本日(2/5)のいろいろ情報:(1)欠陥政府統計(問題の根源は財界主導の「改革」だ:柴田武男氏)(2)冨山=北欧論争(井出英策氏)(3)公的年金基金運用で巨額損失 他
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
(最初に若干のことです)
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1.(再送)寺井尚子 - キサス・キサス・キサス - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XLx_-uEK4FU
(広瀬隆さんに教えていただいた、このキューバ・ミュージックですが、なかなかいいので再送します:田中一郎)
(関連)カストロとゲバラ-広瀬隆/著(集英社インターナショナル新書)
2.キックオフ記者会見に100名が参加 - 薔薇マークキャンペーン
https://rosemark.jp/2019/02/01/01/
(このVTRは必見です)
●IMAGINE 薔薇マークキャンペーン・プロモーション映像 - 薔薇マークキャンペーン
https://rosemark.jp/2019/02/05/imagine/
(関連)賛同人を募集しています - 薔薇マークキャンペーン
(関連)薔薇マークキャンペーン HP
(2/1のキックオフ集会の当日録画や資料は下記サイトにあります)
(関連)2019/2/1人々のための経済政策を掲げる候補者を”薔薇マーク”で励ますキャンペーンが開始
(関西地区の方々に)
(関連)3月9日、大阪でキックオフ集会を開催します。 - 薔薇マークキャンペーン
https://rosemark.jp/2019/01/23/0309/
(参考)欧州反緊縮左派の中央銀行利用論:コービノミクス・市民配当・債務帳消し(松尾匡立命館大学教授 2017.7.14)
(関連)2019/2/28
第3回学習会「あるべき社会保障制度改革と財政問題」(伊藤周平鹿児島大学法科大学院教授)
https://99forum.jimdofree.com/
3.イベント情報
(1)(2.6)福島原発被害東京訴訟2陣(3次訴訟)第3回期日(東京地裁)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1542856500696staff01
(2)(2.7)新春セミナー「国家権力とメディアの関係はどうあるべきか:安倍政権の暴走を食い止めるために」望月衣塑子さん(北区)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1547015710141matuzawa
(3)(2.8)グローバリズムは私たちを幸せにするか?PART3堤未果さん講演(参議院議員会館)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1548670084939matuzawa
(4)(2.9)山本太郎ドキュメンタリー「ビヨンド・ザ・ウェイブス」上映会(東中野
ポレポレ坐)
http://www.labornetjp.org/EventItem/1544934926097matuzawa
(5)(2.13)オルタナティブな日本をめざして(第22回)「徹底検証 日欧EPA&メガFTA:水道事業を外資に売り飛ばしていいのか」(内田聖子さん)(新ちょぼゼミ)- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/22-f183.html?optimized=0
●(本日)少人数読書会『民主党政権 失敗の研究』(中公新書):午後6時から・中央区明石町区民館
http://chuo7kuminkan.com/about/akashi.html
●(2.7)石原慎太郎氏に578億円の返還を求める汚染地購入裁判。
豊洲市場移転問題は汚染地購入から始まった! 裁判もいよいよ大詰めです。
裁判長の交代のための原告側の口頭陳述がありますが、この裁判のおさらいにもなります。傍聴が初めての方にもお勧めします。
*期 日:2019年2月7日(木)14時00分~@東京地裁103法廷
*報告集会:15時00分~16時15分護士会館5階509号室(進行協議終わり次第開始予定)
*記者会見:16時30分 @司法記者クラブ(報道関係の方が対象)
4.キャンペーン
(1)キャンペーンについてのお知らせ · 奈良県と事業者(株式会社ヒューリック)による工事説明会が行われ、県は、地元住民の反対を無視し、今月より強引に工事を開始すると発表
· Change.org
(2)キャンペーン · 山下貴史 法務大臣- 外国人技能実習制度を今すぐに廃止してください · Change.org
(関連)キャンペーンについてのお知らせ · 技能実習生たちの悲痛な声 · Change.org
5.政局報道
(1)参院比例投票先、自民41%、立憲15% 朝日世論調査:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASM1P7HWMM1PUZPS002.html
(関連)参院比例投票先は自民35%、立憲14% 本社世論調査 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190203/k00/00m/010/146000c?fm=mnm
