挑戦するワセダクロニクル(その2):(1)海外に紹介されるワセクロ(2)【緊急シンポ開催】(1.25)朝日新聞「記事削除要求」事件を解剖する(3)『製薬会社と医師』
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.「子ども脱被ばく裁判」=来たる2月と3月に鈴木真一・山下俊一(福島県立医大)の証人尋問があります
(1)(別添PDFファイル)(チラシ)(2.14)鈴木真一(3.4)山下俊一 各証人尋問:「子ども脱被ばく裁判」
https://fukusima-sokai.blogspot.com/
(2)福島で上記の街宣チラシ配布をします(歓迎:ボランティア参加)
★福島駅駅前広場(東口)
午前の部 10時45分(チラシ配布開始)~12時15分
午後の部 13時30分(チラシ配布開始)~15時
★郡山駅前広場
15時45分(チラシ配布開始)~17時
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★やまびこ129 (仙台行)⇒ 3号車自由席にいます
東京駅 8:56
上野駅 9;02
大宮駅 9:22
↓
福島駅着10:30
(関連)放射線被曝防護政策を正し、東京電力や国・自治体の責任を厳しく問う「子ども脱被ばく裁判」がいよいよ正念場です=(2.14)鈴木真一・(3.4)山下俊一を証人喚問(福島地裁)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-96894f.html
2.「新ちょぼゼミ」の予定です
(1)(2.13)オルタナティブな日本をめざして(第40回):「日本の司法制度と裁判官:何故おかしな判決が相次ぐのか」(澤藤統一郎弁護士 )
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-0a90f5.html
(2)(2.26)オルタナティブな日本をめざして(特別編):「日本の河川行政では私たちの命と生活を守れない!水害防災を市民の側から考える!」(早川芳夫さん)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-b94107.html
(3)(3.31)オルタナティブな日本をめざして(第41回):「幻想の新型原子炉:超高温ガス炉(VHTR)と小型原子炉」(後藤政志さん)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-66e445.html
(4)(4.12)オルタナティブな日本をめざして(第42回)「戦後改革の歴史的位相:帝国の解体と象徴天皇制」(山田朗明治大学教授)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-2d4991.html
(5)(5.14)オルタナティブな日本をめざして(第43回):「羽田離発着旅客機の都心低空飛行問題と東京都政」(新ちょぼゼミ:奈須リエさん)
3.イベント情報
(1)(別添PDFファイル)(チラシ)(2.2 & 2.3)緊急! 非正規公務員の方へ:「雇い止め」ホットラインを開設します
http://hatarakikata.net/modules/topics/details.php?bid=826
(2)(別添PDFファイル)(チラシ)(3.11:東京)(3.14-15:福島)国際シンポジウム 3.11から9年:どう伝える? 原発事故のこと
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/200311.html
(3)(別添ファイル)(チラシ)(3.21)国際シンポジウム:世界が告発するフクシマの現状=東京五輪で消されゆく原発事故被害
http://www.labornetjp.org/EventItem/1579845041782staff01
(4)事故から9年 第78回東電本店合同抗議(3-7、東京・千代田区)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1579503122427matuzawa
(5)とめよう!東海第二原発 日本原電本店抗議(3-7、東京・台東区)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1579503216536matuzawa
(6)(メール転送です)「3.10-11 原発被ばく隠しを許さない 東京集会&東電抗議」へ
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「関東も放射能被ばくしている 被害の今と国・私たちのすべきこと」
<3月10日(火)>
昼の部:13時半開場 14時~16時半
夜の部:18時開場 18時半~21時(いずれも予定。同じ内容です)
場 所:豊島区民センター701-703(池袋駅東口徒歩7分 東京都豊島区東池袋1-20-10)
地 図:https://www.toshima-mirai.or.jp/center/a_kumin/
