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2019年9月 8日 (日)

(他のMLでの議論です)(1)公費で賃金を上げる経済政策と規制見直し(2)「公共貨幣論」批判 +(3) 若干の直近情報

前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)


(最初に若干のことです)
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1.「新ちょぼゼミ」の今後の予定です
 毎回、単なる学習会ではなく、政権交代へ向けた「政策論的アプローチ」として開催しておりますゼミナールです。最初の1時間弱で主催者側からいろいろなプレゼンを行っています(経済政策、税制問題、政治情勢評価、注目の新刊書紹介など)。みなさまのご参加をお待ちしております。

(1)(9.26)オルタナティブな日本をめざして(第33回):「これでいいのか働き方改革:労働現場から」(中野麻美弁護士)(2019年9月26日)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-23397f.html

(2)(10.8)オルタナティブな日本をめざして(第34回):「STOP水道事業民営化=公益事業の私物化を許さない」(内田聖子さん:新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-95da64.html

(3)(10.21)オルタナティブな日本をめざして(第35回):「ゲノム編集、どこに危険が潜んでいるか」(新ちょぼゼミ:河田昌東さん)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-2a7414.html


2.(別添PDFファイル)(チラシ)(10.13)食べものが劣化する日本(安田節子さん)
ダウンロード - efbc88e38381e383a9e382b7efbc89efbc88efbc91efbc90efbc8eefbc91efbc93efbc89e9a39fe381b9e38282e381aee3818ce58aa3e58c96e38199e3828be697a5e69cacefbc88e5ae89e794b0e7af80e5ad90e38195e38293efbc89.pdf
 https://www.tabemonotuushin.co.jp/

(関連)食政策センターVsion21公式サイト(安田節子さん)
 https://www.yasudasetsuko.com/vision21/
(関連)安田節子 - IWJ Independent Web Journal
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%AE%89%E7%94%B0%E7%AF%80%E5%AD%90
(関連)食政策センター・ビジョン21安田節子さんのニュースレターの凄く濃い内容 - 放射能を天恵の海に流す六ヶ所再処理工場閉鎖を!
 https://ameblo.jp/sannriku/entry-12336743566.html


3.裏切り・背信の横浜カジノ=林文子は市長職を辞任せよ
 圧倒的多数の横浜市民の反対を無視して、選挙公約をもゴマカシて、バクチ場をつくることで街を豊かにするなどと、バカバカしいことを言い募る、このデキソコナイの政治家女は、もはや横浜には不要です。みんなの力でこの女に横浜市長を辞めてもらいましょう。「アホの都」大阪を後から追いかけていてどうするのか、ということです。(下記サイトの高橋鉄雄さんのコメントは、穏やかに書かれていますが、とてもよく書けています、是非ご一読ください)

キャンペーン · 林文子・横浜市長- 横浜カジノ反対 · Change.org
 https://00m.in/58IqO

●キャンペーンについてのお知らせ · カジノ誘致について横浜市政策局からの回答がありました(高橋鉄雄さん)· Change.org
 https://00m.in/Lw3wW

(関連)あきれたもんだぜ、林文子横浜市長 (金平茂紀:論座)
 https://web.smartnews.com/articles/goDKkpXuUab
(関連)【菅義偉】カジノ誘致 菅氏の私情私憤で“本命”は北海道・横浜・沖縄|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261379
(関連)IR誘致 横浜市長、公約違反を否定「時間かけ検討」 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20190907/k00/00m/010/053000c?fm=mnm

(関連)カジノで増収1200億円は本当? 林市長答弁を信号無視話法分析 ハーバービジネスオンライン
 https://hbol.jp/201015
(関連)横浜市「カジノ」構想でハマのドン激怒「俺の顔に泥を…」〈週刊朝日〉AERA dot.
 https://dot.asahi.com/wa/2019090300044.html
(関連)横浜市長室前「安全確保」で立ち入り規制 IR誘致巡り:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASM964T0DM96ULOB017.html

●【特別寄稿】嘘をついた自覚はない!- IR誘致で「我々にも嘘をついた」との枝野幸男・立憲民主党代表の抗議を林文子・横浜市長会見でジャーナリスト・横田一氏が直撃質問! - IWJ Independent Web Journal
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/456518

(関連)(別添PDFファイル)カジノ利点 都が強調、民間委託 18年度報告書に(東京 2019.9.8)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090802000158.html


