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2018年11月11日 (日)

2019年政治決戦へ向けて「市民と野党の共闘」の課題と現状について(その1)

前略,田中一郎です。

 

下記は昨日お送りした私のメールのうち、2019年夏の参議院選挙へ向けての「市民と野党の共闘」の課題と現状について書いた部分の抜粋です。少し加筆いたしました。

 

●本日(11/10)のいろいろ情報です(メール転送を含む):2018年アメリカ中間選挙結果、「市民と野党の共闘」の課題と行方、日韓関係、日本の漁業が売り飛ばされる 他 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/2018-5125.html

 

みなさまご承知の通り、5年以上にわたって続く安倍自公政権のおかげで、原発過酷事故や戦争の危機が日本を覆うだけでなく、一握りの特権的巨大多国籍企業や事業者による「私物化政治・縁故資本主義」の害悪も垂れ流され続け、日本は今やボロボロ・ズタズタの状態にされようとしています。既に霞が関の各省庁・官僚組織や検察・司法制度は、安倍政治の暴走を止めるどころか、その加速に加担をする有様で、司法・検察を含む日本の官僚制度の「伝統的」な悪質性が露骨に表面化しています。1990年台初頭のバブル崩壊以降、日本は「失われた30年」を続けてきたわけですが、更にこれからは「破滅と崩壊の時代」へと突入していく気配が濃厚になっているのです。

 

安倍政権批判も既に言い尽くされた観があります。また、実際にも有権者・国民の多くは、安倍政権の個々の政策については支持・賛同などしておらず、その多くを迷惑な話だと受け止めているのですが、しかし、他方では、選挙のたびごとに安倍政権側が勝利をし、野党側が惨敗を続けるという、世界でもたぐいまれなる「政治的珍現象」が起き続けてきて今日に至っています。

 

何故なのか。私はこれはひとえに、安倍政権を辞めさせたい、世の中をもっといい方向に変えたいと思っている勢力や野党の「力量の乏しさ」、言い換えれば「政権交代を実現できるだけの政治力形成」への努力と知恵の不足にあるとみています。最大の原因は、政権交代を担うべき野党第一党のだらしなさや政治的姿勢に問題があるのですが、それに加えて、一つには、安倍首相官邸に忖度をして肝心なことを避けて通り、真実や事実を報道しなくなったマスごみ達の体たらくと、もう一つ、相も変わらずに「ワンシュー」でデモ・集会を繰り返し、政権交代へ向けた準備も活動もしようとしない(最近はあまり見なくなりましたが、政治的中立主義を装う「政治的カマトト主義」なども含めて)市民運動・社会運動の現状の在り方にも問題があると考えています。

 

(NHKを筆頭に最近のマスごみは、安倍晋三首相や安倍内閣閣僚、あるいは自民党議員の「格好いい」ところを抜き出して報道する傾向があります。NHKなどは毎日のように安倍晋三首相の、中身のない、事実とは異なる美辞麗句を、毎日のように垂れ流し放送しています。また、野党を報じる場合でも、立憲民主党や共産・社民・自由の各党の動きはほとんど報じられず、代わって、あの自民党補完政党である国民民主党とその党首の玉木雄一郎の報道でのプレゼンスが目立っているのです。中身はお粗末なものです。お粗末与党とお粗末野党がお粗末なやり取りをし、それをお粗末マスごみがお粗末な報道する。まさに「お粗末国家」さながらです。従ってまた、政治の真の争点というか、安部自公政治の核心的な大問題点がボカされてしまっているのです。日々多忙な有権者・国民は、日本の政治のおかしさ・ダメさ加減の核心部分を理解できないままでいます)

 

以下、今回は既成野党の昨今の言動から、どこに問題があるのかを簡単に申し上げてみようと思います。私が野党第一党の立憲民主党に向かってよく申し上げることは、NHK大河ドラマに出てくる戦国大名たちが、命をかけて、一族・家族の存亡をかけて、どのように「イクサ」をしているのか、そのやり方をよく学べばいい、ということです。「イクサ」の総大将やその周りにいる軍師や参謀たちは、どう判断しどう動いているかよく見てみよということです。

 

