東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決は「全員無罪」=日本の司法は「暗黒時代」へ突入(その2):東電幹部3人を最初から無罪放免する方針で起訴・裁判に臨んでいた日本の司法・裁判所・検察
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.イベント情報
(1)(10.8)オルタナティブな日本をめざして(第34回):「STOP水道事業民営化=公益事業の私物化を許さない」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-95da64.html
(2)(10.11)福島原発被害千葉集団訴訟 第一陣 東京高裁控訴審第5回口頭弁論(東京高裁)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1568967992608matuzawa
(3)(10.17)(チラシ)(10.17)福島原発被害東京訴訟 第1陣控訴審 第1回口頭弁論
ダウンロード - efbc88e38381e383a9e382b7efbc89efbc88efbc91efbc90efbc8eefbc91efbc97efbc89e7a68fe5b3b6e58e9fe799bae8a2abe5aeb3e69db1e4baace8a8b4e8a89f20e7acacefbc91e999a3e68ea7e8a8b4e5afa920e7acacefbc91e59b9ee58fa3e9a0ade5bc81e8ab96.pdf
(4)(11.9)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)- 第13回新宿デモ みんなつながって、一緒に抗議の声をあげましょう!
https://fukusima-sokai.blogspot.com/2019/09/13.html
2.(メール転送です)老朽原発を止めるクラウドファンディングにご協力を!
老朽原発を60年運転させないこと、それが脱原発の最後の砦です。全国初の行政訴訟が資金不足という壁にあたっています。訴訟を最後まで終わらせるためにご協力ください。こちらのクラウドファンディングに投資をお願いします。『老朽原発廃炉をめざす「全国初」の裁判を継続できるよう、ご支援おねがいします。』=サイトのURLはこちら。↓
https://camp-fire.jp/projects/view/190830
期 間:10月1日~12月13日 23時59分59秒まで
目 標:250万円(1年間に必要な裁判実費)
※All-or-Nothing方式
期間内に目標に達しないとお申込みいただいたご支援は受け取ることができない仕組みです。また、その場合、リターンのお返しもできなくなります。
いつも多大なるご支援をいただきありがとうございます。この裁判は、総勢31名の弁護団が、報酬なしの手弁当で闘っています。しかし、国(規制委員会)を相手にしつつ、関電が訴訟参加し、さらにその後美浜3号機の裁判も加わったため毎回膨大な量の書面と書証を出さなければならず、実費だけでも
毎年250万円かかっています。これまでも皆様には多大なるご支援をいただいてまいりましたが、裁判も3年目が過ぎて資金難が課題となっており、これからも裁判を継続していくために、広く支援を呼びかけるクラウドファンディングに挑戦することにいたしました。
資金難で裁判をあきらめるわけにはいきません。関西電力と原発立地地元有力者との根深い癒着が報じられる中、わたしたちが対峙しているものの大きさ、闇の深さをあらためて感じています。今こそ、市民の力を合わせて本訴訟を盛り上げていかなければならないと思っています。このプロジェクトの成功は、そのための大きなカギを握っているとも言えます。簡単なことではありませんが、弁護団もわたしたちも本気で取り組んでいます。目標額を大きく超える広がりを共につくっていきましょう。そして関電の老朽原発にレッドカードを突き付ける日まで頑張りましょう。皆様の温かいご支援と、ご協力を心よりお願い申し上げます。
リターンも充実
今回のプロジェクトのリターンとして、共同代表の茶畑和也さんの新作デンジャラス君のポストカード、トートバッグ、Tシャツもご用意しています。このCAMPFIREのクラウドファンディングに申し込んでいただく場合、会員登録が必要ですが、登録に必要なのはメールアドレスだけです。
●会員登録の説明↓
https://mag.camp-fire.jp/17529/
●登録しなくてもサイトはご覧いただけます。チラシもあります↓
https://camp-fire.jp/projects/190830/activities#menu
まずは、サイトを開いてご覧になってください。どうぞよろしくお願いいたします。老朽原発40年廃炉訴訟市民の会事務局一同より