4.沖縄・辺野古
(1)東京新聞-防衛省調査を追認 辺野古軟弱地盤で有識者会議-社会(TOKYO Web)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090702000147.html
(2)辺野古周辺の地震 沖縄県想定は震度6弱 新基地建設巡る軟弱地盤改良 耐震性で国と差 - 沖縄タイムス+プラス
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/467877
(3)辺野古土砂、違法の可能性 野党議員、週明け追及へ 認可ないまま販売か - 琉球新報
 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-985480.html
(4)防衛幹部「建設ありき いけないのか」 辺野古の新基地 軟弱地盤の改良に向けた有識者会議設置で - 沖縄タイムス+プラス
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/467883


5.20190906 UPLAN あいちトリエンナーレ《表現の不自由展:その後》中止を許さず再開を求める緊急集会 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=BJrU0BbRHPI

(上記集会で発言の機会をいただきました。VTRの1時間44分あたりから少しスピーチをさせていただいています。ご参考までに。:田中一郎)


6.「私は在日3世」。彼女は手を震わせながら、渋谷で聴衆の前に立った。
 https://www.buzzfeed.com/jp/kensukeseya/korean-action-1

(関連)緊急にも関わらず、渋谷ハチ公前に約300人も集まった!在日韓国人、高校生、韓国メディアが日韓連帯への思いを熱く語る!! ヘイトスピーチなんてありえない!! ~9.7日韓連帯アクション0907(東京) - IWJ Independent Web Journal
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/456652

(関連)だいじなおとなりさん - 韓国は敵なのか
 https://peace3appeal.jimdo.com/
(関連)日本全体が「在特会」のような現在、「嫌韓報道」に埋め尽くされた社会の危険性に気づいてほしい/安田浩一インタビュー - wezzy|ウェジー
 https://00m.in/ZhmzQ
(関連)嫌韓一色の裏で安倍政権が“要介護者切り捨て”介護保険改悪を進行中! 自己負担を増やし要介護1・2の保険給付外し|LITERA/リテラ
 https://00m.in/ow9wg
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他のMLでの議論を2つばかり下記にご紹介いたします。経済政策の問題について私から発信したメールです。一部、加筆修正しております。ご参考までにお送り申し上げます。

1.公費で賃金を上げる経済政策と規制見直し
(1)いただいたメール
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おはようございます。

「実質賃金 7か月連続マイナス」だそうです。だからどうした、と言われそうですが、なぜそうなのかです。デフレだ、と言われれば、内部留保(利益剰余金)が7年連続で過去最大となった、ということは何だとなります。「「国」「企業」「家計」という3主体で見た場合、家計への分配が立ち遅れていること」という結論になりますが、これていいのかと指摘されれば翼はありません。では、どうするのかです。

私は、財政ターゲッティズムとして、社会保障人件費目的国債として赤字国債を発行して、福祉関係の非正規労働者の正規化、賃上げなどの人件費に絞って予算を確保すべきと思ってます。施設などハードの手当も必要ですが、働く人がいなければ施設は動きません。単に、赤字国債として発行するのではなく、特定目的国債です。お金に色がついていないのだからに一般予算の人件費を削って赤字国債で補填すれば同じだという指摘もありましょうが、それこそ、国会の予算審議に期待と言うしかありません。

今必要なのは、デフレ賃金を何とかするという目的で特定目的国債を発行するという財政ターゲッティズムでは無いでしょうか。規模はというと難しいですが、国家公務員人件費は多いときから比較して5兆円程度減額されてます。これを行政改革努力としていますが、それによって非正規労働者が増え、雇用は不安定で賃金低下です。一つには、この5兆円が判断の材料となりましょう。

平成31年度 公務員人件費(財務省主計局)
 https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2019/seifuan31/21.pdf

●7月の実質賃金 7か月連続マイナス 2019年9月6日 8時55分
 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190906/k10012066201000.html

●使わないなら家計に回せ!企業「内部留保」が7年連続過去最大って…:アベノミクス機能不全の元凶
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66995?page=3
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(2)私からの返信
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(基本的には賛成ですが、並行して「規制の在り方」を抜本見直ししなければ、ザルに水を入れるようなことになりかねません)

いつも貴重なメールに感謝しております。
下記の件ですが、基本的には賛成です。

必要ならば、慎重な国債発行によって財源を調達する、という考え方は、今後、政権交代実現後の日本の経済政策にとってはポイントの一つとなります。財政再建・財政赤字解消を至上目的にしているような「緊縮政策」は絶対にダメです。(詳しくは下記サイトの下の方の「財政・金融政策」勉強会報告をご覧ください)

