« 「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(102):腐った大学がミナマタ・フクシマをもたらす(早野龍五・宮崎誠論文問題、日本神経学会問題) | トップページ | ゲノム編集に関する質疑応答(1):安全面からも、生命倫理面からも、人間の尊厳の面からも、大問題だらけのゲノム編集 + 若干のこと »

2019年1月22日 (火)

「市民と野党の共闘」は経済政策を選挙マニフェストの大黒柱の1つとし、その基本を「反緊縮」とせよ:松尾匡立命館大学教授提案「薔薇マークキャンペーン」より+(私からのいくつかの意見)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に若干のことです)

==================================

1.イベント情報

(1)(別添PDFファイル)(チラシ)(1.26)核と基地(四谷:イグナチオ教会ヨセフホール)

「tirasi_126_kakutokiti.pdf」をダウンロード

(2)(チラシ)(1.29)2019年選挙の年に山本太郎おおいに語る(たんぽぽ舎主催)

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/files/tirasi_129_yamamototarou.pdf

 

2.自民党に投票した有権者が選挙後に後悔をする歌

 https://www.youtube.com/watch?v=8w-6uPw0TZY

 

(♪「みなさま有権者だけが生き甲斐です、お願い、お願い、・・・、てなこと言われて、その気になって、投票したのが大間違い、政治政策まるでダメ、ウソつくことなら3人前、ちょっと小言を言ったなら、プイと出た切り、ハイそれまでよ。ふざけやがって、ふざけやがって、このヤロー、・・・・泣けてくる」♪ この歌ぴったり来ます。集会で、自民党本部の前で、みんなで歌いましょう。:田中一郎)

 

(関連)【宝島社企業広告】「敵は、嘘。」「嘘つきは、戦争の始まり。」1-7掲載 |株式会社 宝島社のプレスリリース

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000795.000005069.html

(関連)20190120 UPLAN #AbeOut0120 「安倍は辞めろ」デモ - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=xpGEjDEglDs

 

(関連)古賀茂明「安倍政権の屋台骨を揺るがす毎勤統計不正 二度目の予算修正案か?」AERA dot.

 https://dot.asahi.com/dot/2019012000011.html?page=1

 

3.びっくり仰天「真っ黒け:2020年東京オリンピック」

(1)(別添PDFファイル)JOC 竹田会長の記者会見を受けての公開質問状(2019119日)

「joc_takeda_koukaisitumonjou.pdf」をダウンロード

(2)【小池百合子】小池都知事「築地守る」の公約違反 跡地にカジノ誘致構想|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245732

(3)(別添PDFファイル)時価の9割引で「晴海」叩き売り(イントロ部分)(片岡伸行『週刊金曜日 2018.12.21』)

「harumi_jika_90_kinn.pdf」をダウンロード
(4)(別添PDFファイル)都心の一等地がなぜこんな「激安価格」なのか(イントロ部分)(片岡伸行『週刊金曜日 2019.1.11』)

「gekiyasu_ittouti_kinn.pdf」をダウンロード
  http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002726.php

 

(やはり「2020年東京オリンピック」もタヌキ女の「馬の糞饅頭」政策でした。「築地は守る・豊洲は生かす」とは「築地はつぶす・豊洲は捨てる」だった。要するに、築地市場の跡地という都心の一等地を欲しいがため、土建屋や政治家や東京都官僚どもが徒党を組んで官製「地上げ」を行ったというのが「ホントウ」のところである。また、情報公開の「東京大改革」も「都合悪けりゃ皆隠せ」の情報非公開政策の言いかえでした。「都民はコロコロどんぐりこ、小池にはまってさあ大変」です。安倍政権の別動隊=「権力すり寄りハラグロダヌキ」の小池百合子都政に終止符を打ちましょう。都民は今度こそホンモノの都知事を選ばなければいけません。もういい加減にしとけ、という話です。この調子だと東京都財政も数年後には赤字転落で苦しいことになっていきます。:田中一郎)

 

(関連)小池都知事「築地は守る、豊洲は生かす」会見要旨(日経 2017.6.20

 https://www.nikkei.com/article/DGXLASFB20HDP_Q7A620C1000000/

 

