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2018年10月13日 (土)

経済政策を巡る議論です:(1)少子高齢化と公的年金問題(2)AI/ロボットの全面普及と人間労働(3)消費税増税とタックスヘイブン向け「過大支払利子税制」のズル(4)その他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(最初に若干のことです)

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1.10.20東海第二原発運転延長STOP!首都圏大集会(東京・千代田区 日本教育会館)

 http://www.labornetjp.org/EventItem/1536484209364matuzawa

 

(関連)(イベント情報)(10.27)緊急のDVD上映と学習の集い:東海第二原発再稼働反対!(東京都北区「さよなら原発 in 飛鳥山 2018実行委員会」) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/in-2018-4a49.html


 
(関連)(イベント情報)(11.13)緊急ちょぼゼミ「首都東京が危ない! 徹底検証 東海第二原発再稼働容認」 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-cc7b.html

 

2.アソウやめろ!財務省前アピール行動&デモ(東京・霞ヶ関)

 http://www.labornetjp.org/EventItem/1539304553871staff01

 

(関連)(別添PDFファイル)(チラシ)(11.11)麻生辞任要求行動 & 辞任要求署名用紙

 http://chikyuza.net/archives/88040

(関連)(別添PDFファイル)麻生財務相の追放運動拡大、辞任要求の署名活動開始(日刊ゲンダイ 2018.10.11

 http://www.asyura2.com/18/senkyo252/msg/124.html

 

3.キャンペーン · 南海トラフ地震の危機が迫る中、伊方原発を再稼働するのは止めてください · Change.org

 http://urx.red/MtOB

 

4.(別添PDFファイル)言論の自由(山口二郎 東京 2018.9.30

 https://plaza.rakuten.co.jp/bluestone998/diary/201810070000/

 

(関連)(別添PDFファイル)国会議員会館 9条タグ着用入館×(東京 2015.10.7

 http://urx.red/MtP0

 

(山口二郎先生のおっしゃることはごもっともだけれど、他方で、永田町の議員会館では、上記のようなことを会館管理を受託するセキュリティ会社が今でもやっているのですよ。こっちの言論・表現の自由の妨害の方がよほど深刻な問題だと思うけれど、誰も何も言いませんね。議員会館なのに国会議員も知らん顔、日弁連も大学教授も、市民団体も労組も、何にも言わない。どうなっとるの? 一体誰が、どんな責任で、やっとるのでしょうね? 一度、山口二郎先生も「九条バッチ」でもつけて議員会館を訪問されてみるといいです。できれば他の政治学の先生方も一緒に。:田中一郎)

 

5.「九条の会」オフィシャルサイト:メルマガ登録

 http://www.9-jo.jp/

 

6.【変人がまともに見える】小泉元総理「憲法改正なんか、できるわけない」「憲法改正というものは与党、野党が協力してやらなきゃ。野党第1党と協力してね。憲法改正は選挙の争点にしてはいけない」 - 健康になるためのブログ

 http://urx.red/MtPZ

 

(関連)小泉元首相“ストップ改憲連合”結成 「来年は無理で一致」|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239263

(関連)小泉元首相が政権批判「憲法改正、来年にできるわけない」|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239115

 

(関連)安倍「改憲」の焦点はただ一つ 少数説で争う時ではない|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239191

(関連)合計三歩も後退したところから出発する改憲論議の前途多難|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239197

 

7.「若者は玉城デニー氏を嫌い佐喜眞氏に投票」というウソ【データで分析する沖縄県知事選挙と俗流若者論】(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース

 https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20181003-00099125/

 

