(報告)(3.4)「子ども脱被ばく裁判」傍聴記(2)山下俊一長崎大学教授証人尋問:福島原発事故後の言動の非科学性と誤りを認めたものの口先だけ、放射線被曝の危険性をゴマカス姿勢に変化なし
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(4.25)(番外編)オルタナティブな日本をめざして:「討論集会:次期衆院選へ向けた経済政策と当面する緊急経済対策について」(ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-9055b7.html
(関連)安倍首相「長期戦の覚悟を」「気を緩めれば急拡大」「現金給付行う」 新型コロナで記者会見 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200328/k00/00m/010/133000c?cx_fm=mailsokuho&cx_ml=article
(関連)次期衆議院選挙へ向けての「市民と野党の共闘」の総合政策と、当面する緊急経済対策について(その2):新型コロナウィルスPANDEMICによる景気停滞に対する緊急経済対策について- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-9167d6.html
2.Change.org賛同署名「私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!」
https://bit.ly/2UJG8n8
(関連)森友問題、自殺した財務省職員の妻がオンライン署名立ち上げ 1日で9万人以上の賛同者が集まる(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200328-00010000-huffpost-soci
3.NNNドキュメント「津波と金魚」 0510 202003230125 - 動画 Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x7svli4
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今月は福島第1原発事故からちょうど9年が経過した月です。これからいよいよ10年目に入ります。事故前=つまり事故を引き起こした最大の責任者・犯罪人は東京電力とその幹部たちですが、他方で、事故後における無用の被ばくを福島県民をはじめとした原発震災の被害者の方々に蔓延させた最大の責任者・犯罪者といえば、この人物=山下俊一(長崎大学教授・福島県立医大副学長・元福島県放射線健康リスク管理アドバイザー・元「福島県民健康管理調査検討委員会」座長など:「だました俊一」というニックネームが一般的に広がっています)ではないでしょうか。その彼が「子ども脱被ばく裁判」という、原発事故後の国や福島県や関係市町村の対応のひどさ、あるいは子ども教育の安全対策・放射線被曝防護の在り方を問う行政裁判の証人として招かれ尋問を受けたことの報告(傍聴報告)を、以下、簡単にさせていただきたいと思います。(なお、「子ども脱被ばく裁判」では、山下俊一の証人尋問の前=2020年2月に鈴木眞一福島県立医科大学教授の証人尋問も行われており、その報告については下記をご覧ください)
(関連)(報告)(2.14)「子ども脱被ばく裁判」傍聴記(1)鈴木眞一福島医大教授証人尋問:隠して隠して隠して、逃げて逃げて逃げて、あとはつまらないおしゃべりに終始した鈴木眞一教授、ウソらしき発言もチラホラの誠意なき証言- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-dfa2fc.html
「10年ひと昔」といいますが、福島第1原発事故のすさまじいまでの被害は、およそ10年たった今でも当時とほとんど変わるところがなく、事故原発の福島第1原発自体もすさまじい放射能汚染でほとんど手が付けられず、依然として大量の放射能を空と海に垂れ流し続けています。復興五輪だの福島の再生だのと、原子力ムラ代理店業務に忙しい政府や福島県、あるいは東京電力は、できもせぬ事故原発廃炉や除染に巨額の税金を湯水のように使い、ハコモノ建設や浮かれたイベントに精を出していますが、他方では、原発被害を受けて無用の被ばくを強いられた人たちに対しては、まともな賠償も補償もせず、放射能で危険なまでに汚染された地域へ戻って来いと、経済的な苦境に追い込んで被害者を鞭打ちながら帰還強制政策を取り続けています。まさに犯罪企業、犯罪国家、犯罪自治体の「犯罪三者連合」による福島第1原発事故後の被害者人権冒涜政策が猛威を振るっているのです。許しがたい事態という他ありません。
私は東京に居住していますが(2011年も東京にいましたが事故直後は大阪に避難しました)、当時を振り返って思い出してみるに、私もまた、福島第1原発事故の被害者の端くれであり、偶然がなせる業で甚大な被害はかろうじて逃れましたけれど、加害者・東京電力や事故責任者・国は絶対に許せないなと今でも思っている一人です。被害者は力を合わせる必要があります。私は事故後まもなくの頃から「福島原発事故損害賠償1000万人訴訟」を訴えていますが、とにもかくにも、最低限、今提起されている様々な訴訟において、被告の東京電力や国や自治体やその他の関係団体・個人を有罪に追い込み、責任を明らかにして、しかるべき償いと賠償をさせ、相応の刑罰に処していくことが、原発過酷事故再発防止のためにも重要であると考えています。
以下、私の乏しい記憶力と説明力に依存した、お粗末な裁判傍聴記をお送り申し上げます。みなさまにご覧いただければ幸いです。
1.(最初に)「子ども脱被ばく裁判」とは
http://datsuhibaku.blogspot.com/
2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所事故は、4年が経過する今も放射性物質を放出し続け、収束の目途すら立っていません。「低線量の放射線に長期間にわたり継続的に曝されることによって、その生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧される」(2013年4月24日仙台高等裁判所判決文抜粋)と司法も認めているように、子どもたちの健やかな成長が脅かされています。
福島で子育てをする私たちは、「子どもたちに被ばくの心配のない環境で教育を受ける権利が保障されていることの確認」(子ども人権裁判)をそれぞれが居住する自治体(福島市、川俣町、伊達市、田村市、郡山市、いわき市、会津若松市)に求めるとともに、事故後、県外に避難した人たちとも力を合わせて、国と福島県に対し、「原発事故後、子どもたちに被ばくを避ける措置を怠り、無用な被ばくをさせた責任」(親子裁判)を追及するために、2014年8月29日福島地方裁判所に提訴しました。
原告(延べ人数)
子ども人権裁判 35名
第一次提訴 23名
第二次提訴 12名
親子裁判 166名
第一次提訴 84名
第二次提訴 82名
(2015年1月14日現在)
2.山下俊一プロフィール(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E4%BF%8A%E4%B8%80
(田中一郎コメント)