(関連)2019年政治決戦へ向けて「市民と野党の共闘」の課題と現状について(その3):2019年参議院選挙 大敗北の兆し- いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-cd7a.html
(2)【橋下徹】玉木・小沢両氏が橋下氏のネット番組出演
政界復帰に秋波(日刊ゲンダイ 2019.2.2)
http://news.livedoor.com/article/detail/15959817/
(関連)日刊IWJガイド「橋下徹氏が司会役のAbemaTVの冠番組『NewsBAR橋下』に、国民民主党の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表がゲスト出演 小沢氏が熱心に橋下氏を誘った!- その真相をスクープ!」 2019.2.4日号~No.2335号~ (2019.2.4 8時00分) - What's New お知らせ
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/38311
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本日(2/5)のいろいろ情報です(メール転送を含む)。
1.(別添PDFファイル)問題の根源は財界主導の「改革」だ(イントロ部分)(柴田武男『週刊金曜日 2019.2.1』)
「siba_kinn.pdf」をダウンロード
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002740.php
(関連)(別添PDFファイル)総務省の統計でも不正、小売物価
大阪の調査に虚偽(朝日 2019.2.2)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13875752.html?ref=nmail_20190202mo
(関連)(別添PDFファイル)統計不正 裏に硬直人事(毎日 2019.1.28)
https://mainichi.jp/articles/20190128/ddm/002/020/164000c
(関連)上がバカなら下まで腐る、この政権 もう誰が見ても限界だ(日刊ゲンダイ 2019.2.4)
http://www.asyura2.com/19/senkyo257/msg/128.html
(関連)統計職員 10年で2割減、予算も縮小、不正の遠因か(東京 2019.2.3)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019020302000144.html
(関連)統計不正問題はなぜ起こった?世界と比較すれば分かる「最大の元凶」(ドクターZ)講談社
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59612
別添PDFファイルの柴田武男氏執筆のレポートは2/1号の『週刊金曜日』掲載のものです。ご参考までにご紹介いたします。(みなさまには『週刊金曜日』を定期購読いただき、この媒体を支えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします)
●定期購読|週刊金曜日公式サイト
http://www.kinyobi.co.jp/consider.php
また、もう一つのレポートは、月刊誌『経済』(2018年8月と9月)に掲載された元共産党衆議院議員で「ムネオハウス」追求で有名になった佐々木憲昭氏が執筆したものです(別添PDFファイルはその「下」(2019.9))。これを見ますと、経団連の中にたくさんの政策検討委員会があり、これが政府の審議会と、人事も含めて「ピタッと」平仄が合わせられ、経団連(つまりは財界)の意向が政府の政策に反映されるようになっているようです。驚くばかりです。つまり、こうした政官財+似非学者・マスごみの「5結合」に対抗するためには、市民運動・社会運動の側も将来の政権担い手野党と平仄を合わせ、さまざまな政策検討のための市民委員会を用意するべきである、ということを示唆しています。
●(別添PDFファイル)財界支配の研究、「安倍一強」政治の歴史的な背景と矛盾(下)(佐々木憲昭
『経済 2018.9』)
https://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
(この文献は非常に興味深く必読だと思いました。「上」もあわせて原本に当たっていただければと思います:田中一郎)
ところで、柴田武男氏のレポートですが、この文章は、この問題を、いわゆる「厚生労働省役人の安倍政権への忖度による政府調査の改ざん・隠蔽」として批判するにとどまらず、もう少し時代をさかのぼって、日本政府や過去の政策のあり様から、政府調査のみずぼらしい現状とその問題点、あるいは原因を探ろうとしている点で、私は高く評価できるものではないかと思っています。つまり、今回の事件のバックグラウンドとなった事情は、もっと根が深くて深刻な問題なんだぞ、ということを私たちに提示し、アラームを鳴らしているということです。
柴田武男氏は、私が参加しているある市民団体のMLでよく議論をしているお相手で、とても良心的・良識的な方です。今回の論考には、最初のところで古賀茂明氏の議論の紹介がありますが、これは私がそのMLでご紹介申し上げたもの(下記サイト参照)と関係していて、この論考執筆の小さな材料になった様子がうかがえて、とてもうれしい限りです。
(関連)古賀茂明「安倍政権の屋台骨を揺るがす毎勤統計不正 二度目の予算修正案か?」AERA dot.