3.キャンペーン · 東京地方裁判所 民事第1部合議1係 前澤達朗 裁判官- 「安保法制は憲法違反」の判決を要請します! · Change.org
https://00m.in/XE171
4.日刊ゲンダイより
(1)「NHKはまるで暴力団」日本郵政副社長の“ヤクザな過去”|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262853
(2)【萩生田光一】萩生田文科相の後押しで「幸福の科学大学」ついに開学か|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262799
(3)あいちトリエンナーレ補助金不交付 文化庁が無審査の横暴|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262804
(4)ナチスか? 悪霊の復活…三浦瑠璃の“見識”に頭がクラクラ|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262803
(5)会長人事がらみかと怪情報 NHKで今何が起こっているのか|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262729
(6)空疎な言葉の所信表明 臨時国会の関心は辞任大臣第一号|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262858
(7)政界 財界 大メディアは皆グル 悪魔の増税2度の首相を称える倒錯(日刊ゲンダイ)赤かぶ
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/237.html
(8)空疎な言葉の所信表明 臨時国会の関心は辞任大臣第一号 安倍政権の暴走、止める時が来た(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/241.html
5.その他
(1)追跡:「奇跡の森」に米軍廃棄物 沖縄 「自然遺産」再挑戦に不安 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20191006/ddm/002/040/110000c?fm=mnm
(2)東京新聞-改憲より憲法の理念実現を れいわ2氏、訴え-政治(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201910/CK2019100602000126.html
(3)特集ワイド:多様性と冷静さ、取り戻そう「嫌韓」の空気、青木理さんと考える 政権がお墨付き、あおるメディア - 毎日新聞
https://00m.in/F0Ryu
(4)澤藤統一郎の憲法日記:DHCスラップ『反撃』訴訟判決再論
http://article9.jp/wordpress/
(5)萩生田光一文科相は「幸福の科学」の大学設置再申請でまた動くのか? 5年前の申請時に幸福の科学側に立って文科省に働きかけ LITERA
https://00m.in/q8jGL
6.「いちろうちゃんのブログ」から
(1)「砂川事件裁判国家賠償等請求訴訟」にご注目とご支援を!!:今こそ「伊達判決」を生かし、日米密約戦争同盟のくびきから日本を解放いたしましょう- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-01569e.html
(2)香港、燃えよ民主主義ドラゴン=学生抗議・五大要求断固支持(1):スターリニズム・特権官僚国家の中共中国と、その手下=香港政府・香港警察を全世界の民主主義勢力が包囲せよ(田中龍作ジャーナル他)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-cf6abe.html
(3)(他のMLでの議論です)(1)公費で賃金を上げる経済政策と規制見直し(2)「公共貨幣論」批判 +(3) 若干の直近情報- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-3b614a.html