(おっしゃることはその通りだけど、しかし、佐喜眞候補への投票数の方が玉城デニー候補への投票数を少しばかり上回っている他、若い世代ほど投票率がやけに低い。やっぱりおかしいと思うね、沖縄の若者たちは。佐喜眞候補がどういう人物で、どういうことをしようとしているのか、よく見て、よく考えたのか? 誰かと議論してみたのか? 特に玉城デ二―氏を支持している人たちとだ。私は???ではないかと思う。若者がバカモノになる時、その国は没落から滅亡へと向かっていく。何故なら、人間の一般的傾向として、青春時代がだいたいにおいて純粋で精神的に自由であり、かつ多感で正義感も働き、処世術は未熟かもしれないが、社会のことについての判断は直感的で「まとも」である傾向が強いからだ。自分の世代の経験で言っても、だいたいの人間は年をとるにつれて悪いところがどんどん大きくなり、悪いところほど頑固で融通が利かなくなっていくものだ。だとしたら、沖縄の若者たちの多くは、その未来が私は暗いと思う。投票という政治判断のツケは、投票した有権者が全て背負わされる。今後の投票行動の判断時によく心得ておくことだ。もちろん棄権することも含めてである。:田中一郎)

 

8.その他

(1)(別添PDFファイル)「歴史問題いじめ」窓口に右派団体、外務省 問われる見識(東京 2018.10.8

 https://japanese.joins.com/article/864/245864.html

(2)(別添PDFファイル)マイナンバー「カード」はもはやいらない(イントロ部分)(新垣洋『週刊金曜日 2018.9.28』)

 http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002655.php

(3)【水道民営化のリスク】豪雨災害から3か月、広島県呉市の被災地では断水が続く⇒呉市「民間の水道の修理に原則として税金は使えない」 - 健康になるためのブログ

 http://urx.red/MtR4

(4)五輪経費、3兆円規模か=既に8000億円、公表せず検査院「関連性整理を」(時事通信) - Yahoo!ニュース

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181006-00000056-jij-soci

(5)菅氏に「帰れ」のヤジ 翁長前知事の沖縄県民葬で会場騒然|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239194

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経済政策を巡る他のMLでの議論です。

 

1.安倍3選後が年金改革「最後のチャンス」、日本の対応は遅すぎる DOL特別レポート ダイヤモンド・オンライン

 https://diamond.jp/articles/-/180246

 

以下はメール転送です(抜粋)。

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ダイヤモンド・オンラインから情報提供です。(中略)長生きできるというのは、社会として慶賀すべきことですが、そのコストを考えると暗雲が生じます。日本は先進国でも冠たる長寿国で、それは年金の平均受給期間の長期化を意味します。年金は終身でないと「姥捨て山」になります。予算の都合で90歳で打ち切りです、後は自分で御願いしますとはできません。

 

そうすると、長寿化すればするほど平均受給期間が長期化します。原資が一定とすれば対策は二つです。受給金額を引き下げるか、支給開始年齢を引き上げるかです。支給開始年齢を70歳にすれば平均受給期間は5年短縮されて11年と滞納処分の先進国並みになります。もっとも長寿国の日本で支給開始年齢が低いという問題に対応できますが、その対応で良いのか、というのがここでの議論の焦点です。

 

(中略)これは日本社会の複合的な問題であり、賃金格差という現役世代の問題でもあります。私は、高負担・高福祉社会に切り替えていくべきと思ってますが、その前提に、年金という老後格差だけでなく、正規・非正規という問題とそれに伴う賃金格差の問題に取り組むべきと思っています。八代さんもそのような指摘で、同一労働同一賃金を唱えていますが、その根底に年功序列賃金批判があります。年功というのは「同一労働同一賃金」を否定するという理解です。これまた難しい問題です。

 

社会保障費のあまりに困難な問題を考えると、これは社会保障だけで解決できる問題ではないと気がつきます。社会保障の問題として、年金の財源とか支給年齢とか、物価スライドとかいうことでは到底解決できないことに思い至ります。現役世代として稼ぎ方についても根本的な改革がないと辻褄は合いません。お金をどう稼ぐのか、お金をどう集めるのか、その両方を同時に考えないとどうにもならないようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント:一部加筆修正)