https://dot.asahi.com/dot/2019012000011.html
さて、この政府統計の改ざん・隠蔽の問題について、私からは今回、次の2点ばかりを申し上げておこうと思います。その第一は、日本の政治において「政策科学」というものがいつまでたっても根付かない、言い換えれば、政治や政策が為政者のご都合主義で牛耳られていて、いったい何を根拠にそれぞれの政治や政策が展開されるのか、国会の場においてはもちろん、広く有権者・国民の間でも、あまり問題にされることはないという点です。これは現代の民主主義国家体制、あるいは法治国家体制にとっては由々しき問題で、時の政治権力が勝手気ままに、恣意的に政治や政策を展開しても、その歯止めが利かないということを意味します。既に安倍政権になってからというもの、霞が関が出してくる政策根拠や統計数値が、いかに出鱈目なものかをいやというほど見せつけられました。しかし、このことは、実は安倍政権に始まったことではなく、ずっとずっと過去に遡って、厚生労働省に限らず数多の官僚組織において「常習化」していたらしい、ということが見えてきています。その背景事情をレポートしたのが今回の柴田武男氏の論考です。
(関連)(耕論)その政策、何を根拠に?中室牧子さん、津富宏さん,上西充子さん 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/DA3S13865289.html
実際問題、上記にご紹介した報道に見られるように、厚生労働省以外の政府統計でも似たようなインチキが行われていることが明らかになっていますし、また、今回のことも2004年以前から行われていて、それが体制の問題や官僚組織の風土・文化のせいで正されることもなく今日に至っていた、ということも明らかになっています。
私は安倍政権になってからこうしたことが表面化してきたことには理由があるのではないかと思っています。確かに、人員削減や優秀な人材の欠如など、体制の問題もあるでしょうし、また、世代交代に伴う官僚の質=仕事の遂行能力の低下や責任感の減退など、時代の流れのようなことも関係しているように思います。しかし、安倍政権の場合には、それに加えて、ゴロツキ・タカリ政治としての特徴があまりに露骨に節操もなくやり通され、官僚たちに対しては人事権を振りかざす一種の「恐怖政治」のように君臨して、自分たちの悪逆非道の政策・政治を押し通そうとしているからではないかと思うのです。
安倍政権や今日の自民党にとっては、国会の審議などは余計な儀式にすぎず、テキトーに答弁して時間の経過を待ち、あとは数の力で強行採決すればいい・場合によっては「補完野党」を巻き込んで一緒に強行してしまえばいいと考えているためであり、だから「政策科学」などというものからは対極の位置にあって、日々、ロクでもない恣意的な政治や政策に猪突猛進をしている、そういう政権党のふるまいがついにここまでの日本の政治の堕落と没落を生み出したと言えるのではないかということです。(金田法相や稲田防衛相や麻生財務相や桜田五輪相らの例を挙げるまでもないでしょう)
申し上げるもう一つのことは、柴田武男氏がこのレポートで「「土光行革」から始まって「小泉改革」に受け継がれ、その最終仕上げが「アベノミクス」と考えていい」と書いておられる点です。まさにその通りで、いわゆる市場原理主義アホダラ教は、小泉・竹中改革の時代に大きく花咲き、安倍政権の時代に入ってそれが徹底されることで、ある意味で「総仕上げ」がなされたと言えるでしょう。有権者・国民は、この市場原理主義政策が駄目だから、困るから、自民党ではなく民主党に政権をゆだねたにもかかわらず(2009年)、その民主党が背信的で政治改革に失敗をしたからと言って、再び自民党にすがりついてしまっていてどうするのか、という話ですが、しかし、現実はそうなっています。その結果が今回の政府統計や少し前の政府文書の改ざん・隠蔽につながっているのです。そして、それもそのはず、市場原理主義とは「1%のためのご都合主義」に他ならないからです。
しかし、です。アベ政権の「総仕上げ」で、このロクでもないインチキドラマは「おしまい」になるのではありません。「おしまい」は「第1幕」が終わるのであって、このあとに「第1幕」よりももっとすさまじいまでの市場原理主義=「1%のためのご都合主義」の「第2幕」の政治・政策が推し進められようとしています。それは、今年2019年より発効したTPP協定であり、日欧EPAです。そしてまもなく日米FTAが締結されるでしょう。私はこの最悪の国際経済協定により、日本は完璧なまでに多国籍巨大資本と一握りの富裕層により、ボロボロになるまで「むしり取られる」ハメに陥るであろうと見ています。市場原理主義アホダラ教による地獄絵は、これからが「本番」なのです。間違いなく日本は、時間をかけてボロボロにされていきます。時間をかけるので、有権者・国民はいわば「ユデガエル」とされるのです。