今回は詳しくは申し上げられませんが、重松逸三(故人:放影研)⇒長瀧重信(故人:長崎大)⇒山下俊一(長崎大)⇒高村昇(長崎大)の「放射線被曝の危険性矮小化・歪曲人脈=放射線ムラ中枢神経系」としてのインチキ系譜とその犯罪性はご記憶いただいた方がいいと思います。重松逸三・長瀧重信・山下俊一はチェルノブイリ原発事故の際にも複数回にわたり現地に入って、その放射線被曝被害を調査し詳細を知っている人物たちですから、彼らの福島第1原発事故後における言動は許されるものではありません(死去直前だった重松逸三については福島第1原発事故後の目立った動きは記憶にない)。(各人の履歴はウィキペディアを検索してご覧ください)
3.山下俊一トンデモ講演録画・発言記録(抜粋)
最初に証人・山下俊一の原発事故直後における福島県その他での言動の記録を若干ばかり見ておきましょう。全くひどいものです。突然降って湧いたような福島第1原発過酷事故と放射能汚染に向き合わされた福島県民やその周辺県の人たちは、もちろん放射能や被ばくについて詳しい知識などありませんでした。その無知につけ込んで、デタラメ八百をふれて回り、人々の放射能や被ばくへの警戒感を無用に緩めてしまい、多くの人々に無用の被ばくを強いたのです。特に子どもたちの被ばくは心配で、既に福島県だけでも230人近い子どもたちに甲状腺ガンの多発が発見されています(山下俊一は講演の中で、子どもたちは外で自由に遊んでいいです、マスクなどもしなくていいです、などと言い放っていた)。
(関連)(速報)第37回「福島県民健康調査検討委員会」(2020年2月13日)結果:相変わらず「経過観察」その他で「甲状腺ガン」疑いの子どもたちがたくさんいる中、その子どもたちがどうなったか不明のまま=甲状腺ガン発症数把握をサボタージュ- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-799a60.html
今後、時間が経過するにつれて、重篤な初期被ばくにさらされたのみならず、居住環境で引き続き放射能汚染・恒常的な被ばく(外部被曝・内部被曝)にさらされ続ける広範囲な地域住民には、子どもたちだけでなく、若者や大人たちも含めて多くの人たちに深刻な健康被害が発現してくる可能性が高いと思われますが、そうした原因をつくった最大の責任者・犯罪者が、この山下俊一です。放射線被曝には安全値や閾値などはありませんから、被ばく線量が少なければ、健康障害が出るまでの時間が長くなるだけで(つまり晩発性となる)、健康被害を逃れるということではないのです(自覚症状があるかないかの差と言っていいでしょう。健康障害はガンや白血病だけでなく、あらゆる病気や疾患、機能不全の可能性があります。恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)は非常に恐ろしいものだとお考えいただければと思います)。そして、放射線被曝による健康障害は、遺伝子およびそれを発現させるメカニズムを通じて子どもや孫や、そのずっとずっと子孫にまでも遺伝していくことになります(隔世遺伝を含む)。そして放射線被曝による健康障害には治療方法はないのです。
もちろん、かような人物を「放射線健康リスク管理アドバイザー」として採用し活動させた政府や福島県や関係者たちも同罪です。原発を含む原子力・核の利用推進は、常にその放射能による被ばく被害者を切り捨てることによってなされてきました。今回もまた、その「邪悪の過去」が繰り返されていると言っていいと思われます。フクシマはこのままでは「第二のミナマタ」とされてしまうでしょう。
*(重要)(別添PDFファイル)特集 告発された医師:山下俊一教授 その発言記録(一部・資料)(『DAYS JAPAN 2012.10』)
ダウンロード - e5918ae799bae38195e3828ce3819fe58cbbe5b8abefbc9ae5b1b1e4b88be4bf8ae4b880e69599e68e88e3819de381aee799bae8a880e8a898e98cb2efbc88e3808edays20japan202012.10e3808fefbc89.pdf
(1)山下俊一氏、福島テルサでの講演 (2011年3月21日) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YkCpdkEDIS0&list=ULNaIfgt-YJnA&index=175
(関連)(別添PDFファイル)山下俊一氏「原発事故直後の福島市での講演」福島テルサ(2011.3.21)録画文字起こし
ダウンロード - e3808ce58e9fe799bae4ba8be69585e79bb4e5be8ce381aee7a68fe5b3b6e5b882e381a7e381aee8ac9be6bc94e3808de7a68fe5b3b6e38386e383abe382b5efbc882011.3.21efbc89e69687e5ad97e8b5b7e38193e38197.pdf
(2)山下俊一氏、福島テルサ質疑応答(2011年3月21日) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=M40OX4TXh8c
(関連)(別添PDFファイル)山下俊一氏「福島市での講演後の市民との質疑応答」福島テルサ(2011.3.21)録画文字起こし
ダウンロード - e3808ce7a68fe5b3b6e5b882e381a7e381aee8ac9be6bc94e5be8ce381aee5b882e6b091e381a8e381aee8b3aae79691e5bf9ce7ad94e3808de7a68fe5b3b6e38386e383abe382b5efbc882011.3.21efbc89e69687e5ad97e8b5b7e38193e38197.pdf
(3)山下俊一トンデモ発言 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=PuwFrNEgDTg
(4)山下俊一トンデモ発言2 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4IONccqQ1zA
(5)山下俊一氏講演(5月3日・二本松市)【前半/講演】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=7364GahFWKI
(6)山下俊一氏講演(5月3日・二本松市)【後半/質疑】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ZlypvPRl6AY
(7)山下俊一氏講演会(4月17日・伊達市)【前半】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9q9kaIIpSpw
(8)山下俊一氏講演会(4月17日・伊達市)【後半・質疑応答】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kTF2gCugInc
(9)山下俊一「責任の取りようがない」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Tj3oiukC8HA
(10)山下・長崎大教授「深刻な可能性」見解記録 震災後「放射線ニコニコしている人に影響ない」 - 東京新聞 - 瀬戸の風
https://lituum.exblog.jp/29230888/
4.貴重な報道から(機能しないマスごみ報道=裁判を無視か? 朝日新聞青木さんが嫌がらせ人事?)
