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2019年9月 8日 (日)

(メール転送です)国際放射線防護委員会(ICRP)による新たな「被曝基準緩和勧告案」への共同パブコメの賛同を御願いいたします(山田耕作京都大学名誉教授より)

前略,田中一郎です。


(最初に若干のことです)
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1.(9.9)第101回公開研究会「ICRP新勧告(案)の問題点~パブコメ応募のてびき~」 - 原子力資料情報室(CNIC)
 http://www.cnic.jp/8697

2.(9.10)オルタナティブな日本をめざして(緊急編):「白熱教室:これが日米FTA交渉の実態だ」(鈴木宣弘東京大学大学院教授:新ちょぼゼミ)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-46c8d0.html

3.(9.11)脱原発テントひろば9年目行動 院内講演会(小出裕章さん、参議院議員会館)& 経産省前抗議行動
 http://www.labornetjp.org/EventItem/1565573058584staff01

4.(9.16)ICRP勧告案を検証する緊急学習会(9月16日(月・祝)13:30開会・京都市呉竹文化センター2階会議室)

日 時:2019年9月16日(月・祝)13:10開場・13:30開会~16:30
場 所: 京都市呉竹文化センター 2階会議室
   (近鉄・京阪「丹波橋」駅西口すぐ)
  https://www.kyoto-ongeibun.jp/kuretake/map.php
参加費:一般700円、避難者300円
講 師:山田 耕作さん(京都大学名誉教授)
    高橋 博子さん(名古屋大学大学院法科研究科研究員)
    藤岡 毅さん(大阪経済法科大学21紀社会総合研究センター客員教授・同志社大学理工学部嘱託講師)


5.「いちろうちゃんのブログ」より
(1)(報告)元号差し止め訴訟 いよいよスタート:これが「ホンモノ」の公判であり、口頭弁論だ! みなさま、この裁判にご注目とご支援を!- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-a4f0be.html

(2)♪♪東京化けダヌキの都政小唄♪♪:晴海選手村土地投げ売りを正す会ニュース(「住民訴訟」次回公判は9/13午後3時 東京地裁・第419法廷)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-9729a4.html

(3)(報告)(8.31)シンポジウム:現代科学技術と人権 科学技術は私達生活にどのように関わってくるのか(主催:ゲノム問題検討会議)& 直近のゲノム編集関連情報- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-36289d.html

(4)(押し売り屋トランプに額ずく安倍晋三)今度は安全性疑わしき「遺伝子組換え(GM)トウモロコシ」を「爆買い」するのか!?:日米FTA大筋合意のペテンと売国- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-2f7686.html
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このほど、国際放射線防護委員会(ICRP)から、福島第1原発事故の経験を踏まえての新たな「被曝基準(事実上の)緩和勧告案」が出され、これがパブリックコメントにかけられています。「案」を書いたのが日本から国際放射線防護委員会(ICRP)の委員に就任している人間達であり、その国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を日本に受け入れるかどうか、どのように受け入れるか、他の国内外の諸団体の勧告や提言などはどうなっているか、などを比較・検討するのも同一の人間達であるという、原子力・核・原発の世界では「常套手段」となっている「利益相反行為」状態のままでの「勧告案」です。

最初は、英語のみの表記でパブリックコメントにかけられていましたが、批判が相次いだため、昨今、一部日本語訳が公表されたようです。福島第1原発事故を踏まえて、などとしながら、肝心かなめの、その福島第1原発事故の被害者である福島県をはじめとする被害者や、当事国の日本の人々をまるで無視するように事を進めているのですから、腹立たしい限りです。しかも「案」を書いているのが日本人ですから、日本語の原文があってしかるべきでしょう。福島第1原発事故の被害者や日本の有権者・国民を完全にバカにして無視する態度です。

幸いなことに、日本の原発推進や被ばく防護の在り方に対して、科学的な観点から厳しい目で監視を続けて下さっている山田耕作京都大学名誉教授が「共同パブコメ」の文章を創り賛同者を募集して下さっています。私も賛同いたしました。みなさまも、是非ご一読いただき、よろしければご賛同いただければ幸いです。以下、山田耕作先生のメールと共同パブコメ案(別添PDFファイル)、および関連情報を添付して、みなさまにこのメールをお送りいたします。よろしくお願い申し上げます。