マスごみどもは、こうした国際経済協定により、食品類が安くなるメリット、などと、相も変わらずアホ丸出しの報道を繰り返しています。大学で教えてもらった似非経済学を背景に、市場原理主義アホダラ教礼賛の一翼を担っているのです。有権者・国民がかようなものに翻弄され、マスごみと一緒になって「お財布の負担が軽くなって喜んでおります」などと言っているようでは、まもなく「血の池地獄」へと叩き込まれることになるでしょう。何もマスごみと一緒にアホになる必要はありません。
ともあれ、政府統計の質的劣化は深刻な問題です。今や日本の政治や政府機関は発展途上国並みのレベルになり下がってしまいました。これを立て直すためには、相当の努力と費用と覚悟が必要です。安倍政権にこれができるはずもありません。一刻も早い政権交代が望まれます。
2.富山=日本の北欧論争
井出英策氏(慶應義塾大学経済学部教授:財政社会学、財政金融史)が執筆した著書を巡り「論争」が起きています。簡単にご紹介するとともに、僭越ながら、私が他のMLに発信したメール(一部加筆修正)も併せてご紹介申し上げます。
(関連)(別添PDFファイル)富山県民座談会「富山は日本のスウェーデンか」:井出英策氏批判(『週刊金曜日 2018.12.14』)
「ide_kinn.pdf」をダウンロード
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002713.php
(関連)(別添PDFファイル)著者井出英策氏に疑問直撃:共同体のポジティブな面に光をあてた(『週刊金曜日 2018.12.14』)
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/docs/1213.pdf
(関連)(別添PDFファイル)家族を称える井手英策氏議論に見る危うさ(斎藤正美『週刊金曜日 2019.2.1』)
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002740.php
(関連)(別添PDFファイル)富山=日本の北欧論争(中島岳志
東京 2019.1.30 夕刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/rondan/CK2019013002000253.html
(関連)(別添PDFファイル)冨山=北欧論争
リベラルは上滑りなのか(小熊英二 朝日 2019.1.31)
https://ameblo.jp/lovemedo36/entry-12437226322.html
https://www.asahi.com/articles/DA3S13872247.html
(参考)富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く
集英社新書 井手英策
(1)私のメール その1
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この井出英策氏の執筆著書に関する議論が、昨今、巷で話題になっているようです。
小熊英二氏の朝日新聞・論壇時評は比較的鋭い点をついていますが、中島岳志氏の東京新聞でのコメントは今一つピントがボケています。同氏の考え方が井出英策氏と親和性があるせいではないかと私は見ています。日本の保守を「リベラル」と同義のように言う同氏の議論が、過去の厳しい論争を踏まえていないように私には思えますが、それと同じことが、この井出英策氏のピンボケ「共同体論」にも見られるということです。
念のために申し上げておきますが、日本における「保守」とは、中島岳志氏が言うような「リベラル的」なものではなく、ただ支配権力に取り入り、甘い汁を吸いたいという「人間の堕落」集団に過ぎない、ということであり、その象徴が、自民党であり公明党であり、また、農協であり医師会であり御用組合「連合」だということです。
富山が、あるいは北陸が、北欧の福祉国家群と同じ!!?? 驚くべきこじつけというほかありません。寝言は寝て言え、ということです。まもなくご紹介しようと思っておりますが、『週刊東洋経済』の近刊で、自著の「幸福の増税論」のインタビューを受けた井出英策氏が「左派は消費税増税は法人税減税(および富裕層所得税減税)の財源となったというが、法人税減税の財源となったのは国債だ」などと発言しています。こいつはこれでも経済学者なのかと、問いたくなるようなチンケな発言です。