資料代:昼・夜ともに各回500円 ※事前予約は不要です。どなたでもご参加下さい。
発言:
★渡辺悦司さん「急拡大する福島・関東の放射能汚染・健康被害・死者」
(市民と科学者の内部被曝問題研究会/『東京五輪がもたらす危険』編著者)
http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1914-0n.html
★園良太さん「原発事故の幕引きを許さない 帰還政治から防護と避難の政治を!」
(16年末に故郷東京から大阪へ避難。避難希望者を支援中。会場で相談を受けます。
「ゴーウエスト・カムウエスト」https://www.gowest-comewest.net/support)
★関東、福島の住民から、放射能被ばくの影響と思える健康被害のお話
いわき、宇都宮、埼玉、松戸、東京東部、東京西部、横浜、etc...(予定)
他、賛同団体の中からアピール
<3月11日(水)>
「3.11東電前抗議―国・東電は事故の責任を取れ/被害を隠すな/帰還政策から避難の保障へ!」
3月11日(水)18時半~東京電力本店前抗議(JR新橋SL広場から東5分)
両日とも 主催:「反被ばく首都圏アクション実行委員会」
★アクションへの参加・賛同団体と個人(肩書任意)を募集します。
賛同メール→gowest@gowest-comewest.net 連絡先:090-8494-3856(岡田)
HP:https://www.gowest-comewest.net/our-missions/yobikake/
参加賛同団体:脱被ばく実現ネット/ フリーター全般労働組合/医療労働運動研究会/神奈川・子どもを守りたい/東京オリンピックおことわりんく/Go West, Come West!!! 3.11東北・関東 放射能汚染からの避難者と仲間たち
参加賛同個人:黒田節子(原発いらない福島の女たち)/迫田英文(アジア共同行動首都圏事務局次長)/山田耕作(京都大学名誉教授)/ 三原翠(さよなら原発神戸)/渡辺悦司(市民と科学者の内部被曝問題研究会)/中沢浩二(大阪府民)/中井美和子(「神奈川・子どもを守りたい」共同代表)/長澤彰(キリスト教信徒(Christian)で世界平和活動)/岡田俊子(脱被ばく実現ネット・ボランティア)
4.キャンペーン · 四国電力株式会社 代表取締役 長井啓介殿- 四国電力は、南海トラフ巨大地震警戒情報が出ても伊方原発を動かし続けるという方針を撤回して下さい。 · Change.org
https://00m.in/1oqZ2
(関連)キャンペーンについてのお知らせ · 伊方原発でまたも事故!全電源喪失! · Change.org
https://00m.in/Gf5n6
5.「やめて、そめて、薄めて、消えて」のアベ政権
(1)<国会中継でもう歴然>はぐらかしの安倍首相 反省なしの“常習犯”は必ずまたやる(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
http://www.asyura2.com/20/senkyo269/msg/303.html
(2)【安倍晋三】トランプの寵愛を得るしか頭にないポチでは交渉にならない|高野孟 日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267954
(3)【安倍晋三】都合のいい数字だけ列挙し現実を見ない「アベノチャット」|高野孟 日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268305
(4)河井派県議が実名告発「案里さんは嘘をついている」 - 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/30017
(5)桜と河井夫妻の共通項 首相の動機は政敵を潰す異常な執念(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
http://www.asyura2.com/20/senkyo269/msg/282.html
(6)支援者たちに広がる「安倍首相支持は恥ずかしい」の声 王国・山口県で「安倍恥」が拡大中!週プレNEWS
https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2020/01/27/110583/
(7)長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表!「カネにまみれたゾンビ」「歴史に群がる裏切り」|LITERA/リテラ
https://lite-ra.com/2017/08/post-3398.html
(8)カジノ「凍結」64%、河井夫妻「説明必要」80%=朝日調査|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268228