山田耕作京都大学名誉教授からのメール(一部省略)
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みなさま、山田耕作です。

先日、お知らせしましたように国際放射線防護委員会ICRPが「大規模の核事故における人と環境の放射線防護」改定案を提出し、公の意見を求めています。9月20日が提出期限です。前回メールで御願いしましたように、多くの人の議論を経て添付の共同パブコメ案を作成しました。緊急時の事故処理や対応に当たる関係者の致死量に近い1Gy(グレイ) という高い被ばくも大きな問題です。(注:ガンマ線やベータ線の場合は1グレイ=1シーベルトとされています:田中一郎)  
ダウンロード - efbca9efbca3efbcb2efbcb0e58ba7e5918ae694b9e8a882e381aee88d89e6a188e381b8e381aee3838fe3829ae38395e38299e382b3e383a1e38080efbc99e69c88efbc91e697a520e980a3e7b5a1e58588e8bfbde58aa0.pdf


しかし今回の共同パブコメは、事故後の住民の被ばくを特に重視しています。事故後のいかなる時期でも年間1 mSv 以上の被ばくを回避することが、平和で健康に生きる人権の点からも当然であることを訴えるものです。色々な方がそれぞれICRPに直接パブコメを提出していただくことに合わせて、共同パブコメへの賛同と協力を御願いします。私たちは平穏な日常生活を営む普通の市民として意見を述べたいと考えます。

賛同していただける団体、個人は山田までメールをください。

個人は同姓同名の人の混乱を避けるため、お住まいの市町村、または肩書き、または所属の団体等をお知らせくださると幸いです。またローマ字(もしくは英語)でも表記していただければ幸いです。山田耕作(YAMADA, Kosaku)(宇治市)または(京都大学名誉教授,Professor Emeritus Kyoto University)または(反戦老人クラブ・京都)など。

<追記>
1.パブコメ案の英訳が高橋さんの手で進行中です。
2.共同パブコメの文中の参考文献には以下の日本語訳が利用できます。

IPPNWの勧告
 ( https://peaceandhealthblog.com/2013/06/05/fukushima-disaster/
 https://peaceandhealthblog.com/2019/08/26/radiation-exposure/ )
 (グローガー理恵氏による和訳 http://chikyuza.net/archives/35196

 アナン・ド・グローバー氏の勧告
https://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/HRCouncil/RegularSession/Session23/A-HRC-23-41-Add3_en.pdf

 ヒューマンライツ・ナウ翻訳チームによる和訳
http://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2015/11/130627-Anand-Grovers-Report-to-the-UNHRC-japanese.pdf
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以下、関連情報を箇条書きしていきます。

1.原発事故の防護基準、日本語で意見募集へ〜ICRP - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2432

(関連)ICRP勧告案 一部日本語訳
 https://drive.google.com/file/d/13Bh4_cJMRYg4YxmK5w_DsxusKRoJB0aO/view
(関連)原発事故の対応を左右するICRPの草案 - 原子力資料情報室(CNIC)
 http://www.cnic.jp/8734

(関連)ICRPが原発事故後の放射線防護に関する勧告をアップデート中。パブコメは日本語でOK(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190831-00200555-hbolz-sci


2.(メール転送です:一部省略)ICRP「大規模原子力事故後の放射線防護」勧告草案に意見を出そう!(9/20まで)
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みなさま(重複失礼・拡散歓迎)

ICRP「大規模原子力事故後の放射線防護」勧告草案に意見を出そう!(9/20まで)
 https://foejapan.wordpress.com/2019/08/15/icrp/

●ICRPの「大規模原子力事故における人々および環境の放射線防護」
(Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident)草案が公開され、がウェブ上で9月20日までパブコメにかかっています。
 https://t.co/5BGw9C7lcy?amp=1

ICRPが新しい勧告を出すと、日本を含め多くの国で放射線防護関係の法令の見直しが行われます。しかし、多くの人がパブコメを行われていることすら知らないのではないでしょうか? また、草案が英語の上、パブコメの受付も英語で、ハードルの高いものになっています。原子力市民委員会では、日本語版を作成すること日本において公聴会を開催すること締め切りを延長することーを要請しました。

さて、今回の勧告草案のひとつの焦点が、緊急事態後の「参考レベル」の扱いです。これはとてもわかりづらい言葉ですが、「暫定的な目標値」という言い換えが最も近いでしょう。

