(報告)(10.11)「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」(嶋津暉之さん)(オルタナティブな日本を目指して:第17回新ちょぼゼミ)
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
●(イベント情報)(10.11)「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」(嶋津暉之さん)(オルタナティブな日本を目指して:第17回新ちょぼゼミ)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/17-394c.html
講師:嶋津暉之(しまづ てるゆき)さん
プロフィール: 2004年3月まで東京都環境科学研究所勤務。水源開発問題全国連絡会共同代表。八ッ場あしたの会運営委員。ダム問題に取り組む全国の市民運動を技術的にサポート。著書に『水問題原論』北斗出版、共著に『八ッ場ダムは止まるか』『首都圏の水が危ない』『八ッ場ダム─過去・現在・未来』岩波書店。
さる10月11日(木)、水道橋のスペースたんぽぽにおいて、嶋津暉之さんをお招きし、標記講演会兼学習会を開催いたしました。「ダム偏重の河川行政がいつまでたっても改められることなく続けられ、肝心の河道整備(堤防の補強・拡大や河川浚渫、河道内の森林伐採や河道の変更などなど、総合的な河川事業)が後回しにされ、なおざりにされてきたこと(国土交通省所管)、そして他方では、生態系豊かで保水力も高い広葉樹林や針広混交林、あるいは里山雑木林などを皆伐し、拡大造林と称してスギ・ヒノキの針葉樹ばかりを植栽して、その後の保育・育林を放棄したこと(農林水産省所管)、この2つが今年の西日本の大水害や数年前の鬼怒川流域の大氾濫などの深刻な災害をもたらしている。
ダムは集中豪雨や台風などによる水害を防ぎきれないばかりか、人工的に鉄砲水をつくりだすことで、水害被害をよりひどく深刻なものにしていることが、もう何十年も前から実証されているにもかかわらず、ダム偏重・ダムばかりつくる国土交通省の河川行政・治水政策は改まらないのだ。そして、その背景には、「河川ムラ」と呼ばれる大学教授や研究者までもを包み込む巨大な利権集団が存在している。かつて「コンクリートから人へ」を掲げて登場した民主党政権もまた、自民党と変わることなく、この「河川ムラ」の利権構造に取り込まれ、その「口先やるやる詐欺」政治家である前原誠司を筆頭に、マニフェスト違反・公約違反の従来型公共事業政策を継続し、我が国の河川行政・治水政策を転換することはできなかった。
嶋津暉之さんのお話をお聞きすることで、これまで私が考えてきたことが確信に近いものになるのを感じた次第です。詳しくは下記VTRや資料をご覧ください(特に八ッ場ダム建設中止を宣言した前原誠司の、その後の背信行為がどのように行われて行ったか要注目です=そして、その前原誠司は、あの自民党補完政党である国民民主党にまだ今も所属し続けていることもお忘れなく)。理路整然とお話をしてくださる嶋津暉之さんの当日のVTRや、今回のご講演のためにお作りいただいたレジメ(諸問題がきちんと整理されたすばらしいものです)が非常に貴重なものとなっていますので、みなさま是非ご覧になってみていただければと思います。
(関連)ダム洪水調節容量拡大、豪雨時放水 浸水被害陽止へ、国交省(毎日 2018.10.12)
https://mainichi.jp/articles/20181012/ddm/041/010/026000c
(上記は本日付けの毎日新聞記事です。あれだけの水害をもたらした原因がダムにあることが明らかになっているにもかかわらず、国土交通省の再発防止策ないしは対策は、相も変わらず上記のごとく「ダム。ダム、ダム」です。お話になりません。このグロテスクとも言える河川行政・治水政策は(いや、それ以上に我が国のあらゆる分野の公共事業は=下記VTRの最初のところで私からご説明しています)、ホンモノの政権交代を実現し、河川行政や治水政策の幹部責任者たちを総入れ替えする形で国土交通省を大きく改革しつつ、その抜本転換を進めていかないと、うまく進まないでしょう。今のままでは、カネばかりがかかるにもかかわらず、国土はどんどん荒廃してコンクリートの塊やダムばかりとなり、そして毎年のように悲惨な水害が私たち有権者・国民の命と生活を奪っていくことになるものと思われます。政権交代を急ぎましょう。:田中一郎)
<嶋津暉之さんの当日のレジメ:別添PDFファイル>
(1)(レジメ)「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」(嶋津暉之さん)(2018年10月11日)(前半)
「rejime_imadusan_1_damu_20181011.pdf」をダウンロード
(2)(レジメ)「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」(嶋津暉之さん)(2018年10月11日)(後半)
<当日の録画>
●20181011
UPLAN 嶋津暉之「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=L2tM9ygnvTU
<嶋津暉之さんのご著書>
(1)水問題原論-嶋津暉之/著(北斗出版)
(2)首都圏の水があぶない 利根川の治水・利水・環境は、いま-大熊孝〔著〕嶋津暉之〔著〕吉田正人〔著〕(岩波書店)
(3)八ツ場ダム 過去、現在、そして未来-嶋津暉之[著]清澤洋子[著](岩波書店)