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新しい調査報道とジャーナリズムに挑むワセダクロニクル(その2)をお送りいたします。みなさまからのご支援で、この若くて元気のある組織を育ててください。みなさまご承知の通り、大手新聞社やNHKを含む大手本局テレビ報道各社は、今日では目も当てられぬほどに腐敗し、支配権力=財界と自民党とアメリカ・在日米軍の御用広報機関に成り下がっています。まさに巨大なるゴミ=マスごみです。このマスごみの報道を見るだけ・聞くだけでは本当のことはわかりません。ワセダクロニクルをはじめとして、新しくボトムアップで沸き起こる「真実報道」の動きを私たち市民が自身の財布から浄財を投じて応援することで、新しい時代を切り開くジャーナリズムが育っていきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
●ジャーナリズムNGO:ワセダクロニクル - Watchdog Japan
https://www.wasedachronicle.org/
*ご支援のお願い:ワセダクロニクル
https://www.wasedachronicle.org/donate/
*情報提供のお願い:ワセダクロニクル
https://www.wasedachronicle.org/whistleblower/
(関連)ホンモノの調査報道に邁進する ワセダクロニクル:みなさまのご注目とご支援で、この若い組織を育ててください- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-4a2fb9.html
1.【緊急シンポ開催】ワセクロ、朝日新聞「記事削除要求」事件を解剖する 今月25日に早大で
https://www.wasedachronicle.org/articles/muckrakers/c80/
(関連)(別添PDFファイル)(PROGRAM)ジャーナリズムなき国のジャーナリズム論:朝日新聞「記事削除要求」事件を解剖する(ワセダクロニクル 2020.1.25)
ダウンロード - efbc88programefbc89e69c9de697a5e696b0e8819ee3808ce8a898e4ba8be5898ae999a4e8a681e6b182e3808de4ba8be4bbb6e38292e8a7a3e58996e38199e3828befbc88e383afe382bbe38380e382afe383ade3838be382afe383ab201.25efbc89.pdf
(関連)(別添PDFファイル)(レジメ)「問題提起」(メディアとジャーナリズム)(大石泰彦青山学院大学教授 2020.1.25)
ダウンロード - efbc88e383ace382b8e383a1efbc89e3808ce5958fe9a18ce68f90e8b5b7e3808defbc88e383a1e38387e382a3e382a2e381a8e382b8e383a3e383bce3838ae383aae382bae383a0efbc89efbc88e5a4a7e79fb3e6b3b0e5bda6202020.1.25efbc89.pdf
(関連)(別添PDFファイル)葬られた原発報道:再び記事を封じ込める朝日新聞(イントロ部分)(ワセダクロニクル『週刊金曜日 2020.1.24』)
ダウンロード - e891ace38289e3828ce3819fe58e9fe799bae5a0b1e98193efbc9ae5868de381b3e8a898e4ba8be38292e5b081e38198e8bebce38281e3828be69c9de697a5e696b0e8819eefbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e383afe382bbe382afe383ade3808ee98791e69b9ce697a5201.24e3808fefbc89.pdf
(関連)【編集長便り】拝啓 朝日新聞社長、渡辺雅隆さま 「記事の削除要求」にお答えします —— 葬られた原発報道(10)
https://www.wasedachronicle.org/articles/muckrakers/c78/
(朝日カバカバ新聞が「2つの吉田報道」で謝罪して以降、この新聞社は愚か極まる「カバカバ路線」をどこまでも邁進していく様子です。今般、このカバカバ新聞社がワセダクロニクルに対して行った振る舞いが、新聞社として、ジャーナリズムとして、自殺行為であることを、このカバカバ新聞社の上層部は全く理解できていないのでしょう。そういえば、先般私から、この朝日カバカバ新聞のボケた原発評価報道に対して「異議申し立て」を読者コーナーに対して行った時も、態度の悪いドンぶくれたピンボケ人士が電話を取り、私と大喧嘩になりました。もう救いようがないのかもしれませんネ。:田中一郎)
2.(メール転送です)ワセクロは海外でも紹介されています
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こんにちは。