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「東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決は「全員無罪」=日本の司法は「暗黒時代」へ突入(その2)」をお送りいたします。日本という国を滅ぼしてしまいかねなかった巨大な原発の過酷事故について、その筆頭格の責任者である東京電力幹部3人が、何ゆえに罪を問われて刑事裁判にかけられているのか、その意味も意義も理由も理解できず、事故の真相の認定も、事故の様々な意味での原因も、社会正義も、再発防止も、何もかもかなぐり捨てて、自己保身と判決後の自身の栄達のみを頭に思い浮かべて、被告3人の無罪放免の屁理屈を探し求めていた、人間失格・裁判官失格の亡国ヒラメ裁判官3人=永淵健一郎(裁判長)、今井理(右陪席)、柏戸夏子(左陪席:新任)、こいつらは絶対に許すことができません。司法権力の濫用とは、まさに今回のような裁判での有様を言うのです。今回2回目は、この判決が実は裁判が始まる前どころか、起訴調べの段階から「結論が決められていた」という状況証拠が山積みになっていることをお伝えするとともに、今回の判決を報道するマスコミの姿勢についても批判的にコメントいたします。
(前回)東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決は「全員無罪」=日本の司法は「暗黒時代」へ突入(その1):東電旧経営陣無罪判決、裁判所が犯した七つの大罪 (海渡雄一弁護士:論座)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-264d98.html
まずは、検察官役の弁護士のみなさまの英断により、この裁判が東京高裁に控訴されたことを喜ぶとともに、検察官役弁護士の方々に心より感謝申し上げたいと思います。日本の歪み切った裁判制度の下、検察官役の弁護士の方々に対しては、まともな報酬がなされず、まさに手弁当持ち出しの自己犠牲の上でご活躍いただいていることに胸が痛みます。検察審査会の起訴要件(2/3以上の賛成が必要)もおかしければ、起訴相当の議決を経てのちの国の強制起訴裁判に対するフォローアップの仕組みが全くなっておらず、まるで形だけ仕組みを創りましたから、あとは野となれ山となれ、の制度になっていることは許しがたいものがあります。
日本の(検察&)司法制度の「第2次民主化」が絶対に必要不可欠であること(追って具体的な内容について申し上げます)をここで再確認しておきたいと思います。首相官邸を含む行政権力は、何年かに一度やってくる選挙によって(いかに形骸化しているとはいえ)、有権者・国民からある程度のフィードバックは受ける宿命にありますが、他方の司法権力や検察権力の方はこうした有権者・国民からのフィードバック制度が事実上皆無であり、いわば裁判官・検察官どもの、社会正義や法の下での公正・公平を無視した「やりたい放題」の権力濫用が罷り通っているのです。日本という国が民主主義と法治国家を名乗るのであれば、こうしたことを放置するわけにはいかないでしょう。今回の東京地裁のアホの裁判官3人による東電刑事裁判の判決結果は、この「司法・検察抜本改革」の必要性を痛感させたものと言えるでしょう。
*控訴が決まりました!(指定弁護士・被害者参加代理人コメントあり) - 福島原発刑事訴訟支援団
https://shien-dan.org/20190930-appeal/
(関連)東電旧経営陣3人の裁判、無罪判決不服として控訴 TBS NEWS
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3791589.html
(関連)東京新聞-東電旧経営陣無罪で控訴 指定弁護士「正義に反する」-社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019100102000146.html
1.録画と判決要旨
(1)20190919 UPLAN【記者会見】東電刑事裁判判決 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ihsiBMN4A_k
(2)20190919 UPLAN 東電刑事裁判判決(東京地裁)&報告会 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=RHbo-XQeHIE
●判決要旨 - 福島原発刑事訴訟支援団
https://shien-dan.org/summary-20190919/
2.有識者のコメント
これからも様々な著名人のコメントを少しずつご紹介していきます。下記のうち、明石昇二郎さん、添田孝史さん、のコメントは必読ですので、必ずご覧いただければと思います。
(1)(別添PDFファイル)東電刑事裁判無罪判決:被害者を激怒させた東京地裁のトンデモ論理を徹底批判(明石昇二郎『週刊金曜日 2019.9.27』)
ダウンロード - e8a2abe5aeb3e88085e38292e6bf80e68092e38195e3819be3819fe69db1e4baace59cb0e8a381e381aee38388e383b3e38387e383a2e8ab96e79086e38292e5beb9e5ba95e689b9e588a4efbc88e6988ee79fb3e69887e4ba8ce9838ee3808ee98791e69b9ce697a59.27e3808fefbc89.pdf
