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2019年9月 1日 (日)

(報告)(8.28)オルタナティブな日本をめざして(第32回):公益通報司法取引・自己認証制度 通報者保護はどこへ! 公益通報者保護制度改正とその問題点(新ちょぼゼミ:光前幸一弁護士)

前略,田中一郎です。


さる8月28日(水)、水道橋のたんぽぽ舎におきまして、光前幸一弁護士をお招きし「新ちょぼゼミ:オルタナティブな日本をめざして(第32回):「公益通報司法取引・自己認証制度 通報者保護はどこへ! 公益通報者保護制度改正とその問題点」を開催いたしました。光前幸一先生にはご無理を申し上げて、超多忙の日程を割いていただき、今回の講演に来ていただきました。心より厚くお礼申し上げます。以下、当日の資料や録画を添付して簡単にご報告申し上げます。


(イベント情報)(8.28)オルタナティブな日本をめざして(第32回):公益通報司法取引・自己認証制度 通報者保護はどこへ! 公益通報者保護制度改正とその問題点(新ちょぼゼミ:光前幸一さん)
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-0ed37b.html

「企業や団体の不正をただすため、解雇や左遷などの報復を受けることなく内部告発ができる法律を――。こうした思いを抱きつつ、公益通報者保護法改正に向けた審議を見守ってきた関係者はいま、一様に沈み込んでいる。審議の舞台になっているのは、内閣府消費者委員会の公益通報者保護専門調査会。その議論が大詰めを迎え、内部告発者に不利益な取り扱いをした組織に対する罰則規定が法律にならないことが確定したからだ。加えて、メディアに対する内部告発へのハードルは今より高くなりそうな雲行きとなっている。「消費者庁は公益通報を抑制する現行法の問題点を放置する一方、企業が不正を内部で握りつぶしやすい環境づくりに加担するのか」。内部告発の経験者や弁護士らからはそうした批判が噴き出している(フリー記者・本間誠也/Yahoo!ニュース 特集編集部)」。今回はこの問題にお詳しい弁護士の光前幸一さんにおいでいただき、今般の「公益通報者保護制度」改正の概要とその問題点について解説をしていただきます。みなさまのご参加をお持ちしています。

講 師:光前幸一(こうぜん こういち)弁護士 
1977年に裁判官任官、1991年から弁護士開業し現在に至る。主な取扱い分野は企業法務全般と環境法。労働法分野では、現在、日弁連・労働法制委員会委員、東京弁護士会・労働法制特別委員会委員長、東京労働局・個別労働紛争あっせん委員等を務めている


(当日録画)20190828 UPLAN 光前幸一「公益通報×司法取引・自己認証制度 通報者保護はどこへ!」~公益通報者保護制度改正とその問題点~ - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=2fYvrIHIDno

●(当日レジメ)(別添PDFファイル)(レジメ)公益通報制度13年目の現在:何を変え、何が変わろうとしているのか(光前幸一先生 2019.8.28)
ダウンロード - efbc88e383ace382b8e383a1efbc89e585ace79b8ae9809ae5a0b1e588b6e5baa613e5b9b4e79baee381aee78fbee59ca8efbc88e58589e5898de5b9b8e4b880e58588e7949f208.28efbc89.pdf

(参考)「内部告発の握りつぶしに加担するのか」――改正法案に向けた動きに経験者ら批判の声 - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/feature/1173