昨日、海外のジャーナリスト仲間たちにワセクロの抱負を新年のあいさつとして送りました。すると、シンガポールを拠点にしてアジアを中心に活躍する「Splice media」のアランさんが、「感動した!」と私のあいさつを掲載してくれました。ワセクロ事務所での仕事風景の写真も載っています。ぜひ、ご一読ください。日本語訳も下記につけておきます。
https://www.splicemedia.com/this-is-the-journalism-japan-needs/
【以下、和訳】
新年いかがお過ごしですか。ワセダクロニクルは2月1日で創刊3周年を迎えます。東京に拠点を置く探査ジャーナリズム組織としてのこれまでの歩みと、これからの展望をご紹介します。ジャーナリストとしての倫理と使命を共有する世界の仲間たちと、引き続き国境を超えて連帯していきたいと思います。
国連特別報告者が警告した「瀕死のジャーナリズム」「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面している」。
表現の自由に関する国連の特別報告者、デイビッド・ケイさんが2016年4月、日本のジャーナリズム状況についての調査結果を公表しました。この年は国際NGO「国境なき記者団」が発表した「報道の自由度ランキング」も世界で72位まで下がりました。6年前の2010年は11位でした。
私は2014年に、ケイさんからインタビューを受けました。私は当時、探査報道を担う朝日新聞の特別報道部に所属していました。同僚たちと共にケイさんからインタビューされ「朝日新聞は政府から圧力を受けているのではないか」と聞かれました。特報部は福島第一原発事故の原因を調べた政府の秘密調書を暴露しましたが、朝日新聞社の社長が記者会見を開いて謝罪し、記事を取り消していたからです。取材を担当した記者も懲戒処分にしました。
しかし、私の答えは「圧力はない」でした。日本の大手マスメディアは、権力に圧力を受けて屈服するのではなく、自ら服従するからです。原発報道の取り消しの際も、朝日の幹部たちが安倍首相の意向を推測し、自ら壊れていきました。「記者クラブ」は権力への服従の象徴です。大手メディアだけが省庁にフロアを借りて常駐し、特権的に情報を与えられます。それらを利用することで、記事やニュース番組を効率的に制作できます。もちろん政府にとって都合の良い情報がほとんどですが、大手メディアは排他的に得られる特権を手放したくないので、それらの情報を垂れ流します。
「服従」への見返りはまだまだあります。例えば日本では昨年消費税が引き上げられましたが、新聞は免除されました。日用品で不可欠な赤ちゃんのオムツは、税率の引き上げが免除されません。それなのに、市民の信頼を得ておらず、読まない人が急増している新聞が免除されたのです。結局、日本の大手マスメディアは政府権力に歯向かって弾圧されたのではなく、自ら「権力チーム」に参加しているのです。特に経営が傾いてくると、大手マスメディアはその傾向が強くなります。近年、日本の「報道の自由度ランキング」が低迷しているのはそのせいだと思います。
「権力チームの中に身を置いていては、真のジャーナリズムは確立できない」
私は、2016年3月に16年間勤めた朝日新聞社を辞め、ワセダクロニクルを立ち上げる準備に入りました。国連特別報告者のデイビッド・ケイさんが、調査結果を公表する1ヶ月前のことです。
非営利独立だから「電通」を動かせた。
ワセダクロニクルは2017年2月1日、「買われた記事」で創刊しました。巨大広告代理店「電通」と共同通信が癒着し、過去20年間に渡り報道記事にスポンサーのカネを入れていたという内容です。報道の独立性を損ない、ジャーナリズムの「死」を招く行為です。電通は日本のマスメディアにとってはタブーです。新聞やテレビにスポンサーの広告をもたらしてくれ、そのシェアは日本では圧倒的だからです。世界的にも有名で東京五輪を日本が招致できたのは、電通の実力があったからです。
ワセクロは、広告は取らず寄付金で運営している非営利独立のジャーナリズム組織です。電通は何も怖くありません。「買われた記事」では電通グループの内部文書を入手し、共同通信との癒着を暴きました。ワセクロの報道後、電通は株主総会で業務改善を約束し、共同通信も対価を伴う記事を廃止すると社員に約束しました。船出したばかりの小さなワセクロが、タブーに切り込んで事態を変えたのです。
安倍首相の謝罪と被害者救済法につながったファクト
日本政府は第二次時大戦敗戦後から1990年代まで、障害者16500人超に対して「強制不妊手術」をおこなってきました。「日本民族の復興」のため、障害者を排除することが目的でした。
ワセクロは過去の膨大な文書を発掘し、関係者を取材しました。すると、政府が都道府県を手術件数で競わせていたことがわかりました。裁判官や医師といった日本のエリートが積極的に手術を推進し、そのエリートたちのグループに新聞社やテレビ局までが加わっていました。「これではナチスと同じではないか」と疑問を投げかける人もいましたが、ごく少数でした。
被害者たちは政府を相手に裁判を起こし、他メディアもワセクロの報道を追随しました。その結果、2019年4月に安倍首相は「心から深くお詫びする」と謝罪を表明し、被害者に補償金を払う法律が成立しました。「隠されたファクトを掘り起こす」。これが事態を動かす最強の手段だとワセクロは信じています。