 いただいた下記の八代尚宏氏の主張ですが、同氏は小泉・竹中時代から電力の自由化や労働法制の改悪など、まさに市場原理主義政策の先頭を切って財界や自民党政府の「御用」言論を展開してきた人物で、この約20年間の「日本の衰退・没落」の重大責任者の一人です。ここに取り上げられた公的年金制度の持続可能性の問題は、少子高齢化が本格化してくる日本にとっては重要な問題ですが、しかし、それを考える際に、この八代尚宏氏の主張を素材にするのはいただけません。むしろ私たちがしなければならないことは、この八代尚宏氏のような主張こそを徹底的に批判しなければいけないだろうと私は思っています。長くなりますから、簡単に八代尚宏氏の主張の欠陥を上記レポートの範囲内で例示しておきます。

 

(1)おっしゃるように公的年金問題を持続可能とするためには、働く者の「働き」をきちんと保障し、その報酬もまた、きちんと保障する「社会の仕組み」が必要です。それが八代尚宏氏によれば、年功序列賃金の廃止=成果主義賃金であり、また、同一労働同一賃金だというのは、私から見れば、あまりに対症療法的で場当たり的・ご都合主義的という他ありません。真っ先に改正すべきは、派遣労働や請負労働など、いわゆる非正規労働制度の濫用の防止なのではないのでしょうか!? なぜそれを言わないのでしょう!?

 

(関連)「誰の助けの手も届かなかった 1人のオーバードクターの死」(2018.9.21

 https://diamond.jp/articles/-/180232

 

(八代尚宏氏をはじめとして、市場原理主義者たちは、こんな状況を放置しておいて、何を言っているのか!? ということでしょう。このまま行きますと、数十年後には無年金者や少額年金者が激増して生活保護に受給希望者が殺到し、生活保護制度もまたパンクする事態となりかねません。もし、そうでなければ、餓死者や凍死者が多く出るでしょう。また、健康保険や介護保険なども、こうした人たちには制度として機能しない可能性が高いようにも思われます。現状がこのままでは持続可能ではないことは年金だけではないのです)

 

(2)年功序列賃金の廃止は、いずれ定年制延長により高齢者雇用を余儀なくされる大企業群の代弁をして、そうした高齢者の賃金水準をドラスチックに引き下げるための口実であり、また、同一労働同一賃金は、非正規労働制度の濫用を続けたいがための隠れ蓑にすぎません。常々私が申し上げているのは、同一労働同一賃金などは絶対に実現しない、というもので、賃金の理不尽な格差を合理化する理屈はいかようにも用意できるからです(むしろ福利厚生などの面で正規・非正規の格差を法律で禁止することの方が効果があります)。背景には、賃金をあくまで「成果」でしか評価しないという、企業側に片寄った考え方が無意識に支配的になっているということがあると私は思います。

 

しかし、賃金は成果給であるとともに生活給であるべきだ、と私は考えていますから、年功序列何が悪い、と思っているのです。現在の日本社会においては、年齢が高くなれば生活の必要経費も増えてきますから、年功序列賃金は当然のことだと考えています。今時点で若い世代も、いずれ年を取っていくわけですから、世代間の不公平などということは私は「為にする議論」だと考えています。私は政府や企業経営者に原則として雇用を継続する義務(代替仕事の確保を含めて雇用を守る・保障する義務)があることを法律で定めるべきではないかとも思っています。企業や経済は人間のためにあるのであって、その逆ではないからです。(また最低賃金の大幅引き上げが必要なことも言わずもがなです。)

 

(3)年金の支給年齢を繰り上げるというのなら、それとセットで高齢者の就職体制を堅確なものとし、きちんとした報酬や処遇などがなされる制度や仕組みを創れ、ということです。年金支給開始年齢だけを切り上げられたのでは、我々生活者はたまったものではありません。

 

(4)社会保障と消費税の問題については常々申し上げてきたとおりです。消費税などと言う前に、やることがあるだろ! ということです、一部の巨大企業に内部留保450兆円(表に出ているものだけ)、これは一体何なのか!? そもそも政権交代を求める市民運動・社会運動が、消費税率引き上げの必要性や、公正な税制とは具体的にどのような税制なのかをほとんど議論しない現状を、みなさまはどうお考えですか?