彼らは、負ければ一族郎党全て殺されますから、「イクサ」は必ず勝たなければいけない、必勝でやらなければいけない、そのために必死になって「イクサ」の前に動き回ります。好きだ嫌いだなどと言っておれない真剣さがあります。ところが、今日の既成野党たちの動き方は、そのようなことがないために、何度負けても屁とも思わず、完璧に「選挙負け」慣れしてしまって、まるで「労働貴族」さながらに、有権者・国民のことや日本の政治改革のことなど二の次で、とにもかくにも自分たちだけの地位の保全さえできれば、後は野となれ山となれのような、まさに御用労働組合の「ダラカン」のごとき動きぶりなのです。自分たち野党が提唱する「改革」なり「改善」なりを何としても実現せんとする意欲というか覚悟のようなものをほとんど感じない、権力奪取への執着のようなものが丸でない、政権党の自民党に駄々をこねている子どものような振る舞い、つまりは「政治的責任」という観念が空疎になってしまっているのです。見ていて情けなくなるほどの体たらくです。戦国時代なら、とうの昔に首をはねられてあの世行き、という連中が、今の野党にはいかに多いことか。こんな野党に誰が投票をするでしょう!!

 

(念のために申し上げておきますが、NHK大河ドラマは「ドラマ」であって「歴史的事実」ではありません。大河ドラマを見て、「ああ、あれが当時の史実なのだ」などと、単細胞生物のような認識に陥らないようお気を付けください。NHK大河ドラマを見て、その講釈的説教などをしていると、今では子供たちにさえバカにされます。ドラマはドラマとして見る、歴史は歴史として、きちんと事実を押さえて批判的に学ぶ、という姿勢をお忘れなく。特にいい年をした不勉強オヤジがNHK大河ドラマに「弱い」ようですから要注意です)

 

そして、政権交代後の構想やマニフェスト(選挙公約)の概要が決まれば、今度は「多数派の形成」へと動いていかなければなりません。どれだけの多数派を形成し、その多数派の内容がしっかりしているかどうかが、選挙公約や政権構想実現のカギとなるのです。あやふやな連中や、すぐに寝返ってコロコロ変わるような連中をたくさん集めたところで、大した戦力にはならないということを知っておくべきです。今日の市民運動・社会運動には、合従連衡論に雄弁な人が少なくありませんが、ガラクタや中途半端をいくら集めても大した力にはなりませんし、また、万が一にも政権交代となった際には、今度はそうしたガラクタや中途半端は「足手まとい」になってしまうのです。

 

「選挙の時だけお祭り騒ぎ」「選挙で燃え尽き症候群」「観客民主主義」のセンチメントで、いくら合従連衡論に明け暮れても、おそらく望むような「いい政治」も「いい政策」も実現することは困難でしょう(あの時、あの候補者とこの候補者の得票を併せれば安倍自公候補に勝っていた、などという「後講釈」は、株式投資をして損をした人や、ゴルフのミスショットをした人が「タラレバ」をやっているのと同じことです。無意味と考えておくべきです)。

 

私は、選挙ならびに政権維持において、多数派形成をなすべき責任者は野党第一党(政権第一党)にあると考えています。今ならば立憲民主党です。立憲民主党、及びその代表の枝野幸男氏は、安倍自公政治を終わらせ、彼らが6年以上にわたって繰り広げた日本破壊の政治・政策・施策などを、その根拠法とともに一気に葬り去り、とにもかくにも安倍政権成立以前の「出発点」へと、まず日本を戻すことから始めなければなりません。安倍政権の悪政のアンワインドが最重要の第一番目の使命です。そして、そののちに、アベ自公政治とは異なる「オルタナティブな日本」構築へ向けた斬新な政策を少しずつ、焦らず急がず、合意形成を広く取りながら進めていけばいいのです。まさに、立憲民主党と枝野幸男代表は、安倍晋三一派に代表される日本破壊勢力から日本を救う「救国戦争」の「総大将」「主力部隊」と言っていいだろうと思います。

 

私は今の立憲民主党・枝野幸男代表には、その「総大将」「主力部隊」としての自覚が足りないと見ているのです。多数派を形成しなければ、現代の選挙戦には勝てません。勝つために多数派をどう形成するのか、立憲民主党・枝野幸男代表は、不退転の決意で、これを真剣に考えなければいけない。その多数派の形成の仕方を「永田町の談合」(枝野幸男代表)ではない方法で、広く圧倒的多数の有権者・国民に魅力的な形で展開していくこと、それが今の立憲民主党・枝野幸男代表に強く求められているのです。政権構想やマニフェストづくり、立憲民主党の地方組織と「市民と野党の共闘」の拠点づくり、そして多数派の形成です。これが三位一体で進められなければいけないのです。リミットは来年夏の参議院選挙です。

