(報告)(6.3)新ちょぼゼミ:財政・金融政策を見定める基本(御用経済学者・忖度経済学派を見分けるコツ)(その5):異次元金融緩和は弊害ばかりで効果なし・日本経済再生への道はどこにあるか
前略,田中一郎です。
さる6月3日(月)、水道橋のたんぽぽ舎において第28回「新ちょぼゼミ」を開催いたしました。当日の最初の1時間弱で、私(田中一郎)から「財政・金融政策を見定める基本(御用経済学者・忖度経済学派を見分けるコツ)(その5)」をお話させていただきました。以下、当日の録画や資料とともに簡単にご報告申し上げます。
前回は時間の関係で私の話が十分丁寧に詳細にはできていませんでしたので、わかりにくかったとのコメントもいただいています。ですので今回は、再度、財政政策にも少し遡り、前回言及できなかったことや説明不足を補って、再度、金融政策について説明をしております。当日ご参加いただけなかったみなさまにも、是非、下記の当日録画やレジメをご覧いただけますと幸いです。来たる今年夏の国政選挙では、消費税増税の行方を含む経済政策や「アホノミクス」の評価などが大きな争点になるものと思われます。アベ政権・自公政治による経済政策に厳しい批判を向けていくためにも、みなさまには経済政策について、なお一層のご注目をお願い申し上げます。
<これまでの経済政策に関する「新ちょぼゼミ」報告>
下記サイトの「2.経済政策について」と、最後尾の「(追加1)」「(追加2)」をご覧ください。
(関連)2019年の国政選挙をいかに闘うか(アベ政権退陣と自公政治の抜本転換を求めて)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-b038e9.html
(今回は、直接的には、前回5/9(下記)の続編としてお話いたしました。初めての方は下記と併せてご覧ください)
(関連)(報告)(5.9)新ちょぼゼミ:財政・金融政策を見定める基本(御用経済学者・忖度経済学派を見分けるコツ)(その4):現代の金融システム(基本解説)+ 少し丁寧に補足説明を追記しました- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-b7197e.html
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下記が今回の当日録画です。
*(今回録画)20190603 UPLAN 田中一郎「現代の金融システム」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UUVmslfLgJc
今回のご説明を簡単に要約して申し上げますと、市場原理主義と財政均衡主義にもとづいた誤った経済政策が長く続き、超長期の消費不況とデフレ経済に陥った日本を回復させるにはどうしたらいいのかを念頭に置いて、日本の財政状態を冷静に見定めること(財政危機は言われているほどではないこと)、更に、政策や行政が私物化される下でおかしな税金の使い方が巨額にのぼっていることや、歪み切った不公正な税制の下で巨大企業群や富裕層が納税を回避して「税金を払わない」でいることを放置したまま、財政危機をいたずらに煽って消費税増税に走るのではなく、私たちの生活を財政政策により大きく好転させながらデフレ不況からの脱却と日本経済再生の道を探りました。結論的に申し上げれば、今こそまだ余裕のある財政政策を適切に行使して国民経済・国民生活の抜本改善を目指すとともに(反緊縮と財政支出構造の抜本改変)、公正な税制の実現を図って財源確保に努め、他方で、金融政策への過度の偏りを是正することが大事であることも申し上げています。
また、その金融政策ですが、超金融緩和や異次元緩和と言われるピンボケで乱暴な金融政策では、デフレ不況からの脱却ができないどころか、逆にマイナス効果(弊害)ばかりが目立ち始め、かつ無用のリスクを抱え込んで身動きが取れなくなりつつあること(事実、20年近く続けてきた金融緩和は景気回復にはほとんど効果なし)、そしてそれが何故なのかを現代の金融制度(金融システム)に言及して、できるだけ平易に解説をしてみました(ポイントは預金通貨と信用創造にあります)。そして、今のままを続ければ続けるほど、その金融政策の転換=つまりは「出口政策」がますます困難となり、マイナス効果をひどくさせながら日本経済は右肩下がりで衰退を余儀なくされていくであろうこと、また、リーマンショック級の経済パニックや天変地異による大災害被害に対して日本経済が脆弱化していて、近未来に深刻な危機に見舞われかねないことを指摘しています。
なお、まことに申し訳ないことに、今回もまた、最後の方が時間の制約の関係で尻切れトンボのようになっていますので、次回6/24の際に、改めて丁寧にご説明いたします。繰り返しになりますが、財務省・御用学者・マスごみたちが毎日のように騒ぎ立てている財政危機論に煽られて「消費税増税はやむをえない」などとは考えてはいけないこと(騙されてはいけない=そんなことをすれば益々消費不況やデフレ経済はひどくなり、他方で私たちの生活は苦しくなるばかりです)、そんな方法ではなく、オルタナティブな解決策があるのだ、ということを強く申し上げておきたいと思います。次回以降の私からのご説明に「乞うご期待」です。(次回は6/24(月)、午後6時から、同じくたんぽぽ舎で行います=財政・金融政策論の更なる平易な解説に加えて、産業政策論などの今後の諸課題についても言及する予定です)