(関連)2020年オリンピックおことわり! - 2020年オリンピックおことわり!

 http://www.2020okotowa.link/

 

4.(別添PDFファイル)男性 500万年後に消滅? 染色体変化生き残りの余地(日経 2019.1.20

 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO4017150018012019MY1000/

 

(上記にある「男性、500万年後に消滅? 将来占うトゲネズミ」の記事についてですが、よくわかりませんが、私はネズミやカエルに見られている(生殖関連)染色体の異常と「オスのメス化」は、環境ホルモンによる影響があるのではないかと直感的に思います。翻って、人間もまた、同じです。ただ、人間の場合には、絶滅しない程度に男が減る分には、おそらく世の中はよくなることでしょう。たいがいの男はロクなことをしないからです。:田中一郎)

 

(参考)奪われし未来-シーア・コルボーン/ダイアン・ダマノスキ/ジョン・ピーターソン・マイヤーズ/著 長尾力/訳(翔泳社)

 http://qq3q.biz/Psso

(参考)メス化する自然 環境ホルモン汚染の恐怖-デボラ・キャドバリー/著 古草秀子/訳 (集英社)

 http://qq3q.biz/Pssz

 

なお、この環境ホルモンの話は3月の新ちょぼゼミで予定しています(但し、理系の話ではなくて、法規制に関する文系の話です)。

 

●(3.14)オルタナティブな日本をめざして(第24回):「どうする化学物質の管理:環境ホルモンがもたらす危険性から考える」(中下裕子弁護士)- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/24-9464.html

==================================

 

2019年は4月に統一地方選挙、夏には参議院選挙(場合によっては衆参同日選挙)を控える「政治決戦」の年です。20131月に安倍政権が発足してから丸6年が経過しました。史上最悪のデタラメ政権・ゴロツキ政策と言われ続けて、何度も何度も国政選挙を経ていますが、安倍自民と公明党の連立による与党グループの壁は厚く、国政選挙は野党が負け続けて今日に至っております。何故、かような史上サイテーと言われているアベ政権を、野党や市民運動・社会運動は退陣に追い込むことができないのでしょうか。

 

いろいろと理由はあると思いますが、その一つには、「市民と野党の共闘」が選挙公約として打ち出す公約の中に「経済政策」が乏しい・貧弱だ、という点が挙げられます。昨年末に市民団体が主催した勉強会での松尾匡立命館大学教授の講演録画がありますので、これをご覧いただければ一目瞭然ですが、いわゆる左派グループを中心とした「市民と野党の共闘」は、有権者・国民の関心時に関心を示さず、従って、それに対してしっかりとした政策対応リスポンスをしないまま、旧態依然のややイデオロギー先行型の主張を繰り返し、選挙で敗北を続けているという状況です。

 

(関連)20181221 UPLAN 松尾匡「この経済政策が日本を救う」 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=AEX95emhiPw

(関連)99%のための経済政策フォーラム(上記の講演会レジメ一式)

 https://99forum.jimdofree.com/

 

(関連)(報告)(12.21)99%フォーラム 第1回 講演会:松尾匡立命館大学教授「この経済政策が日本を救う」 (20181221日)- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/99-1-20181221-a.html

 

現代政治と選挙においては、圧倒的多数の有権者・国民の(大きな)利益・利害にしっかりと応えていくことが多数派形成の基本中の基本ですが、それができていないということを意味しています。安倍政権・自公政治が、ここまで圧倒的多数の有権者・国民の利益や利害を無視して、踏みつけにして、嘘八百やインチキ理屈を並べ立てながら一部の特権層や巨大企業の利益・利害を優先しているというのに、それに対する対抗策やオルタナティブな経済政策というものを「市民と野党の共闘」が打ち出せていないという点に、選挙に勝てない大きな原因の1つがあるということです。

 

これでは政権交代をいつまでたっても実現できませんし、安倍政権・自公政治の暴走にストップをかけることもできず、従って、脱原発も戦争法制廃止も実現することができないのです。昨今では日本国憲法までが危なくなってきています。そして国民の間での経済格差は開くばかりで、新しい階級社会のようなものが形成され始めています。多くの有権者・国民は、特に地方では、安倍政権にはうんざりしていますが、それに代わる政権党が存在しないという、まことに情けない、残念極まりない事態が長期化し始めています。いわゆる恒常的な多弱野党の「万年野党化」です。