(関連)オルタナティブな日本を目指して(バックナンバー)- いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-99f4.html

ところで、国債発行で調達した資金を社会保障に携わる人の人件費に充てると言っても、その対象を「現場で苦労をしている人たち」に「ストレート」に「手当アップ」が交付されないと、公金の「流通過程」には、たくさんの「吸血住虫」がいます。東京電力の福島第1原発の現場作業員に対する「追加手当」が、暴力団を含む「中途媒介業者」や多重下請け構造の中で「ピンハネ」され、雲散霧消してしまっているように、およそ社会保障関連事業の場合も例外ではありません。

ポイントは、社会保障サービス提供に関係した法制度、とりわけ「事業者規制」に「穴」がないか、徹底して点検する必要があります。別添PDFファイルは、岩波月刊誌『世界』に連載されている小林美希さんの迫真のレポートです(但し、イントロ部分のみ)。これをお読みになれば、保育サービスが、いわゆる「民営化・民間活力活用」の大義名分の下、様々な事業者の「金儲け」の手段と化し、保育士の賃金をカットしたり、保育の質を低下させたりしながら、事業者の利益確保優先の「保育ビジネス」に転換してしまっていることがよくわかります。

(関連)職業としての保育園(上)(一部抜粋)(小林美希『世界 2018.2』)
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(関連)職業としての保育園(下)(一部抜粋)(小林美希『世界 2018.3』)
ダウンロード - e881b7e6a5ade381a8e38197e381a6e381aee4bf9de882b2e59c92efbc88e4b88befbc89efbc88e4b880e983a8e68a9ce7b28befbc89efbc88e5b08fe69e97e7be8ee5b88ce3808ee4b896e7958c202018.3e3808fefbc89.pdf

(関連)ルポ 保育園株式会社 職業としての保育2(第1回):情報公開資料から探る賃金実態(イントロ部分)(小林美希『世界 2019.9』)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b472668.html
(関連)ルポ 保育園株式会社 職業としての保育2(第2回):情報公開資料から探る賃金実態(イントロ部分)(小林美希『世界 2019.10』)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b480059.html

およそ、「民営化・民間活力活用」などというものは、「公共サービス」の私物化であり、カネ儲けの手段化のことを、美しく言い換えただけのインチキスローガンであり、それは何も保育などの社会保障事業に限られないのです。今注目されている上下水道の民営化=コンセッション方式などのその類ですし、これから、どんどん「日本が売られていく」(堤未果さん)すべての公共サービスがそうだということです。市場原理主義アホダラ教にアタマがイカれて、民営化・民間活力だ、規制緩和だなどと、十年一日のごとく「経文」を唱えているうちに、身ぐるみはがされてボロボロに食い尽くされる、というのが、今日の政官業学マスごみ5者連合がご推奨する「アホノミクス」政策です。

保育で言えば、保育士賃金アップの名目で、国や東京都などの自治体から公布される「補助金」「交付金」は、その資金使途や交付結果(賃金アップ)が法制度により厳しく規制されておらず、事実上、いわば何に使ってもいい「つかみ金」として公布されており、従ってまた、ほとんどの保育事業体が、この「保育士人件費補助金」を流用して、他部門の投資や赤字補てん、あるいは配当金や役員報酬、更には役員たちの黒塗りの車や運転手賃金に流用されたりしているのです。これでは、税金をドブに捨てるのも同様です。

まず大切なことは、公共サービスを再び公営にし、その運営に住民やユーザーが参加して、民主的で開かれた運営と質の高い公共サービスを実現していくことが大切ですが、そこまで行く前に、今の制度上でも、まずは社会保障サービスなど、公共サービスを提供する事業体に対して、しっかりとした有効な規制をかけていくということが重要です。そうしませんと、いつまでたってもカネばかり掛かって、現在の社会保障事業のサービス向上や貧困な労働環境の改善は遅々として実現しないでしょう。

行政施策や公共サービスの民主的な運営というものを知らないこの国では、時間がかかるかもしれませんが、それを避けて通れば、行政や公共サービスの劣化は進んでいくばかりです。(問題は、行政側や事業者側だけでなく、住民・市民の側にも大いにあると思っています)
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2.「公共貨幣論」批判
 下記は私が発信したメールです。中央銀行制度に基づく民間銀行の信用創造(信用貨幣)を廃止して「公共貨幣」に移行せよ、という議論に対して、私が反論した文章です。「公共貨幣論」の正体やその全貌については未だによくわかりませんが、どうも中央銀行や民間銀行などは廃止して、政府自らが貨幣を発行するようにすればすべてが万事うまくいく、というような議論のようです。明らかにおかしい考え方です。

