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2018年10月14日 (日)

「遺伝子いじり」無政府状態を許していいのか!? 環境省が「ゲノム編集」生物の環境影響規制を「名ばかり規制」にするパブコメを開始=このままでは近未来に修復不可能な深刻極まるバイオハザードが起きてしまう危険性大

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に若干のことです)

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1.イベント情報

(1)(10.20)「子どもの甲状腺がんと「県民健康調査」」(白石草さん:Our PlanetTV )(オルタナティブな日本を目指して:第18回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/our-planettv-18.html

 

(2)(イベント情報)(10.27)緊急のDVD上映と学習の集い:東海第二原発再稼働反対!(東京都北区「さよなら原発 in 飛鳥山 2018実行委員会」) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/in-2018-4a49.html

 

(3)(10.28)『週刊金曜日』創刊25周年記念集会のお知らせ 週刊金曜日からのおしらせ

 http://www.kinyobi.co.jp/news/?p=4016

 

(4)(11.6)(福島)原発事故による放射能汚染の実態:隠された汚染とその深刻な現実 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-7da4.html

 

(5)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 11.10(土)第11回新宿デモ 子どもを被ばくから守ろう! 家族も、自分も!

 https://fukusima-sokai.blogspot.com/2018/10/blog-post.html

 

2.福島原発刑事訴訟支援団より【ぜひ、見てください!!  広げてください!!】

 思いを込めて作りました。みなさんの心に届きますように

 

◆宣伝映像『この裁判見逃せない』◆

YouTube)版

 https://youtu.be/V_FKeOJ38oM

Facebook)版

 https://www.facebook.com/shien.dan.org/videos/272098930095065/

twitter)版

 https://twitter.com/shien_dan/status/1046223724288958464

(Webサイト)版

 https://shien-dan.org/

 

◆支援団オリジナルソング  『真実は隠せない』 ◆  

 https://shien-dan.org/

 

◆緊急出版!! ブックレット  

『東電刑事裁判で明らかになったこと 予見・回避可能だった原発事故はなぜ起きたか』 ◆ 

  海渡雄一編著、福島原発刑事訴訟支援団 福島原発告訴団 監修

  彩流社 定価1000円+税 

  http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2535-5.html

9月の公判までの最新版)

1016日発売開始 *一般書店、オンラインショップでも購入できます)

 

(関連)福島原発告訴団 お知らせ

 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.com/p/blog-page_88.html

 

3.ハゲタカから企業を守れ。「内部告発」が日本経済のため必要な訳 - まぐまぐニュース!

 http://ur0.work/Mua6

 

(私は公益通報者保護制度(内部告発者保護制度)は、これからの日本の企業や産業、経済社会を、健全で活気があるものにしていくためには必要不可欠の「当たり前の」制度だと考えています。今日の公益通報者保護制度が機能しないのは、ひとえに賞味期限切れの消費者庁をはじめ、制度を創る政治や行政の側の「やましい心」にあると考えており、また、その背後には、今日の日本の企業におけるボンクラ経営者たちがいると見ています。

 

(1)制度の対象を大きく広げること、(2)公益通報者を保護するため、告発者の個人情報を告発された側に内通したものは重大犯罪者として罰すること、(3)公益通報者は賞賛され報酬を受け取る仕組みとする、(4)翻って、公益通報者への不利益処分は厳罰(経済罰)を持って対処し、その罰金を公益通報者に還元する、(5)誰でも憂いなく告発を可能とするため、受付窓口は弁護士らを中心にした別組織とし(内部告発オンブズマン)、その真偽を慎重に見極めて事態改善に結びつける(告発された企業や役所を公益通報(内部告発)の窓口にするのはマズイ=国も自治体も役所が企業と癒着している場合が少なくないから)、などの抜本改革が必要です。:田中一郎)

 

4.種子法:廃止受け独自条例案作成 市民団体、道に要望 /北海道 - 毎日新聞

 https://mainichi.jp/articles/20180810/ddl/k01/010/155000c

 

(関連)日本の種子(たね)を守る会

 https://www.taneomamorukai.com/

==================================

 