現行のICRPのPub111は「(現存被ばく状況の)参考レベルは、1~20mSvの下方部分から選択すべきである。過去の経験は、長期の事故後の状況における最適化プロセスを拘束するために用いられる代表的な値は1mSv/年であることを示している」としています。「現存被ばく状況」とは、原発事故直後の混乱がおさまったあとの、回復期を意味します

今回の改定草案では、以下のように書いてあります(パラ80)。

「緊急対応時の後の長期汚染地域に居住する人々については、委員会は、長期に続く現存被ばく状況での人々のリスクへの耐性を考慮して、1-20 mSvのバンドまたはそれ以下で参照レベルを選択することを推奨する。一般に年間1 mSvのレベルまで被ばくを徐々に減らすことを目的として、年間10 mSvを超える必要はない。Publication 111(ICRP、2009b)で、委員会は1-20-mSv帯域の下部の参照レベルの選択を推奨した。選択された参照レベルが一般に10 mSvを超える必要がないという今回の推奨事項は、この立場を明確にするものである。」

つまり、参考レベルの記述のみを比較すると、現行の勧告と同じことを言っていると解釈できます。「参考レベル」というわかりづらい概念を設定し、それ以上の被ばくをある意味容認していること自体も問われるべきでしょう。

しかし、日本政府はこのICRPの勧告すら守りませんでした。2011年4月に年20mSvを基準に計画的避難区域などを設定しましたが、その後、避難区域解除のための要件のうち、放射線に関するものは年20mSvを下回ることとしました。つまり、参考レベルを20mSvで高止まりさせてしまったのです。

一方で、今回の改定草案では現行の「緊急時」と「現存被ばく状況」を分けなおしていることにも注意が必要です。「緊急時」を長くとれば、より長い期間、緊急時を理由にして、より高い参考レベルを採用し、政府が、避難などの防護策をとらずにすませることを可能としているのではないか、気になるところです。いずれにしても、ICRPの勧告はとても抽象的であり、政府には都合のよい解釈を許すものとなっています。

東電福島原発事故を描写している付属書Bについても、多くの問題があります。たとえば、以下のような重要な事実がふれられていません。

・避難区域外からも多くの人たちが避難を強いられたのにもかかわらず、2011年12月までは区域外からの避難者に対する賠償はなく、2011年11月に決まった中間指針でも、とても少額であった。その後、避難者に対する住宅提供も次々に落ち切りになり、区域外避難者の困窮、社会的・経済的な圧迫につながった。

・避難・被ばく防護の政策、避難区域の再編、避難解除の基準に関して、人々の意見が反映されなかった。例えば、避難解除について、説明会は開かれ、多くの住民が「解除は時期尚早」と意見をいっても、これらの声は無視されてしまった。

・避難者・居住者・帰還者を等しく支援するという「子ども・被災者支援法」が満足に実施されなかったが、それについても記載がない。

・福島県県民健康調査において、見出された甲状腺がんについて、「事故後の放射線被曝の結果である可能性は低い」とのみ記載し、「甲状腺がんが多く発生している」こと(検討委員会も認めている)、多くのもれがあることなど、重要な事実を記載していない。

みなさまも、ぜひチェックしてみてください。

▼主要部分の和訳
 https://drive.google.com/file/d/13Bh4_cJMRYg4YxmK5w_DsxusKRoJB0aO/view

▼改定の中心となったICRP TG93座長甲斐倫明氏によるプレゼン資料
 https://drive.google.com/file/d/12k7NDfkE47iKHGy8XXYyl_G-4O2ctvf_/view
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3.ICRPが原発事故後の放射線防護に関する勧告をアップデート中。一般住民の被ばくを減らす改定が行われる模様(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190812-00199119-hbolz-sci

(関連)表1_ ICRPが推奨する線量水準 (reference level) の範囲。事故対応者をのぞく一般住民用 - 29fdacfc2826921610f06dbe8fd0ec6e.png - ハーバービジネスオンライン
 https://hbol.jp/199119/%e8%a1%a81_ida