(1)Our PlanetーTV:ニコニコ発言「緊張解くため」〜山下俊一氏が9年前の発言釈明
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2478
(2)(別添PDFファイル)東京新聞「こちら特報部」(榊原崇仁さん)山下氏 福島の原発関連訴訟出廷「緊張を解く話をした」「ニコニコ」発言謝罪(東京 2020.3.9)
ダウンロード - e5b1b1e4b88be6b08f20e7a68fe5b3b6e381aee58e9fe799bae996a2e980a3e8a8b4e8a89fe587bae5bbb720e799bae8a880e8ac9de7bdaaefbc88e69db1e4baac202020.3.9efbc89.pdf
5.「子ども脱被ばく裁判」弁護団長・井戸謙一氏コメント
*(別添PDFファイル)子ども脱被ばく裁判第26回口頭弁論期日報告(訂正後)(井戸謙一 2020.3)
ダウンロード - e5ad90e381a9e38282e884b1e8a2abe381b0e3818fe8a381e588a4e7acac26e59b9ee58fa3e9a0ade5bc81e8ab96e69c9fe697a5e5a0b1e5918aefbc88e8a882e6ada3e5be8ce383bbe4ba95e688b8e8ac99e4b88020efbc89.pdf
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2,020年3月7日 弁護団長:井戸謙一
子ども脱被ばく裁判第26回口頭弁論期日のご報告
さる3月4日、山下俊一氏の証人尋問が行われ、この裁判の終盤の大きな山を越えました。弁護団としては、万全の準備をして臨んだつもりでしたが、振り返れば反省点が多々あります。しかし、獲得した成果も大きかったと考えています。
山下氏は、尋問前に提出書面で、自分が福島県民に対してしたのは「クライシスコミュニケーション」であり、住民のパニックを抑えるためには、わかりやすい説明が必要だったのだと正当化していました。しかし、いくら緊急時であっても、住民に嘘を言ったり、意図的に誤解を誘発することが正当化されるいわれはありません。私たちは、山下氏がした具体的な発言の問題点を暴露することに重点を置きました。
山下氏は、福島県内の講演では、ゆっくりと余裕を感じさせる話しぶりでしたが、法廷では、語尾が早口で消え入るように小さな声になり、緊張感が窺えました。尋問によって山下氏に認めさせることができた主な点は、次のとおりです。
(1)100ミリシーベルト以下では健康リスクが「ない」のではなく、正しくは「証明されていない」であること
(2)国際的に権威ある団体が100ミリシーベルト以下の被ばくによる健康影響を肯定しているのに、そのことを説明しなかったこと
(3)「年100ミリシーベルト以下では健康被害はない」との発言は、単年だけの100ミリシーベルトを前提としており、連年100ミリシーベルトずつの被ばくをする場合は想定していなかったが、住民には、連年100ミリシーベルトずつの被ばくも健康被害がないとの誤解を与えたこと
(4)「1ミリシーベルトの被ばくをすれば、遺伝子が1つ傷つく」と話したのは誤解を招く表現だったこと、すなわち、実効線量1ミリシーベルトの被ばくをすれば、遺伝子が1つの細胞の1か所で傷がつき、人の身体は37兆個の細胞でできているから、全身で遺伝子が37兆個所で傷つくことになるから、自分の発言は、37兆分の1の過小評価を招く表現だったこと
(5)子どもを外で遊ばせたり、マスクをするなと言ったのは、リスクとベネフィットを考えた上のことだったこと(すなわち、子どもを外で遊ばせたり、マスクをしないことにはリスクがあったこと)
(6)水道水にはセシウムが全く検出されないと述べたのは誤りだったこと
(7)福島県民健康調査で福島事故後に生まれた子供に対しても甲状腺検査をすれば、多数見つかっている小児甲状腺がんと被ばくとの因果関係がわかること
(8)鈴木眞一氏がいうように、福島県民健康調査で見つかり摘出手術をした小児甲状腺がんには、手術の必要がなかったケースは存在しないこと、
被ばく医療の専門家が住民に対してこれだけ多数の虚偽の説明をした目的は何だったのか、山下氏を利用した国や福島県の意図はどこにあったのか、今後、これらを解明していかなければなりません。弁護団は、これから最終準備書面の準備にかかります。裁判は、次回の7月28日午後1時30分からの弁論期日で結審します。年内か年明けには判決が言い渡される見通しです。最後までご支援をお願いします。