(田中一郎コメント)
 今回見直しが行われている「公益通報者保護制度」ですが、所管する消費者庁から出されようとしている「見直し案」では、まさにこの制度の根幹である「公益通報者保護」が全く不十分なまま放置され、これでは「通報者」の負担や重圧(解雇、左遷、降格、減俸、いやがらせ、その他の不利益など)が軽減・解消されず、今まで通り「公益通報」「内部告発」が機能しない状態に据え置かれることになります。今回の勉強会のお話をお聞きして、益々その懸念は高まるばかりです。そして、日本の今日的な企業社会や役所のありようを鑑みた場合、この制度が機能しないことは、私たち一般の消費者・国民にとっては大変な不利益であり不幸であるとともに、企業社会における不法行為(犯罪)・不正・不公正などが正されることなく続いていくことにもなりかねず、看過できない事態ではないかと思われます。私はこの「公益通報者保護制度」の適正化により、その機能の完全発揮の法制度を築くことが、「新しい民主主義」構築の1つの重要政策の一つと考えていて、政権交代を実現してでも、この制度を「機能するもの」に転換していく必要があると考えています。以下は、私がいま思いつく改善点を箇条書きにしたものです。

1.「公益通報者保護制度」の対象となる「通報」の範囲を大きく広げ、およそ不法行為はもちろん社会的公正確保の観点から見て妥当なものも対象にすること、また、企業だけでなく、役所を含むすべての組織を対象にすること。

2.「通報」には「内部通報」と「外部通報」があるが、私は「外部通報」を法制化し、「内部通報」については「(消費者庁)ガイドライン」を参考に各組織の自主的取り組みに任せ(企業自治にゆだねる)、かつ、「内部通報」を「先にやれ」などの「内部通報優先原則」をやめること(法的に強制しない)。

3.「外部通報」については「行政通報」と「マスコミ通報」、あるいは「弁護士通報」などがあると思われるが、まず「外部通報」について、その適正・公正・秘密厳守の「受け皿組織」である「公益通報受付委員会」(仮称)を弁護士を中心にした組織として創設し、「外部通報」はまず、この組織が優先的・第一義的に「通報」を受け付けることとする。そして、この新委員会が「通報」の内容も吟味・審査し、それが適正な「通報」であるかどうかもチェックする。また、適正な「通報」と認めらる場合には、被告発企業や組織の調査・検証・監査を行い、しかるべき措置を求めて関係省庁や行政・司法組織に報告を行うとともに、是正措置をとる(法的対処・告訴告発・勧告などを含む)。「行政通報」は廃止とし、「マスコミ通報」は、この委員会が「適正な通報」であると認めたものに限り「通報者保護」の対象となるようにしておけばいい。(「行政通報」は「行政機関」が全く信用できないので「通報者」の不利益につながりやすい=上記「当日録画」の質疑応答のところ(VTRの1時間48分くらいのところから私が質問をしています)をご覧ください)

4.「公益通報者」が誰であるかを、告発された企業をはじめ第三者に過失又は故意によりリークしたものは刑事犯罪とし厳罰に処するとともに、それに伴う「通報者」の不利益に対して損害賠償責任を負うこととする。また、告発された企業が「通報者」に対して「報復的な措置」を取った場合も同様の刑事犯罪、かつ損害賠償責任を負うこととし、その「報復的な措置」であるか否かは「状況証拠」などに基づいて幅広く認める。(あらかじめ法令で具体事例を列記し、最後に「その他」として「「公益通報受付委員会」(仮称)が「報復」ないしは「不適切」と認めるもの」という規定を置いておけばよい)

5.「通報」をなす場合に、その「証拠物件」を入手する際の「手続き上の可否」が問題となり、それが往々にして告発された企業による裁判・起訴、あるいは「起訴するぞという恫喝」(スラップ訴訟)につながり、そうした「通報者」に対して「恐怖情況」を創っておくことで「公益通報」が出てくることを抑え込もうとする動きがままみられている。これを防止するため、「公益通報」にかかる「証拠物件」入手の手続き上の可否については、その「通報内容」が真実であった場合には原則として免責されるという定めとしておく(強盗殺人による「証拠物件」の入手などが例外)。