 

考えてみれば、夏の国政選挙の半年前になっても、依然として「市民と野党の共闘」は「選挙に勝つ」ための対策・対応を全力を挙げて行おうとはしていないように見えますから、これでは今回の選挙も駄目そうな気配が濃厚です。巷のマスコミ報道では、安倍政権苦戦だとか、安倍首相苦難に直面とか、いろいろと夏の国政選挙についての与党・自民党の劣勢を伝える報道が増えてきていますが、私は事態はそれほど甘くはないと見ています。「市民と野党の共闘」のこのままの体たらくで行くと、憲法改悪発議の2/3議席は難しいかもしれませんが、安部自公政権の政治基盤は過半数を大きく超える議席を獲得して、引き続き多弱野党に対して圧倒的な支配権力を見せつけることになるのではないかと懸念されます。

 

こうした絶望的な情勢の下、松尾匡立命館大学教授が再び動いてくれました。下記の「薔薇マークキャンペーン」により、「市民と野党の共闘」は、①経済政策を選挙公約の大きな柱の1つにし、②かつ「反緊縮」(=つまり社会保障や教育・子育て・労働など、有権者・国民の生活に密接に関連する経済政策を拡充する積極政策をとり、消費税増税や財政支出カットなど、財政収支均衡を国民生活改善の上に置くような政策をやめる)、をその経済政策の基本に据える、の2点を、広く国民運動的に展開していくことを提唱しています。

 

以下、この「薔薇マークキャンペーン」を簡単にご紹介するとともに、松尾匡立命館大学教授の提唱する経済政策に関連しての議論もまた、若干ご紹介したいと思います。私は松尾匡立命館大学教授の上記①と②=つまり「反緊縮」の「経済政策」を来たる2019年の政治決戦で「市民と野党の共闘」は力強く打ち出せ、という主張に賛同しております。しかしながら、その具体的な経済政策の11つには大いに異議がある点もあります。それを今回、みなさまに簡単に見ていただこうと思います。松尾匡立命館大学教授とは、これまで他のMLで議論をしてまいりました。そのやり取りは下記のサイトに掲載していますので、ご興味がある方はご覧いただければと思います。今回はそのうちのいくつかを簡単にまとめたものです。

 

(関連)(報告)(12.21)99%フォーラム 第1回 講演会:松尾匡立命館大学教授「この経済政策が日本を救う」 (20181221日)- いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/99-1-20181221-a.html

 

1.(メール転送です)松尾匡立命館大学教授より:薔薇マークキャンペーン開始のお知らせ

 

みなさま、重複してのお知らせとなりましたかたはお許しください。

今日本では、職を失う不安、パワハラ、「サービス残業」、介護や育児の負担、賃下げ等々で、依然5割を超える人々が「生活が苦しい」と答えています。しかし、こういった人々の多く、特に若い人たちが、再び不況に陥ることを恐れ、安倍政権の経済政策にすがりついて自民党に投票したり、野党に投票せずに棄権したりしている現実があります。

 

このために、安倍自民党は、世論の反対の方が多い法案を次々と強行採決し、様々なスキャンダルを引き起こしているにもかかわらず、高い支持率を維持し、国政選挙に五回圧勝してきました。

 

しかし今年、世界経済が後退する不安の中、政府は消費税を10%に引き上げることを予定しています。低賃金労働維持のための入管法改定もなされました。暮らしの苦しい人々の間で動揺が起こって当然のところです。

 

今度こそ、暮らしの苦しい庶民の不安に応える、安倍自民党に代わる選択肢を打ち出す必要があります。きたる統一地方選挙と参議院選挙に向けて、財政緊縮や大衆増税に反対し、社会保障・医療・介護・保育・教育・防災への大胆な財政出動を行い、それによって経済を底上げして、質の良い雇用を大量に創出する「反緊縮」の経済政策を掲げる候補を作り出しましょう。

 