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(福島地裁の裁判官達の誤った訴訟指揮のおかげで証人尋問の時間が限られてしまったため、時間切れで多くの「山下俊一だました発言」の真相が明らかにされないままに法廷が終了してしまいました。当日、山下俊一は、明らかにおかしい発言については、蚊の鳴くような声で「間違いでした」と証言しましたが、しかし、現在の放射線被曝状況に関係する重要事項については、子ども甲状腺ガンを含めて、その歪んだ解釈や捻じ曲げた主義主張を否定することはありませんでした。相も変わらず、放射線被曝の危険性をゴマカシ、過小評価し、歪曲する姿勢に変わりはありません。原告弁護団とのやり取りを聞きながら、こういう似非科学者・御用学者は許せないなと、改めて思った次第です。
それにしても、真実解明のために全力を尽くさなければならない裁判で、こうして真実解明の機会を裁判官がつぶしてしまうという出鱈目をしているのですから、この国の司法の在り方も情けないほどに不正義・反社会的であることも改めて目の当たりにいたしました。判決はこれからですが、万が一ロクでもない判決を出すようなら、その裁判長・裁判官も、いずれ我々が弾劾裁判にかけ、その罪を裁かなければいけないと考えています。社会正義や基本的人権を守るという使命を忘れ、時の支配権力や行政に追随するだけの裁判所・ヒラメ裁判官は必要ありませんし、また、民主主義社会ではその存在を許してはならないのです。:田中一郎)
6.私から見た山下俊一証人尋問結果のポイント
私が傍聴していて、細かいところはともかくとして、重要な証言だと思った点は、簡単に箇条書きをすると下記の5点になります。申し上げるまでもなく、これらを評価するに際して重要なことは(裁判上も重要)、山下俊一が「福島県放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命され、事故直後においては福島県内の放射能と被ばくの問題の(国や福島県が認めた)「第一人者」「トップリーダー」としてふるまっていたことです。その言動が出鱈目であったことは、当然ながら県民や地域住民の健康に重大な影響を及ぼしていたのであり、また、こういう人物を「アドバイザー」に選び、かつその後の出鱈目な言動にもかかわらず「アドバイザー」を続けさせていたことは、国や福島県もまた山下俊一と同罪であることを意味しています。
(1)ポイント1 福島原発事故後の言動の非科学性と誤りを認めた
(2)ポイント2 過剰診療・治療はなかった(適切な手術と治療)、過剰診断もない
(3)ポイント3 子ども甲状腺ガンはスクリーニング効果=多発を否定
(4)ポイント4 放射線被曝の危険性をゴマカス姿勢に変化なし
(5)ポイント5 福島原発事故以降に生まれた子どもたちの甲状腺ガン発生状況を調べれば、甲状腺ガンの多発が放射能の影響かどうかがわかることは認めているのに(チェルノブイリ原発事故の教訓)、福島原発事故では屁理屈を並べて、その検査を実施しようとしない
(1)ポイント1 福島原発事故後の言動の非科学性と誤りを認めた
上記に井戸謙一弁護士の「まとめ」をご紹介しておきましたが、それ以外にも山のようにある「出鱈目放言」を追いかけていくと1冊の本ができるくらいです。実際、下記のような山下俊一の著書もあり、そこには放射線被曝の危険性を歪曲・矮小化することがワンサと書かれています。あえてここに列記するまでもないでしょうが、一種の「悪徳似非科学者」の「虚言(えそらごと)」記念碑として井戸謙一弁護士が言及していないことも少し書き出してみましょう。
*「100mSv以下では健康への影響はありません、全く心配はいりません」
*「子どもたちは外で自由に遊んでいいです、マスクなどもしなくていいです」
*「放射能はニコニコしている人には来ません、クヨクヨしてる人には来ます! 動物実験で 証明されてるそうです」
*「あちこちで正反対のことを言っていたのは、一般人向けと医師向けとを使い分けていたからだ」
* 100mSv以下安全論はその後修正されて福島県庁のHPにこっそりと掲載されたが、その日付が遡って記載され、あたかも早い段階で修正したかのように偽装されていた(福島県庁もまた、放射能や被ばくの危険性をゴマカス一味であった)⇒ 詳細は知らないとトボケル(県庁のHPくらい見とけ!)
*(飯館村では避難の必要性に言及しないまま)「マイクロシーベルトのレベルは心配ない」⇒ その結果、飯館村民が福島県内最大の初期被爆者となる
* ICRPのLNT仮説や米国BEIR報告などは当然知っていて、低線量被曝の危険性も承知していたが「100mSv以下は安全」論を展開した
* チェルノブイリ原発事故の経験から子どもたちの甲状腺疾患(ガンなど)が非常に懸念されると裏方では言いながら、講演では「心配ない」と放言した
* 事故直後なのに「安定ヨウ素剤の服用は必要ない」「小児甲状腺ガンが深刻な状況になる可能性は考えられない」
* 水道水の放射能汚染が懸念される中、川内村の水道水について農薬汚染を調べ、検出なしだったので「心配ない」と公表
*「空気中の放射性物質が体内に入るのは1/10、建物の中にいれば被ばく量は野外の1/10、結局、空間線量の1/10 × 1/10=1/100」(アホか!)
*「SPEEDIは見ていません」(オフサイトセンターにあったでしょ⇒)知りません」(これでアドバイザーなの???)