 

(5)諸外国と比較して、企業側の公的年金制度や各種社会保障制度への負担が、保険掛け金や納税の合計で見ると少ないのではないかというのが私の推測です、それは非正規労働者の爆発的増加により決定的になっていると言っていいのではないかと思います。私は非正規労働者についても、社会保障保険の掛け金を企業側にも負担させるべきであると考えています(さしあたり国民年金と国民健康保険・介護保険の掛け金を非正規雇用者数に比例して税として徴求し半額負担させる)。ともかく、社会保障制度の負担の在り方もよく考え直す必要があるでしょう。社会保険掛け金が消費税とならんで、ひどい逆累進制度になっていることは多くの人が指摘しています。

 

(6)昨今のニュースでは、日米FTA2020年東京オリンピックの必要経費問題、そしてアメリカからの武器の大量・巨額購入の密約問題があります。ムダなダム建設や道路・港湾・漁場整備なども止まりません。財政が持たない、なら、かようなことはやめればいい。一方で、デタラメ三昧を許しておいて、他方で、一般庶民の老後の糧に手を付けようとする欺瞞性、許せないな、という感じです(詳細は別メール)。

 

(7)八代尚宏氏の議論などは批判の対象でありこそすれ、参考になる主張など皆無に近い、いびつな市場原理主義です。日本にはまだ、他にも貴重な発言をして下さっている方はいらっしゃいます。下記は来月、鹿児島大学の伊藤周平先生に上京していただいて開催する勉強会です。八代尚宏氏ではなくて、伊藤周平先生、のお話にご注目ください。社会保障制度の専門家として著書も多く出版されています。ご一読いただければと思います。

 

●(11.16)「社会保障制度改革と財政問題」(伊藤周平鹿児島大学法文学部教授)(オルタナティブな日本を目指して:第19回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/19-6a4d.html

 

(関連)「年金の失業保険化」という現実を、安倍首相は国民に真摯に語るべきだ! - 政治・国際 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

 https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2018/10/06/107208/

 

(関連)2020年、限界の見えたアベノミクスの「出口戦略」で年金が消える? - 政治・国際 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

 https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2018/10/06/107231/

 

(関連)公的年金ルール改定で高齢者負担膨らむ プレジデントオンライン

 https://president.jp/articles/-/26131

(関連)安倍政権が目論む「年金68歳支給開始」の標的は団塊ジュニア マネーポストWEB

 https://www.moneypost.jp/326687

(関連)株高・収益増でも給料は上がらない…。日本人がこの不条理から抜け出す方法は?=斎藤満 マネーボイス

 http://ur0.work/Mu1s

 

2.さあどうする? NHKスペシャル マネー・ワールド ~資本主義の未来~第2集 仕事がなくなる!?

 

NHKスペシャル マネー・ワールド ~資本主義の未来~第2集仕事がなくなる!?

 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20181007

 

(関連)NHKスペシャル 「マネー・ワールド~資本主義の未来」第2集 仕事がなくなる!? - 動画 Dailymotion

 https://www.dailymotion.com/video/x6v0qwy

 https://www.youtube.com/watch?v=KsrLOV33Fh8

 

(田中一郎コメント)

 以前にも、このMLで、このテーマについて、少し議論がありました。このシリーズの第1集のマネーはくだらなかったので、途中で見るのをやめてしまいましたが、このAIとロボットの問題についての第2集は少し考えながら見ました。みなさまもご覧になられてはいかがでしょうか?