(2)(別添PDFファイル)東電判決の無力感(青野由利 毎日 2019.9.29)
https://mainichi.jp/articles/20190928/ddm/002/070/019000c
(3)(別添PDFファイル)奴隷の言葉(鎌田慧 東京 2019.9.24)
https://lituum.exblog.jp/29658819/
(4)「無罪」証拠と矛盾多い忖度判決(刑事裁判傍聴記: 添田孝史) - 福島原発刑事訴訟支援団
https://shien-dan.org/soeda-20190919/
(5)裁判史の恥辱・永渕健一裁判長「東電無罪」判決 - 金平茂紀|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019100300011.html?page=1
(関連)ルポルタージュ研究所(明石昇二郎さん)
https://rupoken.com/
(関連)TieLabs HomePage - level7(添田孝史さん他)
https://level7online.jp/
3.日刊ゲンダイより
(1)(別添PDFファイル)東電幹部無罪判決 この司法ならば2度あることは3度ある(日刊ゲンダイ 2019.9.21)
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/696.html
(2)(別添PDFファイル)司法が「絶対的安全」を否定 この判決で原発再稼働の狂気(日刊ゲンダイ 2019.9.23)
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/705.html
(参考)日刊ゲンダイ 会員登録(無料会員になると一定数まで見ることができます)
https://www.nikkan-gendai.com/users/info_plan
4.東電幹部3人を最初から無罪放免する方針で起訴・裁判に臨んでいた日本の司法・裁判所・検察
ずさん極まりない安全管理の結果、福島第1原発事故を引き起こした東京電力の3人の経営幹部に対する刑事責任を追及するこの裁判は、最初から、つまり裁判の最初からではなく、起訴の段階の、そのもっと前から、奇妙というか、おかしなことの連続でした。これらのことは、日本の司法・裁判所、そして検察が、この未曽有の大惨事・環境汚染と絶句する悲劇をもたらした極悪人3人を、裁判の内容とは無関係に「最初から無罪放免する方針」であったことを示唆しています。日本の司法・裁判所・検察、裁判官・検察官は、その本来の機能を喪失して久しく、その存在そのものが「社会悪」と化しています。有権者・国民は、こうした権力の出鱈目を断固として許してはなりません。今回は「アプリオリに決められていた3被告の無罪放免」の「状況証拠」だけを列記しておきます(腐った日本の司法・裁判所・検察に有権者・国民が鉄槌を振り下ろして叩き潰す方法は別途お伝えいたします)。
そして「(福島原発事故の責任者は)最後に誰もいなくなった」=これは実話に基づく現代日本の恐怖のミステリーです。
(一部抜粋)
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思い返せば、この裁判は始まりから異常でした。傍聴のために福島から駆け付けている市民をまるで暴徒でもあるかのように、所持品をすべて取り上げ、傍聴席と法廷の境界に屈強な衛視を何人も立たせて、廷内を威圧し、被告人らを暴徒から防衛するかのようにして審理はすすめられました。指定弁護士が強く求めた原発現地の現地検証も一切実施しませんでした。東電・国に対する民事損害賠償事件を審理している裁判所の中には検証を実施したところもあるのに、被害の現実と全く向き合おうとしなかったのです。
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(海渡雄一弁護士「東電刑事裁判無罪判決 裁判所はなぜ誤ったのか」より)
(1)巨悪を逃す検察は最初から腐っていた
*原発事故の実態解明や原因究明を担う政府側の組織として「政府事故調」(畑村洋太郎東京大学名誉教授が委員長)が設置されたが、その事務局を検察庁の検事や法務省の役人どもが担い、東京電力の幹部たちをはじめ、福島第1原発事故をもたらした事実経緯について、重要事項や人的関与などに関して事実隠蔽などを重ねていたことが、今般の東電刑事裁判と、それに至る検察審査会での審理の過程で浮き彫りとなった。「政府事故調」報告書は、今や「インチキ文書」とされる結果になるという悲惨なことになってしまった。そもそも「政府事故調」がその調査過程について、関係者の証言記録を含めて非公開にして行われたこと自体が大問題である(他方、もう一つの事故調査委員会である「国会事故調」は一部の例外をのぞいて、ほぼ原則公開だった)。そして、その中でもこの裁判にとって最重要である東京電力3幹部の証言記録その他は、最後の最後まで公開されなかった。