*「リスクコミュニケーション」(リスコミ⇒スリコミと言われている)は通常時のこと、緊急時は「クライシスコミュニケーション」(クラコミ)ということで対応した(クラコミなので嘘八百でもいいから被災者を安心させることが目的)(⇒ 聞いていて頭がクラクラするからクラコミ)
* いわゆるホットパーティクル(セシウムボール)の超危険性を認めない
(嘘八百の参考事例)正しく怖がる放射能の話 100の疑問「Q&A」長崎から答えます-山下俊一/監修(長崎文献ブックレット)
https://cutt.ly/1tEW6sN
(2)ポイント2 過剰診療・治療はなかった(適切な手術と治療)、過剰診断もない
2/14の鈴木眞一福島県立医科大学教授の証言や「福島県民健康調査検討委員会」で説明されたことと同様に「過剰診療・治療はなかった(適切な手術と治療)、過剰診断もない」と、はっきりと証言した。当たり前といえば当たり前だが、にもかかわらず、現在の「福島県民健康調査検討委員会」では、依然として、このバカバカしい「過剰診断・環状診療(治療)」説を巡って御用学者や御用人間どもによる小田原評定が続いている。その目的は「子ども甲状腺検査」をつぶすか(子ども甲状腺ガン多発を見えなくする)、受診者の数を少なくして「福島県民健康調査」から判明する子ども甲状腺ガンの数字が「統計学的に無意味・有意でない」に追い込むことにある。ふざけた話である。しかし、愚かな一部の福島県民は、このバカバカしい話に乗って検査を受けなくなってきている。原発安全神話でだまされてひどい目にあい、今度は放射能安全神話と甲状腺検査不要神話にだまされようとしているということだ。
(3)ポイント3 子ども甲状腺ガンはスクリーニング効果=多発を否定
山下俊一もまた鈴木眞一と同様に、福島県における子ども甲状腺ガンの多発を否定し、スクリーニング効果が原因であると証言した。つまり、たくさんの子どもたちを一斉にたくさん調べたから、たくさん見つかったに過ぎない、というわけである。しかし、スクリーニング効果では第1巡目でほとんどのガンが見つかるので、2巡目以降はゼロに近い数字にならなければならないが、事実はそうなっていない。また、スクリーニングで説明できるのは、通常は一般時の数倍程度の話なので、「福島県民健康調査」で見つかっている子ども甲状腺ガンが一般時の数十倍・数百倍という数字で、しかも「経過観察」の子どもたちや「福島県民健康調査」を受診していない子どもたちの甲状腺ガンが捕捉されていない中、スクリーニング効果による説明などはあり得ない話である。
それを承知で強弁をしているということは、福島県内で多発している子ども甲状腺ガンは福島第1原発事故の放射能とは一切関係がない、というあらかじめ決めてある結論に屁理屈をつけて言い張っているということを意味している。だからこそ、その嘘八百がバレるかもしれない「福島原発事故後に生まれた子どもたちの検査」や「日本の福島から遠く離れた他の地域での子ども甲状腺検査の一斉実施(学校の健康診断でやればいい)」などの実施をことごとく拒否しているのである。福島第1原発事故後においても、原発を含む原子力・核の利用推進は、被ばく被害者を踏みにじり、切り捨てながら進められるという「原子力・核推進の第1法則」が貫徹している。
(4)ポイント4 放射線被曝の危険性をゴマカス姿勢に変化なし
100mSv未満の健康被害はたいしたことはない(「ない」とまでは言わない)=他の要因による健康被害と区別がつかない、という嘘八百から始まって、山下俊一の放射線被曝の危険性の歪曲・矮小化は、依然として変わらない。福島県の子どもたちに多発している甲状腺ガンに対する見解や、今現在注目されているホット・パーティクル(セシウム・ボール)の危険性についてもきちんと答えない、などがその典型事例である。そもそもが国際放射線防護委員会(ICRP)の学説自体がインチキであり、特に内部被曝に関しての過小評価には、科学的実証性は全くと言っていいほどない。そもそも、被ばく線量を臓器全体・体全体で平均化してしまい、内部被曝がもつ極所被曝の危険性や電離作用による活性酸素生成の危険性など、様々な点で危険な内部被曝を、ほとんど「たいしたことはない」と無視軽視しているところに最大の誤謬がある。山下俊一はそうしたことを熟知しながらも放射線被曝の危険性を歪曲・矮小化する、いわば故意・悪意の知能犯とでも言えるだろう。聞くところによれば、山下俊一は福島県内の講演で、「御国が緊急事態にあるのだから日本人として私は国の指示や方針に従う(その内容がどんなものであろうとも)」と放言したそうである。山下俊一は生まれてくる時代を間違ったのではないか。タイムマシンに乗り、戦前の大日本帝国へ先祖返りすればいい。
(関連)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか?- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html
(5)ポイント5 福島原発事故以降に生まれた子どもたちの甲状腺ガン発生状況を調べれば、甲状腺ガンの多発が放射能の影響かどうかがわかることは認めているのに(チェルノブイリ原発事故の教訓)、福島原発事故では屁理屈を並べて、その検査を実施しようとしない