そこで私たちは、統一地方選挙と参議院選挙で「反緊縮」の経済政策を掲げるよう立候補予定者に呼びかけ、そのような政策を掲げた候補に認定マーク「薔薇マーク」を出すキャンペーンを始めることにしました。

 

つきましてはこのたび、このキャンペーンのホームページを開設しましたので、お知らせします。下記リンクよりお入りください。

 https://rosemark.jp/

 

現在のところ私や森永卓郎さんら22人が呼びかけ人になっています。 私たちの考えは「趣意書」に述べていますので、ぜひご確認いただき、ご賛同いただけるかたは、登録フォームより賛同人にご登録くださいますようお願いいたします。メッセージ、カンパも歓迎いたします。今後、21日予定の記者会見にはじまり、集会など行っていく予定ですので、ご参加、ご宣伝等、ご支援をよろしくお願いします。

 

松尾匡

 

(関連)(2.1)「薔薇マークキャンペーン」キックオフ記者会見 & 意見交換会(衆議院第一議員会館)

 http://www.labornetjp.org/EventItem/1547884364105matuzawa

 

2.松尾匡立命館大学教授執筆の関連するレポート

 全部ではありませんが、下記に若干をご紹介いたします。

 

(1)松尾匡 - 著者 - SYNODOS -シノドス-

 https://synodos.jp/authorcategory/matsuotadasu

(2)About - People's Economic Policy

 https://economicpolicy.jp/about/

(3)Amazon.co.jp- 松尾 匡-作品一覧、著者略歴

 http://qq3q.biz/Pur7

 

(4)この経済政策が民主主義を救う―― 安倍政権に勝てる対案 - 松尾匡 - 経済学 - SYNODOS -シノドス- - ページ 2

 https://synodos.jp/economy/15989/2

(5)欧州反緊縮左派の中央銀行利用論:コービノミクス・市民配当・債務帳消し(松尾匡立命館大学教授 2017.7.14

 http://qq3q.biz/Purk

 

3.イギリスの元祖「反緊縮」=ジェレミー・コービンについて他の文献

(1)(別添PDFファイル)コービン労働党の歴史的位置(イントロ部分)(長谷川貴彦『世界 2019.2』)

「koubin_rekisitekiiti_sekai_20192.pdf」をダウンロード
(2)(別添PDFファイル)チーム・コービンはイギリスを変える(イントロ部分)(藤澤みどり『世界 2019.2』)

「tteam_kobin_igirisukaeru_sekai_20192.pdf」をダウンロード

(3)2017英国総選挙:コービン労働党が奇跡の猛追。「21世紀の左派のマニフェスト」とは?(ブレイディみかこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 https://news.yahoo.co.jp/byline/bradymikako/20170531-00071556/

(4)2017英総選挙:コービン労働党まさかの躍進。その背後には地べたの人々の運動(ブレイディみかこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 https://news.yahoo.co.jp/byline/bradymikako/20170609-00071923/

 

(5)若者が動かしたイギリス総選挙。コービンが選ばれた理由と日本への示唆 -ハフポスト

 https://www.huffingtonpost.jp/yuki-murohashi/england-election_b_17233546.html

(6)政策は「反緊縮」のみ 労働党コービン党首勝利挨拶

 http://blog.guts-kaneko.com/archives/547

 https://blogos.com/article/228695/

 

なお、今月号の岩波月刊誌『世界』(20192月)では下記のようなコメントを付して「政治を変革する思想と方法」という特集が組まれています。ここではイギリスのコービン以外の欧米の政治の動きがいくつかレポートされています。興味深いものがありますので、お勧めです。

 https://www.iwanami.co.jp/book/b431861.html

 

(抜粋)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 社会の地殻変動が起きている.新自由主義的な世界の再編のもと,一方でグローバルな権威主義化の進行と極右的な政治勢力の伸張があり,また一方で,対抗的な民衆の運動の発展が各地で新たな地平を切りひらきつつある.