メールの表題にも書きましたが、安倍政権・日本政府(霞が関関係省庁)は、今度は「遺伝子いじり」=バイオ・テクノロジーの世界で、とんでもないことをしようとしています。ここ数年、しきりにマスごみが報道する「ゲノム編集」という「遺伝子いじり」のバイオ技術について、その大半を「自由化」してバイオムラの「やりたい放題」にしてしまおうという「名ばかり規制」を入れようとしています。更にまた、医療の世界では、この「ゲノム編集」を用いて人間の受精卵の「遺伝子いじり」についても「GOサイン」を出そうというのですから看過できるものではありません(ヒト受精卵の「ゲノム編集」技術による「遺伝子いじり」については別途ご報告します)。

 

以下、簡単にこの問題についてコメントをいたします。既に(環境を守らない)環境省では、「ゲノム編集」生物の環境影響を全く軽視・無視した「名ばかり規制」案のパブリックコメントが始まっています。ついこの間の2018年7月に「御用学者・御用聞き」たちを集めて形だけの「審議会」を立ち上げて検討を始めたばかりだと思っていたら、もう異論も反論も懸念もすべて無視して、あらかじめ決めてあった「名ばかり規制=自由化」の規制案を結論付けて、形だけのパブリックコメントを実施しているのです。しかし、この内容はあまりにひどいものです。

 

(参考)遺伝子組換えや「ゲノム編集」を含む「遺伝子操作」への規制(後ほど詳述)

(1)環境影響規制:カルタヘナ議定書とカルタヘナ国内法(環境省所管)

(2)食品安全規制:食品衛生法(厚生労働省所管)

(3)食品表示規制:食品表示法(消費者庁、厚生労働省、農林水産省が各所管)

(4)医療倫理規制:業界自主規制ガイドライン(法制化は一貫して取り組まず、罰則なしのガイドラインのみ)

 

(関連)遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ(国内)法)

 http://urx.blue/MxKm

(関連)カルタヘナ法とは:農林水産省

 http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/about/

(ここに「第一種使用等」と「第二種使用等」の定義・説明があります)

 

これまでも、大学を含めて、「遺伝子いじり」=遺伝子組換え技術にかかる「研究の場」においてさえ、遺伝子が改変された生物(微生物など)が下水に棄てられるなどして環境影響懸念を高めてきています。今般、焦点化している「ゲノム編集」は、従来の「遺伝子いじり」=遺伝子組換え技術と基本的に変わるところはなく、ただ、①狙い通り操作できる成功率が高くなった、②操作方法が簡単になった、③コストが格段に安くなった、という3つが従来と違うだけです(注)。むしろ、それだけ利用が広範囲化し、より懸念が高まっていると言えます。ましてや、これがバイオ産業の手で実用化され、大規模に生産・利用が始まりますと、パブコメ案のような「無規制・自由化=無政府状態」のままでは大変な事態となりかねないのです。

 

(注)それをマスごみどもは、お気楽な宣伝文句をくっつけて、さも「ゲノム編集」が従来の「遺伝子いじり」とは違うかのごとき「虚像」を振りまく報道を繰り返しています。そして、この技術が人間社会に対しては様々な便益をもたらす「夢の技術」のごとく言い、他方で、その危険性についても、問題点についても、きちんと報道することなく、「ちょうちん記事」の垂れ流しのような愚かな報道ぶりを続けているのです。まさに、バイオムラとそれに癒着するアベ自民党政権・霞が関官僚への一種の忖度報道と言えるでしょう。

 

従来型の「遺伝子いじり」も、今般の「ゲノム編集」も、人間を含む全生物について、遺伝子の世界のことはほとんど分かっていないにもかかわらず、ほんの部分的な知識で、まさにご都合主義的に、人間の得手勝手な目的に利用しようとしているところに根本的な問題があります。人間でいえば、遺伝子だけでも何万もの数があり、それは1つの機能に1つの遺伝子が対応する、などという単純なものではありません。ある遺伝子が複数の機能を持ち合わせていることも判明し始めていますし、そもそも遺伝子がどのような秩序や生理作用で発現しているかもよく分かっておりません。また、これまでジャンクDNAなどと言われてきた非遺伝子領域のDNA塩基もまた、複雑な機能を持っていることも分かってきています。つまりDNAとその上にある遺伝子でさえも、相互連関性があったり、相互補完性があったり、発現したりしなかったり、していて、その全容のメカニズムはまだまだ未知の領域です。更に、これにエピゲノム=エピジェネティクスやDNAから生み出されるRNAの働きが加わります。

 