6.日本企業は、この「公益通報者保護制度」を、自分たちの事業や商売の「妨害物」「敵対行為」と位置付けるのではなく、逆に自分たちの事業や商売をよりよくする・消費者やユーザーにとってより良いものとして「WINWIN」状態を築いていくための、一つの大きな契機として位置付け、積極的に活用していただきたい。そのためには、「外部通報」がなされる前に「内部通報」を積極的、かつ好意的に受付け、企業内部で報奨金や昇進などのメリットシステムも用意しながら、「公益通報」を企業改善のツールとして活用してほしいと思う。上記で私は「内部通報」は「企業自治」にゆだねるべきである旨を書いているが、その趣旨は、その方が、この制度をポジティブに活用する場合には「プラス」に作用するだろうと思うからである。(逆に、そうした経営方針を取らずに旧態依然の対応しかできない企業には、「外部通報」の厳しい試練を受けていただく、ということになる)

7.福田康夫内閣のときに、彼の肝いりで創設された消費者庁は、既にその使命を忘れて「反消費者」庁・企業利益優先庁に転落してしまっている。現消費者庁の「反消費者的姿勢・政策」は、この「公益通報者保護制度」見直しに限らず、「ゲノム編集」食品の表示問題や食品安全規制その他の消費者行政全般に露骨に現れている。それはさながら消費者庁が経済産業省や厚生労働省や農林水産省などの他の「産業振興優先」大省庁の「植民地」ないしは「下僕」的な地位に貶められていることを意味し、この役所の存在意義を喪失せしめている嘆かわしい事態である。

しかし、このことは、必ずしも消費者庁の役人たちだけの責任にしておくことはできない。私は最大の原因が、消費者庁をはじめ霞が関官庁の上に君臨する現在の「ゴロツキ政権」=アベ自公政権の出鱈目な消費者行政采配にあるとみている。「「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指します」などという人物が総理大臣をやり、これまでの日本の産業優先、消費者・国民踏みつぶしの政策に輪をかけて「企業ファースト化する日本(社会)」(竹信三恵子さん)を築こうとしている政治の側(しかも官僚たちの人事権を濫用して出鱈目な裁量的人事政策を展開)に「諸悪の根源」あると見るのが妥当なように思われる。ということは、「公益通報者保護制度」の「適正化」もまた、ホンモノの政権交代を待たなければ実現しないということを意味しているのではないかと思われる。みなさま、アベ自公政権打倒=ホンモノの政権交代実現へ向けて力を合わせましょう。今日の日本は「政治が諸悪の根源」なのです。

(関連)(下記サイトの「日本が世界の成長センターになる」の部分をご覧ください)
 安倍総理・施政方針演説~第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説~ - 首相官邸ホームページ
 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/183shiseihoushin.html


 <関連サイト>
(1)公益通報者保護制度パブリックコメントとその結果(消費者庁)
(パブコメ時)http://urx2.nu/M6WE
(結果公表) http://urx2.nu/RvMh
(2)公益通報者保護制度|消費者庁    
 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/
(3)公益通報者保護制度の実効性向上に向けたこれまでの取組と課題について(消費者庁)
 http://urx2.nu/TVEf
(4)内部通報「役員や退職者も保護必要」法改正向け報告書:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASLDV5F96LDVUCLV00T.html
(5)東京新聞-不正告発通報、保護対象にOB・役員も 法改正へ報告書-政治(TOKYO Web)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201812/CK2018122602000263.html
(6)公益通報者保護に関する最近の動き(2019年2月号) - 東京弁護士会
 https://www.toben.or.jp/know/iinkai/koueki/column/201902.html
(7)公益通報者保護法の改正:金沢合同法律事務所
 https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201901037330.html

●公益通報者保護法に関するトピックス:朝日新聞デジタル
 http://urx2.nu/TrFc


 <光前幸一弁護士のご著書>
(1)Q&A現代型労働紛争の法律と実務-光前幸一/岩出誠/安達敏男/吉田幸宗/著(日本加除出版)
 http://urx2.nu/OWjx
(2)これだけは知っておきたい使用者のための労働審判対応マニュアル-光前幸一/秋田繁樹/共著(日本法令)
 http://urx2.nu/RxJ2


(参考)オルタナティブな日本を目指して(バックナンバー)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-99f4.html
草々 

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