 

 アメリカで民主的社会主義が若い世代の支持を高め,イギリスでコービンの労働党が福祉国家政策を練りなおして提示している.韓国でろうそく革命が政権交代を実現し,フランスで「黄色いベスト」が反旗を翻し,ドイツで緑の党が政権をうかがい,南欧でも左翼的な諸勢力が台頭する.いまのような政治ではない政治をつくるために,どのような言葉と運動がつむがれているのか,特集する

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

4.ピープルズ・プラン研究所(PP研):白川真澄氏

 PP研の白川真澄氏より、下記の2つの論文を送っていただきました。その中で松尾匡立命館大学教授の議論についても言及がなされています。もちろん白川氏のお考えや立論は、私が考えるところとは違っておりますが、共通する部分もあり、今後の経済政策に関する議論を深める意味で、みなさまにもご紹介したいと思います。

 

●ピープルズ・プラン研究所 - People's Plan Study Group HP

 http://www.peoples-plan.org/jp/

●ピープルズ・プラン研究所 - 論説

 http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?page=men

 

(1)(別添PDFファイル)金融・財政政策の論点1:アベノミクスの擁護者たちへの批判(201710月)

「kinnyuu_zaiseisseisaku_ronten_1_201710.pdf」をダウンロード
(2)(別添PDFファイル)金融・財政政策の論点2:日銀が大量の国債を保有するリスクについて(201812月)

「kinnyuu_zaiseisseisaku_ronten_2_201812.pdf」をダウンロード
 http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=211

 

5.私(田中一郎)が発信した昨今のメール<その1>(一部加筆修正しました)

 

(関連)(別添PDFファイル)鷲尾香一の経済私考:赤字国債依存の財政状況が恒常化、将来世代へのツケ回しは止めるべき(『週刊金曜日 2019.1.18』)

「wasio_kinn_zaiseiakaji.pdf」をダウンロード
 http://www.kinyobi.co.jp/

 

(1)『週刊金曜日』(2019.1.18)の鷲尾氏の議論こそが克服すべき考え方であること(別添PDFファイル)

 この人のこの議論こそが、クラッシックな政権党=自民党批判の議論であり、バブル崩壊以降の失われた30年間の「革新」側の失敗を全く顧みない、旧態依然のものだと思います。財政均衡主義と思われる立場からの主張であること、国家財政と家計とを同一視する経済政策論の無知(国民経済にとって国債の機能は単純な将来世代へのツケ回しだけではない)、経済動学的考え方の欠如、ケインズ政策と「合成の誤謬」を知らない議論(100年前の議論)、「財政赤字に頼るな」と言っているが、ではどうすればいいのかは書いていない(今日の日本の財政で軍事費をゼロにしたところで財政は赤字のまんま)・・・・

 

まあ、こんな感じで、経済政策論としては、いくらでも批判することが可能です。「市民と野党の共闘」は、この鷲尾氏の議論から脱却し、これを克服しなければいけない。それは簡単に言うと「反緊縮」です。財政や赤字国債は国民経済の福祉を向上させる「手段の一つ」であり、必ずしも「絶対悪」ではない、という財政学のイロハです。つまり、まずは松尾匡立命館大学教授がおっしゃる「反緊縮」を「市民と野党の共闘」が自分たちの経済政策の基本に置くことが肝要です。

 

(2)その上で、アベノミクス批判を加味した精緻な「経済政策」の打ち出しが必要となります。その場合、経済政策=財政政策は、生身の政治家が、金融政策は政治家とは少し距離を置く日銀(政策委員会の委員たち)が担うということを念頭に置いておくべきです。ここからが私の松尾匡立命館大学教授批判となります。

 

(a)中央銀行=日銀を政府の財源として「振出の小槌」のように使ってはいけない。ましてや中央銀行制度を廃止し、政府・財務省自らが貨幣供給=信用創造をして、財源を自在にできるような仕組みにしてはならない。これは禁じ手であり、繰り返されることで政治家による深刻なモラルハザードを生み出してしまう。

 

それから、不況期においては金融政策は出る幕がありません。金利はゼロに近いところではいつくばっていますし、量的緩和などは景気対策としてはクソの役にも立ちません(実証済み)。ゼロ金利などは年金基金や地域金融機関などを疲弊させ逆効果です。つまり、金融政策は財政政策やその他の政策の邪魔にならないよう、だまって隅に引っ込んでおればいい、ということです。日銀がでしゃばるな、ということです。(日銀にETFやリスク証券を買わせるなどもっての外)(公的年金の株式などリスク投資は今後深刻な問題を引き起こすでしょう=投資額が巨額で逃げられず、もう手遅れです=アベノミクス最大の悪政=日本経済没落の契機となる可能性大)