 

とにかく選挙に勝つこと、これが最重要です。単に1回勝つだけでなく、持続的に勝ち続けることです。選挙に負け続けることに慣れてしまって、反対することはとても上手、などというのでは話になりません。声の大きな、巨大な反対野党というのもダメです。危機の時代は政権をとらなければ、世の中がどんどん悪くなる動きを止めることはできないからです。選挙で勝利するためには、安倍自公政治に対抗して、「オルタナティブな日本」(もう一つの日本)が可能であることを具体的に示さなければなりません。新しい日本を創っていく政治の中長期ビジョンを示し、その下に具体的な政権構想やマニフェストをまとめ上げ、その賛同者を増やして、賛同者で一致団結して、繰り返し繰り返し有権者・国民に訴え続けていく必要があります。今日の日本のように長期にわたる自民党主導の政権(連立も含む)が続いてきて、有権者・国民の間に「政治は何をやってもダメだ」という政治的シニシズムが蔓延している中では、そのハードルはなお一層高いでしょう。それを乗り越えないと、日本の政治の改革=日本政治の「夜明け」はいつまでたっても来ないのです。

 

しかしまた、常々私が申し上げている通り、選挙に勝てば終わりではありません。選挙に勝つことは、ゲートボールで言えば「第一ゲート通過」にすぎず、それでゲームに勝ったことにはならないのです。むしろ、大切なのは、選挙に勝って政権を引き受けてからの振る舞いです。その失敗は2009年の民主党政権で既に経験済みです。この教訓を生かし、今度は成功裏に政権運営を続けていかなければなりません。その観点で、今日の立憲民主党を中心とした野党各党や、市民運動・社会運動のありようを見たときに、益々よろしくないと私には見えてしまいます。2009年の失敗を、更に深刻にダメな形で繰り返しそうな雰囲気が濃厚だからです。おそらく有権者・国民の支持が「市民と野党の共闘」になかなか集まらないのは、そうしたことも少なからず影響しているのではないかと思います。所詮は「口先やるやる詐欺」の集団だと思われているのです。

 

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私たちの課題は、この状況を払拭して、安倍政権・自公政治を転換していく「大きな流れ」をつくっていくことです。何も革新的・急進的である必要はありません。とにもかくにも、長期化した安倍自公政権が強行採決などで押し通した悪法や政策・施策を、まずは元に戻す=まとめてスクラップする、ことから始めるのです。そして、その上に、新しい日本が発展していくための斬新な施策を積み上げていかなければいけません。そのための議論や検討が決定的に不足しています。このままいけば、おそらく2019年の政治決戦も、野党ないしは「市民と野党の共闘」の敗北に終わりそうです。そうはさせないため具体的な取組が強く求められています。

 

1.2019年参議院選挙へ向けて

 下記は野党3党の動きです。「市民と野党の共闘」の動きがあまり見えません。代わって見えてきているのは小沢一郎氏と橋下徹の動きです。困ったものです。小沢一郎氏は、結局、最後の最後まで「政局」だけで動いていく「浮草」のような政治家なのでしょうか? 今、橋下徹や前原誠司などと「協議」などしていてどうするのかという話で、やらなければいけないことは「その逆」、つまり、橋下徹や前原誠司に連なる政治勢力との対決色を強く打ち出していくことです(特に前原誠司については、民進党を破壊した「裏切り者」として、その政治生命を断つような「包囲網」こそ必要なこと)。安倍・自公政権でなければ何でもいい、どんな野党でもいいから「強い野党」が必要だ、などという発想は、バブル崩壊後の政治の世界における「失われた30年」を繰り返す、「堂々巡り」の稚拙・背信・愚鈍なる政治戦略です。そんなことでは、いつまでたっても日本の政治を変えることはできないし、従ってまた、日本に政治の「夜明け」は来ないでしょう。

 

(1)立憲民主党

 下記にある枝野幸男代表の話には全く魅力がない。かような話を聞いて、あまりにひどい安倍自公政権と交代させて、この人に日本の政治を託してみよう・任せてみよう、という気持ちになることはない。言い訳理屈なんぞ並べられても、それがいかに理屈として「そんなものだ」としても、所詮は「それがどうした」の話である。それでお前たちはどうするのだ・具体的にどうなんだ=アベ自民に代わるどんな政権をつくり、どんな政治をするのだ、それのどこが有権者・国民にとってのいい点なのだ、ということが見えてこないし、それを実現するための熱意も覚悟も感じないからだ。合従連衡の話など「二の次」でいい。そんなことよりも、「市民と野党の共闘」の体制を全国的にどうやって創り上げ、どのような政策・政権構想を掲げて自民党と対決するのか、それをはっきりさせて他の野党と改革派市民に協力をもとめればいいのである。