 

私は、番組のゲストとして呼ばれて出演していた孫正義氏の態度は、私たちに対する資本家としての挑戦状と受け止めました。そして、その隣にいたもう一人のゲストのおばさまは、なかなか言いにくいことをズバリと言っていて、なかなかいいぞと思った次第です。NHKに出てくる大学教授なんぞはロクなのがいないので、このおばさまは「希少価値」があると思います。

 

AI・ロボットに仕事を奪われて、スカンピンとなった労働者には、BI(ベーシックインカム:AIに対してBIとは、シャレた組み合わせだ)で最低限の生活費が政府から支給される、などという「解決策」が出されておりましたが、思わず「アホか!」とつぶやいてしまった次第です。必要ならば、議論を続けましょう。

 

(田中一郎コメント:追加)

 まずは抽象的なところからの処方箋です。

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私もこの問題について、もう少し考えて何かを申し上げなければいけないのですが、さしあたり抽象的なレベルでの処方箋もどきのようなことを書いて、もう少し、考えてみたいと思っています。以下をご覧ください。

 

NHK放送の中でも言われていたように、これからやってくるAIやロボットの全面的活用の時代というのは、一握りの「資本家」(直接・間接に株式等を通じて)が支配する巨大多国籍資本が、もっぱら人件費という「コスト」を削減するために、この技術を使い、圧倒的多数の人間を生産の現場から、従ってまた、所得を得る機会から追放してしまうことで起きてくる大問題です。

 

その結果、追放された人々は所得がなくなって苦しむのですが、しかし、それだけにとどまらず、無所得に苦しむ人々の数が激増して、大資本や企業が提供する財・サービスを購入する「購買力」も消えてしまうため、そもそも経済が回らなくなる=資本主義が行き詰まって世の中が大変な事態に陥る、そんな矛盾した状態がクローズアップされていました。マルクス経済学の言葉で言いますと、資本構成の高度化とそれに伴う利潤率の傾向的低下、ということになりますし、また、再生産表式における齟齬から生まれる過剰生産恐慌の発生であり、また資本蓄積の歴史的傾向ということです。

 

問題は、この矛盾というか、行き詰まり状況を、どのようにしたら解消、ないしは克服して、人間社会は発展を続けられるか、経済成長を続けられるか、人間生活や人間社会をまっとうに維持できるか、という問題だということです。

 

それで私の(抽象的)処方箋ですが、たとえば次のようなものを考えております。

 

1.AIやロボットの本格導入・全面的普及に伴い、財・サービスの生産を「私的」なものから「社会的なもの」に転換していく。その「生産の社会化」の中には、生産物ないしは利益・付加価値の分配の社会化も含まれている。「社会的」な生産は、生産・分配・所得の意思決定が「社会的」になされるということを意味する。

 

2.組織の利益や効率性や巨大化やファーストを最上位において活動する経済ではなく、人間の福祉や生活の向上を最上位に置き、スマート的スモールやスローにも価値を見出せる経済を徐々に実現していく体制づくり。アマルティア・センが言う「合理的な愚か者」から脱却し「合理的な賢者」がつくる社会を目指す人間活動、特に政治とそのリーダシップを実現する。

 

(従って、今日の自民党や財界・大企業群は撲滅・解体せねばならない「悪の巣」である=これが出来なければ、NHKが描くように、AIやロボットの本格導入と全面普及により、数十年後には日本は「夜明け前」のまま、やっかいな「暗黒時代」に転落していくだろう(いや、その前に原発・核燃料サイクルの再びの過酷事故で破滅している!?))