<関連サイト:その1>
(1)八ッ場(やんば)あしたの会 八ッ場あしたの会は八ッ場ダム本体工事の中止と水没予定地域の再生を目的としたNGOです
(2)水源連(水源開発問題全国連絡会)
(3)公共事業改革市民会議 - Home
<関連サイト:その2>
(1)西日本豪雨に見るダムの限界(東京新聞特報面) 八ッ場(やんば)あしたの会
(2)大氾濫を引き起こした異常放水の主因は「初動の遅れ」。西日本豪雨災害は明らかに「人災」だ(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180802-00171839-hbolz-soci
(3)(時時刻刻)ダム放流急増、伝わったか 愛媛・西予、2キロ下流で5人犠牲:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/DA3S13579517.html?ref=nmail_20180711mo
(4)石木ダム:建設即時中止を要請 県に反対住民ら /長崎 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180512/ddl/k42/040/294000c
(5)西日本豪雨被害1週間:ダムは集中豪雨被害を防げないどころか、人工的な「鉄砲水」をつくることで下流域の被害を激甚化させる
⇒ ダムに片寄る治水政策を抜本的に見直せ いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-faab.html
(6)民主党「コンクリートから人へ」 VS 自民党「国土強靭化政策」:五十嵐敬喜法政大学名誉教授の論文に注目=公共事業の在り方が日本の未来を変える
+ 大阪北部地震とコンクリートブロック塀 いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/post-17c9.html
<別添PDFファイル:関連記事など>
(1)「石木ダム事業認定処分取消訴訟」判決に対する声明(2018年7月9日)
「isikidamu_tisaihanketu_seimei.pdf」をダウンロード
https://yamba-net.org/42413/
(2)「大戸川ダム建設再開、是か?非か?」(滋賀市民新聞 2018.5.24)
http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0026406
(3)愛媛県野村ダム巡り住民説明会、「放流被害は人災だ」(『週刊金曜日 2018.8.31』)
「nomuraxamu_juuminsetumei_funkyuu_kinn.pdf」をダウンロード
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201808100071
(4)憲法を見つめて(中):長良川河口堰、清流民意で守った(東京 2018.8.27)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018082702000114.html
(5)倉敷市 想定 被害 一致で注目、ハザードマップの落とし穴(日刊ゲンダイ 2018.7.12)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/233113
(6)ダムの限界を知り治水方策の転換を(つる詳子『週刊金曜日 2018.8.3』)
「damu_genkai_turu_kinn.pdf」をダウンロード
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002619.php
(7)検証 西日本豪雨、避難指示の伝達に地域差(イントロ部分)(黒部麻子『週刊金曜日 2018.8.3』)
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002619.php
(こちらの企画もよろしくお願い申し上げます)
●(10.20)「子どもの甲状腺がんと「県民健康調査」」(白石草さん:Our PlanetーTV)(オルタナティブな日本を目指して:第18回新ちょぼゼミ)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/our-planettv-18.html
●(11.6)(福島)原発事故による放射能汚染の実態:隠された汚染とその深刻な現実
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-7da4.html
●(11.13)緊急ちょぼゼミ「首都東京が危ない!
徹底検証 東海第二原発再稼働容認」 いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-cc7b.html
●(11.16)「社会保障制度改革と財政問題」(伊藤周平鹿児島大学法文学部教授)(オルタナティブな日本を目指して:第19回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/19-6a4d.html
●オルタナティブな日本を目指して(これまでのもの一覧)
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-0d95.html
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