エピゲノムとは遺伝子の働きを制御する細胞内部の生化学的営みを言います。このエピゲノムがRNAなどとも複雑に絡み合って、巨大なミクロ世界における複雑系を創り上げていますから、今日の生物学研究の最前線の1つは、このゲノム・エピゲノム・RNAの複雑系の解明にあると言っても過言ではない状態です。要するに「全容はわかっていない=巨大な暗黒大陸」と言っていいものです。一つだけ例を挙げておきますと、遺伝子の病気と言われる「ガン」の全容解明はまだできていませんし、従ってまた、人類は「ガン」を制圧することもできておりません。何故ならガンの発生や成長や増殖や転移のメカニズムが解明しきれていないからです。遺伝子の世界は、その周りの生命現象も含めて「よくわかっていない」のです。(遺伝子どころか、人間の細胞や臓器や体全体のメカニズムや生命バランスなどについても未解明です)

 

(関連)「NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク第6集 生命誕生見えた!母と子 ミクロの会話」を見て:母子に恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)が起きてしまったらどうなるかを想像してみてください いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/nhk-37f8.html

 

そこに人間が、わずかばかりの知識をもって「ゲノム編集」を含む「遺伝子いじり」に参入し、その部分的知識だけで生物やヒト受精卵を「改変」して利用しようというのですから、これは言ってみれば、その結果がどうなるかは「やってみなければわからない」=人類未知の「化け物生物」(特に微生物は危険です)が誕生しないとも限らないわけです。ですから、遺伝子組換え技術や、その新技術である「ゲノム編集」を研究において使う場合には「何が起きるかわからない」という前提で、慎重かつ厳重な規制の下で、後始末も含めてしっかりと管理されなければなりませんし、また、この未熟な技術をヒト受精卵に使うというのは、私は時期尚早と言わざるを得ません。ましてや、これを産業として企業や大資本が取り込んで、「遺伝子いじり」の生物群を商品として(たとえば食品として)大量に売り出していくなどということは、私は原則として許されないことだと思っています。

 

(さしあたり「ゲノム編集」の危険性で申し上げておきますと、「オフ・ターゲット」変異といって、遺伝子改変が「ねらった場所」以外でもたくさん発生してしまう現象が問題化していて、その多くが「1塩基多型」(SNP : Single Nucleotide Polymorphism 1つの塩基だけが改変される)であるために非常に見つけにくく、従って、予期せぬ遺伝子発現が起きて、場合によっては有害物質が、その「遺伝子改変新生物」の細胞内に産生されている可能性もあるという危険性が指摘されています。今から20年以上も前の昭和電工・トリプトファン事件を想起させるものがあります)

 

(関連)トリプトファン事件 - Wikipedia

 http://urx.blue/MxGn

 

(また、遺伝子組換え食品については、動物実験等による安全性実証試験をロクすっぽやらず、認可申請企業の言うがままにOKを出してしまう、だけでなく、こうした「遺伝子いじり」食品の表示さえも行わなくていい、そういう出鱈目な食品管理行政がアメリカや日本で罷り通っているのです(「実質的同等性」)。この遺伝子組換え技術の延長上にある「ゲノム編集」食品について申し上げれば、今般、政府・環境省・厚生労働省は、これを「無規制・自由化」しようとしているわけですから、当然ながら、安全規制も表示規制も「簡便化・手抜き」で行こうとしていることは火を見るより明らかです)

 

このままでは近未来に修復不可能な深刻極まるバイオハザードが起きてしまう危険性があります。危険性というよりは、ほぼ間違いなく起こると見ていいと、私は考えています。最大の危険生物は微生物や昆虫類などです。人間が気が付きにくい、発見しにくいからです。政府と癒着して規制を撤廃し、やりたい放題にやって、自分たちが利益を得て、何か悪いことが起きれば「トンズラ」する、このバイオムラの動きは、原子力ムラによる原発・核燃料サイクルをめぐる動きと瓜二つです。

 

しかし、原発・核燃料サイクル施設の過酷事故により環境放出された超危険な放射性物質は、物理法則に従って時間とともに減少していきますが、危険物質などを産生したり生態系を破壊してしまうような未知の「遺伝子いじり」生物が環境に出てしまうと、生物ですから「交配」もするし「繁殖」もします。しかも、微生物や昆虫類などの繁殖はすさまじい勢いで増えていきますから、いったん「これはまずい」となっても、ほぼその拡大増殖は止めることが出来なくなってしまう、微生物のように相手が人間の目には見えないものだった場合には、より深刻なことになってしまうのです。バイオハザードは、原発過酷事故の比ではない、人類滅亡・全生物の絶滅をもたらす可能性もないとは言えない、危険極まる危機的事態です。それが、この「遺伝子いじり」の新技術「ゲノム編集」の取扱い如何では現実化する可能性があるということです。