特に説明は不要。「福島県民健康調査検討委員会」は何をしているのか!? 国際的にも日本政府が福島原発事故後の放射線被曝影響をまんまとゴマカしていることは認識されている。国際原子力機関(IAEA)や国際放射線防護委員会(ICRP)などに巣食う「国際原子力マフィア」からは、チェルノブイリ原発事故の時には失敗をした事故後対策・対応は、日本の福島第1原発事故後においては見事に成功している(放射線被曝をゴマかしてないもののようにしてしまうことに成功している、放射能安全神話・放射線安心神話が確立し始めている)と「高い評価」を受けているのだそうである。反吐が出る思いだ。
7.裁判上で重要なことは、こういう人物を国や県が使ったこと=事故後の被ばく対策の非
上記に書いたことを再度転記いたします。下記のようなことだから、福島県の子どもたちは無用の危険極まる放射線被曝にさらされ続け、また、多くの福島県民が多大な初期被ばくを含む無用の放射線被曝を余儀なくされたのです。それを司法の場で正すために「子ども脱被ばく裁判」が提起されています。
「申し上げるまでもなく、これらを評価するに際して重要なことは(裁判上も重要)、山下俊一が「福島県放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命され、事故直後においては福島県内の放射能と被ばくの問題の(国や福島県が認めた)「第一人者」「トップリーダー」としてふるまっていたことです。その言動が出鱈目であったことは、当然ながら県民や地域住民の健康に重大な影響を及ぼしていたのであり、また、こういう人物を「アドバイザー」に選び、かつその後の出鱈目な言動にもかかわらず「アドバイザー」を続けさせていたことは、国や福島県もまた山下俊一と同罪であることを意味しています。」
8.尋問しきれなかった点
山下俊一への原告側証人尋問の時間が限られており、多くの点について不明のまま公判が終わってしまいました。特に私が問題だと思いますのは、①「福島県民健康管理調査検討委員会」の座長をしていた当時の振る舞いについての尋問が行われなかったこと、②今現在、福島県立医大の副学長として、甲状腺疾患の専門家として、福島県立医大内部で行っている出鱈目についての尋問も皆無であったこと、の2点です。下記は前回の鈴木眞一福島県立医科大学教授への証人尋問の傍聴記に書いたことですが、このうち、(3)(4)についても、一応、尋問では取り上げられたことは取り上げられたのですが、その追及が不十分のまま時間切れで終了せざるを得ませんでした。腹立たしい思いがします。
(関連)(報告)(2.14)「子ども脱被ばく裁判」傍聴記(1)鈴木眞一福島医大教授証人尋問:隠して隠して隠して、逃げて逃げて逃げて、あとはつまらないおしゃべりに終始した鈴木眞一教授、ウソらしき発言もチラホラの誠意なき証言- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-dfa2fc.html
<次回の山下俊一(だました俊一)に対する証人尋問について>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
公判後の報告会において私から弁護団に対して、次回の山下俊一氏の証人尋問において、次の4点を追及していただきたい旨、口頭で発言要請いたしました。弁護団でご検討いただけるようです。みなさまにおかれましては、次回来たる3月4日の山下俊一氏への証人尋問について、福島地裁の法廷の傍聴席を満席としていただきますよう切にお願い申し上げます。
(1)山下俊一氏が「福島県民健康管理調査検討委員会」の座長だった頃、所謂「裏委員会」を開催して「表委員会」でどう演技するかの下打ち合わせ・口裏合わせをしていたこと、そして、そのことが毎日新聞の日野行介記者のスクープで暴露された結果、その責任を追及されて座長並びに委員の辞任を余儀なくされたにもかかわらず、その後もまた再び、福島県立医大内に同様の「裏委員会」を設け、「表委員会」の「黒子役」を演じている様子があること、この「二枚舌」政策を追及していただきたい。
(関連)中村隆市ブログ「風の便り」 - 福島健康調査「秘密会」で見解すり合わせ (毎日新聞)
https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-11734
(関連)福島原発事故県民健康管理調査の闇-日野行介/著(岩波新書)
https://00m.in/X6E3r
(関連)福島原発事故被災者支援政策の欺瞞-日野行介/著(岩波新書)
https://00m.in/VBTZx
(関連)福島県の甲状腺検査「新秘密会」?〜山下俊一氏が座長 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人(2015.9.2)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1974
(2)「福島県民健康調査」において、経過観察や未受検の子どもたちの甲状腺ガンの発症状況が把握されていない問題について、これでは福島第1原発事故後の県民全体の子どもたちの状態が把握できないことについて、どう考えているか?
(3)チェルノブイリ原発事故に際には、事故後10年を経過して、事故後に生まれた子どもたちに甲状腺ガンが発症しなかったことが、甲状腺ガンと原発事故による放射線被曝を因果関係で結び付けた決定的証拠となった。にもかかわらず、県民や多くの有識者・市民からの要請があるにもかかわらず、「福島県民健康調査」では、何ゆえに福島原発事故後1年以上経過してから生まれた子どもたち(いわゆる事故後生まれた子どもたち)の甲状腺検査を実施しないのか?(重要事実の隠蔽工作か?)