岩波書店もボケたものだと私は思います。現段階において、経済政策の抜本転換を提唱する経済学者が少ないことは認めますが、それでもかようなピンボケ学者に岩波新書を書かせるとは情けない。井出英策氏が何を書くであろうかということなど、既に十分すぎるくらい分かっていたはずで、このことは岩波新書の編集部の頭の中もまた、長く続いた市場原理主義アホダラ教からの脱却の処方箋の方向性について、ほとんど適切な認識を持ち合わせていないことを意味しています。かような状態では、日本の「経済政策による不幸の拡大再生産」は止められそうにありません。
そして強調しておくべきは、ピンボケ経済学者=井出英策氏の最大の「罪」は前原誠司との「へばりつき」と、それについての反省がないことである、ということです。あの、前回衆議院選挙時の、前原誠司・小池百合子による「野党第1党」消滅作戦の失敗の後も、この井出英策氏は前原誠司との決別を宣言した様子はうかがえません。それどころか、また再び、佐藤優氏を誘って前原誠司と会合をしているなどという報道も目にしましたから、何をかいわんやです。まともな学者なら、前原誠司など、相手にはしないでしょう。
(2)井出英策氏のFBから
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「あちゃー」と思った。左派系の週刊金曜日。ご存知だろうか。今週号では僕の「富山は日本のスウェーデン」を取りあげてくれていて、それを批判する特集が組まれている。批判はウェルカムだ。それに、誰からも相手にされない本の方がずっと無価値だと思うし、僕への批判なんかが表紙を飾るというのはむしろ嬉しくさえある。
ただ、とても悲しい、いや、痛々しい気持ちになった。「富山がいかに住みづらく、生きづらい地域か」を座談会であげつらうというやり方はあんまりだ。これでは僕を批判するのではなく、富山に住む人たちを貶めることにしかならない。廃刊になった保守系の雑誌と同じ構図が浮かびあがる。
正直にいう。僕を批判することで売り上げ部数が伸びるのであれば、喜んで批判の俎上に載せられたい。言論の危機の時代だ。状況を批判する精神は絶対に重要だし、その発言の場を守り、広めることに貢献できるのであれば、僕が批判されることは本質的な問題ではないとさえ思う。
ただ、いまのやり方では、敵が増える一方だ。その象徴が巻末に書かれていた「経営難」だ。2年購読、3年購読の仕組みが廃止されるという。一読者として、こんなに悲しいことはない。
佐藤優さんとの会話のなかで「批判が目的化し、北方領土の四島返還を訴えるのは奇妙だ。左派がナショナリズムを煽って政府を批判してしまえば、心ある左派は離反するだろう」という指摘があった。同じことがあてはまらないか。僕への批判が目的化し、「非難」となり、そしてそれは地域で懸命に生きる人たちへの悪口に堕し、心ある人たちはそれに気づき、その輪から去っていく。今週号、一度手にとってほしい。僕を批判する本を読んで欲しいとすすめるのは変だろうか。でもなぜ左側の翼がやせ衰えていくのかがわかるだろう。
ただ、いっておきたい。僕たちはその悲しい状況と決別するのではない。同じ方向を向いている仲間なのだから。その悲しい状況を背負い込んで、ともに前に進んでいくための努力をしなければならない。批判する精神、そして社会を変えていくための具体的な提案は、絶対に必要なことだ。
希望はある。週刊金曜日は僕に反論の機会を与えてくれた。その公正さには最大限の敬意を表したい。だから僕は「批判するということ」とはどういうことか、僕の態度で示したつもりだ。座談会と読み比べてほしい。僕は最後にこういった。「大切なのは反対を唱えることじゃない。共同性や家族の原理をどのようにリベラル的に作り替えていくかを議論すべき。僕はそれを問題提起したかったし、その端緒がこの企画だと信じたいです」。この想いが共有されることを心から願う。週刊金曜日は危機の時代に異議申し立てしようとする僕たちにとって、大切な場なのだから。
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(3)私のメール その2
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歴史に「もし」はないのでしょうが、しかし、「もし」井出英策氏が大日本帝国の時代の日本に生まれれば、おそらくは昭和軍閥の進める侵略国家政策と、それに翼賛の旗を振る臣民組織のブレイン、ないしはスタッフとなっていたであろうこと、推察ができるというものです。一億火の玉・国難突破、それが当時の「共同体」なるものの大方針でした。