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(残念ながら厳しく批判せざるを得ませんね)

銀行の信用創造を禁止に デジタル公共貨幣を考えるシンポ|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/261228

(参考)第4回 公共貨幣フォーラムシンポジウム 2019-09-02 を開催します。 - 公共貨幣フォーラム - Public money forum
 http://public-money.earth/2019/08/09/post20190809001/
(参考)公共貨幣 山口 薫
 http://www.muratopia.net/YamaguchiKaoru/Yamaguchi/PublicMoney-j.html


 久しぶりのメールを送りするのですが、まことに残念なことに、上記で拝見する限りでは、この「公共貨幣論」なるものに対しては、厳しく批判するほかありません。私の印象は、世間知らずの経済学者やトンチンカンな人たちが集まって、美辞麗句をちりばめた、おかしな議論を展開しているという印象です。そもそも、金融をいじくることにより実体経済がよくなっていくなどという発想がゆがんでいます。金融は実体経済の邪魔をしないように「サウンド・バンキング」の発想で設計されればいいのです。カジノ資本主義などはもってのほかですが、下記に申し上げるように、国家権力が乗り出してきて、民間金融まで差配しようなどと言うのは愚の骨頂です。以下、簡単に勘定書きにしておきます。

1.現代金融に関する認識が間違っている
「通常の貨幣供給は、中央銀行が民間銀行に供給し、民間銀行から企業に貸し付けられ、家計など市中に供給される。この過程で民間銀行は預金口座以上にお金を供給(創造)しており、これを「信用創造」という」(日刊ゲンダイ P2下)

 ⇒ 全然違います。マネーサプライの基本は民間銀行による信用創造=貸出です。集めた預金を貸し出すのではなくて、貸出によって預金が生れるのです。それを中央銀行が国民経済レベルでコントロールする仕組です。

2.金融「ゴスプラン方式」などは破綻すること必定
「電子公共貨幣構想はこれを禁止して、公によって貨幣を供給すべきという考えだ。」(日刊ゲンダイ P2下)

 ⇒ 「公」とは具体的に何のことかよくわかりませんが、仮に政府・国家機関(日本で言えば財務省のような役所)だとすると、こんなことをすれば資金が必要なところに資金がいかなくなり、たちまち国民経済はボトルネックだらけとなって崩壊するでしょう。旧ソ連のゴスプラン=中央集権的計画経済は社会実験・社会的実証により完全に否定されています。

3.「政府は全知全能であり、必ず正しい政策を実践する」などと言うのは馬鹿げた幻想だ
 これを「ハーヴェイ・ロードの仮説」の否定と言い、ケインズ経済学・政策論での政府による積極的スペンディング政策を批判する場合に、よく言われることです。まさにその通りで、民間貨幣供給(マネーサプライ)を(中央銀行ではなくて)政府にゆだねれば、何事もうまくいく、などというのは、市場原理主義アホダラ教の正反対を絵にかいたような事例と言えるでしょう。そもそも、中央銀行制度を否定することは、事態を良くするどころか、逆に悪くしてしまう可能性の方が高いと私は思います(たとえば放漫財政・放漫金融)。

4.「デジタルな仮想通貨(暗号通貨)やフェイスブックのリブラのような企業通貨」は「ニセガネ」疑似物として厳しく取り締まるべきもの

 法令や条例を根拠に発行される一部の地域通貨などはともかく、巨額の規模で展開される仮想通貨のようなたぐいのものは、基本的に禁止され、厳しく取り締まりを受けるべきであると私は考えています。無責任の体制の上に、その場限りの「仮想世界」が築かれており、続けて行けば理不尽な損害を被る犠牲者が出るのは、私はほぼ間違いないと見ています。有限責任組織である株式会社などが、普遍的価値であるべき貨幣を発行することなど許されません。みなさまも、かようなものには近づかないようにいたしましょう。

5.「公共貨幣制度」を採用しても、下記のようになる保障はありません。むしろ逆になる可能性の方が高いでしょう。
 政府に貨幣供給を一元化するということは、今日あるアベ自公政権の、あのゴロツキ・チンピラ・人間のカス&クズ・ボンクラ・不勉強・予断と偏見の塊のような連中だけに資金供給の権限を与えて独占させるということを意味します。考えただけでもぞっとする話です。