誰のために暴くのか
もちろん、ファクトは「誰のために暴くか」が重要です。ワセクロは2019年、「製薬マネーデータベース」を公開しました。医師名を検索窓に入れれば、どの製薬会社から何の名目でいくら報酬を得たかがわかるデータベースです。作成には3000時間かかりました。400万アクセスを超え、医師と製薬会社との利害関係を調べる国会の審議でもワセクロのデータベースが使われました。
同様のデータベースは、私が朝日新聞にいた時も作成しましたが、朝日の幹部は公開を許可しませんでした。データが「個人情報だ」と主張する医師や製薬会社からの訴訟を恐れたのです。しかし、ワセクロは公開に踏み切りました。医師が製薬会社からの金銭で薬の選択を歪めるようなことがあれば、苦しむのは患者だからです。「このデータベースは患者のために役立つかどうか」。判断基準はそれだけでした。
国境を越えてワンチームに
ワセクロが創刊以来力を入れているのが、国境を越えたコラボレーションです。韓国の「ニュース打破」とインドネシアの「Tempo」とは、日韓政府・大企業によるインドネシアでの石炭火力発電所建設についての探査報道を発表しました。その後、環境問題を憂慮した韓国企業がプロジェクトからの撤退方針を国会で表明しただけではなく、今は発電所建設をめぐる汚職事件にまで発展しています。
イギリスのガーディアンとは、東京の公営団地で「孤独死」が日常になっていることを報じました。東京五輪が近づくにつれ、東京は活気が出ているように見えますが、実際は高齢化と貧困に苦しんでいます。高齢化と貧困は先進国がやがて直面する問題です。ワセクロとガーディアンはテーマ選定から話し合いを重ね、互いにとって新鮮な視線を提供しあいました。
この他にも様々な外国のジャーナリズム組織とコラボして、取材を進めているところです。もはや一国だけで解決するテーマはありません。ジャーナリスト同士がワンチームになって、良質で勇気ある探査報道を発信していくことを、ワセクロは願っています。
ワセクロを100年組織に
日本の大手新聞社は100年以上の歴史があります。私が16年間所属していた朝日新聞は、創刊して141年です。しかし、それらの日本の新聞社は経営難でジャーナリズム組織としての使命をあきらめつつあります。特に探査報道は、時間とお金がかかる上、訴訟リスクがあるので力を入れません。
ワセクロは伝統的な大手メディアに代わってジャーナリズム組織としての役割を果たすだけではなく、これまでにはない新しいジャーナリズムの形を作り上げます。
ワセクロが目指すのは、市民を読者になってくれる「顧客」としてとらえず、共に社会を改善する「仲間」に引き入れるジャーナリズムです。この目標を実現するには、資金を獲得し持続可能な組織にすることが不可欠です。ワセクロは探査報道の質を上げるだけではなく、「社会改善マネー」の獲得方法を開発していきます。
実際、初年度は取材費用も個人の貯金を充てていたのが、2年目は取材経費が賄えるようになり、3年目は少ないながら給料や謝礼金など人件費を捻出することができました。4年目の今年は様々な資金獲得のアイデアを実行していきます。ワセクロのメンバーは今18人。最年少の21歳から最年長は72歳、ジャーナリストだけではなくバーのオーナーや多国籍企業の社員もいて多彩です。記事の翻訳では有能な若いアメリカ人がワセクロと志を一つにして協力してくれています。英知を結集してワセクロを安定軌道に乗せ、私たちがこの世からいなくなった後もその精神が引き継がれる組織にしたいと思います。100年続く組織を目指します。
今年は東京五輪があります。東京を訪れる機会もあると思います。ぜひ、ワセクロのオフィスにお立ち寄りください。ジャーナリズムの未来を語りましょう。
ワセダクロニクルの英語サイトはhttps://en.wasedachronicle.org/ です。今年からほぼ全部の記事を英訳しますので、ぜひ読んでください。
ワセダクロニクル編集長・渡辺周(まこと)
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3.(メール転送です)国家財政データベース「JUDGIT!」が受賞
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うれしいニュースをお伝えできます。国家財政データベース「JUDGIT!」が受賞です
授賞式がありました。今回は理系の賞です。オープンデータを活用した取り組みが評価されました。LODチャレンジ2019の優秀賞。チームを代表して、日本大学文理学部の尾上洋介准教授が賞状を受け取りました。ワセクロ、尾上研究室、政策シンクタンク構想日本、データ可視化が専門のVisualizing.JPとの異領域の4団体がコラボしたプロジェクトです。
自分の支払った税金がどこにどのように使われたのかーー。ぜひ「JUDGIT!」をご活用ください。記事には動画もついています。その動画では授賞式でスピーチした尾上氏のわかりやすい解説もご覧いただけます。