 

但し、国債残高が膨れ上がっても、その大半を日本国民・会社が保有し、その国民や会社の経済活動が平穏であれば、それ自体で何か絶対的なマイナスや「悪」が生れるということはありません。問題は国債を非居住者・外国人が大量保有したり、国民や会社の購買行動が異常になってくると、膨れ上がった国債残高は、それに拍車をかける要因となりますから、マクロ経済のコントロールが非常に難しくなるというリスクがあります。しかし、今日の日本経済は、このリスクよりも逆のリスク=デフレと「すくみ経済(自粛経済)」の方が深刻だと思いますから、赤字国債を発行してでも、思い切ったスペンディングポリシーに打って出るべきです。

 

(b)財政政策の中身を徹底して問い直し見直せ

 まず、ベーシックインカム(BI)やヘリコプターマネーは絶対にダメ(究極のバラマキであり市場原理主義的政策です)。この説明は繰り返しません。そんな財源はないし、そんな財源の使い方は不効率です。他方、普遍主義的政策は頭から否定はしませんが、財源と睨み合わせて慎重にやっていくべきです。そんなおおざっぱな政策よりも、もっと真剣にならなければならないのは、経済的弱者・社会的弱者救済のための社会保障・福祉政策(や住宅政策)を、きめこまかく、金銭給付だけでなく、公的サービス提供なども含め、総合的に検討して直ちに実施せよということです。「今そこにある危機」への対応です。

 

(関連)(再論)ベーシックインカムについて(他のMLでの議論です:勘違いしてはいけない=「ベーシックインカム」は「生活保護」や「社会保障制度」とは似て非なるものです) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-5603.html

 

(関連)普遍主義的政策だ・ベーシックインカムだ、などと「空理空論」をするよりも、たとえば中学校の学校給食を何とかしろ! いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-7e62.html

 

おそらく毎年10兆円近い財源が必要で、更にそれに加えて、脱原発や、地域経済再建や、農林水産業再建や、労働法制適正化とそれに伴う中小零細企業支援や、教育・保育政策の拡充や、公衆衛生・消費者行政の充実、などなどを含めると、必要財源はもっと膨れ上がるでしょう。そうした財源を確保するには、税や国債という貸借対照表の右側の項目(の増減)だけでなく、左側の資産の項目(の増減)や損益計算書の支出項目である財政資金の使い道についても、しっかりと検討し直す必要があるのです。

 

例えば、ダム建設など、ばかばかしい土建事業や都市再開発、あるいはアメリカから言い値で売り付けられる不要不急の巨額の武器・兵器・弾薬・軍事物資には今でも巨額の税金が使われています。また、原発・核燃料サイクルにも(福島原発事故の後始末費用を含めて)巨額の税金が投入されているのです。その他の多くの分野でも、財政支出の抜本見直しは必要不可欠の状態になっています。オスプレイを買うのをやめて、その金額を保育園建設に使え、とは、よく言われるキャンペーンの一つです。

 

ところが日本の多くの経済学者や財政学者どもは、やれBIだの、普遍主義的政策だのと、まじめに財政支出の中身の検討をしないばかりか、実際、政府のカネが何にどのように使われているかさえ、まともには知らないのではないかと思われます。全く腹立たしい限りです。大学にいる経済学者どもを全員解雇しろ、と私は叫びたいくらいです。松尾匡立命館大学教授や伊藤周平鹿児島大学教授ら、ごくごく少数の経済学者の方々がいかに貴重な存在か、いくら強調しても、し過ぎることはありません。

 