(一部抜粋)
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(中略)アップデートを担う作業部会 Task Group 93
 こういった背景から、2013年の秋にはICRP内に勧告「109」と「111」の更新を担う作業部会(Task Group 93 )が立ち上げられ、ICRP主委員会(ICRP Main Commission)からの承認を経て、活動を開始した(参照:ICRP Committee 4 Meeting )。

 同作業部会は、ICRP 内外の研究者ら 10 名から成る国際チームであり、座長には甲斐倫明教授(大分県立看護科学大学)が、副座長には本間俊充氏(原子力規制庁。旧所属は日本原子力研究開発機構 安全研究センター)が就いた。
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(田中一郎コメント)
 国際放射線防護委員会(ICRP)が、今や世界的にも最もタチが悪いと言われる日本の原子力ムラ・放射線ムラの御用学者により「リード」されていることが見える文章です。この似非組織の勧告を福島第1原発事故後の日本に適用すること自体が、そもそも大きな誤りであり、決定的な放射線被曝健康被害の歪曲であるのですが、それはともかく、上記のニュースは一見に値します。

ただ、筆者が書いているように「線量水準」だけを見て放射線被曝防護が厳しい方向に改定されそうだと単純に喜ぶのは時期尚早でしょう。やはり、今後公開される全文を見て、「線量水準」以外のところにトンデモ勧告が盛り込まれていないかなど、厳しい目のチェックが必要です。英語が駄目な私としては、忸怩たるものがあります。


4.Our PlanetーTV より
 「年間1ミリの無効化」というのが、この勧告の肝だと思っています。この内容に追いついていない方は、ぜひご確認ください。

(1)「放射線だけが敵ではない」〜ICRP委員が勧告案を解説 - OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2430
(2)ICRP新勧告「被災者を守れない」〜市民団体が批判(2019年8月23日)
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2426
(3)子どもに年10mSvの被曝容認?〜放射線新基準でヒヤリング(2019年8月22日)
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2425
(4)原発事故後の防護基準10ミリに緩和へ〜ICRP(2019年7月25日)
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2415
(5)放射能嫌いは「認知バイアス」原子力規制委員がメール(2019年7月21日)
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2424


5.(メール転送です)ICRPにコメント提出~年1mSvの堅持を。人々の被ばくを避けて暮らす権利の保障を
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みなさま(重複失礼、転送歓迎)
FoE Japanの満田です。ICRPにコメント出しました! 以下ご一読いただければ幸いです。

ICRPにコメント提出しました~年1mSvの堅持を。人々の被ばくを避けて暮らす権利の保障を
 http://www.foejapan.org/energy/fukushima/190902.html

(以下抜粋)
・ICRP勧告が、東電福島第一原発事故後人々の防護に役立ったかについての検証を行うべき
・人々が被ばく防護に関する政策決定に参加する権利、被ばくを避ける権利を保証すべきである
・緊急時・回復期においても、被ばくの基準の引き上げを容認すべきではない

・「参考レベル」の概念を見直すべきである
・ 政府や原子力事業者の賠償や支援などの責任について盛り込むべき
・「最適化」の概念を見直すべきである

・福島県、周辺県、東京などにおいて、公聴会を実施すべき
・回復期の参考レベルは、1mSvとすべき
・publication 111の「代表的な値は年1mSvである」という表現は残すべき

・「閾値なしの線形モデル」の採用を明記すべき
・ANNEX Bで参照している文献が偏っている。国会事故調査報告書も、十分参照されていないようにみえる。避難政策や被ばく防護に関して日本政府の方針に対して批判的なレポート、文献、各種報道、被害者の声やその置かれた状況に関する資料についても参照すべき
・13000cpm以上の人たちに対する甲状腺測定、安定ヨウ素剤の配布は行われなかった。記録にも残されなかったことについて明記すべき

・「地域がん登録から推定される甲状腺がんの有病数より数十倍のオーダーで多く発生している」こと、地域別に有意な発生率の差があったことについて記すべき
・「co-expertise」を奨励しているが、疑問がある。日本においては、被ばく下で生活することを前提とした「専門家」と「市民」の協力となってしまい、市民の声が真に重要な被ばく防護のための政策(避難政策、避難指示再編、解除など)に反映されることはなかった。