 

(1年ほど前、立憲民主党が衆院選を前にして大きな国民的支持を得られた所以は、その潔さであり、覚悟のほどであった。それが時間の経過とともに失われていき、またぞろ「言い訳理屈」の政党に転落してきたことが、立憲民主党の支持率低迷の最大の理由である。立憲民主党に政権をゆだねることについて、政権交代に伴う「ワクワク感」がまったくといっていいほどない、今はそういう状態だ。これを転換しない限り、立憲民主党には政権を獲得するチャンスは巡ってこないし支持率も上がらないだろう。枝野幸男代表は2019年政治決戦のいわば「総大将」であり、立憲民主党はその際の「政権候補党」であり「旗本」政党である。その自覚を持てば、私はおのずと2019年統一地方選挙や参議院選挙への取組姿勢が変わってくるのではないかと期待している)

 

私はその際に、立憲民主党と改革派市民、そして協力野党の共産党・社民党・自由党が「一丸となる」ことが必要になるだろうと見ている。まさに(枝野幸男代表が嫌う)倒幕のための「薩長同盟」の現代版である、倒アベのための「立市同盟」「立共同盟」「立社同盟」「立自同盟」が求められている。また、選挙公約の中心の一つに有権者・国民のための経済政策を据えなければいけないとも思っている。そして、安倍自公政権とは一切の妥協をせず、あらゆる選挙において、この「市民+4党」の自公との「世直し選挙対決」を繰り返していく必要があると思っている。国民民主党と御用組合「連合」は、彼らがそれに協力をする限りにおいて、お付き合いをすればいい。

 

この辺のお話は、来たる11/16と12/13の新ちょぼゼミの際に私から少し詳しくお話申し上げたいと考えております。みなさまのご参加をお待ちしております。

 

(関連)(11.16)「社会保障制度改革と財政問題」(伊藤周平鹿児島大学法文学部教授)(オルタナティブな日本を目指して:第19回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/19-6a4d.html

 

(関連)(12.13)オルタナティブな日本をめざして(第20回):「アベ自民党政治と丸山真男政治理論:「戦後民主主義」を再考する」(浅井基文さん)(新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/20-4f1c.html

 

(a)「民主党のトラウマ」をどうする? 立憲民主党代表・枝野幸男「私たちは-非自民で集まる-という過ちを二度と犯さない」政治・国際 ニュース 週プレNEWS

 https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2018/10/26/107361/

(b)枝野代表「失敗した当事者ともう1回政権交代を」 TBS NEWS

 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3515513.html

(c)立憲・枝野氏、連立政権の枠組み「膝を柔らかく構える」:朝日新聞デジタル

 https://www.asahi.com/articles/ASLC44GYBLC4UTFK001.html

(d)結党2年目へ! 枝野代表「私の責任は長期政権をつくること!! 」~10.3立憲民主党 有楽町大作戦 AGAIN IWJ Independent Web Journal

 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/432990

 

(2)国民民主党

 「対決よりも解決」=つまりは「ゴロツキ・タカリ」の集団である安倍自公政権と「お話し合い」という「なれ合い」をやり、利権のおこぼれにも預かりつつ、自公政治を補完していきますよ、安心してください、をモットーとし、その妥協的補完性を「現実的」などと、言い古された陳腐な言葉で表現をしている政党だ。あのタヌキ女の小池百合子と、平成の小早川秀秋&元祖「口先やるやる詐欺」の前原誠司に率いられ、有権者・国民そっちのけで自己保身一心でトボトボと「希望という名の絶望の党」へと潜り込んでいった、あの腰抜け連中の成れの果てが国民民主党である。

 

支持率は今でも1%に満たない。当たり前である。それでいいのである。世のため人のため、このまま「歴史のゴミ箱」へと消えていくのがこの党の宿命である。有権者・国民は、かような政党に絶対に投票をしてはいけない。投票をして、この政党を延命させればさせるだけ、日本の政治改革=言い換えれば、アベ政権や自公政治の転換は先送りとなるばかりである。そうこうするうちに、日本はこのロクでもない政治によって、回復不可能なまでに潰されてしまうだろう(現代日本の3つの致命的危機・危険は、①原発・核燃料サイクル施設、②戦争法及びその関連法=在日米軍と一体化した憲法違反状態にある自衛隊、③TPP協定をはじめとする国際市場原理主義協定)。危機の時代とはそういうものなのだ。