1.貨幣供給量が安定し、バブルや不況(失業)が発生しない社会。
2.政府債務がゼロとなり、健全な財政運営が行われる社会。

6.貨幣政策・制度や金融政策と下記スローガンの「3,4」は何の関係もありません
 かつてモンサントが自分たちの開発した、安全性が確認されていない、遺伝子環境汚染の可能性が高い、遺伝子組換え(GM)食品を世界に売り込むため、世界の飢餓をなすくための新品種、などと宣伝しておりました。しかし、GM食品の品質と世界の飢餓の解消とは何の関係もありません。下記スローガンを「公共貨幣論」や金融政策と結び付けている点も、このモンサントの宣伝の仕方と共通するものを感じます。

3.所得格差が解消して、「健康で文化的な生活」が営まれる社会。
4.地球環境に優しい持続可能で公正な社会。

7.「著名な米国の経済学者フィッシャーが債務貨幣制度が金融恐慌を引き起こす原因と考え公共貨幣を提唱した。」は百年ほど前の話

 金融恐慌を「バブル崩壊」と解釈すると、その原因や形態は時代ともに変化します。日本のバブルは土地と株、リーマンショック時は証券化商品とデリバティブでした。債務貨幣制度や「公共貨幣」など無関係です。むしろ、政策当局の目が債務貨幣である預貯金だけにしか行き届いていなかったからこそ、バブル発生を見逃したのです。(それと、政策当局にいた人間たちが、バブルによって甘い汁を吸い続けていたことも、バブル規制・抑制が不十分だった大きな原因の一つです=そしてそれはバブル崩壊後の国家的無責任体制とリンクしています)

まだあると思います。
私はいまのところ、この「公共貨幣論」などは検討に値しない、世間知らずの経済学者どものたわごと、くらいにしか見ておりません。「反緊縮」政策とは、何の関係もないことを強調しておきます。
草々

(追)
8.中央銀行制度と民間銀行について
 単なる株式会社銀行=私的所有に基づく非公的な銀行・金融機関はだめだ、という意味で使っているようなので、そうすると、それが駄目だというのなら、銀行は国有化するということか(いや、民間銀行は廃止で、銀行業務は政府に集中独占にするということか)、ということになります。まさに「ゴスプラン方式」です。私はメガバンクのような巨大銀行は解体すべきである(Too Big To Failになる、金融市場が寡占化するから)と考えていますが、国有化などはする必要はありません。政府系金融機関があってもいいですが、それは目的をはっきりとさせて、公正な事業展開を前提に創設すべきです。

 問題は、中央銀行の支配者たち=金融当局を牛耳る者たちが、ロクでもないことをしていることが問題なのです。その意味では、中央銀行も政府も財務省も、大差ありません。支配権力が自公政権では、どんな制度であろうが、ダメなのです。支配権力=政権を「有権者・国民のために働く政権」にしなければ、物事はよくなりません=それどころか、どんどん悪くなっていきます(一昨日の日経朝刊に黒田日銀総裁のインタビュー記事が掲載されています=またぞろアホなことを言っています。こんなのが中央銀行総裁では話になりませんし、この人物を政府の「公共貨幣」担当にしてみても同じことです)。むしろ中央銀行制度の形を取り、政府と中央銀行が一定の相互けん制機能をもっている方がベターであろうと、制度的には推定できるわけです。

9.貨幣論などはマクロ経済の分析において、たいした重要性はありません
「また、経済学のこれまでの考え方は、アダムスミスにしても、マルクスにしても、ケインズにしても、一番重要な貨幣論をスルーにして、タブーにしているので、そこが問題だ」という考え方について

(田中一郎コメント)
 18世紀の人間であるアダムスミスはともかく、19世紀のマルクス、20世紀のケインズが、「一番重要な貨幣論をスルーにして、タブーにしている」というのは事実と相違しています。彼らの著書を読んでみることです。たとえばマルクスの資本論は、最初のところが商品論で、そこで貨幣についての理論が真っ先に出てきます。マルクス経済学批判の中で、商品論は重要なベースの一つとなっています。「貨幣の資本への転化」という章などは、私は初めて読んだ時にずいぶんと「感動」したものです。