 

3.上記の少し具体的な在り方を申し上げると、財・サービス生産を行う組織を、資本主義的な株式会社組織から、①公共サービスへ転換、②総有型市民ビジネス化、③協同組合ないしは共同会社(資本投資額の多寡により意思決定の優先度を決める方式をやめる)、など、組織を非資本主義的にする方法が考えられる。また、市場経済だけに依存するのではなく、政府や自治体支援などに支えられながらも、非市場での経済活動を拡充していく方法もある。(AIに対しては、BI(ベーシックインカム)ではなくて、CI(co-operative initiative))

 

3.もう一つは、AIやロボットの導入の目的を「単純な労働力コスト削減」(人間労働の単純な代替)とすることを許さないルールを法制化し、導入する企業に対して、労働者保護対策を義務化する(たとえば、代替仕事の開発など)ことも考えられる。

 

4.更に、政府によるAIやロボットで代替困難な仕事へのインセンティブを付け、労働人口を非AI・ロボット型ワークへ誘導する。教育・保育や介護、あるいは芸能・芸術・監査・コンサル(相談業務)・各種設計、地域振興や農林水産関連産業などです。また、AIやロボット開発では、人間代替型よりも人間支援型のものを中心に開発を進めていくという「開発方法論」もありうるのではないか。(AIやロボットの開発は自由にしてもいいけれど、それを大量に活用して生産現場に導入する場合には、当分の間は「許可制」にする方法もある)

 

5.AIに対してBIではなく、生活保護制度を柔軟に組み換え、行政による生活支援サービスを充実させる。現金支給だけでなく、公共サービスの現物支給も考えられてよい。(一律支給バラマキなどというアホなことをするのではなく「権利としての受給」概念を確立して法制化し、だれでもいつでも、困った時にだけ利用できる制度として定着させる)

 

6.独占資本主義・寡占資本主義の解消(独占禁止法体系の抜本的見直し、公正取引委員会の抜本改組など)

 

7.公正な税制を「応能負担原則」の下で実現する。財源確保は、国民全体として、重かろうが軽かろうが、公正で公平でなければダメ。

 

8.日本国憲法を文字通りに実現できる政治体制の確立と社会的正義の実現=生活保守主義を克服すること。

 

9.上記で、最大の妨害物ないしは障壁となるのは、国際経済協定、ないしは貿易や国際投資などの国際経済・金融のあり様だと、私は考えている。これを乗り越えるには、簡単に言えば、企業に生産立地国のチェリーピッキングを許さない(資本移動の完全自由を許さない)ということが重要かなと思っているところ。具体的にどうするかは、これから熟慮。少なくともタックスヘイブンのような「アン・フェア」は撲滅だ。

 

まだ、他にもあると思いますが、課題は、こうしたことを、具体的にどのように、どういう順番で、どこが主体となって実現していくか、ということです。これからゆっくりと考えていかねばと思っているところです。ともかく、AIにしろ、ロボットにしろ、そもそも論でいえば、人間の代わりに働いてくれるのなら、単純にそれ自体はOKであり、喜ばしいことです。それが何ゆえに労働者の生産現場からの追放と貧富格差の極度な拡大に帰結してしまうのか、それを考え、それを矯正することこそが、私は経済学の役割であり使命だと思っております。非歴史的な発想で、経済体制の在り方を深く考察せず、特定の生産関係を前提に、AI/ロボット悲観論を言うのは、私は違う、と思っております(以前にも申し上げた通りです)。

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3.消費税増税とタックスヘイブン向け「過大支払利子税制」のズル

 みなさまは「過大支払利子税制」などというものをご存知でしたか? 下記の2つの開設サイトをご覧ください。

 

●過大支払利子税制の概要 財務省

 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/335.htm

 

●過大支払利子税制(Japanese Earnings Stripping Rules KPMG JP

 https://home.kpmg.com/jp/ja/home/insights/2013/10/taxjesr.html

 

こうした税制に詳しい方の説明を見てみましょう(以下はメール転送です:一部切り貼りしています)。

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「過大支払利子税制」は多国籍企業が利子支払いの名目で所得をタックスヘイブンの子会社に支払って税をのがれることを封じるための税制ですが、どこからどこまでが通常の利子支払いで、どこから先が税逃れのために利子支払いかを外部から区別するのはむつかしいので、利子支払いが企業の所得のうちのどのくらいの割合を占めているかを見ることによって外形的に判定して、網をかけようというルールです。