 

彼らがしきりに立憲民主党へ「選挙協力」を訴えているのは、このままいけば2019年の参議院選挙で壊滅的な選挙結果となり、存亡の危機にさらされるかもしれないからである。つまり、彼らの言う「選挙協力」や「野党は共闘」は、有権者・国民のためでもなければ、日本の政治を大きく転換させることでもなければ、自民党の政治をやめさせるということでもなく、ただ自分たちの国会議員としての地位を守りたい、ただそれだけのことにすぎない。1年前に「希望という名の絶望の党」へなだれこんだ、あの時の行動様式と同じことを、今度は体裁を変えてやろうとしているということにすぎない。そんなものに乗るわけにはいかないのである(国民民主党の共産党や社民党に対する態度は、とても「共闘」「協力」などと言えたものではなく、「市民と野党の共闘」を逆の方向に分裂に導いていくことになる)。国民民主党の中には、上記のようなことではない議員も若干名はいるかもしれない。そういう議員は、早く政治的態度を明確にして立憲民主党に合流をすればいいだけの話である。

 

とこかく、ガラクタをいくらたくさん集めても、ガラクタはガラクタにすぎない。政治を変えようと思うのなら、まずは変えようとする側が変わり、その熱き想いや誠実さを具体的な政策や政権構想をもって有権者・国民に繰り返し繰り返し訴え、この人たちならば政治をきちんといい方向に代えてくれるだろう、この党派の人たちに政治を任せれば日本はよくなりそうだという「政権交代前のワクワク感」が生まれてくるまで頑張るしかないのだ。単なる「選挙互助会」のような合従連衡策では日本の政治は変えることができないだろう。

 

(a)「民主党のトラウマ」をどうする? 国民民主党代表・玉木雄一郎「民主党のババは僕が全部引き受けますよ」政治・国際 ニュース|週プレNEWS

 https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2018/10/25/107360/

(b)(別添PDFファイル)国民民主 なお暗中模索(朝日 2018.11.7

 https://www.asahi.com/articles/DA3S13757864.html

(c)自民党幹部と仲良く会食…国民民主党はやっぱり「ゆ党」か|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241166

(d)田中龍作ジャーナル 二階幹事長らの密会現場撮った 改憲審議入りに向け自民が国民民主抱き込む

 http://tanakaryusaku.jp/2018/11/00019061

(e)玉木代表「現実的な政治目指す」 街頭演説で国民民主アピール - 共同通信 ニュース - 沖縄タイムス+プラス

 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/342077

(f)国民民主党、新キャッチフレーズ発表も足元揺るがす問題に直面 TBS NEWS

 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3519578.html

(g)旧民主系激突も、連合が対応苦慮 来夏の参院選・京都選挙区 (京都新聞)

 https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20181026000095

(h)国民民主党と市民連合が「仲直り」 参院選へ連携確認:朝日新聞デジタル

 https://www.asahi.com/articles/ASLC65W4MLC6UTFK01N.html

 

(「市民連合」も政治的センスがよろしくないようだ。少なくとも今のタイミングで、かようなことはやるべきではない。なすべきは「市民と野党の共闘」を2019年に「選挙戦を闘える組織」にしていく努力である。中身のない合従連衡などよりも、やるべきことがあるはずだ。:田中一郎)

 

(3)日本共産党

 上記の旧民主・民進党と比べれば、日本共産党の方はずっとずっと「まとも」である。選挙協力も含め、この党の「共闘への取組」姿勢の真摯さはホンモノであり、特に福島第1原発事故以降の共産党の政治方針は大いに評価していい。が、しかしである。下記は志位和夫共産党委員長へのインタビューだが、残念ながらこれでは私は安倍自公政権打倒=政権交代を実現することは難しいと思う。インタビューの中で志位氏は、共産党らしく、アベ政権により強行採決で制定された憲法違反の戦争法廃止を野党の共通公約にしようと呼びかけている。しかし、何度も申し上げてきたように、それを実現するためにも、それだけではダメなのだ。

 