(4)山下俊一氏がチェルノブイリ原発事故での子どもたちを含む被災者住民の健康や甲状腺疾患について発言したり論文に書いたりしていたことと、福島第1原発事故後の言動とは大きく違っている。この矛盾を追及していただきたい。
(関連)山下俊一放射線アドバイザーにNO〜解任を求め署名開始- OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1124
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/7700
(関連)福島の甲状腺がん「放射線影響ではない」〜国際会議 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1732
9.真実の解明を妨害する裁判所・裁判官
最後に改めて申し上げておきます。鈴木眞一福島県立医科大学教授にしろ山下俊一福島県立医科大学副学長にしろ、その証人尋問は不十分なまま終わっていることは、傍聴した人なら誰にでもわかることです。更に申し上げれば、被告側の国や福島県(市町村は反論能力が欠如している様子=国や県の言われるがままにやったということでしょう=住民を放射線被曝から守ることもしないでいて、それで「自治体」と言えるのか!?)の山下俊一に対する尋問内容が実にくだらなく、原発事故後の山下俊一の言動についての合理的な説明を引き出せないままに、つまらない一般論やおしゃべりに近いような尋問をくり返していました。弁護団から聞くところによれば、事前に紙ベースで質疑応答をしているということで、その内容は裁判官達も知っているわけですから、真実を解明するためには、どういう内容の質問がどれくらいの時間必要なのかは、だいたい事前に分かっていたはずです。しかし、実際の公判は、そうしたことを無視して、形式的に原告・被告、同時間の尋問時間を設け、しかもその時間がわずかの短時間で強制的に終わらせるものとなっていたのです。
今日の日本の司法・裁判所がひどいことになっている、裁判官はヒラメばかり、裁判は事実上の非公開となって秘密主義に陥り、基本的人権を踏みじじったり、近代市民社会では常識となっているような権利や社会正義を無視したり、トンデモ判決が大量に垂れ流される事態に陥り、日本国憲法の番人であるべき裁判所が日本国憲法の墓堀人となっている状態、そんなことが今回の福島地裁での、この「子ども脱被ばく裁判」で見られたように思います。
公判が始まる前に裁判所の事務員が法廷内にいる傍聴人に向かって「録音・録画は禁止されています、スマホや携帯、ボイスレコーダーなどの機器類はスイッチをお切りください」と、何度も何度も繰り返し申し送りしておりました。「お前は日本国憲法第82条(裁判の公開原則)を読んだことがあるのか」と怒鳴りたくなりました。公開されている裁判・公判を録音・録画して何がいかんのかと!? ふざけんじゃねーぞ、クソ野郎です。
(関連)日本国憲法
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
(関連)(報告)新ちょぼゼミ:東電経営者幹部3人の福島原発事故刑事裁判に見る日本の司法・裁判、裁判所・裁判官のデタラメとそのひどさ(日本の司法を解体・再編せよ:田中一郎)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-42c18e.html
(このサイトに私が日本の現在の裁判のひどさ・歪みを具体的に書いておりますので、是非ご覧になってみて下さい:田中一郎)
10.この裁判の意義と今後の展開
結局、鈴木眞一や山下俊一の証人尋問は不十分なまま終わり、この「子ども脱被ばく裁判」は7/28に最終弁論を行って年内にも判決となりそうです。原告・被告どちらが勝訴しても、おそらくは仙台高裁に控訴されるでしょう。論争の場は今後は仙台高裁に移ります。私は、福島第1原発事故後に提起されているいろいろな裁判の中でも、この裁判は非常に重要な意味と意義を持っていると考えています。特に、事故前のこともそうですが、事故後において、国や福島県や関係自治体が、住民・県民・市民を無用の放射線被曝から守るという、原発事故対応では最も重要なことをなおざりにしてきたことを、2つの面から告発し(「子ども人権裁判」と「親子裁判」)、それを正そうとしているからです。今日に至っても、「子ども・被災者支援法」があるにもかかわらず、違法にも避難者を差別し切り捨てるような行政が行われたり、ひどい放射能汚染地域への帰還を経済的に強制するような、けしからぬ政策が国と福島県の主導で行われていることを転換させるためには、この裁判での適正な判決は欠かせない情勢下にあります。引き続き、みなさまには、この裁判へのご注目とご支援を切にお願い申し上げます。
控訴審において私は弁護団に一つの提案があるのですが、この福島原発事故後の行政側の対応について、福島地元のキーマンとして、一人は内堀雅雄現福島県知事、もう一人は、元双葉町町長の井戸川克隆氏がいらっしゃいます。少なくとも、このお二人について、控訴審においては証人尋問の場をつくっていただければと思います。また、上記で申し上げました通り、今日の「福島県民健康調査」や、それを管理監督すべき立場の「福島県民健康調査検討委員会」の出鱈目な在り様にも言及し、国や福島県が依然として被災者住民の立場に立った放射線被曝行政を行わずに、多くの子どもたちや住民・市民を放射能の危険にさらし続けていることを告発してほしいと願っています。
内堀雅雄現知事(事故当時は副知事)は、福島原発事故を引き起こした福島県側の「手抜き安全管理」の最高責任者と言ってもいい人物で、かつ、原発事故後の放射線被曝防護についても重要な責任ある職位にありました。この人物の采配如何が福島県内における出鱈目な放射線被曝防護政策につながっていった可能性があります。
(関連)(別添PDFファイル)内堀雅雄現福島県知事は知っていた!? 見送られた津波評価、プルサーマル実施を優先(北国新聞 2015.10.26)
https://m.facebook.com/dainijikokusodan/posts/1030736476947894/?refsrc=http%3A%2F%2Fsearch.yahoo.co.jp%2F&_rdr
ダウンロード - e58685e5a080e99b85e99b84e78fbee7a68fe5b3b6e79c8ce79fa5e4ba8be381afe79fa5e381a3e381a6e38184e3819f20e8a68be98081e38289e3828ce3819fe6b4a5e6b3a2e8a995e4bea1efbc88e58c97e59bbd202015.10.26efbc89.pdf
もう一人の井戸川克隆氏は、ご自身が町長として事故当事者の経験をされたことを具体的証拠として損害賠償裁判を提訴され、国や東京電力の事故前と事故後の言うこと・やること・対応ぶりが180度違っていて、地域住民や基礎自治体を踏みにじるものであったことを告発されています。この内容は「子ども脱被ばく裁判」の内容と重なるところがあり、しかも井戸川克隆氏が原発立地の双葉町町長として、まさに行政の当事者であったことから、非常に迫力のある内容になっています。
(関連)井戸川裁判(福島被ばく訴訟)を支える会
http://idogawasupport.sub.jp/
長くなりましたが、以上です。なお、下記は関連する情報をいくつか列記してみました。ご参考になれば幸いです。
<別添PDFファイル>
(1)山下俊一氏「原発事故直後の福島市での講演」福島テルサ(2011.3.21)録画文字起こし