それともう一つ、危機感が欠如していると私が思うのは、TPP協定、日欧EPA、などのメガFTA/EPAです。こんなものを生かしておいて、日本経済をまともな形にすることなど、とてもできません。一刻も早く、これらの経済協定から抜け出す必要がありますが、その運動が盛り上がっていないのです。要するに市場原理主義アホダラ教にアタマがイカれているということなのでしょうが、このままでは、日本の有権者・消費者・国民は、多国籍巨大資本や特権階級に、これから「ユデガエル」にされながら、ケツの毛を徹底してむしり取られることになるでしょう。だいぶ時間がたってから、ボロボロにされてしまった頃に気が付くのでしょうが、それではもう手遅れです。種子法廃止や、農地や漁業権の(企業や外資への)開放や、水道民営化など序の口です。

 

(c)財源として、赤字国債だけでなく、税制の抜本改革を打ち出せ

 税制を減税か増税かの二者択一で考えてはいけないのです。今日の財政難は(大企業・富裕層向けの)減税のやりすぎによる「つくられた財政難」です。言い換えれば、税金を払うべき人間や企業が払っていない、納税を特権的にうまく回避している、ということです。だから、まず当面は、税収を増やすと言っても、それは増税ではないのです。本来払うべき人間や会社から、税金を払ってもらうようにする、納税回避を許さない仕組みをつくる、ということですから、それは増税ではなくて「税制の適正化」=「納税回避行為の撲滅」です。増税という言葉をやめて「税制の適正化による本来の税収の回復」という表現で行きましょう。

 

 従って、この延長で出てくる話は、消費税などバカバカしくて払ってられるか、ということです。また更に、消費税について3つばかり申し上げれば、①消費税そのものが弱者いじめの絶対悪の税制であること、②また、消費税増税と社会保障・福祉の充実とは、全く関係がなく、後者は前者を政治的に実現するために納税者・国民をだまくらかす詐欺宣伝である、ということです。それはこれまでの法人税・所得税・消費税の3つの基幹税制の税収の推移を見てみれば明らかです。消費税を増税しなければ社会保障経費を賄えない、といいながら、法人税や所得税を減税してきただけの話です。今後も同じです。③そして3つ目、消費税は段階的に廃止し、代わって、奢侈品物品税(付加価値税ではないもの)を段階的に入れていけばいい、ということです。

 

 嘘八百の宣伝乗せられて井出英策のものまねをしているよりも、タックスヘイブンに対して国民的な怒りのコブシを振り上げ、フランス並みの巨大大衆運動でも起こしてみたらどうでしょうか、総選挙でタックスヘイブンと不公正税制・不公平税制を最大の争点の1つにしてみたらどうでしょうか、ということです。「市民と野党の共闘」は、安倍政権に争点の議論をリードされていないで、自分たちの言動を次の政治争点の舞台に引き出すだけの「改革の力」を見せてみよ、ということです。若き米下院議員のアレクサンドラ・オカシオ・コルテス氏のように、です。(下記参照)

 

以下はメール転送です。(抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

孫崎享さんのメール2019118

 

29歳最年少会員議員、女性、プエルトリコ系のオカシオ・コルテス下院議員が米国で注目を集めている. 米ニューヨーク州第14選挙区(85%が民主党支持者,70%が非白人)民主党予備選挙(伝統的に民主党の強い選挙区)で、下院議員1020年務めた大ベテランで、下院議長の候補にも名前が挙がっていた大物を破り、中間選挙で選ばれたアレクサンドラ・オカシオ・コルテス下院議員(29歳最年少会員議員、女性、プエルトリコ系)が注目されている。何故か。

 

1:事実関係:英国ガーディアン紙「誰がアレクサンドラ・オカシオ・コルテスを恐れているか(Who's afraid of Alexandria Ocasio-Cortez?

 

問に対する答えは明白に民主党既存勢力である。最近POLITICOが民主党の同僚議員が彼らに向かってツイート(批判)をするのでないかと心配していると報じた。彼らの不安は不合理なものではない。オカシオ・コルテスは米国全国の政治討論の方向性を決める手段として、ツイッターを巧妙に使っている。POLITICOはトランプのツイートの使い方と比較しているが、間違ってはいない。

 

トランプは彼がメディアに話題にして欲しいものを、メディアが話題にするようツイッターを利用してきた(注、国境壁も国民ので支持者の方が多く、これを論議する方向に誘導)。民主党員は主導権をとるのに失敗し、自分達で討論の方向性を示すのではなくて、トランプのいうことに反応している。オカシオ・コルテスの中にトランプがわめくナンセンスについて論議するのではなく、左派が何を討議すべきかの主導権を取る要素がある。