(関連)(注目)(別添PDFファイル)各国の経済成長率ランキング(中野剛志『奇跡の経済教室』)
ダウンロード - e59084e59bbde381aee7b58ce6b888e68890e995b7e78e87e383a9e383b3e382ade383b3e382b0efbc88e4b8ade9878ee5899be5bf97e3808ee5a587e8b7a1e381aee7b58ce6b888e69599e5aea4e3808fefbc89.pdf
当日みなさまにご推薦申し上げました中野剛志氏の著書にあった図表です。世界サイテーレベルの経済パフォーマンスが見て取れます。バブル崩壊後の「失われた30年」の日本の経済政策が如何に愚かでダメだったのかがビジブルにわかる図表です。政策誤りのキーワードは市場原理主義アホダラ教と似非構造改革、消費税増税・法人税所得税減税、そして超(異次元)金融緩和への過度の傾斜です。
*(次回の新ちょぼゼミ)(6.24)オルタナティブな日本をめざして(第29回):今さら聞けない「遺伝子組換え」と「ゲノム編集」(基礎編)(新ちょぼゼミ:天笠啓祐さん)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-932d.html
(6/24、講師の天笠啓祐さんがおいでになるまでの最初の1時間程度で、今回の続きの話を私(田中一郎)の方からさせていただきます)
<当日のレジメ:別添PDFファイル>
今回使いましたのは下記の(4)のレジメです。
(1)(レジメ1)財政・金融政策を見定める基本(田中一郎 2019年3月14日)
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(2)(レジメ2)財政政策に関する関連事項(追加説明)(田中一郎 2019年3月28日)
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(3)(レジメ3)現代の金融システム(田中一郎 2019年5月9日)
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(4)(レジメ4)金融政策に関する関連事項(追加説明)(田中一郎 2019年6月3日)
ダウンロード - efbc88e383ace382b8e383a1efbc94efbc89e98791e89e8de694bfe7ad96e381abe996a2e38199e3828be996a2e980a3e4ba8be9a085efbc88e8bfbde58aa0e8aaace6988eefbc89efbc88e794b0e4b8ade4b880e9838e202019e5b9b46e69c883e697a5efbc89.pdf
(5)社会保障と税の一体改革とは何だったのか(植草一秀 『月刊 保険診療』2019.1)
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<ご推薦申し上げた図書:当日録画参照>
(1)税金を払わない巨大企業-富岡幸雄/著(文春新書)
http://urx.space/HxoV
(2)目からウロコが落ちる奇跡の経済教室 基礎知識編-中野剛志/著(ベストセラーズ)
http://urx.space/XJLq
(3)これでわかるタックスヘイブン 巨大企業・富裕者の税逃れをやめさせろ!-合田寛著(合同出版)
http://urx.space/VzzK
(4)タックスヘイブンに迫る 税逃れと闇のビジネス-合田寛/著(新日本出版社)
http://urx.space/vggL
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(下記は推薦図書ではありませんが、経済政策の評価に自信のある方はご参考にされるといいと思います)
(5)財政破綻の嘘を暴く:「統合政府バランスシート」で捉えよ-高橋洋一/著(平凡社新書)
http://urx.space/ExTW
(参考)オルタナティブな日本を目指して(バックナンバー)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-99f4.html
(こちらにも、これまでの「新ちょぼゼミ」での「経済政策」に関する講演記録を掲載しています)
草々
« (速報)子の甲状腺がん、被ばく関連否定、「福島県民健康調査検討委員会 甲状腺検査評価部会」(科学的根拠なし=被ばく量は不明のまま)+ 横浜市内の学校・保育園等の放射能汚染土壌の撤去等について(緊急 拡散希望) | トップページ | (報告)(6.3)オルタナティブな日本をめざして(第28回):「容量市場と容量メカニズム:老朽化原発・石炭火力の経済的延命策か!?」(松久保肇さん:原子力資料情報室) »
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