https://www.wasedachronicle.org/information/c20191208/
読むために必要な時間:1分30秒
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4.シリーズ「製薬マネーと医師」- ワセダクロニクル
https://www.wasedachronicle.org/category/articles/docyens/
(1)医師と患者の視点から語る『マネーデータベース「製薬会社と医師」』:アリンコの知恵袋講座?「その薬、大丈夫ですか?~製薬マネーデータベースで見えてきたもの~」の記事公開のご連絡です。
https://www.wasedachronicle.org/information/c71/
(2)文部科学省が「製薬マネーデータベース」をもとに行った調査についての続報を掲載しました。
https://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e11/
(今回は、製薬会社から年間1500万円超の報酬を得た大学病院勤務医29人の実名リストを載せています。この大金とは別に給料をもらっているのですから、いいご身分ですね。多くが内科医です。製薬会社と医師の癒着を放置できず、文科省が動いたこのニュースは、広く国民に知らせる価値があるはずです。しかし、7日の朝刊で取り上げた新聞社は毎日新聞だけでした。なぜなのか。広告料をたくさん払ってくれる製薬会社への忖度なのか。それともワセクロが嫌いで取り上げたくないのでしょうか。どちらにしても、ほとんどのマスコミはまた小物っぷりを晒してしまいました。)
(3)製薬マネーデータベースで国が動きました
https://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e10/
(ついに国が動きました。文科省が、大学病院での業務規定と倫理規定を見直す方針を国会で示しました。文科省が製薬マネーデータベースを使って、多額の副収入を得ている医学部教授を調べた結果です。2000万以上の副収入を得た教授が7人いたことに驚いたようです。)
(4)マネーデータベース『製薬会社と医師』~あなたの医者をみつけよう
https://db.wasedachronicle.org/
(5)(関連)(別添PDFファイル)15教授ら1000万円超受領、製薬会社から講師謝金、国公立大、中立性脅かす製薬マネー(毎日 2020.1.28)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200126-00000033-mai-soci
https://mainichi.jp/articles/20200127/ddm/001/040/128000c
https://mainichi.jp/articles/20200127/ddm/002/040/132000c
(関連)1,500万円超29人、糖尿病・循環器病の専門医に集中: 文科省調査
https://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e11/
(関連)文科省が「製薬マネー」2,000万円以上の医師7人を確認
https://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e10/
(関連)(別添PDFファイル)不正報酬相次ぎ陳謝、旭川医科大 学長、給与を一部返納(日経 2020.1.29)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54940410Y0A120C2CC1000/
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54940410Y0A120C2CR8000/
5.関連サイトなど
(1)(別添PDFファイル)金曜ジャーナリズム塾」:「都合の悪い歴史」を記録する:西嶋真司(イントロ部分)(『週刊金曜日 2020.1.31』)
ダウンロード - e3808ce983bde59088e381aee682aae38184e6adb4e58fb2e3808de38292e8a898e98cb2e38199e3828befbc9ae8a5bfe5b68be79c9fe58fb8efbc88e382a4e383b3e38388efbc89efbc88e3808ee980b1e5888ae98791e69b9ce697a5202020.1.31e3808fefbc89.pdf
(2)高額な製薬マネーは「正当な対価」- 中立性に懸念広がる 甘い兼業ルール - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200126/k00/00m/040/131000c?fm=mnm
(3)シリーズ「隠された乳がんマネー」- ワセダクロニクル
https://www.wasedachronicle.org/category/articles/breastcancer/
草々