何故、少なくとも、脱原発やTPP協定などの売国奴経済協定も併せて破棄しよう、と言わないのか、また、有権者・国民を苦しめているアベノミクスに代わる経済政策を、社会保障政策や労働政策などの拡充を中心にして、かつ不公正極まる税制改革とともに実現していこうと呼びかけないのか。国民生活を守るためのいろいろな政策を日本国憲法を土台にして実現していこうと、なぜ提起しないのか。戦争法だけを争点にしても選挙では勝てない、それがここ数年間の経験からの教訓であり、また、今後の政治展望を切り開き、多くの有権者・国民の支持を集めていくポイントではなかったか。

 

更に申し上げれば、志位氏は「いかなることがあっても「共産党」という党の名前は変更しない」とする共産党の「方針」については言及を避けている。これでは目先20年くらいの間は、共産党が首班となる政権の実現はできない、と自分で宣言しているようなものではないか。かねてより申し上げている通り、危機の時代にあっては、野党は政権を獲得できなければ、政治が率先して日本を壊していくその流れを止めることはできない。何故なら、政治を担っているのが、アベ政権に代表されるゴロツキ・タカリの集団であり、彼らは声の大きな野党など、大したものだとは思わないで、徹底して自分たちの思うように日本をボロボロにしていくからである。

 

そんな中で、党の名前にこだわり、従ってまた、党の体質やイメージをチェンジしようともせず、潔く政権から離れて屹立する「(自称)正義の野党」、あるいは「正統な革命政党」であることをこれからも選択していく、ということに近い「党の名前は変えない」という態度は、私はいただけないと思っている。もっとどん欲に政権獲得を目指していただきたいものである。そのためには、今の共産党は、もっと広く大きく、さまざまな有権者・国民や国内各界各層の利害を取りまとめ、政治的に対処していけるだけの「国民政党」に脱皮していただかなければいけないと、私は思っている。そのような政党にふさわしい名前は、おそらく共産党ではないのではないか。「名前のチェンジ」とは、とりもなおさず、共産党という「党のチェンジ」である。

 

(a)全文表示 - 志位和夫氏インタビュー 日本共産党トップが「政権交代」のビジョン語った - J-CASTニュース

 https://www.j-cast.com/2018/10/24341843.html?p=all

 

(3)困ったおじいちゃん=小沢一郎(そういうことはおやめなさい)

 上記に書いた通りです。困ったものです。橋下徹と前原誠司、非自民の政治家の中では「最悪」の2人です。小沢一郎氏はこういうことはやめることです。もっと改革派市民に近いところで活動をし、せっかく入党してくれた山本太郎氏を全面に押し立てて、彼の再選と「市民と野党の共闘」の強化拡充のため、尽力をしていただきたいものです。もう政治家生活もそう長くはないでしょう。飛ぶ鳥跡を濁さずでお願いしたい。

 

(a)橋下徹氏が小沢一郎氏と“極秘会食” 安倍1強打破へ急接近(日刊ゲンダイ) 赤かぶ

 http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/416.html

(b)東京新聞-橋下、小沢、前原氏が会食 野党勢力の結集巡り-政治(TOKYO Web)

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018110801002127.html

(c)橋下徹氏の政界復帰は2019年の参院選出馬が有力視 小沢一郎氏合流で新党を結成か|ニフティニュース

 https://news.nifty.com/article/domestic/government/12151-101088/

(d)「永田町の非常識」山本太郎の5年 問われる「一匹おおかみ」の先(ウィズニュース)

 https://withnews.jp/article/f0181103001qq000000000000000G00110101qq000018231A

 

(ついでに申し上げれば、社民党と自由党の2019年参議院選挙へ向けた「市民と野党の共闘」形成への取組がほとんど見えてこない。小回りが利く少数政党だからこそ、この2党が協力をして、立憲民主党と共産党の間を駆け巡り、活発に動いて、市民とのつなぎ役になってくれればいいものを、そうした動きは聞いたことがない(東京の新社会党の人たちが取り組んでいるという話は聞いたことがあるが、その結果は???)。どうなっているのか?)

 

2.その他 政治関連のこと

(1)嘘とゴマカシに麻痺した国 企業の不正不祥事が横行の必然|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241162

(2)田中龍作ジャーナル 連合は味方だけど 新宿区長選挙史上初の野党共闘に怯える自公陣営 

 http://tanakaryusaku.jp/2018/11/00019047

(3)「劣化したオッサン」たちが再生産される本質 - リーダーシップ・教養・資格・スキル - 東洋経済オンライン

 https://toyokeizai.net/articles/-/245821

草々

 

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コメント

田中一郎さん、選挙に出て下さい。応援します。

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