 

「調整所得」というのは大雑把に言えば企業の所得です。OECDBEPS報告書(行動計画4)は「調整所得」に対する支払利子の比率の上限を1030%とするルールを各国に勧告しています。日本の「過大支払利子税制」はこの上限を50%としていますが、利子支払いを所得の半分まで認めるというのはいくら何でも大甘と言わなければなりません。

 

これをBEPSルールに足並みをそろえようという与党の税制大綱の方針は、遅きに失しているとは言え、いわば当たり前の改革提案です。このようなごく当たり前の国際ルールにさえ抵抗する日本の経済界、さらに経済界の身勝手な横車を後押しする金融庁や経産省などは一体何なんでしょう(この提案に対して、経団連、日本証券業協会、全国銀行協会、信託協会、日本損害保険協会、生命保険協会など、経済界・金融界が「わが国企業の経済活動に影響が出る」、「金融マーケットに悪影響がある」などと、一斉に反対の声を上げており、政府側も金融庁、経済産業省が見直しに慎重な対応を求めています)。

 

これでは日本の税制に対する国民の信頼はますます失われるでしょう。日本の税制改革において最も優先的な課題は信頼の回復です。タックスヘイブンを改革しても得られる税収は大した額ではないなどといって、今ある不公正とまともに闘わないで、安易に消費税増税に頼ろうとするのではなく、まず私たちが取り掛かるべきは、公正な税を実現し、税の信頼を回復することが大切です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

まったくおっしゃる通りではありませんか? 上記のサイトを再掲しますが、

 

●過大支払利子税制の概要 財務省

 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/335.htm

 

このサイトには「わが国の場合、過大な支払利子を利用した所得移転を防止する措置が十分でなく、支払利子を利用した課税ベースの流出のリスクに対して脆弱」と書かれていて、税務当局である財務省も、我が国の「過大支払利子税制」が不十分であることを認識しているようです。しかし、その是正はしていない。政治の力が働いて「できない」ということなのでしょう。

 

●過大支払利子税制(Japanese Earnings Stripping Rules KPMG JP

 https://home.kpmg.com/jp/ja/home/insights/2013/10/taxjesr.html

 

ここに「調整所得」の定義がありました。

「調整所得金額:

繰越欠損金の損金算入、受取配当等の益金不算入等一定の規定を適用せず、かつ、寄附金の全額を損金の額に算入して計算した場合の所得金額に、関連者純支払利子等の額、損金の額に算入された減価償却費及び貸倒損失の額を加算した金額をいう。」

 

私が注目したのはその次です。

3. 超過利子額の損金算入

過大支払利子税制の適用により損金不算入とされた超過利子額は、7年間繰り越され、調整所得金額の50%から関連者純支払利子等の額を控除した残額を限度として、損金の額に算入される。」

 

つまり、ある年度に損金算入しきれなければ、次の年度以降、7年間も繰り越して、損金処理していいですよ、という規定です。ただでさえ「不十分」と言われている「過大支払利子税制」なのに、損金と認められなかった分は翌年以降に損金にしてあげる=税金を軽くしてあげる、という主旨の制度でしょう、これは。こんなもの、廃止しろよ、と言いたくなりますね。

 

私たちがあずかり知らない、こういう「税逃れ奨励制度」のようなものが、日本にはたくさんあるような気がします。大掃除が必要です。また、消費税については、私は次のように考えています。消費税を増税して社会保障の費用に充当すべきだと主張する人たちに対しての反論です(一部加筆修正しています)。

 

消費税の資金使途は、既に法人税減税や自動車減税、あるいはアメリカからの武器購入や高速炉アストリッド計画、あるいはムダなダム建設2020年東京オリンピックなど、「1%」のためのロクでもないことに先行して使われており、後からやってくる税率アップによる税増収は、基本的に社会保障なんぞに回している余裕はない、ということなのです。既に東日本大震災の復興資金確保のための増税は、所得税をそのままにして、法人税だけが廃止されています。その代替財源もまた、消費税です。過去を振り返れば、法人税と所得税の減税金額と消費税増税の金額がほぼ見合っています。目に見える「事実」がその背後にある隠れた「事実」を浮き彫りにしているのです。