(関連)東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 - Wikipedia
https://00m.in/hcrlf
(関連)東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 - Wikipedia
https://00m.in/eZPGx
*東京電力3幹部らをはじめ福島第1原発事故に伴う告訴・告発の担当は検察庁「公安部」だった。「公安部」は戦前の治安維持法で悪名高き「特高警察」を指揮指導していた部署の「なれのはて」、こんなところが原発事故の原因を創った人間たちの告訴・告発を担当するということは、逆に、検察が告訴・告発をする側を、まるで犯罪人か社会を混乱させる悪漢のごとき人間達として見ているということを意味している。検察は頭がイカれているとしか思えない。
*(強制起訴となったために明らかになったことだが)検察は有罪とするだけの十分な証拠があったにもかかわらず、東電3幹部を不起訴処分とし、検察審査会で起訴相当とされても頑として起訴をしなかった。
*また、東電3幹部のみならず、他にも多くの関係者が福島第1原発事故に関連して告訴・告発されていたが、こうした連中に関しても一切を不問にして不起訴処分としている。とりわけ東京電力幹部と並び、事故の直接的な原因をつくってしまった原子力安全保安院や原子力安全委員会などの規制監督当局の役人や委員どもを不起訴にしてしまったことは許しがたいものがある。その原子力安全保安院の幹部どもは、今もなお、原子力規制庁に所属し、平然と原発再稼働=原発推進の仕事に邁進しているというから、この国は破滅への道をばく進中だということになる。
*福島原発告訴団が2012年6月、東京電力の幹部や国の関係者ら33人の刑事責任を問う告訴・告発状を提出したのは、この原発事故で最も重篤な被害を受けた福島県に所在している地方検察庁だった。しかし検察は、それを告訴団の了解も経ずに東京の検察庁へ移管するという暴挙を行っている。明らかにその後の検察審査会(各地方の一般市民が抽選で委員として参画する委員会)での起訴不要の結論を狙ったものとしか思えない。
*そして、その検察審査会での検察は、終始一貫、不起訴処分を押し通すための出鱈目行為に明け暮れていた。巨悪は逃す=社会正義と法の秩序などカンケーネー、それが検察の一貫した態度だった。
(2)自己保身と自身の栄達だけを念頭に判決を書いた3人の裁判官
人間失格・裁判官失格の亡国ヒラメ裁判官3人は、永淵健一郎(裁判長)、今井理(右陪席)、柏戸夏子(左陪席:新任)です。ことあるごとにこの3人の名前を広めていきましょう。絶対に忘れてはいけません。世界的に有名にしてやることです。東京地裁前でのこの判決に対する継続的な抗議行動も必要な気がします。巨悪による犯罪や悪質な振る舞いがあった際に、それを権力が追認することほど罪深いものはありません。それはその巨悪を、他の権力を持つ者たちに対して「無罪だよ~、またやってもいいんだよ~」と声をかけてやるようなものだからです。このバカバカしい判決のおかげで、日本における原発・核燃料施設の過酷事故の可能性は格段に高くなったと言えるでしょう。原発・核施設の現場では、今まで以上のモラル・ハザードが蔓延していきます。「あの東電幹部でさえ罪を問われなかったんだ、だったら俺たちも大丈夫」となり、カネカネカネ優先のずさんな安全管理が罷り通り、次の過酷事故を用意していくことになるのです。永淵・今井・柏戸の3人は、東電幹部3人に匹敵する極悪人となりました。
*検察審査会で起訴が決まっても、東京地裁はいつまでたっても公判を開始しようとはしなかった。「福島原発告訴団」とその支持者が何度も東京地裁前で「早く裁判を開始しろ」と抗議の声を挙げた。
*この裁判は刑事事件であり、本来であれば、権力者の犯罪が裁かれるこういう裁判こそ「裁判員制度」の対象とすべきであるにもかかわらず、そんなことは微塵も検討された様子はない。今日の「裁判員制度」はすでにその目的を見失い陳腐化しており、抜本的な改善が求められている。
*法廷が狭くて入りきれない。800人を超える傍聴者が押し掛けても、一般市民に用意された傍聴席は50席にも満たない状態、それでいて、法廷内での撮影や録音は禁止、テレビカメラもシャットアウト、そうしておいて巨悪を逃がして屁理屈を付ける、これでは「暗黒時代の秘密裁判」といわれてもしかたがないではないか。日本国憲法に明らかに違反している。憲法の番人と言われる司法・裁判所がそもそも憲法を尊重し守ろうとはしない。まさに「現代の悪代官所」である。