 

以下、今般の環境省のパブコメの内容と、その問題点を簡単にご案内いたします(今回は環境省のパブコメですが、まもなく厚生労働省のパブコメも始まるでしょうし、食品表示についても、いずれ消費者庁がパブコメにかけてくるでしょう。そして、ヒト受精卵の「遺伝子いじり」に関する医療関連の自主規制ガイドラインも、そのうちに発表されるものと思われます)。

 

●10/19〆切 環境省「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について()」に関する意見提出について

http://urx.blue/Mx9m

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195180033&Mode=0

 

(意見募集対象:上記サイトから)

●<資料1>ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について(案) 

 http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000178262

 

(ごちゃごちゃと、シロウトにはわかりにくい言葉で書かれていますが、上記サイトの一番最後に付いている「まとめ図」の「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針」をご覧になるのが手っ取り早いでしょう。要するに、核酸=遺伝子またはそのもとになる塩基などを入れないような「遺伝子いじり」=いわゆるノックアウト型、あるいは「遺伝子そぎ落とし」型、の場合には「規制対象外」にすると書かれています。何と、遺伝子を操作された生物であるにもかかわらず、カルタヘナ議定書やカルタヘナ(国内)法の規制対象にはならない・しない、などというトンデモ「解釈」ならぬ「ネジマゲ」を行って「無規制・自由化」するというのです。呆れた話です。また、そうでない場合でも「移入した核酸又はその複製物が残存しないことが確認できた生物」であれば「規制対象外」にするとも書かれています。

 

要するに、最終製品に外部遺伝子ないし核酸(DNA、RNA、塩基など)が残っていなければいい、ということなのでしょう(触媒などとして微生物を使う場合か? 食品添加物やワクチンなどの製造によく使われる方法です。しかし、核酸が残っていなくても、その使った微生物が既に予期せぬたんぱく質などを細胞内部に産生している可能性があります)。上記で申し上げた「オフ・ターゲット」変異という意図せざる遺伝子の改変のことについてはまったく触れられておりませんし、予期せぬたんぱく質などの産生についても言及はありません。ノックアウトなら「遺伝子いじり」は自由にやっていいという、この環境省の管理規制案は全くのデタラメで危険なものと言わざるを得ません。小さな核酸や遺伝子をノックアウト(削ぎ落し)するだけで、危険な新生物が生れてくる可能性は大いにあり得ますし、「オフ・ターゲット」変異の遺伝子改変が、よからぬ悪さをすることも十分にあり得ます。「規制対象外」にして「やりたい放題」にさせることは、無謀というよりも、規制当局としての「責任放棄」(責任逃れ)であり、また、バイオムラと癒着しての「犯罪的行為」とも言えるのではないかと思います(水面下で何かやっているのでは?)。

 

それから、この「まとめ図」下段の欄外には次のような注書きがあります。

「(注2) 宿主と同一の分類学上の種に属する生物の核酸のみを用いた場合(いわゆるセルフクローニング)、自然条件において宿主の属する分類学上の種との間で核酸を交換する種に属する生物(ウイルス及びウイロイドを含む)の核酸のみを用いた場合(いわゆるナチュラルオカレンス)については、施行規則第2条第1号(イ、ロ)及び第2号に該当するため、「遺伝子組換え生物等」に該当しない(本取扱方針の対象外)。」

 

これもまた出鱈目です。要するに、同じ生物や種の範囲内で「遺伝子いじり」をしている場合なら規制対象外とします、ということです。自然界で起きるから(注)、というのが理由ですが、かような言い訳は通用しません。人間が遺伝子をいじっていることに変わりはないからです(この2つは、もっぱら中国など海外での食品添加物の製造の際に利用され、それが日本へ輸入されてきます。食品添加物は現在では、ほぼ100%輸入です)。

 

(関連)(輸入食品に走るのは危ない)(報告)「遺伝子組換え」を「遺伝子組換えでない」とウソをついて安全審査をしない「遺伝子組換(GM)食品添加物」に関する情報 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-3e2a.html

 

(注)「自然界でも起きているから」は「遺伝子いじり」の「無規制・自由化」の理由になるのか?