ダウンロード - e3808ce58e9fe799bae4ba8be69585e79bb4e5be8ce381aee7a68fe5b3b6e5b882e381a7e381aee8ac9be6bc94e3808de7a68fe5b3b6e38386e383abe382b5efbc882011.3.21efbc89e69687e5ad97e8b5b7e38193e38197.pdf
(2)山下俊一氏「福島市での講演後の市民との質疑応答」福島テルサ(2011.3.21)録画文字起こし
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(3)子ども脱被ばく裁判第26回口頭弁論期日報告(訂正後)(井戸謙一 2020.3)
ダウンロード - e5ad90e381a9e38282e884b1e8a2abe381b0e3818fe8a381e588a4e7acac26e59b9ee58fa3e9a0ade5bc81e8ab96e69c9fe697a5e5a0b1e5918aefbc88e8a882e6ada3e5be8ce383bbe4ba95e688b8e8ac99e4b88020efbc89.pdf
(4)山下氏 福島の原発関連訴訟出廷「緊張を解く話をした」「ニコニコ」発言謝罪(東京 2020.3.9)
ダウンロード - e5b1b1e4b88be6b08f20e7a68fe5b3b6e381aee58e9fe799bae996a2e980a3e8a8b4e8a89fe587bae5bbb720e799bae8a880e8ac9de7bdaaefbc88e69db1e4baac202020.3.9efbc89.pdf
(5)特集 告発された医師:山下俊一教授 その発言記録(一部・資料)(『DAYS JAPAN 2012.10』)
http://www.asyura2.com/12/genpatu27/msg/612.html
ダウンロード - e5918ae799bae38195e3828ce3819fe58cbbe5b8abefbc9ae5b1b1e4b88be4bf8ae4b880e69599e68e88e3819de381aee799bae8a880e8a898e98cb2efbc88e3808edays20japan202012.10e3808fefbc89.pdf
(6)人々を欺く医師の罪を問う(イントロ部分)(保田行雄『DAYS JAPAN 2012.10』)
ダウンロード - e4babae38085e38292e6acbae3818fe58cbbe5b8abe381aee7bdaae38292e5958fe38186efbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e4bf9de794b0e8a18ce99b84e3808edays20japan202012.10e3808fefbc89.pdf
(7)子どもの命は預けられない(イントロ部分)(佐藤幸子『DAYS JAPAN 2012.10』 )
ダウンロード - e5ad90e381a9e38282e381aee591bde381afe9a090e38191e38289e3828ce381aae38184efbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e4bd90e897a4e5b9b8e5ad90e3808edays20japan202012.10e3808f20efbc89.pdf
(8)内堀雅雄現福島県知事は知っていた!? 見送られた津波評価、プルサーマル実施を優先(北国新聞 2015.10.26)
ダウンロード - e58685e5a080e99b85e99b84e78fbee7a68fe5b3b6e79c8ce79fa5e4ba8be381afe79fa5e381a3e381a6e38184e3819f20e8a68be98081e38289e3828ce3819fe6b4a5e6b3a2e8a995e4bea1efbc88e58c97e59bbd202015.10.26efbc89.pdf
(9)3.11以後の科学リテラシー NO.86(牧野淳一郎『科学 2020.2』)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/311igo.html
(10)常磐線、文学つまみ食い途中下車の旅(トランヴェール:JR東日本 2020.3)
https://www.jreast.co.jp/railway/trainvert/
(一番最後の(10)は福島からの帰りの新幹線の中で見つけた冊子に掲載されていました。「文学つまみ食い」ではなくて「放射線被曝つまみ食い」の間違いではないかと思った次第です。:田中一郎)
<「脱被ばく実現ネット」>
(1)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)- 子ども脱被ばく裁判 山下俊一氏証人尋問への傍聴感想記 「にこにこ発言の罪は重い」
https://fukusima-sokai.blogspot.com/2020/03/blog-post.html
(2)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)- 弁護団報告を追加! 2020 3月4日 子ども脱被ばく裁判 山下氏が数々の嘘を認める! 37兆分の1に被ばく影響を過小評価
https://fukusima-sokai.blogspot.com/2020/03/34-2-1-facebook-facebook.html
(3)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)
https://fukusima-sokai.blogspot.com/
<その他関連サイト>
(1)「福島県は世界最大の実験場」「1ミリで支援」山下俊一氏 - OurPlanet-TV
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1917
(2)原発御用学者のトンデモ発言集 山下俊一
https://cutt.ly/utEIuip
(3)田中龍作ジャーナル - 飯舘村 山下教授 「洗脳の全容」
https://tanakaryusaku.jp/2011/05/0002408
(4)放医研の明石真言理事 官邸に「疫学調査不要」- ずくなしの冷や水
http://inventsolitude.sblo.jp/article/185574059.html
(5)【子ども脱被ばく裁判】「言葉足らずの講演だった」。9年後の〝ミスター100mSv〟が法廷で語った今さらながらの「釈明」と「お詫び」。甲状腺ガン「多発」は強く否定 - 民の声新聞
https://cutt.ly/3tEIeHN
<参考資料>ECRR市民研究会-広島:ECRR2010年勧告 第3章 「科学的諸原理」と第4章「放射線リスクと倫理原理」<付録>飯舘村における山下俊一批判
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/isaac_ecrr3.html
(関連)放射線被曝防護政策を正し、東京電力や国・自治体の責任を厳しく問う「子ども脱被ばく裁判」がいよいよ正念場です=(2.14)鈴木真一・(3.4)山下俊一を証人喚問(福島地裁)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-96894f.html
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