●日本国憲法 第八十二条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害する虞(おそれ)があると決した場合には、対審は公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつている事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
(関連)「自ら聞きたい」原発事故判決、傍聴券に800人超の列(朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190919001200.html
*くそヒラメ裁判長・永淵健一郎による異常な訴訟指揮(明石昇二郎さんの『週刊金曜日』記事(別添PDFファイル)より抜粋)
東電幹部3人の味方をして無罪放免にしてやろうと思っている裁判官どもとしては、自分の悪事を見破りに来る市民たちは憎らしくて仕方がなかったのだろう。法廷指揮権という一種の裁判官権力を悪用し、可能な限りのいやがらせをしてウサバラシしていたに違いない。これが日本の司法・裁判所・裁判官の見苦しくも出鱈目な実態である。憲法で保障された裁判傍聴をするだけのことに対して、何をやっとるのかということだ。裁判傍聴の一般市民を罪人・極悪人扱いの裁判所、どっちが罪人であり極悪人か、よく考えてみろ、ボケ! という話。人権侵害甚だし。
(一部抜粋)
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甫守一樹弁護士は語る。「福島から(裁判の傍聴に)駆けつけてくる被害者の皆さんに対して、かなり敵意を持っていると窺われる訴訟指揮をしていたので、こういった判決が出ることはある程度、予想できた。ただ、その予想を上回るひどい判断だ」
37回にわたった公判では傍聴人に対し、異常なまでに厳重な身体検査や荷物検査が実施された。眼鏡にカメラが仕込まれているのではないかと疑われる傍聴人が続出。特に、黒い縁の眼鏡をかけていた者たちが疑われた。筆者に至っては、ベルトを外して身体検査に臨まなければならないほどだった。もちろん、水渕裁判長の指示によるものである。抗議の意味を込め、身体検査の際に自ら下着姿になる女性もいたほどだ。
法廷内に持ち込める物はノートと筆記用具に限られ、団扇でさえも金属探知機で厳重にチェック。ペットボトル飲料の持ち込みも禁止された。長時間にわたる公判の際には、水分の補給ができずに体調を崩す人もいたが、それでも最後まで改められることはなかった。
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*検察側弁護団側から要請が出ていた裁判官の福島被害地視察はついに行われなかった。案の定、判決(要約)文では、この裁判官どもが福島第1原発事故のあまりに悲惨な被害の現状や被害者の悲しみ・苦しみに向き合うこともなく、無罪放免のための屁理屈陳列に熱を上げてしまっていた。
*(上記でも申し上げたように)政府事故調が記録した被告・東電3幹部の当時の証言を含む政府事故調の調査資料の公開を裁判所が指示しなかった。事件の真相解明のためには必要不可欠な文書であるから、裁判所の方から開示を指示してほしいという検察側弁護団の要請を、この裁判官どもは踏みにじった。彼らの真相究明への意欲はゼロに近い。
*この裁判に提出された東京電力提供資料を含め、さまざまな情報の他の裁判での活用を、この裁判官どもは妨害をし続けていた。福島第1原発を巡る裁判は、これ以外にも、株主代表訴訟や各地の損害賠償裁判、また、原発メーカーの責任を問うた裁判や、原発事故後の政府や自治体の不作為をはじめとする出鱈目な事故対応を告発した裁判もある。そうした裁判は、言ってみれば同じ方向を向いて、福島原発事故の真相を明らかにしようとしている裁判であって、当然ながらそれぞれの裁判に出される情報は共有されてこそ、真実が見えてくるというものである。それを公正・公平で社会正義と法の秩序を優先しなければいけない裁判所・裁判官が権力を濫用してこれを妨害するというのだから、お話にならない。
*判決が出たというけれど、判決文はその要約が公開されただけ、未だに判決文全文が公開されず、今もってなお誰一人として判決文全文を入手したものはいないという状態である。しかも、判決要約たるや、海渡雄一弁護士に言わせれば、このクソヒラメ裁判官どもが被告3人を無罪放免するために、彼らの言い分の中からご都合主義的にピックアップして並べて文章にしたお粗末なものであり、それがマスコミに公布されることで、報道がこのインチキ要約文に沿って行われることを意図したものであるという。もちろん37回にも及ぶ公判の中で、事の真相を明らかにした検察弁護団側からの様々な重要な事柄は、この判決要約の中では無視されてしまっているのである。判決文を公開しない日本の裁判所、これいったい何だ!? という話ではないか。
判決文を直ちに公開しろ、バカヤロー!!