 自然界で起きる突然変異には「自然淘汰」という「仕組み」があり、その突然変異した種や生物が環境への「適応」に失敗すると、その代か、その次の代くらいで、その生物や種は絶滅してしまいます。たまに生き残る場合もありますが、その場合は環境や生態系に深刻な影響をもたらす時もあるのです。自然界で起きることでもこういうことですから、人間が手をかけて突然変異を起こし、人間の都合で利用される「遺伝子いじり」生物は、環境への「適応」というスクリーニングがないまま、大量生産され、大量利用され、大量廃棄されますから、常に巨大なバイオハザードの危機にあると言っていいでしょう。「自然界で起きている」という言い訳は無意味です。それがどうした、ということであって、「遺伝子いじり」であることに違いはないのです。

 

 <「ゲノム編集」技術に対する4つの規制の方向>

(1)環境影響規制:カルタヘナ議定書とカルタヘナ(国内)法(環境省所管)

 今回、いわゆるノックアウト型、あるいは「遺伝子そぎ落とし」型、の場合には「規制対象外」にする、更に、「移入した核酸又はその複製物が残存しないことが確認できた生物」であれば「規制対象外」にする、という「案」が環境省より出され(「案」といっても、もう内定してしまっている)、それがパブコメにかけられた。

 

(2)食品安全規制:食品衛生法(厚生労働省所管)

 天笠啓祐氏(下記参照)によれば、「環境省などの方針が追認されただけでなく、カルタヘナ法では規制の対象とされた「1〜数塩基挿入する」操作も対象外とする方向で議論が進められている。遺伝子として働かないようなわずかな塩基の挿入だったらいいのではないか、という考え方だが、1〜数塩基であっても確実に遺伝子の働きを奪うことができる。この考え方が受け入れられると、従来は規制対象であった、遺伝子組み換え技術を用いてわずかな塩基を挿入する技術も対象外となる。」だそうである。冗談ではない。

 

(3)食品表示規制:食品表示法(消費者庁、厚生労働省、農林水産省が各所管)

 アメリカ政府やGM多国籍企業からの水面下での強い要請もあり、「遺伝子組換え」の表示も含め、「遺伝子いじり」食品はいずれ全ての表示が廃止される可能性が高い。消費者が黙っていれば、ほぼそうなるだろう。消費者は適切な表示がなければ商品を「選択」できなくなる。

 

(4)医療倫理規制:業界自主規制ガイドライン(法制化は一貫して取り組まず、罰則なしのガイドラインのみ)

 ヒト受精卵を「ゲノム編集」技術を使って「遺伝子いじり」を許可する方向だ。しかし、「実用化」まで行くかどうかは今のところ微妙。難病治療や不妊治療などを理由に、実用化の道を探る動きが水面下で起きている。

 

(それから、クリスパー・キャス9、という「ゲノム編集」キット(道具セット)は、使い方が簡単で値段も安いため、厳罰付きできちんと規制がなされなければ、だれでもこのキットを入手して、やたらめったら、環境にいる生物を「ゲノム編集」で遺伝子改変できてしまうという恐ろしさもあります。その辺についても今回の「無規制・自由化」案には言及がありません。

 

 以下、関連情報をご紹介しておきます。

 

 <別添PDFファイル:天笠啓祐氏レポート>

 遺伝子組換え技術や「ゲノム編集」に詳しい科学ジャーナリストの天笠啓祐氏のレポートをご紹介します。(1)は直近情報で必読です。下記のレポートについては、みなさまも書店や図書館などで原本を入手の上、是非ご覧になっていただければと思います。

 

(1)政府を挙げて急ピッチで進むゲノム編集推進体制(天笠啓祐『週刊金曜日 2018.10.12』)

「amagasa_genomuhensyuu_suisin_kinn.pdf」をダウンロード
 http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002665.php

(2)ゲノム操作は人間と社会をどう変化させうるか(イントロ部分)(天笠啓祐『世界 2018.7』)

「genomu_amagasa_sekai_20187.pdf」をダウンロード
 https://www.iwanami.co.jp/book/b371288.html

(3)ゲノム編集への規制、日欧で正反対に(天笠啓祐『週刊金曜日 2018.9.14』)

 http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002645.php

(4)日本におけるゲノム操作食品への規制(天笠啓祐著「ゲノム編集食品の争点」(緑風出版))