 それはともかく、金本位制度の下では、貨幣論は「商品貨幣論」です。「金は生まれながらにして貨幣ではないが、貨幣は生まれながらにして金である」というマルクスの貨幣物神性論からもうかがえるように、マルクスが生きていた19世紀の経済は金本位制であり、そこでは貨幣は金という貴金属だ、と言っているのです(「貨幣は生まれながらにして金である」)。他方、金という物質は太古の昔から存在していたが、それが貨幣というものとして使われ始めたのは資本主義制度という歴史的な経済制度になってからの話だから、「金は生まれながらにして貨幣ではない」ということです。(上記は資本主義経済を理想的な形で概念的に組み立てて、それを理論的に分析した場合の話(貨幣物神性を論じる「言い回し」の一つ)です。実際の歴史的事実関係を言っているのではありません:歴史的事実関係で言えば、「貨幣は生まれながらにして金ではなかった」です)

 他方、世界大恐慌を経て、金兌換制度が廃止となり、経済が使う貨幣は預金通貨と不換紙幣となって「商品貨幣」ではなくなります。いわゆる「信用貨幣」です。しかし、これが突如として人間社会に現れるのではなく、金本位制度は、金為替本位制度となり、金塊と紙幣との関連付けが間接的となり、さらに取引決済が小切手や手形、為替送金などを使った預金通貨による決済になるにつれて、金本位制度が形骸化し、制度自体が経済の安定や成長への妨害物となっていき、やがて大不況を経て「信用貨幣」の時代に入っていくのです。そして、その時に、中央銀行による管理通貨制度が整えられていきます。

 マクロ経済を論じるに際して、貨幣論などは、この程度の理解で十分です。貨幣について哲学的な思弁をしたい方々にとっては不満でしょうが、それはさしあたりマクロ経済論やマクロ経済政策には直接関係のない話ですから、気にしなくていいのです。今現在は、中央銀行制度の下で管理通貨制度が敷かれており、そこで民間銀行の貸出による信用貨幣=預金通貨の供給が行われ、それを中央銀行が国民経済全体の中で適切にコントロールしていく、現金通貨は消費者の日常的な消費生活に使われる小銭用として、中央銀行が印刷をして、預金引き出し時に提供する、そんな仕組みになっているのです。(現金紙幣は、上記以外に、アングラマネーとしても使われています)

 何の摩訶不思議なこともなければ、謎めいた神秘的なものでもありません。金融は実物経済の助産婦として、適切に、おとなしく、堅実に、運営されていればいいのであって、金融にごちゃごちゃ、いろいろな仕掛けをしようとする話は、基本的にすべて、国民の幸福に対しては逆行する「マユツバ」ものだ、とみておいていいのです。

 何度でも申し上げますが、上記のような議論と、反緊縮政策とは、何の関係もありません。もちろん、反緊縮政策とベーシックインカム(BI)やヘリコプターマネー(HM)とも関係はありません。実現可能で適切な反緊縮政策は、そうした議論とは無関係なところで展開されるべきものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
草々

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コメント

田中さん、田中さんの「公共貨幣論」の批判は、日刊ゲンダイの間違った解説を批判しています。田中さんがおっしゃるように、マネーストックの大半は、銀行貸し出し(信用創造)によるもので、この利子付き負債構造をなんとかしないといけないというのが、私の見解です。ただし、山口薫さんと私は、国民配当に関する考えが違います。今年の12月13日に、立命館大学で、ベーシックインカム学会のプレイベントとして、通貨改革と反緊縮の思想と題して、松尾匡さん井上智洋さんと、私とで、シンポジウムをやります。ぜひ、いらしてくださいね。経済論は、松尾さんと井上さんにまかせておけば大丈夫なので、私は、通貨改革の「政治論」をやります。貨幣論は大事ですよ!貨幣論と問わないから、経済学は、たんなる金融制度のインチキを誤魔化す権力機構になっているのです。ちなみに、この関連で、以下の書物を出版しております。ご参考にしてください。https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909515025

あと、公共貨幣論と反緊縮のからについての決定版論文は以下の朴勝俊さんのものがもっともわかりやすく、すぐれています。これらに対する田中さんの反論がお聞きしたいものですね。

『「反緊縮!」宣言』(亜紀書房)のなかの 朴勝俊さん著「反緊縮経済学の基礎」です。

よろしくお願いいたします。

「金は生まれながらにして~」ですが、マルクス自身、この直前で最初の貨幣は共同体の外部から入ってくる貴重な物品か、内部に既に存在するものなら遊牧民の家畜であると言っています。マルクスがここで言いたいのは、一般的、社会的な等価物としての貨幣に最も適しているのは、その自然属性(均質的で量的に区別できる)からしてvon Natur = 「生まれながらにして」=「事物の性質上」金であるということなのでないでしょうか。

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