5.至らないマスごみ報道
東京地裁での東電刑事裁判の判決が出て以降、マスごみ報道はこの問題で持ちきりとなり、読み切れないほどの文書や見切れないほどの放送などが流布された。しかし、私から見るとどこも似たり寄ったりで、たとえば下記のような決定的に重要なことが抜け落ちてしまっている。今日のマスごみの支配権力に対する批判力=権力ウォッチドッグとしての使命を果たす能力の劣化・喪失を示している1つの証左として見ておくとよい。
<別添PDFファイル>
(1)原発事故「無罪」(上)(中)(下)(東京 2019.9.20,22,23)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092002000175.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092202000114.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092302000117.html
(2)問われぬ責任:東電旧経営陣無罪判決(上)(中)(下)(朝日 2019.9.21-23)
https://00m.in/v7dCq
(3)教訓はどこに:東電強制起訴判決(上)(中)(下)(毎日 2019.9.20-22)
https://mainichi.jp/articles/20190920/ddm/041/040/126000c
https://mainichi.jp/articles/20190920/ddn/041/040/015000c
https://mainichi.jp/articles/20190921/ddm/012/040/119000c
https://mainichi.jp/articles/20190922/ddm/041/040/034000c
(4)東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決(社説)(東京・朝日・毎日 2019.9.20)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019092002000193.html?ref=rank
https://www.asahi.com/articles/DA3S14185588.html?iref=editorial_news_two
https://mainichi.jp/articles/20190920/ddm/005/070/125000c
(この、見苦しいほどに「つつましやか」な新聞各社の社説は一体何だということだ!:田中一郎)
(田中一郎コメント)
*検察庁・検察官への批判的観点が皆無に近い
上記で申し上げたような諸点について、マスごみの報道で見たことがない
*裁判官および裁判所に対する批判がほとんどない
上記で申し上げたこと、たとえば、①裁判の公開性の実態、②異常な訴訟指揮と被害を受ける傍聴市民、③劣悪内容の判決要約文とその悪影響(特にモラル・ハザード蔓延や原発や核施設事故再発促進の可能性、④判決文非公開の理不尽批判など
*原発過酷事故を引き起こしたベースにあった原発管理監督規制における「利益相反問題」への無関心
たとえば武藤栄被告が津波対策を提案してくる部下に向かって「土木学会に検討してもらえ」と切り返した、その「土木学会」とは、まさに原発推進の御用学者ばかりを集めて電力会社の出鱈目を追認してきた「御用学会」ではないか、何故それを記事の中で書かないのか。原発報道で評価されている東京新聞もまた、この「利益相反問題」については、いかにもセンスが悪くて、他のゴミ新聞と変わらない。
<その他関連サイト>
(1)[大弦小弦]「東電無罪」の論理(沖縄タイムス) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190923-00474461-okinawat-oki
(2)「証拠あったのに」と憤り=原発告訴団、控訴求める-東電旧経営陣裁判 (時事通信社)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019091901241&g=soc
(3)東京新聞-東電旧経営陣3人無罪 福島事故 東京地裁判決-社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019091990135859.html
(4)東電元会長ら無罪、裁判官特有のバイアスか 裁判員裁判なら違う判決も(47NEWS) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191004-00000003-yonnana-soci
●福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.com/
●福島原発刑事訴訟支援団|東京電力福島原発事故の真実と責任の所在を明らかに
https://shien-dan.org/
草々
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2019年10月 7日 (月)東電福島原発事故刑事裁判 東京地裁判決は「全員無罪」=日本の司法は「暗黒時代」へ突入(その2):東電幹部3人を最初から無罪放免する方針で起訴・裁判に臨んでいた日本の司法・裁判所・検察:全文異議なし、拡散期待。
投稿: | 2019年10月 8日 (火) 17時22分