 

ゲーム・チェンジに新聞の一面を見たらいい。1月5日 オカシオ・コルテスがインタビューで富裕者に70%の税金をかけると述べ、すぐに全国的に税金の論議が始まった。ポール・クルーグマンが富裕者に高額税を課すのは経済的にかなった論であると述べ、ワシントン・ポストのJeff Stein は課税分をどの様に使うか論議し始めた。これはサンダースの大学授業料無償化($800bn)やオバマ大統領の幼稚園教育($75bn over a decade)等に匹敵するものだ。

 

オカシオ・コルテスが発言しなかったら、この問題における論議はなかったろう。しかし彼女が言及し、今論議がある。今、ノーベル賞受賞者達が高額所得者への高額税はいいことだといい、“穏健”民主党員も“過激”思想を支持する圧力にあっている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

6.私(田中一郎)が発信した昨今のメール<その2>(一部加筆修正しました)

 

(1)国民・国内会社所有の国債は「暴落」手段になりにくいのです

 日本の居住者の国債ホルダーの多くはスペキュレーター(投機者)ではないので、国債運用のありようは極めておとなしいものです。大半の大会社の役職員も、一部の例外を除いてサラリーマンですから、金融市場投機には手を出さないのが一般的です。バブルの時に懲りています。問題は、非居住者を中心とするヘッジファンドなどのスペキュレーターたちです。ただ、最近では、このスぺキュレータの影に隠れて間接投資をする御仁も現れていますから、従来よりはリスクは高くなっているといえます、問題は国内の信託勘定(およびSPCなどの投資ビーイクル)です。これの本当の所有者というか資産処分権限者が誰なのかを金融当局は押さえておく必要があります。居住・非居住は実質ベースで見る必要があります。

 

(2)国債価格暴落・長期金利上昇

 上記のような金融市場構成者を考えた場合、このリスクは危機発生の予兆時の日銀の大胆な行動(買いオペや行政指導など)により、相当程度回避できるでしょう(非居住者の国債所有が増えた場合は困難です)。このリスクよりも、デフレ・不況・すくみ経済の方がリスクは大きい=社会的リスクが大きい、と考えています。

 

 それともう一つ、際限なき円安リスクは今日の日本には潜在的には常に付きまとっています。これは要注意です。私が円暴落の原因可能性として挙げられるものの1つは、原発・核燃料サイクル施設の再びの過酷事故+巨大地震・津波・巨大火山噴火です。明日にでも起きるかもしれません。原発・核燃料サイクル施設は直ちに廃棄すべきです。廃棄しても何の支障もありません。場合によっては、朝鮮半島有事や沖縄・先島諸島有事などもあり得ます(限定核戦争の危険性)。

 

(3)日本のメガバンク三行はすでに国債保有額を減少させています

 これは単に国債の利回りが低すぎて、将来の金利上昇リスクを加味したイールドカーブが形成されていないことからくる必然的結果です。いつまでも安倍政権と黒田東彦(くろだはるひこ)脳内バズーガが継続すると思われている限りでは、国債の金利は上昇してきませんが、そうではない=日銀が正常化する、という見通しが立てば、再び国債市場は正常化し、イールドカーブは立ってくるでしょう。今は日銀が国債市場を腕力で押さえつけているだけで、これでは「金融市場」は機能しません。

草々

 

« 「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(102):腐った大学がミナマタ・フクシマをもたらす(早野龍五・宮崎誠論文問題、日本神経学会問題) | トップページ | ゲノム編集に関する質疑応答(1):安全面からも、生命倫理面からも、人間の尊厳の面からも、大問題だらけのゲノム編集 + 若干のこと »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(102):腐った大学がミナマタ・フクシマをもたらす(早野龍五・宮崎誠論文問題、日本神経学会問題) | トップページ | ゲノム編集に関する質疑応答(1):安全面からも、生命倫理面からも、人間の尊厳の面からも、大問題だらけのゲノム編集 + 若干のこと »

最近の記事

無料ブログはココログ