近代市民社会としての個人の独立と尊厳がきちんとできていない社会で、共同体を見直せ、というのは、大日本帝国の時代の日本社会へと復帰せよというに等しい議論です。小熊英二氏も朝日新聞の論壇時評で似たようなことを書いています。日本社会の今日的流れがどの方向に向いており、それが表面上如何に美辞麗句で飾り立てられ、嘘八百で塗り固められているか、そうしたことの自覚がないままの議論は、所詮、没落していく日本経済・社会の補完物であるにすぎません。福島原発事故後の福島における「原子力翼賛体制」のようにです。あるいは今日のNHKや朝日新聞のようにです。
「オルタナティブな日本」を目指すとは、今ある日本のありように対する嫌悪感や怒り、あるいは「いやだ!」という拒否感を出発点とし、徹底した批判と代替像への希求を具体化させていくことです。漫然と情緒的に、今日的な日本社会のありようを受入れて、何とか少しでもよくしましょう、などという欺瞞的な態度では、安倍政権のような強権的で強引な反動的政治権力の前では、無力なままで終わってしまうでしょう。
井出英策氏が前原誠司に「へばりついている」のも、その「甘さ」からくるものです。
(4)私のメール その3
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井出英策氏の今回の件、おっしゃる通りだと思います。
「私を批判していただくのは大いに結構、歓迎だ。しかし、その批判の仕方では多くの人々の反感を買い、周囲は敵ばかりの四面楚歌となる。だから、こんな批判を載せた『週刊金曜日』も売り上げが落ちて経営が苦しくなるぞ、やめとけ、やめとけ」
これが井出英策氏の言っていることの要約です。低レベルの「恫喝」を体裁よく言っているだけで、中身は何もありません。「対決よりも解決」と提唱し、自民党政治の「補完物」路線を邁進する国民民主党と瓜二つの構図です。その国民民主党=旧民進党の連中が、この数年間、如何に無様で情けない醜態をさらし出してきたかは申し上げるまでもないでしょう。2年ほど前の小池ハラグロダヌキ騒動を思い出していただきたい。井出英策氏もまた、国民民主党と同様に(だから前原誠司にへばりつき)、安倍政権・ゴロツキ自民党との「対決」を避けながら、消費者増税の「合理化理屈」開拓に余念がないのだと思います。増税の仕方は他にもある、ということも、思い浮かばない御仁のようです。
白戸三平氏の名作マンガ「カムイ伝」を読むと、似たような農民が登場します。日本人は江戸時代に人間としての魂を抜かれてしまい、権力への盲従こそが唯一の生きる道、と勘違いしてしまったのではないかと推察します。国畜(当時は藩畜)として飼いならされてしまったということでしょうか。
朝日新聞に掲載された小熊英二氏のコメントを一部引用してみましょう。
「だが私は、そんなに簡単に地域慣習を都合よく改造できるのか疑問なのと同時に、井手の前提認識に違和感を持つ。というのも井手は、自身の危機感を述べ、「リベラル」を論評する際に、論拠を示していないのだ。」
「アメリカの衰退地帯「ラスト・ベルト」5州で民主党が16年大統領選で失った低所得者票の多くは棄権で、共和党に流れたのは4分の1強にすぎなかった。三宅はここから、「極右化の傾向に対して『まともな保守』を懐古的な眼差しで探し求めたりすることには、ほとんどまったく意味がない」と断言する。」
注:ここで言う「三宅」とは、岩波月刊誌『世界』(2019年2月号)に掲載された論文「リベラル・デモクラシーの終焉?」の執筆者・三宅芳夫氏(千葉大学法政経学部教授)のことです(田中一郎)。
富山にあるという「共同体」(そんなものは私は「ない」と断言してもいいですが)を、井出英策氏が考える「より良きもの」に組み替えるという、その「共同体」が、実は旧態依然の家父長制的「家制度」の名残が、年輩の男を頂点にしてご都合主義的に「支配のルール」として利用されているだけのものであり、また、その年輩の男支配のヒエラルキーの頂点に自民党の政治・政治家があり、その自民党の政治に「生きていくためだ」と自分に言い聞かせながら「額づく」公務員をはじめとした少なくない「中間管理職」たちがわんさといる、そういう社会が富山ではないのでしょうか。戦後日本の地方社会の構造が、富山ではまだ完全には崩れないである程度残っていて、それが一定レベルの経済的な水準を支えている、そんな具合なのではないかと、私は推測するばかりです。
富山県には「イタイイタイ病」という、企業犯罪の歴史があります。しかし、この企業犯罪の被害を受けた方々がどのような仕打ちを富山社会から受けていたか、井出英策氏も少しは調べてみるのがいいでしょう。その延長線上に井出英策氏の言う「共同体」なるものがあるのです。そこには冷血な支配・被支配の構造、搾取・被搾取の構造があるのであって、その上に、支配する側・搾取する側から見れば、許容できる範囲内での「集団的行動」が保障されたところで、そんなものを「共同体だ」「新しいコミュニティだ」「北欧型の福祉社会だ」などと宣伝していて、どうするのかという話です。