「genomuhensyuu_syokuhinkisei_amagasa_ryokufuu.pdf」をダウンロード
 http://urx.blue/MxLF

 

 <別添PDFファイル:その他>

(1)遺伝子を壊してつくったゲノム編集食品って?(朝日 2018.10.10

 https://www.asahi.com/articles/DA3S13715773.html?ref=lettermail_1010_arti_mycate

(2)ゲノム編集作物の野外栽培、国へ任意の届け出制、実効性に課題(毎日 2018.8.31

 https://mainichi.jp/articles/20180831/ddm/012/040/121000c

(3)調べてみました 生活Q&A:ゲノム編集って、何?(『生活と自治 2018.10』)

「seikatu_qa_genomuhensyu_seikatutojiti.pdf」をダウンロード
 http://seikatsuclub.coop/coop/news/seikatsutojichi.html

(4)欧州司法裁判所:ゲノム編集は遺伝子組み換えとの司法判断(安田節子『いのちの講座 第112号 2018.8.29』)

「ousyuusihousaibansyo_genomuhensyuu_yasuda_inotinokouza.pdf」をダウンロード
 https://www.yasudasetsuko.com/vision21/

 https://mainichi.jp/articles/20180726/k00/00m/040/186000c

 

(欧州では、日本のようないい加減・デタラメを許さず、「ゲノム編集」についても、従来の「遺伝子組換え」と同様に、しかも日本のそれよりも厳しい安全規制・環境規制を入れる方向で動いています。:田中一郎)

 

 <関連サイト:動画>

(1)20180925 UPLAN どうなる?どうする?ゲノム編集の規制~厳しい規制を決めた欧州から学ぶべきこと - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=ReLuWSf-mD0

(2)20181012 UPLAN 【公開座談会】「不思議な紳士が語る 日本が目ざす不思議な未来」 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=K17HVH0g-VQ&t=5307s

(上記VTRの1時間23分頃に私も発言をさせていただいています:田中一郎)

 

 <関連サイト:その他>

(1)「ゲノム操作食品の争点」天笠啓祐著|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/223305

(2)私達の食の安全についての大切な話です。 山田正彦 オフィシャルブログ Powered by Ameba

 https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12408794563.html?frm_src=favoritemail

(3)生物ゲノム編集:遺伝子削除、規制せず 環境省原案 - 毎日新聞

 https://mainichi.jp/articles/20180712/k00/00m/040/096000c?fm=mnm

(4)BS1 スペシャル =「ゲノム編集」食物:密着 食の未来の最前線(ご都合主義のマスコミによる遺伝子操作応用技術の軽率な賛美や過剰な期待は近未来の深刻なバイオハザードや巨大健康被害をもたらす危険性を高める) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-3f4e.html

 

(以下はメール転送です)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

10/19〆切 環境省「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の

整理及び取扱方針について()」に関する意見提出について

 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195180033&Mode=0

 

環境省は、現在、専門委員会での結論をもとに、「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について(案)」に関する意見募集(締切は1019日)を行っています。「遺伝子を操作・編集した作物や魚」の一部は従来の突然変異と変わらないので、さほどの規制は必要ないという案を示しました。しかし、緩い規制で野放しになっては、企業も国も学者も責任は取れません。

 

9月からは厚生労働省の遺伝子組換え食品等調査会でも、ゲノム編集等の新たな育種技術を利用して得られた食品の取り扱いに関する審議が始まりました。調査会としての意見のとりまとめは11月、パブリックコメントは来年2月頃と予定されています。今回の環境省の結論が、食品としての扱いにも波及することは、言うまでもありません。家畜の飼料としての安全性も、今年度中には審議される見込みです。

 

当会は、バイオテクノロジーの農業応用の完全禁止を求めているわけではありません。広い層の市民を巻き込んだ社会的議論をふまえて、適切な規制のあり方を考えていくことを訴えます。もとより有識者だけの論議では不十分です。生産者や消費者を含む市民一人ひとりが、当事者として意見を表明していくことが必要です。

 

この拙速な動きにストップをかけたいと考えています。できる限り多くの意見が出されるよう呼びかけをお願いいたします。※下記の意見につきましてはご参考まで

 

*たねと食とひと@フォーラムの意見

 https://nongmseed.jp/archives/3024

草々

 

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