以下に今回のICRPの勧告案の関連情報をまとめましたので、ご覧いただければ幸いです。
 https://foejapan.wordpress.com/2019/08/15/icrp/
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6.(メール転送です)柳原敏夫弁護士と私のメールのやり取り
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皆さんへ、柳原です。
9月20日が〆切のICRPの新しい勧告草案に対し、311以来、腹に積もり積もった思いの丈をぶつけるコメントを書きました。ご参考までに。

【第26話】「被ばくしたら子どもたちは放射能に負けない身体に変身する」ことを前提にしたICRPの新しい勧告草案は廃棄すべきである。
 https://seoul-tokyoolympic.blogspot.com/2019/09/26icrp.html

・・・・・・・・・・・
前略,田中一郎です。

柳原さん、おっしゃる通りです。
「緊急被曝状況」「現存被曝状況」「計画被曝状況」という言葉、これ、何ですか!? ふざけるなという話です。世界はお前ら原子力ムラ・放射線ムラを中心に回ってんじゃねえぞ、ということです。

自然現象のような「状況」じゃなくて、「お前らがもたらした人災」だろうが、「緊急」はともかく、「現存」だの「計画」だの、ざけんじゃねえ、という話で、こちとらは、被曝など強制される筋合いはねえぞ、ということです。

自然放射能や、医療被曝、はともかくとして、核兵器と原発・核燃料サイクルによる「追加被曝」の線量限度は「ゼロ」、少なくとも、一般市民は「ゼロ・シーベルト」、つまり、他人様に迷惑かけずにやれよ、ということです(それでできないなら、ヤメチマエ!)。1mSvなど、もっての外、被曝させたら巨額の損害賠償だ。環境を汚したら、ゼロになるまで原状復帰しろ=汚染者負担原則だ、ということです。

なお、ICRPの放射線防護の考え方については、下記サイトにやさしく解説されています。また、この「広島2人デモ」の右側にはバックナンバーがたくさんあり、その多くは優れもののレポートです。

「配布チラシ」の120番~150番くらいのところのレポートは、順々に少しずつ読んでいくといいです。私もこのサイトにずいぶんと教えられました。

第142回広島2人デモ:期間低線量外部被曝は過剰ながん死を増させる
 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151127.pdf

(関連)広島2人デモ
 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/
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7.「三陸の海を放射能から守る岩手の会」の方からです:ICRPの気になる姿勢について

(1)「経済」のための「参考レベル」である。    2ページ要点 2項目
「放射線、放射線以外の、社会、経済、環境の影響すべてを考慮してわれる、参考レベルを使した最適化の原則は、緊急時対応のときの影響軽減と、復旧過程での被災地における活条件の改善にとって不可である。」

*この文から「社会,経済,環境」を考慮して決められた参考レベルとあります。この勧告案の4/6ページに「経済」要因を加味して決めるとの表現があり,違和感を覚えます。生命を育む環境が大きく汚染され,放射能汚染が地球上に広がり人類(生物)の生存が脅かされてきつつあります。経済活動優先により環境の放射能汚染が進んできております。ICRPの委員たちも原子力ムラの経済を代弁していることがこのことから読み取れます。「経済」を削除し,人のための基準を考えなければいけない時代になっているはずです。

(2)放射線弱者に対する基準
人々特に放射線弱者である子ども,妊婦,感受性が強い大人への配慮が全く見られない。このような弱者への基準こそが真に人々を守る基準のはずです。

(3)100mSv,20mSv,1mSv 基準の科学的根拠がない。がんやその他の疾病に関わる確率的影響との関係はどうなっているのか説明がない。


8.その他:下記は批判的な観点をもってご覧ください
(1)甲状腺検査で見つかった「のう疱」との付き合い方 - 今日のセカンドオピニオン - 毎日新聞「医療プレミア」
 https://mainichi.jp/premier/health/articles/20190905/med/00m/070/001000d?fm=mnm
(2)「8年のデータ施策に」 福島県民健康調査検討委星前座長 知事と懇談(福島民報) - Yahoo!ニュース
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00000001-fminpo-l07
(3)調査結果で使われる「統計学的に有意」とはどういうこと?|日刊ゲンダイヘルスケア
 https://hc.nikkan-gendai.com/articles/260865

(この考え方でチェルノブイリ原発事故後の健康障害の発生を考えるとどうなるのでしょう? 原子力ムラ・放射線ムラの御用学者たちを批判できないものでしょうか?:田中一郎)
草々 

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