私はそんなことよりも、何度選挙をやっても、自民党議員が圧倒的多数で選ばれてくる、この富山を含む北陸地方を、日本における「後進地域」と見ています。言い換えれば、日本の「戦後アンシャン・レジーム」が未だにそこそこ貫徹している社会と言っても過言ではないかもしれません。有権者は早く目を覚ませ、ということですが、井出英策氏は、このまま眠っていてもいいです、と猫なで声で語りかけている、ということです。危機の時代の日本では、こういう態度は深刻な事態を招きかねません。時流に迎合するのもほどほどにしておけということです。
私の富山を見る目は厳しいですが、しかし、可能性は常にあります。まずは「富山ヒエラルキー」の頂点や中腹付近にいる男どもは後回しにして、このヒエラルキーの底辺で生きることを余儀なくされている人たちに、静かな「反乱」を起こしていただけばいいのではないかと思います。その1つは(秘密)投票(誰に入れたかと聞かれたら平然と今まで通り自民党の方に入れましたと答えて別の候補に入れる)、もう一つは、日々の消費において、良質で安全な国産品(できれば地元産品)を選択する、という方法です。おそらく、これだけのことを日々繰り返しているうちに、富山はきっと「いい社会」へ向けて、大きく変わっていくであろうと、期待と希望をもって見ています。
3.(別添PDFファイル)年金運用 14兆円赤字、昨年10~12月期 最悪、株価下落が影響(朝日 2019.2.2他)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13875838.html
●年金運用で過去最大の損失 GPIFで14.8兆円が溶かされていた|ニフティニュース(日刊ゲンダイ)
https://news.nifty.com/article/domestic/gendai/12136-179999/
(関連)年金運用、14.8兆円の赤字 過去最大、世界的株安や円高で | 共同通信
https://this.kiji.is/463968088370463841
(関連)東京新聞-年金運用14.8兆円赤字 世界的株安、円高が響く-経済(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201902/CK2019020202000146.html
(関連)社説:リーマン危機と日銀 教訓は生かされていない - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190202/ddm/005/070/019000c?fm=mnm
(ちょっと焦点ボケの記事ですが、参考にはなります:田中一郎)
(田中一郎コメント)
わずか3カ月の間に私たちの公的年金基金のお金が約15兆円ばかり消えてなくなりました。半値8掛け2割引き、株式市場の暴落はまもなくやってくるでしょう。一瞬にして数十兆円は「泡と消える」のです。後は野となれ山となれ、です。GPIFの運用をつかさどる委員会のメンバーの責任感など、皆無に等しい連中ばかりです。日銀のETF(株式投資信託)といい、この公的年金基金の株式爆買いといい、高度経済成長で「成金」的経済大国となったニッポンは、その成長を担った世代の子どもや孫の時代に、つまりバカムスコ・バカムスメ、あるいはバカマゴの時代に、その蓄積された富を、くだらない愚行によって一瞬にして失ってしまうというわけです。
念のために申し上げれば、ヘッジファンドをはじめ、世界の大半の「運用ファンド」を実際に運用しているマネジャーたちは、そのファンドに自分たちの財産のかなりの金額を投入し、顧客から預かった投資資金と一緒にして、いわば自分の財産を「人質」に入れて、日々、命がけの投資運用をしています。それでも投資運用がうまくいくとは限りません。しかし、GIPFの運用担当委員らは、そんな責任担保システムの縛りなど皆無の状態で、しかも金融市場での巨額投資の実経験も知識もないアホみたいな連中ばかりで、失敗したら「言い訳をいろいろ考え出す知恵を持ち合わせる」だけの「口先人間」たちですから、何をかいわんやです。
こういう「公的基金の運用ファンド」こそが、金融投機市場では、多くのファンドマネジャーにとっては最も「おいしい」「カモネギファンド」だということなのです。世界中の投資家たちは、この日本の公的年金基金と日銀の金融市場での振る舞いを、アホな奴らだ、とほくそ笑みながら見ていて、さて、どうやってこの日本のアホ連中からカネをむしり取るかを熟慮している状態にあると言ってもいいでしょう。金融市場は所詮ゼロサムですから、誰かが勝てば誰かが負けるのです。だからこそ、世界の公的年金ファンドは、リスク投資は厳しくその金額や割合を制限しているのです。(アメリカでは公的年金によるリスク投資は厳禁です)