 

何度も申し上げておりますが、社会保障なんぞは消費税増税を飲み込ませるために使われるオブラートのようなもので、消費税とその出鱈目な資金使途は「一体のもの」として進められていることを見抜いておく必要があります。また、消費税増税が10%やそこらで終わることもありません。20%台へ向けて引き上げ策動は続いていくでしょう。この税制はきっぱりと廃止へ向けてハンドルを切ることが必要です(私は付加価値税としての消費税を奢侈品物品税に移行することを提唱しています。その際、税率を現行の8%よりも少しずつ引き上げて15%くらいにしていけばいいのではないかと思っています)。

 

消費税という逆累進型で中小事業者泣かせの税制で広く税金を搾り取り、そのカネの一部を普遍主義的政策でばらまく、などという「縮小再生産型マッチポンプ政策」に賛同などしておれないのです。公正な税制を徹底して追及すること、「今そこにある危機」を救うきめ細かな社会(保障・福祉)政策、これが市民運動・社会運動の使命です。

 

(関連)消費増税、リーマンのようなことない限り来年10月に実施=菅官房長官 (ロイター)

 https://web.smartnews.com/articles/fhiEtNUk4rN

 

4.その他 経済政策・経済問題に関する報道など

(1)(別添PDFファイル)ベーシックインカムは幻想、まずは最低賃金を見直すべきだ(『週刊東洋経済 2018.10.14』)

 https://premium.toyokeizai.net/articles/-/18995

(やっとまともな議論が見つかりました。市販のマスコミ紙誌では珍しい議論ですが、一読に値する貴重なものだと思います。:田中一郎)

 

(2)(別添PDFファイル)建設国債が潰す日本の将来(『選択 2018.10』)

 https://www.sentaku.co.jp/articles/view/18291

(建設国債そのものが日本の将来を潰すというよりも、建設国債で調達したカネの使い方が出鱈目だという主旨のレポートです。:田中一郎)

 

(3)中小企業、存続へ合併仲介に注目、全国の6割超、後継者不在が深刻化(東京 2018.10.7

 http://ur0.work/Mu1l

 

(日本の経済活性化や地域経済の復興のカギの一つは中小零細企業や家族経営自営業(農林水産省を含む)をどう盛り上げていくかという点にあります。活力と多様性のある、将来への明るい展望が持てる、そういう中小零細企業の経営環境づくりをどのように政策的に実現していくか、よく考える必要があると思います。私はこの分野にシロウトなので、さしあたりこの程度のコメントにしておきます。:田中一郎)

 

(4)世界金融恐慌の勃発か?

 いずれにせよ、私たちの公的年金が「風前の灯」だ=安倍晋三と塩崎恭久に弁償させろ!!

 

<1>NY株:世界株安続く 下落幅、2日間で1300ドル超 - 毎日新聞

 https://mainichi.jp/articles/20181012/k00/00e/020/256000c?fm=mnm

<2>世界経済引っ張る米国、株安連鎖の震源地に 警戒広がる:朝日新聞デジタル

 https://www.asahi.com/articles/ASLBC54RDLBCULFA01X.html?ref=nmail

<3>(時時刻刻)過熱景気、終幕懸念 IT売り加速/トランプ氏、FRB批判:朝日新聞デジタル

 https://www.asahi.com/articles/DA3S13719320.html?ref=nmail_20181012mo

 

(5)IT弱者分断 安倍政権が増税とキャッシュレス化の合わせ技|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239124

 

(6)日本のどこが好景気なのか? 日銀短観「3期連続悪化」が示す内需拡大策の必要性=児島康孝 マネーボイス

 http://ur0.work/Mu1y

草々

 

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