDFファイル)新型コロナ:補正予算案審議入り、対策 医療より消費(東京 2020.4.28)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020042802000132.html

(東京新聞は、今般の政府の補正予算案に対して「医療より消費を優先した対策に見える」とコメントしています。その通りです)

(別添PDFファイル)10万円「5月の早い時期」首相 給付開始目標示す(朝日 2020.4.28)
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14458593.html

*(別添PDFファイル)高齢者住宅 介護崩壊か、職員二十数人5人 入居29人要介護(朝日 2020.4.28)
 https://www.asahi.com/articles/ASN4W7FJVN4WIIPE02R.html

(保育や介護や教育などの分野は、医療や公衆衛生と並んで人手不足や体制脆弱で新型コロナへの対応に苦慮しており、十分な財政支出を含む政府支援が必要です。10万円の巨額現金バラマキなどをしている財政的余裕はないはずです)


 <関連サイト>
(1)東京新聞-学童保育 64%が利用自粛要請 新型コロナ拡大で 85市区調査 (TOKYO Web)
 https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020042601001561.html
(2)知的障害者施設、集団感染の現場はいま「常に緊張感」:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASN4V6WL6N4VUTIL00X.html?ref=hiru_mail_topix2_6
(3)医系技官がPCR検査抑制の元凶(ニュースソクラ) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/6ba4761430de8a93e855f040350042b3ec2c19db
(4)ごみ袋の防護服 緊迫の介助 千葉の障害者施設 集団感染との闘い 新型コロナ 朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/DA3S14456875.html?ref=mor_mail_newspaper
(5)新型コロナでついに勃発!「世界同時多発食料危機」が自給率4割の日本を襲う=柴田明夫(資源・食糧問題研究所)【週刊エコノミストOnline】(mainichibooks.com) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200425-00000002-economist-bus_all

(6)ごみ収集車、昼になっても来ない 集積所からあふれる袋 [新型コロナ]:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASN4V67GZN4VPPTB001.html?ref=hiru_mail_topix2_6
(7)【新型コロナ】休業要請で打撃を受ける雇用と生活 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2496
(8)「私が感染して入院したら子どもは・・・」シングルマザーの切実すぎる不安-新型コロナ沖縄の今-沖縄タイムス+
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/564697
(9)西村担当相PCR検査に批判続出 「要人だから」「ずるい」(時事通信) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200427-00000068-jij-pol
(10)タクシー運転手600人解雇…会社も従業員も法の無知は大損のもと【「表と裏」の法律知識】(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-00000015-nkgendai-life

*PCR検査をしなかったことが感染の蔓延を招いたのは明らか! 緊急事態宣言の全国拡大は不適切で無責任! ~ 4.21 岩上安身によるインタビュー 第990回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長上昌広医師 第3弾 - IWJ Independent Web Journal
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/473266
草々 

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