このPJを始めたのは、安倍晋三・塩崎恭久、そして黒田東彦(くろだはるひこ)です。そして年金では運用の最高責任者はGPIFの運用委員会の委員たちとGPIF幹部ですし、日銀では政策委員会の委員たちです。株式暴落ののちには、せめてこの連中の身ぐるみをはいで監獄に叩き込みましょう。公的年金と日銀による株式の爆買いは、アベノミクスの中でも最も劣悪で愚かな政策です。この政策こそが、「成金」経済大国ニッポンの没落を決定づける「亡国の政策」となるでしょう。
だったら今から株式への投資をやめればいいではないか、ですって? そんなそぶりを見せたとたんに株式市場は暴落を開始します。バクチに染まった人間は、そのバクチ場からは、そう簡単に逃がしてはもらえないのです。「平和ボケ」の経済的帰結です。
4.新基地中止へ要望書 東京・文京区議会「地方自治反する」 - 琉球新報
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-759666.html
(一部抜粋)
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(中略)要望書は日本の防衛のためにある米軍基地の負担は全国で平等に負うべきであることや、弾薬庫などを備えた新基地は普天間基地の代替施設ではないことなどを指摘している。その上で「沖縄県民の反対を押し切っての新基地建設は、地方自治・民主主義の精神に反するもの」だとして、辺野古新基地建設中止を求めた。
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(田中一郎コメント:加筆修正してメール転送)
私は「要望書」現物を見ていませんし、区議会でどの党派が発議をし、どの党派が賛成をしたのかも知りません。しかし、です。以前にも申し上げましたが、「日本の防衛のためにある米軍基地」などという「虚偽」に基づく決議には賛同できません。かようなことを繰り返していると、ナチス・ゲッペルスではありませんが「嘘八百でも何度も何度も繰り返せば本当になる」ということになっていくでしょう。市民運動・社会運動がこうしたことの先頭に立っていてどうするのかと思いますね。
私がつねづね申し上げているように、日米(密約)同盟の実態を知りもしないで活動をするからこういうことになるのではないかと私は思います。こうした運動では、現状を大きく転換していくエネルギーにはならないのです。その他の課題の運動でも同じことが言えます。この要望書が市民運動・社会運動によるものではないかもしれませんが、似たような動きは既に市民運動・社会運動にも見られます。
(関連)日米安保体制=日米密約同盟の隠された正体が一段と明らかに=(必見必読)『知ってはいけない
2』(矢部宏治著:講談社現代新書)- いちろうちゃんのブロ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-2ecc.html
「「本土」の8割を超える日米安保を支持する人たち」=これこそが大問題なのです。「自衛隊支持90%」も同じです。およそ民主国家において、かような世論形成はあり得ない話です。何も知らない・知らされない状態に置かれ続け、経済成長の上に胡坐をかいて生活保守主義とやらに安住して思考停止に陥り、学校で習った市場原理主義アホダラ教をそのまんま信じ込んで、そして数十年が経過しました。アジア太平洋戦争の経験は風化、戦争や軍事のリアリティを喪失した、まさに「平和ボケ」「批判的能力ゼロ」(原発ゼロならいいのですが)の有権者・国民が圧倒的多数となっている、この現実を打破する方策を考えぬくことが、市民運動・社会運動の役割と心得ています。
昨今の野党政治家の劣化が著しいのと平仄を合わせるように、市民運動・社会運動にも、似たような傾向が始まっているような気がしてなりません。マスコミの「マスごみ」化については申し上げるまでもないのですが、こうした「どん底へ向けての翼賛体制」は、時とともに容易ならざる社会状況を生み出しています。覚悟を決めて、しっかりと考えぬいて、動いていきましょう。
草々
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「昨今の野党政治家の劣化が著しいのと平仄を合わせるように、市民運動・社会運動にも、似たような傾向が始まっているような気がしてなりません。マスコミの「マスごみ」化については申し上げるまでもないのですが、こうした「どん底へ向けての翼賛体制」は、時とともに容易ならざる社会状況を生み出しています。」
つまり日本はもう戦争大勢に向かっているということ。世界のどこかで、小型原爆が破裂する時が迫っていて、日本はすぐに原爆を作るだろう。
投稿: | 2019年2月 6日 (水) 17時51分